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2013年01月エロパロ128: 【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part25.5【改蔵】 (173) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part25.5【改蔵】


1 :2012/06/16 〜 最終レス :2012/12/30
前スレ
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part25【改蔵】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1281192383/
これまでに投下されたSSの保管場所
2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.gozaru.jp/
あぷろだ(SS保管庫付属)
http://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/sslibrary/index.html
===スレに投下する際の注意===
・SSの最後には、投下が終わったことが分かるようにEND等をつけるか
 後書き的なレスを入れてください。
・書きながら投下はルール違反です。書き終えてからの投下をお願いします。
・前書きに主要登場キャラ、話の傾向を軽く書いておいてください。
・鬱ネタ(にネタなど)、エロなし、鬼畜系、キャラ崩壊、百合801要素などは
 注意書きをお願いします。
・ただし、完全に女×女や男×男のネタなら百合板、801板の該当スレで。
・過度な謙遜、自虐は荒れる原因になるので控えてください。
書き手にもルールがあるからといって必要以上に
気負わずにみんなと楽しくやっていきましょう。

2 :
過去スレ
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part24.5【改蔵】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1264504169/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part24【改蔵】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1263809601/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part23【改蔵】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1258166515/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part22【改蔵】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1250611211/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part21【改蔵】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1244814980/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part19【改蔵】 (Part20)
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1231760633/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part19【改蔵】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1225406105/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part18【改蔵】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1218731031/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part17【改蔵】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212483646/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part16【改蔵】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208910434/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part15【改蔵】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1207085571/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part14【改蔵】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204387966/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part13【改蔵】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1200314711/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part12【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1196555513/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part11【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1193976260/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part10【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1191831526/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part9【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1190512046/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part8【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1189391109/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part7【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1186778030/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part6【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167898222/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Partご【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1147536510/
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part4【改蔵】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1123772506
【改蔵】久米田康司エロパロ総合 Part3【南国】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1105319280
かってに改蔵 Part2 【久米田康治総合】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1083582503/
【かってに改蔵〜天才エロ小説〜】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1035829622/

3 :
スレたて乙です!

4 :
おっつおつであります!
あるいはコレが最後のスレともなるのでしょうか・・・
でもまだ、見ていない絶望少女の艶姿があるんだァァァァ!

5 :
ありがとう…ありがとう…

6 :
島の男にレイプ→無理矢理結婚→妊娠発覚な絶望少女達

7 :
じょしらくもここでいいのかな

8 :
久米田センセは吹き出し係だけどいいんじゃないかな
ガンちゃんのえちぃのを読んでみたい

9 :
「クリ派? 中派?」「つまんねー事聞くなよ!」
絶望先生が終わったので、ふと思い立って6年ぶりにきてみた。
あの時書いた作品が保管庫に……読み返したくないほど恥ずかしいもんですね。
もぉ、んじゃおっかな…。
このスレで僕の心中リストに入りそうなエロパロSSが手に入りますように…。

10 :
おれも保管庫見るとにたくなる
あの時なんてへったくそなモノを書いていたことか! 今も大して変わってないけどw
最後にいっぱつ駄文をひねくりまわすのもどうだろうか・・・なんて・・・

11 :
>>10
ぜひ

12 :
けっこう当時の職人さんこのスレに残ってたのねw
>>10
原作設定の可符香でエロパロ書けたら天才だよ!

13 :
>>12
今となってはこんなに設定が明らかにされてしまった以上、書きづらいものはありますね。
原作設定の可符香に限らず、依り代少女達も。
正面突破とかハードル高くしないで、職人さんが書きたいものを書けばいいと思いますよ。
もちろん正面突破もアリで。
折角だし、>>10さんが書くなら、ひさびさ頑張ってみるかな。僕の書きたいものは読み手のニーズに応えないけど。

14 :
望カフものが見たい

15 :
最近久米田の絵に色気を感じる

16 :
アンケート出した

17 :
投下します
・臼井の弱エロ
・原作最終話近くのネタバレあり(単行本派の方にやさしくないお話)

18 :
クラスの女子達のあいだで、なにやら不思議な遊びがはやっているようだ。
同じヘアピンをみんなが持ってて、つけたり外したり。
ヘアピンをさしてる人を可符香さんと呼ぶのがルールみたいだ。
…まあ、影が薄すぎて滅多に気づいてもらえない僕はどうせ混ぜてもらえないんだろうけど。
それにしても、可符香さん(今日は休みだったようだ)のいないところで、そうやってマネして遊ぶのは、ある意味イジメじゃないだろうか。
委員長(一応)の僕としては見過ごせない。
「ってことで、可符香さんがかわいそうだと思うんですが、って……先生聞いてます?」
望「あれ? 宿直室の扉が知らない間に開いてますね。小森さんですが?」
小森「ちがうよ」
望「建てつけが悪いんですかね?」
ガラガラ、ピシャン
やっぱりね。
せっかく放課後に宿直室に言いにきてもこのざまだ。
僕が見過ごさなくても、担任が僕を見過ごすんだからしょうがない。
もしくは、先生もぐるなのかも。
授業中、何人かが『可符香さんごっこ』をしてたけど、注意されなかったし。
絶望した。
担任がイジメに加担する世の中に絶望したっ!
・机に花
・さよなら色紙
・イジメの事実はありませんでした
・生徒とラブホに行ったのをセルフ隠し撮り
・廊下に立っとれ!
・理由不明の留年
・いるのに欠席あつかい
・委員長はなぜか木津さんだと思われてる
…ふう。誰からもつっこまれもせず、話をひろげてももらえないのはむなしいだけだ。
もう、帰ろう。

19 :

ぴらりん
!!
かばんをとりにクラスに戻った自分の目に、
垂れ落ちた包帯と柔らかみのある太ももが飛び込んできた。
「あ、あびるさん!」
あびるさんが、こちらを向いた。
「巻きなおそうと思って…」
僕の頭に、『まきますか?まきませんか?』の文字がおどった。
いやいや。
ここで自分が巻けば、マスターになるどころか警察行きだ。
それより。
あびるさんは『可符香さんごっこ』のことをどう思っているのだろう?
今日、僕が見た限りでは可符香さんのふりはしてなかったようだけど…
あびるさん…まさかあなただけは、そんな残酷な遊びに興じたりなどしてませんよね?
あびるさんのようなムチムチな太ももを持つ美しい人が、そんなイジメに加担してなんかいませんよね?
どうやったらあびるさんのようなムチムチな太ももができるんですか?
やっぱり揉むんですか?
いろいろ揉んでいるんでしょうか?
それとも食生活でしょうか?
そしてその健康そうな太ももの奥は何色でしょうか?
見えそうで見えない純白のオーラがただよってくるようで、僕はもう…もう……。
「が、我慢できないっ!!」
僕のなかで何かがはじけた。
「あびるさん!」
がばっ
「きゃっ! なに!?」
「さ、最近の、高校生の不純異性交遊についてどう思います!?」
僕は卑怯な人間だ。
包帯だらけのかよわい乙女を組み敷いておいて、あやまりもせず、自分の想いも伝えず、相手の気持ちも確認せずに…
ただ、少女のやわらかい肌の感触を堪能して、欲望のままに突き進もうとしている。
「包帯、僕が巻きなおしてあげますよ。全身のね……」
さらさらさら

