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2013年10エロパロ340: 【クェイサー】吉野・佐藤健悦作品でエロパロ 3【舞・舞乙】 (273) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【クェイサー】吉野・佐藤健悦作品でエロパロ 3【舞・舞乙】


1 :2013/04/06 〜 最終レス :2013/10/02
アニメ化したクェイサーのスレも立っておらず、舞シリーズのスレも残ってないようなので総合スレとして立ててみました。
扱う作品は聖痕のクェイサー、舞、舞乙、VITAセクスアリスなどです
なおアニメ脚本としての吉野作品は入れない方向にしたいと思います。
舞作品につきましても基本的にコミックスの内容に触れたものでお願いします。

2 :
聖痕のクェイサーアニメ公式
ttp://www.qwaser.jp/
舞-HiME・舞-乙HiMEシリーズ公式
ttp://www.my-zhime.net/

3 :
保守ついでにwiki参考にした作品紹介
聖痕のクェイサー
特定の元素を操ることができる能力者クェイサーたちのバトル漫画だが
クェイサーが戦闘するためには聖乳(ソーマ)という物質が必要になるが、これが女性の乳から分泌されるもので得るためには搾乳行為が必須となり
エネルギーを補給するという建前で乳を吸うことを正当化している変態漫画である

4 :
舞HIMEの一部の作品の保管庫
ttp://green.ribbon.to/~eroparo/
その他のジャンル、ノンジャンルの部屋のメディアミックスの部屋

5 :
前スレ 
【クェイサー】吉野・佐藤健悦作品でエロパロ【舞・舞乙】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1269775167/l50
【クェイサー】吉野・佐藤健悦作品でエロパロ 2 【舞・舞乙】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1347787388/

6 :
前のスレッドで書き込みをさせていただいていた者です。
再び
「ERROR:このスレッドは512kを超えているので書けません! 」
というエラーメッセージが出たので、新たにスレッドを立ち上げました。
前のスレッドからのつづきになっています。

7 :
午前1時

ビジネスホテルの一室

「はぁ、はぁ、はぁ…おおっ!!出すぞ鴇羽!!今度は胸に…そのデカパイに出してやるぜ!!」

「あぁあ〜〜あぁ〜〜〜もうダメ〜〜〜やめてぇ〜〜〜はぁあ〜〜〜あぁあ〜〜〜♪」

「はぁ、はぁ…流石に疲れたぜ…はぁ、はぁ…」

「だらしね〜〜〜な!!今度は俺だ!!」

他の2人が疲労感を見せる中…福田は舞衣の脚を大きく開き、再び舞衣を犯し始めた…

「あっ!あっ!あぁあ〜〜〜お願い、もうやめてぇ〜〜〜堪忍してぇ〜〜〜はぁあ、はぁあ…」

「はぁ、はぁ…しねーよ(笑)テメーはずっと犯されつづけるんだよ!!」

「あぁあ…あぁあ…イヤぁ…そんなのイヤぁ!!あぁあ〜〜〜どうすればいいの!!?あたしどうすれば
いいの!!?んひぃいいいいいいっ!!?痛いっ!!痛いっ!!」

福田は舞衣の乳首をおもいっきり引っ張りながら悪戯な笑顔で呟いた。

8 :
「テメーは笑顔でアンアン喘いでたら幸せになれるんだよ!!」

「ヒック…えぐっ…ふぇえ…ほ、本当にぃ〜〜?本当にそうなの〜〜〜!?」

既に舞衣の思考回路はおかしくなっていた…

「プッ…あはははは!!鴇羽もう壊れる寸前じゃね!!?」

田島は立ち上がると、舞衣の表情を撮影し始めた。

だらしなく開いた口…白目をむく寸前の目からは涙を流し…
笑っているのか…泣いているのかも分からない…壊れた表情…
田島は悪戯な笑みを浮かべた。

「よしっ、アンタ等疲れてるでしょ?今からさ、他の男連れてきな!!『タダマンできる女がいる』って
知ってる男連れてきなよ…あっ、鴇羽の名前出したら同級生とか結構来るかも♪」

田島は携帯片手に、風華学園時代の同級生の男子に連絡を始めた…
男達も、知り合いの男達を呼ぶために連絡を取り始めた…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

9 :
午前3時

ビジネスホテルの一室


「ち〜〜〜っす!!マジでタダマンやらせてくれる女って、いるんスか〜〜?」

「ど〜〜せブスとかっしょ?ま〜〜タダならいいけど(笑)」

「うぷっ…クセ〜〜〜(笑)テメーら犯ってる真っ最中だったのかよ!!」

ガラの悪い男達が部屋に集まる…

「な、なぁ…鴇羽がここにいるって聞いたんだけど…」

「その…鴇羽とヤラせてくれるって聞いたんだけど…」

「ほ、本当に…3万円で…鴇羽さんと…セックスできるんだよね?嘘じゃないよね?」

田島が呼び寄せた風華学園時代の同級生男子たち…
真面目そうな普通の男子も、舞衣の名前を言えば集まってきた…
悪戯な笑みを浮かべ満足そうな田島…

「あ〜〜みんな夜中にご苦労様〜〜♪とりあえず順番に並んでね〜〜♪」

10名近く集まった男達は順番に並ぶと、既に精液まみれの舞衣を披露した。

「おおっ!!結構いい女じゃね〜〜かよ!!」

「てか、もうドロドロじゃね〜〜かよ(笑)」

「うわっ!!ととと、鴇羽さんだ!!本当に鴇羽さんだ!!」

男達の反応は上々だった。

10 :
「ほらっ、鴇羽さ〜〜ん♪もう辛いのはイヤなんでしょ〜〜?どうすればいいのか、わかるよね〜〜?」

田島は舞衣に話しかけると…舞衣は壊れた笑顔で男達に挨拶を始めた…

「えへへぇ〜〜♪みなさ〜〜〜ん♪あたしでタダマンして気持ちよく射精してくださ〜〜い♪」

焦点の定まらない視線…
涎をたらす口元…
壊れた笑顔は男達を興奮させた。

「じゃ、まずは俺から〜〜♪」

・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・

11 :
舞衣は10人の男達に…その瑞々しく綺麗な身体を惜しげもなく差し出し…朝まで犯され続けた…
オレンジ色のショートボブの髪の毛も…
顔も…胸も…肩も腕も…
太ももも脚も…
全身を、男達の唾液と精液で汚されてしまった…

膣を犯され…アナルを犯され…口を犯され…
我慢できない男達に、胸の谷間や太もも…腋の下も射精の道具にされ…

全身を汚されて…意識を完全に失ってしまった…

「あぇえ〜〜〜あぁあ…あへへぇ〜〜〜〜♪も、もうダメぇ〜〜〜♪」

朝の6時までタップリ犯され…失神した舞衣を楽しそうに撮影する田島…

「よ〜〜〜し!!いい写真がタップリ撮れたし〜〜そろそろ終わりにしようかな♪」

舞衣とそれぞれの男達との2ショット写真を撮り終えた田島は、満足そうに部屋を後にする…

「じゃ〜〜ね、鴇羽さ〜〜〜ん♪風邪ひかないでね〜〜(笑)」

部屋には舞衣ひとりだけ残され…朝を迎えた…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

12 :
7月29日    午前8時

ビジネスホテルの一室

「んぁ…んんっ…んっ…ふぁあ〜〜〜あ…」

既に朝日は昇り…部屋に日光が差し込む…
荒らされた部屋…精液まみれのシーツ…
男達の汗臭い香りとムッとした精液の香りが充満する中…
舞衣は目を覚ました…

「ふぅ〜〜あっ、いたた…身体が…痛い…それに…臭い…」

目覚めた舞衣は辺りを見回す…
そして、自分が全身精液まみれで寝ていた事に気づいた。

「…これって…あぁ…そういえば…」

舞衣は昨日の夜から朝方にかけて輪姦されたことを、ゆっくりと思い出した…
アルコールによって曖昧になってしまった記憶を、一つ一つ思い出し…整理する…

「…あたし…あの後…あぁ…またやっちゃった…ダメだな〜〜あたし…お酒が入ると…」

13 :
酒での失敗は、初めてではない…
また起こしてしまった酒でのトラブル…舞衣は自己嫌悪に陥った。

その時…舞衣の携帯の着信音がワンコール鳴った。

「んっ?メール?誰から…」

携帯を確認すると…メールの差出人は田島…

『昨日はお疲れ様!いい写真いっぱい撮れたよ〜〜♪』

メールには、舞衣の痴態が収められた写真が添付され…
その写真を見た舞衣は、無言で携帯を閉じた。

「…ふぁあ…まだ眠いし…身体中痛いし…もう少し寝ようかな…シャワーも…目が覚めてからにしよう…」

疲労困憊な舞衣は、男達の汗と唾液と精液にまみれた身体のまま、再び眠る事にした…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

14 :
割と舞衣好きだったから読んでて情けなくて泣けてくるわ

15 :
14さん
ごごごご…ごめんなさい!!
所詮は二次創作なので、舞衣ちゃんの事は嫌いにならないで下さい!!
フライングゲッ…ゴホンゴホン…
まぁ、軽い気持ちで読んで下さいね。

16 :
別に謝る必要はまったくないよ。好きなもんを好きなように書く板なんだし

17 :
もうアフターピルと性病検査は忘れるなくらいしか言葉のかけようが…。
というかDVD流出されてんだし、猛烈に嫌っている同年代の同性がいるくらい
自覚しろと小一時間ry
とりあえず千絵の知恵を借りる機会もしばらくなさそうだし…。

18 :
本編の舞衣ってさすがにここまで馬鹿じゃなかったけど、既にアルコールやドラッグが頭を破壊し始めてるのか

19 :
風俗の世界にどっぷり漬ってるみたいで痛々しい…そういや弟のためにソープに沈む覚悟してたっけあの娘?

20 :
午前11時

ビジネスホテルの一室

「…ちゃん!舞衣ちゃん!」

んっ?誰かしら…
疲れ果てて…裸で眠るあたしに…誰かが声を掛けてくる…

「…ふぁあ〜〜あ…今何時〜〜?」

あたしは呼びかけてくる声に目を覚ますと、ムクリと起き上がり…身体を伸ばしながら大欠伸した。

「ふぁあ…あれっ…碧ちゃん…どうしてここに?」

「あっ、やっと起きた!!も〜〜〜心配したんだから!!何度も舞衣ちゃんの携帯に連絡しても出ないし
、部屋をノックしても出ないからフロントに連絡して開けてもらったの!!もしかして倒れてるんじゃな
いかと思って!!それにしても…どうしたのよ、その身体!!」

声の主は碧ちゃん…
やっぱり…聞き覚えのある声だな〜〜って思ったのよね。
そして、あたしは自分の体に目を向ける…

21 :
「あっ…これは…ちょっとね、あはは…」

「あはは〜じゃないでしょ〜〜!!これって精液だよね!?もしかして…乱暴されたの!!?」

いけない…そういえば、あたしシャワーも浴びずに寝ちゃったんだ…
徐々に意識がハッキリしてくると…鼻を突く汗と精液の匂いに、あたしはむせ返った…
昨日の失敗は…本当に反省してる…
だから…これ以上事を大きくしたくない…
あたしは碧ちゃんへの言い訳を考えた。

「え〜〜っと…昨日あたし一人でお酒飲みに行ったんだけど…飲んだ先で男の人にナンパさちゃって〜〜♪
そのままここでエッチしちゃって(笑)ううん、乱暴とかじゃなくて、お互い合意の上だから♪」

