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2013年10エロパロ348: 素直クールでエロパロPART15 (395) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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素直クールでエロパロPART15


1 :2011/06/07 〜 最終レス :2013/09/18
ふたば☆ちゃんねる落書き板の天才によりツンデレに対抗すべく、
新たに"素直クール"なる言葉が誕生した。
ツン→素直 デレ→クール
ガチで愛してくれるが、人前であれ、好意に関してはストレートかつ
クールな表現をするため、男にとっては嬉し恥ずかし暴露羞恥プレイ。
しかし、どこか天然。言葉萌えのツンデレ、シチュ萌えの素直クール。
ここはそんな素直クールのエロパロスレです。
荒らし、煽りはスルーでお願いします。
・職人に対し注意予告の依頼は止めましょう。スルーは自力で。
・職人の投下しやすい雰囲気づくりを心がけましょう。
・ネガティブな意見はなるべく控えましょう。
 理由もなく「嫌い」などの意見はスレには必要ありません。
前スレ
素直クールでエロパロPART14
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1284559058/
過去スレ
素直クールでエロパロPART13
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1266626964/
素直クールでエロパロPART1
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1139830862/
素直クールでエロパロPART2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1151146736/
素直クールでエロパロPART3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1165760283/
【エロパロ】素直クールでエロパロPART4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1177753262/
素直クールでエロパロPART5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182429786/
素直クールでエロパロPART6
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1191464305/
素直クールでエロパロPART7
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197548369/
素直クールでエロパロPART8
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1202454157/
素直クールでエロパロPART9
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212939321/
素直クールでエロパロPART10
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1224945913/
素直クールでエロパロPART11
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1237301421/
素直クールでエロパロPART12
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1249978294/
保管庫(エロパロ板)
http://derheiligekrieg.h.fc2.com/cool.html
保管庫ミラー(現在のエロパロ板最新保管庫はこちら)
http://red.ribbon.to/~hachiwords/scool/
素直クール保管所(全体)
http://sucool.s171.xrea.com/
素直クール保管所(ほの板・最新VIP)
http://www16.atwiki.jp/sucool/

2 :
とまあ、スレ立ててみたけど前スレのクール感染、いいですね。
ぜひ続きが読みたい!
まあそれはそれとして、幽霊で素直クール(クールじゃないという説もあり)の夕子さんの続き、長らくお待たせしました。
中篇を投下します。
---------------------------------
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1266626964/811-815の続きー
 僕たちが乗ってるのはでっかいワンボックスカー。
「兄ちゃん、ほら、海! 海だよ!」
 はしゃいでる弟の岳志に夕子さんが訊く。
「岳志君は海行くの初めてなの?」
 ワンボックスカーの後部(っていうか七人乗りの大型車なので中列の席なんだな)座席には真ん中に僕。右に夕子さん。左に岳志。
 あ、夕子さんっていうのはその、僕の大好きな女の人で、僕のことを好きだといってくれるとてもステキな、僕の彼女だ。
 夕子さんは本名は真由さんというのだけれど、僕は夕子さんと呼んでる。
 まあそれにはいろんな理由があるんだけど、それは
http://red.ribbon.to/~eroparo/sslibrary/o/original3144.html
とか、その続きあたりを読んでもらえばわかると思う。
 まあそれはそれとして、僕と夕子さんと岳志、そして夕子さんのご両親とドライブしている。
 運転してるのは夕子さんのお父様、雄一郎さん。
 背も大きくて、でも横幅も大きい、夕子さんの優しいお父さん。
 助手席には夕子さんのお母様、由美子さんが座っていらっしゃる。
「うん! はじめてー! 海! 海! 楽しみだなあー♪」
とバカな岳志ははしゃぎながら海の歌を歌いだす。
「あーれはうーみのこー、しらないのー」
 やっぱりバカなのでいろんなところが間違ってる。
 助手席の由美子さんが口を開く。
「騒ぐ磯辺の松原に〜♪
 煙〜たなびく、苫屋こそ〜
 わが懐かしき、住処なれー」
 と、完璧なメゾソプラノの声で由美子さん。
 うわあ。
 思わずパチパチと拍手してしまった。
 それは夕子さんも岳志も同じこと。
 運転してる雄一郎さんもハンドルを握る手の甲をもう片手で叩いて喝采してる。
「おばちゃん歌うまいね!」
 こらこら。岳志。おばちゃんは失礼だろ。
「いいのよおばちゃんで。岳志くん、おばちゃんはね、岳志くんみたいな男の子も欲しかったの。
 でも残念だけど男の子には恵まれなくてね。
 だからね、岳志くんとか拓海くんみたいな元気のいい男の子が可愛くてたまらないのよ」
「うん! 僕もおばちゃんすきー!」
 と、いつもの通りに何も考えず脳で直にしゃべってる岳志。
 助手席の由美子さんに後ろから抱きつく。
 調子のいい岳志は由美子さんに頭を撫でられたあとで、
「おねえちゃんも大好きー」
 そう言いながら、僕の膝の上にスライディングして、頭を夕子さんのステキな太ももにダイブさせる。
 あ、ちなみに夕子さんが着てるのはステキに白いワンピース。まさに「夏のお嬢さん」ってな感じの。
 ちょっとだけ裾が短すぎるかなあ、と僕は思ったんだけど、夕子さんが嬉しそうにくるっと回ってくれたときの
ふとももの白さが僕の網膜に焼き付いてる。

3 :
 とにかく、そんな短すぎる裾のワンピースを着てる夕子さんの生足にしがみつくバカな岳志。
 こら。そこは僕の場所だ。おまえは僕の膝でガマンしなさい。
「いいね!岳志君、『お姉ちゃん』ってもっと言って!」
 夕子さんの言うことに逆らえないのはDNAのなせる業なのか岳志は
「おねーちゃ! おねえちゃん!」
ときゃいきゃいと喜びながら夕子さんを呼ぶ。
「あーもう、岳志君たら可愛いなあ!!」
 ぎゅう、と岳志を抱きしめる夕子さん。あ。ああ。
 そそそんな、そんな羨ましいことを!!
「あのね、岳志君は拓海君の弟なんだから、私にとっても弟なんだよ」
 と、なんだか深く考えると意味深な言葉をつぶやきながら、夕子さんは岳志の頭をくしゃくしゃと撫でる。
「よかったわね、真由」
 と由美子さんが言う。
 そんな僕と夕子さんに、運転席からお父様の雄一郎さんが話しかけてくる。
「拓海くん」
と雄一郎さん。
「真由と一緒にドライブできるのは、三年ぶりなんだ」
 その言葉の意味が車中の全員の胸に染みる。ただし岳志は除く。
 夕子さんが、僕の掌をぎゅっと握ってくる。
 由美子さんがちょっと涙ぐむ。
「真由をよろしく頼むよ」
 ちょっとだけ寂しそうな、それでいてとても暖かい言葉が僕の胸に響く。
 僕と夕子さんの膝の上でねそべってきゃいきゃいはしゃいでる岳志の胸にはたぶん響いてない。

-----------------------------------------------------------------------------
 こんなことになったきっかけは、二週間前。
 もはや恒例になってる夕子さんとのお勉強会の最中、夕子さんは言った。
「ねえ拓海君、夏休みになったら、海行かない?」
「え?」
「えへへ。あのね、ウチね、海辺に別荘あるんだ」
「べ、別荘!?」
「うん。プライベートビーチだってあるんだよ。私そこ行くの三年ぶりだから。とっても楽しみなんだ」
 楽しそうな表情で夕子さんがいう。
「だからね、拓海君もいっしょだともっと楽しいと思うんだ」
「あ、いや、その、でも、岳志もいますし」
「岳志君ももちろん一緒だよ。拓海君のお父さんが許してくれたら、だけど」
「ぼくもいいのー!?」
 同じ部屋でかんじドリルを相手にうんうん唸ってた岳志が突然起き上がって言う。
「もちろん。海のそばで、砂浜も広くって、楽しいよ?」
「ひゃっふー!!」
 とやたらハイテンションな岳志。
「…いいんですか?」
「もちろんだよ。お父さんね、絶対拓海君を連れてきなさいってうるさいくらいなの」
 てな具合で、夏休みに入ってすぐの週末に、僕と岳志は夕子さんちの別荘に招かれたわけで。
---------------------------------------------------------------------------------
 こ、これが別荘だって言うのか!?
 デンドロビウムを始めてみたときのモーラみたいな反応をしてしまったのはあまりにびっくりしたから。

4 :
 デンドロビウムを始めてみたときのモーラみたいな反応をしてしまったのはあまりにびっくりしたから。
 目の前に現れたのは、視界の端から端まで広がるような大庭園とその中の大邸宅。
 これ、分譲始まったばっかりで他の別荘が建ってないだけだよね?ね?
 はじからはじまで、このひろーい土地が庭だなんて、そんなことないよね?ね?
 ちょっとした小学校の校庭くらいありそうな、それよりもでかいんじゃないか?ってなくらいの広大な庭。
 公園かと思ったくらいだ。
 っていうかここは日本かホントに。
「ひっろーい!」
 と車から降りてそこらを駆け回ってるテンションの上がりきったバカ岳志。
 その岳志を楽しそうに追い回してる夕子さん。
 きゃいきゃい言いながら、植え込みをジャンプしたり、木の周りをぐるぐる回ったりしてるちょっと足りない子の岳志。
 そんな光景を見ながら、僕の肩にそっと手を置くのは夕子さんのお母様の由美子さん。
「ありがとうね、拓海くん」
 そう言う由美子さんの目元がなんだか潤んでるのは気のせいじゃないと思う。
 とはいえ、そんな感謝されるようなことはしていないんだけど。
 ずっと植物状態だった夕子さんが、起きて元気になったきっかけは僕だと思ってるみたいだ。
 …いや、それはそれでウソじゃないんだけど、由美子さんの考えてるようなことよりはもっとファンタジックというか、
浮世離れした理由というか…まあ、ちゃんとは説明できない。
 とにかく、夕子さんが目覚めて元気になったのは僕のおかげだ、ってお母様の由美子さんとお父様の雄一郎さんは
考えてるみたいで。
 でも、僕としたら生身じゃないにせよあんなことをした結果なんで、素直にその感謝を受け入れるのはなんていうか、
悪い気がするっていうか、ちょっと焦るって言うか。
 ともあれ、そんな感じで僕は荷物を別荘へと運ぶ。
 うん。僕はこんなことでしか役に立てないし。
 夕子さんは「拓海君やっぱり力持ちだよね」
と嬉しそうに僕のことを見てくれる。うん。いいなこういうの。