20 :

白くざらついた布切れがゆるんだすきまから、白い綺麗な肌がみえてくる。
「…白ばっかりじゃないんですね。こことか…」
「う、臼井君、やめてっ…」
僕はあびるさんの口をふさいだ。
甘酸っぱい息が僕の口内へ流れ込んできた。
僕の口の中でなにごとかをうめいていた声は、やがて荒い息遣いへと変わっていった。
ときおり飛び込んでくる喘ぎ声は、そのまま僕の下半身に蓄積され肥大化していく。
いっぽう、あびるさんの腕や全身にこめられていた力はいつのまにか弱弱しくなっていた。
僕はくちづけを解いた。
左腕で彼女を床に押さえつけながら、あいた右手でズボンのベルトを緩める。
「あびるさん…僕がまだ禿げきらないうちに青春の思い出をください!!」
「…あ、赤ちゃんできちゃう…かも…」
「えっ...」
さっと、血の気がうせた。性欲は失せなかったが。
僕の目の前に、高校中退だの、低所得だの、ワーキングプアだのという文字がおどった。
「あ、赤ちゃんについては今はいいです…って、そうだ。僕、何かのためにと思って用意してました!」
押し倒したときに床に投げ出した自分のかばん。
右腕を伸ばすと、なんとかたぐりよせることができた。
「えっと、たしかかばんの奥のお守りの中に千円札と一緒に…」
かばんをかき回していると、あびるさんの力のないものうげな声がした。
「しっぽ? その黒いの」
「黒いの? あーっ!」
かばんからはみ出た黒いふさ。
最近めっきり髪が心細くなった僕の大事な宝物。
そう、カツラだった。
…少し前に買ったものなので、このごろの髪の減り具合は隠し切れないが、それでも心の支えになってくれるカツラだ。
「ちょっ…しばし待ってください」
いくら同級生といっても、こんなハゲ一歩手前と初めてを体験するのはかわいそうだ(あびるさんはもちろん初めてですよね!)。
そう思って僕はカツラを装着した。
これでいくぶんマシになったはずだ!
さあ、いざ青春の思い出をっ……
「…って、あれ?」
「どうしたんですか? 急に若返った妖精さん?」
「か…かふか……さん?」

21 :

なぜか僕が押さえつけていた左腕の下には、いつのまにかあびるさんではなく、可符香さんがいた。
スカートがたくし上げられ、セーラー服のリボンはほどかれ、下着も無残によじれ、髪も乱れている可符香さんが、にこっと笑った。
「誰かが言ってました。気持ちよくさせたら犯罪じゃないって!」
「えー! 初めてなのに急にハードルが高く!! というか、あびるさんは?」
「来世の神じゃ、不服ですか?」
「不服ってわけじゃないですけど……」
朗らかに笑う可符香さんを見ていると、先ほどまでの自分の異常な情熱が、みるみる引いていくのがわかった。
もしかしたら、可符香さんに吸い取られたのかもしれない。
「ご、ごめんなさい。僕、やっぱり、あびるさんのこと、一番好きだから…いま誘いにのったら、あびるさんを傷つけちゃう気がする……」
「あびるちゃんを傷つけちゃおうとしてたくせに…」
「そ、それは、一時の気の迷いというか…と、とにかく、さよならっ!」
それから一週間ほどひやひやしていたが、結局僕には何もお咎めがなかった。
そして、事の発端となった『可符香さんごっこ』も、あの日かぎりのものだったようだ。

可符香
「気持ちよくさせたら犯罪じゃない、って方法、他にはこんなのもあるようです・・・
・指だったら
・新聞紙を下に引いたら
・包茎だったら
・食事をおごったら
・指輪を買ったら
・結婚したら
・仕事をあげたら
・酔いつぶして忘れさせたら
・現実じゃなければ
……ご利用は計画的に。
なにかあっても私は責任を負えませんよ?
それにしても、殿方って不憫なものですね。かつらにしろ、なににしろ、なんでそう、外見に左右されるのでしょうね」

〜終わり〜

22 :
>>17
乙!いろいろ解釈できそうですね。

23 :
羅列ネタや臼井君の「らしさ」がたまらないッス
どんな超展開見せても絶望先生はこうだよねぇ…

24 :
面白かった

25 :
いいね

26 :
面白い
てかカフカちゃんあびるちゃんを庇ったんだろうか?

27 :
哺乳類の毛は免疫のスイッチ? 皮膚炎の解明にも期待
 哺乳動物の毛には、皮膚から微生物などが入り込む危険を察知すると、
侵入者と戦う免疫細胞を呼び集める働きがあることを、慶応大医学部皮膚科の永尾圭介専任講師と天谷雅行教授らが発見し、
24日付の米科学誌ネイチャーイムノロジー電子版に発表した。
 従来、毛には外からの衝撃や紫外線の影響を和らげるなどの物理的な防御機能があることが知られていたが
、免疫を働かせるスイッチの役割も果たしていることになる。免疫細胞が毛を攻撃して起きる脱毛症や、
免疫に関係して起こるアトピー性皮膚炎などの治療研究にもつながりそうだ。
2012/06/25 02:00 【共同通信】

28 :
【大阪】小学校にも入れ墨先生がいた 教職員10人「入れ墨ある」…大阪市教委調査で
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1340680762/

29 :
金田一とドラえもんと…留年だけ分からん。
面白かったです!GJ!
保管庫見ると「赤木杏−悲しい過去=可符香」なSS多いよね。
自分のSSのことだがな!
もう久米田の漫画は最終回を迎えるまで二次創作できないぜヒャッハー!

30 :
いや、今見ると滑稽かというとんなこたぁーない

31 :
今読むと両親自くらいで可符香が不幸だと思っていた自分は
何と能天気な考えを持っていたことか…!