「ナンパされて…って…でもこれ酷いよ!?身体中ドロドロだし…何人かに乱暴されたんじゃ…」

「だから〜〜心配しなくてもいいわよ…3人の男の人とエッチしちゃって(笑)」

「…3人…舞衣ちゃ〜〜ん…ストレスとか溜まってるのは分かるんだけどさ〜〜一応彼氏もいるんだから、
そういう事は控えないと…彼を悲しませないようにしないとね…」

碧ちゃんの言葉に…胸が痛んだ…
ゴメンね…祐一…

「う…うん…酔ってて…よく分からなくて…うん…反省してる…」

心配してくれて…わざわざホテルまで来てくれた碧ちゃんに謝った。

「ところで連絡って…何かあたしに用事でもあったの?」

「あっ、そうそう…これを書いてもらいたいんだけど〜〜」

碧ちゃんは書類を一枚取り出す…

22 :
学費支払い延期届

「今回の件で、巧海くん…舞衣ちゃんが口座に振り込んでくれた学費や生活費の殆どを使っちゃったの…
下半期の支払いが近いし…舞衣ちゃんもイキナリ大金を払うなんて無理だろうから、一応学園側には支払い
の延期をお願いしたの。で、今日は舞衣ちゃんにサインを貰おうと思って…」

あたしは碧ちゃんから書類を受け取る…
そして、2枚目の書類に書いてある支払いプランをじっくり読んだ。
あたしが書類に目を通していると…碧ちゃんは、あたしの横顔をじっと見つめてる…

「う〜〜ん…卒業後の支払いもいいのよね?って…碧ちゃん、あたしの顔…何かついてる?」

「えっ?あぁ…ごめんね…いや…舞衣ちゃん、何か疲れた顔してるな〜〜ってね…」

「はいっ?あたしが?あはは…いろいろあったしね〜〜(笑)」

「ううん、そういうのじゃなくて…何かこう…表情が疲れてるって言うか…昨日から気になってたのよね…」

「そう…なんだ…あたし、疲れた顔してるんだ…あはは、自分じゃ分からないわよね〜〜(笑)」

23 :
…気付かなかった…そうなんだ…疲れた顔してるんだ…
しょうがないわよ…いい事ないんだし…
支払いプランを選んでサインすると、あたしは碧ちゃんに書類を手渡す…

「はい、卒業後一年以内の支払いね」

碧ちゃんは書類を受け取ると、改めてあたしの身体に視線を向けた。

「舞衣ちゃん…確かに女同士だけどさ〜〜裸はマズイんじゃない?」

「あっ、いけない!そういえばあたし…あはは!」

「も〜〜〜舞衣ちゃんは〜〜(笑)身体、気持ち悪いでしょ?シャワー浴びて綺麗にしておいで♪」

裸でいる事に気付いたあたしは、思わず恥ずかしくなり…胸を両手で隠しながらバスルームに向かった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

24 :
ビジネスホテル  バスルーム

「あ〜〜〜気持ちいい♪」

身体中にこびりついた…男達の精液や唾液を洗い流す…
少し乾燥して…ベットリと張り付いた精液は、なかなか落ちない…

髪の毛についた精液をシャンプーで洗い流し…
身体中の精液を、ボディソープで洗い流し…
バスルームから出たあたしは、やっと綺麗になった身体を鏡に映す…

「…また…汚れちゃったな…あたしの身体…」

「舞衣ちゃん何か言った〜〜?」

あたしが思わず呟くと、部屋にいる碧ちゃんに聞こえちゃったみたい…

「ううん、何でもないよ〜〜」

ドライヤーで髪の毛を乾かしていると…今度は碧ちゃんから話しかけてきた…

「あっ、そうだ!ねえ舞衣ちゃん、明日時間ある?私、明日オフだからさ〜〜ちょっと一緒に出かけて
みない?舞衣ちゃんに是非教えたい観光スポットがあるんだよね〜〜♪」

「はいっ?あたしにピッタリの?」

「うん、疲れてる舞衣ちゃんにピッタリの場所があるの♪ねえ、どう?行ってみる?」

25 :
「どうしようかな〜〜明日は何も無いし…うん、いいよ碧ちゃん♪」

「オッケーー♪じゃ、明日の朝11時に、私が車で迎えに来るからヨロシク♪」

成り行きから、あたしは碧ちゃんと出かける約束をした。
久しぶりに遊びに行くのもいいかもしれないわね…
何だか楽しみ♪

バスタオルだけ巻いた格好で、あたしは碧ちゃんの前に座り…暫くお話した…
すると…碧ちゃんの携帯が鳴る…

「な〜〜に〜〜?折角いい所だったのに〜〜♪って、あっ!学園から!!」

碧ちゃんは、何だか他にも仕事があったらしく、急いで学園に戻っていった…

「明日の朝11時ね…よ〜〜し!今日は早く寝ようかな♪」

シャワーを浴びサッパリしたあたしは、うんっと身体を伸ばす…
そして、ふとテーブルの上に視線を向けると…あたしがサインした書類が目に入った…
あ〜〜あ…碧ちゃん…書類忘れて行っちゃったんだ…

「も〜〜〜碧ちゃん…相変わらずそそっかしいんだから〜〜(笑)」

あたしは簡単にお化粧を済ませ身支度を整えると、碧ちゃんに書類を届ける為に風華学園へ向かった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

26 :
アル中、ヤク中、元底辺風俗嬢、彼氏居るのに体中精液まみれで帰ってきて爆睡・・
碧ちゃんも元生徒とはいえ、よくこんなのと関わってくれるよ
普通なら5m以内には絶対に近寄って欲しくないタイプだろ

27 :
晶君とか千絵はかっこいいのに

28 :
午後1時

風華学園 高等部校舎前

「いやぁ〜〜〜私とした事が!!ごめんね〜〜舞衣ちゃん!!」

「いいわよ〜〜でも、相変わらずそそっかしいんだから(笑)」

「あはははっ♪何かさ、舞衣ちゃんとお出かけできると思ったら嬉しくて♪完全に忘れてたわ〜〜(笑)」

夏の日差しが照りつける昼間…
舞衣は碧が置き忘れた「学費支払い延期届」の書類を届ける為に、風華学園を訪れた。

「舞衣ちゃん、折角来たんだから〜〜職員室でお茶でもどう?」

「ありがとう…でも、あたし…職員室はちょっと…」

校内放送事件のことを思い出し…舞衣は職員室に向かう事を拒んだ。

「あ…うん、分かった♪じゃ〜〜明日、楽しみに待っててねっ♪」

碧は舞衣の心境を理解したのか…笑顔で舞衣を見送った。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

29 :
風華学園高等部 中庭

「それにしても…暑い…」

舞衣は直射日光と夏の蒸し暑さに唸りながら、暫く学園内を散歩した。

校庭からは、部活動に励む生徒達の声が聞こえ…
プールを眺めれば…懐かしい水着に身を包み、水しぶきを上げる少女達の声が聞こえ…
校舎の窓を覗くと…吹奏楽部の部員達が一生懸命練習している姿が見えた。

生徒達は、それぞれ思い思いの夏の一時を過ごしている…

「部活動…か…あたしは毎年、夏はバイト三昧だったなぁ〜〜(笑)」

懐かしい自分の学園生活を思い出しながら歩いていると…いつの間にか中庭に辿り着いていた。

「わぁ〜〜懐かしい!ここでよく、アイツと一緒にお弁当食べてたわよね〜〜」

高等部時代…お昼休みになると、いつもこの中庭で楽しい一時を過ごした舞衣と祐一…

当時を思い出しながら周囲を見回す…
花いっぱいの花壇…春には満開に花咲く桜の木々…そして綺麗な芝生…
見るもの全てが懐かしい…

当時と変わらない懐かしい光景に…舞衣は思わず見入ってしまっていた…  
そんな懐かしい風景を眺めていると…舞衣の視界に一人の男性が映った。 

30 :
「あれっ?…もしかして…あの人…」

その…ずんぐりとした肥満体型に、もっさりとしたアフロヘアのような髪型…
体型に似合わない小さなメガネに、特徴的な髭…
汗だくになりながら、まるで花を愛でるように花壇を造っている男性の姿に、舞衣は思わず目を留めた。
舞衣の姿に気付かず…ひたすら花の世話をする男性に近づく…

「こんにちは♪あの〜〜迫水先生…ですよね?」

「っと…はい、何でしょう?」

肥満体型の男性は舞衣に声を掛けられ、我に返ったように気付く…
そして舞衣の姿を確認すると、思い出したかのような表情を浮かべ、舞衣に言葉を返した。

「あぁ〜〜あなたは確か…鴇羽巧海くんのお姉さんの〜〜」

「はいっ、鴇羽舞衣です♪巧海が中等部の頃は、本当にお世話になりました♪」

「やっぱりそうですか〜〜はいはい、巧海くんのお姉さんの舞衣さんですね〜〜♪えぇ、覚えていますよ、
いやぁ〜〜お久しぶりです…こうやってお話しするのは、かれこれ3,4年振りじゃないですかねぇ?」

31 :
そう…この肥満男性は「迫水開治」

彼は風華学園中等部の教師で、巧海は3年間彼のクラスに在籍していた。
舞衣はオーファン事件絡みで迫水とは面識があり、特に巧海が2、3年生の時は、巧海の保護者という
立場から何度も顔を合わせ、巧海の今後について話し合っていた。
再び巧海の病状が悪化した3年生の時、親身になって考えてくれたのも彼だった…
そんな当時を思い出しながら、舞衣は笑顔で迫水に挨拶する…

目の前の女性が舞衣と気付くと…迫水も笑顔で挨拶を返した。
スコップを置き、身体に付いた土を手で払うと、迫水は立ち上がる…

「いやぁ〜〜折角久しぶりに会えたのに、こんな身なりで申し訳ない」

「あはは♪いいですよ〜〜気にしないで(笑)相変らず好きなんですね〜〜そういうの」

「まぁ〜〜私の趣味みたいなものですよ(笑)」

しかし…次の瞬間、迫水の表情は暗くなる…

「しかし…この度は大変でしたねぇ…巧海くん…」

迫水は巧海を心配しているのか…巧海を気遣う言葉を口にする…

32 :
この5月に起きた…お昼の校内放送事件…
風華学園中等部の教師である迫水も、当然事件を知っていた。

「あっ…そうですね…何だかあたし、学園中に迷惑かけちゃったみたいで…すみませんでした…」

校内に流された映像の主人公が自分だと知っていた舞衣は、思わず迫水に謝った…

「いやいや!別にあなたが謝るべき事じゃないですよ!あなたは巧海くんの為に一生懸命頑張った…
ただそれだけですよ。形はどうであれ…今、巧海くんが健康を取り戻して…風華学園の編入試験を
飛び級で合格して、彼が憧れていた風華学園高等部に進学する事ができたのも、全てあなたの頑張り
があったからこそですよ。それを…あぁいう風に晒し者にする輩がいるとはねぇ…許せないなぁ〜〜
いや本当に…少なくとも私は許すことは出来ませんよ…」

迫水は淡々と語る…
風俗で働いて、巧海の手術費用を稼いだ舞衣の行動を、迫水は正当化した。

「で、巧海くんの様態はどうなんですかねぇ…その…繊細な子だから心配で…」

「はいっ、今はもう大丈夫です♪体調も元に戻ったみたいで…安心しました♪」

「そうですかぁ〜〜〜良かった良かった♪」

笑顔を取り戻した迫水は、地べたに腰を下ろす…
そして鞄から水筒を取り出すと、お茶をがぶ飲みし始めた。

迫水の言葉を聞き、舞衣の脳裏にある疑問が浮かんだ…

33 :
『誰が…DVDを放送室で流したの?』

巧海の精神状況や体調ばかりを気にしていて、舞衣は事件の核心…犯人について初めて考え始めていた。

「…あの…迫水先生…今回の事件…犯人はまだ分からないんですか?」

舞衣の表情は険しくなる…

「う〜〜〜ん…何処まで話していいのかなぁ〜〜」

迫水は悩みながら話し始めた…

「生徒や教師の証言から…もう大体特定できてるんですよねぇ〜〜実際…でもねぇ〜〜疑いをかけて
取調べとかすると…今の時代、結構問題になっちゃうんですよ…教師よりも生徒の立場の方が強い時代
ですから…逆に生徒に訴えられたら教師は手も足も出ないんですよ〜〜だから、確実な証拠を掴もうと
してるんですけどねぇ〜〜〜これがなかなか見つからない…」

