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2013年10エロパロ331: 織田信奈の野望はエロパロ (684)
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織田信奈の野望はエロパロ
- 1 :2010/09/17 〜 最終レス :2013/09/18
- サル、エロパロで天下布武よ!
- 2 :
- 光秀たんパンパン
- 3 :
- 今一番エロへの敷居が低いのは光秀かな? 次いで信奈、後は団子状態
ねねはもうちょっと時間が経てば一気に最前線
- 4 :
- よし、ついに立ったか!
- 5 :
- 半兵衛ちゃんと利家とねねの素っ裸絡みは良かったわ
画がないのが残念
- 6 :
- 信奈きた!
半兵衛たんまだか
- 7 :
- スレタイ微妙に日本語変だw
- 8 :
- 「はエロパロ」ではなくて、「でエロパロ」だよな
- 9 :
- 著者名も入れるべきだったなスレタイ
とはいえ乙
- 10 :
- ええい、公方義元様へのスパンキングSSはまだか!
- 11 :
- 半兵衛ちゃんが回復して良かったわ
- 12 :
- 蝋燭の火は消える瞬間もっとも強く輝くそうだから、半兵衛はさっさとサルを婿に盗るべき。
- 13 :
- 光秀のほうが実行しそうだけど、他にもいるかな
- 14 :
- 実際、サルに明確に惚れてるのは
信奈、半兵衛、光秀の三人だわな。
- 15 :
- 犬千代も惚れてそう
- 16 :
- 勝家はどうなるか
- 17 :
- 良晴に言葉巧みに騙されてあんな事やこんな事を…
- 18 :
- 実は一番尽くすタイプだったり
- 19 :
- 史実で秀吉と仲悪かったっぽいからなあ>勝家
一方的だったのか、相互的だったのかは
実際のところよくわからんが。
資料的には柴田が一方的にって雰囲気だけど
改ざんされた可能性あるしなあ・
- 20 :
- 仲良かったのは誰だっけ、犬千代さんですかね
- 21 :
- サルと犬は仲が良かったそうな。
他は特に仲が良かったとかはしらん。
ただ、石田三成はサルがヘッドハントした…はず。
- 22 :
- 出てる中でガチで仲良かったのは蜂須賀。
秀吉政権の初代家老だし、ぬまで秀吉と離れたくなかったみたいで領地の阿波には行ってないし
- 23 :
- 犬とは女房同士仲が良かったらしいな
長屋のお隣さんで
- 24 :
- さてと、誰か投下してくれないか?
- 25 :
- 即興で1レス。
〜〜織田信奈の妄想 in 4巻 255P辺り
…き、来たの!?
ま、まあ、当然よね?あのサルのことだもの。私みたいな天下一の美少女と接吻…キスできるっていうなら絶対に来るわよね?
ど、どうしよう?いや、どうしようも何も、恩賞として約束しちゃった以上、するしかないわけで…
けど、けどよ?あのエロザルが、私とキスするためだけに金ヶ崎から生きて帰ってきた助平が、それだけで済ます?
やっぱり、胸とか揉まれたり?その先までされちゃったり?
……。っ、べ、別に、イヤってわけじゃ…じゃなくて!嫌だけど!本当はすっっっごく嫌だけど!
けど、キスする時に誰かが近くにいたら嫌だから、当然二人に切りになるわけで…。
あいつは雑兵とやり合っても負けるくらいに弱っちいけど、それでも男なわけで、力で来られたら敵わないだろうし。
ってことはやっぱり押し倒されちゃうわよ…ね?
へ、へへへ…こ、困ったわねえ。
わ、私はい、嫌だけど、不可効力なわけだし…無理やりされちゃうんじゃしょうがないわよね?うん、しょうがない。
きっとあのエロザルのことだから、二人きりになった瞬間、一気に本性を現して押し倒してくるに違いないわ。
あ、け、けど床でってのはちょっといやかも…布団を敷いておかないと…
――って、それじゃまるで私の方からサルを誘ってるみたいじゃない!
なしなし!やっぱ布団はなし!
とにかく、サルはたまりにたまった劣情を私に向けてくるに違いないわ!
私が体面のために助けを呼べないことをイイことに、胸やら何やらを揉んだり嘗めたり、…無理やり私の初めてを…
…あ、けど、サルの奴、結構優しいから、そんな乱暴なことはしないかも?
…うん、ちょっと嘘泣きでもしてみようかしら?そしたらあいつ、何か言い訳して、岐阜城落とした時みたいに
「私が欲しい」っていうお願いをひっこめるかも…。
で、引っ込めようとしたところで、私から、その・・・「私をあげるわ」とか、言ってあげて…
――って!私ったら何を考えて…っい、いや、これでいいのよ!
も、もちろん、私の初めてをあんなサルに捧げるのは嫌だけど、けど…なんか別の、もっととんでもない物を恩賞に寄こせとか言われても困るし!
それに!あのサルのことだから、放っておけば犬千代とか十兵衛とかを襲うかもしれないし!
そうよ!この恩賞は、あのサルのせいで不幸になる女の子が出ないようにするために、私が生贄になるって意味もあるのよ!
自己犠牲の精神って奴よ!
だから、不本意だけど、私がこの体でサルの劣情を受け止める……サルの、を…良晴のを、受け止める…。
…って、違う!私はサルの子種を貰うのを想像してドキドキしたんじゃない!これは、その、ふ、不安だからよ!
サルの赤ちゃんなんか妊娠するんじゃないかって不安なだけ!
きっとあのサルのことだから、文字通りサルみたいに沢山するに違いないわ!
たくさんたくさん、何度も何度も、私の胎に子種を出して…、けどやっぱ優しいから、
「大丈夫か?信奈?」
とか、言って私の頬を撫でたりして…でも私はちょっと意地はって「別に、あんたの爪楊枝みたいなのなんてへっちゃらよ」
みたいなことを言っちゃうのかしらね?
そうなるとあの単純なサルは勝手に火がついて、
―――うわぁ。明日、私、立てるかしら?
噂だと、普通に初めてされるだけでも、次の日は足腰が立たないらしいし…。
それに…多分、あいつ絶対に経験豊富よね?
だって、仮にも織田家の侍大将で、あれだけ女好きなんだから、夜鷹(売春婦)の一人や二人と経験ぐらいもっててもおかしくないわけで…。
それ以前に、そんな商売女じゃなくても、あの半兵衛とか相手に毎晩、床の技をみがいてるってことも…。
なんか、腹が立ってきたけど……まあ、それはそれで安心よね?初めて同士だとろくなことにならないって話だし。
とにかく、サルはそれなりに上手いって思ってもいいのかしら?それだけじゃなくて、未来の世界の房中術とかも知ってるかも?
……だとしたら…私、凄いことされちゃうかも…。
なんか、物凄い指の動きや舌使いで、何度も何度も果てさせられちゃって…
それで、へろへろになった所で
「好きだ、信奈」
とか、真面目な顔で言ってきたりして…。
あいつのサル顔でも、真面目な表情とかはちょっとドキドキするのよね…。
それで、そのままキスされて―――全部、奪われて―――私の奥の奥に、サルの…良晴の子種を、赤ちゃんを…。
ってうわあああああああああ!
何考えてるのよ私は!?
こんな邪念が浮かぶのも、サルがさっさと来ないせいだわ!
一体何をしてるのかしら。ちょっと様子を見に行きましょう。
- 26 :
- >>25
これはあの「何してんのねよ」って目にもなるわな
なかなか良ス
- 27 :
- 信奈可愛い!
- 28 :
- >>25
可愛いな信奈可愛いよ
- 29 :
- 保守
- 30 :
- >>25
信奈可愛いな
ヒロインは妄想が逞しいくらいで丁度良い
- 31 :
- 妄想が激しすぎると、どこぞの使い魔のピンク髪さんみたいになっちゃうがなw
ただ、ひたすらにGJ
- 32 :
- ちょっと時間が出来たので書いてみた。
プロローグだけ、今のところエロなし。
続きは未定。
松永久秀の淫謀
天下の大悪人、松永弾正久秀。
異国の血を受けた褐色の肌と美貌と、渡来の技。気娘の様な純粋で深い情愛と、それに比するだけの激情と憎悪の種を
その胸の内に内包した、危うげな気性。
橋姫の化身か、玉藻御前の生まれ変わりか。
そんな評すらされる熟れ頃の美女は、その金の瞳に憂いを浮かべて、その光景を眺めていた。
「うおっ!危ねぇ!今のはマジで危ねぇっ!」
「待ちなさい!サル!ちゃんと真っ二つになりなさいよ!」
犬千代も食わない信奈と良晴の痴話喧嘩。
格式や臣下の序列を重視するまともな――当主である信奈が言うには頭の固い者達は、
その子供の様なじゃれあいに眉を顰めて、良晴や信奈に個人的に親しい者たちは、笑顔でそれを見送り、
そして何事もなかったかのように、日常の雑事に戻っていく。
その眦に角度の違いはあれど、含まれる視線には同じ言葉が込められている。
「ああ、またか」
という、言葉である。
毎日のように繰り返される日常に対して、人は取り立てた感想を抱かない。
それこそ、その日常が奪われるか、消え去るかしないでもない限り。
だから、良晴と信奈のじゃれ合い――その関係に、明確な感情を抱く者はいなかった。
―――この、久秀以外に。
「困りましたわ」
ため息交じりに、久秀は二人のじゃれ合いを評する。
いがみ合っているようで、しかし決して相手に致命的な傷を負わせないようにする二人。
その様子を織田家家老の丹羽長秀は「まるで子犬や小熊のじゃれ合いのようです、75点」と評した。
一方の久秀は、その評価に似た、しかし全く別の感想を抱いていた。
良晴と信奈の遣り取りを動物のそれに例えるなら―――
「キジや蝶が、まるで番いを求めるよう…」
―――求愛行動。久秀の目には、そんな風に映っていた。
どこまで近づいていいか?どこまで近づくとダメなのか?