32 :
本当に久しぶりに書いてみた。
・超次元SS注意
・原作のネタバレ要素アリ注意
・性描写薄め

33 :
ある朝、目覚めると久米田康治は無職になっていた。
とはいえ、仕事場にぽつねんと一人座っているのである。
最終集が残っている。吹き出し係の仕事もある。
そういう意味では、完全な失業ではない。
それまでに次回作を考えなきゃ。いや、次回作を考えられるかを考えなきゃ。
もう漫画を続けられるかどうかもわからないし。
もう気付かずにうっかりアレをパクっちゃったりするまで衰えちゃったし。
あーあ、もう廃業してしまおうか。
「先生」
突然背後から声をかけられ、びくっとした。
しかしこの声はよく知っている。聞き慣れた声優の野中藍さんだ。
ああ、連載が終わったから、野中さんがねぎらいに来てくれたんですか。
でも、忙しいのに仕事場にまでねえ・・・
だが、振り向くと、そこにいたのは野中さんではなかった。
「誰?」
いや、口をついて誰?、と言ってしまったが、わかっていた。
わかってたけど認めたくなかった。
というより、このセーラー服、この髪留め。
どう考えても認めざるを得なかった。
「いやだなぁ。私のこと忘れちゃ困りますよ」
まぎれもなく、それは風浦可符香の姿だった。
微笑む彼女のその眼差しはまるで、母のように優しく慈愛に満ちていました。

34 :
ああ、ついに、ボクもおかしくなってしまったんですね。
地丹が「見えてはいけないもの」が見えるようになったお話のように、ボクもついに幻覚を見るようになってしまったんですね。
でも、彼女が見えてしまったからには、折角ですしボクも役者らしいことを言いたいと思います。
「あなたは誰の中のカフカさんですか?」
「何を言ってるんですか。先生が救済してくれたから、私はここにいるんですよ?」
「・・・救済?」
断じてボクはそんなことをした覚えはありません。
原稿落として休載になったことはありましたが、それでは誰も救われません。
救いようのないのはボクの方ですよ。そんなボクが誰かを救えますか?
「そうです。先生が『さよなら絶望先生』を完成させてくれたお蔭で、私はようやく初めて来ることができたんですよ、そう、♪こっち側へ〜」
「アニメの主題歌みたいに首の振りまでつけないで下さい」
ボクの絵が実体化して動き出している・・・
「この7年の間に夢、叶いましたよねー。あれだけアニメ化されないってネタにしてたのに、3期まで制作されましたし、前作の改蔵だって・・・」
「あのー、もしもし?」
「素敵な思い出もありましたね、触らぬ女神からキラーパスとか」
「素敵じゃないです。ていうかあなたは何しに来たんですか」
「それは決まっていますよ。先生のお役に立とうと思って」
どがさっ ひい
急に彼女はボクに飛びかかってきた。二次元に、押し倒された。

35 :
「か、可符香さん。こういうのは、あのちょっと・・・」
「ずっと会いたかったんですよ」
「えー、あのそれは、わかりますが、突発的に二次元の女の子が現実世界に現れたら、ボクも心の整理がつかないのは当然で」
「それもそーですよね。久米田先生、[ピー]が止まらないみたいな素敵な展開はお好きじゃないんですよね」
「好きじゃないとか勝手なイメージ決めつけないで下さい。向こうのファンに怒られますから」
ぎゅ
身体から力が抜けていく・・・
そんな怪力の持ち主とかでもない女子高生に抱きつかれて。
ボクはそれくらいひ弱なんですね・・・
「さあ、出てきて下さい、久米田先生の中の先生」
ある朝目覚めると久米田康治は糸色望に
「そーですねぇ……まあ似てーるー…ところもあると思うんですけど、まぁ、
 でも、僕、ボクはもうちょっとあのー、本気でー、絶望してることが(笑)
 多いですね。あのー、一応漫画だと一応ギャグにしないといけないんですけど、
 割とこう、そうですねリアルに、なんか、日々、絶望して、いますハイ」
(台湾のラジオ番組「星夜麒航」の「漫畫奇緣」にて。2008/9/18)
なっていた。
「こっちの世界の糸色先生は、ギャグでは済まないから深刻です」

36 :
「風浦さん・・・なんでここに!」
意識を取り戻した久米田康治の肉体の中には、糸色望が、いた。
「ていうかなんで私は押し倒されて拘束されているんですか?」
「だって、先生、逃げちゃうんだもの」
「はい?」
「先生、私と一緒に帰りましょう」
「えーと、どういうことなんでしょう。説明してもらえますか?」
「先生を救い出しにきたんですよ」
「救い出しに?」
「本当の絶望先生は、ずっと久米田先生の身体の中に潜んでいたんです・・・」
可符香の説明はこうだ。
絶望先生は、久米田先生の身体に宿っていた。
久米田先生は潜在意識にいる絶望先生の声に導かれ、「さよなら絶望先生」なる漫画作品を描いた。
7年の長きにわたって書き続け、その挙句、作品は完成した。
その最終局面で可符香が姿を消したのは、実はいわゆるこっちの世界へ飛び越えてくるためだったのだ。
久米田先生の中にいる、本当の絶望先生を連れ戻すために。
「・・ははは、風浦さん、よくそんなことに気付きましたね」
「団地の奥さんに聞いたんです。なんでも知ってました」
「そうですか。そんな古い伏線もちゃんと使うんですね」
「ということで先生、帰りましょう」
「しかし風浦さん」
「なんでしょう?」
「私は、こちらにいるべき存在なんじゃないでしょうか」
望にとって、こちらの方が自分の世界だと思ってしまう感覚は当然のことだ。
あまりにこちらの生活が長かったから。
「それに、私よりネガティヴな久米田先生の中にいる方が、私にとって居心地がいいんですよ」
可符香は首を横に振った。
「いいえ、先生、時間が、ないんです。このままだと、先生、消えちゃいますよ」
「へ?」
「久米田先生が、自分が絶望先生の依り代だったことに気付いたら、その時、先生は跡形もなく・・・」
「ひい!」

37 :
「『さよなら絶望先生』が終わった後の世界へ、先生を連れ戻すことができれば、永遠に生き続けることができるんです」
「いえ・・・やめて下さい」
きっぱりと望は拒否した。
「もう、そんな希望は、要りません」
「先生・・・」
「私は、久米田先生の身体の中、精神の奥底に潜んで長いこと経ちます。それで、もうすっかりここに馴染んでしまったんです」
「・・・」
「久米田先生の中から出ることなんて考えたこともありませんが、不可能です。入り込んだことすら記憶の彼方。気付けば出たくとも出口なしですよ」
「『なんたる失策であることか!』ですね」
「です。こんな絶望的な状態の時に、まやかしの希望をちらつかせないで下さい」
にたくはないが、もう、出ることはできないんだ。
運命を受け入れて、このまま消えるしかない・・・。
「出たくともって言いましたよね」
「あ」
「大丈夫。突破口はあります」
「あなたはまだそんな希望を・・・」
「こんなところにヒントがありますよ」
可符香が指差しているのは、絶望先生のBlu-ray Boxだった。
「ブルーレイが、何か?」
「違いますよぉ。メビウス荒野ですよ」
「あの・・・それが?」
「メビウスの環を応用するんです」
「風浦さん? あの、メビウスの環って、ぐるぐる回って、いつまでも抜けられないんじゃありませんか?」
「理論上はそうです。でも、表と裏の世界を自由に行き来するための突破口でもあるんです」
「よくわからないんですが、具体的にどうすれば?」
「出口はあるんです。メビウスの環ではなくて、もう少し次元の複雑なのが」

