「L I O N ライオーン!」 「ビースト頑張れ!」 「キングちゃんいけー」 小学生は熱狂していた。 しばらくすると野良猫は動かなくなった。出血と池の水に冷やされ急速に体力を失ったようだ。 野良猫はピクリとも動かず水面を漂い浮島からゆっくりと離れていった。 野良猫が浮島から遠くに離れた頃、キングオブガトーは池に飛び込み、危なげなく岸に戻り、瞬く間に茂みの中に姿を消した。 浮島に平和が戻るとヌートリアの家族は住処へと戻ってきた。浮島の巣穴へ入りヌートリアの姿も見えなくなった。 私はキングオブガトーと再会できて興奮していた。度重なる事件で公園の野良猫が激減していくのと比例するようにキングオブガトーは姿を現さなくなっていたからである。