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ショタとお兄さんでエロパロ10


1 :2012/01/14 〜 最終レス :2013/09/05
ショタ×ショタだろうが、ショタ×おっさんだろうが、
あなたがショタとお兄さんだと思うものならスレテーマに沿っています。
だからといって「ワシらも60年ぐらい前はショタっ子でならしたモンよ」
と豪語する兄(78)と弟(76)の絡み、とかいうのは勘弁な!
投下は二次・オリジナル問わず、エロ重視・ストーリー重視・萌え重視・
ショタ受・ショタ攻・SF・妖怪・擬人化・モンスター・触手責めetc …どんな作品でもおk。
但し二次モノ投下の際はできるだけ元ネタの表記をお願いします。
また、人を選ぶ要素がある場合は前書きに明記して下さい。
(例:ショタ攻め、スカトロ等)
・sage進行推奨。荒らしと広告は各自でスルー。
・次スレは>>975、またはスレ容量490KB辺りで適宜建てること。
【保管庫】
http://www39.atwiki.jp/55syota/
【過去スレ】
前スレ ショタとお兄さんでエロパロ9
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1296899056/
ショタとお兄さんでエロパロ8
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1279285110/
ショタとお兄さんでエロパロ7
http://yomi/bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/125883511/
ショタとお兄さんでエロパロ6
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1249810825/
ショタとお兄さんでエロパロ5
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1239018201/
ショタとお兄さんでエロパロ4
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1232162378/
ショタとお兄さんでエロパロ3
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1220795350/
ショタとお兄さんでエロパロ2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1199276452/
初代スレ お兄さんとショタでエロパロ(二次オリ問わず
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152429072/

2 :
すみません。
残り容量を完全に見落としてました…
とりあえず、残りです↓

「ココ…気持ち良い……?」
「う、ん…ふぁっ」
「あぅ、あ…ん」
「ミカエ…ル。僕…もう……」
「良いよ。受け止める…から。全部っ……!」
鼓動が一気に跳ね上がる。
ココの快感が頂点に達した証だった。
「うぁ、ああぁ!」
「ああぁっ、ココ……っ!」
大雨で決壊したダムの様に、ミカエルとココは同時に達した。
身体を支え切れなくなり崩れるココを、ミカエルは白濁した斑点ごと受け止める。
先刻宣言した通り、ミカエルはココの想いを全て受け止めたのだった。
「ミカエル」
「…何?」
「ごめんね」
「どうして謝るのさ」
「だって、僕はミカエルをいっぱい傷付けたから」
胸の内の行方が、決して報われるものでは無い事。
それを知った上でミカエルにぶつけてしまった事。
それを何一つ逃さずに受け止めてくれた事。
「これで…本当に良いの?」
「言わないで。もう僕は迷いたくない。叶わないなら、いっそ何も無かった事にしていたいから」
「…そういう考え方は、ぼくは嫌いだな。だけど、ぼくもその方が良いと思う」
「そう言ってくれると嬉しいかな。少しだけ」
どうせ傷付くのなら、少しだけで良いから救われていたい。
それはミカエルも同じだった。
だからこそ、ココを愚行と切り捨てずに交わる事が出来たのだ。
お互いの傷を舐め合えるのなら、それで良い。
(ジャックだったら、こんな時どうするのかな…)
この場に居ない想い人の姿が映る。
いつもの爛漫に咲き誇る笑顔では無く、何処か寂しげな笑みが。
陽炎の様に、像が揺れる。
それは自分の描いた虚像では無く、本当に視界が揺らいでいたからだった。
「ミカエル、泣いてるの?」
「え…?」
透明な雫が奇跡を残してココの腕を伝う。
「あ、あれ…? 変、だな…止まらな、い……」
ヒトは何故涙を流すのだろう。
目にゴミが入ったとき。
嬉しいとき。
それとも―

3 :
そんな訳でここで終了です。
まさかスレを跨いで投稿する事になるとは思いませんでした。
こんな形で新スレを建ててすみません。

4 :
つまんねえ

5 :
>>2
新年一発目乙

6 :
>>2
あけましておめで乙
素晴らしかったぜ


容量落ちってことは前スレの内容濃かったんかな

7 :
>>3
乙。
文章は好きなんだけど元ネタ分からないとつらいっす。
ぜひオリジナルも読んでみたいです

8 :
即回避って必要だったよなぁ……
不安に思いながら専ブラの書き込みウインドウを開く。
ブブブ、ブブブ、断続的な振動音に驚いて机の上に放り投げていた携帯の着信を確認する。
アイツからだ……
無視をしたらしたで、またひどい事されるんだろう、半ばあきらめた心持ちで電話に出る。
「よぉ、新スレ立ったなぁ。するんだろう?即回避をよぉ」
くそっ!保守だけじゃなくてこんな時までアイツが出てくるのかよ。
怒りと焦りの混ざった感情がこみ上げて言葉に詰まる僕を他所にアイツは言葉を続ける。
「だんまりか、まあいい。保守も俺に手伝ってもらってるお前じゃ即回避は荷が重かろう」
手伝い?うそだ!いつも僕の保守の邪魔ばかりしてるんじゃないか!
「今すぐ行くから、待ってろよ。職人さんのための新スレを落とすわけには行くまい?」
ブツッと電話が切られたかと思うと、背後のドアが乱暴に開けられてヤツが入って来た。
逆らって容赦の無い張り手を幾度と無く食らった記憶が、僕の体を硬直させる。
ヤツは僕の両肩越しに腕を絡め、耳元でしゃべり始めた。
「即回避にゃ書き込みだ。ある程度レスがつけばいい。さあ、お前も書き込めよ」
ヤツはキーをゆっくり一つずつ押して、開いていた書き込みウインドウに書き込みをする。
>>1 新スレ、投下乙
「さてと、ここで一つ気になる事があるんだが」
そうだ、コイツがこのまま書き込みボタンを押すわけがない。
「お前の即判定を俺がしてやらないといけないんじゃないかと思っているんだよ」
耳元で囁くようにしゃべるたび、耳に当たる息がくすぐったくて、わき腹から腰、腿の内側へとぞわぞわっとした感覚が走る。
そして、アイツは抵抗できない僕を椅子がら引き摺り下ろし、あっという間にズボンとブリーフを脱がせてしまった。
「20もレスがつけば安泰だが、それまでに落ちたら即判定に引っかかったって事だな」
言いながら、たくさんのローターを袋から床にぶちまけた。
「そら、一つレスを付けてやろう」
ヤツは床にぶちまけたローターの一つを拾い上げ、僕のTシャツをたくし上げて乳首に当てた。
「ひゃっ!や、やめっ」
堪らずに声をあげるも、お構いなしのアイツは手を止めない。
乳首に押し付けられたブルブルと震えるローターをガムテープで固定されてしまった。

9 :
「さあ、もっとレスをつけないと落ちてしまうな」
片方の乳首に与えられる刺激にもだえる僕を押さえつけて、アイツは次々に拾い上げたローターを僕にくっつけていく。
2レス目はもう片方の乳首へ、3レス目から5レス目までの3つをちんちんを囲むようにつけられた。
与えられる快感に任せて、アイツの思うままにイカされてしまうのだけはダメだ。
今まで反抗するたびに叩かれた恐怖で抵抗できなくても、心だけはアイツを受け入れないんだ。
そんなことを考えていつもイカないように頑張るんだけど、結局イカされてしまう。
今日も最後はイカされてしまったとしても、自分から射精したい衝動に駆られて快感を求めてしまうのだけはないように、なんとか堪える。
アイツに感じるようにされてしまった乳首とちんちんへの直接の刺激が一緒になるとかなりキツいけど、この気持ちだけが最後の砦なんだ。
「おやおや、まだ5レスしかついてないのに落ちてしまいそうだ。急がないとなぁ」
膝を折りたたんで刺激に耐える僕のお尻にひんやりとした感覚を伴ってぬるぬるとした液体が塗られた。
アイツはその液体のついた指を、僕のお尻の穴に少し突っ込んで、内側にまでぬるぬるを塗りたくる。
「ほらよ、6レス目はお前が一番好きな場所に入れてやるよ」
ダメだ、もう乳首とちんちんだけでもイキそうなのに、ソコだけは……
ブルブルと震える感触がお尻の穴に押し当てられると、ぐいっと力を込められてソレはぬるりと僕の中に飲み込まれて行った。
アソコにローターが入って行く感触だけで、透明な汁がだらりと垂れて、僕の腿の内側に貼り付いた。
ぶるぶると振動が体の中と外から伝わって、一瞬でヤバいところに持ってかれてしまう。
「はぁっ、あぁぁっ……」
床で体の左側を下に膝を抱えるような姿勢でブルブルと体を震わせながら僕はついに射精してしまった。
腿に当たった精液はかなりの量で、どろりと滴り落ちて床に水溜りを作った。
「おいおい、即判定早すぎだろう。急いでも6レスしか付けられなかったじゃないか」
ニヤニヤと笑いながら僕を見下ろすアイツを視界の端に捉えながらも、僕は睨み返すほどの力も出ない。
「さて、大事なスレの方の即回避だが、20レスもつけば安心だ。即しちゃったお前は罰として20レス付くまで、そのローターは外すなよ」
そう言ってアイツは書き込みボタンをクリックした。
そのまま出て行くかと思ったら、今出した精液を拭き取ることも無く、ローターの付いたままの僕に無理矢理ブリーフとズボンを穿かせて、たくし上げられたシャツを下ろす。
「20レス付いてるのを確認したら、外しに来てやるから、そのまましてるんだぞ」
言い残して出ていったアイツを僕は小刻みに震えながら目で追うことしか出来なかった。
どうせ見てないから外してしまえばいいのに、それが出来ない。
受け入れているんじゃないんだ、僕はアイツに与えられる恐怖に支配されているだけ、決して与えられる快感を受け入れているんじゃないんだ……
>>1 新スレ、投下乙

10 :
一応10レスまで書いとくか、>>1

11 :
>>8-9
どうしてくれるんだ
スレにときめいてしまったじゃねぇかw

12 :
>>2
元ネタを知ってるから切なく楽しませてもらったよ
>>8-9
これはテンプレ化しても良いくらいだw
>>1

13 :
高校生くらいの育ちのいい高齢ショタにルサンチマンを爆発させるようなエロが足りないと思わないかね?

14 :
ホモスレ行け
すごく子供っぽい高校生じゃないとショタとは言えんな

15 :
どうしても高校生がいいなら、飛び級で入って来た天才12歳クンと彼にイケナイ感情を抱いて
発散するために突然校庭を周回しはじめるスポ根系男子とかいいかもね

16 :
アニメやラノベなら高校生普通だろ
相川歩 高坂京介 丹羽真 桜満集とか

17 :
アニメやラノベの話じゃなくてショタとお兄さんでエロパロスレの話なんだけど

18 :
全部ショタじゃないじゃん

19 :
>>13
思いません

20 :
待て待て
この流れは前スレで見た覚えがあるぞ

21 :
高校1年生くらいなら俺はいける

22 :
見た目がショタならいいんだよ!

23 :
ロリババァみたいな外見ショタ中身老人なショタ爺はこのスレ的にはありなの?

24 :
ありなしじゃないんだよ
良く>>1を読もう
>ショタ×ショタだろうが、ショタ×おっさんだろうが、
>あなたがショタとお兄さんだと思うものならスレテーマに沿っています。
>だからといって「ワシらも60年ぐらい前はショタっ子でならしたモンよ」
>と豪語する兄(78)と弟(76)の絡み、とかいうのは勘弁な!

25 :
>>24
なるほど、明らかに限度を超えなければ大丈夫っぽいか
ショタとお兄さんというと、両者の年齢に何となく固定概念があるな

26 :
大丈夫ってのはまた違うだろ
んで、これから書くの?それとも書いたやつの投下場所としての確認?
どっちにしても、受け入れられない人も居るだろうから、叩かれても泣かないように

27 :
まーそんなにカリカリしないで落ち着いてよww
どう受け取るかをこっちに委ねたんじゃ相違が出ることもあるよ
でも投下するときは気をつけるわ、明らかにここのメインストリームじゃない内容だし

28 :
ちょw
どこをどう読んでカリカリしてるように取られたんだw
お前が落ち着けw

29 :
ゼロの使い魔のサイトはショタに入りますか?