迫水は既に犯人を特定しているかのような口調で語る…
迫水の言葉を聞き…舞衣の表情は更に険しくなっていった。

巧海を…唯一の家族…巧海を絶望のどん底に陥れた犯人を…舞衣は許せなくなっていた…

「まぁまぁ〜〜そう気負いせずとも…犯人はいずれ見つかりますよ!」

舞衣を気遣う迫水の言葉に、舞衣はハッと我に返った。

「あっ…ごめんなさい…今あたし…凄く怖い顔してたかも…やだなぁ〜〜(笑)」

場の雰囲気を暗く痛々しいものにしてしまったと思った舞衣は、苦笑いしながら迫水に謝った。

「あはは…この話、もう止めましょうね…」

校庭から聞こえる生徒達の声や、セミの鳴き声が聞こえる中…沈黙が続く…

すると、舞衣は思い出したかのように口を開いた。

34 :
「あっ!そういえば、なつき!!なつきは今どうしているんですか!?」

懐かしい名前を口にする…

「あの子確か2年生になって「母親と同じ科学者になってみる…」とか言い始めて、勉強頑張り始めて…
出席日数は相変らずでしたけど(笑)やっぱりどこかの大学に進学したんですか?流石にもうこの近くに
は住んでませんよね〜〜?」

オーファン関係の事件が解決した後も、何かとお互いを意識し合っていた…舞衣となつき…
親友…と言う感じではなかったが、舞衣は玖我なつきの事が常に気になっていた…
勿論…自身が風華学園を退学して…なつきが卒業した今も…

思い出したかのように、舞衣は笑顔で迫水に尋ねてみた。
すると…意外な言葉が返ってくる…

「あぁ〜〜彼女ね、いますよ…まだこの辺に(笑)今も風華町に住んでるんじゃないですかね〜〜」

「はい〜〜〜っ!!?そうなんですか!?なつき…風華町に住んでるんですか!!?」

「あぁ〜〜もしかして、知りませんでしたか?」

「はい、ちょっとビックリしました(笑)あの子理系に進みたいって行ってたから…てっきり県外の
大学に進学したのかと思って…他の同級生に聞いても、みんなあの子の進路は知らないって言ってた
から…やっぱりあの子、卒業後は理系の大学に進学したんですか?」

すると…迫水はため息をつきながら話し始めた。

35 :
「いやぁ〜〜それがですね…確かに彼女、母親と同じ科学者の道を目指していたんですけどね…
肝心の学力の方が全然足らなくて…結局大学受験は失敗しちゃったんですよね〜〜(笑)」

「あっ、分かった〜〜!今も浪人中だとか!?」

「いえ…大学受験失敗の後、彼女は科学者の道をキッパリ諦めたんですよ。その後がよろしくなくて…
風華学園卒業と同時に、ずっと別居していた父親からの援助が途絶えたらしく…貯金を切り崩して生活
していたらしいんですよねぇ…しかも…卒業後は進学も就職もせず…働きもせず…挙句、どこで覚えた
のか…毎日毎日パチンコ・パチスロ三昧という生活を送っていたんですよ…約半年位ですかねぇ〜〜」

「そ…そうなんですか…あはは…何か意外ですね…」

「舞衣さんご存知ですかねぇ〜〜彼女の母親は、私の元同僚でしてねぇ…彼女の事をよく知っている分
何だか放って置けなくて…何もせずブラブラしている彼女をどうにかしようと思いまして…私は彼女に
探偵職を勧めたんですよ…」

「はいぃ〜〜っ!!?た、探偵職!!?なつきが…ですか!!?」

36 :
「はい…彼女は高等部時代から、母親の仇を探す為にいろいろやってましたからねぇ〜〜(笑)この辺の
裏事情にも詳しいし、情報網にも詳しい…何より、情報収集はお手の物ですからねぇ〜〜彼女(笑)それに、
私立探偵という職業は、場合によっては自由業みたいなものですから…彼女には合いそうだと思いましてね…」

「なつきが探偵に…似合ってませんよね〜〜(笑)あの子、上手くやってるんですか〜〜?」

「まぁ、何とかやってるんじゃないですかねぇ(笑)そうそう、2ヶ月前にも会いましたけど…最近では
探偵の域を超えた範囲の仕事も引き受けているらしいですよ(笑)まぁ、いろいろ大変みたいですよ(笑)」

「探偵の域を超えた仕事って…何か気になるけど…まぁ、元気でやってるのなら心配ないわよね(笑)」

なつきが今も元気で過ごしていると聞き、安心した舞衣は笑顔を取り戻した。

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・

もう暫く会話した後、舞衣は中庭を後にしようとする…

「何かあったら連絡ください、私でよければ相談に乗りますよ」

「はいっ、ありがとうございます♪」

最後に一言、声を掛けてくれた迫水に、舞衣は笑顔で挨拶して、その場を去った。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

37 :
午後2時

風華町 市街地

ホテルまでの道程を、一人歩いて帰る舞衣…

「それにしても、なつきが探偵ね〜〜(笑)本当に似合わないわよね〜〜〜♪てっきりランジェリーショップ
の店員さんになってるかな〜〜って思ってたんだけどな〜〜〜(笑)」

なつきの現在を知り、スーツ姿で聞き込み調査をしているなつきの姿を想像しながら微笑む舞衣…
高等部時代の一時を共に過ごした相手が健在である事を知り、舞衣は一安心した。

嬉しそうな舞衣は足取りも軽く…鼻歌交じりで気分よくホテルに到着した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

38 :
おぉ、なつき登場かぁ・・
でもこのご時勢、大学ぐらい行け、と静留が許さない気もするが

39 :
保守させて下さい

40 :
午後6時

市街地  ビジネスホテルの一室

ホテル内のレストランで一人早めの晩御飯を食べた後、舞衣はベッドに寝転がり呟く…

「…それにしても…一体誰が巧海に…あんな酷い嫌がらせを…」

なつきの健在を知り、一時は機嫌が良かった舞衣…
しかし、暫く落ち着いて頭に浮かんできたのは…やはり犯人に対しての憎しみだった。

「誰なの…一体誰が…あっ!もしかして…田島さん…?」

舞衣の頭に浮かんだのは…舞衣に一方的な敵意を持つ田島の顔…
田島の顔を思い浮かべた瞬間…昨日の夜から朝にかけての出来事を思い出す…

「あ〜〜〜ダメダメ!!あれは失敗だったわ!!本当にあたし…お酒がらみの失敗多いよね〜〜」

初めてではない酒がらみの失敗に、後悔の念が込み上げてくる…
同時に、舞衣の携帯に送られてきた脅迫とも思えるメールと、添付された陵辱写真を思い出し…
舞衣は言い知れない恐怖に怯えた。

41 :
「…あの写真で…あたしを脅そうとしているの?」

脅迫されたら…逆らえない…
あの写真が…知り合いに見られたら…
もしも…巧海に見られたら…

そんな事を考えていると、心は落ち着かない…
様々な不安が頭を過り…舞衣は悶えた。

「あ〜〜〜もうっ!!どうすればいいのよ〜〜〜!!」

枕に頭を埋めて脚をバタバタさせ悶える…
散々悶えて考えた結果…舞衣はある結論に達した。

「…気晴らしに…ちょっとだけ飲みに行こうかな…」

まだシャワーを浴びる前だった舞衣は、そのままホテルを後にして、繁華街に向かった。

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42 :
午後6時30分

風華町  繁華街

風華町の中で一番華やかな場所…繁華街…
その繁華街の中でも、独特な雰囲気を醸し出す通りにある飲み屋街…
高等部時代には踏み入った事のない場所に、舞衣は一人向かう…

「ふ〜〜ん、こんな風になってたんだ〜〜♪」

繁華街の奥には比較的大きな通りが2つあり…

一つは飲み屋街…
そして、もう一つは…風俗店が立ち並ぶ通り…

どちらも、学校では絶対に行ってはいけないと言われていた場所…
その一つの通りに踏み入った舞衣は、興味深く周囲を眺めた。
ネオンに照らされ、人で賑わう通りは、気晴らしを求める舞衣を楽しそうな雰囲気で引き込んだ…

「こんなにいろいろお店あるんだ〜〜何処で飲もうかなぁ〜〜♪」

辺りを見回し、自分にあったお店を探していると…背後からポンポンと、軽く肩を叩かれる…

43 :
「はいっ?」

肩を叩かれた舞衣が後ろを振り向くと…そこには二人の男性の姿…
中年肥満のアフロヘアの男性に…白髪の初老の男性…

「おやおや、また会いましたねぇ〜〜舞衣さん」

「あっ、迫水先生!!あはは、また会いましたね♪それに…あの…沢田先生ですよね!?」

「おぉ!!鴇羽クン!久しぶりだな!!どうかね、元気にしていたかね!!」

「わぁあ!!やっぱり先生だ!!はいっ!本当にお久しぶりですねっ♪」

バッタリ出会った男性は、二人とも風華学園の教師…

一人は、昼に再会を果たした迫水…
そしてもう一人は…舞衣が風華学園高等部に転校してきた当初の担任、沢田靖弘…

沢田は、舞衣が転校して暫く1−Aを担当していたが、オーファンの被害に遭い休職…
代わりに担任を務めたのが、あの杉浦碧だった。
高等部2年生時は、再び舞衣のクラスの担任を務めた沢田…
巧海が再び病に犯され…舞衣が学園を自主退学する事を決めた時、出来るだけ給料のいい職を探してく
れたのも、沢田だった。
恩がある沢田に再会する事ができ…舞衣は嬉しそうに握手を交わした。

44 :
「いやぁ〜〜感激の再会の所申し訳ないんだけど(笑)舞衣さん、こんな所でどうしたんですか?」

「ちょっと…一人で考え事してたら…何だか辛くなっちゃって…一人でお酒飲みに来たんです」

「あぁ〜〜いけませんねぇ〜〜でも…分かりますよ、そういうの…」

「鴇羽クン、未成年がお酒を…って…そうか〜〜もう君は二十歳だったね(笑)」

「はい♪あの〜〜先生達は…こんな所でどうしたんですか?」

「実はねぇ、私達も飲みに来たんですよ(笑)そうだ舞衣さん、どうです?我々と一緒に飲みに
行きませんか?この先に行き着けの店があるんですよ」

「いいですね!行きましょう♪」

「教え子と酒を飲むなんて…う〜〜む…迫水君、少しマズイのでは…」

「まぁまぁ、いいじゃないですか(笑)この際固いことは言わず…」

そして舞衣は迫水たちと一緒に、彼らの行きつけのスナックに向かった。

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45 :
午後7時

繁華街に立ち並ぶ飲み屋の中では一番小さい建物…
個人経営の小さなスナックに3人は入る…

「おっ、いらっしゃい先生方!おぉ〜〜今日は女連れですか!?」

「ははっ、彼女は元生徒ですよ(笑)」

「先ほど教え子と偶然再会してね…」

「こんばんは〜〜♪いい雰囲気のお店ですね♪」

狭い店内には3人以外お客はいない様子…
3人は席に着くと、カウンター越しにマスターと話しながらお酒を飲み始めた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

46 :
1時間後…

「ヒック…でぇ〜〜あたしぃ…巧海にお金以外の事…何もしてあげられなかったんです〜〜ヒック…」

「ま、まぁまぁ…舞衣さん、それはしょうがないんじゃないですかねぇ〜〜離れ離れだし、直接会う
事もできなかった訳だし…舞衣さんは最善を尽くしたと思いますよ〜〜」

「…実は私も…少しだけ後悔しているんだよ…君にもっと給料の良い仕事を探してあげる事ができれば…
そう考えていたのだよ…そうすれば…君はもっと楽な人生を歩めたと思ってね…」

「先生方…みんな…ヒック…あたしの事心配してくれてたんですねっ♪ヒック…ふぇえ…嬉しい…」

未だお客は3人だけ…
カウンター席に座り、ウイスキーの水割りを飲む教師二人…
そして、焼酎のロックをチビチビ飲みながら、ほろ酔い加減の舞衣…

酔って饒舌になった舞衣は、巧海に対しての気持ちを存分に語った。

47 :
いつもの悪い癖…
酔いに任せて、思っていることを語り…自虐する…
そして宥められ…感激する…
酒に酔った舞衣の悪い癖が、今日も露になった。

「でもぉ〜〜ヒック…巧海が編入試験合格した時…会いに行けばよかった…ヒック…会って
「おめでとう!!」って…褒めてあげればよかった…あんな事があったとはいえ…久しぶりに
再会して…イキナリ巧海を怒鳴って…叩いて…クスン…あたし…最低…クスン…ううっ…」