38 :
するんぱし
可符香が急に望の(久米田先生の)股間をつかんだ。
「ひっ、ふ、風浦さん、何をするんですかっ」
「クラインの瓶です」
「クラインの瓶・・・」
「壷とも言いますけど、要するにメビウスの環の立体バージョンです。これで二次元と三次元を楽に行き来することができます」
「はぁ・・・でも、これが、なんでクラインの瓶になるんでしょう」
「目撃証言があるんです。大昔、このクラインの瓶は、下ネタワールドへつながっていたと言います」
「・・・まあ、そうでしょうね」
「今ではそちらの世界への道筋は封鎖されてしまったそうです。ですから言い伝えにすぎません。でも、この瓶には次元を超える力があるはず!」
「はあ・・・」
「この瓶を抜け出れば、きっと先生は出られます」
ぎゅっ
「ぎゃっ、い、痛いです!!」
「クラインの瓶なら、ねじらないと」
「ほ・・本当にそれで出られるのですか?」
「やってみなくちゃ」
ぐぎゅ
「うがああっ! もげたらどーする!!」
「多少のリスクは仕方ありません」
「多少ってレベルじゃぎゃあああああ」
「・・・困りました」
「なんですか?」
「先生を出すにはクラインの瓶は狭すぎます。摩擦熱を加えて膨張させないと」
「変態です! この娘は変態です!」
ごしごし
「うわああああ」

39 :
「先生、久米田先生」
「・・・はっ、夢か・・・」
夢の中で、ボクは・・・
「って、いる!」
「ええ、いますよ」
可符香がそばにいて、微笑んでいた。
「廃業とか、悲しいことを言わないでください」
「え・・・」
「連載が終わったって、次回作があります」
「・・・次回作なんて、考えつきませんよ。もう出口なんて・・・」
「お世話になった先生に、プレゼントです」
変な物体を渡された。
「これは・・・溲瓶ですか?」
これを使うほど衰えてもなお漫画を描き続けろという激励ですか?
それとも、叫ぶしびんの会とか描いてた頃に戻れという当てこすりですか?
「クラインの瓶です。どんなものでも、抜け出す道はあるから」
「・・・」
「それに、久米田先生は、漫画家をやめるつもりなんてありませんよね」
「毎日思ってますよ。自己嫌悪しながら書き続けてきましたよ」
大局的に見ればそれなりの作品になっていると見えるかもしれない。
でも、ボクの画業の一日一日は塗炭の苦しみだったんです。
締め切りに追われ、読者には見離され・・・
「一体ボクは、この長い漫画家生活の中、何をしてきたと言うんですか」
「わかってます。それは・・・」

40 :
「画力を伸ばしていたんですね! 面白さを伸ばしていたんですね!」
「はい?」
「思い出したんです。私、最初はもっとおデコの広い娘でした」
「・・・」
「どんどんかわいくなるように、先生は努力してくれました」
「ん・・・まぁ」
「先生は私の父のようであり、兄のようであり、そして時折見せる、あの底抜けに無邪気な笑顔は、はるか年下の弟のようでもありました」
「ん?」
「先生の考えは、すべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです」
いや、それはあなたの考えでは・・・と思ったが、しばらく聞くことにした。
どうせ止まらないし。
「それによって人間は、重苦しい意味の世界から解放され、軽やかになり、また時間は前後関係を絶ちはなたれて、その時その場が異様に明るく感じられます」
ああ、そんな風に考えていてくれてたんですね。
もしそういう読者が一人でもいて、救われてたとしたら・・・
それは、少し嬉しいかもしれない。
「この考えを先生は見事にひとことで言い表してます。すなわち、『これでいいのだ』と」
「タモリの弔辞かよ!! なんかすらすら出るなと思ったら」
「あなたにとってもひとつのギャグなのかもしれません」
「まあ、絶望先生はそういう作品でもありましたけどね」
「次回作、楽しみに待ってます」
「ああ、なんか、頑張るよ・・・」
「ということで、先生、本当にお世話になりました。ありがとうございました」
「うん。可符香ちゃんも、元気で」
少し間を置いて、切なそうに、可符香は言った。
「最後に、抱きしめてもらってもいいですか?」

41 :
「ボクみたいなのが、女子高生と抱き合ったら・・・犯罪ですよね」
「都条例が発効する前に、やっちゃった方がいいと思いますよ。それに・・・」
「それに?」
「今なら、自分の漫画の登場人物と抱き合った漫画家第一号になれますよ」
思えば、あだち先生を目指したり、誰かに引け目を感じたり、常に人より遅れたポジションにいました。
でも、今、それが変わるんですね。
ボクは、先駆者に、なれる。
「好きだあああっ」
ボクは可符香を細い腕で力いっぱい抱き締めた。
思えば、あの瞬間、可符香の表情に横線が沢山入っていたのに、気付かなかったんです。
ガチャ
「ひっ」
警官が突入してきたっ!!
と思ってボクは腰を抜かしかけました。
しかし、のったりのったりした足取りで、アシの前田君が入ってきただけでした。
でも・・・
「久米田先生、やりましたよ!!」
妙にハイテンションな前田君がかわいらしい女の子を抱いている。
奥さんではない。出会い系か?
「かばん、見つかりました!!」
前田君は擬人化されたかばん少女に頬擦りをしている。
「ありゃー、先を越されちゃいましたね」
「絶望した!」
※こんな感じの風浦可符香という人物は存在しません
END

42 :
<あとがきのようなもの>
エロ要素薄くて、そういうのを求めてる方にはほんとすいません。
いろいろ書くと、「過度な謙遜、自虐」になりそうなんでやめときます。
ただ、なんとなく作中や作外のものを切り貼りしてつなげたらこんな感じのものが出来上がってしまった、というだけの話です。
楽しんで読んでくれたという人がいたら嬉しいです。スレ汚し失礼しました。

43 :
>>9
GJ、いろんな意味でハラハラしながら読みましたw

44 :
よかったです

45 :
時事ネタもいろいろ入っていて、ブラックで、でもちょっと切なくて
…すてきでした!GJ!

