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2013年06月難民4: もしも桃子が愛理にRーを教えたら@難民11 (328)
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もしも桃子が愛理にRーを教えたら@難民11 (328)
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もしも桃子が愛理にRーを教えたら@難民11
- 1 :2013/03/09 〜 最終レス :2013/06/24
- まとめサイト
http://wiki.livedoor.jp/eroka1/
前スレ
もしも桃子が愛理にRーを教えたら@難民10
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1358950072/
- 2 :
- 誰も立てないみたいだから立ててみた
のち気付くかな
- 3 :
- 仲良しな二人
http://www.youtube.com/watch?v=qPoUhApRF5I
↑をヒントに何かお話下さい
- 4 :
- 立てたのか
乙
- 5 :
- [ あなたと私にサクラサク ] (あいり)
3年前の春、私と舞美ちゃんが暮らし始めた春。
私が高校に進学し、舞美ちゃんは大学に進学するのを断念し『社会人』になった春。
「舞美ちゃんね、私……大学に行こうと思うんだ」
そう話したのは夏。舞美ちゃんは、「愛理だったら絶対に大丈夫だよ」と背中を押してくれた。そして、
「わたしには出来ないなぁ。不器用だもん」
と、ちょっと寂しそうに笑っていた。
そして2年前の春、意を決して舞美ちゃんに話してみた。
「一緒に大学いかない?」
って。舞美ちゃんとキャンパスライフを謳歌したい、という不純な動機も混ざっていたけれど、桃の存在も大きかった。
かなり難しいと思われていた大学と芸能活動を両立させていた。
みやもそれに続いた。
だったら舞美ちゃんも……と思ったから。
舞美ちゃんはすぐには返事をくれなかった。
答えが返ってくるまでに2カ月を要した。
- 6 :
- 「愛理、わたしも進学してみようと思う。
器用じゃないから両立は大変かもしれないけれど、その経験とRはこれからの人生にプラスになるんじゃないかな」
桃とみやに相談してそう決断してくれた。
そして、
「一人だとサボっちゃいそうだから愛理と一緒の大学、学部に行こうかな」
予備校に通う時間はなく、私と舞美ちゃんの二人三脚での大学受験が始まった。
舞美ちゃんはすっかり高校の勉強の内容が頭から抜けていて最初のうちは大変だったけど、
持ち前の努力と根気強さでカバー、すぐに成績は上向いた。
一緒に受験頑張ろうね、といつも励まし合った。
しかし去年の12月、ちょっと困ったことが起きた。
ダメ元だった推薦入試で私が一足はやく合格してしまったこと。
舞美ちゃんは喜んでくれたけれど、一緒に一般入試を受けられなくなってしまった。
(つづく)
- 7 :
- スレ立てありがとうございます!
もう立たないかと思ってました
- 8 :
- 更新きたぁぁ!!
- 9 :
- 更新ありがとうございます!
卒業シーズンらしいやじすず!続き期待してます!
- 10 :
- ジェジュンはカラムに似てる
- 11 :
- ほす
- 12 :
- くこか
- 13 :
- 5g
- 14 :
- (・∀・)っc■~
- 15 :
- >>9
いやらしいやじすずに見えたw
- 16 :
- >>6
「愛理合格おめでとう!!」
舞美ちゃんはとびっきりの笑顔で喜んでくれ、思いっきり抱きしめてくれた。
だけど私は複雑。
「舞美ちゃん、ひとりで大丈夫?」
笑顔が凍りつく。
「が、がんばる!!」
心配だった。
私だけが受かって舞美ちゃんが落ちたら……。
その時でも私が大学に行くことは変わりないけれど、やっぱり舞美ちゃんと通いたい。
私ができることは勉強のお手伝いをすること、あとはできるだけ家事をやること。
「ありがとう、愛理! わたし頑張るよ」
それにしても……舞美ちゃんが机に向かってる姿が美しすぎる。
4年間、この光景を独り占めしたいな。
- 17 :
- ◆
そして2月の半ば、大学の合格発表の日。
ふたりで掲示板の前に合格発表される朝9時より30分前に張り込む。
「愛理、やっぱりダメだよ。英語で時間切れになって最後の問題解けなかったよぉ……」
2週間前の試験当日からそればっかり。
私の袖を握って不安そうだった。
「大丈夫。この2年間頑張ってきたでしょ?」
「そうだけどぉ」
「私は信じてる。このキャンパスにふたりで通えることを。あ、職員さんが来たよ!!」
9時2分前、合格者の受験番号が書かれている大きな紙を二人がかりで運んできた。
そして脚立を使って紙を掲示していく。
「わたしダメ、見れない……愛理お願い」
私の腕にしがみつき俯く。
こんな弱気な舞美ちゃんは初めてかもしれない。
「わかった。えっと、2070412……」
偶然にも私と舞美ちゃんの誕生日が合わさった受験番号。
落ちるはずがない。
ほら。
- 18 :
- 「どうしたの、愛理? ちょっと苦しい」
舞美ちゃんに全力で抱きついたから。
「4月からもよろしくね、舞美ちゃん」
「え、え、え?」
舞美ちゃんは顔をあげて掲示板を覗き込む。
「むぎゃっ!!」
私の口から変な声が洩れた。
舞美ちゃんに全力で抱きしめられたから。
「愛理、愛理、わたし、わたし……」
「おめでとう」
舞美ちゃんは私の腕の中で全力でワンワン泣いた。
釣られて私もちょっとだけ泣いた。
目立っちゃったけど……まぁいっか。
- 19 :
- 合格発表のあとはふたりでショッピング。
それもただのショッピングではない。
だって、値札の額がとんでもないことに。
いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん……。
舞美ちゃんの目が点になってる。
ただのペアリングよりもケタが一つ違っている。
デパートに入っているジュエリーショップで、ふたりでマリッジリング選び。
大学の入学式、校門の前で舞美ちゃんからプロポーズしてもらうんだ。
しかもしかも、入学式はちょうど私の誕生日!
