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2012年11月エロパロ240: シュタインズゲートのエロパロ 4 (403)
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シュタインズゲートのエロパロ 4
- 1 :2012/09/09 〜 最終レス :2012/11/04
- ・シュタインズゲートの妄想を叩きつける場所です。
・カップリングについては問いません。 ただし、注意書きは忘れずに。
・べ、別にエロが無くたってかまわないんだからねっ
シュタインズゲートのエロパロ 3
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1325789848/
シュタインズゲートのエロパロ2
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1304341945/
シュタインズゲートのエロパロ
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1257776865
まとめ
STEINS;GATE 2ch二次創作まとめwiki
http://www1.atwiki.com/reading_steiner/
- 2 :
- >>1乙ニャ
- 3 :
- >>1乙だお
- 4 :
- おつ
- 5 :
- >>1乙だね〜
- 6 :
- >>1
乙
- 7 :
- い、>>1乙です
- 8 :
- いちょつ
- 9 :
- こんばんわー
続き物かつ新スレ初投稿です
待ってた人がいるのかどうかは置いといて……
しかし岡部珍太郎なぜバレたし
オカリンそっくりの存在で文中でこっそりオカリンの行動に見せかけて行動し
やがてはオカリンの信用を失墜させるオカリンのライバルの予定だったのに……!
ごめんなさい嘘です誤字ぶっこきましたorz
見直してるんですけど気づかないものですねえ
まとめに上げるときに直しておきます
ちなみに岡部珍太郎の最期は廚二ネームの鳳凰院d馬をラボメンに大爆笑され吐血
まゆりにオカチン呼ばわりされて憤
- 10 :
- 3−7:2011/02/12 23:52 未来ガジェット研究所
恥らいながらも視線は逸らさず、上目遣いで、覗き込むようにして彼の顔色を伺っている阿万音鈴羽。
岡部倫太郎の鼓動はみるみる早くなり、真冬にもかかわらずぶわ、と汗が吹き出てくる。
「……本気で言っているのか」
やっとそれだけの台詞を、搾り出すようにして発した。
「本気も本気、大本気だよー。あたし初めて会った時からオカリンおじさんに一目惚れでさー」
「そ、そうなのか?!」
思わず声が上ずり、甲高い声で返してしまう。
未来の自分に会うなり惚れられていた、と言われるとなんとも妙な、面映い気分である。
「そうそう。小さい頃は『オカリンおじさんのお嫁さんになるー!』って大騒ぎしてさ、父さんや母さんをずいぶん困らせたっけ」
「そ、そんな小さい頃から?!」
「それでオカリンおじさんのお嫁さんにはもうなれないんだよーって言われてさ、『じゃあおじさんのあいじんになるー!』とか言い出しちゃって。
『あいじん』のやり方をみんなに聞いて廻ったりしてさー。しまいには父さんが包丁持ち出して『オカリンをして僕もぬー!』なんて、そりゃもう大騒ぎで」
「それはまた……ダルも不憫な……」
父親として娘に言われたい台詞はと聞かれれば『私大きくなったらパパのお嫁さんになるー!』あたりが上位に来るのではないだろうか。
その栄誉を自分以外の、それも自分と同い年の風采の上がらぬ友人に奪われたとなれば橋田至も面白いはずがなかろう。