30 :
いいえ

31 :
あなたがショタだと思えば誰も彼も何もかもショタと言えるでしょう
ただし他人の同意が得られるとは限りません
個人的にはショタらしい描写さえしてくれれば年齢だの何だのは飾りになっちゃうと思いますけどね

32 :
個人的にはショタ
というか前書き書けば嫌な人は避けるからたぶんあんまり気にしなくていい

33 :
書こうと思ってるんだか、書き上げたんだかわからんが、コレは大丈夫?コレはスレ的にあり?とかいちいち聞いてくるのうざい
>>1と投下された作品を見て自分で判断して、これで叩かれたら仕方ないくらいの覚悟をその判断に持たせて欲しい

34 :
あの、二次元系ものを書きたいですけど………いいですか?

35 :
あ、私。ショタコンガールなんです。なので……、しばらくここに居させて貰います。

36 :
皆さん、よろしいでしょうか?

37 :
>>36
結構結構。需要はあるぜ。
ただ、>>1に書いてある通りsage推奨だからな。
sageが何か分からないって言うならググッてくれ

38 :
>>36
過去にゴッドメロディという名前で書いてた人ならROMでお願いします
違うならウェルカム

39 :
二次元系の意味が分からん…

40 :
前スレの二大邪神降臨の時も>>34-36のような連レスからだった
シビルドン、ゴッドメロディの悪夢を忘れてはならぬ
投下してくれるだけでうれしいなんて甘い言葉を与えたらおしまいだぞ
>>39
たしかヤツも二次創作の二次と二次元を混同した発言をしてた
限りなくクロに近い

41 :
結局投下もないしクロだったんじゃない?

42 :
地球の平和は我らが守った!

43 :
あ、私は新人です。別人です!

44 :
新人?
まだひとつも投下してないのに何の新人よ?
ROMっていて欲しい
あとPINKは18歳未満はダメだから

45 :
>>43
まぁ、新人かどうかはさて置いて…
どんな検索で此処に辿りついたかはわからんが、正直お前さんまだちょっと2chに慣れてないんだよ。
だからROM(=書き込みせずにスレの雰囲気を眺めて慣れる)ことを勧めるよ
そしてもし18未満なら直ぐに立ち去ってくれ。
18歳未満の若いお方にはこんなスレに張り付いているより有意義なことが沢山あるんだ…。

46 :
たまにはショタが攻めだと嬉しいな

47 :
「兄上、ご無事で」
 今こうして目前に菊之助を見て、なんと声をかけてよいのか、浪乃進の喉はからからに
干上がったように、声を発することができない。
『菊之助は、まだこんな無防備な子供の声のままでいたのか?どれほどの屈辱を受けただ
ろう。それなのに、この子は、何一つ失っていない、仇討ちに出る朝、母上が涙した、あ
の幼い素直さのままではないか。』
 ようやく、しぼりだすように、
「これへ、おいでなされ…」
 そう言ったとき初めて、菊之助の腰に細縄がかかり、それを人相の悪い三下のような者
が握って、縁の端に控えているのに浪乃進は気づいた。菊之助の半身は今にも座敷に飛び
込んで浪乃進の膝元にすがろうとするように見えたが、実際は縁に座り込んだまま動くこ
とができないのだった。
 
 そして、障子の向こうから、聞き覚えのある嫌な声がした。
「浪殿、あれ以来だな。」
「中坪っ、…の親分」
「菊之助はな、重四郎の道場から連れてきて、東廓の座敷牢に放り込んだんだがな。兄上
に会わせろとうるさくてな、ちいっと顔を見せにきたのさ」
 その憎憎しい顔を見た途端、浪乃進は自分の声を取り戻した。
「ひさしぶりの兄弟が語り合おうというのも妨げなさるか?」
再会(「なんとか峠」第三部) その16

48 :
 中坪は浪乃進の言葉に答えるでもなく、縁からのそのそと歩いてくるとしげしげと座敷
を見回して、座敷の畳に斜めに腰掛け、
「ご隠居もなかなか気難しくって浪殿も気苦労じゃあねえかい。それとも、すっかり可愛
がってもらって気が合っちまったか。
 それにしても、ますますお美しくおなりですな。御髪(おぐし)も随分長くなられて、
いい具合だ。 
 まったくなあ、そう何気なく着こなしてるが、半襟からのぞいた首筋なんぞすがりつき
てえような色気だぜ。まあ御老人の趣味で俺に言わせりゃやや地味だが、その藤の小袖も
なかなか粋じゃねえか」
 このガマに藤の意匠が見分けられたのは上出来、まあばくち打ちなんだから、萩、藤、
桐、柳、は花を引いて覚えるのかも知れない。浪乃進は、そう思って、中坪にただ冷たい
横顔を向けただけだった。
「…、」
「何ね、仇討ち騒ぎの時にゃあ、この小僧の金玉すっぱりと切り取って豚の餌にでもして
くれようと思ったがよ。とっ捕まえてみりゃあこの器量良しだ、ちいっと惜しいわな。
 紅くも屋の上客の旦那方には、結構こういうお小姓好きがいてなあ。旦那方を可愛い尻
で接待させて、この際菊之助を上物の尻穴女郎にする手だと。
 それで、俺も儲かるし、こいつだってきれいな着物着て楽しい暮らしができるんだ。ぶ
っせと息巻いている、熊造や重四郎の旦那がやっかいなんだが…。
 菊之助をこれから磨きあげてお前さんに負けない上物に仕上げる気で俺はいるんだがね。
こいつが、素直にならねえのさ。」
 縄付きで縁に座り込んだ菊之助の肩が、屈辱に震えていた。
 中坪は言い聞かせるように
「『菊之助は尻穴女郎になります綺麗なおべべ着ておしとやかにして、お尻でお客様を接
待いたします』といいさえすりゃあ、座敷牢から出してやって、ここで大好きな兄上と一
緒に暮らさせてやってもいいんだぜ」
 菊之助がさっと跳ね上がるように半身を起こして、
「だ、誰がそんな変な、シ、シリアナジョロウなんてものにものになるものか!私は武士
の子だっ。」
再会(「なんとか峠」第三部) その17

49 :
 しりあなじょろう、という言葉の下劣さに浪乃進の胸は痛んだ。袖の内側のこぶしは怒
りに震えたが、中坪の言葉の裏には「菊之助の命は自分の胸先三寸にあるんだ」という脅
しがあることは明白で、その一点において浪乃進は怒りを爆発させることができなかった。
 中坪は菊之助の直截な少年らしい拒絶に、
「ほれほれ、ずっとこの調子だ。いつまでもそういう態度じゃあ、おめえは、雲助共に投
げ与えてぼろぼろに弄ばれたあと、豚の餌にでもするしかあるめえ、惜しいこった」
 中坪は嫌な目つきをして、そのせりふをむしろ浪乃進に向かって言っている。
 中坪は冗談めかしているが、その残忍な本心を感じて、浪乃進は寒気を感じた。
『この子を、この菊之助を失えるものか。もはや仇討ちも、お家の再興も問題ではない。
この菊之助の命を奪われては、ならない。自分はいかようにも、尻穴女郎の勤めとても果
たすまでだ。このガマにとりすがっても、菊之助を守らねばならぬ』
 浪乃進は蒼白な顔で、
「お、親分。お話が、しばらくこちらに…」
 と浪乃進は中坪のそでを取って奥座敷にと促した。中坪は、傍に寄った浪乃進の香りを
不恰好な鼻の穴に吸い込んで、早くも目がとろんとしている。
再会(「なんとか峠」第三部) その18

50 :
奥に入ると浪乃進は、気味悪く毛が生えたぶよんとした中坪の手の中に、あえてその白
い手を差し出した。
「菊之助は年端のゆかない者、まだまだたいした思案もありませぬ。」
「むう、…」
「菊之助の了見違いは、いかようにも私が叱りましょう。お腹立ちの段は、深くお詫び申
し上げます。あの子の身を…」
「俺はお侍じゃあねえ、仇討ちだ返り討ちだとこだわる気はあまりねえけどよ。重四郎の
ほうは、いつ始末するんだとうるせえんだ」
「そこを、親分さんのお力でおさめてくだされば…。私ども兄弟はどんなに有難く思いま
すことか。親分さんの本心は、浪と菊を可愛い者とお考えくださっていると、…そう」
 中坪の胸板ににじり寄って、白い首筋を折り寄りかかる。
 ここで、浪乃進は中坪を、計算された媚を込めて上目遣いに見る。
「…」
 浪乃進に近々と寄られると、一種の匂いに包まれる。わざとらしい脂粉のにおいではな
い、控えめな不思議に甘い匂いだ。浪乃進の濃い睫毛の震えを間近に見、白魚のような手
を自分の無骨な手にゆだねられると、中坪の単純な頭脳はいっぺんに熱くなってしまい、
下劣な思案が駆け巡り始めた。
再会(「なんとか峠」第三部) その19

51 :
『馬鹿な、こいつは女じゃねえんだぞ。しかし、しかし、…半月前の浪殿から較べてもこ
の、ここにいる浪殿の美しさ、艶っぽさはどうだ!ああいい匂いだ。
 竹内のご隠居の野郎、何をどう仕込んだんだ?』
 中坪は、浪乃進に体を寄せられて、正直うろたえていた。
『もともと器量良しだったが、今は、加えて、この優雅、この可憐さ、そのくせ滲み出す
色気。どうにもそそる。
 天女か?ば、ばかな。こいつが欲しい…。ああ、そうだ、女よりもすげえ宝物まで持っ
てるんだ。俺としたことが、浪の足元に這いつくばってしまいそうだ。この浪の股間にぶ
ら下がってるものを、舐めてぇ…、ああくそっ
 粘土みてえにおしろい塗って気取ったつもりの花魁なんぞ足元にも及ばねえ。畜生め、
竹内に預けたのが正解だったのかもしれんが、惜しいぜ、俺のものにしてえ!』
再会(「なんとか峠」第三部) その19の2

「な、浪殿、菊之助のこたあ俺にまかしておきな。重四郎なんざに四の五の言わせねえ。
お綺麗な人が、そんなに悲しそうな顔するもんじゃねえぜ。ああ、お前さんの手握ってる
だけでむずむずしてくる。」
 あっけなく前言を翻した中坪は、こそこそと着物の前をはだけ、妙な腰つきで浪乃進に
擦り寄ってくる。
「浪殿、俺らあ、もよおしちまったよ。ち、ちょっとでいいからよ、俺の男をその白い手
で握ってくれねえか、ちょっとだけでいいんだ。」
「そ、そのような…、ご隠居様がなんとおっしゃるか…」
「ご隠居には内緒さ。頼む、菊之助をさせたりはしねえからよ」
 威張り返っていたかと思うと、もう、大きくしてしまった自分の男根の面倒を見てくれ
と言い出す。しかも、人の弱みに付け込むやり口だけは同じだ。浪乃進はこのガマを心の
底から軽蔑した。だが、菊之助への危害をちらつかせられては、しかたがない。
..再会(「なんとか峠」第三部) その20