だから舞美ちゃんがリング代は全部出してくれると言っているのだけれど。
「私も半分出そうか?」
「大丈夫!! ふたりにとって大切な日だもの。ここはわたしが――」
「そう? ありがと」
「え、あ……うん」
さすが舞美ちゃん、わたしの見込んだだけの人であった。
ふたりでいくつか候補を絞り、私は店外で待機。
最後は舞美ちゃんが選んでくれる。
そのほうが貰ったときの楽しみが増えるもの。
1時間ほど待って、やっとのことで舞美ちゃんが出てきた。
その顔にはやや疲れの色が出ていた。
「難しかった……」
「これであとは4月を待つだけだね♪」
舞美ちゃんの腕にしがみついた。
貰うリングを左手薬指つけて4年間通おうと決めている。舞美ちゃんもそうしてくれるよね?
もう私たちはずっとずっと一緒だから――。
- 20 :
- ◆
――とはなかなかそううまくはいかないもの。
春のハロコンでの舞美ちゃんのハロプロメンバーや研修生からの人気が凄まじい。
ライバルは真野ちゃんだけではなかった。
そりゃあ舞美ちゃんは美人なのにかわいらしくて優しくてスタイル良くてダンスはキレキレでセクシーで……。
いいところをあげたらきりがない。
今日くらいは大目に見てあげる。
私も春から大学生、それくらいの余裕は見せないと。
……。
ひとりで誰もいない℃-uteの楽屋に戻るとなんだか落ち込む。
我慢をしてみたもののやっぱり寂しいし、沸々と湧いてくる嫉妬心。
そんな自分に自己嫌悪、化粧台に突っ伏してしまう。
「あーいり、なに落ち込んでるの」
「ま、まいみちゃん!? どうしたの?」
いつの間にか楽屋に入ってきてた。
- 21 :
- 「そろそろ愛理が寂しがってるころかなーって。違った?」
「……遅いくらいだよ」
「ごめんね。じゃあ、ギューっとしてあげる」
椅子から立ち、舞美ちゃんの胸に飛び込む。
「愛理、かわいい。大好きだよ」
髪を撫でてくれる。
もっと舞美ちゃんに甘えたくなる。
「……キスして」
「え、でも……」
「して」
「……愛理のわがままさん」
「舞美ちゃんだけにだよ」
そして二人の唇が重なり……。
- 22 :
- 「舞美お姉ちゃんいる!? いつか約束していた髪のセットをして欲しいんだけど……あ」
なんてタイミングでスマイレージの竹ちゃんがやってくる。
「し、失礼しました!!」
バタン!!
顔を真っ赤にして楽屋のドアを思いっきり閉めて去っていった。
「ど、どうしよう……」
慌てる舞美ちゃんを余所に、どうやってもう一回キスをねだろうか考えている私がいた。
(おわり)
- 23 :
- 待ってたぜ
- 24 :
- おっと来てたな
素敵な春だね
- 25 :
- http://www.youtube.com/watch?v=0h7owCwLB4M&feature=youtu.be
↑を参考にみやももを希望
のち頼むよw
- 26 :
- >>25
非公開
- 27 :
- http://www.dailymotion.com/video/xyc9wz_20130319tsugunaga-momoko_music?start=4
じゃあ↑でよろしく!!
- 28 :
- age
- 29 :
- rrrrrr
- 30 :
- ここの愛理ちゃん的には今回のゲキハロの舞美の役はどうだったんだろうな
- 31 :
- [ ももの一番イイところ ] (みやび)
あ、それはアイドルなんでNGで。
そういって指で×印をつくる。
もものテレビでの下ネタに対するスタンスはいつもそう。
最近はぶっちゃけるアイドルも多くなってきた中でそのスタンスを保ち続けている。
事務所の指示がそうなんだけど、
大学なんかでのプライベートでも数人でいるとガールズトークにすら乗ってこないで
適当に愛想笑いをしながら相槌を打っている。
国民的アイドル「ももち」を徹底している。
そう、ももと二人きりでいるとき以外は。
- 32 :
- ◆
二人きりの時間は甘々。
「みやぁ、チューしてぇ」
目を潤ませて、腕を首の後ろに回してくる。
あのガードの固い「ももち」はどこへやら、おねだり上手。
「あたしからしないとダメ?」
「みやがしてくれないとやだぁ」
ももが大げさに首を横に振る。
「しょうがないなぁ」
そう口では言ってみたものの、正直我慢も限界。
こんなかわいいももを見たらもっとみんなメロメロに……だめだめ、このももはあたしだけのもの。
ヒトリジメ。
「ねぇ、ももってさ、どこが感じるの」
一通りキスを終えてから尋ねてみた。
「え、どこって……その、ええと」
口ごもる。
あRほど、そうだね。
- 33 :
- 「ここでしょ?」
パジャマのズボンに手を入れ、下着の上からももの大事なところを擦ってあげる。
「ひゃっ!」
「ここ意外で」
「ここ意外、って言われても」
桃が息を荒くしながら答えに詰まり、その間も下着は水気を増している。