もし自分が同じ立場に立って娘が同じような事を言いだしたとしたら、己の右腕たる彼に対してだとて意を抱きかねない。岡部倫太郎は親友の気持ちが痛いほどよくわかった。
「……ちょっと待て、なぜお前が嫁にはなれないと断定されているのだ。もしかして俺は結こn」
彼女の言葉に差し込まれていた違和感を確かめよう と開きかけた口を、阿万音鈴羽の人差し指が止める。
「禁則事項だよ。あまり知らない方がいい」
「そうだったな、すまない」
- 11 :
- 先刻余計な知識は未来を変える悪影響があると言われたばかりである。
岡部倫太郎は反省しつつも、以前と違う展開にやや戸惑っていた。
「いいよ。それよりこれでわかったでしょ? あたしが好きなのは岡部倫太郎。好きな男に抱かれるんだから嫌なはずがない。岡部倫太郎も今後のミッションのために必要なスキルを身に付けられる。ほら、なにも問題ないじゃない」
「……後悔は、しないのか」
「しない。それだけは、絶対に」
岡部倫太郎の真摯な問いかけに、阿万音鈴羽は迷い一つなく応じた。
こちらの目を見つめる彼女のまっすぐな瞳は、かつての彼女のまま何も変わってはいなくて、
岡部倫太郎の心にあった、最後の留め金が……外れた。
「阿万音鈴羽……」
「岡部……倫太郎」
互いに距離を詰め、相手の顔を見つめ合う。
阿万音鈴羽はいつもの躍動感が身体から溢れ出しそうな元気一杯の表情ではなく、頬を染め、何かを訴えかけているかのような、どこか物欲しそうな、それでいて物怖じしているような、
そんな上目遣いで、手を組んで、腰をもじもじと動かしながら岡部倫太郎を見つめている。
なんとも失礼な感想ながら、岡部倫太郎にはそれがなんとなくダンボールに放り込まれた捨て犬が必にこちらの気を引こうとしている様に見えた。
「えー、で、まずは何をすればいい?」
「あそっか、ええっと、ん〜……あ、そうだ! はい! はいはいはーい! じゃあじゃあ岡部倫太郎! キス! キスがいい! キスして!」
ぴょんこぴょんこと元気よく右手を挙げながら、体全体で主張する阿万音鈴羽。
つい一瞬前までのしおらしい様子はどこへやら、だ。
「キスならさっきしたではないか」
「違う違う! 全然違うよ! さっきのあれはあたしの決意表明っていうかなんていうか……とにかく違うの! ねえ岡部倫太郎! キースー! キースーしーてー!」
「ええい腕を振り回すな! 子供かっ!」
「だってー! 岡部倫太郎がゆったー! 何すればいいかってあたしに聞いたんだよー!」
- 12 :
- 岡部倫太郎の腕を掴みぶんぶんと振り回しながらおねだりする阿万音鈴羽。
彼に叱られその動きを止めるが、なんとも不本意そうな表情で睨んでくる。
そこには彼に叱られて「やりすぎちゃったかな……?」という僅かな気後れと、「あたしは悪くないもん!」といういかにも子供らしい不満が同居していて、
岡部倫太郎の脳裏には、やや年のいった自分が新聞でも読んでいるところに、幼い彼女が過剰なスキンシップを求めじゃれついてくる様が妙にありありと浮かんだ。
「わがままを言うな。少し考える」
「うう〜」
掴んでいた腕を離し、下を向いて明らかに落ち込んでいる様子の阿万音鈴羽。
今までの世界線の彼女に比べ明らかに親密というか、自分に対し慣れ甘えている印象がある。
岡部倫太郎は気分を落ち着け、あらためて彼女の提示した案件について考えてみた。
キス……接吻、くちづけ。
確かに男女の仲を深め雰囲気を盛り上げる基本的なスキンシップである事は間違いない。
だからその練習をする、というのも筋が通った話ではある。
けれど……と岡部倫太郎は首を捻る。
なぜ彼女はこれほどこだわるのだろうか、と。
「まあいいだろう。では最初はキスの練習だ」
「やたっ」
かがみ込んで小さくガッツポーズをする阿万音鈴羽。
岡部倫太郎はますます首を捻る。
「うむ。あー……ででででではゆくぞっ」