 別荘の海側のポーチからビーチに直接出れる、と夕子さんが言ってたので岳志の着替えを手伝ってから
一緒に浜辺に出てみたのだが。
 またあきれてしまった。
 真っ白な砂浜。真っ青な海。
 ここはちょっとした湾になってて、入り江の向こう側の海水浴場はかなりの人出で賑わってるのに、
こっちのビーチときたら僕たちのほかに数名のグループがいるだけ。
 こ、このブルジョアめっ!
 世の中の不合理さを嘆こうとしかけたけど、それは間違いだった。
 うん。こんな誰もいないようなビーチでよかった。
 夕子さんが手を振りながら砂浜を駆けてくる。
 その長い脚に見とれて、そして羽織ってるパーカーの中のぷるんぷるんとゆれる胸にも視線は釘付けで。
 長い髪を頭の上で結った夕子さんも可愛い。超可愛い。
 その微笑みは僕の心臓を打ち抜いた。
「ね、見て見て」
 と夕子さんはパーカーを脱ぐ。
 その下から現れたのは真っ赤なビキニ。真っ白な、たわわな夕子さんのお胸と、それを包む三角形の
カッコいいビキニタイプの水着。
 透き通る白い肌と、挑発的な真っ赤な色がすごくいいコントラストで、僕は思わず息を飲んでしまった。

5 :
「へへへ…」
 そんな僕の表情をみて夕子さんは嬉しそうに微笑むと、僕に小さなプラスチックの瓶を渡してくる。
「え?これって」
 SPF50+、とかPA+++、とか書いてある。
「日焼け止めだよ。拓海君に塗ってほしいな」
 夕子さんが真っ赤なビキニの胸をふるん、と揺らせて僕に迫ってくる。
 え、いや、その、ちょっと…
 僕がどぎまぎしていると、夕子さんは急に大きな声を上げる。
「あ、岳志君!! ちょっと待った! お姉ちゃんが日焼け止め塗ったげる」
 一人っ子だからなのか、夕子さんは岳志にお姉さんぶるのが好きみたいだ。
「えー。いいよぉーべつにぃー」
 くねくねしながら固辞しようとする岳志。一刻も早く海に入りたいらしい。
「いいよ、じゃないよ岳志君! これ塗らないと、明日は岳志君、体中真っ赤になってヒリヒリして、
アッチッチになっちゃうんだからね!」
 夕子さんが恐ろしげな口調で言うと、岳志は途端に言うことをきくようになる。
 このへん、兄弟で似てるのかもしれない。
 くすぐったがる岳志の全身に日焼け止めを塗り終わると、夕子さんは岳志の海パンのお尻をパチーンと叩いて
「さあ、行ってこーい!」
 と叫ぶ。
 浮き輪をもって波打ち際に向かって全力疾走。あ。こけた。相変わらずバカな岳志。
「じゃあ、次は拓海君だね?」
 ニヤニヤしながら夕子さんが迫ってくる。
 四つんばいになって僕に近づいてくる夕子さん。
 そのたわわ過ぎるお胸は重力でボリュームを増し、小さめのビキニのトップから
こぼれんばかりの胸が僕の目に飛び込んでくる。
 両腕がそのおっぱいの両脇を通るたびに、むにゅんとかふるんっとか言いそうな柔らかそうな変形をみせるわけで。
 っていうかこれ、女豹のポーズじゃん!
 僕の視線をうれしそうに受け止めると、夕子さんは手のひらに白い液体を受けると、僕に抱きつく。
「え、あ、いや、その、自分で塗れますって!」
「だーめっ!」
「ひゃっ!?」
 白い乳液を両手に取ると、両手で僕のほほにぺちゃ、と塗りこめる。
 その白い肌が僕の目には痛い。だってあっちもほら、ああなっちゃうし!
「あ、あの、その、近いです夕子さん」
「んー? 近いってナニがぁ?」
 ニヤニヤしながら夕子さん。
「ほら、背中にも塗ったげる」
 と夕子さんは僕の身体に抱きつく。
 むにゅーっ、というほかない、柔らかな感触が僕の胸の上に着地する。
 夕子さんは僕に半ば抱きつくように僕の背中に腕を回し、日焼け止めを塗ってくれてる。
 顔はものすごく近いし、いいにおいがするし、夕子さんの身体ったら柔らかくてもう――!!!
「ふふふ。ほら、暴れちゃダメだよ♥」
 語尾にハートマークがついてそうな夕子さんの声。
 夕子さんのお母さんの由美子さんに助けを求めようとしたら、なんだかほほえましいものを見てるようなニコニコ顔。
「うわっ、拓海君、背中も筋肉なんだねえ」
 夕子さんの小さくて柔らかい掌が僕の背中を這い回る。
 ソレと同時に、僕の胸の上で夕子さんのステキなビキニに包まれたたゆんたゆんのおっぱいが
形を変えながら押し付けられるわけで。
 ああ。どうしよう。
 ズキズキしてきた。気づかれないように上向きにするにはどうしたらいいんだあ!?

6 :
「じゃあ、次私の番ね」
 と夕子さん。え。それってどういう。
 はい、と僕の手のひらに乳液を垂らすと、両手を広げて僕に胸を突き出してくる夕子さん。
 え、え?!こ、これって?!
 僕が逡巡していると
「…塗ってくれないんだ。じゃあ、私もう真っ赤でヒリヒリしてアッチチになっちゃうんだね」
 と悲しそうな顔の夕子さん。
「私の白い肌スキって言ってくれたけど、そんな肌ももうなくなっちゃうんだね。
 私が真っ黒になっても拓海君、私をスキでいてくれる?」
 涙ぐむフリだけでも僕の胸にはズキンときてしまうわけで。
「拓海君……」
 夕子さん。あの、ご両親が見ていらっしゃるのですが。
「ね、お願い」
 そう言うと目を閉じて、手を広げて僕に「塗って」と言わんばかりに身体を向けてくる夕子さん。
 夕子さんのそんな姿がたまらなく可愛くて切なくて苦しくて、だから僕はこう言ってしまう。
「あ、あ、あの、じゃあ、し、失礼します」
「うん♥」
 夕子さんの答えは語尾に、どう聞いてもハートマークがついてるような嬉しそうな声で。
 そしてそのあと僕が感じた掌の感触はまさに天上のモノで。
 柔らかくて、でもしっかりと僕の指を押し返してくる弾力の肌。
 むっちりとした脂肪の柔らかさ。
 水さえも弾いてしまいそうなくらいのピチピチした肌の張り具合。
 一秒でも長く触っていたくなるくらいの、夕子さんの身体。

「…ん!ッ…」
 夕子さんが僕の手に反応して小さく悲鳴をあげる。
「あ、あの、ゴメンなさい」
 僕がそう謝っても夕子さんは優しい。
「いいよ。拓海君だから。もっと強くしたっていいんだよ」
 あ。嗚呼。夕子さんのご両親が見ているなかで、夕子さんにこんなことをしちゃうなんて。
 そんな罪悪感も薄れるくらい、夕子さんの身体は柔らかくてステキだった。
 掌に取った白濁液を、夕子さんの首筋から胸元に伸ばすようにして塗る。
 ふにゅ、ともむにょん、ともいった擬態語で表すしかないような柔らかくてすべすべでステキな夕子さんの胸は
僕の掌や指を押し返すような強さの弾力で。
 夕子さんは細い体なのに、肋骨なんかは浮き出てるくらい肉がないのに、おっぱいだけはむにゅっとそこだけ
限定的に肉付きが豊かで。

「もう。拓海君たら。水着の中に手入れたっていいのにぃ」
 そんなことをいいながら僕にぎゅっと抱きついてくるのはなんというか、その、なんか熱くて硬くなっちゃうんで!
 さらに
「ココ塗ってないよ」
 と水着のブラの谷間を広げる夕子さん。

7 :
 お胸のむにっとしたお肉を広げると、そこには夢の桃源郷。
 いやいやいや。
 鎮まれ静まれ俺。
 うわあ。
 うわあ。
 うわあああああ。
「ね、お願い。拓海君…」
 そう言われたら僕は夕子さんの胸の谷間に手のひらを押し当てるしかないわけで。
 僕の手が、夕子さんの一番柔らかな肌に包まれる。
 夕子さんのおっぱいの、この世の極楽みたいな優しくてしっとりとしててすべすべで柔らかい感触に包み込まれる。
 うっ。
 痛いくらい、僕のアレは張り詰めている。
 どうしよう。でちゃいそう。
 ベクトルの内積や二次方程式の解を必に想起して息子を静めようとする僕に、夕子さんは笑いながら言う。
「ね、柔らかいでしょ?」
 ああ。
 ええ。
 なんとも。
 …僕のアレが、爆発しそうです!!!!