「早く答えないともものエッチな体液で下着が伸びちゃうよ」
「体液言わないの。もう。えっとね……どうだろう。難しい」
「難しいって。いろいろあるじゃない。胸とか、首筋、鎖骨、腋、おへそとかなんか」
「そんなみやはどこなのよ」
「そりゃ胸に決まって……って何を言わせるの!」
「へへー、みやのお胸、感度抜群だもんね♪」
- 34 :
- 調子に乗ってる。
これは罰を与えないといけない。
手をズボンから引き抜き愛撫中断。
「えー、みやぁつづきしてよぉ」
「ももが舐めた態度を取るから。ほら、まずは指のキレいにしてよ」
桃の愛液で濡れた指を桃の口に押し当てる。
最初は口を尖らせて抗議の態度をとったものの、すぐに舐め始めた。
「どう、おいしい?」
「自分のなんておいしくないよぉ。みやのがいい」
「あとでね。さ、どこだか思いついた?」
「うーん、どうだろう。自分的には……全部かな」
「全身性器ってこと?」
「……どこでそんなひどい言葉を覚えてくるの」
「弟のエロ本」
- 35 :
- 「そんな言葉使っちゃだめだよ。全部ってのはね、みやにしてもらうことは全部気持ちいいってこと。
みやにエッチなことしてもらうと嬉しいし、ドキドキして、あとね、幸せな気分になるんだ。
すごく満たされる。それが気持ちいい。体の純粋な気持ちよさはその次かなぁ」
目を細めてとびきりの笑顔をくれた。
だめだ。やっぱりこの子は一生独り占めしないと。
「ありがと。天国に連れて行ってあげる」
「きゃー♪」
そうだよね。
エッチって何をどうするかよりも誰と愛を確認するか、それが大切だものね。
絶対ないけれど、他の人とエッチしたとしても、ももとエッチするよりも満足感を得られないことは確実。
桃だってそうだよね。
……。
「浮気すんじゃーねーぞ」
「ん?」
あたしだってももとするのが最高なんだから。
(おわり)
- 36 :
- >>30
[ 王子様は力持ち ](あいり)
今回の舞台のプランを聞いたときはとても驚いた。
同時に3つの劇場で行われ、主となる劇場はあるもののメンバーそれぞれが
入れ替わり立ち替わりで3つの劇場を移動する、という仰天のモノだった。
でも舞台のプロデューサーさんが「Berryzは日替わり主役をやってのけたからね」と言われたらメンバーのハートに火がつかないわけがない。
冬コンと春コンの合間、舞美ちゃんは大学受験が控えていたけれど仕事にたいする弱音は一切吐くことなく試験をやり遂げた。
そしてメンバー全員で舞台に集中するわけだけど、ひとつ、ううんふたつ気がかりなことが。
- 37 :
- ◆
「舞美ちゃん、台本見せてー」
もらった台本を見せてもらって問題点が浮かび上がった。
まずひとつ。
舞美ちゃんのメイン劇場が別。
私は舞ちゃんと岡井ちゃんと一緒で、舞美ちゃん、なっきぃはひとりずつ。
まあ寂しいけれど我慢しよう、お仕事だもの。
そしてもうひとつの気がかりなこと。
こっちが大切。
台本を見せてもらうと、舞美ちゃんはボーイッシュな王子様系女生徒会長に憧れる生真面目な美少女生徒会書記。
……は? なにこのミスキャストは。
私の王子様でもある舞美ちゃんが生徒会書記側を演じるのもさることながら、
なんで私を起用しないの、書記役で!?
最高に恋する乙女を演じてみせるのに。
「愛理、どうしたの。眉に皺寄せて」
「この書記役、絶対に私がいいのに。そして舞美ちゃんが生徒会長。完璧じゃない!?」
「わたしもちょっとだけそう思った。でも、台本全部読んでみて」
「ん?」
- 38 :
- 台本を読み進める。
「うわぁ……」
声が漏れた。
なんと生徒会長は他の人が好きだったのだ。
その相手がよりにもよって……おっと、口が滑りそうになった。
「悲恋かぁ。舞台といえどズシーンと来るなぁ」
「でしょ。でもさ、舞台のいいところって非現実なところじゃない?
舞台の役になって、舞台の世界に生きる。普段と違う自分になれるところが楽しいと思うんだけど違うかな?」
「ううん、いいと思う。さすが」
舞台経験を積んでいる舞美ちゃん、考えが私の一歩先に進んでいる。
「あーあ、でもさ、舞台といえど舞美ちゃんと一緒の生徒会、やってみたかったなぁ」
「そうだね。でも、春から4年間、一緒の学生生活が待ってるからそれで許して。……受かればだけど」
「受かるよ、きっと」
- 39 :
- 舞台ではちょっとだけ離れ離れ。
役の上では他の人に恋をする同士。
だけど、私にとっての王子様は舞美ちゃん以外ありえない。
だからおねだりしてみる。
「ねぇ、舞美ちゃんお願いがあるんだけど」
「なに?」
「久しぶりに……お姫様抱っこして欲しい」
「あ……」
わたしのおねだりに舞美ちゃんの頬がほんのり桜色に染まった。
(おわり)
- 40 :
- >>30
ざっくりとw
ちょっと浅いかな?