「あ、あんまりかしこまらないでよ! あ、あたしまで緊張しちゃうじゃないか……」
「無茶を言うなっ!」
耳朶を染めて、視線をくりくりと動かしながら岡部倫太郎をチラチラと見上げていた阿万音鈴羽は、やがて覚悟を決めたのか、小さく息を吐いて目を閉じ、朱に染まった頬をそのままに岡部倫太郎の方に顔を向けた。
……綺麗な唇だ。
岡部倫太郎はそんな妙に場違いな感想を抱く。
- 13 :
- だがいつまでも彼女を待たせるわけにはいかない。
ごくりと唾を飲み込み、阿万音鈴羽の肩を掴む。
ぴくん、と一瞬肩を震わせた彼女は、だがそこから動こうとせず、ただひたすらに彼の唇を待った。
岡部倫太郎の唇が、ゆっくりと彼女の唇に迫り……
「ん……ちゅ、ん、んっ、んあ……っ」
岡部倫太郎の腕が阿万音鈴羽の背に廻り、阿万音鈴羽の腕がそれに続いて彼の背中に廻された。
そして互いにぎゅっと抱き締ったまま、目を閉じて唇を強く触れ合わせる。
やがてゆっくりと唇を離した二人は……しばらくの間見つめ合い、その後再び激しく唇を奪い合った。
「ん、ぷぁ、んんっ!? んっ、んんっ、ん〜〜っ!」
岡部倫太郎の手が阿万音鈴羽の首と後頭部に廻され、彼女を一層強く抱き締める。
普通に立っていては唇に届かなくなってしまい、爪先立ちをしていた阿万音鈴羽が、岡部倫太郎の強引な抱擁にびく、びくん、とその腰を震わせた。
「ふぁ……ん、わ、わ、わ……ぁん……っ」
ようやく唇を解放され。荒い息と共に岡部倫太郎にもたれかかるようにその胸に崩れ落ちる阿万音鈴羽。
その頬は紅潮し、瞳は潤んでいて、身体は微かに震えていた。
「……キスは今日が初めてか?」
本番はともかく、岡部倫太郎はキスの経験自体は意外に少なくない。
椎名まゆりにも奪われたし、別の世界線でだが牧瀬紅莉栖とも延々と口付けを交わした記憶がある。
だからこの点に関してだけは、岡部倫太郎に一日の長があった。
……と、当人は思っていたのだが。
- 14 :
- 「ううん。初めては四歳の時、オカリンおじさんのほっぺたに」
「なにっ?!」
「おでこにしたのはその半年後かな。唇はその翌年」
「す、進んでいるな……」
意外な告白に呆気に取られる。しかもその相手は全て未来の自分ではないか。
無論未来のことだから全く身に覚えはないのだが、今の阿万音鈴羽から再び幼い頃の姿を想像し、その元気いっぱいの少女が今より若干老けた己に甘えながら親愛のキスをしている様を思い浮かべ、岡部倫太郎は妙な気恥ずかしさを覚えた。
「あ、でも年で言ったら最初にしたキスより今日の方が十年も前だし、これがファーストってことになるのかなあ」
彼の背に腕を巻きつけたまま、その厚いとは言えぬ胸板に嬉しそうに頬擦りしつつ、阿万音鈴羽はそんな事を呟く。
「いや待てその理屈はおかしい」
「ううん、おかしくないよ。だって間違いなく今日があたしのファーストキスだもん」
「……どういう意味だ?」
なにやら緊張感を解き、ほにゃ、と妙に顔をほころばせた阿万音鈴羽が……岡部倫太郎に恥じらい混じりの、とびっきりの笑顔を見せた。
「へへー、あのさ、あのね、岡部倫太郎の方からキスしてくれたの……今日が初めてなんだ!」
真下から胸に埋めていた顔を上げ、心の底から幸せそうな顔でそう叫ぶと、「えへへー♪」というなんとも得意げな、嬉しげな声を発して再び岡部倫太郎の胸に飛びつく。
自分に対する好意を隠そうともしない、まるで子犬のような彼女のそんな様子に、岡部倫太郎の胸は不覚にも高鳴った。
知りたい、もっと知りたい、彼女のことを……そんな欲求が、だんだんと鎌首をもたげてくる。
- 15 :
- というわけで今日はここまで
任務に真剣な鈴羽もいい……
→過去で記憶を失った鈴さんもいい…
→でも平和(?)な世界で未来のオカリンおじさんにすっかり懐いた甘えん坊な鈴羽がいてもいいじゃないか!