46 :
何と言うか色々話の運び方が上手いな
GJでした!

47 :
SSのプロット準備したのに世界樹Wが面白すぎて時間も気力も吸い取られている…
カフカすまねえええええ

48 :
PC内を整理してたら、だいぶ前に書いたものが出てきたので投下。
初めてなのでうまくできなかったらすみません。
・短い
・エロない
先生とまといたんがダラダラお話してるだけ

49 :
「先生は優しいですね。」
先生、私のことを好きじゃないんでしょう?
その問になんと答えて良いのか計り兼ね言葉を濁す。
『目は口ほどに物を言う』というが、目の前の少女の大きな瞳から真意は汲み取れなかった。
好きか嫌いかなら好きの部類には入るだろう。だからといって愛してはいない。
ライクな意味で好きなのだ。それを語弊なく彼女に伝えることはものすごく困難なことのように感じる。
いつだったか言った「一緒にんであげますよ」を告白だと思う子だ。
好きだなんて言ったならば、プロポーズだと勘違いされるような気すらしてならない。
「好きでもない人間を側に置いてくださる先生は優しいです。」
「あなたが勝手に側にいるだけでしょう。私は側にいることを許可したつもりはありません。」
「先生が優しくなかったのならとっくに私は逮捕されています。」
人の話を聞いているのかいないのか、おかまいなしに紡がれた言葉に少し驚き、そして呆れる。
「………自覚あったんですか?」
法に触れている自覚があったのにそれでも続けてきたというのか…。
「えぇ、まぁ。」
「ならばすぐにストーカー紛いのことはやめなさい。警察に通報されたらどうするつもりですか?」
そういえば少女はゆっくりと、嬉しそうに愛おしそうに微笑んで「ほら、」と。
「されたら、ということは先生は通報しないんでしょう?」
そういう優しいところが大好きなんです。そういう先生だから愛してるんです。ゆっくりしっかり吐き出される愛の言葉。
「なんですか、急に。」
「いえ、好きの理由をお伝えしていなかったなぁと思ったので。」

50 :
そしてニッコリ笑って「好きです」と言う。
ついため息が出てしまった。
自分の生徒を警察に突き出す教師がどこにいる?
警察沙汰になれば担任の自分も少なからず被害を被る。
それくらいならストーキングされるほうが楽な気がして、そのままにしていただけのこと。
優しくしたつもりなんて、まして慕われる理由なんてありはしない。
いろいろ間違っているし、履き違えている。
それは彼女のいうところの優しさだとか、愛だとか。
自分の行動はけして優しさじゃないし、彼女の一方的な感情も愛ではないだろう。
こんな保身的な優しさがあるものか。
こんな押し付けがましい愛があるものか。
それでもそれを彼女に言わなかった。
正しいことを教えるのが教師なのだとすれば、自分はどこまでも教師として失格だ。
いつか間違いを正してやれる人物がこの少女の前に現れるだろうか?
正しい愛を教えるのは少なからず自分よりも彼女を愛してあげられる人間であれば良いと微かに祈った。
(愛してやれないけれど、祈るくらいは許されるでしょう?)

終わり

51 :
あとがきというか言い訳というか…
ストーカー少女がかわいくてしょうがなかった。ただそれだけなんです。
行間多いくて読みにくくなってしまったこと反省してます。ごめんなさい。

52 :
>>51
GJ
軽めな感じで読みやすかったです
いいですねこれ

53 :
むしろ行間空いてる方が好みです、GJ
まといはいいなぁ、絶望先生が終わったからもう読めなくなってしまうのかな

54 :
>>53
まといに限らず絶望キャラはいい感じに影を纏った感じが良かったわ
これからはじょしらく中心になってくのかねえ?

55 :
>>54同感

56 :
>>54
やっぱり仄かに狂気やと退廃の匂いを感じるよな久米田作品のキャラ達。
だからこそ最終話の文字通り色が着いたような展開の美しさが印象に残るわけで。

57 :
ほしゅ

58 :
hosyu

59 :
30Xのアレってここ向きじゃね?
てか千里ちゃん達良く許したよなぁ
まさかカフカちゃんの細胞に人格乗っ取られてたりして・・・・・・・・・

60 :
――この忌まわしい島から加賀さんを連れ去って誰も知らない土地で穏やかに暮らしたい――
「…木野がただの観光でこの島に来たわけじゃないのは分かっているよ。」
「加賀さんをこの島から連れ出すのが目的かい?」
とある島の教会で親友との久しぶりの再会を喜ぶ間もなく久藤から発せられた言葉に俺は驚く。
…本当に人の心を読めるんじゃないかと信じてしまうほどコイツは他人の胸の内を見透かしてくる。
「…そうだ。止めても無駄だからな久藤、絶対に俺は加賀さんをこの島から連れ出すんだ!」
内心、俺の身を案じた久藤に加賀さんとの逃避行を止められるのではと動揺と焦りでパニクった俺は声を大きく張ってしまった。
ここには俺と久藤しかいないと分かっているのに今の話を他の誰かに聞かれていないか不安に駆られて周囲をキョロキョロと見回す。
「…僕は止めないよ。むしろ木野と加賀さんの逃避行に協力したいと思っている。」
そんな俺とは対称的に冷静な久藤は落ち着いた声で逃避行の協力を口にする。
てっきり逃避行計画に反対すると思っていた久藤の意外な言葉に笑みが零れかけるが俺の胸に一つの懸念が過った。

61 :
先に前置き投下忘れてすみません。
いちおう最終巻収録の30X話の設定で木野×加賀(エロあり)です。
深夜のテンションで書いたので見苦しいところが多いと思いますが宜しくお願いします。
では>>60からの続き投下します。

62 :
「…久藤…いいのか?オマエまで危険に巻き込む事になるんだぞ。」
「ああ、あの噂…木野の耳にも入っていたんだね。」
この島…臓物島にまつわる奇妙な噂の一つに「先生と一緒に暮らす女に手を出そうとした男が行方不明になった」というのがある。
火のない所に煙は立たぬと言うのだから、噂の元になった行方不明事件は確かにあったのだろう。
ただ何者かの手でそれは揉み消されて真偽の分からない不気味な噂に留まっている…というのが久藤の話だった。
…もし俺が加賀さんを連れ出すのに失敗したら俺だけでなく協力した久藤だってただではすまない。
「でも、確実な逃避行のためにはこの島の地理に詳しい人間が必要な筈だよ。それなら僕がうってつけだ。」
久藤はかつて止むに止まれぬ事情でこの島で保護され、今はこの教会の牧師として在住している。
確実に加賀さんと島を脱出するためにはやはり土地勘のある久藤の協力は不可欠なのだ。
「…それに…僕たちは親友じゃないか、親友が困っていたら助けたくなるのは当たり前でしょ?」
小学校時代、俺がいじめにあっていた時も友達として変わらず接してくれたのは久藤だけだった。
昔から変わらぬ久藤の友情に心から俺は感謝する、彼がこの島にいてくれて良かった。
こんな心強い味方がいてくれるのだから、きっと俺と加賀さんの逃避行は成功する筈だ。