52 :
 中坪がそわそわと下帯のあいだから取り出した物は、目を背けたくなるような代物だっ
た。カエル腹の下にざわざわと茂った赤っぽい陰毛の中から、太い薪のような男根が突き
出し、不快な黒ずんだ紫色の亀頭が早くも頭を上げ始めている。その根元には雑巾の袋の
ような汚らしい睾丸がぶら下がっているのだった。
 一目見て浪乃進は背筋が凍る思いだったが、手を引くことはできなかった。おそるおそ
る握るとそいつは握られたことで一層脈打つように猛り、浪乃進の手にねとねとした粘液
を付着させながら動く。
 中坪は浪乃進に男根を握らせると、ガマ顔を快楽のしわで一杯にゆがめて、
「ああ、ひいいっ、いいぜえ。すべすべしたお手々。いい香りだ、もちっとお顔寄せくれ。
ああ極楽だ。ぎゅっと握ってくれ、おお…」
 その赤黒い顔をあお向けるようにしながら、中坪は浪乃進にますます下腹を押し付ける
ようにするので、浪乃進は座敷の奥の壁にまで追い詰められてしまった。
再会(「なんとか峠」第三部) その20の2

53 :
「中坪の、元気かい」
 と言う声に、壁際まで浪乃進を押し詰めていた中坪はぎくっとして、振り返った。
 敷居に竹内が立っていた。
「おう大将何の騒ぎだ。浪殿はおれが面倒見ることで、金目の筋も通したし、証文も入れ
たはずじゃねえかい。妙な真似してくれちゃ困るぜ、中坪」
「あ、ご隠居。いやいや、ぜんぜんそういうんじゃねえんだ。菊之助がこっちへ来たんで
な、顔を見せて、ちいと相談があって…」
 そう赤い顔で弁解する中坪の着物の前ははだけたままで、とっさのことで奮い立ったと
ころから急にしおれた醜い男根がだらんと下がっていた。
「おめえも相変わらず難儀な男だな。久しぶりに顔を合わせる兄弟にゆっくり話をさせて
やろうてえ殊勝なはからいかと思や、…。とんでもねえ。所かまわず見苦しいものぶらぶ
らさせてはぁはぁするのは、いい加減にしな。」
 中坪は大慌てで、男根を下帯に押し込み、それでも潰れるほどの体面も持たぬ男なよう
で、しれっとして、
「竹内の、そう頭ごなしは勘弁してくれろ。ご隠居にも自慢かたがた見せたくってな。ど
うだい菊之助の可愛らしいこと。この玉ばっかりは、この俺の手元で仕込んでやろうと思
ってな」
 どうやら、中坪は浪乃進を竹内にとりあげられて、菊之助ばかりは渡さねえぞと先手を
打っているらしい。
再会(「なんとか峠」第三部) その21

54 :
菊之助が紅くも屋に移された以上、この西奥でいっしょに暮らしたいというのが浪乃進
の願いだった。
 しかしその日、菊之助とは満足に会話もできず、中坪に連れられて東の廓に戻されてし
まった。
 浪乃進の不安は募った。なによりも、菊之助の目は、「諦めていない目」だった。菊之
助は屈服していない、まだ闘っている。
 菊之助は何故あんなに幼く勇ましいのか、幼いから勇ましいのか。浪乃進は思う。
 『自分は、そう、たぶん屈服した。武士としてどころか、人として堕落した。男に抱か
れるために髪をすき、肌を磨き、陰毛まで整え、尻穴を磨き…、そうして命ながらえてい
る。
 男の手が、自分の乳首に触れてくるのを思って一人心を乱すなど、かつての自分には想
像もできまい。外見はこうしてしおらしく座って、仇討ち失敗の悲嘆という衣の下で、敗
北に身を任せて、でも私の肛門はひくひくと何かを待っている、ああ、堕落しきったのだ
私は、』
 菊之助の不屈の目が、浪乃進は怖い。菊之助は、兄の堕落を、ふしだらを見抜いている
だろうか。でも、菊之助、そんな目をしているそなたは、あやうい…、
再会(「なんとか峠」第三部) その22
 中断長かったけど、俺は相変わらずだらだらエロ書いてます。
 かなり先までできてるんですが、一気に投下すると、怒られるかも
 しれないので、自粛して小出しにまとめます。 log2-256のオニ

55 :
イイネ! 同好のご先祖様の時代にタイムスリップしたみたいなリアリティが素晴らしいヽ(・∀・)ノ

56 :
時代物はあんまり好きじゃないんだけど、ついついはまり込んで全部読んでしまったよ
素晴らしいね。うん、好きだ

57 :
そろそろ保管庫の更新を…

58 :
久しぶりすなあ 乙
でも雑巾みたいな玉袋想像したらワロタw

59 :
お久しぶりです、待ってました!
相変わらず素晴らしい文章でマジ乙

60 :
お久しぶりノシ
保管庫に行って復習してきましたよw

61 :
1年ぶりくらいかな…
何かにおびき寄せられるように立ち寄ってみれば…
ご来訪お待ちしておりましたあああ!!!
明日の仕事の活力ですよマジ乙です

62 :
 菊之助は紅くも屋に移されてから、ここ東廓の座敷牢にいる。先日行った西奥の兄の座
敷の明るさがまだ目に残っていた。ここは座敷ではあっても、襖の周囲を太い木の格子で
囲んだ牢である。採光は悪く昼の数時間以外は行灯が必要だった。ああ、あの座敷で兄上
のもとで暮らしたい。
 「尻穴女郎」とかになると言えば、そうさせてやる、と中坪は言う。菊之助はそれに抗
し続けている。私がそういう者になったと知れば、母上はどんなにお悲しみになられよう
か、と菊之助は思う。そのあたりが、菊之助の幼さではあった。
 
 しかし、兄に会い、一つ屋敷内に兄がいることで、菊之助の一緒にいたいという気持ち
は増幅された。それにしても、あの兄の美しさは驚きだった。
 『兄上は、あのような着物を着て、中坪がいうように本当に、男の慰み物になっている
のだろうか?』
 兄はもとより眉目秀麗で家中で評判の若衆だった。ごく普通に菊之助にもそれが自慢で
あった。
 それにしても、あの座敷に座っていた兄の姿は、なんともいえず優しくなよやかだった。
それは今まで菊之助が知っていた美しさではない。
 あの時菊之助は、敷居際に座った一瞬、座敷の奥に若々しい母上が憂いに満ちた表情で
座っていらっしゃると感じたほどだった。そうだ、西奥の座敷で、浪乃進に感じたのはそ
ういう女性的な何かだったことは確かだ。
 着替え、食事は、下男の権助が持ってくる。洗顔、湯で体を清めることも、下男の権助
を呼ばねばならない。権助は、無口で貧相な中年の男で、このろくでなし揃いの廓の内で
さえ、まともな人とは扱われないほどの身分の低い者だったが、仕事は熱心にやった。菊
之助の食事の膳の上げ下げ、襦袢、下帯類の替えも常に洗濯も権助が清潔なものを整えて
くれる。
「権助、書き物をしたい」といえば、紙すずり筆を持ってくる。「権助、茶」といえば土
瓶に入れた茶のような物を持ってくる。
「権助、かゆい」
 といえば、あわてて蚊を追って部屋中をばたばたし始める。
「私がかゆいのだ、背中を掻け」
 といえば。かしこまって「へえ、ここで?、」とおずおずと着物の上から菊之助の背中
を掻く。
「馬鹿、着物の上から掻いてもまだるこしいだけだ。着物のわきから手を入れて掻け」
 と言うと、権助は緊張で手を震わせながら、八つ口からそろそろ手を入れて、そろりそ
ろりと菊之助の背中の肌をかいた。そして、顔を赤らめている。
「そろそろ掻いてもますますかゆいばかりだ、ばりばりと掻け権助」
 と言うと、わずかに指をたてて撫でる様に掻いた。
再会(「なんとか峠」第三部) その22

63 :
 就寝前の着替えの時に権助は、着替えた衣類を持って座敷牢の外に出る。鍵を掛けて、
下帯類は廓の洗濯場に出せばよい、あとは洗濯女がやるはずだ。しかし、権助は菊之助の
襦袢と下帯を持って自分が寝倉にしている箒小屋に持っていく。
 菊之助の襦袢を広げて権助は無精ひげのざらつく顔面をそこに埋めた。素敵な甘い匂い
がした。権助の息はせわしく苦しげになってくる。
「きくのすけさまぁ、きくのすけさまぁ、きくさまぁ…はあ、はあ、あああ…」
 菊之助の脇から手を入れたときの、あたたかい柔らかい感触を思い出した。権助は、寝
藁の上に、菊之助の下帯をそろそろと広げた。しわの深いあたりは、こころなしか黄色味
を帯びている。見つめているうちに権助の呼吸はせわしなくなり、やもたてもたまらずか
すかな匂いの中心に鼻先をうずめていった。(注1)
 そして、垢じみたひとえの裾から黒いひからびた蛇のような性器が首をもたげた。権助
はそれを握り、ちぢこまるように身をかがめ、細かく体を震わせ始めた。
 権助の脳裏にはほの白い菊之助の尻が漂い、高貴な月の様に浮かんでいた。醜く下賎な
自分を意識すればするほど権助はその月の輝きが増すように思えた。権助は、いつまでも
いつまでも座敷牢で菊之助のお世話をしたいと願っていた。
(注1)
 平中の昔から日本にはフェティシズムの伝統はあるが、こうした行為の同性間での発露
を記した文献はそう多くはない。
 ちみに、中世では暁明寺伝、園城寺塔頭青鐘院文書など、近世黄表紙では…
 いやいやそこまでがらくたに手を伸ばさずとも、源氏にも仄めかされた記述は見出せる
ではないかとの意見もまたある。空蝉の描写をあげることもできよう。
 ただ、偏見かも知れぬが女流のフェティシズムはどこかうそ臭い。それが、式部であろ
うと、松浦理恵子だろうと。
再会(「なんとか峠」第三部) その22の2

64 :
 菊之助が座敷に顔を出してからは、その目の必さが浪乃進の目に焼きついている。あ
の子を自分は守ってやれるだろうか。自分自身が、囲われ者のような立場でどうやって菊
之助を守ってやれるのだろう。
 菊之助が突っ走ってしまうような気がした。
 三日もしないうちに浪乃進の危惧は現実のものとなった。中坪がまわして来た回状は
「急告
 戸山菊之助殿、年少ながら御仇討ちの御決心固く。最後の仇討ちの機会を熱望すること
頻り也。その殊勝なる心根に感じ、卒爾ながら中坪、熊造と菊之助殿の再試合を、御とり
はからひ申し候。
 期日 翌十日 
 場所 紅くも屋南庭
 得物 木刀
 立会人 熊造に 重四郎、菊之助に 不肖中坪
 
 菊之助殿本懐遂げ候あかつきには、御家再興のため江戸にまかるも苦しからず。但し、
不首尾なる程には、紅くも屋にて尻穴女郎の研鑽を積む約定。右、武士に二言無きことを
誓約候こと、まことにいさぎよく天晴れの所業、云々…」
 三文仇討ち芝居にはまった米屋の手代が書いたような、あやしげな文章だが、中坪の手
下にも文字の書ける者が居るらしいことは分かる。そして、中坪の企みは明白だった。
 三次はこの回状について、 
「こりゃとんだ茶番だ、浪殿。中坪は、菊之助殿の客になりそうな旦那衆をこの試合見物
に招待してるって話ですぜ。
 まだ抵抗している菊之助殿をおとなしくさせ、同時にその可憐なお姿を旦那衆におひろ
めしてようって魂胆だ。ガマの癖によく知恵が回るぜ」
再会(「なんとか峠」第三部) その23

65 :
 三次が翌日の朝やってきて、
「浪殿、竹内のご隠居が晩から中坪に談判してこの茶番に待ったをかけようとしたんだが、
中坪は、菊之助のことには一切口出しは無用の一点張りでらちがあかねえ。ご隠居はすっ
かりご立腹で、浪殿には済まねえことになったと言っておりやした。で、そろそろ南庭で
はじまりやすが、どうなさいます?」
 浪乃進はここに座っていても気が気でない。三次に付き添われて、回廊にまで出て行っ
た。
 「南庭」は廓の奥座敷に面した砂地の庭で、紅くも屋の連中はたわむれに「おしらす」
などと呼んでいる。南庭の一方は座敷の広縁に面し、三方を回廊が取り巻いている。
 今日、座敷には、中坪や、上等な着物の旦那衆、太夫なども出て、もう酒盛りを始めて
いる。回廊には、紅くも屋の女郎や芸者、三下やくざなどが一杯に席を占めている。回廊
に上がれない下女や下働きの男などは回廊の下の植え込みの間に群がって、庭をとりまい
ているのである。
 