まるでそれを図るかのように、近づき、驚き、離れ、そしてまた近づく。
そんな不器用な求愛のダンス。
二人の様子は、まさにそんな有様だった。
「まあ、それはそれでいいのですけれど…」
信奈には良晴しかいない。弾正はそう考えていた。
確かに、自称:未来人の風来坊と今や天下の群雄とでは、釣り合わないかもしれない。だが、だからどうした?
大仏を焼き、将軍家を叩き潰した彼女にとって、身分など流れに浮かぶ泡沫にも同じ。
墨俣や金ヶ崎で見せた才覚があれば、良晴とてすぐに家老まで上り詰めることだろう。
それに、信奈が本当にこの日本の国を統一するなら、下手に有力な他家から婿を貰い、内部分裂の火種を残すより
家臣から男を迎え入れ、内の結束を固めるという選択肢もある。そう考えた時、年齢で見れば良晴が最も釣り合う位置にいる。
織田家の他の者たちが考えているより、良晴と信奈が結ばれる可能性は結構高い、少なくとも久秀はそう考えていた。
「それに、いざとなれば…」
久秀は、信奈に忠誠を誓っている。信奈が望むなら、どのような卑劣な手管を用いても、その望みを叶えるつもりだ。
既に彼女の頭の中には、良晴と信奈を添い遂げさせるための謀略の数々が、まるでクモの巣のように張り巡らされていた。
ただ―――、そのクモの巣には重大な欠落があった。それこそが、久秀を悩ませてやまないものだった。
それは…
- 33 :
- 「お二人とも、あまりに不器用すぎます」
ろくな作法も知らない、若鳥たちの求愛のダンス。
時に近づきすぎて互いを傷つけ、時に離れ過ぎて相手を見失いかける。
その様は、世の酸いも甘いも噛み分けた久秀には、あまりにじれったく、歯がゆく、そして心配させるものだった。
仕方がないと言えば仕方がない。信奈はまじりっ気なしの未通女。良晴も、織田家に仕えるまでのことは、久秀の情報網を
もってしても知ることはかなわなかったが、その挙動や反応からして、おそらく女を知らない。――少なくとも、
経験が多いということはないだろう。あれほど女好きを標榜しておきながら意外なことだ。
「やはり、私が一肌脱いで差し上げなくては…」
織田家で信奈に親しい面子の中で、異性との経験を最も詰んでいるのは久秀だ。
というよりむしろ、久秀以外ろくな男性経験をもっている者がいないのが現状だ。
自分が動かなければ、この不器用な火遊びは、どう飛び火するかわからない。
ずっと互いを知ることがないかもしれない。逆に勢い余って衝突事故の様に行為に及び、双方の心に要らぬ傷を
残すことにもなりかねない。
「やはり……ここは良晴殿に手を加えるべきですわね」
少し考えてから、久秀は結論付けた。
信奈はああ見えて、色恋では誰かに手を、多少強引に引いてもらうのが好きと見える。ならば、信奈に色々と教え込んで良晴と
思いを遂げさせるよりも、良晴に仕込んで、彼が信奈を引き寄せて思いを遂げさせる方が、信奈としては嬉しいだろうと、そう
考えたのだ。
「ふふふ……」
そっと、そのたおやかな指先を、色の濃い紅を乗せた唇に這わせる。
脳裏に思い浮かべるのは、今までの良晴の姿だ。
多くの男が自分に対して見せる反応は、不気味がるか、物怖じするかであった。
斎藤道三のような、ごく稀な例外ですら、どこか距離をとるような所があった。
それなのに、あの少年ときたら…
「清水の時も、金ヶ崎の時も、比叡山の時も…」
清水寺で信奈に帰順した時も、口では不安だなんだと言っておきながら、この自分の褐色の異貌に対して、
美人だ美女だと騒いでいた。
金ヶ崎の時では、命を掛けて護りたいと思った信奈を、裏切りの常習犯である私が付き添っていくのに、
何の咎めを見せるような素振りを見せなかった。
比叡山の時、信奈に心を軽くする薬を飲ませた時、誰よりもまっすぐに自分に文句を言いに来て、しかし、
信奈が許すと決めた以降は、まるでそんなことがなかったかのように、元のように接してくる。
思えば、信奈の心を操り、他の家臣たちを遠ざけようとしてたにもかかわらず、未だ元のように織田家の家中にいられるのは、
信奈の言葉と同じくらいに、その前後で変わらない、良晴の態度のおかげなのかもしれない。
警戒心が欠けている、と言えばそれまでなのかもしれない。現にそう言う意見も、家中からは聞こえてくる。
だが久秀には、それは相良良晴という人間の器の大きさのように思えていた。
織田信奈という日本を治める大器に似合う、もう一つの大きな器。
「楽しみ…」
その器に、どのように甘い蜜を注ごうか?
注がれた器はどう変化するか?
久秀は、久しく眠っていた自分の中の『女』が、ざわめきだつのを感じていた。
つづく?
- 34 :
- GJ
久秀さんの悪女ビッチを望みますわ
- 35 :
- >>32
春日先生なにしてんすか
と言いたくなるくらいGJ
- 36 :
- >>33
GJ
ワクワクさせられる滑り出しだな
- 37 :
- ほしゅ
- 38 :
- 時間ができたので続きをちょっと書いた。
一応エロイけど本番はまだまだお預けだったり。
甘い匂い。
酒の臭いにも似ていた。酢の臭いにも似ていた。
血の臭いにも似ていたし、花の臭いにも似ていた。
悪臭とも、芳香ともいえる匂い。腐敗とも発酵ともつかぬ、独特の臭気を帯びた甘い匂い。
一度嗅いだら忘れられそうにないほどに鮮烈なくせに、おぼろげな印象を抱かせる臭い。
良晴の目を覚ましたのは、そんな瘴気にも似た空気だった。
「…なんだってんだ?」
起き抜けの頭で、良晴は自分の状態を確認して、驚く。
良晴は後ろ手に縛られ、床の間の柱に括りつけられていた。
場所は和風の(この時代では当たり前だが)狭い密室だった。どうやら茶室のようだ。中央には布団が敷かれている。
雨戸が閉められ、蝋燭が灯され、焚かれた香の煙が薄くたなびく室内からは、今の刻限を知ることすら叶わない。
ただ、いくら雨戸を閉めたからと言って、日の光が完全遮られることもないだろう。
となれば、今は夜だ。
「確か俺は…信奈の所から帰るときに、久秀に…」
良晴は、少しずつ回り始めた頭で、記憶をさかのぼる。
「良晴殿は、礼法を全く介されていないようですわね」
信奈の所で奉行―――といっても、半分は信奈と喧嘩していただけだったような気もするが――を終えた時、
良晴は久秀に声を掛けられた。内容は、自分のもとで礼法を習え、ということだった。
自分は自分流でいい、と突っぱねようとした良晴だったが
「確かに、形式は一見すれば無意味なものかもしれません。しかしそれに価値を見出す者がいることも事実。
礼儀作法の一つを知らぬことで、思わぬ損を得ることもありますわ」
久秀の引かない様子は、まるで母親のそれだった。いろいろとゴネた良晴だったが、久秀が最後に告げた
「家臣が基本的な作法も知らないとなれば、信奈様が軽んじられる原因ともなるかもしれません」
という言葉が、決定打となった。
自分が馬鹿にされるのは仕方ないし、気にも留めない。だが、信奈がそんな目に会うのは避けたい。
そんな思いが良晴に、しぶしぶながらも首を縦に振らせた。
まあ、その直後に「年上オリエンタル美女家庭教師と個人レッスン…!」などという不埒な考えが思い浮かぶあたり、
流石天下一の女好きというか、この状況も自業自得というか…。
「それで、久秀の家に行って、出された茶を飲んで…」
そこで、記憶が途絶えている。久秀の略歴からしても、もう明らかだ。
「仲間に盛るなって、信奈に言われたじゃねえか…!」
口をついて出た独り言の悪態に、返事が来た。
「うふふ、この程度を一服盛るとはいいませんわよ?」
良晴が目を覚ますのを待っていたのか、それとも偶然か?外からの、久秀の声がした。
にじり口――茶室特有の、身をかがめないと入れないような狭い入口が開き、久秀が入ってきた。
その様子に、良晴は一瞬、釘付けになった。
入ってきた久秀の井出達は、襦袢一枚を羽織っただけのものだった。
着崩した白の布地の間からは、年齢を感じさせない、艶やかな褐色の肌が覗いている。
扇情的な曲線で構成された柔肌は、狭い入口を通るために身を屈めることで歪み、その柔らかさと弾力を表現する。
まるで見られる事を気にとめない―――いやむしろ、そう誘うような動きと、着崩し。
異性を誘う、計算された無防備さだ。そのあざとい誘惑を、しかし良晴は避けられなかった。むしろ、それだけの誘惑をされるだけの
価値が自分にはあるのだと、自尊心を満足させるだけの美しさと妖しさが、そこにはあった。
「ふふふ…これだけでそんなにいきり立って…後がもちませんわよ?」
自分に釘づけにされている良晴の様子に満足したように、久秀は言った。その視線は、良晴の股間―――着物の下から自己主張する
露骨なシンボルへと固定されていた。
その視線を受けて、良晴は初めて、己の分身の状態を把握した。
- 39 :
- 「ままま待て!これは、違うぞ!その、起きたばかりの生理的な反射というか…」
慌てた様子で言い訳しながら、良晴は自身の混乱を収拾すべく、今、自分がどんな状況に置かれているか、必に考えていた。
何で俺は拉致監禁されてるんだ!?久秀がまたなんか企んでるのか!?っていうか、後がもたないって!?