- 41 :
- 甘々で良いですなw
- 42 :
- ありがとのち♪
- 43 :
- 鈴木愛理のエロ小説
http://megabbs.info/test/read.cgi/celeb/1221867740/
- 44 :
- 全身性器wwwwwwww
- 45 :
- 愛理大学生話読みたいね
- 46 :
- p
- 47 :
- [ それは幸せすぎる夢のようで ] (まいみ)
「舞美ちゃん愛してる」
「わたしも」
「へへ♪」
いつものような朝の一コマ。
起きる間際、ふたりでベッドから出るのを惜しむように抱き合ったりキスしたり愛の言葉を交わしたり。
なんとも贅沢で幸せすぎる時間。
「愛理、でも早く起きないとみんな来ちゃうよ」
「そうだね、名残惜しいけど……」
みんな、というのはわたしの両親に愛理の両親。
そう、今日はいつもとは違う特別な朝。
大学の入学式の朝。
朝食を済ませ、入学式に着て行くスーツに身を包む。
- 48 :
- 「舞美ちゃんとお揃い♪」
「色違いだけどね」
愛理はグレー、わたしは黒。
ついこの間まで制服を着ていた愛理がスーツに身を包むとは何とも感慨深い。
「舞美ちゃん似合うなぁ。うん、うん」
なんだか納得している様子。
「21歳で3浪だからね」
「そこ威張らないの。さ、出かけよう」
愛理に手をひかれて部屋を後にした。
そのわたしのスーツの内ポケットには大事なものが忍ばせてあった。
わたしと愛理の永遠を誓うものが。
- 49 :
- ◆
外に出ると昨日までが嘘のようないいお天気。
「本当、昨日が信じられない」
空を見上げてそう呟くと、
「そうだね。まさかのパリ、そして念願の武道館!!」
と愛理が鼻息荒く返答してくれた。
「へ?」
「……なに間の抜けた顔してるの。昨日あんなに喜んだじゃない」
「うん、ごめん。空模様を見てたんだ」
「なんだ、天気か。舞美ちゃんらしくなくいいお天気ですこと」
ちょっと嫌味っぽくいう愛理もまたかわいらしい。
「……それにしても、入学式が愛理の誕生日じゃなくて残念だったよ」
「ねー。遅いと思ったらまさかの誤表記だったなんて」
そう、4月12日に入学式かと思いきや4月4日なんて。
- 50 :
- 「さて舞美ちゃん、本日が大学の入学式なのですがー、例の、その、あれの件はいかがなさいますか?」
歯切れが悪い。
なんだろう、と考えること数秒。
答えはわかったけど、とぼけることにした。
「なんのこと」
「なんのこと、って、あれだよ、あれ、ほら!」
愛理が左手薬指をアピールしてくる。
わかってるよ。覚えてる。二人で交わした大切な約束だもの。
「さ、愛理の両親もうちの両親のきた! 行こう」
「ぶー」
愛理は不貞腐れながらついてきた。
楽しみはもうちょっとだけとっておきたいもの。
- 51 :
- ◆
式も滞りなく終わり、会館の外に出る。
さすが大学、高校と違って会館の収容できる人数がすごい。
「愛理さぁ、校門に行こうって、どうしたの」
「どうしたもこうしたも! 舞美ちゃんガード甘すぎ! もっと危機感もたないと!」
「なんのこと?」
「すぐに連絡先教えないようにって事務所からも言われてるでしょ」
「そうだっけ」
式が始まる直前、愛理がお手洗いに行って待っていたとき、話しかけてきてくれた女の子二人組と少し会話が弾み、連絡先を交換しようとした。すると、
『すいません! もうすぐ式始まるんで失礼しますねー』
と愛理がすごい勢いでお手洗いから飛び出してきて、わたしの手を引いて会場の奥へと連れて行った。
「同じ学校の子だからって油断しちゃダメだよ。
どこに落とし穴があるかわからないんだから。
友達はさ、うちらのキャンパスに行って授業始れば自然とできるよ」
- 52 :
- 「そうだね」
ちょっと警戒し過ぎな気もするけれど、わたしの身を案じてくれてのこと。愛理に感謝しなければ。
インターネットやソーシャルネットワークはわたし達にとって全てが都合のいいものではないのだから。
「あった」
ここ二日間の雨でだいぶ散ってしまった桜並木を抜けると、有名大学にしては地味といってもいい正門にたどりついた。
だけど新入生やその家族が記念写真を撮り合っていてとても賑やかだった。
「ついたね、正門」
「うん」
そこで訪れる沈黙、気まずいったらありはしない。
「愛理、あの」
「うん」
愛理と向かい合う。こちらの目をじっと見つめてくる。
頭が真っ白になる。口の中が乾いて仕方ない。
どうやってプロポーズしようか、あんなに練習したのに。
- 53 :
- 「舞美ちゃん」
「ん?」
「さくらの花びらを見すぎるとさ、くらっとくる」
お得意の愛理のダジャレ。ちょっとつまんない。だけど。
「なにそれ、つまんない」
「そうだね、即興だもの」
お互いに笑いが漏れ、肩の力が抜けた。
そうだ、今の気持ちを素直に伝えればいいんだ。
「わたし、愛理に出会えて本当によかった。
いま、全部のことが幸せすぎて信じられない」
愛理といっしょに大学に行けること。
愛理といっしょにアイドルができること。
愛理が大好きなこと。
愛理がわたしを大好きといってくれること。
悔しいこと、大変なこと、切ないこと、いろいろあった。
でも、いまだったら笑って振りかえられる。
愛理の存在が、愛理の歌が、「舞美ちゃん」とわたしの名前を呼んでくれるその声。
わたしの全てをかけて大切にしたい。
- 54 :
- スーツの内ポケットにある指輪を手に取る。
「愛理、わたしと――」
ずっとずっと一緒にいてください。
夢にまで見た言葉を口にしようとしたまさにそのとき。
『そう、これは夢なんだよ。幸せすぎる悪い夢。だから起きなよ、舞美ちゃん』
え?