 浪乃進の姿を座敷から目ざとく見つけた中坪は上機嫌で、
「おお、浪殿。遅いじゃねえか。そんな廊下の端っこにいるもんじゃねえや。こっちだこ
っち。常陸屋の旦那のおそばがいいんじゃねえか。」
 と手招きする。
 しかたなく、浪乃進は、座敷に上がって常陸屋のそばに座った。着物は上物だが猿顔の
常陸屋は、さっそく浪乃進にお酌をさせて醜い顔を赤らめている。

 中坪に、もう一度だけ命がけの勝負をさせろと、執拗に懇願していた菊之助さえ、急に
昨日中坪が、「もう一度熊造と勝負させてやる」と言い出したのには驚いた。
 ただ、菊之助は裏を読んだりしない少年だけあって、勝負の期待に喜び勇んでいた。最
後の機会が訪れたのだと思う。ここは、なんとしても勝たねばならぬ。
 権助が格子の向こうから、「食事をお持ちしました」と告げる。
 権助が持って来た膳には、いつもの粥、漬物の他に、焼き栗が置いてあった。
「権助、これは?」
「へえ、本日は菊之助様が念願の仇討ちに参られます。権助が庭の落ち葉で焼きました栗
を 『勝ち栗』とお見立てくださいますよう。」
「おお、権助。…」
 菊之助は権助の暗い表情の無い顔面をしばらく見て、ここに意外な忠義者がいたことに
気づいて涙ぐんだ。
「もののふを知るは草莽辺境を異とせず、とは父の教えであったが、ここでお前のような
誠を持つ者に出会えるとは、…」
..再会(「なんとか峠」第三部) その23の2

66 :
食後権助は衣類箱をととのえて戻ってきた。
「御召し替えを、下のものはすべて洗い立てがよろしいかと」
 下帯や襦袢は昨日の今日であるから、陽に干す暇は無かった。夜中に洗い、権助はこれ
を抱いて寝、体温で乾かしておいたのだった。
「おお、すまぬ」
 菊之助はすっぱりと着ていたものを脱ぎ捨てた。権助は膝をついて、召し替えを手伝う。
薄暗い座敷牢の中で菊之助の裸身は青白い妖精のようだった。菊之助が締めていた下帯を
解くと、股間の宝物がぷるんとぶら下がった。
 菊之助は下帯の締めから権助の手に任せた。これを忠義の儀式ととったのだ。権助は息
も詰まる思いで、洗い立ての下帯を持って。
 権助が、下帯を持って膝を突き、菊之助の股間に布を回した。何の疑いも持たない菊之
助は、
「しっかり締めて、勝負の気合を入れてくれ」
「ははっ」
 
 菊之助の美しい尻の半球に一端を挟み入れ、股間に通した布で、雄雄しい印を包み込ん
でいく。権助の手は震え、自分の股間の醜いものが密かに硬直するのを覚えた。菊之助の
睾丸の袋を布にうまく包み込んで締めにかかる。この微妙な温かみと柔らかさ、充実した
感触、その感触に権助は戦慄した。布を回して、菊之助の尻を通す段で、権助は思わず、
そのふくらみを手の甲で広げるようにした。谷に潜んでいた、薄紫の蕾がちらりと見える。
痺れるような欲望が彼の体を走り、権助の動作は一瞬硬直した。目からは涙がこぼれた。
菊之助は決戦前の高ぶった心で、これを忠義の涙と見た。
「権助、よい身支度をしてくれたな。菊之助はなんとしても勝ってくるぞ。」
再会(「なんとか峠」第三部) その23の3

67 :
 これから南庭に出て行こうとするところに中坪が顔を出して、
「菊之助、お前の望みどおりの勝負だ。一言だけ言っておくが、約束をたがえるなよ。約
束をたがえば、兄上にその責任をとってもらうからな」
 菊之助は、兄上の身に危害を及ぼすくらいなら、自分がぬほうがよっぽど楽だと思っ
ている。それほどに、彼は兄を愛していた。
 
 熊造は襷掛け、着物は尻はしょり、脚には脚絆の雲助姿で庭に下りてきた。
 つづいて、菊之助が木刀を持ち、襷掛け、袴の股立ちを取った姿で現れると。見物から
はため息のような声が洩れる。小姓髷でなく、洗い髪を単純に後ろに束ねた姿は、むしろ
この少年の美しさを引き立てているように見える。
 遠目にも彼のばら色の頬には睫毛の影が濃い。きびしい表情の横顔も見る者に甘い感情
を呼び起こしてしまう美しさだった。物見遊山の見物人の中にも、その菊之助を一目見て
不思議に切ない気持ちになってしまう者が多かった。
 菊之助自身は座敷や回廊の見物人を軽蔑するように流し目で一瞥しただけで、敵の熊造
に目を据えたまま、庭に下りてきた。
 一般の見物人の、あっぱれ美少年剣士、というような視線ではなく、異様にねっとりと
した視線で菊之助を見ている人物も居る。中坪の上客である常陸屋である、常陸屋は猿の
ようなしわの寄った醜い顔の人物だが、体裁は立派である。帯も羽織も、上方風の一級品
で渋く決めている。常陸屋は菊之助の姿に目をらんらんとさせて、
「おお、あれがお菊か。可愛いものじゃのう。あんな顔をして、けっこう憎まれ口をたた
くそうじゃないか、中坪」
「旦那、けっこうどころの話じゃありませんぜ。あっしまで、ガマだの豚だの、臭い体で
近づくなだの、。あの首斬りおとしてやろうかと何度思ったことか。ああ可愛くなきゃあ
とっくにっちまうとこでさ、」
「馬鹿者。お前のような乱暴だけが取り得の男に、お菊の美しさの価値はわかるまいよ。
お前みたいな奴とは、もともと菊之助は別の生き物なんだ。おお、早くにこの膝の間に座
らせて可愛がりたいものじゃ。あの白い首筋から手を入れて、この手でとくと…」
 
 傍らの座に居る浪乃進は、常陸屋の淫らな言動にも吐き気を覚えたが、「斬る、る」
のことばには強く怯えた。自分が斬られるのはなんでもないが、菊之助のを思うと怖い。
やはり自分は弱い人間になってしまったと、手が震えるのを抑えていた。
再会(「なんとか峠」第三部) その24

68 :
 立会いがはじまった。
 木刀と言う武器を、剣術をあまり知らない人は、「練習用道具」のように考えるかもし
れないが、これは使い手によっては致命的な武器である。そして、若年ながら菊之助はそ
うした腕を持っている。しかし、真剣とは違うことも事実だ。真剣ならば菊之助にかなり
のチャンスがあったろうが、…、浪乃進の冷静な心はそう筋書きを読んでいた。
 熊造には重四郎がついて、ずいぶんと知恵をつけてきている。菊之助とまともに打ち合
う気は始めから無い。菊之助の剣先が自由になる間合いでは、頭への斬撃と、首への突き
だけを避けて肩でも腰でも打たせる、つもりだ。
 菊之助は背筋のぴんと伸びた素直な正眼で、じりじりと間合いを詰め、果敢に真っ向か
ら打ち下ろした。熊造がこれをまともに受ければ、受ける瞬間に刃筋をずらして横にはじ
く、そして間髪を入れずに横面に切り返す。熊造の技量ではこれを受けきれず頭をスイカ
のように割られることになる。
 しかし、熊造はみっともなく頭をだけ守って、肩でも腕でも打ちやがれと前に突っ込む。
つんのめったついでに菊之助の脚を払いに行く。
 これを牛若丸のようにかわした菊之助はツバメのよう身を翻し、刃を返して下段からき
りあげる。
まともな剣術ならこれを剣を横に立て返して受けるところだが、熊造は脚絆の脛を上げて
この剣を蹴り飛ばしながら、木刀をぶん回した。菊之助はたくみに脛をすりぬけて切り上
げ熊造の股間を打った。その瞬間熊造の木刀のどこかが菊之助の顎をかすった。相打ちだ。
「げっ、き、金玉つぶすきかっ、この野郎っ」
 熊造の悲鳴交じりの怒声が、上がる。
 
 菊之助の鉢巻がとんだ。熊造は受けるでもなく突進するでもなく絡み付いてくる。もう
ひと間合いがあれば菊之助は熊造の脳天を砕けそうなのに、その間合いに一瞬早く熊造は
もぐりこんで、恥も外聞もなく背を打たれながら足を払いに来たり、袴を掴んで押し倒し
に来る。
 『いけない菊之助、真剣ではないのにお前は刃筋を使っている。刃筋にかまわず打ちこ
んで間合いをとれっ!』浪乃進はそう心に叫んだが、声は出なかった。
 
 熊造は間合いが詰まるともう押しに押して離れなかった。重四郎の読みどおりだ。真剣
ならば鍔がぶつかる程の間合いからでも、押されつつ柔らかく手首を返して一瞬に刃筋を
相手の頚動脈に押し当て、これをを切り裂くことができる。
 幕末の京、杉岡源蔵の鷹司卿しで有名である。鷹司は公家のくせにかなりの使い手で
襲ってきた杉岡を逆に御所の塀際に追い詰めた。塀の影に入るまでは優勢だった鷹司が、
不意に倒れ、月明のなかに出てきたのは襟元から返り血を浴びた杉岡だったという。しか
し、木刀では、この手は使えない。
再会(「なんとか峠」第三部) その25

69 :
 熊造は木刀など捨てて菊之助にしがみつき押し倒した。
「くっ、卑怯なっ」
「うるせえ、もう一回いいことしようぜ坊や」
 熊造は菊之助にかぶさるようにのしかかると、袴のひもをひき外しにかかった。
「あっ、何をっ」
 熊造が思い切り引くと袴の紐はあっけなく切れてしまった。それでも菊之助は鮎のよう
に俊敏に熊造の腕に袴を残してすり抜けた。
 しかし、砂地に立った瞬間、菊之助の下半身は下帯だけになっていた。半身を晒して衆
目の中に立っている。それを自覚した瞬間に躊躇した。それがいけなかった。トカゲのよ
うに這い寄った熊造が、菊之助の細い足首を掴み引き倒した。足をすくわれて倒れた菊之
助は砂地とはいえ頭を強く打ち朦朧となってしまった。
 熊造は先ほど下段から切り上げられた陰部が痛いらしくしきりに毒づきながら、菊之助
にのしかかり上の着物を剥ぎ取り、髪をつかんで乱暴に怒鳴りまわした。
「まったく、何度も何度も世話の焼ける小僧だぜ。くそ、おいっ。俺の金玉、腫れ上がっ
てきたぜ、てめえのも潰してやるっ」
そこで声がかかった。
「そこまでっ、勝負はそこまでだっ」
 中坪は大声で熊造を制した。思惑どおりの展開になったが、熊造に大切な菊之助を傷つ
けられたくはない。
再会(「なんとか峠」第三部) その25の2

70 :
 「菊之助、終わりだ。仇討ちは終わりだ。お前は負けたんだ。」
 ようやくに意識がもどってきた菊之助は呆然と座り込んで中坪の方を見た。
「わ、私は負けた、負けた…」
「そうだ、負けたんだ。見ろ、お前は着物も着ていない、下帯ひとつに剥かれて、お前の
剣はどこかへ飛んじまってる。負けだな。誓約書は覚えているな、立会いに負けたら俺の
言うことは何でも聞いて、女郎の修行に入るって。誓約を破るようなら大好きな兄上にも
害が及ぶんだぜ。」
 菊之助はやっと現実を把握しはじめた。菊之助の大きな目が瞬いて美しい涙をこぼした。
「なにを泣くことがある。女郎といってもな、行儀作法をちゃんとすれば、お前なら紅く
も屋の最上位の太夫と張り合えるぜ。つらいことばかりじゃねえよ坊ちゃん。ここにいら
してる常陸屋の旦那なんかすごく優しくしてくれるはずさ。お行儀よくなったら、そこの
太夫みたいに綺麗な着物も着れるんだぜ。」
この時、熊造がむくむくと起き上がって
「おうおう中坪の、黙って聞いてりゃ随分調子のいい話じゃねえか。俺はこいつに金玉切
り上げられてずきずきしてんだ。仇討ちは終わり、はいご苦労様でたまるもんかい。立会
いの相手は俺なんだ。この小僧、俺が煮ようと焼こうと勝手なはずだぜ。」
再会(「なんとか峠」第三部) その26