一昨日…巧海との数年ぶりの再会を…自分の怒鳴り声と平手打ちで飾った舞衣は、教師二人に
後悔していると告げた…

「そんな事が…でも、巧海くんの事を本当に大切に想っているから…舞衣さんは巧海くんを叱った…
確かに、巧海くんはあの時、傷ついたかもしれませんよ。でも、1日…2日…日が経つと巧海くんも
、舞衣さんがどういう気持ちだったのか分かってくれますよ。彼は賢い子ですから、分かってくれる
筈ですよ…」

「しかし…まったく何処の誰があんな心無い事を…安心しなさい、鴇羽クン!あの事件の犯人は、
我々が絶対に捕まえてやる!!仲の良い姉と弟を傷つけるなんて…許されないことだよ!!」

「クスン…あっ、ありがとうございます〜〜〜♪こんなあたしに…クスン…」

48 :
後悔する舞衣を励ます教師二人…
そして…感激する舞衣…

「ヒック…本当にありがとうございます…あはは…あたし、優しくされるのって、馴れてないんです(笑)」

舞衣は涙を浮かべながらも、笑顔で教師二人にお礼を言った。

「お嬢ちゃん、良い先生達に出会えたんだな…アンタ等…良い先生だよ…まったく…」

この店のマスターは涙もろいのか…目に涙を浮かべながら笑顔で舞衣や沢田たちに話しかけた。

「おじさんも、ありがとうございます♪あはは、何だか凄く嬉しいから…お礼したくなってきちゃった♪」

舞衣は酔っ払い頬を紅潮させながら笑顔を見せる…
笑顔で一人うんうんと納得したような表情を浮かべると、着ていたTシャツに手をかける…
そして、3人の男性の目の前にもかかわらず…躊躇することなく一気にTシャツを脱ぎ捨てた。

「ちょ!ちょっと待ちなさい鴇羽クン!いっ、イキナリ何を!!?」

「おおっ!舞衣さん!何なんですか一体!?」

驚く男性3人…
そんな男性達の表情を面白そうに眺めながら、窮屈なブラを取り払う…
かつての担任や、お世話になった教師…そして初対面の中年男性の目の前に自ら豊満で見事な巨乳を露にした…

49 :
「ヒック…あはは!お礼で〜〜す♪あたしを励ましてくれたお礼に、おっぱい触り放題で〜〜す♪」

あっけらかんとした笑顔を浮かべながら、舞衣は自ら乳房を晒しアピールする…

「いやぁ〜〜舞衣さん、凄いですねぇ〜〜(笑)高等部時代から、大きいなぁ〜〜とは思ってたんですけど
ねぇ〜〜♪いやいや、本当に見事なオッパイですねぇ〜〜♪」

鼻の舌を伸ばし、ニヤニヤしながらジックリと舞衣の乳房を眺める迫水…

「なっ、なな…何だねイキナリ!!?鴇羽クン!や、止めたまえ!服を着なさい!!あぁ〜〜元教え子の
裸を見ることになるとは…ダメだダメだ!!私は教師なんだ!こんな事は…」

一方、沢田は、上半身裸になり見事な巨乳を晒す舞衣を目の前にオロオロと取り乱す…

「まぁまぁ〜〜いいじゃないですか、沢田先生(笑)」

迫水は沢田を宥めながら、隣に座る舞衣の乳房に手を伸ばした。

「おお〜〜っ!これは…大きくて柔らかくて…それでいて見事な弾力ですねぇ〜〜♪」

最初は右手で…次第に両手で舞衣の乳房を揉み始める…
舞衣が高等部に在籍していた頃から密かに眺めていた一部分を、思う存分触ることが出来てご満悦の迫水…

「あっは〜〜〜ん♪迫水先生のエッチ〜〜♪もう手つきがヤラしいですよ〜〜(笑)」

舞衣は抵抗する事もなく…迫水に好き放題乳房を触らせる…
頭の上で両腕を組み…笑いながら乳房を晒し…迫水に乳房を触らせる…

50 :
「とっ…鴇羽クン…破廉恥な…何て破廉恥な…ハァ、ハァ…ハァ…」

笑顔で豊満な乳房を晒し、迫水やマスターに好き放題触らせる舞衣の姿を見て、沢田は既に勃起していた。
ズボンの股間部を膨らませ…唖然とした表情で舞衣の姿を眺めていた…
そんな沢田の姿に、舞衣は気付く…

「あっ、あははっ♪沢田センセイ〜〜〜勃起してる〜〜〜(笑)大丈夫ですよ〜〜♪あたしが、おちんちん
楽にして差し上げますね〜〜♪」

そういうと、舞衣は椅子に座る沢田の前に膝立ちになる…
そして、沢田のズボンの上から股間を撫で回し刺激し始め…
次第に、慣れた手つきでズボンと下着を脱がし始めた。

「あっ!だ、ダメだ鴇羽クン!流石にそれは…淫らな気持ちになった事は謝る!だから…ああっ!!」

「あははっ♪先生のおちんちん、大きいですねぇ〜〜♪ヒック…あたし…こういう事しか取り得がないから…
こういうお礼しか出来ないんです…ヒック…あはは♪何泣いてるんだろ…あたし(笑)先生、こう見えても
あたし、フェラが得意なんです♪学園を中退した後、あたしがどれだけ頑張ったか見てくださいねっ♪」

目に涙を浮かべる舞衣は、晒された沢田のペニスを笑顔で咥え…口で愛撫を始めた…

51 :
「あむぅ〜〜〜むっ、んちゅっ♪ちゅぱちゅぱんちゅっ♪んっ、んっ、んちゅっ、んっ♪んちゅ、じゅる…
ちゅぱじゅる…ちゅっ、ちゅく、んっ♪んちゅっ、んっ♪んちゅちゅく、じゅるじゅぷちゅぱじゅる♪」

唇をすぼめ…頬を凹ませ…上目遣いで沢田が快感に喘ぐ姿を確認しながら…舞衣はペニスを愛撫する…

「じゅぽじゅるっ♪ちゅぱっ♪んちゅ♪んっ♪んちゅ♪ちゅぱ♪じゅる♪ちゅぱちゅぱじゅるっ♪んっ♪
んふぅ〜〜んっ♪んっ、んっちゅ♪ちゅぱ♪んふぅ〜〜〜れろれろちゅぱちゅるじゅるっ♪」

「あっ!!あぁ…ハァハァ…あっ!!止めたまえ鴇羽クン!!ああっ!!ダメだ!!私は教師失格だ!!」

超一流のフェラの技術を披露する舞衣に、沢田は喘ぎながら自分を責める…
長年連れ添った妻ですらしてくれなかった口での愛撫…
沢田はあまりの快感に意識を朦朧とさせながら舞衣に話しかける…

「だっダメだ!!鴇羽クン!!もっと…自分を大切にしなさい!!こんな事は…あああっ!!?」

こんな事は…の後に何を言おうとしたのか…
その後の台詞を話さないまま…沢田は舞衣の口の中で絶頂に達した。

52 :
「んっ♪ゴクッ…ゴクッ…んっ…んっ…んはぁ〜〜〜♪どうです〜〜?気持ちよかったですか〜〜?
ヒック…沢田センセイお年の割に精液の量が多いじゃないですか〜〜♪若〜〜い♪」

沢田の精液を一滴残らず飲み干すと、笑顔で沢田に話しかける…
すると舞衣の目の前に、既に下半身を曝け出した迫水が現れ…

「沢田先生は、もうグッタリしていらっしゃる(笑)では舞衣さん、私のもお願いできますかねぇ〜〜?
私にも見せて下さいよ〜〜♪学園を中退してからの頑張り…中退した後、必に生きる為に、大切な人を
守る為に磨いてきた技を…巧海くんを救う為にどんな事をしてきたのか…あぁ〜〜そうだ、今日はまだ
入浴してないから〜〜かなり蒸れて汗臭いけど…大丈夫ですよねぇ、舞衣さん(笑)」

見事な太鼓腹と、黒々としたペニスを晒す迫水は、舞衣の口元にペニスを押し付ける…

「クスン…えへへ…見てくださいね♪あたしが…どれだけ頑張ったか…巧海の為に…どれだけ頑張ったか…」

巧海の名前…そして「苦労」 「頑張る」などの言葉を出され、酔っ払った舞衣は感極まって涙を浮かべる…
そして、迫水の期待に応えるように…ペニスを咥えた…

53 :
「はむぅ…んっ♪ちゅぱっ♪んちゅっ♪んっ、んっんちゅっ♪んちゅれろちゅっ♪れろっ♪んっ♪」

まるでヒョットコのような顔を晒しながら、舞衣はフェラチオを続ける…
瑞々しい唇で圧迫しながら、舌をペニス全体に絡め…唾液で潤う口内からは卑猥な水音を立て…
額に汗を浮かべながら必に頭を上下させ、濃厚な口での愛撫を続ける…

「んちゅっ♪んちゅっ♪ちゅく♪んっ♪んちゅっ♪じゅるっ、ちゅるじゅるっ♪んっ、んっ♪」

「あっ、ああっ!!凄い!!凄いですよ舞衣さん!!さすが…元風俗嬢…はぁ、はぁ…これは堪らん!!
はぁ、はぁ…あんな快活な高校生だった貴女が…こんな風に…誰のものでも咥える職業についていたとは…
はぁはぁ…ううっ!!もうダメだ!!ああっ!!こ、このっ!!ス、スケベ奨学生ぃぃいぃ〜〜〜っ!!」

高等部時代の舞衣の面影と…今現在、痴態を晒す舞衣の顔を照らし合わせ…興奮する迫水…
言葉に言い表せない快感に悶えながら…迫水は高等部時代の舞衣を思い浮かべ、思いっきり射精した。

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54 :
午後10時
飲み屋街  個人経営スナック前

「とっ…鴇羽クン!!すまなかった!!私とした事が!!」

「イヤァ〜〜鴇羽さん、私、ちょっと調子に乗っちゃいましたねぇ〜〜(笑)申し訳ありません…」

「お嬢ちゃん…俺にもしてくれるなんて…舞衣さん…だったかな…アンタ良い娘だよ…」

若干酔いが覚めた3人の男達は、揃って舞衣に頭を下げていた…

「あはは♪いいんですよ〜〜(笑)これって、あたしの癖なんです(笑)」

3人の男達は、舞衣に2度3度口で絶頂に導かれる度に、酔いが覚めて行った…
舞衣も、3人の男達のペニスを咥えて愛撫しているうちに、自然と酔いが覚めていった…
若干正気を取り戻した4人は、何故かお互い遠慮していた…

「…あっ!もう遅いから…あたし、帰りますねっ♪今日はご馳走様でした〜〜♪」

「…あぁ、気をつけて帰りなさい!あと…何かあったら、すぐに私に相談しなさい!いいね!!」

「は〜〜い♪ありがとうございま〜〜す♪」

3人の男達に手を振りながら笑顔で繁華街を去って行った。

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55 :
午後11時
ビジネスホテルの一室

宿泊先のホテルに着いた舞衣は、すぐにシャワーを浴び…
ショーツ一枚姿のままベッドに寝転がった。

「あぁ〜〜〜またやっちゃった…あたしの悪い癖…はぁ…優しい言葉に弱いのよね〜〜あたし…」

時間が経ち…更に正気を取り戻した舞衣は、自分が取った行動に後悔していた。
酔った挙句、優しい言葉をかけてくれた男性のペニスを咥える…
舞衣の悪い癖…決して初めての過ちではなかった…