 ……海に入れば何とかなると思ってた僕が間違ってました。
 胸を僕の脇腹にむにゅっと押し付けるだけじゃないんですね。
 夕子さんは長い脚を僕の腰に絡めてきて、僕にしっかりしがみついたままで波の中で僕に身体を押し付けてくるわけで。
 波に揺られながら、僕の胸といい首といい、いろんなとこにキスしまくってるのはなんてーか、どうにかなってしまいそうな
くらい興奮してしまうわけで。
 公然と抱き合えるから夕子さんは嬉しそうに微笑んでいらして。
でも、そんな僕のもう片方にはきゃいきゃいはしゃいでる岳志がひっついてるけど、
これってあまりにあまりな生々しい光景なはずなのに。
 砂浜では夕子さんのお父さんお母さんが見ていらっしゃるって言うのに。
 僕のアレはまたまた、水着の中で今にも爆発しそうなほど、猛り狂ってた。ああもうっ!!!

--------------------------------------------------------------------------------------

 さて。
 昼間あれほど大騒ぎして、そして夕食の浜辺でのバーベキューにテンション上がりまくりだった岳志は
すっかり疲れて寝入ってしまってる。
 とろんとした目の岳志と金色のライオンの口からお湯が出てくるでっかいお風呂に一緒に入って上がったら、
もう岳志はベッドにバタンキュー。
 僕もいろいろ疲れた。いろんな意味で。
 ふう。
 柔らかなベッドにぽすん、と全身を投げ出す。
 やわらかいベッド。そして清潔なシーツのいいにおい。
 来て良かったな。
 夕子さんは楽しそうだったし、岳志もはしゃぎっぱなしだった。
 夕子さんのお母様の由美子さんもニコニコしてたし、お父様の雄一郎さんも嬉しそうな笑顔を見せてくれた。

8 :
支援?

9 :
 幸せだなあ。
 うん。幸せってのはこういうのを言うんだろうなあ。
 そして、そんな幸せを僕にくれた夕子さんが、僕のことを大好きだと言ってくれてる。
 それこそがホントの幸せなんだろうとおもう。
 もし、これが夢だったら、目が覚めた瞬間に僕はにたくなってしまうだろう。
 それくらいの幸せ。
 目をつぶると、夕子さんの姿が思い出される。
 長い髪を頭の上に纏めた夕子さんの姿。
 真っ白な肌。カッコよく突き出した、やわらかなおっぱい。
 真っ赤なビキニの内側の肌の柔らかさとすべすべとした肌。
 それを思い出しただけで僕の下半身の血流がおかしくなってきてしまう。
 うう。どうしよう。トイレに行って処理しちゃおうか。
 そんなとき、コンコン、と小さくドアがノックされる。
「拓海君?」
 ドアの外から控えめな夕子さんの声。

10 :
ドアを開けると、そこにいたのは夕子さん。その着ていらっしゃる寝巻きはふわふわしたシルクの生地のキレイな
ワンピースというかロングドレスというかネグリジェというか。
 とにかくそのお姫様みたいなフリフリのフリルも、夕子さんの長くてキレイな黒髪に映えてすごく可愛い。
 僕の視線に気づいて、くるっとその場で回ってくれる夕子さんも可愛い。
「ねえ拓海君。星がきれいなんだよ」
 そう言って僕の手を握ってくる小さくて柔らかくてすべすべの手。
 湯上りの夕子さんからはほのかにシャンプーと石鹸のいい匂いがして、僕はそんなにおいにクラクラしながらも
夕子さんに手を引かれるままにバルコニー(ここだけで僕んちの広さくらいある!)に連れられていってしまう。


11 :
あれ?
どうした?

12 :
忍法帖の規制なんで今日はここまで。
20行も書けないなんて酷すぎる…涙
でも完結まではがんばって書くから

13 :
忍法帳のレベル別文字数制限地味にうざったいですな…
続きをアッチチしながら期待しております!

14 :
さは

15 :
期待してます

16 :
gjです
それと
忍法庁UZEEEEEEE
なんとかならんのか

17 :
今でも更新してる保管庫ってないのかな

18 :
>>17
保管庫ミラー(現在のエロパロ板最新保管庫はこちら)
http://red.ribbon.to/~hachiwords/scool/

19 :
砂男クール
つまりこのスレは砂男というおっさんのエロパッ(略

20 :
クール感染です。タイミングがよろしければ投下させていただいてもよろしいですか?

21 :
OKOK!
待ってるぜい

22 :
あの日、そうあの中途半端で俺としては正直生しにされた気分のまま透子の家からお暇したあの日から、1日がたった。
つまり、今日はその翌日だ。
教室に入ると同時に目に入ったのは、一カ所に固まった男子生徒の群れだ。
「どーした?お前ら」
「あぁ、大谷か。実は篠木さんのことなんだが…」
「透…篠木って転校生がどうかしたのか?」
「あの子…隙がない」
え?
「隙?」
「あ、あぁ、なんというかその…他の女の子みたいにキャッキャ言う子でもなさそうだし」
「は、はぁ…」
「わ、わかるか!?そう!例えるならば組織の女スパイ!」
「落ち着け」
確かに、あいつは別に近寄り固いってほど陰険なオーラは出してないんだけど、話すための話題が見つからない。謎すぎて。
「ミ、ミステリアスってことか?」
「そぉだ!!」
そうかな…

23 :
「そこでだ、誰が最初に篠木さんに話しかけるか?またどんな話題で話すか協議していたところなんだ!」
は、はぁ…。確かにあいつは一見ミステリアスだ。学校では表情もなかなか大きな変化も見せないし、他の女生徒と話してるときも時々微笑むだけだ。
「なぁ大谷!?お前ならどう話しかける!?」
ラグビー部と相撲部に両肩を掴まれわっしわっしと揺さぶられる帰宅部。
お前ら俺をす気か?
それから同じような問答を繰り返し、俺の頭は数十往復以上は揺さぶられもうそろそろ意識ともオサラバかというところまでいったところで
『トントン』
肩を叩かれた。
グワングワン揺れる脳に翻弄されながら、後ろを振り返った
透子だった

24 :
「おはよ」
「え?」
それだけ言って、また透子は自分の席の椅子に腰をかけた。
え?
そんな顔をしなでくれ、我が同胞たちよ!俺だって意味がわからないんだ!
「ね、ねぇねぇ篠木さん!俺には!?ねぇ俺には!?」
「おはよ」
「お、俺にも!」
「おはよ」
「私にも!」
「おはよ」
ただの挨拶でここまで必になれる情熱、それをもっと別のものに回して欲しいんだけどなぁ。
お前らだ、お前ら男子のことですよ!

25 :
授業中のあいつは、背筋がピシリと伸びて、お手本かとでも言いたいくらいに姿勢、書き取り、傾聴…なんというか、隙がない!!確かに奴らの言う通りだ!
それは授業中でなく休み時間でも言えることで。その休み時間が訪れ、先ほどの野郎どもはまたしても同じように緊急集会を催しているんです。
「おい大谷!」
「は、はい!」
まさか体育倉庫に来いとか言わねーだろな?ただの挨拶だからな!お前らだって挨拶したじゃん!
「篠木ちゃんの…好きなもの…聞いてきてッ♪」
おいラグビー部。好きなものってなんだよ
「好きなもの聞いてよ、プレゼントするって結論に辿り着いた」
「いきなりプレゼントってかなり勇気いるぞ!?」
「仕方ねーだろ!話題が見つからないんだからよぉ!」
「…はいはい、聞けばいいんでしょーもう…」
好きなものか…確かに知りたくはあるな。

26 :
野球部の坊主ジョリジョリ攻撃を背中にうけながら、俺は透子の席に踏み出すことにした。
「よ!」
「優」
うん…何から話せばいいのかわからない。いきなり好きなもの聞いてもおかしいし…。
「こ、この学校には慣れたか?」
「えぇ、概ね慣れたわ。ところで何の用?」
隙がねぇーーー!!!
「え、えっとだな…」
あるんだ。用はあるんだ!でもなんか言い出しにくい
「?用事は無いの?別にそれでもいいけど…」
「あぁ…じゃ、聞くぞ?お前の好きなものってなんなんだ?」
「優」
おっと…。
「ありがとう。でもそうじゃなくてさ。好きな食べ物とか、そこらへんを聞いてるんだ」
「…」
しばらく、なんとも気まずい1分間を沈黙に費やした後、透子が答えたのは
「お茶漬けかしら」
「お茶漬け!?」
「好きなものなんでしょう?」
間違ってない。間違ってないんだけど何か間違えてる。
「あ、あぁ。お茶漬けね。ありがとさんっ」
「どういたしまして」
意外に渋い。

27 :
津々浦々のお茶漬けのふりかけを買い求めに奔走しにいった男子生徒たち、帰りにケーキ屋に寄るのを楽しみに下校した女生徒たちの姿はなく、教室には俺だけが残されていた。いわゆる掃除当番という奴だ。
「はぁ、あとはここで終わりだな」
別に俺はクラスから孤立してるわけでもパシリにされてるわけでもない。男子生徒の奴らは、今日だけ俺がやればのこりの日は全部やるそうだから気楽なもんだ。
「で?お前は他の女の子とケーキ屋行ったりしないのか?あんなに誘われてたのに」
「今日はいいの」
教室に残っていたのは俺だけじゃなかった。
「掃除は終わった?手伝おうと思ったんだけど」
「いーよいーよ、今終わったし…さ、帰るか」
「待って優」
なんだ?こいつは課題で残されてるのか?それとも実はこいつ几帳面で俺の掃除が甘いとかなんとか
「昨日の夜のこと、謝らせて」
このタイミングで!?