71 :
 中坪のガマ顔が赤黒くゆがんだ。熊造は重四郎の下郎で、直接の子分ではない。
「わかったよ、熊造。菊之助よ、こういうわけだ。熊造の兄イは金玉が痛えとさ。女郎は
男に優しくするのが第一だ。そこで兄イの痛んだ金玉を優しく舐めて手当てしてやんな。
早速修行の始まりだ。約束だぜ、さあ、ぐずぐずするない」
 熊造は、単純にころりと機嫌を直した。衆目の中だろうとこの男には恥ずかしさなど無
い。薄汚れた下帯を取っ払う。そして、ぼんやり立っていた菊之助の髪つかむとを無理や
りひざまづかせた。
「ほれ、血はにじむは、腫れるはで痛くてしょうがねえ。舐めな、小僧。」
 菊之助の気力の全てを占めていた仇討ちの失敗が、この少年の手足の力をほとんど奪い
去っていた。涙を恥と心得ていたものが、今はとうとうと流れて止めようがない。
 膝が砂地に食い込む。まるで糸の切れた操り人形が、頭だけ掴まれてぶら下げられてい
るような姿だった。菊之助の目前に、渦巻く毛だらけの男の股間が覆いかぶさってきた。
同時に、胸の悪くなるような性器の臭いが菊之助の鼻孔を襲った。
 庭を取り巻いている回廊の見物人は、意外な展開にじっと成り行きを見ている状態であ
る。こういう行為を期待していた男共は、興奮で身を乗り出して来る一方、露骨な行為に
赤面して顔を伏せる女などもいる。
 浪乃進は、あまりのことに胸の中が火の様になって、こぶしを握って膝を立てた瞬間、
後ろから三次の手にがっしりと押さえられた。それを、横目で見て中坪はにやりと笑う。
再会(「なんとか峠」第三部) その27

72 :
 熊造の陰茎は、いわゆる長棹で勃起前でも菊之助の顔の長さほどある。それが、菊之助
の鼻先で、黒みがかった紫の亀頭をゆっくり持ち上げた。その胴は爬虫類的なてかりを見
せ、汚らしい斑点までついている。その恐るべき首長竜はもう菊之助の、上品な唇あたり
に、ぐにぐにと先端を押し付けて、恥ずべき行為を強要していた。
 菊之助は髪を両手で掴まれていて、厭々することもできない。
「ほれ。てめえがやった玉ぶくろの傷の手当てだぜ」
 熊造の睾丸の袋には、木刀がかすめた擦り傷があって、皮の一部が青黒い筋になり出血
もしていた。
「口をあけろっ。かわりにてめえの兄貴にここで舐めさせるか?」
 菊之助は涙にぬれた顔をきっと上に向け、熊造を振り仰いで、
「こ、この立会いは、わたくしの一存でお願いしたもの、兄とは別のこと。わたくし一人
の責任でございます。」
 そして、頬を真っ赤に染めて、胸の悪くなるような匂いを我慢して、熊造の睾丸に花び
らのような唇をつけていった。この男の股間全体に密生した陰毛は、睾丸にさえわさわさ
と生えていて、不潔感を増幅している。そろりと舐め、菊之助は不潔な睾丸の皮膚のぶつ
ぶつした陰毛の毛根を舌で掻き分けるように舐め、その先に傷を探り当てた。
「そうだ菊之助、そうやって手当てするんだ。お前のいい匂いのつばきをたっぷりと出せ、
ぱさぱさの舌で舐めるんじゃねえ。たっぷりと口に溜めて、そうだそうだ…」
 菊之助は泣く泣く懸命に唾を口に溜め、その唾を睾丸の傷に注ぐように、醜怪な下郎の
性器を舐め上げていった。
再会(「なんとか峠」第三部) その28

73 :
 座敷でも回廊でも、この行為を前にして、人々は騒ぐというより目を奪われて静まり返
った。嘲笑よりも罵倒よりも、この沈黙の場は、浪乃進と菊之助にとって、赤恥で炙られ
る鉄板のようだった。
 ようやくに、ひそひそと、声が出始めた。
「武士の子が、あんな…」「舌を噛んでぬぜ普通」「いや、それをやりゃあ兄貴が引き
出されるって因果を含めてるんでしようがないのさ」「それにしても、なんて綺麗な子
だ」「花びらのような唇で…」「あんな、汚らしいものを」「天女にどぶねずみでも咥え
させるようなもんだぜこりゃあ」「あの雲助の野郎、鼻の穴三倍くらいおっ広げて、さぞ
気持ちいいんだろう」「あの唇やわやわで、唾をたっぷり含んで、絶品だろうな」
「あれあれっ、なんだぁ。熊の野郎。調子に乗ってお道具の本体まで構えてやがるぜ」
「汚らしい亀頭で、菊之助殿の顔面を嬲りまくってるぜ」「げす野郎め、菊之助殿があん
なに泣いて眉をしかめているのに」「傷が治ったどころか元気付いてるじゃねえか、しよ
うがねえな熊の野郎」「菊之助殿、息もできないご様子じゃないの、目に一杯涙を溜めて、
ああら可愛い」
 熊造の首長竜は鈴口からエイリアンの様にねとねとの液を吐きながら、菊之助のまぶた、
頬、鼻の穴と転げまわってますます元気付いていた。
「坊ちゃんよ、おめえの治療が効いたぜ、俺の玉ぁ治っちまったようだぜ。だけんどよ、
治り過ぎてよ棒のほうが暴れ出しやがった。こっちも鎮めてくれなきゃあ片手落ちだぜな
あ。それ、口をがばっと開けな。小僧、開けねえかいっ」
 熊造はじれて、菊之助の素直な鼻をぐいっと摘み上げ、苦しがって可憐な唇が開くのを
狙う。それは本当に小さな京人形のような口だったから、最後に熊造の陰茎が押し入った
時は無惨にも、顔全体が歪むかと思われた。
 突き上げるように勃起した上向き状態で入った陰茎は、菊之助の口蓋の上を削るように
掘っていきなり扁桃腺まで突いた。
「げふっ、…っ、…」
 菊之助は地獄の中にいた。息が詰まる。喉を突かれて強い吐き気が襲う。うつくしい白
い眉間に筋が立つ。必で鼻から吸う息が「ひゆーっ」と哀しい細い音をたてた。
..再会(「なんとか峠」第三部) その29

74 :
 亀頭は快楽に狂うように、菊之助の喉から、舌、口腔の側面と暴れまわり転げまわった。
『苦しい、苦しい、もうだめだ、息が詰まる、もうやめて』
 熊造は気持ちよさに、陰毛の茂みに菊之助の顔面を埋没させるまで押し付け、男根を根
元まで押し込んだから、菊之助は鼻の穴からさえ息が吸えなくなった。
 『苦しい、もう、もうだめだ』
 菊之助が窒息する寸前、
「いいぜ坊や、気持ちえかった」
熊造は腰を引いて唾で濡れ赤っぽい物をぬらりと菊之助のおちょぼ口から引き出した。
 ジュボっと下品な音がして、唾液がだらだらと菊之助の口から溢れて熊造の陰毛に滴り、
砂地に落ちた。荒い息をつく菊之助の唇から、唾液が糸を引いて熊造の亀頭に橋を架けて
いた。しつこくちじれた熊造の陰毛が菊之助のおちょぼ口に何本も絡んでくっついている
のがいかにも無惨だった。涙が、溢れた。
 菊之助はやっとまともに息がつけたが、髪をつかまれていて顔を熊造の股間から遠ざけ
ることは許されなかった。だから、やっと吸い込んだ空気は熊造の毛だらけの股間の腐っ
たような雄臭だった。
「ああ、後生だから、…もう、もうやめて」
再会(「なんとか峠」第三部) その30

75 :
 熊造は無情である、男根への奉仕を終わらせる気は無い。
「一息ついたら、お菊よ、舌を使え。玉も棒も舐めあげてくれや」
 菊之助が男の物を口に咥えるなどもちろん生まれて初めてだが、この地獄の中で菊之助
は本能的に、熊造が、この醜怪な器官に求めている何かを理解した。その淫らな欲求を満
足させてやる以外にこの地獄は終わらない。
 『回廊にいる男達が女達が見ている。自分は、下帯一つでひざまづいて、この下郎の臭
い男根を舐めて、見世物になるのか…。下帯だけのお尻をみんなに見せて。こんな菊之助
を見られ、嗤われ、哀れまれ、赤恥を晒して…でも、兄上の身に万一のことを引き起こし
てはならぬ…』
 こみ上げてくる羞恥の感情と、目の前の物の強烈な臭気を、すべて涙と共に呑み込んで、
菊之助は唇を開き、子猫のように小さな舌を出し、そして、けなげに熊造の性器をそろり
そろりと舐め始めた。玉袋がしわしわと股根にぶら下がるどす黒い部分。その下の膨れた
睾丸。筋立った気味の悪い男根の側面。裏筋、鈴口へと、ぴちゃぴちゃと音をたてて舐め
ていく。
『こうすればいいんでしょう?はやく、はやく終わってください。早く終わって、おねが
い…』
 男根に這う太い血管は、菊之助の舌に反応してびくりびくりと脈打つ。
 
 この稚拙な舌技が、思いの他熊造を追い込んだようだった。
「おーっ、ああ、お菊、いい子だ、おお、うまいじゃねえか」
 熊造は気持ちよさで有頂天になり、腰を右に左にくねらせながら、菊之助の髪を掴んで
自分の不潔な股間に思いっきりその顔面をこすりつけるように押し付けた。そしてもう一
度その凶器を菊之助の喉に突き入れた。更に膨張した物を根元までこじ入れられ、顔面か
ら熊造の陰毛の股間に押し付けられて、菊之助は再び息ができなくなった。
 酸素不足、吐き気、その上に巨大な陰茎の圧力で菊之助の顎は外れるかというほどに広
げられ、熊造の股間に顔を挟み込まれたまま、細い体は危険な痙攣状態を示していた。
「お菊、行くぜ。おお、おおおっ」
..再会(「なんとか峠」第三部) その31

76 :
 熊造が、菊之助の口に大量の精を放ったとき。口いっぱいを熊造の膨張した性器にふさ
がれていたため、喉に収まりきらない精液は、菊之助の鼻から逆流して噴出した。熊造が
満足して手をはなすと、菊之助は仰向いたまま、空中に白い液を噴きながら、倒れた。遠
目には小さな花吹雪を舞い上げて、倒れたように見えた。
 回廊から眺めている女共からは、悲鳴があがった。美しく可憐な者が、言いようもない
程ひどい仕打ちを受けたのだ。太夫は、袖で顔を覆ってしまった。下働きの女共さえ、ほ
とんど顔を伏せた。気の毒なお小姓のために泣いている者もいる。
 菊之助は砂地に倒れて、口と鼻からは黄色がかった糊のような液を大量に吐き、少年の
繊細な頬から顎は、その汚らしい液がくねり流れ、ねとねと汚されていた。着物も袴も引
き剥がされていたから、白い下帯だけがその股間を守っていた。倒れた菊之助の体つきは
思った以上に幼い華奢な体をしている。しきりに咳き込むたびに揺れる肉の薄い腰、真っ
白な肌に浮いたあばら、薄い肩は細かく細かく震え、それがすすり泣きに変わって行った。
 