「巧海の元担任に…あたしの元担任の先生に…見ず知らずの男の人に…はぁ…気まずいなぁ〜〜
次に出会った時、あたしどういう顔すればいいのよ〜〜(笑)」

苦笑いする舞衣…

「怒ったり…笑ったり…泣いたり…情緒不安定よね…やっぱりあたし…疲れてるのかな…はぁ…」

何かあれば深く考え込み…嫌気が差し、お酒に逃げる…
自分の心が若干荒んでいる事に改めて気付く…

「あっ、そうだ…明日は碧ちゃんと待ち合わせだから…早く寝ないと…」

寝転がっているだけで…徐々に眠気に包まれる…

「ふぁあ〜〜あっ…そういえば…祐一に連絡しとかないと…まぁ…明日でいいわよね…」

欠伸しながら一旦は携帯を手にする…しかし、眠気には勝てず…枕元に携帯を置いた。

「…碧ちゃん…明日、何処に連れて行ってくれるのかな…」

舞衣は、明日の外出を楽しみにしながら、ショーツ一枚姿というだらしない格好でいつの間にか寝息を上げていた。

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56 :
仮に詩帆とか悪人が滅んでも、舞衣のこの愚かさは治りようが無い
どうせアル中か性病になってぬし、巧海を悲しませないためにも
晶君がひとおもいにしてあげたほうが・・

57 :
7月30日   午前11時

ビジネスホテル前

「あぁ〜〜〜アタマ痛い…流石に2日続けてお酒飲みすぎたらキツイわ…」

日差しが強くなり始めたお昼前…
舞衣は、ここ2日間で起こした自分の自棄ぶりに自己嫌悪しながら、二日酔いによる頭痛に唸る…

自分に悪意を持つ同級生の罠に嵌められ…輪姦され…
あられもない姿を写真に撮られ…
酒に酔い…羽目を外して…顔見知りの男性のモノを咥え…

「…あたし…何やってるんだろ…あ〜〜〜ダメダメ!!しっかりしないと!!」

自分が注意深く行動していれば、未然に防ぐことが出来た災難…
舞衣は、自分の無防備さに自ら呆れていた…

「それにしても碧ちゃん、今日は何処に連れて行ってくれるのかな…」

そう…今日は碧と外出する約束の日。
舞衣はホテルの玄関口で、夏の日差しを避けるようにして碧の到着を待った。

数分後…
一台の軽自動車がホテルの前に停車する…

58 :
「お待たせ〜〜〜舞衣ちゃん!!ちょっと遅くなっちゃった〜〜ゴメンね〜〜♪」

颯爽と現れた碧は、満面の笑顔で舞衣に挨拶する…
いつもと変わらないラフな格好の碧は、舞衣を車に招き入れる…

「ゴメンね〜〜ちょっと学園で一仕事済ませてきたら遅くなっちゃった(笑)もしかして、待った?」

「ううん、大丈夫。あたしも今降りてきたばかりだから♪」

舞衣は車の助手席に座る…
エアコンが効いている車内の空気は冷たく…舞衣の体の汗は一気に引いた。

「んふふ〜〜♪二人でお出かけなんて初めてだよね?何だか楽しみだなぁ〜〜♪」

「ねえ碧ちゃん、今日は一体何処に連れて行ってくれるの?」

「それは着いてからのお楽しみ〜〜〜♪じゃ、行こうか♪目的地に向かって、しゅっぱ〜〜〜つ!!」

ニッコリ笑顔を浮かべた碧は、前方を指差すと元気よく声を上げ、アクセルを踏む…

「とりあえず港まで飛ばすねっ♪」

「安全運転でお願いね〜〜!」

碧が運転する車は、舞衣がまだ知らない目的地に向かって走り始めた。

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59 :
ちょうど同じ頃…

午前11時30分   

風華町 市街地   喫茶店

ここは、とある喫茶店…
狭い店内には4つのテーブルが並べられ…
一番奥のテーブルに座っているのは、2人の女性…

「本当にありがとうございました!本当に…何とお礼を言っていいのか…」

一人は…少々肥満気味の、派手に着飾った中年女性…

「…では、今回の件は「解決」と言う事で…成功報酬を頂きたいのだが…」

そして…もう一人は、黒いスーツに身を包んだ若い女…

「はい♪成功報酬…3万円でしたよね?どうぞ♪」

中年女性は、スーツ姿の女に封筒を手渡す…

「それにしても…クスン…本当に…本当に…行方不明になったアンナちゃんと再会できるなんて…
もう二度と会えないと思っていたから…嬉しくて…本当にありがとうございました!!」

感極まり涙を浮かべる中年女性…

その中年女性の喜ぶ姿を見届けると、若い女は席を立つ…
そして、長い髪の毛を手でをかき上げると、中年女性に優しい笑顔を向ける…

「…それでは、私は次の仕事に向かうので…」

そう一言告げると、スーツ姿の女は喫茶店を後にした。

60 :
モデルのようにスレンダーな体型ながらも、要所に女性らしい膨らみを維持した見事なスタイル…
そして印象的な…深い青色がかった…ストレートの美しいロングヘア…
口数も少なく…正にクールビューティーという言葉がピッタリの女…

この女の職業は…私立探偵…
そして…事件を一つ解決して、成功報酬を受け取った彼女が向かった先は…
風華町でたった一軒あるパチンコ店…

「…ふふっ…ふふふっ…見てろよ…今日の私は多分ツイてるぞ…」

不敵な笑みを浮かべ…女は騒音激しいパチンコ店内に消えた…

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61 :
午後1時

愛媛県 某 田舎町

風華町の港から定期船で15分…
舞衣と碧は、風華町の隣に位置する町を訪れた。
到着後、港のレストランで食事を済ませた二人は、歩いて町を散策する…

「へぇ〜〜〜風華町の近くに、こんな所があったんだ〜〜♪」

「静かで、空気も綺麗でいい所でしょ〜〜?」

町…というよりも、村と言った方がいいような…自然に囲まれた地域…
埋め立てられ、近代的に整備された人工的な造りの島である風華町とは対照的な場所…

「あら、お嬢ちゃんたち、いらっしゃい♪」

町の通りを歩いていると、年配の女性が舞衣と碧に挨拶する…

「おばあちゃん、こんにちは〜〜♪」

「こんにちは、静かでいい所ですね♪」

舞衣と碧も、年配の女性に挨拶を返した。

一番栄えているであろう港町のメインストリートは、人が少なく…
しかも、出会った人たちは全員お年寄り…
ここが過疎化に悩む町だと言う事を、舞衣は何となく肌で感じた。

62 :
徒歩で20分…

二人は山間に辿り着く…
緑に囲まれた山間は、風華町よりも若干涼しく感じた。

より一層、緑が生い茂り…
清流と言えるような…綺麗な川が流れ…
人里離れたような…そんな景色が広がる…

「ねえ、碧ちゃ〜〜ん、まだ歩くの〜〜?」

「そろそろ着くよ〜〜ほら、見えてきた!!」

綺麗な川に架かる橋を渡りきった先に見えたのは…何かの施設のような建物…
その鉄筋コンクリート造りの小さめの建物の入り口には、大きな看板が掲げられていた。

舞衣はその建物の前に辿り着く…

「…介護老人ホーム…うたやま荘?」

舞衣は看板を読み上げた…

「あはは、舞衣ちゃ〜〜ん♪今日の目的はそこじゃないよ〜〜♪」

碧は笑いながら舞衣を呼ぶと、その建物の隣を指差した。

63 :
「はいっ?ここじゃなくて…あそこ?」

碧が指差した先には、近代的な老人ホームとは対照的な…古く小さな木造の小屋…
その小屋の向こう側は、木製の塀で周囲を囲み…
そして、塀の向こう側からは、若干の湯気が立ち昇っていた。

「あ〜〜っ!分かった!!ここってもしかして…温泉!?」

「ピンポ〜〜ン♪正解!!ここは秘境の露天風呂!!温泉好きには堪らないベストスポットなのよね〜〜♪
何年か前に教授に教えてもらったんだけどさ、私、休みの日とか、疲れたらここに来るようにしてるの。
ほら、舞衣ちゃん…何か疲れてるみたいだし…一緒に温泉に入って疲れを癒そうかな〜〜と思ってね♪」

碧はバッグからタオルを二枚取り出すと、一枚を舞衣に手渡した。

「へぇ〜〜温泉って、あたし初めてなのよね〜〜♪ちょっと楽しみだなぁ〜〜♪」

「ふふ〜〜ん♪それはよかった♪じゃ、早速温泉、入りましょうか♪」

夏の太陽が照りつける…
しかし、緑に囲まれたこの場所は、暑さを若干緩和してくれていた。
二人は汗を流し、疲れを癒すべく、自然に囲まれた露天風呂に向かった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

64 :
古く小さな木造の小屋…
しかし外観とは裏腹に、室内は清潔的な脱衣場になっていた。
そんな古い温泉の脱衣場の中に、似合わない若い二人の女の姿が…

「舞衣ちゃんビックリするよ〜〜♪本当に景色が凄いんだから!」

笑顔で話す碧は、既に一糸纏わない全裸姿…
あっという間に脱いだ衣服を木造の棚に入れると、肩にタオルをかけ、惜しげもなく裸体を晒した。

「あはは…碧ちゃん丸見え…」

羞恥心も無く裸体を晒す碧に、舞衣は呆れて苦笑いした。

「ここは温泉だから良いんだよ〜〜(笑)ほらほら、舞衣ちゃんも早く脱いで脱いで!!」

舞衣に早く脱衣するよう即す碧…
舞衣はやれやれといった表情で、服を脱ぎ始めた。

「わぁ!!舞衣ちゃん、やっぱり胸大きいよね〜〜(笑)」

衣服を脱ぎ終えた舞衣…
一糸纏わない全裸になった舞衣は、僅かに羞恥心があるのか…股間辺りをタオルで隠す…
その舞衣の身体をジックリ眺める碧は、その見事な大きさの乳房に感嘆の声を上げた。

「あはは…やっぱり胸なんだ(笑)」

再び苦笑いしながら、舞衣は自分の胸を持ち上げてみせる…
小学生時代から、修学旅行や林間学校などのお風呂の時間…体育やプールの着替えの時間など…
肌を晒す機会がある時は必ずといっていいほど注目される、舞衣の胸…
既に注目される事にも慣れている舞衣だったが、流石に今でも苦笑いしてしまう…

「だって凄いじゃない!大きいし、形もいいし!トップだって綺麗だし〜〜うらやましいなぁ〜〜♪」

「碧ちゃんだって凄くスタイルいいじゃない♪あたしなんかより腰周り細いし、脚も長いよね〜〜!」

65 :
舞衣も負けず碧のスタイルを褒めた。
既に27歳になったにもかかわらず、数年前と変わらないスタイルを維持する碧…
舞衣とは対照的な、どちらかと言うとスレンダーな体型に、舞衣にも負けない見事な巨乳…
お腹や腰周りなど…全身の何処にも無駄な贅肉はなく、若干不摂生な生活を送りながらも、
美容には気を使っていることが伺えた。

「んふふ〜〜ん♪その大きい胸を自由にできる楯くんは幸せ者だねぇ〜〜♪」

「はい〜〜っ!!?ここでそれを言うかな〜〜(笑)」

碧の言葉に、舞衣は思わず赤面した。

「碧ちゃんだって、美人だし〜〜スタイルいいし〜〜どうせ彼氏とかいるんでしょ?」

「ん〜〜〜キツイ質問!!黙秘権つかっちゃおうかな〜〜(笑)」

舞衣も興味本位に、碧のプライベートを探る…

「実はさ〜〜〜1年前に教授と別れて以来…フリーなんだよね〜〜(笑)」

「あっ、そういえば大学の教授さんと付き合ってたんだよね?別れちゃったんだ…」

「ま、別れたっていうか…一方的に私が慕ってたんだけどね(笑)で、1年前にコンビ解消と共に、
自然別れって感じで…今明かしちゃうけど、彼には奥さんがいて、家族がいて…元々無理な恋愛
だったんだけどね〜〜(笑)」