必で脳みその回路を回す良晴。だがその回転を、ふわりと止める物があった。
「あら、言ったはずですわよ?」
久秀の、香りだった。
衣擦れの音を引きずりながら、久秀は良晴にそっと近づいてきた。
部屋に焚き込められている香を、何倍にも濃厚にしたような匂いが、久秀から感じられる。
久秀は良晴の頬に、そっと手を添えて、自分の方を向かせた。至近。お互いの瞳を覗きこむような距離感。
脳髄が痺れるような感覚を得ながら、良晴はしどろもどろに問いかける。
「い、言ったはずっって…」
「礼儀作法を教える、と。忘れました?」
「けけ、けど、それと一体何の―――」
言葉は、唇で止められた。久秀が良晴の唇を奪ったのだ。
くちゅり、と、二人の結合箇所から音がする。久秀が、良晴の口腔に舌を差し込んだのだ。
(あ、甘い…)
それが、良晴が最初に得た感想だった。
まるで蹂躙するかのように、久秀の舌が縦横無尽に動き回る。歯茎を扱き、舌を絡め、口蓋を撫で―――
互いの唾液を、等しくなるまで交換してから、久秀はようやく離れた。
「――。ふふ…」
「――っ、ハァッ!ゲホ…」
満足そうにほほ笑む久秀と、久秀の唾液と愛撫の甘さで忘れていた呼吸を、慌てて再開する良晴。
息を整えようとする少年を見ながら、妖女は彼が求める解答を与えた。
「礼儀作法を教えようと言うのですよ―――床の上での、礼儀作法を」
「…っな、なああああっ!?」
酸欠と、久秀の口づけの甘さで、痺れが残る頭で、良晴は一瞬遅れてその意味を知る。
床とは、つまり、そう言うことで…
混乱に次ぐ混乱で二の句が継げない良晴に、久秀は畳みかける。
「良晴殿は女を知らぬでしょう?
身持ちが堅いことは良いことかもしれません。ですが、それによって相手を傷つけることがあるのも事実。
増して信奈様は初心も初心。ここは良晴殿に引っ張ってもらわなくては…」
「ど、どうしてそこで信奈が出るんだよ!」
辛うじて、良晴の中に残っていた意地がその言葉を捻りださせた。それを見た久秀は
(これはまた、信奈様といい良晴どのといい…)
とおかしそうに笑いながらも、
「そういこうとにしておきましょう。
ですが、仮に信奈様以外相手だったとしても、全く夜の経験がないともなると、いろいろと障ります。
ですから…」
久秀は良晴に体を擦り寄せるような位置から、少し離れた。
良晴から見て、全身が見えるような距離で、膝立ちとなってから―――
しゅるり
――帯をほどいた。
- 40 :
- 褐色の肌を伝って、白い襦袢が流れるように畳に落ちる。
蝋燭の明かりに照らされる、艶めいた肌。
それに包まれた女の体は、まさに熟れ頃。
生まれる陰影は、その曲線と質感を強調する。
淫らだが、卑ではない。淫らだが、猥ではない。
下品と上品の絶妙なバランスの中に立つ、色香。
夢幻の様な光景の中で、ただその瞳だけが、闇夜に浮かぶ月のように、爛々と輝きながら、良晴を見つめている。
サンキュバスの様なその容姿に、良晴は眼を反らすこともできず、ごくりと唾を飲んだ。
「あらあら、こんな大年増相手に見惚れるなんて」
からかう様に、誘惑するかの如く、久秀は再びにじり寄る。
久秀の瞳に見据えられた良晴は、まるで催眠術でもかけられたかのように動けない。
その良晴の体に、久秀はそっと手を触れ、撫でる。
「――っ」
ただそれだけで、良晴の体は、電流でも流されたかのように反応してしまった。
「初心なこと…」
着物の合わせから手を差し込み、胸板から腹へ、腹から下腹部へと、ゆっくり手を進め――
「さあて、御開帳…♪」
久秀は楽しげに呟きながら、良晴の帯を解いた。
つづく
お預け申し訳ない。っていうか、野郎を愛撫する描写だけって誰得orz
次回はもっとまとめて書いて投稿する―――つもりです。
- 41 :
- >>40
GJ
しっかりエロい雰囲気が出てるし、気にしなくてもいいのでは
続き楽しみにしてます
- 42 :
- >>38-40
愚息が泣きそうなくらい腫れ上がってるんです何とかしてください
凄くよかった
- 43 :
- イラン系褐色ババアは愚息に直球すぎる
GJ
- 44 :
- 誰か乱入しそうだな
- 45 :
- このスレで、書いたらNGな内容ってありますか?
文頭に注意書きすれば、大丈夫なんでしょうか?
- 46 :
- >>45
冒頭注意書きでいいんじゃない?
- 47 :
- グロテスクな描写、スカトロ描写(特に大)、寝取り寝取られ描写、性格大幅改変、近親相姦
主観混じってるが注意書きが必要なのはここら辺だろうか
度合いによっても変わるものだから結局は作者の匙加減に委ねることになるが
- 48 :
- >>46 >>47
回答ありがとうございます。
- 49 :
- 一応基本の やおい(これは板違い?) 百合 TS 強姦 このへんも注意だな
- 50 :
- 両思いなのは何組いるんだっけ
- 51 :
- にわか物書きですが、
織田信奈の野望で本能寺の変〜山崎の戦い
エロ無し、BadEndモノって需要ありますか?
- 52 :
- 過疎ってるしなんでもいいんじゃね?
- 53 :
- 最近、本当に過疎ってきてますね
51を書き込んだ者ですが、特に反対されなかったので、作品を投下させていただきます
内容は>>51にあるとおり織田信奈の野望で本能寺の変、山崎の戦いを書いてみました
とは言っても今回は前編で、本能寺の変直前までとなっています。後編は、前編が好評であれば投下すると思います
エロなし、BadEndモノなので暗い話は嫌だ、エロが無いと読む気がしないという方は、無視していただいても結構です
作品作成及び投下の初心者による作品のため、読みづらい部分が多々あると思いますが、宜しければ読んでみてください。
今後の作品作成に生かしたいので、ご意見、ご感想、苦情などお寄せくだされば幸いです
- 54 :
- 「サル、今すぐ兵を率いて中国の毛利討伐に向かいなさい!! いいわね、今すぐよ!!!」
開口一番これである。良晴は、一瞬何を言われたのか理解できなかった。
しかし、しばらくするとその内容を頭の中で理解し終え、次いで事の重大さに血の気が引く。
「ちょっ、ちょっと待った信奈。そ、そんな重要な役目は、俺じゃなくて勝家とか長秀さんのほうが適任じゃないのか?」
「六には北陸、万千代には四国の平定を命じているの。うちの軍で余っているのは、あんたのところぐらいなの」
良晴の提案を、信奈はバッサリと切り捨てた。普段の良晴であれば、いつも通りの信奈の強引な命令に呆れていただろう。
しかし、良晴の頭には毛利討伐を一任されるというプレッシャーとは別に、自らが知る歴史の中で起こった大事件についての不安があった。
(勝家は北陸、長秀さんが四国、そして、俺が中国で京には信奈。これじゃあ俺の知っている歴史とまったく一緒じゃないか。もしこのまま俺
が毛利征伐に出発したら、信奈は……。)
良晴が知る歴史ではこの後、主立った家臣が京から離れているなか、わずかな兵を従え本能寺に宿泊していた信長を明智光秀が謀してしま
う、という流れになっている。
今、良晴たちと行動する光秀が信奈に反旗を翻す確率はほぼゼロだと良晴は考えている。しかし、だからといってこの時代で本能寺の変が起
こらないと断言する事は出来かねる。良晴の知る歴史でさえ、今日に至っても光秀が反旗を翻した理由の解明には至っていないのだから……。
良晴は考える。自分の知る光秀にその気があろうとなかろうと、最大の悲劇を回避する方法はないかと……。そして、良晴は信奈に進言する。
「十兵衛ちゃん。そうだ十兵衛ちゃんはどうだ?」
自分の代わりに、光秀を先に中国に出陣させれば、もしも最悪の事態が起こったとしても自分の兵は京都に残しておく事ができると良晴は考
えた。しかし歴史の必然か、信奈は良晴の不安を加速させる。
「十兵衛? 十兵衛は駄目よ。十兵衛には、元康を招いて行う戦勝の宴の接待役を命じる予定なんだから」
亡フラグktkr!! 良晴は思わず心の中で叫んでしまう。徳川家康の接待、それもまた良晴の知る歴史の中で、本能寺の変の要因として有名
な出来事の一つであった。
良晴は、一個人の手ではどうする事も出来ない大きな流れが、自分たちを最悪の悲劇へと誘っているような錯覚を覚えた。