63 :
「とりあえず加賀さんをしっかり説得しないとね…僕が教会に彼女を呼び出してあげるよ。」
「それから後は木野次第だからね。」
チャンスは一度だけ、テレビゲームのようにリセットしてやり直しは出来ない。
そして島に来て二日目の昼、久藤から連絡を受けた俺は教会を訪れる。
逸る気持ちのままに教会の告解室の中に入れば数年前からずっと恋い焦がれ続けた彼女が佇んでいた。
「…え…木野くん…?…どうして…。」
着物に身を包んだ加賀さんは心なしか少し窶れたように思えた。袖口から覗く手首が痛々しいほど細く見えたのだ。
「加賀さん…俺と一緒にこの島を出よう。」
呆然とした加賀さんの元まで急いで駆け寄ると彼女の手をとりながら俺は説得を始めた。
「…私は先生の妻です…この島から離れるつもりはありません…。」
「先生が愛しているのは加賀さんじゃない、君に移植された臓器の持ち主だ!」
「知っています…それでも私は先生の傍にいたいんです…。」
加賀さんが俺の言葉に答え返す度に先生への愛を思い知らされ説得を諦めかけそうになる。
だが俺はこれ以上、加賀さんに不幸になんてなって欲しくなかった。
「頼む加賀さんっ、目を覚ましてくれ…俺なら君だけを…真実の君だけを見るから!」
その言葉がずっと頑なな態度だった加賀さんの心を解すきっかけになった。
加賀さんがよろめくように俺の胸に飛び込み、身体を預けながら今まで抑えていた感情を吐露していく。
「…先生が私を私として見ていないことが分かっていても…先生が私のじゃない名前で…私を呼ぶのを…心の何処かで悲しんでいたんです…」
「それでも先生の傍にいられれば構わないと思っていたのに…」
「…木野くんが…私の前に現れたから…」
俺に縋りついた加賀さんは今にも泣き出しそうな表情で俺を見上げてきた。
ギュッと俺のシャツを掴みながら震える身体をゆっくりと腕の中に収める。

64 :
「加賀さん…俺は君が好きだ、俺と一緒にこの島から出て二人で幸せになろう。」
「…本当に……こんな私でいいんですか……私だけを見てくれるの……。」
「ああ、俺は加賀さんじゃなきゃ駄目なんだ。」
「…じゃあ…ここで木野くんの言葉が嘘じゃないって…証明してください…。」
「…加賀さん?」
俺の緩んだ腕の中から抜け出した加賀さんが着物の帯をスルスルと解き始めた。
静かな教会の中で衣擦れの音だけが響き、加賀さんが脱いだ着物や帯が床に落ちていく。
「…お願い木野くん…私を…抱いて…。」
最後に恥じらいながら肌襦袢を脱ぎ落とし、一糸まとわぬ姿になった加賀さんは潤んだ瞳で俺の動向を不安げに待っていた。
小ぶりだけど形のよい乳房も薄い茂みもその下で息づく陰部も、
加賀さんの全てが俺のためだけにさらけ出されたと思うと堪らなかった。
俺は昂る感情のままに羞恥で俯く加賀さんの細い身体を抱擁し、彼女の唇を自分のそれで塞いだ。

65 :
「…んんっ…ふぁ…っ…。」
加賀さんがおずおずと差し出してきた舌を捉え、夢中で絡め合わせる。
彼女のほっそりした腕が俺の首にかかると俺は腰に添えていた手を移動させ、
加賀さんの水蜜桃のような瑞々しいお尻を撫で回せばピクピクッと敏感に反応を見せた。
それに調子付いた俺は深いキスを続けながら、加賀さんのお尻を撫でるだけでなく感触を堪能するように揉んでみたりする。
更に反応した彼女は可愛らしい乳房を俺の胸板にグッと押し付けながら小さく喘いだ。
「…加賀さんは…お尻触られるの好きなのか…今後のために忘れずに覚えておこう…。」
「…やっ…恥ずかしぃ…言わないで…。」
唾液で出来た糸を引きながら唇を離す、加賀さんの濡れた唇が女性器を連想させた。
俺の独り言のような呟きにも恥じらって上気した顔を俺の胸に埋めてくる彼女は本当に可愛い。
「木野くん…あっ、あん…あの…あんまり…強く吸わな…んぅっ…。」
立つのもやっとな様子の加賀さんを手近の椅子に座らせると俺は躊躇なく彼女の小さな胸の飾りを口に含んだ。
もう片方の胸の飾りを指で摘まみ上げて、クリクリと捏ね回せば甘い声を出して加賀さんが身を捩る。
段々と加賀さんの身体は快感で弛緩していき、ギュッと閉じられていた両足が少しずつ開いていく。それを好機とばかりに彼女の足の間に手を挟み込み、秘部に触れれば湿った手応えを感じた。
「…凄く濡れてる…。」
「…すいません!…こんなにいやらしい身体で…すいません…。」
クチュクチュと卑猥な水音を立てて加賀さんの濡れた秘部を弄り回しながら感想を言うと彼女から涙目で恥ずかしそうにペコペコと謝られた。
「…い、いやっ…俺はいやらしい加賀さんも好きだけど…寧ろもっといやらしくてもいい…。」
「…っ…そ、そうですか…じゃあ…。」
咄嗟に出た俺の言葉に一瞬キョトンとした後に、はにかんだ笑みを浮かべた加賀さんは床に俺を押し倒した。