「ちょ、ちょっと!それって不倫じゃない!?」

「あはは!そんなつもりは無かったんだけどね〜〜(笑)やっぱりそうなっちゃうよね〜〜(笑)
私は、ある程度引いて付き合っていたつもりなんだけどね…やっぱり罪悪感もあったかな…あっ!
言っとくけど〜〜健全なお付き合いだったんだからねっ!!師匠と弟子って感じ!?」

「ふ〜〜ん、健全なお付き合い…その教授さんって、紳士だったのね〜〜」

「そうなの!!だから良かったの!!でもさ〜〜ここにフリーのイイ女がいるってのに、どうして
男が寄って来ないのかな〜〜(笑)何してんのよ男共はっ!て感じだよね〜〜(笑)」

66 :
年齢の離れた女性が二人…
「元担任」 と 「元教え子」
在学中は教師と生徒の壁に阻まれ、ある程度の距離があった二人…
しかし今は、その二人が何も阻まれずお互いのプライベートを笑顔で話している…
二人は不思議な感覚に包まれながら、笑顔で会話を交わした。

・・・・・・・・・・・・・・・

しばらく会話していると、脱衣場の向こうのドアが開き、露天風呂から人が現れる…

「ふぅ〜〜いいお湯だった…あら、お嬢さん方、いらっしゃい」

「あっ、こんにちは〜〜お邪魔してま〜〜す♪」

目の前に現れたのは初老の女性…
笑顔で挨拶すると、タオルで体を拭きながら話し始める…

「本当に珍しいわ〜〜あなた達みたいな若い女の子達が、こんな温泉に来てるなんて」

「そうなんですか?やっぱり若い人は少ないんですか?」

「そうね〜〜少ないわ…ふふっ♪これは後から来るジジイ達が喜ぶわねぇ〜〜♪」

「じじい達〜〜って、あれ?ここって確か、少し前まで女湯と男湯で別れてた筈だけど〜〜?」

「そうそう、露天風呂内を仕切る大きな壁、あったでしょ〜〜?あれ、無くなっちゃったの。
露天風呂を維持する為に、あれは良くなかったらしくてねぇ、取っ払って混浴になったのよ」

この露天風呂が混浴になった事を伝えた初老の女性は立ち去る…

67 :
「…あはは…舞衣ちゃ〜〜ん、ここ混浴になっちゃったんだって(笑)」

予想もしていな出来事に、思わず苦笑いする碧…

「どうする〜〜舞衣ちゃん、流石に抵抗あるよね〜〜?私は、昔から発掘調査先の温泉とか浴場で
混浴は慣れてるからいいけど…温泉初心者で混浴はちょっとキツイよね〜〜?」

「うん、大丈夫♪あたしは平気♪」

「え〜〜っ!?本当に?舞衣ちゃん無理してない?何か無理強いしてて悪い気がしちゃうよ〜〜(笑)」

「そんな事ないよ、あたし…人前で裸になるの、元のお仕事で慣れてるし(笑)それに折角碧ちゃんが
勧めてくれた場所だし、あたしこの温泉に入ってみたいの♪この際だし一緒に入ろうよ♪」

舞衣を気遣う碧とは逆に、舞衣は温泉に入りたい様子…

「あはは…そう来たか(笑)痛々しい理由だけど…まぁ、舞衣ちゃんがそういうなら…いいかな♪」

碧は肩にかけていたタオルを頭に巻くと、体を一切隠すことなく露天風呂の入り口に向かった。

「じゃ、折角だし!いいお湯といい景色を存分に楽しみましょうか!!」

二人は山の景色といいお湯を楽しむ為に、露天風呂に向かった…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

68 :
もう幸せにしたってや

69 :
ごめんなさい
まだ書きたい事がたくさんあるので、
もう少しだけ書かせて下さい。
というか、読んでくださってる方いるんですね(笑)
ありがとうございます

70 :
キャラのいいところも描いてやってほしいなー、なんて。
現状、肯定的に描かれてるのって晶君ぐらいだし。

71 :
迫水先生…今回の事件…犯人は…

72 :
午後2時

混浴露天風呂

「うわぁ〜〜〜結構広いわね!」

「でしょ〜〜?ほら見て!景色も凄いんだから!!」

「本当にいい景色…でも、何か壁が低すぎない?周りから丸見えな気がするんだけど〜〜(笑)」

「まぁまぁ、そこは気にしない気にしない(笑)」

脱衣場のドアを開け、露天風呂内に入る二人…
目の前には、田舎によくある「共同露天風呂」の光景が広がっていた。
しかし、中は意外と広く、視線を少し上げれば周囲の山々が見渡せる絶景の景色を味わう事ができた。

舞衣が一歩進もうとすると、碧は舞衣の歩みを止める。

「チッチッチッ!舞衣ちゃ〜〜ん!温泉のマナーを知らないね〜〜?」

すると、碧は舞衣をビシッと指差すと、声高らかに諭しはじめた。

「温泉のマナー!!お湯の中にタオルは入れちゃダメ!!よってタオルで隠すのは厳禁!!」

碧は、タオルで股間あたりを隠す舞衣を指差した。

「はい〜〜〜っ!?隠しちゃダメって…それって丸見えじゃない!?」

「舞衣ちゃんは、いつもお風呂で隠したりするの〜〜?しないでしょ?これは温泉のマナーなの!!
はいはい!マナー通りにタオルはそこのカゴに入れようね〜〜♪」

「あ〜〜んもう分かったわよ〜〜!!」

舞衣は渋々タオルを露天風呂入り口にあるカゴに入れる…
一糸纏わない全裸の舞衣と碧…
両手で股間辺りを隠す舞衣…
堂々と惜しげもなく裸体を晒す碧…
二人は見事な巨乳をユサユサと揺らしながら、岩盤を平らに整えた床面を歩き、奥まで進んだ。

73 :
「ぉぉ…っおぉぉ…へぇぇ…ぇぇ…ぁれ…誰カノ?」

「あっ、こんちゃ〜〜♪お邪魔しま〜〜〜す♪」  

「ひゃっ!!?あ、あはは…こんにちは〜〜♪」

暫く奥まで進むと、二人はお湯に浸かる先客…小柄な老人と出会った。
笑顔で挨拶する碧…
そして、若干照れながら挨拶する舞衣…
二人の態度は対照的だった。

「ぃらっシャゃぃ…ぇふぅ…ぇぇ…ぁぁ…ヮぁしぃ…っょっト…」

見事な裸体を晒して歩く二人の女を目の当たりにする老人…
ほんの少しでも性欲がある男なら、視線を釘付けにしてしまうような状況…
しかし老人は二人の姿を見ると、恥ずかしかったのか…離れた場所に移動してしまった。
そんな事もあまり気にせず…二人は身体に付いた汗を流すべく、かけ湯を始めた。

そして、ゆっくりとお湯に浸かる…

「んはぁ〜〜〜!気持ち良いっ!!今日も良いお湯だねぇ〜〜〜♪」

「あぁ〜〜〜本当に気持ち良い…はぁ…温めでいいお湯…思ったより熱くないのね」

「そうなの、だから夏でも結構気持ちいいでしょ〜〜?」

お湯の心地よさに、二人は思わず声をあげた。
うんっと腕を伸ばし、心地よさそうに唸る碧…
目を閉じ、暫く無言でお湯の心地よさを味わう舞衣…

その透明のお湯は温度も低く、ぬるま湯と言った感じで、夏の疲れを癒すには最適のお湯だった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

74 :
風に揺れる山の木々や小鳥の鳴き声が響く中…
暫くの沈黙が続く…

心地よさそうな吐息を漏らす碧…
碧の様子を伺いながら、舞衣は口を開いた。

「…あの〜〜今更だけど…今回の件は本当にごめんね…」

舞衣の言葉を聞き、碧は思わず噴出した。

「あはははっ!どうしたの〜〜?舞衣ちゃん、今更〜〜(笑)」

舞衣の真面目な表情が面白いのか…碧は笑いながら舞衣に尋ねる…

「うん…あのね、今回…巧海が学校で迷惑かけたじゃない?あれって、根本は…あたしのせいよね?
あたしが…あんなお仕事してたから…あたしが…もっと普通のお仕事で稼いでたら…あんな事には
ならなかったと思うの…巧海まで傷つけちゃって…はぁ〜〜〜何かあたし、最悪よね…」

ため息混じりに、自分を責める舞衣…
そんな舞衣を見て、碧もため息混じりに話し始めた。

「考え過ぎだって〜〜!舞衣ちゃん!!」

碧は頭の上で腕を組み、脚を伸ばしながら語り始めた。

75 :
「舞衣ちゃんはさ〜〜ただ一生懸命頑張ったんだよ…大切な巧海くんの為にね…確かに、お仕事の
内容はアレだけど…でも舞衣ちゃんの努力の甲斐あって、巧海くんは助かったじゃない?だから…
これでよかったんだと思うよ…」

碧は何とか舞衣を励まそうとする…
そして碧の口から出た言葉は、昨日の夜…迫水が口にした内容と同じだった。

「…巧海が逃げ出した時…碧ちゃん、本当に巧海の事心配してくれて…ありがとう」

「あはは♪いいって!!こういう事は、教師やってたらしょっちゅうだからね♪それに、こういう
お節介な事が好きだから教師なんてやってるんけどね(笑)」

「ありがとう…そう言ってもらえると…ちょっと安心したかな」

舞衣はほんの少し心が楽になったのか…若干笑顔を取り戻した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

76 :
「巧海…学校でクラスのみんなと上手くやってる?」

「そうね〜〜巧海くんは転校初日からクラスに溶け込んでる感じだったよ〜〜」

「そうなんだ…よかった」

「そりゃ〜〜異例の「飛び級編入試験」を合格した優等生だもん♪みんなからは羨望の眼差しを受けてるよ〜」

「あはは(笑)本当に?巧海が?何か信じられないわね〜〜(笑)」

「男子からも女子からも人気ある…良い子だよね〜〜巧海くんって…」

「ねえ、碧ちゃんから見て、巧海ってどんな生徒なの?」

「そうねぇ〜〜」

碧は少し考え…間をおいて話し始めた…

「基本良い子だと思うよ〜〜本当に。素行面は問題ないし…素直で性格もいいし…成績も優秀だし?
そうそう、この前の中間テスト、巧海くん学年トップだったんだよ〜〜♪いやぁ〜〜クラスの担任
として鼻が高いわ♪」

「本当に〜〜?何か褒めすぎじゃない?」

自分の弟が…しかも、唯一の肉親である巧海が褒められれば、舞衣も悪い気はしない。
しかし次の瞬間、碧の表情は一瞬暗くなる…

77 :
「でもね…巧海くん…ちょっと精神的に脆い部分があると思うんだ…」

「精神的に…脆い部分?」

「うん…療養中も医大への夢を諦めずに、独学で勉強を頑張って…風華学園に転入して…病気が治ったとは
いえ、多少のハンデはあるけど…それを理由に甘えない、彼は芯の強い子だと思う…芯の強い子だけど…
ほんの少しだけ、心に弱い部分があると思うんだ…舞衣ちゃんにも似たところがあると思うんだけど…
分かるでしょ?」

図星だったのか…碧の言葉を聞き、舞衣は内心驚いた。
そして同時に、碧の視線が自分の二の腕あたり…多くの注射針の傷痕に注がれていることにも気付いた。

精神的な弱さ…

何か極端に辛い事があると、何かに逃げてしまう…
今までも、アルコールやドラッグに逃げてしまった自分を思い出し、舞衣は驚きながらも納得していた。

「あはは…やっぱり姉弟だよね〜〜(笑)そういう所似ちゃうんだ…」

舞衣は思わず腕の注射針の傷痕を手で隠した。

「…あっ!ゴメンね!そういうつもりじゃなかったんだけど…思わず見ちゃった…」

碧は視線を舞衣の腕から顔に移すと、苦笑いして謝った。

「…舞衣ちゃん、やっぱり…退学してから辛い事ばかりだったの?」

「まぁね〜〜(笑)辛い事には慣れてるつもりだったけど、いろいろあって辛かったわね(笑)」

「…クスリ…使っちゃう程?」

「こ、これは…ほんの数ヶ月前使っちゃったの…それまでは、真面目に一生懸命働いて頑張ってたんだから」

「うん…もう使ってないんだよね?陽子から話は聞いてる」

首を振り、もう薬物は使ってないことをアピールする舞衣…
そして、笑顔でそれを聞き入れる碧…

78 :
「話は戻るけど、やっぱり巧海くん…心に弱い部分が少しだけある子なの…だから…彼には心の支えに
なってくれる人がいればいいな〜〜って私は思ってたの。特に、いろいろあった今は…」