→ぜひ読みたい!
→見かけない!
→ええいみんな下がれ俺が書く!
→ゴメンナサイスイマセンユルシテ ←イマココ
それではまた次回ー ノノ
- 16 :
- 乙です。
鈴羽ちゅっちゅ
- 17 :
- 乙
ええぃ、続きはまだかー!
- 18 :
- 鈴羽!(挨拶)
というわけで今日も来ました
でもなんかエロというよりイチャイチャしてるだけのような気も……
- 19 :
- 3−8:2011/02/12 00:02
「それで……次はどうすればいい?」
「ふえっ?! あ、そ、そっか、そうだった」
パッと岡部倫太郎にしがみついていた両手を離し、慌てて距離を開ける。
これは恋人同士の睦み合いではない。あくまで性交渉の手ほどきなのだ。
そう心に言い聞かせながら、だが勝手に高揚してしまう己の心を阿万音鈴羽は御しきれないでいた。
「ええっと、えっと……そうだ!」
少しだけ悩んだ後、何を思いついたのか表情を輝かせる。
さっき岡部倫太郎に止められた行為……今度こそはと彼女は己の上着の裾を掴み、先刻無理矢理引きずり下ろされたため若干皺になっていた服を勢いよく脱いだ。
「っぷう!」
頭を抜いたのみで袖はまだ通ったままだが、彼女の張りのあるみずみずしい肌が、特に首筋やうなじ、脇腹が目に飛び込んできて、岡部倫太郎は思わず息を飲む。
阿万音鈴羽は服を一気に脱ぎ捨てると、そのままソファに放った。
今や彼女は上半身に黒いスポーツブラ、下半身にスパッツ、そして靴下を着用しているのみである。
彼女のブラジャーは装飾も色気もない簡素なもので、だが健康的なその肌にはよく似合っていた。
「じゃあキスの次は胸いってみよー!」
「明るいなお前は……」
岡部倫太郎の言葉に阿万音鈴羽は一瞬で頬を染め、その全身を桃色に上気させる。
服を脱いでいるため、岡部倫太郎には彼女の白い肌がみるみる薄紅に染まる様がありありと見て取れた。
「こ、これでもこっちだって緊張してるの! こうやって無理してないと……その、は、恥ずかしいじゃん!」
「そ、そうだったのか、すまん」
ブラ越しの胸を両腕で隠しつつ、やや前かがみとなって頬を染める阿万音鈴羽。
その三つ編みが大きく跳ねて、彼女の羞恥を表していた。
とはいえ緊張でガチガチに硬直されたり、嫌がられたり、あるいは拒絶されるよりはずっとやりやすい(そこまで考えたところで、牧瀬紅莉栖との初体験を思い出し、岡部倫太郎は軽く落ち込んだ)。
ミッション遂行のためとはいえなんともありがたい話である。
岡部倫太郎は感心しつつ阿万音鈴羽に近寄って、女性の下着の妙な生々しさに心臓を打ち鳴らしつつ、その胸部に手を伸ばし……
- 20 :
- 「……で、これはどうやって外せばいいのだ?」
「あそっか。えっとね、後ろにホックがあるから……」
うんしょ、と腕を後ろに回してブラジャーのホックをいじる。
その際にちらりと見えた彼女の腋と脇腹が醸し出す健康的なエロスに、知らず岡部倫太郎の視線が釘付けになる。
「……ねえ、岡部倫太郎が外してみる?」
「なに? どういうことだ?」
「ほら服を相手に脱がせてもらう方が興奮する人と自分で脱ぐ方が興奮する人っているじゃない。牧瀬紅莉栖がどっちなのかはわからないけどさ、一応両方できるようにしておいた方がいいかなー、なんて」
「なるほど、確かに。 ……しかしそういう知識はどこで仕入れてくるのだ、鈴羽」
「んー、えっとー、父さん?」
「ダルよ…自分の娘に何を教えている……」
頭を押さえながら呻き声を洩らす岡部倫太郎。