28 :
透子がわざわざ教室に残っていた理由が謝罪したいから?
「謝らせて」
透子がズイっとこちらに踏み出してくる
「い、いやあれは誰が悪いとか、そういうのじゃなくてだな」
「でも私の気が済まないわ」
そう言いながら、どんどんこちらに詰め寄り、ほとんど体が密着しそうになる。
「…じゃあひとまず謝られておきましょう」
「ごめんなさい」
「はい、許しましょう!」
透子は珍しく緊張した表情から、いつものように落ち着いた顔に戻ったあと、姿勢をかがめ、俺のズボンのジッパーを下ろしは…じめ…
「な、なにをする!」
裏切られた刑事のようなセリフを吐きながら、俺は驚きと抗議の声を出した。
「昨日の落とし前だけど?」
落とし前だけど?じゃねーよ!あとそのヤクザみたいな言い回しやめて

29 :
カチャカチャとベルトの金属音を鳴らせたあと、透子はゆっくりと俺のズボンを下ろした。
「透子…そこまでする必要はないと思うんだけど」
「ダメ」
即答かよ。それにしても、緊張するというか、威圧されてる気分だ。蛇に睨まれた蛙の気分がよくわかる。
下着をそっとズラしたあと、透子の目が僅かに見開いた
「…っ…」
そんなに驚いたように見られても困る。俺だって恥ずかしいわ。
「…んっ…」
透子が行動を起こすまで5秒もたたなかった。突如、さっきまで驚きの対象であったものを透子はくわえたのだ。
「ちょ!?」
「ん」
苦い顔をしながら、あれこれ試行錯誤するように、顔の角度を変えては、先から根元まで丹念に舐めとる。
「お前っ…なんか…上手くねぇ…!?初めてじゃないのか?」
「初めてだけど?」
口を離して、また首を傾げながら透子はこたえた。
「あ、あぁ、そうなのか」
「下手かしら?やっぱり」
そういって透子はまた行為を再開した。えぇすごく上手いです。

30 :
時折、俺の様子を心配するように、上目づかい+涙目でこちらを見てくるこいつ。ジュパジュパと粘着質な水音が教室になりひびき、誰かに聞かれてやしないかと少し心配になる。
透子の舌が、まるで別の生き物のように絡みついてはズルズルと竿を這いずり回る。
「くっ…と、透子?も、もうそろそろ出る!」
「ん」
了解、とでもいいたいのか?透子はそんな声を出した後、今までになく激しく舌をうごかした。ふぅ、ふぅ、と息を荒くしながら、口から銀色の糸を大量に垂らしながら。
「あぁっ…ちょっタイム!ティッシュ出すから!」
「んっ!んぅ!ちゅ…」
その言葉を拒むかのように、透子は先から大きくほおばり、吸い始めた
「おっおぉい!話聞いてたか!?うぁ、ダメだ!」
俺の背中に電気が走った。と、同時に下半身が大きく脈打ったあと、昨日のモヤモヤとドロドロとネバネバが思いっ切り出ていった
「んぐっ!?ふ、ぅん〜…ん…!」
透子の口に。
「ん…ぷはぁ…ゆ…優?気持ちよかった…?」
眠そうなくらいに目をぼんやりとさせた透子がそれでも俺を気遣うように聞いてきた。えぇ最高でしたとも…。
「じゃなくてぇ!お前っほら、汚いだろ!ほら吐き出しなさい!このティッシュに!ペッペって」
「もう飲んだわ」
「…」
もう突っ込む気が起きない。もう下校時刻が近い。はぁ…

31 :
そして慌てて身支度を整え、透子を家まで送り、透子の家の前で何事もなかったかのように二人して透子のおばさんの世間話を聞いた後、何事もなかったかのように透子と別れた。そう、何事もなかったかのように、透子は手を降って…。
次の日の朝、透子の机の周りに人だかりができていた。成分はもちろん男子生徒。
「おう大谷!」
男子生徒の大半の奴らの手には地方限定のお茶漬けの素が握られている。
ま、まさか昨日のうちにこんなに買ってきたの!?
「優?」
そして透子の机の上には袋の山。
「そぉだ大谷ぃ…透子ちゃんによぉ?話題作りのために茶漬け以外の好きなもの聞いたんだよなぁ、俺たちゃ」
「へ、へへぇ」
初めからそうしなさいよ…。なんとなく冷や汗が垂れる。
「何て言ったと思う?」
「シュ、シュークリームとか?」
「違うんだよなぁそれが」
おいまさか
「優だけど?」
それがなにか?という顔で俺を見る透子。その周りに、握り拳をたて俺を睨む『元』親友たち。
俺は今日、無事に学校から帰れそうにない。
おわり

32 :
今回はここまでです。
次こそはエロメインで本番いきたいなぁなんて思いつつ、文章力を鍛えます。
お読みいただきありがとうございました!

33 :
うむ、乙

34 :

力作だな
続きも楽しみだ

35 :
全人間に素直すぎてワロタw

36 :
前どんな話だったかなーと思ってたら前スレ落ちてて読めなかったorz
Datは保存しとくべきだな…
大人しく保管庫の更新を待ってるよ
>>32GJ

37 :
>>18
そこも最近更新無いなぁ

38 :
スレが終わっても更新しなくなったな

39 :
では

40 :
保守

41 :
保管庫はもう更新ないのかね

42 :
VIPの方はどうなったんだ?

43 :
何かガワだけで中身全部消えてるよなアレ

44 :


45 :
しゅ

46 :
補修

47 :
「君たちの保守の精神は素晴らしいな、一瞬惚れてしまうところだったよ」

48 :
惚れてないのかよw

49 :
「なんせ私には先約が居るからな。」
「マジかよ!どこの馬の骨だよ!」
「ふふふっ彼の保守を一度受けた瞬間から病みつきになってしまってな、あぁ思い出すだけでっ!」
「クラス1のクール女の>>47さんが人前でノロケるだと…」
「くそっ!どこの羨ましい奴だよ!」
「何を言っているんだ?こんなに近くにいるじゃないか」
といって女は後ろの席でふて寝していた男を引っ張り出す。
「なっ>>47っ!いきなり何しやがるんだよ!」
「こいつがその先約だ。」
>>44>>45>>46、どうして俺の方見てるんだよ…俺なんかしたの?めっちゃ怖いんだけど」
「「「…キ・サ・マ・かぁぁぁ!!」」」
「ちょ…まっ…ああああ!!」
男達はダッシュで教室を出ていった
昼の授業、彼氏の顔にはかわいい動物柄の絆創膏が張ってあった。
誰にでも素直クールなのが大好き。

50 :
感動した
>>49の妄想レベルは世界一

51 :
スレの過疎化に保管庫の滞りも原因なんだろうな。どうにかならないものか

52 :
>>51
キミが保管庫を作ってちょ

53 :
過疎ってるなぁ、残念だ

54 :
ありそうで微妙に思いつきにくい属性な気がする。
投下までするとなるとさらに。

55 :
てすと

56 :
こんにちわこんばんわおはようございます、いつもの人です
単品書いてきました
・エロあり
・グロ、スカなど注意要素多分無し
・ヒロインに一癖二癖あり
・夏休み時期ネタ
ではどうぞ

57 :
「ヒロ君、少し寒くないか」
 カフェに入るなりナル姉は鞄に詰めてあった上着を取り出して羽織る。きょろきょろと天井を見上げて空調か
ら一番遠い座席に腰を落ち着けた。
「てか暑いよ」
 最近は節電とか何とかで、例年に比べればこの店だってエアコンの設定温度は高く設定されている。さっきま
で噴き出していた汗は止まったが寒いと言うほどでもない。むしろ火照った肌に冷風は心地よいくらいだ。
「ホットカフェオレ」
「アイスコーヒー」
 注文を取りに来た店員はわずかに顔をしかめたが、すぐににこやかに表情を作り直して厨房へ下がっていっ
た。
 置かれていったお冷やを一気に飲み干して一息吐くと、上着の前を寒そうにかき寄せて身体を強張らせたナル
姉が自分にあてがわれたグラスを恨めしそうにこちらに押し退けてくる。こんなに寒いのになお氷水を出すなん
て一体どんな店なのだ、と内心憤慨しているに違いない。滅多に表情を崩さないから、ある程度付き合いが長く
ないと予想もつかないが。
「……遅い」
 そんなに早く出てくるわけがないのは彼女も分かっているはず……はずだ。
「言いたいことがあるなら言えばいいではないか」
「八つ当たられるのは勘弁」
「八つ当たりなんてしない。夏に冷房を強くすることがいかに無駄で意味のないことかを」
「世の中じゃそれを八つ当たりって言うんだよ」
 ナル姉――宇佐見鳴海――は大学で知り合ったときからこんなのだった。大学の資格サークルの勧誘会で初め
て見かけたとき、酔いに任せてサークルのメンバーと大論戦を張っていた。てっきりサークルの一員なのかと思
っていたら、勧誘される側、つまり自分と同学年と聞かされたときには驚いたものだった。
 俺に自分のことをナル姉と呼ばせているのも『私は浪人してキミよりも年が上だから、ただナル、と呼ぶのは
なれなれしい』と言い出したのがきっかけだ。その頃には既に恋人同士になっていたのに随分今更なことを言う
ものだ、とも思ったが、そこは彼女に口でやりこめられたというか丸め込まれた。
「君は人を思い遣るということを知らない」
「真夏に長袖を着込んでるアンタをどうやれば思い遣れるんだか分かりません」
「それは奇遇だな。こんなに店内は寒いのに半袖のまま平気な顔をしているだなんて想像もつかない。見ている
 だけで寒くなるよ」
 まだ運ばれてこないのか、とちらちら厨房のほうを見ながらそんな悪態をつく。確かにこっちだって汗だくだ
が、新たな汗の噴出は止まっているのだから異常な暑がりのような扱いは止めてほしい。顎を伝って垂れてきた
汗をおしぼりで受け止める。蒸しタオルがほんのり温かくてまた汗が出てきそうだ。
「温かい。きちんとサーバーに置かれているおしぼりは後世に伝えていくべき素晴らしい文化だと思わないか、
 ヒロ君」
 目を見開いたまま寝言を言う彼女にどう返事をしようか考えていると店員がようやく飲み物を持ってくる。ナ
ル姉が待ちわびたとばかりにさっさと自分のソレを確保して一口啜ると、ようやく落ち着いた表情を見せた。
「この時期は苦手だ。こういう店でないと温かい飲み物が手に入らない」
「自販機も『つめた〜い』ばっかりだからな。……コンビニとか行けばあるんじゃないの?」
「あんな氷室に好きこのんで入る趣味はない」
 ちび、と彼女がまたカップを啜るのを横目に、自分のアイスコーヒーにガムシロップとコーヒーフレッシュを
放り込んでストローでがしがしかき回す。両手でグラスを包み込むと手先がひんやりとして気持ちいい。頬ずり
したいくらいだ。
「遊んでいないでさっさと飲め。行儀が悪いだろう」
 彼女の言い分ももっともだとストローを思いっきり吸いあげる。あっと言う間に液体部分がなくなる。案の定
氷が多い。
「そこまで急がなくてもよかったのだが」
 彼女のカップにはまだ半分以上カフェオレが残されている。
「私も急いだほうがいいか?」
「いや? ゆっくり飲んでるのを見つめてニヤニヤしてるからご心配なく」
「そうか」
 一旦取り上げたカップをテーブルに置き、こちらを見返してくる。そのまましばらくお互いが無言で見つめ合
う羽目になった。