 回廊の下から一部始終を凝視していた権助が泣きながら飛び出してきて、菊之助の体に
すがり羽織をかぶせた。
 中坪も、ここに至ってこの仇討ちの淫猥な結末に、満腹したらしい。これを制止するこ
とはなく。三下共に指図して
「権助に手を貸して菊之助を、座敷牢まで運ばせろ」
 と命じた。
再会(「なんとか峠」第三部) その32
 エロに辿り着くまでに、大変な字数がかかるのが
 俺の悪い癖で、こんな長たらしいのにつき合って
 もらえるのか?それとアク禁来ませんように.
 log2-256のオニ

77 :
もはや歴史小説だな•••乙です

78 :
読ませるねぇ、嫉妬さえ覚えるよ
嫉妬しても憎しみが湧かずに、ただ続きが欲しくなる
そして俺の首長竜もガマン汁を吐き出すのだ

79 :
くそっGJだくそっくそっ

80 :
上のほうでラジアータ書いてた奴です。
最初また二次で行こうと思ってたんですけど(サモナイとかスタオーとか)やたらと説明臭くなりそうなんで無い知恵絞ってオリジナルです。
一応エロ進行考えてはいるんですけど多分物凄く時間掛かると思うんでそれでもOKな心が海の如く寛大な方以外は見ない事をオススメします(以上注意書き)。

空はまだ夕の帷を下ろす直前だった。
日差しと日陰のコントラストは未だ鮮明で、気温もまだまだ下がる気配は無い。
子供達は授業と言う枷から解放されて、これから何して遊ぶか等自由な時間をいかに消化しようかと画策する。
そんな往来であるにも拘わらず、一人の少年が入り組んだ住宅街を疾走していた。
年端もいかない子供の一種の象徴とも言える真っ黒なランドセルが、少年の背中で激しく上下に揺れていた。
そして、その少年の後方で彼と同い年程度の少年が二人。
やはり二人も彼と同じく住宅街を疾走している。
それは旗から見てもおいかけっこなどという生ぬるいものではないのは明白だった。
前方の少年に対し、明らかに何かしらの敵意を読み取れる。
「待てよ、ユウ!」
後方で声を張り上げられ、ハルと呼ばれた少年は走っていたにも拘わらず一瞬竦んでしまう。
だがそれよりもずっと深くに潜んでいる少年の『何か』が、更なる警鐘をならしていた。
「うっ…」
「はぁ…はぁ…。やっと止まって…」
「うああぁぁ!」
「あ、おい!」
肩に触れられる直前のほんの刹那とも言える間に、硬直から解放された少年は再び走り出した。
不意を突いた事もあり二人の少年は完全に引き離された。
「くそっユウの奴…っ!」
「こうなったら無理だって。諦めろよもう」
一人は電信柱に八つ当たりをしながら、もう一人はそんな少年を宥めながら『ユウ』が消えて行った先を見つめていた。

片瀬悠葵(かたせゆうき)が漸く足を止めたのは、展望台替わりになっている公園に足を踏み入れてからだった。
既に何人かの子供達が公園で遊んでいたが、自分には関係の無い人間ばかりなので気に留めないようにする。
切り開いた山に建てられた住宅街の頂上に位置するこの公園の、更に木々の茂みの奥へと悠葵は足を踏み入れる。
明らかに人が通るような道では無く、鬱蒼とした草木を悠葵は慣れた足取りで乗り越えていった。
やがて、地層が剥き出しになった小さな崖の麓に抜ける。
その場所だけは雑草が殆ど生えておらず、邪魔な枝も無い。
暖かい陽の光がカーテンが波打つ様に降り注ぐ。
誰の人目にも触れない、ここは悠葵のお気に入りの場所。
自分以外誰も知らない、稚拙な秘密基地。
“誰かと居る事”が怖くなると、悠葵は決まってこの場所を訪れる。
そして、独りで膝を抱えて泣き続ける。
最早これは日課になってしまった。

81 :
「うっく、うぇ…」
大声を出すとこの場所がばれてしまうので、出来る限り声を抑える。
それ故にに気持ち悪いモノを発散出来無い歯痒さが、彼を更に蝕んで行く。
啜り泣きに泣いて顔の前の酸素が足りなくなると、悠葵は顔を上げた。
「へ…? うわっ!」
大きく息を吸い込もうと体を反って崖に凭れ掛かろうとしたその瞬間、悠葵の体は更に角度を広げる。
何故か本来そこにあった筈の地層の壁が無くなり、悠葵の身体をすっぽり覆う程度の幅の洞穴が出来ていた。
ほんの一瞬の出来事で思考回路が十分に機能せず、悠葵はただその洞穴の深みへとどんどん落ちて行く。
「うわわわっ何で、あたっ!」
滑り台を仰向けで、しかも頭から勢い良く滑り落ちると言う最悪の体勢だったが、漸く終点に着いた時の痛みは余り無かった。
柔らかい草花の甘い匂いがした。
「あたた…。何でこんな穴が。それに、わあ…」
つい先刻泣きぐずっていたのは何処へ行ったのか、悠葵は思わず感嘆の声を溢した。
背中や膝の泥を払い、改めて景色を見渡す。
見渡す限りが一面の緑色の野原。
よく目を凝らして見ると、緑色の中に点々と白や黄色の小さな花が咲いているのが分かる。
それとは対照的に軽く突き出た小山の背景に映える、正に絵の具で塗ったかの様な一面の青空。
何よりも山の上に一本だけ生えている大きな樹には目を奪われた。
「すごい…。すごく、きれいな場所」
低学年の子供ながら、その芸術的な絶景の良さは理解出来る。
本能に釣られるまま悠葵は山の上の一本樹へと歩き始めた。
近付けば近付く程視界を覆う巨大樹にだんだん早足になり、気が付けば悠葵は駆け出していた。
「はぁ…はぁ…。すごい、本当におっきいなぁ」
遂にその樹の根元へと到達する。
樹齢と言う言葉は悠葵にはまだ解らないが、凡そ数百年は経ったであろう巨大樹に、悠葵は完全に心を奪われていた。
木陰を作る光の雨が辺り一面に降り注ぐ。
冬も本格的に真っ盛りだと言うのにこの場所の気温は暑くも寒くも無く、心地好い空気が流れていた。
「誰?」
「え…?」
深呼吸をしてみようと目を閉じると、突然悠葵は誰かに声を掛けられる。
身体が強張り、心臓が跳ね上がる。
公園の子供達とは違い、今度は自分に対して掛けられた言葉なのだから。
それでも声を掛けられからには振り向かない訳にもいかず、悠葵は恐る恐るゆっくりと振り返った。
次第にその声の主が視界に入るにつれ、悠葵は目を見開く。
「君、は…」
声の主が驚いた様な呟きが聞こえた。
その時、二人の間を暖かい風が吹き抜けた。
幼い声の主は意外にも紺色のブレザーを身に纏い、首元に赤と黒のラインが刺繍されたネクタイを絞めた男性だった。
その服装から察するに、中〜高生程度の年齢はあるのだろう。
しかしその厳格な雰囲気のある服装と、それを纏う身体は最早常に不釣り合いとしか言い様が無い。
先ずはその一瞬の目測だけでも直ぐに華奢と分かる小柄な体格が、制服との相対印象を完全に引き下げている。
袖から覗く小さな指は白くか細く、少し力を入れてしまえば簡単に折れてしまうだろう。
何より彼の中性的でふんわりと整った顔立ちが、余計にそのギャップを引き立ててしまっていた。
それでも辛うじて男性と見れるのは、悠葵もまた似た境遇にあるからだろう。
(何だか、可愛い人だな)
「どうやって君はここに来たの?」
「え? あ、えっと…」
問答に気付くまで彼に見入っていた悠葵の返事は、何とも歯切れの悪いものだった。
そう、見入っていた。
他人との接触を何よりの恐怖と感じてしまう自分自身が、一番驚いていた。
「?」
「あ、その…。変な穴に、落ちて…」
遂に彼が怪訝な表情を浮かべてしまったので、悠葵は結局歯切れの悪い返答をしてしまう。
「穴?」
「うん。公園の藪の中に崖があって、何故か変な穴が空いてて…」
「公園…崖……」
眉を潜めて彼は考え込む様に唇の下に人差し指を当てた。

82 :
「まさか…今更僕にどうやって…」
「え?」
「ううん、ごめん。何でも無いんだ。それより、何で君は独りでそんな所に居たの?」
「それは…」
尤もな疑問だった。
そんな常識的に考えて誰も踏み入らない場所に居て、その事故によってここに来てしまっているのだから。
「学校が終わって帰ろうとしたら、クラスの子にいきなり話し掛けられて。それで…怖かったから、逃げて来たんだ」
「怖かった?」
「その…ぼく、誰かと一緒に居るのが恐くて。誰かに触られたり声を掛けられたりすると…」
「そうなんだ。じゃあ一つ聞くね。今僕とこうして話している間も、君は怖いって思ってるの?」
無言で悠葵は何度も首を横に振る。
自分でも不思議で仕方が無いのだが、彼に対しては恐怖も何も感じない。
寧ろよく解らない何かに惹かれている気がして、それもまた不思議だった。
「そっか。良かった」
そう言って、彼は柔らかく微笑んだ。
胸が高鳴った。
自分の顔が変に熱くなっていた。
(何だろう。すごく、ヘンな感じ。だけど、イヤじゃ無い…)
「え、えっと…。じゃあ、お兄ちゃんはどうしてここに居るの?」
「僕は、そうだね。ある人を、待ってるんだ」
「ある人…?」
「そう」
いろんな選択肢が頭に浮かんだ。
彼の両親か兄弟か友達か。
少しませた考えを付け加えると、恋人もあり得る。
「いいな…」
「どうして?」
思わず呟いた言葉が、どうやら聞こえていた様だ。
ここは正直に白状するのが正解だろう。
「お兄ちゃんは自分で待てる人が居るんでしょ? ぼくにはそんな人は居ない。待ってても、ぼくは逃げてしまうから」
「だろうね」
「う…」
あっさり同意されてしまうのも複雑な心境だが、その通りなので言い返せない。
また、藪の隠れ場の時と同じ様に悠葵の表情は沈んでしまう。
俯いた景色は日陰の草花と彼の身体の下半分だけ。
「大丈夫だよ」
「え? はわっ…」
暖かい感触が頭の上に伝わる。
彼の儚く小さな手が、悠葵の頭をゆっくりと撫でていた。
「君は分かっているんだよね。本当は自分自身でその恐怖を乗り越えなきゃいけないって。その気持ちがあれば、きっと大丈夫」
「お兄ちゃん…」
もう一度、彼は優しい微笑みを向けてくれた。
鼻の奥がつんとなり、視界が歪む。

83 :
「ふぇ…えっぐ…」
「我慢しなくて良いよ。今は気持ち悪いモノを全部流して、これから頑張ればきっと大丈夫だから」
「わあああぁぁ!!」
綻びかけていた緊張の糸は呆気なく引き千切られた。
隠れ場で棄てきれなかったモノが全て押し流されていく。
自分が嫌いだったモノが全て吐き出されていく。
見た目は自分よりもほんの少しだけ上に見えても、彼の胸の中は広く暖かかった。
言葉にならない声で「ごめんなさい」と何度も繰り返す。
仕方が無かったでは済まされない、今まで自分が無下に扱ってしまった者達へ。
本当を圧ししていた自分自身へ。