碧は立ち上がると、お湯の中を少し歩き…岩場に腰掛ける…

「実はさ、今日舞衣ちゃんをここに誘ったのは、他に目的があったの」

「はいっ?目的?」

「舞衣ちゃんさ〜〜夏休み中だけでいいから風華町に滞在して、時々巧海くんに会ってあげて欲しいの」

「はいぃ〜〜〜っ!?風華町に住んでって…あたしが!?」

「うん、今の巧海くんには舞衣ちゃんが必要だと思うの。教師とか、友達とか…他人じゃ出来ない心のケア
が必要だと思うし、巧海くんも凄く心強いと思うんだよね〜〜」

「う〜〜ん…確かに、出来ればいいんだけど〜〜いろいろ問題あるじゃない?住む所とか〜〜」

舞衣も、暫く巧海の側に居てあげたいと思っていた。
特に、巧海が自分のせいで心を傷つけてしまった今は…
しかし今宿泊しているビジネスホテルも、使用期間はもう数日と聞いている今、いろいろと問題があった。

79 :
「そこなんだけどさ、この温泉の隣に、老人ホームがあったの見た?」

「あ、うん、あったよね」

「あの老人ホーム、今、臨時のアルバイトを募集してるんだよね〜〜」

「バイト募集?」

「うん、住み込みで働けるバイトの子を募集してるんだって。だからさ、ここで住み込みで働いて、時々
巧海くんに会ってあげるといいんじゃないかな〜〜と思ってね。ほら、舞衣ちゃん料理とか得意だし、
面倒見がいいし、人のお世話とか得意そうじゃない?だからピッタリだな〜〜と思って♪」

「住み込みで…う〜〜ん、どうしようかなぁ〜〜確かに、今あたし何もしてないから…ありがたいんだけど」

「じゃあさ、ここで働いちゃいなよ舞衣ちゃん!ここから学園の寮まで、大体1時間で着くじゃない?3日
に1回でもいいの…巧海くんに会ってあげる事できるといいんだけど〜〜お願いっ!」

碧は手を合わせて舞衣にお願いしてみる…

「うん…ちょっと考えさせてね…」

舞衣は返答を保留した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

80 :
また悪い予感が

81 :
「ま、確かに…いきなり決めるなんて出来ないよね〜〜(笑)」

答えを保留した舞衣に笑顔を向ける碧…

「でもさ、ここ結構過ごしやすいと思うんだけどな〜〜うんっ…あぁ〜〜〜気持ち良い♪」

碧はお湯に浸ける身体を心地よさそうにうんっと伸ばす…

「ほら、舞衣ちゃんってさ…高等部時代も毎日バイト三昧だったし、巧海くんの看病とかで忙しかった
じゃない?3年生の春で中退した後も、やっぱり毎日忙しかったんでしょ?お仕事も…大変みたいだった
し…のんびりした時間とか、そんなに無かったと思うんだよね〜〜」

碧は舞衣の背後に回る…
そして、舞衣の露になった肩を両手で優しく揉み解す…

「まぁね〜〜確かに忙しくて…お友達と遊んだり、部活動とか…ちょっと憧れてたけどね〜〜(笑)
それに…学校辞めた後も大変だったし…って…ひゃっ!?えっ?碧ちゃん…何?」

突然の碧の行為に驚く舞衣…
しかし、その肩揉みの心地よさに舞衣は脱力する…

82 :
「いろいろ大変だったと思うんだよね…だから…この辺でさ、ちょっと一休みとかどうかな〜〜ってね♪」

「はいっ?一休み?」

風華学園在学中から、舞衣の苦労を知っていた碧…
他の生徒達には無い苦労を一身に背負い、直向に日々を過ごす舞衣の姿を知っているからこそ出た言葉だった。

「昔からさ…舞衣ちゃんは頑張り過ぎなんだよね〜〜(笑)まだまだ人生は長いんだから、ここら辺で
一休みなんかどうかな〜〜って♪人生の…ほんの一時…ほんの一ヶ月だけでもさ…こういう静かな所で…
ゆっくり働いて…毎日いいお湯に浸かって…のんびり過ごして休養するのもいいんじゃない?」

「のんびり過ごす…か…どうしようかなぁ〜〜」

一休み…
正直舞衣は悪くないと思った。
自分の半生を振り返ると…何となくそう思えてきた。

その時…

83 :
チャプチャプとお湯が波立つ…
音の聞こえるほうを向けば、先ほど遭遇した小柄な老人がお湯から上がる姿が見えた。
老人はお湯から上がると、木の小さな椅子に腰を下ろす…
そして、ボディソープをスポンジに垂らして身体を洗い始めた。

「ぁぁ…ェンャコラ…エンヤコラ…エヘェ〜〜」

独特な旋律をうわ言のように呟きながら歌う老人は、スポンジを身体に当てゴシゴシと体を洗う…
腕や胸板、お腹や脚を洗う老人…
そして、肩や背中を洗おうとした時…

「セナカ…手ガトドカナい…アァ…アッ…」

老人は、泡立つスポンジを床に落としてしまった…

「トドカナイ…エイ…トドカナイ…アァァ…」

小さい椅子に座る老人は、座ったまま床に手を伸ばす…
しかし、老人はスポンジを拾うことが出来ない…
オロオロする老人…

84 :
「あはは…しょうがないわね〜〜(笑)」

それを見かねた舞衣は立ち上がる…
そしてお湯から上がると、木の椅子に座る老人に歩み寄った。

「はい、おじいちゃん♪」

舞衣は床に落ちたスポンジを拾ってあげると、笑顔で老人に手渡した。

「アァ…リガトオ…アリガトォ…ジョウチャン…リガトォ」

小柄な老人は照れながら舞衣にお礼を言う…

「どういたしまして♪っていうかおじいちゃん、お背中流してあげましょうか?」

舞衣は笑顔でそういうと、老人の手から泡まみれのスポンジを受け取る…
そして中腰になると、椅子に座る老人の背中をスポンジで擦り始めた。

「んしょ、んしょ…っと、どうです〜〜?気持ちいいですか〜〜?」

老人の小さい背中を洗い終えると、次は腕を丹念に洗い始める…

「は〜〜い、次は腕を洗いましょうね〜〜♪ふんふんふ〜〜ん♪は〜〜い、次は右腕〜〜っと…よいしょっと
んっ…んっ、んっ…は〜〜い♪次は腋の下洗いましょうか〜〜♪ちょっとバンザイしてくださいね〜〜♪」

「アッ、エ、エエヨ…モウエエヨ…アッ、アェエ…エエヨ…エッ?バンザイ?」

最初は照れていた老人も、次第に舞衣に身体を任せ始めた。
老人は心地よさにうっとりとした表情を浮かべる…

85 :
「ふんふ〜〜ん♪夏はここにいっぱい汗かいちゃうでしょ〜〜?綺麗にしましょうね〜〜♪」

慣れた手つきで老人の身体を洗う舞衣の姿を見て、碧はうんうんと納得したような表情を浮かべる。

「うん、やっぱりさ〜〜舞衣ちゃん、性格的にそういうの合ってると思うんだけどね〜〜」

老人の身体を丹念に洗ってあげていると、背後から人の気配が…
老人…男性の声がワイワイと聞こえてきた。

「おぉ〜〜〜こりゃ〜〜ベッピンさんが2人も居るわ!!」

「こんな田舎の温泉に珍しいのぉ〜〜」

「あはは、零三じいさんはベッピンさんに背中さ流してもらっとるか(笑)」

現れたのは、3人の老人…
小柄な3人の老人は、舞衣と小柄な老人の周りを取り囲むと笑顔で二人に話しかけた。

「あっ、あはは…こんにちは〜〜お邪魔してます♪」

「アァ…ゲンサンヤ…オソイゾイ…」

堂々と全裸姿を晒しながらジロジロと大きな乳房を眺めてくる老人に、舞衣は引きつった笑顔を向ける。
老人達は、零三と呼ばれる老人と言葉を交わしながら、お湯に浸かり始めた…

86 :
「こんちゃ〜〜♪お邪魔してま〜〜す♪」

碧は堂々と身体を晒したまま笑顔で老人達に挨拶した。

「ほほぉ〜〜この娘もおっぱい大きいわい!」

「こりゃ〜〜天女様のようじゃ!福眼じゃのぉ〜〜♪」

「オナゴの裸なんぞ10年ぶりに見たわい…」

老人達は、あっけらかんと裸を晒して笑顔で話す碧を目の前に鼻の舌を伸ばす…

「あはは、おじいちゃん達は隣の老人ホームに住んでる人たちなんですか〜〜?」

碧は老人に話しかけてみる…

「あぁ〜〜そうじゃよ、ワシ等この時間が入浴時間なんじゃよ」

「いつもこの時間に風呂にくるんじゃが…こんな事は初めてじゃぞい、へへへ♪」

そんなやり取りをしていると…また一人、露天風呂に人が現れる…
無言で入ってきたのは、初老に近い女性…
タオルで股間辺りを隠す初老の女性は、舞衣の姿を興味深そうにジックリと眺めた…

87 :
「は〜〜い、泡を洗い流しましょうね〜〜♪」

舞衣は泡にまみれた老人の身体をお湯で洗い流してあげる…

「綺麗になりました〜〜♪お疲れ様で〜〜す♪」

笑顔で老人に話しかける舞衣…
その姿を見て、お湯に浸かる老人の一人が舞衣に話しかける…

「お嬢ちゃんや、ワシも身体洗ってもらえんかのぉ〜〜?」

「はい〜〜っ?しょうがないなぁ〜〜(笑)いいですよ〜〜♪」

舞衣は額の汗を手で払いながら、笑顔で答えた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

88 :
「おぉ〜〜〜ええんかいなぁ!!恥ずかしがって嫌がると思ったぞい(笑)」

「あはは!!もうずっと丸見えだから、関係ないですよ〜〜(笑)」

「ほほぉ、元気のエエ娘っ子じゃわい!ワシ等も洗ってもらえるかのぉ?」

「はいっ、いいですよ〜〜(笑)この際3人共お背中流してあげます♪」

「じゃ、まずはワシからお願いしようかのぉ〜〜」

床に正座する舞衣は、老人達の前に裸体を露にしたまま…
その大きく張りのよい乳房も、オレンジ色の陰毛も晒したまま、笑顔でそう答えた。
一人の老人がお湯から上がると、さっそく木の風呂椅子に座る…

「お嬢ちゃんや、このヘチマで強めに擦ってもらおうかのぉ〜〜」

「はいっ、わかりました〜〜強めですねっ♪」

舞衣はヘチマたわしにボディソープを垂らすと、老人の背中に強くたわしを押し付ける…
そして、ゆっくりと力強く老人の背中を洗い始めた。

「んしょ、んしょ、んっ♪よっ、よっ♪こ〜〜んな感じですか〜〜?」

「おぉ〜〜エエぞエエぞ!!エエ感じじゃ〜〜♪」

老人の背中は泡立つ…
心地よい感触に、老人は歓喜の声を挙げた。

89 :
「んしょ、んしょ、よっ、んっ、んしょ♪ふぅ〜〜おじいちゃん、普段は自分で身体洗ってるんですか〜〜?」

「そうじゃよ〜〜背中なんて誰も流してくれんしの〜〜おっ?おほぉ〜〜お嬢ちゃん!背中にお嬢ちゃん
のデカイお乳が当たっとるが♪どうせならお乳で背中を流してくれんかのぉ〜〜(笑)」