「そ、それはダメだ。接待役なら俺がするから、十兵衛ちゃんを毛利討伐に向かわせてくれ」
「はぁ〜? あんたが接待役? ならあんたは、都の作法にも詳しい十兵衛よりすごい接待ができるっていうのかしら? もし俺の好物だ、なんて
言って腐った料理なんか出したら、あんたの首をはねるけど、それでもいいかしら?」
あくまでも歴史の流れに逆らおうとする良晴であったが、事態が好転する様子はなかった。この場合深く考えるまでも無く、良晴には接待の
ための知識はなく、個々の能力を考慮すると、光秀が接待役として適任であることは明らかであった。
悩む良晴とは対照的に、信奈は出陣を渋る良晴に苛立ちを覚え始めた。信奈は、出陣を拒否し光秀を推挙する良晴の行動を、昨今何かと親しげな
雰囲気を形成しつつある光秀へのアプローチと勘違いしたのか、眉を吊り上げ愛刀圧切長谷部を抜き放つと、良晴に命じた。
「いいからさっさと毛利討伐に出発しなさい!! 失敗したら今のあんたの領地と出雲、石見を取り替えるわよ!!!」
鬼気迫る信奈に、良晴はこれ以上の説得は不可能だと感じた。それならば、と良晴は、信奈に光秀の行動には気をつけるよう言い含め、役目が
終わった後は光秀を自分の毛利征伐に参加させるよう頼み込んだ。
不安の残る良晴であったが、伝えるべき事は伝えたため出陣の準備をするべく安土城下の自分の屋敷を目指し歩き出した。
- 55 :
- 「相良先輩、今お帰りですか?」
「十兵衛ちゃん?」
屋敷まであとわずかというところで良晴は、目下の心配の種である光秀に話し掛けられた。
「今日は随分とお疲れのようですね。日頃の人とサルの中間のような顔が、サル側に寄っていますよ」
「だから俺はサルじゃねぇ! ……急に信奈に呼び出されたと思ったら、毛利討伐を命じられたんだよ。だからかなり頭が重くてな」
「サル先輩が毛利討伐? それは一体どんな冗談ですか? 先輩が毛利軍相手に戦を仕掛けるなんて、姫巫女様に求婚するくらい無謀なことです」
「ほっとけ。俺も十兵衛ちゃんのほうが適任だって言ったんだけど、十兵衛ちゃんは接待役の仕事があるんだろう?」
「そうなのです。この都の作法すら熟知している天才明智光秀にしか出来ない、大切なお役目です。サル先輩には人間に生まれ代わっても無理なことです」
俺はもとから人間だ、と思いつつ現に人間の状態でも接待役は勤まらないので、良晴はあえて言い返しはしなかった。
「ま、まぁ接待役を華麗に勤め終えた暁には、おっちょこちょいで役立たずな先輩を、この戦も得意な私が助けてあげてもよいですよ」
憎まれ口をたたきながらも、頬を赤らめて光秀は進言する。鈍感な良晴は、そんな光秀の変化に気づくはずも無く淡々と話を続ける。
「ああ、そうしてもらうつもりだ。信奈にも、あとから十兵衛ちゃんを援軍によこすよう頼んでおいたから」
「えっ!!」
「今回の戦では(信奈の安全のために)十兵衛ちゃんには絶対に俺のそばに居てほしいんだ。役目が終わったらすぐにでも、俺のところに来て欲しい」
からかい半分、そうしたいという思い半分で口から出た光秀の言葉に、良晴は普段とは違う真面目な顔で答えた。
そればかりか良晴は、光秀の手を握り締め、真剣な目で語りかけてくる。そんな良晴の普段とは違う男らしい仕草に、光秀はその顔を耳まで赤くしながら、俯いてしまう。
「やはり相良先輩は私を頼りに? もしやこの毛利攻めが成功した暁には相良先輩から求婚されるのでは?」
普段と違い真面目に話す良晴の姿に、光秀は自分の願望と妄想をぶつぶつ呟き始める。そんな光秀の呟きが良晴の耳に入るはずもなく、良晴はいきなり目の前で下を向き、にやけながらぶつぶつと何かを呟く光秀の様子を心配げに眺めていた。
「じゅ……十兵衛ちゃん?どうしたんだ」
「なっ……なんでもないです。この光秀、しょ……しょうがないので援軍として助けに来てあげますので、先輩はそれまで精々なないように地面に這い蹲っていればいいのです。その場合の貸しは一生返しきれないと思いますけど、大丈夫ですか?」
「ああ、期待しているぜ」
ここは押しどころと腹を据えた光秀の言葉に、良晴は軽く返事をする。そんな良晴の言葉を聞いた光秀の妄想は、留まることを知らなかった。
(き、期待しているということは、つまり一生私と一緒でもかまわないと? そういうことですか? そういうことですよね。そういうことに決定です!!)
「それじゃあまたな、十兵衛ちゃん」
「そ、それでは」
良晴は鈍感ゆえに、彼女との認識の差異に気づく事は無かった。そればかりか普段と変わらない(と良晴は思っている)光秀の様子に、自分の心配が杞憂であったと感じ、安心して兵を率いて毛利討伐に出発した。この思いのすれ違いが、後に悲劇を生むとも知らずに……。
- 56 :
- 良晴が毛利討伐に取り掛かる一方で、かねての予定通り松平元康を招いての信奈主催の宴が開かれた。しかし、その宴は良晴が心配したとおり失敗に終わってしまった。
確かに饗応の作法に詳しい光秀ではあったが、宴に出される料理を前に――
(どの料理も一流なれど、今一ついんぱくとに欠けますね。もっとこう独創的な、この優秀な私独自の味付けが必要なはず!)
――と考え、一流の料理に手を加えてしまった。
そうして光秀によって味付けされた料理は、宴に参加した面々には当然のように不評であった。元康は大事な同盟相手である信奈の面目を保とうと、始終笑顔であったが、宴の席には気まずい空気が流れていた。
信奈は宴の席の空気にも、そんな場の空気を読んでいる元康の気遣いにも気づいており、宴を台無しにした光秀に対して、普段感じる事のないほどの怒りを感じていた。
- 57 :
- 後日、光秀は信奈に召し出され、安土城に登城した。光秀の前に現れた信奈は、いつものように「なごやこーちんのてばさき」をかじっていたが、
光秀の失敗に腹を立てているのか、てばさきの骨までも噛み砕いてしまいそうな雰囲気であった。
「今回の失態は高く付くわよ、十兵衛」
「め、面目次第もございません」
「あんたは自分の考えで動きすぎなのよ、まったく……」
接待での失態に腹を立てていた信奈ではあったが、光秀のこれまでの働きは家臣のなかでも群を抜いており、その才覚を高く評価していた。その
一方で今回の接待における独断のように、光秀がしばしば慢心する事も問題と考え、反省を促すためにこう命じた。
「まぁいいわ、今回の失態は戦働きで返してもらうわよ。十兵衛には、四国方面の万千代の援護を命じるからすぐに戦支度をして出陣しなさい」
「えっ!?」
信奈の命に、光秀はそれまで深々と垂れていた頭を上げ驚きの表情を見せた。話が違うとばかりに眼を見開き、信奈を見つめる光秀。そんな普段
見られない光秀の様子を信奈はいぶかしげに見つめる。
「何かしら十兵衛。私の命が聞けないの?」
「い、いえ。しかし、私は相良先輩の救援に向かうのでは?」
「…………」
光秀の口から出たその言葉は、面目を潰され、ただでさえ機嫌の悪かった信奈の怒りに火をつけてしまった。
「聞こえなかったのかしら、わたしは万千代の援護に向かえと行っているの!! 誰がサルの所に行けと言ったのかしら」
信奈は良晴の進言を忘れていた訳ではなかったが、あの時とは状況が変わっていた。さらに良晴が光秀を頼っている事を、光秀自身が知っていた事も信奈には面白くなかった。
ここで光秀が空気を読んで、四国に向かえば万事うまく収まったかもしれない。しかし光秀は、良晴の自分を頼りにしているという言葉、手を握り締められた時のぬくもりを忘れられ
なかった。
信奈がしばしば怒りに支配されたことがあるように、あの日の安土城下での別れから、光秀は良晴に恋焦がれる思いに支配されていたようであった。
「しかし、相良先輩は接待の役目が終わった暁には、この光秀を援軍によこすよう、信奈様に願い出ているとおっしゃっておりました。私はその期待に応えたいのです」
純粋に良晴を想う光秀の一途な眼差しに、信奈は眩しさを感じるとともにその眩しさが言いようも無く不快であった。その不快な感情から来る怒りのあまり、冷ややかな目で見つめる
信奈は、光秀と、そして良晴に対して心の中で毒づく。
(なぁんだ、サルが必に十兵衛を推すから何かおかしいと思ったら、裏で申し合わせていたってわけね。それでなに? この大切な局面に、戦場で乳繰り合うつもりなのかしら……?)