58 :
 視線を外すのは負けだと思う。視線を外すということはすなわち生存競争での負けを意味する。山で熊と出く
わしたときも、目を見ながらそっと後ずさりするのが正しいとも聞く。簡単に折れてしまうのは癪だ。
 改めてナル姉の面体をまじまじと観察する。正直、美人ではない。童顔で身長も低いほうだ。俺のことをロリ
コンなどと言う奴が陰に日向にいるが、ロリコンはこんな面倒な女を相手にしないと思う。いや、子供のように
駄々をこねるところがあるからむしろ好物なのだろうか。
 また、寒そうに見えるのは厚着をしているからというだけではない。寒がりな上に出不精だから日に当たって
おらず肌が病人のように白いのもそう見える理由の一つだ。ちなみに、扇風機を全力でブン回しつつ自室でじっ
としているのが彼女の夏のスタイルだ。出不精のくせにエアコンを敵視している上、暑いのに特別強いわけでも
ないから自然とそうなったらしい。
「……ヒロ君、何か喋り賜え」
「見つめてるって言っただろ?」
「君は私のことを馬鹿にしているのか。久しぶりに君に会えたのに声が聞けないのでは意味がない。顔面偏差値
 が人並みの君に私がベタ惚れしているのは君のバリトンが大きくウエイトを占めているから、というのは以前
 にも伝えたことがあっただろう?」
 これで本人は褒めているつもりなのだからどうしようもない。貶める言葉は一言も言っていないから何も問題
ないだろう、というのが彼女の言い分だ。事実、確かにどこかの出来が悪いと言われたわけではない。
 それでもこっちが気分を悪くする可能性を全く考慮に入れていない彼女の物言いは、以前なら度々騒ぎの原因
になっていた。その度に宥め、すかし、後始末をしていたのは大概俺の役目。お陰で多少の彼女の褒め言葉
(?)では動揺しなくなっている。嫌なスキルが身についたものだ。
「……まあいい。こういう恋人同士らしいこともたまにはいい」
 何か一人で納得してカップの中をぐい、とやる。口の端についた液体を舐めあげるとまたこちらをじっと見つ
めてくる。
「顔がにやけそうだ」
「少しは表情崩してからそういうこと言ってみたら、ナル姉?」
「口角が3mmくらいあがっているぞ」
「そんなもん、普通は誤差の範囲だ」
「その誤差を見切ってくれるのが彼氏ではないのか」
 憤慨した振りをしながら机に置いた指でトントンと音を鳴らす。機嫌がいい証拠だ。
「なら俺の変わったところも分かるんだよな?」
「髪を2週間前に切った。体重が少し、2kgくらいかな、落ちた」
 恐ろしいことに全て当たっている。ストーカーのようで気持ち悪い。
「ストーカーみたいで気持ち悪いと思ってる」
「そりゃ思うだろ。なんで分かるんだよ」
「髪は長さで前回切ってからの間隔は想像がつく。体重は薄着だからな、見た目でなんとなく分かる」
 この女、相変わらず怖い。

59 :
 * * * * * *
 扇風機にあー、とやりたくなるのは本能だろうか。
「あ゙〜〜〜」
 帰宅して早々、エアコンを弱めに入れて扇風機は最強に入れる。顔を押し退けるような強風に目をしばたかせ
ながら吠えていると、背後に人影が立った。
「子供のような真似をするのが好きだな、ヒロ君は」
 嘆息しながら俺の隣へ腰を下ろすナル姉が首を振るスイッチを押し込んで俺から風を奪っていく。彼女のこと
を気遣ってエアコンは最小限に留めているんだから扇風機くらい独占してもバチは当たらないのではないか。
「私は扇風機の風は好きだ。もう忘れてしまったか?」
 まさか、と首をすくめてみせる。大学の通路に置かれていた業務用のオレンジ羽の強力扇風機の前に1時間以
上陣取っていたせいで風邪を引いたとき、面倒を見させられたのは他ならぬ俺だ。
「ならそれくらい我慢したまえ。わざわざこんな田舎にまで会いに来たのだから、それくらい譲ってくれたって
 いいだろう?」
「田舎って、ナル姉が今住んでるところだって大して変わらないだろう」
 一昨年、地元で上手いこと就職先を見つけて戻った俺と、同じ大学の大学院に進んだ彼女は絶賛遠距離恋愛中
だ。まだ学生(と言うと決まって、自分は修士生だ、と怒られるのだが)の彼女が夏休み期間を利用してこっち
に遊びに来た格好のお泊りは2泊3日の予定。ヒロ君のウチに泊まっていくつもりだがそれでもいいか、と訊いて
きたときは自分も多少は好かれているのだとうれしくなったものだった。
「だから田舎だと言っているんだ。大学のキャンパス以外何もないところとこの辺り、どっちがより都会だ?」
 答えに窮する質問をしてくる。この辺りも娯楽がパチンコ屋だけなところは変わらない。向こうには大学とい
う立派な教育機関があるからこちらのほうが分が悪い。
「そんなこちらが不利になる質問には黙秘します」
「卑怯な真似を……あ、こら」
 ナル姉の隙を突き、扇風機の首をこちらに向けて風を強奪する。Tシャツの襟から風を入れると上がりすぎた
体温ががくっと下がった気がした。
「私の扇風機を」
「じゃあ俺のエアコンには全開で働いてもらおう」
「わがままだな君は」
「どっちがだよ」
 ナル姉はエアコンのリモコンをいつの間にか手にしていた。何かの信号を本体に送りつける。
「これでいいだろう?」
 エアコンが大量の冷気を吐き出し始めた。
「寒くなるから暖を取るぞ」
 露骨な言い訳をすると彼女が俺と扇風機の間に立ち塞がり、抱きついてきた。

60 :
「この温もり、久しぶりだ」
 不意に正面から抱きしめられて束の間反応出来ずにいたが、彼女の呟きに含まれた湿り気で察した。
「……帰ってきたばっかりじゃね? せめてシャワーくらい」
「だからどうした。久しぶりにセックス出来るのに、時間いっぱい愉しまない理由はないだろう」
 時間いっぱいって、と笑いかけたが、彼女が更に力を込めて抱きしめてきたので本気だと分かる。
「セックスしたいから会いに来た、みたいに聞こえるんだけど?」
「理由としては3割くらいだよ。肉欲なんて所詮その程度さ」
「3割もあるのかよ、ってのが俺の印象だけど」
「それは考え方の齟齬という奴だ。3/10しか占めていないじゃないか」
「だったら残りの7/10を言ってみろ」
「君の声が訊きたかったのが2割、君の顔が見たかったのが2割、田舎料理が食べたかったのが2割。その他諸々
 で1割だな」
 結局セックスの一番比率が高い。『肉欲なんてその程度』ではなかったのか。
「シたかった、って正直に言えよ?」
「正直に言えば、時間いっぱい付き合ってくれるか?」
「それは体力と要相談です」
 ナル姉の背中に回した指が上着越しにブラジャーのホックを探す。辿り着いたそこを軽くひっかきながら我侭
なお姫様の求めるままキスをする。
 これをきっかけにナル姉が本気になった。俺のズボンの前を探って中身を取り出すと強めに握って上下させ
る。彼女の思惑通りあっと言う間にその気になった俺も更に攻勢を活発化させていく。
「ヒロ君はもうこんなにしているのか。射精寸前だな」
「……そういうナル姉は、どうなんだよ」
 ホックの位置だけ把握した指は、とっくに服の中に侵入してブラジャーを外していた。更に隙間に潜り込んだ
指の送ってきた情報に寄れば、彼女の膨らみの頂点は固くしこっている。こんなザマで俺のことをどうこう言え
る立場か。
 彼女はふふ、と囁くような笑いを返事にする。俺の上半身を押し倒して膝立ちになると、膝丈のスカートを
捲って下着のクロッチ部分をズラす。露わにしてみせたそこはしっとりと湿っていた。
「こんな感じ。……君のこと、言えた義理じゃないな」
 珍しく困った顔をしたナル姉が自分のクリトリスへ指を立てる。指の腹でおずおずと捻って潰す。
「っん……あ、すぐ、あっ、濡らす、からぁ」
 彼女は俺の目の前でオナニーをして自分を高めている。そんな煽られかたをしてはこっちだってその気になら
ないはずがない。上半身に覆い被さっていた彼女を引き寄せて濡れ始めていたそこへ口をつけた。空洞へ舌を突
き入れて粘液を掻き出す。淫靡な匂いが汗に混じって鼻に絡みつく。
「あ、んぅ……ヒロくん……急に、ダメだろう……?」
「手伝ってるだけ」
「……それなら、私も手伝う」
 言うと彼女は身体を反転させ、シックスナインの体勢へと変わった。