背中を擦った後、腕をゴシゴシと擦り始めた舞衣は知らず知らずのうちに、その大きな乳房を老人の
背中に押し付けていた…

「あはは!そんなエッチな事しませんよ〜〜(笑)はいっ、次は前を洗いましょうね〜〜♪」

風呂椅子に座る老人の前に回りこむと、舞衣は老人の至近距離に巨乳を晒しながら、老人の胸板を洗う。

「おほぉ〜〜お嬢ちゃん、本当にデッカイおっぱいしとるのぉ〜〜♪鏡餅の如くデッカイおっぱいしおって!
お嬢ちゃんが動く度にユサユサ揺れおるわい(笑)しかも、先っちょの乳首はほんに桃色の綺麗な乳首しとる
わい♪ちょ、ちょっとだけ…触ってもええかのぉ〜〜?」

老人はニヤけた顔で両手をワキワキと動かし始める…

「ダメですよ〜〜(笑)見るだけで我慢してくださいね〜〜♪」

しかし、舞衣は老人の手を払うと笑顔で宥めた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

90 :
30分後

「ふぅ〜〜〜3人共終わり〜〜〜っと!はぁ〜〜疲れた〜〜!!」

3人の老人の身体を洗い終えた舞衣は、全身に汗を浮かべながら額の汗を拭いため息をつく。

「あはは♪舞衣ちゃんお疲れ様〜〜(笑)疲れたでしょ〜〜(笑)」

「疲れたわよ〜〜(笑)こういうの久しぶりだったし〜〜」

「こういうのって?」

「えっ?あっ、あはは…忘れて忘れて(笑)」

老人の身体を洗ってあげるという全身を使った作業に、舞衣はソープ嬢の仕事を少しだけ思い出していた。
舞衣の老人に対する態度や会話、そして慣れた手つき…
碧は舞衣がどういう風にソープで働いていたのか容易に想像できるような光景だった。

風呂桶にお湯を掬い、汗を浮かべた体にかけ湯をすると、舞衣は再びお湯に浸かる…

「でも舞衣ちゃんさ〜〜よくやるよね〜〜(笑)私だったら断ってるわ〜〜本当に」

「ふぅ〜〜♪確かにちょっと疲れちゃったけど(笑)でも、結構楽しいのよね〜〜こういうの♪」

疲れた表情ではなく…何処か充実したような…そんな表情を浮かべて碧と会話する舞衣…

時間も経ち…お湯から上がろうとした二人…
そこに、先ほど露天風呂に現れた初老の女性が舞衣に近づいてくる…

「ちょっといいかしら?」

若干細めの…どこか品のある初老の女性は、舞衣に話しかけてきた。

91 :
「はいっ?あたし…ですか?」

話しかけられた舞衣は、老人達の身体を洗う姿を見られていたことを思い出し、若干照れながら応えた。

「そう、アナタ…3人の身体を洗ってあげて、大変だったでしょ〜?」

「えっ?あはは、ちょっと大変でした(笑)すみません、ちょっと騒がしかったでしょう?」

「ううん、大丈夫よ。それよりも…アナタ若いのに偉いわね〜〜あんなジジイたちの身体洗ってあげる
なんて…優しいのね…お名前、聞いてもいいかしら?」

「鴇羽です、鴇羽舞衣です」

「鴇羽…舞衣さんね。私は隣の老人ホームで働く者なんだけど、今さっきジジイたちのお風呂の見張りを
しようと思ってここに来たら…アナタがジジイたちの身体を洗ってあげててヒックリしたわ(笑)あっ、
申し遅れたわね…私は高木、高木満子よ♪」

舞衣の顔をジックリ眺め微笑みながら語る初老の女性…

「ジジイたちの相手も上手だし、馴れた手つきだし…もしかして、介護のお仕事経験者なの?」

「え〜〜っと…介護じゃないですけど…こういうお仕事は前にしてたんです(笑)」

「そうなの?じゃ、少しは経験してるという事よね?」

二人の会話を聞き、碧が割って入る…

92 :
「そうなんですよ〜〜♪この子、老人ホームで働こうかな〜〜って迷ってるんですよ。」

碧は舞衣の肩を持ち、笑顔で舞衣を紹介した。

「あら、そうなの?」

「え〜〜っと…はい、ちょっと悩んでて…住み込みとか…条件が結構いいから…」

突然の碧のフォローに、舞衣は少々戸惑いながらも本音を呟く…

「そうね〜〜うちは住み込みで働けるわよ。アナタみたいな子が居てくれるといいわ〜〜♪うちのホーム
には何人も若い子が来たけど、長続きしないのよね〜〜(笑)お風呂の監視やお世話するだけの「お風呂役」
だけでもいいのよ。アナタ、うちで働いてみない?」

初老の女性は舞衣の手を取ると、熱心に舞衣を誘う…

「う〜〜〜ん…そうね〜〜やってみようかな〜〜」

「まぁ!ありがとう、助かるわ〜〜♪」

「よし、決まりだね〜〜舞衣ちゃん♪喜べおじいちゃん達〜〜!!これから暫く舞衣ちゃんとお風呂入れるよ〜〜♪」

碧の言葉に、老人達は訳も分からず喜んだ…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

93 :
午後4時

老人ホーム うたやま荘

「では…8月いっぱいの1ヶ月契約で、その後はアナタの希望次第で延長もあり…という事でいいわね?」

「はい、よろしくお願いします!」

露天風呂の隣にある老人ホーム 「うたやま荘」
その老人ホームの事務所で、舞衣は雇用の説明や契約の手続きを済ませていた。
ソファーに座り、書類へのサインなどを終えた舞衣は、壁に飾られている額縁を眺める…
額縁には、スーツ姿の…小柄で白髪の老人が凛々しく映っていた。

「あれ?…あの写真の人…何処かで見たことあるような…」

写真は、普通にどこにでも居るような老人の写真…
しかし舞衣は、その写真の老人に見覚えがあるような…そんな気がしてならなかった。

「あの写真の人って、誰ですか?」

「ん?あの写真?」

気になって仕方なかった舞衣は、初老の女性…高木に写真の老人について尋ねてみる…

「あの写真は、この老人ホームの創立者よ」

「創立者…ですか?」

「そうよ、ここの創立者…歌山虎次さん。歌山グループって知ってるわよね?」

「歌山虎次さん…歌山グループって…はいぃ〜〜〜っ!!?歌山って…あの!!?」

「この辺じゃ建設業や不動産業で有名よね〜〜♪この人は元社長で、今は相談役をやってる人なんだけど…」

94 :
『歌山グループっていったら…ノブヲくんの実家よね…』

舞衣は歌山グループと聞いて、すぐに「歌山ノブヲ」の姿を頭に浮かべた。

約1年前…場末の歓楽街から抜け出す時、自らを犠牲にして銃弾から守ってくれたノブヲ…
あの日以来、連絡を取っていない「命の恩人」の事が気になり始めた。

『歌山くん…今どうしてるんだろ…会ってみたいな…あたし…あの日のお礼が言いたい…』

舞衣は歌山ノブヲの携帯番号を知っていた。
ポケットの中の携帯をキュッと握り締めながら、舞衣は近々連絡してみようと決意した。

老人ホームで働く手続きを終えた舞衣は、外で待たせていた碧と共に部屋を後にした…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

95 :
ちょうど同じ頃…

午後4時
風華町  市街地

「バッカやろぉ〜〜〜〜〜〜〜ぃ!!!」

市街地のパチンコ店前で、女は叫ぶ…
感情を露にしたロングヘアの美女は、周囲の視線も気にせず怒りに任せて叫んだ…

「ふざけるな!!今日の稼ぎが全額飲み込まれるなんてありえるのか!!?」

その日受け取った成功報酬を全額パチンコに使い、全てを失った女は愚痴をこぼす…
そして長い時間路上駐車していたバイクに跨ると、颯爽とその場を後にした。

・・・・・・・・・・・・・・

バイクに跨る黒いスーツ姿の女はアクセルを吹かす…
猛烈なスピードで、市街地を駆け抜け…あっという間に海岸線に辿り着く…

「…無一文だ…グスッ…明日から…私はどうすればいいんだ…」

女は涙ぐみながら、夕日に照らされる海岸線を爆走した…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

96 :
午後8時

市街地  ビジネスホテル

「もしもし、祐一?」

宿泊先のホテルで、舞衣は携帯片手に祐一と会話中…

「ちゃんと食べてる〜〜?うん、こっちは大丈夫…うん…一段落着いたから…うん…」

舞衣は巧海の停学の理由や、ここ数日で起こった出来事を祐一に説明した。
同時に、巧海の為に1ヶ月だけ風華町へ滞在することも伝えた。

「…うん…ごめんね…ワガママ言っちゃって…うん…ありがとう…」

祐一も巧海の事がとても心配だったらしく…舞衣が巧海の為に風華町へ残ることには賛成という事だった。

「そうね…分かった…うん、巧海の事は任せて…うん…祐一も、勉強頑張ってね…うん…」

また落ち着いたら連絡すると伝え、会話を終える…

「よ〜〜し!!明後日から新しいお仕事…頑張らないと!!」

舞衣は2日後から始まる新しい生活に備えて、ゆっくり休む事にした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

97 :
7月31日      午前9時

ここは、風華町の最西端に位置する場所…
市街地から遠く離れた場所にあるアパート…

築数十年と言わんばかりの古い2階建ての建物…
近代化が進んだ風華町に、未だにこんな物件があるのかと疑ってしまうような古いアパート…

その一室のドアには、小さな表札が掲げられていた。

『久我探偵事務所』

既に日は高く昇り、夏の日差しがさすように照り付ける中…
その表札の掲げられているドアの前で、このアパートの大家らしき中年女性が、朝から呼び鈴を鳴らす…

「久我さ〜〜〜ん!!いるんでしょ〜〜?久我さ〜〜〜ん!!」

呼び鈴を鳴らしながら、この部屋の住人を呼ぶ大家…

「久我さ〜〜ん!!今日こそ3か月分の家賃滞納分、払ってもらいますからね〜〜〜っ!!」

ドンドンとドアを叩きながら呼ぶが…一向にこの部屋の住人は現れない…
聞こえてくるのは…セミの鳴き声だけ…

「…ふぅ…本当に居ないのかしら…バイクはあるのに…また来ますからね〜〜っ!!」

諦めた大家は、渋々その場を去った…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

98 :
「…去ったか…」

私は布団に包まり大家が去るのを待った…
居留守…
今の私はこの手を使わざるを得なかった…

ショーツ一枚姿の私は、起き上がるとタオルで体の汗を拭く…
そして、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、喉の渇きを潤した。

「ふぅ…折角成功報酬を得たというのに…ほんの数時間で水の泡…か…」

何気にちゃぶ台の上に置かれた自分の名刺に視線を向ける…

『久我探偵事務所 代表 久我なつき』

「探偵業なんて…止めておけばよかったな…」

住居権事務所として使っているアパートの一室で、私は自分の人生に若干後悔しながら、日々を過ごしていた。

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99 :
玖我なつき…
職業…私立探偵…

風華学園在学中、静留が関西方面の大学に進学した事で、私達の関係は自然消滅した…
そして、オーファン事件解決後…私は母親と同じ科学者の道を歩む事を決意する。

2年間…私は馴れない勉強を頑張ったが…結果は散々だった…

大学は全て不合格…
所詮私には無理だった…

大学受験失敗を境に、私は母親と同じ科学者の道をキッパリと諦めた。

一応風華学園は卒業したが…卒業後の事など何も考えてなかった私は、どうすればいいのか分からず…
ただ暇つぶしの日々を過ごした。

部屋で少女漫画を読み漁り…
それに飽きたら街に出てウインドウショッピング…
金に困れば…パチンコ三昧…

そんな日々を過ごしていたが…ある日を境に生活は辛くなった。

愛人を作り…家を出て行った父親からの仕送りが途絶えてしまったんだ…
確かに、仕送りは学生の期間のみと約束していたが…正直辛かった…

そして、暇つぶしの日々を過ごしていくうちに…貯金も少なくなり…
そんな時、久しぶりに迫水に出会った。
私の現状を見かねた迫水は、何故か私に探偵職を勧めてきた…

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