良晴からしてみれば、信奈に進言してから光秀に話したわけだが、そんな事を信奈が知るはずもなく、事態は悪化の一途をたどっていた。
まるで恋仲にあるように信頼しあった二人の仲に、信奈は嫉妬し、嫉妬はやがて黒い濁流となって全身を駆け巡り、信奈の目に狂気の光を宿していった。狂気が狂気を呼び、信奈は
普通ならば決して口にしないような命を光秀に下す。
- 58 :
- 「ならいいわ。サルの救援に向かいなさい。――その代わり今のあなたの領地は没収よ」
「!!!」
「何か不満があるのかしら? 失態を犯したにもかかわらず望みを叶えてあげたんだから、それ相応の代償をもらうだけなんだけど……構わないわよね?」
「し、しかし、坂本の城は私と相良先輩のためにと……」
良晴と思い合っているという思い、そして主信奈が自分と良晴のために坂本の城を与えたという思いのある光秀にとって、この信奈が下した命はまさに命をとられる事と同等の信じられないものであった。
そのような信奈の理不尽な命令に光秀は、信奈に対する不信感と自分と良晴を引き離そうとする信奈への怒りの感情が芽生え始めていた。
一方の信奈も、光秀が見せるあたかも自分が良晴と光秀の仲を認めているような口振りに、この女は何を言っているのだろうか、と怒りを通り越し笑いがこぼれるほどであった。
そして、信奈の黒い怒りは、最早信奈自身にも抑えきれないほどになっており、その怒りの矛先は先ほどから自分に逆らい続けている光秀へと襲い掛かった。
「何を思い違いしているか、十兵衛光秀!! 行くならさっさと行け!!! これ以上醜態を曝せば、その首跳ね飛ばすぞ!!!」
そう言うや、信奈は手にしていた扇子を光秀めがけて投げつけた。信奈の手を離れた扇子は、光秀の広い額に激突した。あまりにも強く力をこめて投げたのか、光秀の額からは血が流れ出した。
額を押さえうめき声を上げる光秀を一瞥すると、信奈は何も言わずに部屋を後にした。
「し、失礼いたします」
光秀は血の流れる額を押さえながら退室し、傷の手当もしないまま自分の屋敷へと戻った。
額を押さえる手に隠れた光秀の目には、すでに信奈への敬愛の念は無く、ただただ怒りと憎しみだけが浮かんでいた。
数日後、光秀は戦勝祈願のため愛宕神社に参詣していた。先日の信奈への怒りは、いまだにその胸中で燻っていたものの、良晴のもとに向かう事が出来ることに光秀は浮かれ気分であった。
「戦勝祈願も済んだことですし、ここで私と相良先輩の恋愛運を占ってみるのです。毛利攻めの間ずっと一緒にいるからには、ひょっとしたらあんな事やそんな事が起こってしまうかも。……という事でいざ!!」
しかし、いざ籤を引いてみるとその結果は「凶」であった。
「こ、こんなはずはないです。先輩と私は両想い、愛し合っているはずです」
そう思い二度三度と籤を引くものの、同様に「凶」であった。
「そ、そんな。私たちは二人仲むつまじく、坂本で……二人……」
焦る光秀の頭に、良晴ではない人物の顔が浮かんだ。自分と良晴の未来には邪魔な存在、自分から良晴を奪ってしまう人物、織田信奈の顔が……。
「そうです、そうです。あの方、あの方が……あいつさえいなければ、私と先輩の仲を邪魔する輩もいなくなります。そして天下は私と先輩の物!!!」
カラン
無意識に振っていた籤箱から一本の籤が零れ落ち、地面に落ちて乾いた音をたてる。籤は引き付けられるように、光秀の方へと転がってきた。転がってくる籤を食い入るように見つめる光秀の目に映った文字は「大吉」であった。
時は今、雨が下しる、五月哉
そして、明智光秀は運命の岐路に到着した。京都桂川を渡り、己の臨むものすべてを手に入れるため、彼女は宣言する。
「敵は、本能寺にあり!!!」
- 59 :
- 運命のその日、京の本能寺に宿泊していた信奈は、珍しくいつもより早い時間に目が覚めた。目が覚めたといってもどこか夢心地な気分が残っており、布団の中で丸まり
ながらこれからの事を考えていた。
前日の公家との茶会は問題なく終了した。公家衆は、朝廷からの任官要請を断る信奈に対し不満げな表情を浮かべていたが、信奈が各地から集めた大名物を手土産に持た
せると表情を変え満足して帰っていった。
(まったく馬鹿な連中ね。まぁ、茶器を渡しただけで機嫌がよくなるなら、儲け物だけど)
信奈は、そう思わずにはいられなかったが、朝廷との関係もとりあえずは順調といえた。
北陸、四国はそれぞれ柴田勝家、丹羽長秀といった武将に担当させているため案ずる点は無く、中国は良晴が苦戦との事で援軍を要請してきたが彼の要請通り光秀を、
そして良晴には知らせてはいないが自分自身が出陣すれば問題ないだろう。
東に関しては、滝川一益に任せており関東の北条、奥州の伊達も恭順の意思を見せているようであった。
伊達家家中では、いまだ意見の不一致が見られるとの報告も受けてはいるが、中国そして九州を手中にすれば、天下統一は遠からず達成できるだろう、と信奈は考えた。
(それにしてもサルのヤツ、忍びの報告では順調に毛利の勢力を攻略しているらしいのに、なんでわざわざ十兵衛を援軍に欲しがったのかしら?
やっぱり十兵衛の事が好きなの?)
中国の良晴からはしばしば書状が届き、戦況が報告されている。書状には、思った以上に敵の攻撃が激しく手を焼いているとあり、戦況を好転させるために、
かねての願いの通り光秀の援軍を望むと願い出ていた。
しかし、信奈の密名を受けた忍びからの報告では、相良軍は順調に毛利方の城を攻略し、現在は備中高松城を水攻めにし、攻略目前ということであった。
良晴としては本能寺の変発生の要因を潰すため、出来るだけ早く光秀と合流したいとの考えからであったが、事情を知らない信奈からしてみれば良晴が思い人である
光秀を自身の近くに呼び寄せ、さらには光秀に手柄を与えようとしているように思えた。
(そのあたりの事情は、サルのところに着いてからしっかりと聞かせてもらうわ。それにしても、もし二人が本当に思い合っていたらどうしようかしら。
べ、別にわたしはサルと十兵衛がどうなろうと関係ないんだけど……。二人の仲を認めることでサルが調子に乗って、この大事な時期に十兵衛を孕ませたりしちゃったら
わたしの夢の実現が遅れるって、そんだけなんだから……)
(まぁ節度のある付き合いなら、い、いいんじゃないかしら。この前は十兵衛に悪い事しちゃったし、今日にでも十兵衛の領地召し上げを取り消す書状を送らなきゃ)
そんなこれからの方針を考え、顔を洗って一日の活動を開始しようとする信奈。しかし、全ては遅すぎた。
誰も幸せになる事の無い悲劇の始まりを知らせる足音が、信奈の宿泊する本能寺の目と鼻の先にまで近付いていた。
- 60 :
- 今回はここまでです。
長文の投下は初めてだったので、改行のおかしな部分が…… orz
次回からは、気をつけたいと思います
- 61 :
- 嫉妬が引き起こす本能寺の変か
本編でも勘違いフラグが立ってるから結末が違うだけの話になったりしてw
楽しみに待ってます
- 62 :
- GJ
本編のネタ(坂本の城など)を上手く活用している辺り、やるな
バッドエンドは嫌いな質なんだが、原作でも避けては通れないエピソードだけに、ここでネタ潰しをしてやれw
まぁ、原作でバッドはないと踏んでいるから言えることだが
- 63 :
- グッジョーブ
イイヨイイヨ本編とうまくリンクしてるとことかうまい
十兵衛もサルに言われたこと思いださんといかんがな
- 64 :
- 面白かったです
後編も期待してますよ!
- 65 :
- 保守
- 66 :
- 保守
- 67 :
- 保守
- 68 :
- 保守
>>60
GJ
亀だけど、後編は良晴の備中高松城の囲陣の描写で、半兵衛ちゃんを登場させるか否かが問題だな
- 69 :
- 先日織田信奈の野望版本能寺の変を投稿した者です
皆さまからの御感想、御褒めの言葉をいただき、感謝しきりです
自分の中では半月ほど前に前作を投稿したように感じていましたが、気がつけば一月が立とうとしていました
後編につきましては現在の時点でほぼ完成しており、最後の確認を済ませたのち明日のこの時間には投稿できるかと思います
前作同様至らない点が随所に見られるかと思いますが、読んでいただければ幸いです
- 70 :
- >>69
楽しみにしてますよ〜
- 71 :
- >>69
楽しみに待ってます!