「少しはすっきりしたかな?」
「うん。その、あり…がとう」
顔も目も真っ赤になった悠葵は、深々と頭を下げる。
「そんなにいきなり畏まらなくても。僕はただ君の話を聞いただけだから」
「でも、ぼくたくさん泣いちゃったから。だから聞いてくれたお礼」
「あはは、参ったね…」
何とも微妙な笑みを彼は浮かべていた。
直前まで大きく頼もしく思っていたのに、慣れない境遇におどおどするその様が、変に可笑しくて仕方が無かった。
「もう、帰らなきゃ。おばさんが心配するから。本当にありがとう」
もう一度深くお辞儀をして、悠葵が回れ右を終える直前。
「待って」
彼に呼び止められ、上半身だけもう一度振り返った。
「また、この場所に来ると良いよ。どうすれば良いか迷ったら、いつでも教えてあげるから」
「本当!?」
「本当だって。だから、頑張ろ?」
「うん! やったぁ!!」
「うゎっとと…」
嬉しさの余り、悠葵はまた彼の胸に飛び込む。
咄嗟の出来事で彼の対応が間に合わず、二人諸とも草原に倒れてしまった。
「痛…どうしたのさ、いきなり」
「あぅ、ごめんなさい。だけど、やっぱり嬉しいんだ。またこれるのも、お兄ちゃんに会えるのも」
「嬉しい?」
「よく分かんないけど、ここって本当は来たらいけない場所なんだと思う。でも、こんなに綺麗な所なのにもう来れなくなるのは残念だもん」
「綺麗…」
「そうだよ。でも一番の理由はね、お兄ちゃんとたくさん話をしたいからなんだ。ぼくの怖がりを治すとかじゃなくて、えっと…とにかく、いろんな話をお兄ちゃんとしたいから」
「あ、ありがとう…」
悠葵の素直な気持ちをストレートにぶつけられた彼は見事に赤面していた。
当然と言えば当然なのだが、それをそうと感じる程まで悠葵は成長してはいない。
子供のシンプルな好きと嫌いの単純選択。
「…そろそろどいてくれると助かるんだけど」
「あ、ごめんなさい! …あはは、何かぼく謝ってばかりだよ」
「だね。でも、それは決して悪い事ばかりじゃ無いんだよ。君の言葉には、本当に「ごめんなさい」って気持ちがある。うわべだけで謝るよりずっと大切な事だよ」
「うん」
膝小僧の土を払い落としながら、悠葵は大きく頷いた。
「そうだ。ぼくまだ名前を言ってなかったね。えっと、ぼくの名前は片瀬悠葵。お兄ちゃんは?」
「な、名前? 僕は、そうだね…」
何故か彼は考え込む仕草をする。
そして、何かを思い付いたらしく微かに口元が動いた。
「欅。そう呼んでくれないかな」
「けやき…? うん、わかった。じゃあこれからよろしく。欅お兄ちゃん」
「こちらこそ。宜しくね、悠葵君…」

84 :
来た道を引き返し、坂道の途中でもう一度振り返る。
欅と名乗った彼はまだ自分に手を振り続けていた。
迷わず自分も大きく手を振り返す。
若干の名残惜しさを感じながら、これからの日々に期待を募らせ悠葵は草原を駆ける。
そして、あの長い滑り台の様な洞穴に到着する。
正直な所登り切る自身は全く無い。
しかしここを登らないと家に帰る事は出来無くなってしまうので、覚悟を決めて洞穴へと潜る。
「あ、あれ…?」
意外と攀じ登るのは容易で、しかも行きの時程時間は掛からなかった。
西日と呼ぶにはまだ早い光が悠葵を出迎える。
かなり長い時間をあの草原で過ごしたと思っていたが、まだそれ程時間は経過してはいない様だった。
「不思議な所だったな…」
やはり底が深い洞穴を覗き込む。
まるで夢の様な一瞬を過ごしたこの穴が、明日には無くなっているのではないかと不安になる。
「大丈夫。また合おうって、言ってたから」
置き去りにされたランドセルの葉を払い除け、悠葵は立ち上がる。
誰にも見付からないように公園の歩道に抜けると、足早にその公園を去る。
家に帰るまで下校している子供達と鉢合わせしない様に、悠葵は一通りの少ない道を選んだ。
幾ら自分を変えようと言っても、これではまだまだ時間が掛かるだろう。
そんな自分がまた嫌になって、家の扉の前で深く溜め息を吐いた。
何も言わずに扉を開けると、沢山の野菜を煮込む匂いが広い廊下を満たしていた。
既に誰か帰って来てるのだろう。
取り敢えずその匂いの元を覗いてみる事にする。
「あら、帰ってたの?」
自分の足音に気付き、大きな鍋の中をかき混ぜながら鼻歌を歌っていた20代後半位の女性が自分に振り返った。
物腰落ち着いた雰囲気の彼女こそが、今の悠葵の実の育て親に当たる梓(あずさ)である。
「え…あ…。うん……」
「丁度良かったわ。今日の晩御飯のメニュー、カレーにするかシチューにするか迷ってたんだけど。悠葵君はどっちが良い?」
「別に、どっちでも…」
「そう…」
平静を装ってはいるが、明らかに落ち込んだ彼女を見て、悠葵ははっとする。
(駄目じゃないか。変わるって、決めたんだから…)
ここから変えていかない事にはきっと自分は一生変われない。
(本当の気持ちを伝える事が大切だって、お兄ちゃんも言ってたから)
「あ、じゃ無くって…その……」
「え?」
「ぼ、ぼく! か、カレーが…良い、な…」
この時の梓の驚愕した表情は、恐らくこの一生涯忘れる事は無いだろう。
精一杯いつもの落ち着いた表情を保とうと涙を堪える彼女が、悠葵の目に深く焼き付いた。
(「ごめんなさい」って、ちゃんと謝ったから。だから…)
「はいはい。もう少し待っててね」
この日、いつも静かな食卓が少しだけ賑やかになった気がした。

85 :
何も説明できてないし何も解決してませんが今回ここまでです。
正直偉大な古参様の後の投稿で胃が痛いです。
時代劇風な描写は難しくて羨ましい…。

86 :
エロがまだまだってエロパロスレでそりゃないだろ

87 :
投下乙、と言いたいところだが……
だったら投下やめちゃえばぁ?
前書きと後書きで台無し
そんなことないですよ!続き楽しみにしてます!ってコメントを期待してる誘い受けだな
サモナイとか好きな俺と嗜好が合いそうなのに余計なこと書いてるせいで萎える
描写も脳内で情景が描かれるんだろうけど、伝わりにくい
それにせめて最初のエロパートまでは書き上げてから投下して欲しいわ

88 :
まぁそんなに責めずに。スレ諸兄の叱責もむべなるかなと思うけど
>>80 謙遜や自虐は度が過ぎると嫌われるよ 
導入がきっちりしてるとエロに入った時引き立つから前フリ長めなのは問題ない
作品作ったら投下の仕方まで考えて頑張って欲しい

89 :
単純かもしれない。けれど続きが読みたい。切実に。

90 :
イチモツの先端に先走りが....

91 :
これから大体13レスほどの中編を投下します。
・ショタっ子達が変態銃を使ったキャットファイト競技で戦います。
・前スレ>>551の続きです。
・今回はバトル成分多め、エッチ成分は次回最終回で。

92 :

 時は近未来、かわいいショタ少年を集めて擬似銃撃戦をさせる賭博競技が、空前のブームを迎えていた。
 FPS(First・Pyuppyu・Shooting)。
 相手をピュッピュさせて倒し、最後まで残った者が勝者となる、シューターゲーム。
 その中でも特に高い人気を誇る競技ルール、Call Of Doutei(コール・オブ・ドウテイ)。
 厳選された童貞のみによる、エリート選手たちのゲーム。
 
 oNinninwoWanwanfera2(オニンニンヲ・ワンワンフェラ2)


 …ポポッポポッ…ステキヨゥ……ポ、ポポポポポッ……チンチンマーックス……
 散発的な戦闘音が、遠くから聞こえてくる。味方が戦線を押し上げているのだろうか。
 遠くに見える巨大な電光掲示板には、両チームの点数が表示されていた。
「こっちが少しだけリード、か」
 三戦線の一つを制した状況で点差は僅かとなると、他の戦線は拮抗か形勢不利なのだろう。
 
 右翼での掃討戦を終え、駆け足で中央戦線に到着したソープランド。
 辺りには白くべたつく何かで濡らついた、敵味方の『体』が幾つも転がっている。
「先輩っ!」
 カマーインの真剣な、焦りを滲ませた声。息を弾ませながら、こちらへ走ってきた。
「状況は?」
 それに対して、見た目とは裏腹の、歴戦の軍人のような落ち着いた声が問いかける。
「左翼は拮抗してますが、中央はMCが張り付いてて押されてます」
 やはり連中か…マッチョカンパニー(MC)の四人組の顔が頭を過ぎる。

93 :
 
「僕たち右翼の残りは、中央へ……」
「駄目だ、直ぐに全員左翼に回せ」
 話を途中で遮り、左翼への全力攻撃を指示するソープランド。
「MCにルーキーをぶつけても、点数を稼がれるのがオチだ。それよりも全力で左翼を潰せ」
 ポーンチ、Gスポットの『体』はここへ来るまでに確認している。
 至近距離からのハムハム弾で股間を一発ずつ。腕の立つ二人をあっさりヤレるような競技者はそうはいない。
「でも、連中は…」
「奴らを引き付けるだけなら、俺一人で十分だ」
 幼さの残る競技者への返答は、危険な単独作戦。
「でもっ!」
 これまでにない強い調子で、カマーインが反論の声を上げる。
「でもは無しだ、このままじゃチーム得点で逆転されるだけだぞ」
 二人の視界の中で、相手側スコアボードに点数が入り、両者の差が縮まっていく。
「中央と右翼を集めて、全力で左翼に突っ込ませろ、急げっ」
 カマーインも納得していない表情だが、彼とて競技者だ。
 今は時間をかけたベストより、早期のベターが必要と言うことは理解していた。
 
「先輩…」
 諦めと共に、ソープランドの身を心配する、不安げな色の浮かぶ瞳。
 視線を合わせながらカマーインが一歩、ソープランドの方へ歩み寄り…
 チュッ
 唇と唇の軽い触れ合い。ソープランドも、至近距離からの奇襲には対応できなかった。
 プチュッ…
 そして下半身では、二本のショタチンが口づけを交わしていた。
「んっ…」
「あぅっ…」
 先端のおちょぼ口による啄ばむ様なキスに、二人の口から鼻にかかった声が漏れ出た。
 
 だが二人の肉が繋がりあうのは一瞬のこと。カマーインが身を離し、一時の接触が終わる。
 ツゥ…唇と唇の間に透明なアーチが架かり、股間でも尿道口同士を、少し濁った我慢汁の糸が二人を繋いだ。
「…あんな変態たちにイカされちゃ、絶対に…絶対に、ダメですよ?」
 だが味方とは言え、こうもあっさり上下の唇を奪われては少々ばつが悪い。
「調子に乗るなっ」
 やられっ放しも癪なので、返事代わりに軽い頭突きを食らわせる。
 痛そうに額を押さえるカマーインを放置したまま踵を返すと、勃起した肉幹をブルンブルンと振りながら走り出した。
「いっ痛ぅ〜ひどいよ先輩ぃ」
 背後からカマーインの間抜けな声が聞こえるが構わない。目指すはMCが待つ、中央戦線。

94 :

 MCを見つける事自体は簡単だった。
「ヘイ!獲物が全然いないじゃないかよ!すっからかんの一文無しだ!」
「俺たちゃ全員、男相手ばかりのタマ無しだ」
「だまれっ、聖水。俺の引退試合で負けは御免だぞ」
 MCのメンバーの無駄話が、彼らの居場所を教えてくれる。
 音源は前方の半壊した建物の中。割れかけの粗末なベニヤ板が、壁の穴を塞ぐ向こう側。
 
(向こうは、こちらに気づいていない……やってみるか)
 銃の照準をベニヤ板に合わせると、引き金を引いた。
 ポポポポポッ!
 放たれるシリコン製オナホ弾の連射。威力は実際の銃弾とは比べ物にならないが…
 バババ、バギュッ!
 同一点に何発も叩き込めば、壊れかけの薄板を打ち破るぐらいのことはできる。
「ぐ、ぐぁっ…ぁあっ!!」
「ちくしょうっ、ワンダーン!」
「見れば分かる、隣だぞ!」
 ラッキーパンチだが、まずは一人。
 