一方阿万音鈴羽は気にする素振りもなく両手を後ろに回したまま彼に背中を向けた。
その背中の抜けるような白さと、羞恥から染まる薄紅に、岡部倫太郎は知らず熱い吐息を漏らす。
「ほらほら、ここ、ここのホックをさ……」
「ほう、構造自体は単純なのだな」
「そうじゃないと毎日付けるの大変じゃん」
「ふむ、言われてみれば……」
あまり色気のない会話を交わしながらブラジャーを外す二人。
そして……遂に、彼女の双丘が灯火の下にさらされた。
もはや彼女の身体を覆っているのは白靴下とスパッツのみ。ある種倒錯的な性癖と受け取られかねぬ格好である。
「ど、どう……?」
阿万音鈴羽は己の胸の下で腕を組み、双房をやや持ち上げ強調するようにしながら、頬を染めて岡部倫太郎を見つめている。
そのどこか非現実的な光景に、岡部倫太郎は軽い眩暈を覚えた。
「む……いや、どう……とは?」
「あたしの身体……変、じゃない?」
彼女にしては妙に歯切れが悪く、どこか躊躇いがちに尋ねる。
怖いもの知らずの阿万音鈴羽だが、やはり好きな男に己の裸体を晒すというのは勇気のいるものらしい。
- 21 :
- 「すまん。さっぱりわからん」
「あうっ、な、なんだよそれー!」
だが続く岡部倫太郎の返答に、彼女はがくりと体勢を崩した。
「無茶を言うな! 比較できるほど女性の裸など見た事がないのだ!」
「そ、それはそうだけどさー!」
互いに切れ気味にまくし立てる。
まあ二人揃って初体験なのだから、いっぱいいっぱいなのもお互い様だろう。
「けどー、なんかさー、ほらー! お、男だったらその、な、なんか言う事がさー!」
「な、何を言えばいいのだっ!」
甲高い声で突っ込みを入れつつ、とりあえず阿万音鈴羽の姿をまじまじと見つめる。
胸部を下から持ち上げるようにして強調している、いっそ扇情的にも映るポーズ。
だが彼女の竹を割ったような性格と鍛えられた張りのある肌は、それを単純な淫靡へと貶めていない。
むしろその姿は健全な肉体美を含めた眩いエロスを内包していて、岡部倫太郎は見惚れるように小さく息を吐いた。
ただ緊張とプレッシャーでいっぱいいっぱいの阿万音鈴羽にはそうは映らなかったようで……
「あー! 溜息ついた! やっぱり変なんだー!」
「違う! 誤解するな! そうではない!」
「うー、オカリンおじさんに呆れられちゃったあ。ねえ、どこがヘンだった!・ すぐ直すからさー!」
「ええい、だから話を聞け! そのまま近づくなっ!」
「わーん! あたしの裸見るのも嫌なんだー!」
「だーかーらー違うと言っているだろうがっ!」
乳房を持ち上げたまま半泣きでにじりよる阿万音鈴羽を押し留めるように両肩を掴む。
ただ先刻と違ってその手は彼女の肌に直に触れていて、その柔らかな感触に岡部倫太郎はどぎまぎした。
「鈴羽、正直お前の裸が他の女と比べてどうだというのはわからん。わからん、が……その、い、今のお前はき、綺麗だとは思うぞ?」
「ホ、ホント? ホントにホント!?」
「ああ、本当だ」
「嘘じゃない? ホントにそう思ってる?!」
「くどい! 何度も言わせるな、この鳳凰院凶真がこのような事で嘘をつくと思うか! お、お前の裸は確かにき、きrもがーっ!?」
「やったー!」
- 22 :
- 岡部倫太郎の言葉に最初不安そうにしていた阿万音鈴羽は、だがそれが誤解だったとわかると満面の笑みを浮かべつつ歓声を上げ、その双丘で彼の顔面を挟み込むようにして彼の首っ玉にしがみついた。