- 72 :
-
お待たせいたしました 織田信奈の野望版本能寺の変後編を投稿します
前編の前書きにも書きましたが、この話はBadEndモノになっておりますのでご注意ください
完成後ももっと良く出来たのではという念が拭えませんが、今の自分にはこれが限界でした
ここはこうしたほうが良かったなどの御指摘、その他御感想など書き込んでいただければ幸いです
- 73 :
- 燃え盛る炎の中、一人の近習も従える事無く信奈は一人佇んでいた。
何が起こっているのかわからない。
自分はどうしてこんな炎の中にいるのだろうという思いが、呆然と立ち尽くす信奈にはあった。
「お逃げにならないんですか?」
「!!!」
今にも建物が崩壊し、灼熱の炎が全てのものを灰燼に帰してしまうという状況の中、信奈の耳にその涼やかな
声が聞こえた。しかし、信奈は幻聴ではないかと思わずにはいられなかった。
その声の主がこのような場所にいるはずが無いのだから。
「とは言え逃げようと思っても、一万を越す私の兵が逃げ出す者が無いよう囲んでいるので無理ですけれど」
「じゅう……べえ?」
建物全体に火の回った本能寺。その中で一人佇む信奈の前に、明智十兵衛光秀が姿を現した。
「十兵衛!!!」
「なんでしょうか、信奈様」
愛刀宗三左文字を鞘から抜き払い、睨んだ相手を睨みすがごとき眼力で、光秀を睨み叫ぶ信奈。
対してそんな主の眼力などどこ吹く風と、光秀は普段とまったく変わらぬ様子であった。
「あんた、自分が何をしているのかわかっているの? いったい何が目的なの!!」
本能寺を幾重にも包囲する桔梗紋の旗に彩られた軍勢を目にして、まず信奈が考えた事は、何者かが明智軍に
扮して攻め込んで来たのではないかということであった。信奈自身、自分にもしもの事があれば光秀に自分の後
事を任せるつもりであると公言するほどに光秀を信頼しており、それほどまでに信奈の中で、光秀が裏切るとい
うことは可能性の低いことであった。
しかし今、信奈の前には光秀本人が立っている。加えて彼女の配下であろう万を越す軍勢により本能寺の守り
についていた信奈の側近は悉く討ち取られてしまった。ならば寺を取り囲む軍勢も光秀の謀反そのものも、現実
に起こった事ということになる。
信奈の考えていたあらゆる事態の中で、これほどまでに残酷な結末は考え付きもしないことであった。
「まさか公家の連中に唆されてこんな事を? それとも他に黒幕がいるの?」
「黒幕? そんなものはいませんよ。いるとすればこの光秀が黒幕と言う事になりますね」
いまだに光秀の裏切りを信じられず動揺する信奈とは対照的に、光秀はまるで世間話をするように平然と答え
る。
- 74 :
- 「どうして……どうしてこんな事を」
「どうして? 信奈様、私はあなたの手にしているものが欲しいのです。あなたは私から全てを奪ってしまう。領
地も、命もそして良晴殿さえも!!!」
「よし……はる?」
光秀の言葉に現れた人物の名前に、信奈は自分の命で毛利討伐に向かった男の姿が思い浮かぶ。
うつけと誹られ、誰からも理解されなかった自分の夢を理解し、支えてくれた良晴はずっと自分の側にいてく
れると、信奈は確信していた。だからこそ、光秀との関係に対しても所詮は家臣同士の付き合いであり、良晴は
自分のモノだと思っていた。
しかし、今の光秀にとってその信奈の考えは残酷なものであった。叶わぬ思いは人を狂わせその手に武器を握
らせる。目の前に立つ涼やかな様子の光秀の目に浮かぶ狂気に、信奈は改めて人の感情の恐ろしさを感じていた。
「そう、あの方は私とともにありたいと言ってくださった。しかし、あの方の目にあなたの姿が映らない時はな
い。例え私があの方を手に入れても、このまま天下が治まれば、あの方の目は再びあなたに向いてしまう。私は
あの方の温もりを奪われたくはない!!!」
涼やかな様子から一転、感情を顕わにした光秀は誰に命じられたわけでも、誰に操られているわけでもなかっ
た。恋焦がれ、求めてやまない唯一つのものを欲するがゆえに、その場に存在していた。
一方の信奈は、自分を見つめる光秀の視線に既視感を感じていた。それは昔、母親である土田御前から向けら
れた視線に酷似していた。自分への嫌悪を全く隠そうとしない視線は、いっそいなくなってしまえばと言わんば
かりであった。そして信奈は、自分を生んだ母親だけでなく信頼する家臣にまで必要とされない自分は何を信じ
ればいいのか、これまで自分のしてきた事、広い世界へと乗り出したいという夢は何だったのだろうかと思って
しまう。
そうした思いから刀を握る手から力が抜け瞳に絶望の色を浮かべる信奈に対して、光秀は愛刀明智近景を抜く
と、その切っ先を向ける。
今まで常に光秀の腰にあり、信奈を守っていたその刀は、今まさに信奈をへと誘おうと炎に照らされ妖しく
輝いていた。
「あなたにはんでいただきます、信奈様。この私が良晴殿と永久にあるために!!!」
光秀の鹿島新当流奥義、一の太刀が信奈を襲う。かつて松永久秀が躱したその剣撃に対して、信頼していた光
秀に裏切られた事に動揺する信奈は、抗う術を持たず周囲の炎を映して煌く刀の軌道をただぼんやりと見つめる
事しか出来なかった。
信奈は、その刀身に映る炎の中に天下を統一し外の世界に乗り出す自分と仲間達、そして自分に笑い掛ける良
晴の姿を見た気がした。
- 75 :
-
良晴の知る歴史において本能寺が起こったとされる日から数日、良晴は備中高松城の攻略の最終段階に入って
いた。
攻略の好調さとは裏腹に、良晴はそんな事があるはずがないと思いながら、万が一を考え周囲に五右衛門の配
下を配置し、光秀から毛利方へ密書が運ばれていないかを見張らせていた。
良晴の知る歴史のように本能寺の変が起きてしまったならば、光秀から毛利方へ密書が送られると考えたから
である。
しかし、良晴が心配する中、光秀本人からの書状が良晴の陣に届けられた。
「相良様、明智様からの書状が届きました」
「十兵衛ちゃんから? ということは予定通りこちらに来られるのか? どれどれ……」
光秀自身からの書状ということもあり、最悪の事態は回避できたのかと考えつつ手紙を読み進める良晴。
しかし、次第にその顔から血の気が引いていく。手紙の内容に手は震えだし、ついには手紙を取りこぼしてし
まった。
手紙の内容が理解できない。
否、起こるなと、起きて欲しくないと思っていた事が起こってしまった事を脳が理解しようせず、良晴は目の
前が暗くなったように感じた。
目を閉じて再び開けばその手紙が無くなっているのではと、固く閉じた目を開く。
しかし、良晴の願いもむなしく、光秀からの手紙は彼が落としてしまった状態のままその場に存在していた。
光秀からの手紙には、本能寺において信奈を討ち取った事、そして共に天下を治めたいという旨が描かれていた。
全身の血液が凍ってしまったかと思うほどの寒気が良晴を襲う。手や足が傍目から見ても分かるほど震えてお
り、歯の根が合わず歯と歯がぶつかりカチカチと音を立てる。自分が誰で、ここがどこなのか、自分がしようと
していた事はなんだったのか、そういった様々な事柄さえも理解できなくなっていく。
たった一つの事実が良晴から全てを奪ってしまった。
――信奈がんだ――
わがままで乱暴で良晴をサル呼ばわりしてこき使う、しかし、だれよりも家族を求め、途方もなく大きな夢に
瞳を輝かせていた、良晴が誰よりも守りたかった少女は最早この世にはいない。
信奈のを受け入れられずに髪を振り乱し、獣のような叫び声を上げた良晴は、あまりの絶望に足元の地面が
なくなったような感覚に襲われ、次の瞬間意識を失い地面に倒れこんだ。
- 76 :
-
良晴に書状を送り終えた光秀は、物事が自分の思い通りに進み有頂天になっていた。
「これで日の本は私と先輩のものです。まずはやまと御所に、この土岐源氏の血を引く光秀を征夷大将軍に任命
させるのです。そして、相良先輩には関白と太政大臣を兼任させるのです。そうすれば公家と武家の全ては、名
実ともにこの私と先輩の手の内に……」
(そうした場合、前例を盾に近衛前久のような小物が口を挟んでくるかもしれないのです。……まぁそうなった
場合は仕方がありません。そういった方々は口出しできない姿になってもらうだけです。これは公家だけではあ
りません。私と先輩の邪魔をするものは誰であろうと……)
光秀の頭の中には、すでに自分と良晴しか存在していなかった。
自分に逆らうものは全て敵。
主すらもその手に掛けた光秀に、最早恐れるものなど何もなかった。
いざと言う時のためにと撤退の準備も進めていた良晴軍のその後の対応は、迅速そのものであった。
いまだ立ち直る事の出来ない良晴に代わり、五右衛門らが先頭に立って毛利方との和睦をまとめ、その後、急
ぎ京へと向けて大返しを行い、数日で姫路城に入城する事が出来た。
そこには、四国に向かう途中で変を知り駆けつけた丹羽長秀の部隊の姿もあった。
「良晴さん、ご無事で何よりです」
久方ぶりに見る長秀は、すでに信奈のを知っているのか明らかに憔悴していた。
「一刻も早く逆臣の首を取りたいと思っていましたが、私達の軍だけでは数が少なかったので良晴さんと合流で
きて助かりました」
しかし、憔悴している様子とは裏腹にその目は血走り復讐の念に燃えており、光秀を憎む気持ちがありありと
浮かんでいた。
「そ、そうか。だけど、十兵衛ちゃんは何で信奈に反旗を翻したんだ?」
「そんな事、最早どうでもいい事でしょう。裏切り者を八つ裂きにすればそれで終わりです」
普段のおっとりとした長秀の口から出た残虐な言葉に、良晴は自分の耳を疑ってしまう。
「だ、だけど、十兵衛ちゃんを唆した黒幕がいるかも知れないだろう? その存在を明らかにしてからでも――」
「そんな事を明らかにしてどうなるのです!! 姫さまが生き返るとでも言うのですか!! これ以上ふざけた事
を申せば、あなたも謀反人の仲間として切り捨てますぞ!!!」
そう叫ぶと長秀は自らの刀に手をかけ、本当に良晴であろうと切り捨てるといった眼で良晴を睨みつけた。
怒りに支配されている長秀の姿に良晴は、信奈のを境にしてそれまで一つにまとまっていた家臣団が、最早
修復不可能な程にバラバラになってしまった事を痛感せずにはいられなかった。
- 77 :
-
相良良晴の軍勢がありえない早さで現れたという知らせを受け、光秀は愛しい良人を迎える心持ちで天王山の
麓山崎の付近にまで兵を進め、軍を展開していた。しかし、一刻も早く良晴と再会したいと望む光秀の思いを踏
みにじるかのように相良軍と行動を共にしていた丹羽長秀の軍が、光秀の陣に向かって怒涛の勢いで攻めかかっ
てきた。
「光秀様、丹羽長秀殿の軍が、我が方に攻め懸けて来ております!」
「主の敵討ちのつもりでしょうか? 全軍、丹羽軍の相手をするのです。しかし、くれぐれも相良軍とは交戦せぬ
よう全軍に徹底しなさい」
光秀の中では良晴の軍はすでに自軍扱いであり、自分が率いる軍と力を合わせて丹羽軍を殲滅する腹積もりで
あろうと考えていた。しかし――
「光秀様!! 我が軍の側面に相良軍が突撃してまいりました!!!」
「なっ!!!」
兵の知らせる伝令に光秀は耳を疑う。信奈無き今、良晴は真っ先に自分のもとに駆けつけるものと信じていた
からである。
「そんなこと、あるはずがないのです。先輩は、私を愛しているはず。その先輩がこちらに攻め懸けているなど
……」
有り得ない事と頭を振り事実を否定する光秀は、自軍と相良軍以外の第三者にその理由を求め、檄を飛ばす。
「これはきっと先輩が長秀に脅されているに違いないのです。全軍に相良軍の攻撃を防ぎつつ、丹羽軍の兵をな
で斬りにするよう命じるのです!!」
しかし、光秀の命が届く猶予もないほど迅速に相良軍は進軍し、相良軍を味方だと認識していた明智軍を次々
と蹂躙していく。
そして、相良軍の攻撃による混乱は、次第に明智軍全体へと広がり、戦線の維持すら不可能になっていた。
最早総崩れといってもいい状態の明智軍を蹂躙し、相良軍と丹羽軍が次第に光秀の本陣にまで迫ってきた。
「光秀様、もはや勝敗は決しました。もともとこちらの軍勢が少なかった事に加え、相良軍の攻撃を受けた事で
総崩れとなっております!!」
「くっ!! ならばこの十兵衛自身が相良軍の本陣へ向かいます。我こそはと思う者は付いて来なさい!!!」
そう叫ぶと光秀は馬に乗り、数人の供を連れて相良軍の本陣へと向けて駆け出した。
- 78 :
-
戦の勝敗は決した。しかし、良晴にとって本当に重要な事はこれからの事であった。
「五右衛門!!!」
「いかがしたでござる、相良氏?」
「小栗栖ってのは、ここから遠いのか?」
「小栗栖とは、伏見の小栗栖の事でござるか? それならば、ここから二里ほど言ったところでごぢゃるが……。
コホン、それがなにか?」
「場所を知ってるんだな? だったら俺をそこまで案内してくれ!!」
「しかし相良氏、戦はこちらの勝利とは言え、あの辺りにはまだ明智の手勢が……」
「そんな事を気にしていられるかよ!! 俺は一刻も早くそこに行かねぇといけねぇんだ!!」
そう叫ぶ良晴の様子にただならぬものを感じたのか、五右衛門は、道案内を承諾すると部下に進軍する自分た
ちの周辺の警戒を命じる檄を飛ばした。
数人の供を連れ、光秀は戦場を駆けていた。さすがに敵の目に付きやすいという事で竹林を駆けてはいるが、
光秀の目には良晴の本陣だけが映っていた。
「先輩に会って抱きしめてもらいたい。口付けを交わしたい。たくさん愛して欲しい」
自分と良晴の関係を妄信する光秀は良晴と合流しさえすれば、状況を好転させる事が出来ると信じていた。そ
して、その先に二人で築いていくであろう輝かしい未来を夢見ていた。
しかし、その妄信は光秀から周囲に蠢く妖しげな影を隠してしまっていた。
「先輩に――」
ドスッ!!