61 :
「ん、くぅ……ちゅる、ずずっ」
 唾液を絡ませて全体を咥えこんで唾液と一緒に啜る、なんて以前にシていたときには知らなかったはずなの
に。気持ちよくて思わず浮き上がる腰を必に押しつけながら、彼女のそこも刺激し返す。
「こ、ゆーの、好きだろ? ……よかった」
 こちらの好みに合わせてテクニックを磨いてきた、らしい。勉強もせずにそんなことをしていたのか。
「喉の奥、突き上げないで……くれ、よ?」
「ん……なら、押しつけるな。息が苦しい」
「済まない。君の舌、すごく気持ちいいから……」
 そうしてまたフェラに戻る。汚い汚くないというのは完全に頭からなくなっているらしい。押しつけられたそ
こを、指と舌とでいじると、彼女の責めが少しだけ緩やかになる。
「こんなにひくひくさせてしまって……もう出したいのか?」
 舌の先で先端をこじりながらそんな風に言葉を投げかけるのだが、こっちとしては目の前で繰り広げられてい
る痴態のほうに興味があるために返事が出来ない。
「ヒロ、くん? ……ひゃあぁっ!」
 そろそろ使用に耐えうるだけ愛液をしたたらせているそこに鼻を突っ込むようにして深く探る。指で押し開い
て舌で襞を少しずつ広げると、それに合わせて彼女も口を激しくする。幹まで口の中に含みつつそれを絞るよう
にして吸い上げてきた。ぐぽ、と粘液の音が鳴る。
「イって、いい……からぁ……あむ」
 唇でカリに噛みついてくる。その拍子に気が緩んでしまった。半固形と呼べるような精液が噴出すると全身が
雷に打たれたかのように突っ張り、彼女の口内深くに突き入れて注ぎ込む。彼女は若干の不満が含まれた、掠れ
た声と共にそれを飲んでいった。
「……相変わらず、君は遠慮もなしにたっぷり出すな。あと前より早くなったかな?」
「早いは余計だ。それにイヤなら吐き出せ」
 彼女は振り向いてこちらを見下ろし、口の端にこぼれていた白濁を親指で拭うと口に含んだ。
「そういうのは必要のない気遣いと言うものだ。誰が君の快感を高め、射精に導いたと思っている」
「そりゃ、ナル姉だけど」
「なら出てきた精液をどう扱おうが私の勝手だろ?」
 屁理屈だが言い返せない。この妙な説得力はどこから湧いて出てくるのだろうか。

62 :
「もう……いいな?」
 落ち着いて見せてはいるが夏場の犬のように浅い呼吸を繰り返しているのは相当興奮している証拠だ。自分に
もそれをからかう余裕がないことに気づいて、振り切るように彼女の腰へ手をかける。顔を見ながら、声を聞き
ながらシたい、という彼女の我侭に付き合わされて正常位になっていた。先端を熱を持ったそこにあてがうと、
彼女は自分から身体をズラして入れようとする。
「な、あ、いいだろう?」
「ナル……かわいいな、お前」
「なっ……にを、いきなり言い出すんだ。私のこと可愛いなんて言うのは、君だけ、じゃないか……」
 不意打ちで赤面した彼女が復活しないうちに、とあてがった分身を彼女へ沈めた。喉の奥で押ししたような
音を鳴らして挿入の感覚に耐えている。
「ふあっ……やっと、きた、な」
 彼女は臍の少し下辺りを撫でて表情を崩していた。快感に恍惚となっているようにも、待望のおもちゃを手に
入れたようにも見える。
「私の中、に、入るのも……君、だけだ……」
「変わり者だって言いたい?」
「わた、しのが、変わってるだろう?」
 ぐち、ぐち、と一定のリズムで彼女が繋がったところを押しつけてくる。口を開いて荒い呼吸を繰り返すもの
だから、普段の能面のような印象はもはやどこにもない。普段の彼女を知っていれば知っているほど、今の涎を
垂らした彼女を同一人物とは認めないだろう。
「セックスのためだけに、こんな田舎まで来る、んだぞ?」
「……あのなぁ、誰とのセックスがいいとか言ってくれれば、俺だって多少は」
「気持ちいいおもちゃが見つからないから、なんて言われたいか?」
「俺はおもちゃ代わりかよ」
「まさか。バイブは君のように優しく奥を突いてくれないだろう。君の肉が、私の一番奥を犯すのがいいんだ」
 それだって『君のじゃないと満足できない』とでも言えばいい話ではないか。相変わらず持って回った言いか
たをする彼女にほんの少しもどかしさを感じながら接合部分を密着させて捻り込む。
「んぁあぁぁっ! おっ……くぅ……っ!」
 ナル姉は奥のほうを押し込まれる刺激に弱い。ようやく嬌声と呼べるような声を聞くと、俺は自分自身のタガ
が吹き飛んだのを感じた。
「やっと、喘ぎ声、聞かせてくれた、なっ!」
「わたしのこえ、好きなんて、おかしっ……!」
「くっ、あ……お前だから、いいんだろうが……」
 腰をくねらせてなんとか突き上げから逃れようとする彼女の動きがそのまま膣の動きに変わる。分身を包み込
んで緩やかなマッサージをしていたのが急に握りしめて扱きあげはじめたのだから、我慢なんて意味がなかっ
た。
「で、出るっ!」
「ひ、ヒロくんっ!? ああぁぁぁっ!」
 溜まっていた分を全て吐き出す。喉の奥へ声を押し込まないと大声で吠えてしまいそうな強烈な快が全身を麻
痺させる。目の前がチカチカして呼吸が落ち着かない。
「っくあ……」
「……あ、んぁ、ヒロ君」
 ナル姉は注がれた感触があるのか、日に焼けていない白いお腹を抱えるようにしてその辺りを撫でていた。
「ヒロ君、私……」
「……ん?」
「まだイってない」
 まだ入ったままだった若干萎えたモノをぎゅうっと締めつけると、ナル姉はにたりと笑って見せた。

63 :
 * * * * * *
 快感の波が引いていって頭が冴えてくると、今更なことに考えが回る。その……大丈夫だったのだろうか。
「あ……あのさ……」
「ナル姉」
「へ?」
 唐突に、不機嫌そうにそう言う。
「さっき私のこと、ナルと呼び捨てにしただろう」
「……言ったっけ?」
「言った。君の言ったことだ、どうして忘れる」
 要するにナル姉は、俺の失言を今更思い出して生意気だと憤慨しているらしい。
「お互い裸で何を今更と思っているかもしれないが、親しき仲にも礼儀ありと昔から――」
 こうなると彼女はこちらの言い分など聞いてくれない。説教が本格化する前に、さっきの疑問をぶつけておく
か。
「――なんだね?」
「全然訊かずに中出ししちゃったけど、よかったのかなって」
「そういうのを今更と言うんだ。……そういうのも計算してからこっちに来る日付を決めたんだ。恐らくは大丈
 夫だろうよ」
「そんなことまで計算してたのかよ」
「3割だからな。それだけあれば、旅行の時期を左右する理由には十分だろう?」
 真っ直ぐに見つめ返されて息が詰まる。大げさに溜息を吐き、頭を振った。
「……そう言われればそんな気もするよ、まったく」
「納得したか? したのなら続きだ。じっくりゆっくり、何も出なくなるまで反省させてやる」
 ナル姉の艶を含んだ物言いに背筋が凍り付いたのと同時に、腹の底からマグマのような性欲が沸き上がってく
るのを感じた。

64 :
と以上です
怖い怖い忍法帖様のお伺いを立てながら、ちょっと感覚開け目で投下
トライアンドエラーでも普通にLv10削るのマジ勘弁
「もう二度と間隔を詰めて投下したりなんかしないよ(満面の笑み)」

65 :
GJ
久し振りの素直クール分で夏場の乾いた心に染み渡りました
本当にSS書きとしては忍法帖は辛いですよね
自分も何度も削られてるので分かります

66 :
乙乙
めんどくさいね

67 :
GJ!!
やっぱり素直クールはいいものだ……

68 :
クール美ズとは
美女達にクールに接してもらうことで…

69 :
ほう

70 :
「止まっているな」
「そう…ですね…」
「よし、ここは私が一肌脱ごうか」
「えっ…何言ってるんですか!」
「どうした?」
「い…いきなり!ぬっ、脱ぐだなんて!」
「ふぅん、まぁそちらでも良いのだが、意味が全く違うぞ。
一肌脱ぐだ。ヒトハダ。このエロ魔神」
「すみません…」
「私はここの保守をしようと思っただけだ」
「で、ですよね〜」
「しかしな、今ので興味が移ってしまった」
「はい?」
「君は私に興味があるのか…。ちょうど誰も居ないところだし、ヤ・ラ・ナ・イ・カ」
「はいぃぃぃぃ!?」
「ちなみに君に拒否権はない」
そういって先輩に抱きつかれた俺は、先輩と2時間ほど乱れ続けた。

71 :
お久しぶりです。投下します。
前スレ506にほんの少しだけ投下したものの続きなんですが、
新スレに移行しているのでそれも含めて投下させていただきます。
時期外れ(2月頃)なので注意してください。
では、以下6レスほどいただきます……が、忍法帳にまだ慣れていないので
もし投下が止まったら規制食らったと思ってくださると嬉しいです。