「ん、誰?」
愛理でも、うちの両親でも、愛理の両親でもない声。メンバーの声でもない。
でもすごく懐かしい、胸の奥がチクチク痛む声だった。
そうだ、この声は――。
舞美ちゃん、舞美ちゃん、どうしたの!?
愛理の声がだんだん遠くなっていき、意識が暗転した。
- 55 :
- ◆
「……夢か」
目が覚めると見慣れた自室の天井に朝日が差し込んでいた。
時計を見ると、6時10分。
まだ寝ていたいけれど、どうせあと15分で学校に行く準備をしなければいけない。
はぁ。
ため息が出てしまう。
あまりにも幸せな夢は、見ているときはよくても起きると身をよじるほど切なくて辛い。
いっそのこと、こんな夢なんか見ない方が幸せかもしれないと思いつつも、また見れることを切望して眠りにつくわたしがいる。
もはや中毒。
「大学、いかなきゃ」
今日は新年度のオリエンテーション、いくら就職活動で忙しい大学4年生とはいえでないわけにはいかない。
ベッドから起きようとする前、枕を確認する。
1個だけ。シングルベッドなのだから当然なのだけど。
夢のように、大好きなあの子の枕はここにはない。
もう一度ため息をつき、わたしは「幸せすぎる」ことのない現実世界への一歩を踏み出した。
「舞美ちゃん、舞美ちゃん」とあの子がわたしの名前を優しく囁いてくれることのない現実世界へ。
- 56 :
- 今度はいつ会えるだろう。
CDのイベント抽選権、あたるといいな。
握手会、今度こそ話せるといいな。
わたしの大好きな、鈴木愛理ちゃんに。
わたしの大好きな、『Berryz工房』の鈴木愛理ちゃんに。
[『What's your name?』につづく ]
- 57 :
- マンネリがひどかったんで新章に挑戦してみます
書き終えることができるかわからないけれどよかったら応援してくださいw
- 58 :
- いったい何がどうなってるんだ?(´・ω・`)
- 59 :
- ねぇ、ももってさ、どこが感じるの
- 60 :
- これはwktkな展開?
- 61 :
- 超展開キタ――(゚∀゚)――!!
- 62 :
- もうこの段階で面白いんだがwktk!
- 63 :
- おお
これはみやももも期待していいんだろうかwktk
- 64 :
- [ What's your name? ]
Episode.0
ソワソワ。
明日は誕生日なのに。
イライラ。
明日は誕生日なのに。
ローカルテレビ局の楽屋で彼女がする話題の中心に私がいない。
中心どころか、その欠片すら見えない。
そのことが梨沙子にとって大いに不満だった。
「でね、ももは大物芸能人Uさんに公園で台本とはいえ抱きつかれちゃったわけ。
そんな話なんて聞いてなかったからテレビで見た途端に血の気が引いて、
でも次の瞬間には沸騰して、隣でうたた寝をしているももの胸倉を掴んで詰め寄ったんだけど――」
はいはい、ケンカしてそれで仲直りエピソードでしょ。
最後まで聞かなくてもわかる、耳タコもいいところだよ。
バージョン違いで何度聞かされたことか。
もも、桃、桃子、嗣永桃子。
彼女――雅の口からその言葉が紡がれる度に、その子のことを幸せそうに話をする度に梨沙子の胸はチクチクと痛んだ。
- 65 :
- 「あのね、みや。明日なんだけど……」
「明日?」
「うん、明日。時間空いてる?」
「明日かー。そうだね、明日は大事な用があるんだよなー」
「お仕事?」
「違う」
否定するも、口元は笑ってる。
またか。
またももなんだ。
心に鋭い痛みが走る。
せめて明日だけは、大切な十代最後の誕生日だけはちょっとだけでいいからみやを独占したかったのに。
唇をかみしめ、梨沙子は俯いてしまった。
- 66 :
- 「ま、楽しみにしてて。さて、もうそろそるスタジオに入らないと」
何を楽しみにしてればいいの?
またどうしようもないデートでの惚気話?
それとも楽しい楽しいキャンパスライフ?
そんなのもうたくさん――。
口の中に血の味が広がった。
「そうだ、これ外さないと。マネージャーさんがうるさくて仕方ないもんねー」
雅は残念そうに薬指からシルバーリングを外し、大切そうにケースにしまった。
それは桃子が雅の誕生日プレゼントに永遠の愛を誓ったものとして贈ったのだということを梨沙子は知っていた。
梨沙子にとって、それは目ざわり以外の何物でもなかった。
- 67 :
- ◆
マリッジリングなんてくだらない。
ただのごっこ遊びじゃん。
あんなくだらないものなんてなければ。
スタジオに向かう廊下を歩きながら、梨沙子の頭の中は雅が外した指輪のことでいっぱいになっていた。
あんなくだらないものなんてなければ。
あんなくだらないものなんてなければ。
だったら。
なくなってしまえばいいじゃない。
「ご、ごめん、みや。ちょっとお腹痛いからトイレ行ってくる」
「大丈夫? あたしもついていこうか」
「ううん! すぐすむからみやはスタジオに行ってて」
「そう? 生放送だから遅れないでね」
雅と別れ、梨沙子はトイレに――向かわなかった。
向かった先は楽屋。
- 68 :
- 口が渇く。
先ほど切った唇はヒリヒリする。
すごく悪いことだってわかってるけれど、もっと悪いのはみやなんだから。
私をこんなに苦しめるみやが悪いんだからね。
ドアの脇では局のスタッフが見張っていたが、本人の楽屋ということですんなり入れた。
灯りをつけ、素早く雅のバックからジュエルケースを取り出し、そこから指輪を取りだした。
こんなものさえなくなれば。
汗ばむ手にそれを握り、足早にトイレに向かった。
それがある出来事のきっかけであった。
(つづく)
- 69 :
- 早速キタ━(゚∀゚)━!