66 :
「…木野くん…もう辛いでしょう…わ、私で…気持ちよくなってください…。」
そのまま加賀さんの手でズボンの前を寛げられ、
ガチガチに硬くなった陰茎を取り出されて顔を寄せてチュッと口付けられる。
それだけでも充分に昇天しそうなのに積極的な彼女は俺の股間に馬乗りになり、陰部に俺のモノを宛がうと一気に腰を沈めた。
「ふぁあん!」
「…くっ…。」
強烈な締め付けの快感に早々とイキそうになるが男の意地で堪えた。
結合の余韻に浸かっていた加賀さんが腰を忙しく動かし出す、
彼女の痴態に生唾を飲み込みながら手を伸ばして乳房に触れる。
それと同時に下から突き上げるように加賀さんを貫くと喘ぎ声が大きくなった。
「…はぁ、あんっ…木野くん…もう…私…イッ…ちゃう…あっ、あん…!」
「…俺もだ加賀さん…一緒に…うっ…。」
二人ほぼ同時に果て、加賀さんの膣内が俺の白濁で大量に満たされる。
力尽きた彼女は俺の方へとゆっくりと身体を倒すと、甘えるように頬を擦り寄せてきた。
…やっぱり、加賀さんは可愛い。加賀さんの可愛さは正義だ。
「…ねえ、木野くん…私の名前を呼んで…愛って…お願い…。」
「…愛…。」
二人で床にぐったりと身体を横たえていると切なそうな表情で加賀さんから懇願される。
何度も“愛”と名を呼ぶと彼女は顔をくしゃくしゃにして涙を流しながら幸せそうに笑った。
俺はそんな加賀さんがとても愛しくて涙で濡れた目元や頬にキスの雨の降らせた。

67 :
「…随分とお楽しみだったようだね木野。加賀さんの説得成功おめでとう。」
「ちょっ久藤、オマエ覗いていたのかよ!?」
加賀さんが教会から帰った後、久藤の俺に対する第一声に思わず飲んでいたスポーツ飲料を噴き出し顔を真っ赤にした。
「全く人聞きの悪い事を言わないでよ。そんなの加賀さんの様子を見れば分かるから。」
「ヤった後かどうかも見ただけで分かるのかよ…実は久藤オマエけっこう遊んでたのか?」
「…そんな事より予定通り、明日の夜に逃避行を実行するんでしょ?」
巧みに話をはぐらかした久藤は手にしていた島の地図を卓上に広げながら、ある一点を指で指し示した。
「ここは島の人でも限られた人しか知らない隠れキリシタンの祠だよ、ここに加賀さんと二人で夜明けまで隠れるんだ。」
「僕が迎えに来るまでは絶対に何があっても顔を出してはいけないよ。」
そして俺と加賀さんは久藤が懇意にしている漁師が出す本土への船に乗って島を脱出する手筈なのだ。
「何から何までありがとうな久藤。オマエがいなかったらこんなに上手くはいかなかった。」
「礼を言うのはまだ早いよ。無事に島を脱出するまで油断は禁物だからね。」
ついに俺が島に来てから3日目の夜が来た…逃避行を実行する時だ。
加賀さんと予め決めていた場所で落ち合うと久藤が教えてくれた祠に向かって走り出す。
遠くから加賀さんを連れ戻そうとする追っ手達の身の毛もよだつ叫び声が聞こえてくる。
俺はただひたすら恐怖で顔を青ざめさせる加賀さんの手をしっかり握りながら駆け続けた。
追っ手をかわして目的の祠のある小さな洞窟に辿り着くとその中に身を隠す。
「…木野くん…私達…この島から出られるよね…」
「…ああ、出られるに決まっているさ…大丈夫、もうすぐ加賀さんをこの島の外に連れ出してみせる…。」
ぴったりと不安と恐ろしさで震える身体を寄せ合いながら久藤が迎えに来るのを待っていた。
――夜明けが来たら俺達はこの忌まわしい島から脱け出して本当の幸せを掴めるのだ――

68 :
いったん区切らせてもらいます。ハッピーエンドをお望みの方は>>67で読むのを止めるのを推奨します。
この後に投下するバッドエンドはとても後味が悪くて微グロです。それでも平気な方はどうぞ。

69 :
――僕は愛する人のために親友を裏切りました――
「久藤…どうして…。」
木野と加賀さんが身を潜めていた祠へ“彼女達”を案内した。
僕の声を聞いて安心しきった顔で祠を出た二人は僕が一人でなく木津さん達と一緒にいる事に酷く驚愕する。
加賀さんが素早く彼女達の手で木野から強引に引き離された後に木津さんのスコップが無情にも彼に振り下ろされた。
「いやああああああぁああああああああぁ!!!!!」
辺りに大量に飛び散る血、加賀さんの悲鳴…そこから先はあまりにも惨くてとても詳しく語れそうにない。
…かつて木野だったモノは…光の届かない暗い海の底に沈んでいった。
最後に見た木野の無惨な姿はこれからずっと悔恨と共に僕につきまとい続けるだろう。
「自分の保身のために親友を裏切ってに追いやった気分はどうじゃ?」
教会の祭壇の前で膝をついて祈りを捧げる僕の背後から凜と涼やかな声が聞こえた。
祈りを中断し、すっと立ち上がって後ろを振り返り声の主と対峙する。
「…倫さんか…まぁ、あんまりいい気分ではないね…ところで木野がこの島に来た痕跡は消せたかい?」
「それはもう完璧にな、私を誰だと思うておる…これでオマエと私は共犯者だな。」
「そういう事になるね。」
「ふふっ、共犯者…なんと甘美な響きよ…久藤いまなら私を好きにしてよいぞ。」
倫さんの顔が吐息がかかる程に近付いたかと思えば耳許に唇を寄せて囁かれた。
大抵の男はこの甘い囁きに陥落して彼女を押し倒して自分の下に組み敷きたくなるだろう。
妖しく微笑む倫さんの華奢な身体が密着してくる、更に誘惑するように背中に手を回された。

70 :
「せっかくの君のお誘いだけど断らせてもらうよ、一時の感情に流されたくないんでね。」
「ふん、つまらぬ男じゃ。」
しかし、僕には分かっていた…彼女には全くその気がなく聖職者である僕をからかいたいだけなのだと。
丁重に断れば倫さんは興をそがれたように不満げな表情で僕にくっつけていた身体を離していった。
僕は知っている、この目の前にいる可憐な少女の兄に対する異常なまでの愛情を。
その愛情ゆえに公に出来ない残酷な事も平然とやってのけている事を。
…そして、僕はそれを知りながらもずっと見て見ぬ振りをしているのだ。
「…私はお兄様の幸せを壊そうとする者は許せないのじゃ…それが久藤オマエでも容赦はせぬぞ…。」
「大丈夫だよ、僕は絶対にそんな真似はしない…倫さんこそ、このままでいいのかい?」
…僕の問いの意図を汲んだ倫さんの唇はさも愉快そうに弧を描いたが、その瞳はけして笑ってはいなかった。
「ふっ、私はあの愚かで哀れな女どもの仲間入りをする気などない。」
「私は糸色倫、糸色望の最愛の妹…他の何者にもなるつもりはないわ。」
それはけして個として認識されることのない彼女達へ対する優越感に満ちた笑みだった。
――歪んだ僕らはこれからも歪んだまま、この島に囚われ続ける――
BAD END