72 :
たたんたたん、たたんたたん、たたんたたん、と緩やかに走る電車の中。
車輪がレールとともに規則的に鳴らす音と、座席の足元から吹いている暖かい風が、心地よい眠気を誘う。
冬場の電車の暖房ってなんでこんなに眠くなるんだろう、
このまま眠ったら気持ちいいんだろうなー、などという甘い誘惑が頭の中に飛来するが、
「寝ちゃダメですよ、月村先輩。久しぶりのでーとなんですから」
そんな俺の考えを見透かしたかのように、少し非難するような色が混じった声が上がった。
声の主は、俺の隣の席に座っている早川 小牧(はやかわ こまき)だ。
平日の昼間ということもあってかこの車両にはほとんど人が乗っていなかったためか、
割と大きな声で注意を喰らってしまい、少し恥ずかしい。
「そうは言っても、なぁ……ふぁぁ」
「そんなに眠たいなら、私が膝枕してあげましょうか?」
「いや、それは遠慮しとくよ……」
「そうですか。残念です」
などというやりとりを繰り返しながら、電車に乗ってかれこれ30分が経とうとしている。
普段電車などをあまり利用しない俺にとっては、慣れない時間だ。
早川の方は退屈ではないのだろうかと思ったが、彼女はもともとそれほど饒舌な方ではないし、
そして何より、俺と一緒にいることの方を楽しんでいるフシがあるので(例えば、早川はこの電車に乗る前、
駅で待ち合わせたときから俺の腕を抱え込んでいる。とても満足そうなので何も言えないのだが、正直、そろそろ痺れてきた)
特に苦痛ではないらしい。……何だかなあ。
「それより早川、勉強してなくていいのか? 入試は再来週だろう?」
「久しぶりに会うのにそんなことを言うなんて、月村先輩は野暮な人ですね。そんなんじゃ女の子にもてませんよ」
「ふーん。そりゃ残念だ」
軽口に付き合う気はなく、適当に相槌を打つ俺。
「先輩……ここは『俺はお前にもててるだけでいいよ』と言うところですよ」
「誰が言うかそんなこと!」
少し落胆したというか、呆れたような表情で早川は言うが、俺はそれを速攻で突っぱねる。
そんなベタな恋愛小説に出てくるような歯の浮くようなセリフ、誰が言うものか。
もしも本気で言えるやつがいるなら、お目にかかってみたいものである。
「ったく……お前は俺に何を求めてるんだか」
「え? 私を好きで居てくれること、ですが?」
「…………」
前言撤回。ここに居たよ。表情ひとつ変えずに、目を見て言い切りやがったよ。
ああもう、可愛いなちくしょう。

73 :
しえん

74 :
〜・〜
そもそも何故、もう受験シーズンまで残り僅かというこの冬真っ只中の時期に、
俺は早川と2人で慣れない電車の旅などしているのか。
その理由は、数時間前に遡る。
発端は早川から届いた一通のメールだった。
ちょうどそのとき俺は大学で授業を受けている最中で、大して興味もない社会学の講義を半分聞き流しながら、
惰眠を貪るべきか有意義に読書でもするべきか、はたまた試験前の労力が省けると思って真面目にノートを取るべきかという
不毛な3択を突きつけられていたところだったので、すぐさまこの第4の選択肢に飛びついた。
講師に見つからないよう、なるべく音を立てずに携帯を開く。文面をチェックすると、こうあった。
『先輩、今日、少し付き合ってくれませんか?』
絵文字も顔文字もない、早川からのいつも通りの飾り気の無いメール。
だが俺はそのとき、また来たな、と思った。
まるで楽しみにしているテレビ番組の特番のCMを見たときのような、そんな感覚だ。
早川は何ヶ月かに一回、こういう文面で(先輩、いついつ、何々してくれませんか?
という文章だ)メールを送ってくることがあるのだ。
しかもこの文面を使うときの早川は、何故か必ずいつもより積極的で、自分の意見を曲げないので、
いつしか大事なお願いがあるときの文面として定着してしまったのである。
そういうわけで、
『時間にもよるな。いつ?
というか早川、今日平日だけど授業は?』
とだけ打って、すぐさま返信をした。
もちろん、俺もあの文面に何か特別な意味があるのかないのか、気にならないわけではない。
実はかつて一度だけ、
「この文面、何か意味があるのか?」
と尋ねてみたこともあるのだが、
「ただのげん担ぎですよ」
と言われたきり何も教えてくれないので、俺はもう何も聞かないことにしている。
教えたらご利益がなくなるから、とか言っていたっけか。
……正直よく意味は分からなかったが、とりあえず俺はこういうときのお願いには答えるようにしているのだ。
送信が完了した携帯電話を手に再びぼーっとしていると、僅か1,2分で早川から返信が来た。
『お昼からがいいです。授業は今日は入試前の自主登校なので、問題ありません』
ふむ。ちなみに現在時刻は10:45。今日の午後に入れている講義とその講師を思い浮かべると、
出席が厳しくなかったはずだという情報に行き当たったので、
『分かった。じゃあ12時くらいに駅で待ち合わせるか』
と返信する。
ほとんど間をおかず返ってきたメールに
『はい。待っています』
と書いてあるのを確認すると、俺はそそくさと荷物をまとめ大学から駅までの所要時間と
誰に代返を頼むべきかということを思案しながら、静かに教室を後にした。

75 :
そして時間は現在に至る。
しかし、実は未だに俺はどこに向かっているのかを知らされていない。
駅で軽めの昼食を取るときも、連れて行かれるがままに乗せられたこの電車の中でも、何度か行き先を尋ねてはみたのだが、
早川は「ミステリーツアーならぬ、ミステリーデートですよ」だの「デートに行き先なんて関係ないでしょう、先輩が隣にいれば」
だのとはぐらかすばかりで頑として教えてくれず、訊いているこちらの羞恥心が煽られるばかりだったので、俺は訊くのを諦めたのだ。
ちなみに切符の行き先を見れば分かるだろうという俺の予想は、
ICカードという文明の利器によって打ち砕かれたことを付け加えておく。
とはいえ滅多に乗ることの無い電車に、揺られること30分である。流石に俺にも行き先の見当がついてきた。
「なあ」
「何ですか先輩?」
久しぶりに発された俺の言葉にぴくりと反応し、きゅっと俺の腕を抱く力を強める早川。
当然のことながら、見慣れた高校の制服越しにささやかながらも自己主張は忘れない柔らかな物体が当たっているのだが、
ぶっちゃけもう指摘するのも面倒くさい。いつものことだ。
「もしかして行き先って、いつもの神社か?」
「あ、流石に分かっちゃいますか」
「まあ、これだけ長く電車に乗って行く場所なんて限られてるからな」
「ですね」
いつもの神社。
俺と早川が中学生の頃所属していた天文部の、恒例の観測スポットだ。
中学を卒業したあとも時折二人で星を見に行っている、言わばお決まりの場所である。
だが行き先が神社となると、ひとつの疑問が浮かんでくる。
「だったら、自転車で行けば良かったんじゃないのか?」
 部活で観測に向かうとき、そして二人で出かけるときも、自転車で出かけてその場で待ち合わせるというのが通例になっていた。
だからこそ、俺は30分も電車に揺られるまで行き先になかなか見当がつかなかったのだ。
あー、でも、自分で言っといて何だけど、電車を選んだ理由はなんとなく予想が着くな……
俺の質問にしばしきょとんとしていた早川だったが、やがてゆっくりと口を開く。
「そりゃあ、先輩と少しでも長くくっつきたいからに決まってるじゃないですか」
当然でしょう、と言わんばかりのトーンで予想通りの答えが返ってきて、俺は思わずふう、と小さく息をついた。
「何でそこでため息なんですか。だいたい、先輩の家が遠いのがいけないんですよ。
一人暮らしを始めるにしても、もっと会いに行きやすいところに住んでくれれば……」
「悪かったな。俺は朝弱いから、大学の近くに住みたかったんだ」
「そんなの、言ってくれれば私が毎日起こしに行ってあげたのに」
お前はそう言うと思ってたんだよ、とは流石に言葉にせず、俺は口をつぐんでまた睡魔に身を委ねることにした。


76 :
〜・〜
平日の昼間と言う時間帯であるためか、長い間電車に揺られて着いた神社にはほとんど人が居なかった。
近所に住んでいるのであろうおじいさんが犬と共に散歩をしていたり、
おばあさんの年代にさしかかろうとしている二人組のおばさま方が座って談笑していたりと、
見かける人影といえばそのくらいのものだ。
神社と言う場所柄のためか、真冬の冷たい空気もあいまって少し閑散とした雰囲気を感じてしまう。
そんな中俺と早川は、賽銭箱に小銭を放り込んでぱん、ぱんと二度手を鳴らし、拝んでいた。
賽銭箱の隣の柱に書いてある通り、最後に一度礼をして。
「で、何を願ったんだ?」
お祈りを終えて石段を降りたところで、俺は早川に聞いてみた。
これは俺の勘でしかないが、おそらくはこれが今日の早川の目的のはずだからだ。
「先輩とずっと一緒に居られますように、ですね」
「それ、今日じゃないといけなかったのか……?」
あの文面を使ってまで俺を呼び出し、やりたかったことがこれなのか?
長年の早川との付き合いからかんがみるに、それはどうにも釈然としない。
「まずは先輩と同じ大学に合格しないといけないですから。もちろんその辺りのことも含めてお願いしてきました」
「早川ならあのレベルの大学、楽勝だろうに」
早川の成績は周辺トップの公立高校の中でも、更に上位に位置している。
一方で今俺が通うのは、人並みちょい上くらいの成績の俺がそこそこの受験勉強で合格できた大学だ。
正直早皮なら、夏ごろに受験をしたとしても合格していたのではないかと思うくらいである。
「それでも万が一、ということはありますからね。神頼みというものも、しておくに越したことはないんです」
こいつは確か高校に上がる時にも同じようなことを言っていた。
そうだ、確か早川の高校受験のときにもこの神社に一緒に来たような気がする。
あの時にも俺と同じ高校に合格したいから、とか言っていたが……。なるほど、そのときと同じご利益を得ようと言う訳か。
「じゃ、先輩、帰りましょうか」
言って俺の手を引き、早川は境内を出る方向へと早足で歩いていく。
くいくいと俺の腕を引っ張るその力は、割合に強い。
「お、おいおい、何でそんなに急いでるんだ?」
あれだけ長い時間をかけてやってきて、こんなにもすぐに帰るのでは時間的にも金銭的にも割が合わない。
なんて考えてしまう俺は貧乏性なのだろうか。
「別に、急いではいませんけど?」
早川はきょとん、とした表情で俺の方を見る。
こいつは、こういうところはさばさばしているからな……
確かにそんなに長居するような場所ではないにせよ、もう少し何かないものかというのが俺の心情である。
「そうだ、おみくじとかは引かないのか? 神社といえばおみくじだろ、おみくじ」
「……」
ベタといえばベタな提案だが、せめてそれくらいしてから帰ったってばちは当たらないだろう。
しかし早川は俺の提案にしばし黙った後、
「私は、おみくじは引きません」
と言い放った。