- 70 :
- キター!
- 71 :
- >>68
「ない、うそ、ないよ!!」
収録が終わって楽屋に戻り、雅は真っ先に指輪をつけようとケースを開けたところなくなっているのに気がついた。
「あれ、確かにケースにしまったよね、おかしいよ、違ったっけバックの中だっけ」
そういって今度はバックの中をひっ繰り返して探し始める。
みやらしくないね、そんなに焦っちゃって。
梨沙子は溜飲が下がる思いだった。
「ない、ない、あーどうしよう」
今度は頭を抱えてその場に座り込み、鼻をすすり始めた。
さすがにやりすぎたかな。
梨沙子は罪悪感を覚え始めた。
もういいかな、この辺で。
隠した場所を教えようとしたその時、
「言えない、ももに指輪を無くしたことなんて……別れようって言われたらどうしよう……」
またもも?
いっそのこと別れようって言われればいいのに。
- 72 :
- 「あのね、みや……私、さっきトイレで見かけた気がする」
「え……」
雅は打ちひしがれてボロボロになった顔をあげた。
「ほら、収録直前にトイレにいったじゃない? そのときにキラッと光るなにかがあったような気がしたけれど」
「うそ……ちょっと行ってくる!!」
雅は一目散にトイレに駆けて行った。
その姿は梨沙子が知っているクールな雅のものではなかった。
いや、ちょっとマジ過ぎない?
梨沙子の背筋に寒いものが走り、膝が震え始めた。
本当のことを話したら、どれだけみや怒るだろう。
想像するのが嫌なくらいだった。
- 73 :
- ◆
「ない、ないよ! ねぇ、梨沙子どこ!! どこにあるの!?」
遅れてトイレに行くと、みやが大声をあげながら指輪を探していた。
個室をあけ、ゴミ箱を探し、用具入れの中まで――。
「みや、やめて!!」
「どうして? みつからないじゃん!!」
「もういい!! やめてよ!! やめて……」
梨沙子は衣装にあるポケットから指輪を取り出した。
「ごめんね。これ隠したらみやがびっくりするかなーって思って……」
ももとの仲が妬ましくてやった、と本音を言うことができなかった。
ただのイタズラ、と誤魔化せば雅も笑って許してくれる。
そう梨沙子は期待したのだが。
無言で梨沙子の手のひらにある指輪を手に取ると、両手で抱きしめて雅は大きくため息をついた。
そして、
- 74 :
- 「……出てって」
「え?」
雅は冷たく梨沙子に言い放った。
「もうあんたの顔なんて見たくない。あたしがこれをどれだけ大事にしてるか知ってたでしょ。サイテーだよ」
「ごめん……」
「いいよ謝らなくて。だから、あたしの前からいますぐ消えて」
「みや……」
「いいから出てけよ!!」
梨沙子は視界が涙でかすみながらもトイレから駆けだしていった。
そのまま楽屋へ入り、自分のバックだけとって衣装から着替えることなくふたたび楽屋から飛び出した。
雅へのすまない気持ち。
このようなことをしでかした自分への怒り。
そして、桃子への妬ましい気持ち。
それらで梨沙子の頭の中はゴチャゴチャだった。
- 75 :
- 飛び乗った電車の中、派手な衣装はやはり目立ったが落ち込んでいる梨沙子にとっては気にならなかった。
それよりも、頭からどうしても離れない思いがあった。
ももがいなければ。
ももさえ、私たちBerryzにいなければ。
……そうだ、あの子に相談してみよう。
(つづく)
- 76 :
- うおおお続き気になるううう
- 77 :
- wktkが止まらん
- 78 :
- >>75
梨沙子はスマホを取り出し、某SNSを通じて「あの子」に相談する。
『こんにちはbookmarkerさん。相談したいことがあるのですが』
相手のハンドルネームは『bookmarker』、日本語で「しおり」の意味で本を読むのが好きでそう名乗っているらしい。
プロフィールでわかっていることは、10代女性で関東在住で趣味は読書、くらい。
梨沙子は『彼女』と2年前に知り合った。
そのきっかけとなったカテゴリーは『オカルト・魔術』。
『惚れ薬の作り方』というもので意気投合し、それからふたりでやりとりをする仲となった。
実際に『彼女』が教えてくれた惚れ薬は効果があった。
……梨沙子自身ではなくて、友達だったが。
友達に作り方を教えて、それをバレンタインで本命チョコに混ぜたところ付き合うことできた、と。
この惚れ薬といっても基本的に大したものではない。
市販の風邪薬に栄養ドリンクに蜂蜜とスッポンエキスなど混ぜたもの。
それだけだったら何とも胡散臭い話。
- 79 :
- だが、そこに自らの血液を混ぜて一晩中呪文を唱える、というのはいい線をいっていると梨沙子は評価した。
自らが賭けた「代償」、その大きさが魔力になるという点でだった。
とはいうものの、この惚れ薬は万能ではない。
まったく気のない相手に対して好意を一方的に押し付けることはできない。
梨沙子の友達がうまくいったのは相手もそれとなく意識をしていたからであって……。
そうでない相手だと副作用が起きてしまう。
梨沙子が雅に使ってみたところお腹を壊した。
『彼女』が想い人に使ってみたところ、鼻血を出されたとか。
魔術というものは成果がでなくてもなんらかの代償が生じてしまい、そこが難しいところだった。
- 80 :
- 梨沙子がメッセージを入れてから10分後、『彼女』がログインしてきた。
『こんにちはpear。どうしたの、改まって』