 いきなりの奇襲を受けたMCだが、流石に慌てて銃を乱射したり飛び出す様な事はしない。
(建物の周りには、迂回できるような地形は確か無いはず…)
 過去の記憶からこの地形を引き出して検証したが、唯一正面玄関の近くまで、塹壕のような溝が走っているだけで、他に遮蔽物は無し。
 睨み合いが続きそうな戦況だが、それを良しとする者は、この場に誰一人としていない。
「おい、一人相手に何時までトロトロやってるつもりだ!」
 あわよくば建物から釣り出せればと、軽く挑発してみる。
 安っぽい台詞だが、こちらが一人だと分かれば強襲策に訴えるかもしれない。
「いくら30フレームだからって酷すぎだろう、ええ!?」
 30フレームと言うのは、BF(ブッカケフィスト)競技者の蔑称で、競技の流れの遅さを皮肉った呼び方だ。
「進歩の無い同じような試合ばかりで、よく飽きないな?IW瓦解おめでとう!」
 チーム随一のお喋り、ホーリーウォーターのこれまた安っぽい挑発が返ってきた。

95 :

(安易に突っ込んで来るようなタマなら、苦労しないか)
 こう言う時は、先に動いたほうが負け。それが戦場の鉄則だが…
 地面に転がっている『体』から、サブマシンガンと予備の弾倉を拝借する。
 インポラムFUCK10(通称ファック10)。
 小型サブマシンガンの先駆けであり、シンプルなT字型のスチール製ボディは、競技者以外の一般人にも良く知られた有名な銃だ。
(連中が、このまま睨み合いを続けてくれるとは、思えないからな…)
 FUCK10の弾倉を新品のものに代えると、腰のポーチから細いロープを取り出す。
 引き金に紐を結びつけると、ロープの一方を銃の後端にある折りたたみ式ストックへ通す。
 銃の後ろを支点にして、引き金にくくり付けたロープを引っ張れば、引き金が引かれる。
 軽くストロークの少ないこの銃の引き金なら、こんな小手先芸でも弾を撃てるはずだ。
 準備は出来た。右手にタマボール、左手にFUCK10を構えると、忍び足でMCの待つ建物へ向かった。
 溝を通って、建物の開放された正面入り口まで3mという位置。
(バレてるな…)
 入り口付近に感じる、複数の人間の気配。おそらく扉の両脇に一人ずつ、奥に一人。
 この場で撃ち合えば二人ぐらいは倒せる。いかに名だたるチームでも、残り一人になればチームはチームで無くなる。
(ここで待ち伏せも……いや、無理だな)
 相手が正面から来るならともかく、側面に回られたらL字砲火の良い的だ。
(なら、やってみるか)
 素早く決断すると、そろりそろりとニンジャウォークで溝から這い出した。
 外へ出ると、身体を屈めた姿勢で直ぐに溝へ戻れるよう注意しながら、様子を探る。
 人の気配はするが、出てくる様子は無い。こちらから仕掛けさせるつもりなのだろうか。
(なら、あまり待たせるのも悪いな)
 左手をアンダースローで振りかぶる。その手の中には、先ほど拾ったFUCK10と、引き金にかかったロープの端。
 そして後ろから前へと振られた手の先から、鈍い鉄色の角材が空中へ放られた。

96 :

 銃口を左に向けたまま、緩い縦回転を続けるFUCK10。
 視界の中で放物線を描く鉄塊は、スローモーションの様にゆっくりと建物へ向かう。
(………………)
 FUCK10を凝視するソープランド。これが入り口から入った瞬間が勝負の時。
(……………)
 あと9cm……足から余分な力を抜き、下肢のバネだけを溜める。
(勝負だ…)
 あと5cm……左手はロープを握って何時でも引けるよう準備している。
(………)
 あと1cm……右手はタマボールを構えて射撃に備えた。
(……)
 入った。
 
 左手のロープを軽く引く。
 ポポッ!
 FUCK10の軽い引き金はそれだけで弾を発射し、発射火薬の勢いは銃を反対側に吹き飛ばした。
 その瞬間、足に溜め込んだバネを開放し、低姿勢のまま一気に建物へダッシュをかける。
 後はこちらの細工が功を奏していることを祈りながら、ビルの内側へ躍り出た。
 
 侵入した先に待っていたのは、やはり入り口脇に張り付いた二人だった。
 アナードとホーリーウォーターは、驚愕に顔を歪ませ、銃口はあらぬ方向を向いている。
 トラップで仕留めることはできなかったが、牽制の役目は十分果たせたようだ。
(上出来だ!)
 得物を右側のアナードへ向けると、至近距離から一斉射を叩き込む。
 ポポポポッ!
 ターゲットが目と鼻の先ならば、不安定な姿勢からの射撃も関係ない。
 四発のうち一発がアナードの勃起を捉え、更にもう一発が強制射精スイッチに命中した。
「アルピージー!アール、ピー、ジー!!」
 ソープランドの知らない国の言葉だろうか。意味の分からぬ叫び声と共に、股間から白濁の飛沫が舞い上がった。

97 :

 後二人。正面隣の部屋への戸口に陣取るエッチオルドと、左のホーリーウォーター。
 反対側のホーリーウォーターへ銃を振り向ける時間はない。
 正面のエッチオルドは、よほど意表を突かれたのか、まだ銃をこちらに向けていない。
「ヘイッ!」
 低い姿勢のソープランドへ向けて、ホーリーウォーターのライフルの銃口が下りてくる。
 バシッ!
 空いた左手で銃身を跳ね上げ、その奥の射精スイッチに手を伸ばそうとする。
「!!」
 その時、彼の背中を寒気に似た何かが駆け抜ける。何も考えず、躊躇無く左へ飛び退いた。
 ババババッ!
 0723ヒギィトン弾の斉射が、ソープランドのいた場所を乱暴に洗う。
「SHIT!」
 悪態の主、エッチオルドのSEXーM8アサルトライフルから、硝煙が上がっていた。
 銃を素早く彼に向けると、数瞬で狙いを付け、正確な速射を撃ち込んできたようだ。
 古参の競技者にとって最大のアドバンテージ、経験による勘働き。
 正面にフリーの敵を置いた状況を、無意識の経験則が危険と判断したのだろう。
 飛び退いた先は入り口の左奥、ホーリーウォーターの真後ろ。
 まんまとホーリーウォーターの背中を取ると、素早くタマボールで狙いを付ける。
 相手も振り向きながら、SCAT−Lカービン銃(通称スカトロ)を振り向けようとするが、間に合わない。
 ポポポポポポッ!
 気の抜けた発砲音と共に、横向きのホーリーウォーターへ銃弾が走る。
 サイドからでは強制射精スイッチは狙えないが、それ以上に容易なターゲットが丸見えだ。
 六発のロングバーストが向かった先は、ホーリーウォーターの肉棒。
 横合いからでは嫌でも目立つそのシルエットへ、柔らかなの飛礫が到した。
「ヒット、アトヒット!」
 初弾は肉柱の根元下側に命中するが、続く二発はペニスの上下へと逸れてしまう。
 だが四発目が裏筋を舐めるように弾き、彼にこそばゆい快感を与えながら、勃起を強制的に上向かせる。
「アッー!」
 五発目がカリ裏、六発目が尿道口をそれぞれ掠め、そこから生じた喜悦が止めとなった。
 ドピュウゥッ!!
 絶叫を発砲音に、白濁の銃弾が天井へ向かって撃たれた。

98 :

 新たにキルスコアを伸ばしたが、仕留めた相手には構わず、即座に身を守る遮蔽物を探す。
(何か盾代わりはっ!)
 咄嗟に飛び退いた先。偶然にもコンクリートの瓦礫が、小山のように積まれていた。
 此処しかないと跳躍の勢いをさず、目に付いた遮蔽物へ慌てて隠れようと…
 バババッ!
「くっ!」
 ソープランドの腰から太腿にかけて、オナホ弾のバーストが直撃する。
 だが、オナホ弾が射精スイッチを捉える前に、瓦礫の後ろへ転がり込むことができた。
 
『ソープランド選手、MCの三人をあっという間にダウン!』
 奇襲も一息ついたと判断したのか、アナウンスががなり立て始める。
『あの強豪チームを一人で食ってしまうとは、ソープランド…恐ろしい子!』
 大して高さのない瓦礫では、急造の遮蔽物としても長くは持ちそうにない。
「うおおぉっ!」
 残るエッチオルドもここが勝機とみたのか、間髪入れずにこちらへ突撃して来る。
 身を起こし、慌てて狙いを付けるソープランド。その照準の向こうには、同じくこちらを狙う銃口が見えた。
 
 ポポポッ!!
 二つのライフルデュオが奏でる、銃弾の協奏。
 両者の放った弾丸は互いのライフルを直撃し、手の中から得物を弾き飛ばした。
「おおぉっ!」
 それでも雄叫びを上げながら、突撃を止めないエッチオルド。
 ノーマルショタが筋ショタと接近戦を演じるのは危険だ。慌てて後ろへ飛び退くが…
 ドンッ!
 そこは部屋の端、無骨なコンクリート壁が彼を乱暴に受け止めた。
 
 ガシッ!
 身体ごと突っ込みながら、掴みかかってくる両手を払い退けようとするが、捌ききれずに組み合いになだれ込んでしまう。
「ぐ、ぐぅっっ…!」
 エッチオルドの露出した手足に力が入り、血管を浮き立たせながら筋肉が膨らむ。
 ステロイド等を使った見せかけだけの肉体とは違う、本物のマッスルショタ。
 脂肪や余分な筋肉の見当たらない、鍛えられた戦士のシャープな肉体美が、今は凶器としてソープランドに襲い掛かる。

99 :

『おおっと、ソープランド、エッチオルド両選手、組み合いにもつれ込んだぁ!』
 両手で組み合ったまま、相手を押し潰そうと全身に力を込める二人。
「くっ…うぅ…!」
 だが均衡は早々に破れ、徐々にソープランドが押されていく。
(まずい、まずいぞ…!) 
 急に力を抜いたり、腕を横に払って受け流そうとするが、逆に押し込まれてしまう。
 このまま力比べを続けても、ジリ貧なのは明らかだ。
(なら…三本目だ!)
 腰をクイッと突き出し、股間に屹立した三本目の腕を、腰付近の射精スイッチへ突き込む。
 エッチオルドも攻撃を予測していたのか、自らの肉棒を器用に使って、ソープランドの突きを払い退けた。
「…っ!」
 だが、払い退ける際に敏感なカリ裏を当ててしまい、微弱な性感が筋ショタを襲う。
 小さな性感は、戦闘へ向けられていた思考にノイズとして入り込み、腕の力が少し抜ける。
(っ!今だ!) 
 ほんの一瞬だけだが腕の力が抜けたのを、ソープランドは見逃さなかった。
「ぐおおぉぉ!」
 四肢全てを使って両腕を押し込み、相手の体制を崩しにかかる。
 慌ててエッチオルドも力を込め直すが、かなり不利な体勢にまで押し込まれていた。
 
(このまま押し潰せば…!)
 不利な接近戦に勝機を見出すソープランドだが、相手も負けてはいない。
 今度はエッチオルドの肉槍が、ソープランドの射精スイッチを狙って伸びてきた。
(やらせるか!)
 敏感な亀頭を避け、竿部分で払おうと腰を横に振るが、それがエッチオルドの狙いだった。
 進撃コースを突如変えた相手の勃起が、ソープランドの高まりに近づくと円を描く。
「んっ!」
 ソープランドの口から漏れる、押しした呻き声。
 相手の竿部分がソープランドのカリの段差をなぞり上げ、彼の心にピンク色の隙を作る。
 狙いは射精スイッチではなく、ソープランドのペニス。形勢は再び逆転した。

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