「今何か…………ああああああ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
突如、光秀はわき腹に違和感を覚えた。そして、すぐに燃えるような痛みが全身に広がっていく。
突然の事に慌てつつも、周囲を見回すと自分に従っていた供は少なくなっており、代わりに竹槍や鎌を持った
落ち武者狩りと思われる者の影が光秀を取り囲んでいた。
先ほどの痛みがその中の一人が突き出した竹槍によるものだということを理解すると、光秀は目を血走らせ激
昂し落ち武者狩りに向かって叫んだ。
「この下郎共が!! この私を誰だと心得る。我こそは天下人明智十兵衛光秀なるぞ!!!」
光秀の裂帛の名乗りに、周りを囲む落ち武者狩りは一瞬怯んだものの、互いに目配せをすると、一斉に光秀へ
と踊りかかった。
- 79 :
-
「な、なんだよこれは……」
五右衛門の案内で小栗栖に到着した良晴は、目の前に広がる光景に言葉を失った。
竹に寄りかかり座り込む十兵衛の周囲には、落ち武者狩りのものと思われる体が転がっていた。その数は見
回しただけでも十を越えており、辺りには血のにおいが蔓延していた。そして、十兵衛自身も傷を負っているの
か所々に出血が見られ、座り込んだ状態で荒い息を吐いていた。
「十兵衛ちゃん!!!」
良晴は全身血まみれの光秀に駆け寄ると、光秀の両肩に手を乗せ呼びかける。
「せん…ぱい…?」
聞きたかったその人の声を耳にした光秀は顔を上げ、良晴の姿を確認すると満面の笑みを浮かべその乾いた口
から言葉を発する。
「せん……ぱい、おそいじゃ……ないですか。あいたかった……んですよ」
「さぁ、せ、ん……ぱい。ふ、ふたりで……さかもと、で……しゅ……祝言をあげ、ましょう」
一目で重傷であると理解できるような様子にもかかわらず、光秀はうれしそうに微笑み、良晴に話しかける。
「十兵衛ちゃん……」
良晴は光秀を見つけるまで、聞きたいと考えていた事が数え切れないほどあった。
その胸倉を掴み、何故信奈をしたのか、なにが光秀をそこまで追い詰めたのか、怒鳴りつけて問い質したい
と思っていたのだ。
しかし目の前の光秀は、愛しい人にようやく巡り会えた事を喜ぶどこにでもいるような一人の少女だった。
光秀は少し動かすだけでも激痛の走る腕を震わせながら、良晴の腰に手を廻し強く抱きしめた。
「もうどこにも……いかないでくださいね……。ほかのひとの……とこ…ゴホッ!!ゴフッ!!」
「無理してしゃべるな。急いで傷の手当をするから、それから話を聞かせてくれ」
「せんぱい、わたしのこと……あいして……ゴホッ!! ……か?」
「ああ、もちろんだ。俺は十兵衛ちゃんを愛している!! だからこんな所でなないでくれ!!」
- 80 :
- 良晴は、血を吐くほどの傷の深さにもかかわらず自分をしっかりと抱きしめている光秀の体から、彼女の思い
が流れ込んでくるような気がした。
良晴に頼られ喜ぶ思い、良晴の愛情を受ける信奈への嫉妬と良晴を奪われる事を恐れる思い、良晴と共に仲睦
まじく平和に暮らしたいという思い、そうした様々な思いが伝わり、良晴は腕の中の少女が自分の考えていた以
上に自分の事を思っていた事を初めて知る事となった。
良晴は、自分が原因となって信奈がんでしまった事を後悔すると同時に、光秀が自分への愛に焦がれ、その
手を汚してしまった事を悔やんだ。そして、「先輩」と慕い全てを捨ててまで自分を求めてくれた少女を改めて愛
おしく思い、このままなせたくはないと思った。
「わたしの……おもった、とおり……です。やっぱり、わたしとせんぱいは両、想い……んんっ」
良晴の言葉に改めて自分の考えの正しさを確認した光秀は、満身創痍の体のどこにそのような力が残されてい
たのかと思われるほどの力で良晴を抱き寄せると、その唇に自分の唇を重ねた。
光秀からの突然の口付けとその口付けの血の味に驚く良晴を見つめ、願いが叶ったとばかりに微笑みかける光
秀。そして――
「せんぱい、わたしも せんぱいのこと あい し て 」
「十兵衛ちゃん?」
良晴は、言葉が途切れたまま何も言わなくなった光秀に声をかけるが、光秀は幸せそうな笑みを浮かべたまま、
動く気配はなかった。
「おい、十兵衛ちゃん。じょ……冗談だろう? そ、そうか……い、いつもみたいに俺の事をからかってるんだろ。
まったく人を慌てさせるのが得意だよな。ほ、ほら、もう充分騙されたから目を開けてくれよ!!!」
しかし、良晴がいくら呼びかけても、閉ざされた光秀の目が再び開く事はなかった。
良晴は、抱きついた形のまま冷たくなっていく光秀の体を抱きしめながら、流れ出る涙を止めることができな
かった。
最悪な結末を回避したいという思いもむなしく、自らの知る歴史をなぞるように、信奈に続き光秀までもが命
を落としてしまった。所詮一人の人間には、歴史の流れを変える事など出来はしないということなのか、ならば
何故自分はこの時代に招かれたのか。
守りたいと思っていた少女たちを救えなかった自分を、そして少女たちに悲惨な運命を与えた天を恨みながら、
良晴は天を仰ぎ叫ぶ。
「なんで、なんでこんな事になっちまったんだ!!! どうして俺は大切な人を守る事が出来ないんだ!!!」
二人の愛する少女を失った良晴の慟哭だけが、小栗栖の竹林に木霊していた。
- 81 :
-
その後光秀の亡骸は、長秀を始めとする織田家の家臣たちにはその存在を隠し、良晴たちの手によって名もな
き小さな寺に埋葬された。
信奈亡き後、残された織田家家臣団の中で、主信奈の敵討ちを果たした良晴が勢力を強めていく事になる。
しかし、信奈と光秀、この二人を失った良晴にとってその後の事など最早どうでもよい事であった。
後年、信奈の念願であった天下統一を成し遂げた良晴は、明国に侵攻するため朝鮮へと出兵した。
それが、信奈の望んでいた外の世界へと繰り出す夢のためだったのか、それとも別の意図があったのか、それ
は誰にもわからないことであった。
- 82 :
-
以上で今回の話は終了です
前回よりは改行がうまくいった気がします
これからも機会があれば、また投稿するかもしれません
(この作品は他の3作品と同時進行で作成していましたが、残りの作品はまだ完成していません)
このスレが、これからもっと賑わうことを期待しています
- 83 :
- GJ!