『彼女』はフランクに返してきた。
梨沙子のハンドルネームである『pear』は英語で果物の梨のこと、名前から取った。
『ごめんね。今日ね、すごく嫌なことがあったんだ。
MがTからもらった指輪を見せびらかしてきたんだ。明日は私の誕生日なのに、信じられない』
『M』というのは雅で『T』は桃子のことだった。
反省をしているはずなのに、自分に不利なことを書くのはためらわれた。
『彼女』からも責められたたそれこそ逃げ場がなくなってしまう。
梨沙子が『彼女』と深く語り合うようになったのは、
『彼女』が以前に好きだった同性の先輩に告白をして振られたという過去を語ってくれたこと。
私も同じようなことあった、とカミングアウトし色々と語り合った。
さすがにBerryz工房というアイドルグループの菅谷梨沙子であるとまでは言えなかったが。
- 81 :
- ◆
そして二人の呟き合いは夜半まで続いた。
Tのブリっ子ぶり、Mの無神経ぶりを思う存分批判したところで、
これから先どうすればいいのかという話に移っていった。
『別れさせちゃえばいいんだよ。pearだったらそれくらいのクスリ作れるでしょ?』
『作れたとしても使うのは無理。「忘れ薬」なんてリスク高すぎ』
惚れ薬の対になるのは、「嫌いになる」薬ではなくて「忘れてしまう」薬。
好きだったことを忘れてしまう薬。
ただこれはあまりにもリスクが高く、好きだった相手のことだけでなく、
友達、家族、趣味に対しての「好意」も忘れさせてしまうという事例もあるらしい。
雅に対してはもちろん、桃子に対しても使うのをためらわれた。
『それならTの存在を消しちゃえばいいじゃん』
『死を与えるには自らの死を持って臨まなければいけない、でしょ。不可能』
相手をRには自らの命を賭けなければいけない。
そればさすがにバカバカしい。
- 82 :
- 『違うよ。タイムワープの魔法だよ』
『彼女』は突拍子もないことをコメントしてきた。
『そんなことできると思う?』
存在は聞いたことがあるし、
この世界にはその証拠となりえる「オーパーツ」と呼ばれるその時代では作るのことのできない、
未来人が持ち込んだと思われる技術、遺跡が存在している。
……だけどそれはあくまでも風説の域をでない。
そのオーパーツだって実は昔の人が作れたよ、とも聞くし。
『pearならきっとできるよ』
『できたとしても、どうやって存在を消すの』
『簡単。Tをオーディションで落としちゃえばいいんだよ。
そうすればpearとMの邪魔はいなくなるでしょ』
なるほど、確かにそうすれば……。
ん、なんだろう、このすごい違和感は。
- 83 :
- 梨沙子はその違和感の正体を見破るのにそれほど時間は要さなかった。
なんでTが、桃子がオーディションを受け、なおかつ受かったことを知っているのか。
そのような話題は一度も上げたことがなかった。
『なんでbookmarkerはTがオーディションを受けたこと知ってるの?』
すると、いままですぐ帰ってきた返信がパッタリと途切れてしまった。
なんど呼びかけても応答がなかった。
15分経ち、諦めてログアウトしようとしたら、
『隠していてごめん。あたし、pearが梨沙子だってこと知ってた』
『いつから?』
『知り合って割とすぐ』
ショックだった。
面識はないけれど友達、ううん、それ以上の存在だと思っていたのに。
『あなたは私のことを知ってるようだけど、私はあなたのことを知ってる?』
『知ってるよ』
- 84 :
- 誰だろう。
学校の友達?
事務所のスタッフさん?
ハロプロのメンバー?
わからない。
ただただ気味悪かった。
『それで梨沙子にお願いがあるんだ』
『それよりまずはあなたの正体を明かしてからでしょ。そうじゃないと金輪際話さないから』
すると、『彼女』はログアウトした。
なんだ、この程度なんだ。
ため息をついたとき、こんどは電話の着信があった。
表示された名前を見て驚いた。
確かに『彼女』のことを梨沙子は知っていた。
- 85 :
- 「……もしもし」
『いままで黙っていてごめんなさい』
「いいよ。確かに正体を明かし辛いのわかる気がする。
で、お願いって何。かなえるかどうかわからないけれど、聞くだけ聞くから」
そして、『彼女』は梨沙子に『お願い』の内容を告げた。
「うそ……なんであなたが」
梨沙子が驚いたその内容。
舞美もオーディションで落とすことだった。
まさか『彼女』の口から出てくるとは思わなかった。
(つづく)
- 86 :
- 「ひゃっ!」
- 87 :
- おもしれーじゃねーか
- 88 :
- すげええええええええええええええええええすげえよ
- 89 :
- >>85
◆
梨沙子は部屋の灯りを消し、お気に入りのアロマキャンドルに火をつけて悩み始めた。
タイムワープの魔法といってもいくつか種類がある。
1番難しいのからあげると、己自身が過去に直接行く方法で名づけるとしたら「ドラえもん方式」。
これにはそれこそ22世紀の卓越した科学技術が必要(とはいっても実際に出来るとは思えない)だったり、
もしくは胡散臭い天才科学者がつくった原子炉を搭載した車を猛スピードで飛ばして時空を超えたり。
……無理無理、それこそSFの世界だ。
他にも時間と時間の歪(ひずみ)を探し出す手もあるが、見つけるのに相当な労力がかかるうえにどこの時代に飛ばされるかわからない。