77 :
「あれ? 早川ってこういうの嫌いだったっけ」
たまにこういう占いの手合いを好まない人もいるのは知っているが、早川もそうなのだろうか。
「だって、どうせ大凶が出るに決まってますから」
「いや、そんなわけないだろ。だいたい大凶って、神社によっては抜いてるところもあるらしいんだから」
「じゃあ、凶です。少なくとも良い結果は絶対に出ないに違いありません」
「絶対って……所詮こんなの、運試しじゃないか」
おみくじを引かない理由が、悪い結果が出るのが怖いからだとは。
受験前でナーバスになっているのだろうか。
ところが早川は、この人はいったい何を言っているんだろうという目で俺を見て、ふう、とため息をつく。
そして握っていた俺の手を今度は両手で包み込み、まるで俺に祈っているかのようなポーズで呟いた。
「運試しだから、ですよ」
「へ?」
意外と早川も、ジンクスなんかを信じる可愛いところがあるんだなあなんて思った俺の思考回路の、
しかし遥か上を早川の言葉は通り過ぎていく。
「月村先輩と一緒にいられるだけで、私の運は全部使い切ってしまってるんです。
こんなところに使う運が残っているわけないじゃないですか」
……。
ああもう。
いい加減慣れたと思ってきた早川の直截的な物言いだが、やはりそんな感覚は嘘だった。
背中がむず痒い。
自分の顔がみるみる赤くなっていくのが分かる。
あまり長い言葉を話すと動揺が言葉に現れてしまいそうで。
「……そんときゃ、俺の運を分けてやるから大丈夫だよ」
俺はいつもと変わらない表情の早川に、短くそれだけ返すのが精一杯だった。

78 :

ここで投下終了です。エロ無しって注意すんの忘れてた……orz
都合により3月頃から投下できない状況にあったのですが、ようやく状況が改善されたので、
少し時期外れなネタなのは承知の上で、途中まで書き溜めていたものを投下させていただきました。
途中で支援レスしてくださった方、ありがとうございました。
では、お目汚し失礼しましたー。

79 :
GJ、なんですが…。
早皮で吹かざるを得なかった、スマン。

80 :
待ってるけどあのシリーズが復活しないね

81 :
>>80
なんのシリーズ?
俺も夕子さんシリーズ待ちなんだけど…
作者さん!カモーン!!

82 :
来ない

83 :
遅くなったが、GJ。
そして早皮。合格すると良いな。

84 :
>>81
31日までに投下する
投下したい
投下できるといいな

85 :
>>84
楽しみにしてます

86 :
>>84
期待

87 :
>>84
あまり無理なさらずご自分のペースで頑張ってください!
期待しつつゆっくりお待ちしてます。

88 :
年上素直クールと年下素直クール、同年素直クールの三つの違いってどういう感じにしたらいいんだろう

89 :
気遣わなくていいんじゃない オリジナルを貫こうぜ
ぶっちゃけ敬語以外の違いを見たことがない

90 :
忍法帳…

91 :
>>84
    + 。 *   ワクワクテカテカ  +
ツヤツヤ  ∧_∧  +
 +   _(u☆∀☆) ギトギトヌルヌル
  ⊂ (0゚ ∪ ∪。⊃ +
⊂ ゚̄ と_u _)__)゚  ̄⊃ + ワクワクキラキラ
  ⊂_。+   ゚+_⊃
    ⊂__⊃.  +  * +   ワクテカ  +

92 :
ギトギトヌルヌル吹いた

93 :
素直クールな漫画だと青木幹治のonly youかな

94 :
・・・スマン。
でもできるだけ早いうちに・・・

95 :
〜・〜
「ふぅ。やっと着きましたね……」
どさどさ、と。
肩にかけていた大きめの旅行かばんを床に落として、僕はそう呟いた。
割と重たい荷物を運んでいたためか、肩に走り始めた鈍い痛みを和らげるべく、腕をぐるぐると回してみる。
「予想以上に遠かったねー。富永くん、運転お疲れ様」
隣では谷中先輩が同じように荷物を置き、固まった身体を解すかのように伸びをしているところだった。
何を隠そう、僕と先輩は今大学の少し長い夏休みを利用して、旅行に来ているところなのだ。
「それにしても、こんないいところにただ同然で泊まれるなんて。持つべきものは人脈ですねー」
一歩間違えば別荘として売られていてもおかしくないような一軒家。僕たちが今上がりこんだ大きな家は、そんな感じの建物である。
「ま、私は富永くんとふたりきりで過ごせれば、どこでもいいんだけどね」
きゅ、と後ろから僕の腰に手を回し、先輩が抱き着いてきた。
「ね、富永くん。ずっと運転で疲れたでしょ。お疲れ様のちゅーを」
「そ、そうだ谷中先輩! せっかく旅行に来たんですから、少し探検でもしてみませんか!?」
いつも通りのマイペースでいちゃついてこようとする先輩の言葉を、少々卑怯かなと思いつつも僕は途中で遮った。
いや、そりゃあ僕も先輩がそう言ってくれるのが嫌なわけじゃない。むしろ嬉しいに決まっている。
けれど先輩相手に一度気を許すとそのままずるずると行ってしまうということも、僕は深く理解しているのだ。
せっかく遠出したのだから、遠出したからこその楽しみを先輩と共有したいという気持ちがあるのである。
「むー。相変わらず富永くんはつれないんだね」
「いやいや、谷中先輩。僕は旅行も充分に楽しみたいってだけで、好きでつれなくしてるわけじゃ」
「そうじゃなくて」
「?」
「なまえ。また呼んでくれなくなった」
「あ、ああ……そのことですか……」
思わぬ方向からの指摘だったが、先輩がむすっとした表情を浮かべた理由としては納得だ。だが……
「慣れちゃったんですし、もういいじゃないですか。今更変えるのもなんか変な感じですし」
どうしてもそう思ってしまう僕がいる。
中学生の時から先輩のことは谷中先輩と呼んでいるのだ。もう頭の中で固定されてしまっている。
「それに、先輩だって僕のこと苗字で呼ぶじゃないですか」
「私はいいの」
小さく反撃を試みると、間髪入れずに返答が来た。
先輩だけなんてずるいじゃないですか、と言おうとする僕をひとさし指で制し、さらに言葉を続ける。
「だって、富永くんはずっと富永くんだけど、私はそのうち谷中じゃなくなっちゃうから。だからどっちにしろ名前で呼ぶことになるんだよ?」

96 :

……
…………
……………………
なんていうか、こういうの卑怯じゃないかなあ。
右手の指を僕の顔に突きつけ、左手は腰に当てて仁王立ちしている先輩の表情には、一切の変化がない。
こんな直球で恥ずかしい言葉を口にしているにも関わらず、だ。
僕も先輩のこういう言動には慣れて来たから、まだ慌てふためくようなことは無くなったものの、
流石に頭の中が茹だってしまってなんと返事をしていいのか言葉が見つからない。
そんな風に固まっている僕を、先輩はとん、と軽くソファーの方へ押し倒し、頬へ柔らか
く口付けてきた。
「なんならこの旅行で、キセイジジツ、作っちゃおうか?」
「んっ!? ―――っ!?」
頬の次は、口へ。
荷物を置き自由になった腕を僕の頭の後ろへ回し、今度は長い長い口付けを交わす。
そしてその腕は僕の服へ伸び
「ちょ、ちょっと待ってください!朝日先輩!」
「あ、なまえ呼んでくれた。嬉しいな」
行為を止めて、僅かに口元を緩め嬉しそうな表情を見せる先輩。
そりゃ、そうしないと先輩が止まってくれそうにないからですよ……とは、思ったけれど口にしない。
「そもそも僕たち、ここに何しに来たんでしたっけ? 何でこんな場所泊まれるんでしたっけ?」
僕の言葉に、先輩は嫌なことを思い出したかのようにじとりとこちらを見つつ、返事をしてきた。
「それは……お母さんの友達に、こういう別荘を管理する人が居て」
「そう。それで、家は住まないと痛んでいくから、掃除とか細かいところをチェックするっていう条件で、
ここを紹介して貰えたんでしたよね?」
「うん」
「つまり、僕たちの仕事は……?」

「保守、だね」

〜・〜

97 :

というわけで保守小ネタでした。
>>94
無理せずゆっくり仕上げればいいと思います!
wktkしつつ待ってます。

98 :
うまい保守ネタGJ
もうちょっと続きを書いて保守してもいいのよ?

99 :
これはいい保守

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