ちょっと光秀の口調が十兵衛ちゃんぽくない気もするけど、シリアスシーンメインだしこれで良いのかもしれない
欲を言えば、前編最後から後編までの信ナース縄緻密費で襲撃の第一報を聞いてからのシーンが欲しかったかな
まぁ、ともかく乙です
次回作期待してます できれば今度はBAD以外でw
- 84 :
- なんつー変換だ たぶんタイプミスまでしてるし orz
誤:信ナース縄緻密費で
正:信奈ー即ち本能寺で
すまん
- 85 :
- 乙です。
朝鮮征伐をそう絡めてきましたか。妙に納得してしまったw
- 86 :
- >>82
超GJ
面白かった
BADでしっかり読ませるってのは凄いねえ
- 87 :
- GJ
面白かった!
個人的には続きが気になるな
賤ヶ岳以降の犬千代の裏切りとか、勝家の最期とか
タヌキとの戦いとか色々見せる所はあるし
ライバルが全員脱落してねねの一人勝ちっぽいけどw
- 88 :
-
>>87
この後の話を書くとして、犬千代が勝家に付く状況が考えづらいな
犬千代出奔の時点で勝家は信澄側だったし、二人が朝倉滅亡後に歴史通りの北陸担当になっても、
犬千代は今までの付き合い的に勝家ではなく、良晴に付くような…胸のことで敵視してるしw
- 89 :
- 保守
- 90 :
- >>88
信奈様には勝家を助けろって言われてる
でも自分は良晴が好きだから…とかの葛藤が有ったら面白いな
>>87もあるけど、個人的には信奈を失った長秀さんの暗黒っぷりが気になるな
対勝家戦とか、長秀さんから良晴に薦めてそう
亀だけど、作者さんお疲れ様。次回も楽しみにしてます
- 91 :
- どうしてこうなってしまったのだろうか?
どうして俺は信奈を押し倒してしまっているのだろうか?
考えれば考えるほど頭の中がこんがらがってしまう。
原因はあれか?
確か俺は無事手柄を立てたお祝いに、織田家臣と共に宴会を催していたのだが・・・・・・、
「さ、サル。あ、あんたこっち来て、あたしにお酌しなさい」
と、赤い顔してこちらにやって来たのは織田家当主であり、気高き孤高の姫武将である織田信奈であった。
「はぁ? 今日は俺のための―」
「異論は認めないわよ! あんたはあたしの家臣でしょ? ご主人様の命令には素直に従いなさいよ!」
と、反論しようとした矢先にこれだ。信奈の我が儘が始まった。
俺は激しく頭痛がするのを感じ、こめかみを押さえながら信奈に向き直ると、不意に甘いにおいが鼻をついた。
「・・・・・・信奈、お前酔ってるな?」
「酔ってないわよ、馬鹿サル! あたしは織田家当主なのよ、このくらいの酒で酔うはずないじゃない」
酔ってる奴は大体そう言うんだよ! 口調はしっかりしてるが、顔は風呂上がりのサルみたいに赤いし、心なしか足下もふらついているし・・・・・・。
何より怖いのはあの目・・・・・・。いつもはまぁ、つり目気味の可愛らしい瞳も、暗く濁って座ってるし!
これを酔っていると言わずになんと言おうか!
- 92 :
- 「・・・・・・お前なぁ、弱い癖にそんなに飲むなよ。他の奴らに迷惑だろ?」
俺は溜息混じりにそう呟くと、俺の横でチョビチョビとおちょこで酒を飲んでいた犬千代が、
「・・・・・・姫さま、良晴が生きていて嬉しい。だから羽目を外して、普段手を付けないお酒もたくさん飲んだ」
と、いつもの口調でとんでもない事をのたまう。
おそらく犬千代もアルコールが幾分効いているのか、普段なら口にしないようなことまで喋っていた。
「・・・・・・姫さま、早く休ました方がいいと思う。このままだと臣下たちのお酒にまで手を付けてしまうから」
確かに、上流階級用の酒とは違って、だいぶんアルコールも強めだ。信奈みたいな下戸が飲んだら大変なことになってしまう。
俺は慌てて足軽共が飲んでいた酒瓶に手を伸ばしたところを止め、犬千代の助言通り信奈の部屋に担いで運んだつもり・・・・・・。
あ〜! くそ!!! その辺りから記憶がねぇ!
自分では酔ってないと高をくくっていたが・・・・・・、どうやらそれはただの思い違いだったようだ。
だって、酔っていなければこんな高慢ちきの信奈など押し倒してはいないはずなのだから。
「・・・・・・あ、あんた。どういうつもり?」
しばらく回想に耽っていた俺の意識を現世に戻したのは、信奈の泣きそうな声音あった。
いつもの強気な姿は見受けられず、こうしてみるとただの可愛い女の子であった。
- 93 :
- 俺はその姿にゴクリと喉を鳴らしてしまった。
だってしかたないじゃないか。信奈は黙っていれば自他共に認める極上の美少女だ。
ただ性格が粗暴すぎて、俺の審美眼からするとノーマークだったんだが。
な、なんだよ。こいつ、可愛いじゃねぇか。
「・・・・・・さぁな、気づいてたらお前を押し倒していたんだ。ほ、本当だぞ! 俺は決してやましい気持ちで、
お前を部屋に運んだんじゃないんだからな! そこんとこは勘違いするなよ!」
何を俺、必に弁解してるんだろうな・・・・・・、まるで好きな子にこれ以上嫌われないように必に謝るヘタレみたいじゃねぇか・・・・・・。
あっ、俺ヘタレみたいじゃねぇか。てか、元からか。何せサルだもんな。
「・・・・・・こんな事して覚悟はできてんでしょーね?」
いっ! まさか、打ち首か!
俺はまともに信奈の顔が見られず、顔を上に向けた体制を固定しながら、ダラダラと大量の冷や汗を流した。
「か、覚悟って何だよ?」
ヤベッ! 上擦った! 信奈に変に思われなかったかな?
「・・・・・・あ、あたしを押し倒したんだから、その責任はとれる覚悟は出来てんのかって聞いてんのよ!」
あれ? もしや打ち首じゃねぇーのか? なら、何の責任を取れっていうんだろう?
- 94 :
- 「責任って、覚悟って、お前何いってんだよ?」
俺はあえて理解できてない風を装い、信奈に尋ね返すと、
案の定信奈は半泣きで、酒の勢いを借りてほぼやけくそな勢いで、
「だ、だからぁ! あたしを手籠めにする覚悟はあるのかっ! て聞いてるのよ! この馬鹿! 鈍感サル! うつけサル!」
と捲し立てた後、信奈はあまりの恥ずかしさに顔をを両手で覆い隠す。
俺はその言葉を聞いて、にやぁ〜と嗜虐的な笑みを浮かべ、信奈の耳元にソッと唇を寄せた。
エロザルモード、スイッチオン!
「・・・・・・信奈、いいのか? もう、俺止まらないぞ?」
と、優しく微笑むと、信奈はコクコクと何度も首を縦に振った。
俺は信奈を信じて、顔を隠す手を退け、その柔らかな唇に己の唇を重ねるのであった。
- 95 :
- えー、一応導入編書き終わりました。
次は信奈との本番を書きたいと思います。
性には無知な信奈に「おまんこ」「おちんちん」と言わせてる姿を妄想しながら
書き上げたいと思います。
それでは今日はこの辺で、愚作を読んでいただき、まこっとありがとうございました。
あっ、そうそう。これでいい、続きはいらねぇぜ、と言う方が多ければこれで終了させて
頂きますのでご容赦を。それでは失礼します。よいお年を〜。
- 96 :
- きたあああああ王道きたあああああ
楽しみにしております。wktk
- 97 :
- 信奈の唇はほんのりしょっぱくて、そして果実のような甘さと潤いがあった。
俺は夢中で信奈の唇を蹂躙し、つい調子に乗って唇を舌で割開いて口内に進入させると、
信奈は驚いたように目を見開けたが、次第にうっとりと目を蕩けさせ、俺との口づけに夢中になる。
な、なんだよ・・・・・・、信奈可愛いじゃねぇか。ってか、これ本当に信奈なのか?
よく戦国武将とか、お偉いさんには影武者っていう、本人そっくりの奴がいるじゃねぇか。
もしや、そいつか? と思わせるほど、今の信奈はおしとやかで、まるで借りてきた猫みたいだ。
「はぁ、ふ、ちゅる。サル・・・・・・、良、晴。はふ、ぅん、あふ」
信奈も俺とのキスに夢中になり、つたないが己の舌を俺の舌に絡ませてきた。
俺はそんな信奈の健気な姿に、かろうじて残っていた理性が消滅寸前であった。
「ちゅ、ちゅる・・・・・・、はぁっ! 信奈、信奈ぁ!!!」
俺の爪楊枝並の理性はついに崩壊し、俺は本能の赴くまま信奈の上着物の裾に手を潜り込ませた。
この時代はもちろんブラなどの下着類はない。それに今日は信奈も比較的軽装だった上、いつものさらしも巻いてはおらず、
俺は信奈の貧乳だが柔らかく張りのある生乳に触れることが出来た。
ふにゅん、と俺の手の中で自由自在に形を変える信奈のおっぱいに、俺の息子が固く張り詰めていくのを感じた。
「ッ//////!!! サ、サル! おっぱい、触らないでぇ! はぁう!」
信奈は力の入らない手を使い、俺の胸板を必に押し返そうとするが、今の俺のにはそんな攻撃は毛ほどにも感じなかった。
「の、信奈!!!」
俺は信奈の着物を大きくはだけさせ、両足を掴み大きく広げさせた。
いわゆる、M字開脚という、俺らの時代ではポピュラーな体位だ。
- 98 :
- あ
- 99 :
- 投下止まってる?
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