いやだよ私、縄文時代に飛ばされるのは。
それに帰ってこれるとは限らないし。
逆に1番簡単なのは、幽体を過去に飛ばして、過去の自分に囁きかける方法。
あの時にこうしておけばよかった、という時にピンポイントに使える。
本人は囁きを「神のお告げ」、ほかにも「天の声」「虫の知らせ」「閃いた!」などと様々な呼び名をつけて受け取る。
ただ問題点があって物理的に直接作用するわけではないので、その囁きを当人が実行する、実行できるかどうかの保証はない。
- 90 :
- 梨沙子はこの「神のお告げ方式」を考えたが、オーディション当時の梨沙子は小学2年生、
できることといったら自分でオーディションをやっぱり受けないって親に駄々をこねさせるくらい。
桃子や舞美をオーディションで落とさせることなど不可能。
「だったら……」
あまり乗り気ではないが今回では使えそうな方法があった。
「神のお告げ方式」が当人に対してならば、他人に対して囁きかける「悪魔のささやき方式」だった。
幽体を過去に飛ばし、耳元で吹き込むのだ。
俗にいう「幽霊」は霊感が強い人がこの姿が見えてしまうケースだとか。
ただこれも確実に相手が実行してくれる保証はなかった。
それに支払う代償も小さくはない。
……しょうがない、今回はこれしかないんだろうな。
せっかく伸ばした髪ともさよならか。
梨沙子はため息をつき、物置に今回使う薬、材料を取りにいった。
囁く相手はずばり、2002年のプロデューサー・つんPさん。
(つづく)
- 91 :
- 面白い楽しみ
- 92 :
- 愛理ちゃんおたおめー
- 93 :
- >>90
マンドラゴラの根、ヤモリの干物、冬中夏草……などなど。
魔力を一時的に増幅させられるものを物置から引っ張り出し、ミキサーにかける。
「うわぁ……」
思わず声が漏れるほどの悪臭。色は灰色、とても人が飲めるものとは思えない。
このミキサーは捨てなきゃ……ごめんなさい、ママ。
せめてもと味を整えるために(本当はよくないのだが)、カルピスの原液、ハチミツ、ミロの粉を混ぜてみた。
心なしか色と匂いがマイルドになった気がした。
「よし、これで」
ミキサーからビーカーに移し、200ccほどのその薬を鼻をつまんで飲む……というか流し混んだ。
あまりのひどい味に舌も喉も胃も腸も悲鳴をあげ、思わずうずくまる。
「……こ、これでどうにかなるかな」
体が熱い。芯が疼く。魔力がみなぎっている証拠だ。
あとは……。
- 94 :
- 梨沙子は姿見の前でため息をついた。
髪を切ってそれをイケニエとして使用する。
本当はこんなことで髪を切りたくないけれど、
他の選択肢が指、鼻、耳、目玉だから仕方ない。
乙女の髪の毛は魔力に満ちている。
20cmほどバッサリ切るとボブカットぽくなっていた。
悲しい。
明日朝一で美容室に行かないと。
「さて、あとは」
東欧産の五芒星の描かれたカーペットを部屋に持ち込んだ。
そして部屋に飾ってある三角帽子にローブを身につける。
これは気分を高めるためだけど。
本場ヨーロッパには魔力を高める「本物」が売っていると聞くが
とてつもない値段がついていて手が出せるものでない。
本棚から魔導書を取り出し、部屋の明かりを消して特別な蝋燭に火を燈す。
カーペットを部屋の中心にしき、万遍なく髪を散らす。
最後は……いつもこれが一番嫌なんだけど。
- 95 :
- 机の引き出しから蛇のレリーフが柄に刻まれているナイフを取り出した。
このナイフはすごい逸品で翌日には傷が綺麗さっぱり消えているというアイドルにとってなんともありがたい。
ただ痛いこと、気分悪いことには変わりないし貧血状態になってしまう。。
左手首にナイフを当て、少し力を入れて引く。
白くついた筋からみるみるうちに赤い球があふれ、腕から垂れそうになる。
準備完了。
魔導書を右手に持ち、左手を五芒星にかざし、血液がちょうど中心に垂れるようにする。
呪文を唱え、意識を集中させて過去に行けるように願う。
あとは体力勝負、運勝負。
過去に飛ぶのが速いか失血死するのが速いか。
過去に行けますように。
過去に行けますように。
お願いだから……。
過去に行ってどうするかはまだ決めていないけれど。
そして意識が混濁した。
- 96 :
- ◆
……ここはどこ?
目を覚まし梨沙子は床に倒れていた。
天井を見上げると、慣れ親しんだいつもの天井、つまり梨沙子の部屋だった。
そこに日差しが注ぎ込んでいる。
失敗した?
だるい体を起してみると違和感を覚えた。
本棚には昔好きだったけど捨ててしまったはずのマンガが並んでいて、
昔使っていたはずの勉強机があってそこには小学校の教科書、ノートがあった。
成功だ。
ガッツポーズを決め、さあここから事務所まで移動しないと。
ガチャ。
部屋の扉が開いた。
「……」
梨沙子がいた。ランドセルを背負った8歳の梨沙子が。
一緒ビクッとしたが大丈夫、幽体の私の姿なんてよほどのことがない限り見えないから。
「お姉ちゃん、誰?」
見えてるようだった。
忘れてた、私は昔から霊感が極めて強いんだった。
(つづく)
- 97 :
- wktk
- 98 :
- おもしれええ
- 99 :
- ドキドキする展開
相談相手はあの子かな
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