71 :
以上で投下終了です。
…結末は3パターン考えていたのですがバッドエンドしか完成させられませんでした。
それでは失礼します。

72 :
>>71


73 :
>>71

今すぐ最終巻買ってくる

74 :

もはやホラー漫画だなw

75 :
名作です。

76 :
最終巻からの望カフが見たい
自分で書けたらなあ

77 :
そもそもあの時点の絶望少女たちに自分自身の意思というものはあるのだろうか
独占欲が強かった少女たちが不自然に先生を共有してることを考えると既に自己意識が失われてる気がする
可符香の細胞や遺伝子が定着して>>59が言うように可符香として行動するようになってしまったとか

78 :
臓物島の船長ネタとか、羽美ちゃんにハァハァしてた身にとっては超俺得w

79 :
この島は臓物島である。
倫理はもうない。

時田、時田。
はいお嬢様。
本土より来たお客はどうした?
つつがなく、万事整いましてございます。
そうか…哀れなものよな、何の因果でああなってしまったのか。
左様で。
もう何人目であろうか、お兄様が愛する器がまた増えてしもうた。
左様で。
…こうなっては我らは見守るしかあるまい。
左様で。
ぱたぱたぱた
あ、りんさま
おや倫廻(りんね)、どうしたひとりで来たのか?
ううん、かあさまを探してるの
そうか、まぁ来やれ、お前の母君は此処にはいないが叔母さまがもてなしてやろう。
うん
お前は本当にかわいいな。わたしはお前がいちばん好きじゃ。
わたしもりんさまだいすき
そうか、なればわたしの名を授けた甲斐もあるというものだな、時田。
左様で、お嬢様。
ねえりんさま
ん?なんじゃ?
次はいつ来てくれるの
おほほ、気が早いな倫廻は。まだわたしはこの島に来てさほど……さほど……。
りんさま?
…時田、時田。
はいお嬢様。
………わたしは…いつこの島に来たのだったか?

80 :
勢いで書きました
反省はしていない
続き書くかも

81 :
>>71
>>80
乙です。
やべぇ、俺も久しぶりに書きたくなってきた。

82 :
なぜに倫が武士口調?

83 :
>>79
乙、続き気になるね
>>82
倫様ってこんな感じの口調じゃなかった?

84 :
>>79

>>82
倫は兄以外には武家口調だよ

85 :
でもここまで古めかしくはなかった気がするけど>倫の口調
>>71>>80
どちらも面白かった乙!
>>71は1日であれを書いたのか…すごいな

86 :
りんねっていうと高橋留美子の漫画を思い出す

87 :
先生、今日は私たちの、101回目のウェディングですね。
先生との結婚式なんていう素敵な思い出が101回もある、わたしはなんて幸せなんでしょう。ああ、この教会の鐘も、いつ聴いてもとっても素敵。
久藤君、私たちの式をいつも見守ってくれて本当にありがとう。
倫ちゃん、交くん、絶命先生、絶景先生、絶縁先生、時田さん、今日の式も来てくれてありがとう。みんなと家族になれて私、幸せです。
千里ちゃん、まといちゃん、霧ちゃん、あびるちゃん、芽留ちゃん、奈美ちゃん。いつも私たちを祝ってくれてありがとう。私たち、これからもきっと幸せになります。
カエレちゃん、藤吉さん、三珠ちゃん、加賀ちゃん、大草さん、大浦さん。そしてマ太朗。ごめんなさい、そして、安心してね。本当はみんな好きだった先生のことは、私がみんなの分も幸せにします。
受付の根津さん、丸内さん、いつも手伝ってくれて本当にありがとう。
他にも、駆けつけてくれたみんなありがとう。
…ねえ、先生はもう気づきました?
今日は、101回目にふさわしい特別な日なんですよ?
なんと、今日は二のへの生徒が全員揃ってるんですよ。ほら、見てください。男子も全員来てくれて、昔の授業みたいで懐かしいでしょう。
これまでの結婚式は、みんなが揃うことなんか滅多になかったですから。
あれ?それは学生時代からでしたっけ?
まあ、それはおいといて〜
みんな、この日のために来てくれたんですよ。私、嬉しくて泣いちゃいそうです。
そうだ、式の後で、みんなで写真を撮りましょうよ。
よく考えたら、私たち、集合写真も撮ったことが無いんですもの。
………………………………………
…あはは、今一瞬だけ、もう一人の私が見えました〜
きっとあれはゲッペルドンガーさんですね。ゲッペルさんは楽しいときに現れるもの。
さあ、ゲッペルドンガーさんにはお引き取りいただきましたから、もう大丈夫です。結婚式を始めましょう。
先生、私、風浦可符香は先生のことを一生愛すると誓います。
ありがとう、先生、ありがとう、みんな。
〜HAPPY END ?〜

88 :
以上です。駄文を失礼しました。

89 :
>>88
おつかれ
文章も読みやすかったし、ほっこりした気持ちになりました

90 :
>>78
ぶっちゃけあの歌見た時、羽美はこの島出身なのかと思った
変にポジティブな所あったし、あの子

91 :
>>87
あはは、で涙腺緩んだ。可符香…

92 :
>>90
案外、絶望少女のだれかと親戚だったりしてな。キャラ系譜的には千里(の中の魂)の身内とか。
いつか、すず部長(医師)の病院と望以外の糸色一族がクロスオーバーする話みたいなぁ。

93 :
すず部長と砂丹と命が同僚だったとかは普通にあってもおかしくない

94 :
改蔵とのクロスオーバーは保管庫にあった気がする
先生がんで可符香が壊れて入院した精神病院がすず部長達のいたところで
命と砂丹が同級生かなんかだったような
あの話面白かったけど、保管庫のどの話なのか見つけられない

95 :
可符香が教祖になるやつだっけ?たしかオフエアバトルの話の延長戦上にあった

96 :
>>94
探したら意外と早く見つかった
保管庫2の13ー32氏の「オンエアされなかったバトル・その後」に続く、14ー251氏の「オンエアされなかったバトル・その後アナザーストーリー」じゃないか
「ヒポクラテスの誓い」まで続いてるのかも
俺は可符香が風邪ひいて先生がお見舞にくる話が好きだ。266氏だったか
久しぶりに読むかな

97 :
>>96
おおサンキュ!これから読んでくる!

98 :
>>87
乙!
素敵です

99 :
470 名前:名無しかわいいよ名無し [sage] :2012/08/29(水) 18:03:39.92 ID:TaSvcTMi0
せやな、301話あなたは誰の中のカフカさんですか?からのよく見たら霧ちゃんでしたエンドでええんや
見てくださいよウェディングドレス集合絵での霧ちゃんの堂々とした佇まいを。本妻の余裕ですよ。

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