「へへー、キレイだってー、岡部倫太郎があたしのこと綺麗だってさー。へへへー♪」
「もがっ! もごっ! ええい鈴羽! 今の状況がわかっているのか!」
「え? なにって……わわっ!?」
己の乳房を自ら岡部倫太郎の顔に押し付けている事に今更気付いた阿万音鈴羽は、真っ赤になって首に回していた腕を解き、慌てて飛び退いた。
「ご、ごめん! あたし浮かれてた!」
「……いや、構わん。元々女性の身体に慣れるのが目的なのだから」
「あ、そっか。そ、そうだよね! じゃあ……えっと、その、触ってみる?」
「いいのか?」
「う、うん。だってほら、そのために脱いだんだし」
そうは言いつつもやはり恥ずかしいのか、彼女の肌はほんのりと桃色に染まったままだ。
阿万音鈴羽はあらためて両腕を後ろに廻し、足を斜めに組んで、僅かに上体を反らして直立した。無論下はスパッツ一丁である。
そのポーズは、なんとなく岡部倫太郎にヌードデッサンのモデルを連想させた。
「えーっと……ど、どうぞ! 岡部倫太郎!」
「あー……では、お言葉に甘えて、その、失礼する」
とても裸を見せている男女同士の会話とは思えぬが、彼らは彼らなりに必である。
岡部倫太郎はおそるおそる右手を伸ばし、おわん状の乳房の縁よりやや中ほどを指で軽くつついてみた。
思った以上の弾力があり、かなり張りがある事に驚嘆する。
「あン!」
「ヘ、ヘンな声を出すなっ!」
「無茶言わないでよー! さっきも言ったでしょー、こっちだって緊張してるんだから!」
「わ、わかった。では続けてゆくぞ!」
「う、うん……あっ!? んっ、ン、あ、あふ……っ」
「も、もう少し声を抑えられんのか? その、なんだ、変な気分になるだろう!」
「だから無理だってばー!」
むしろその変な気分こそがこのミッションで必要なものなのだが、互いに目の前の事に必でそこまで思い至れない。
指でつついて感触を確かめた後、おわんを包み込むように掌で包み込んだ岡部倫太郎は、やがて両手を用いてその双丘を掴み、手触りを確認するように揉み始めた。
- 23 :
- 「あぅん……あ、あっ、それ強いっ、もっと優しく……ンッ!」
「ああ、すまない。こ、こうか?(モニュッ」
「ひんっ! そ、そう……そこ、いい、かも……っ! あ、ん、んふぅ……っ!」
岡部倫太郎が阿万音鈴羽の乳房を弄んでいると、やがて彼女の胸に変化が訪れた。
「む、何やら乳首が大きくなっているような……?」
「あ、ん、それ、女が、感じ始めてるってこと、だよ……」
「そ、そうなのか」
牧瀬紅莉栖との初めてではとてもこんな落ち着いたやり取りができる状態ではなかったが、今回は相手が何をしても逃げ出さないとわかっているのでじっくりと観察する余裕があった。
岡部倫太郎はしげしげと彼女の様子を眺めながら実験を続行し、己の行為による女性の反応を確かめてゆく。
「触ってもいいか?」
「いい、けど……すごく敏感なところだから……えっと、なんて言うのかな。その……優しく、して、ほしい、かな」
瞳を潤ませて、僅かに息を荒げながら、だが逃げ出したりはしない。
阿万音鈴羽は、岡部倫太郎がもたらす己の体の不如意に必に耐えていた。
「では……ゆくぞ」
「ん……ああっ! や、くふんっ! んぐっ、く、くぅぅんっ!」
「だ、大丈夫かっ!?」
岡部倫太郎ができる限り優しく乳首をつまみ、こねくると、阿万音鈴羽は突然激しくその上体を反らし、肩をがくがくと揺らした。
慌てて指を離し、肩を掴んで阿万音鈴羽を落ち着かせる。
彼女は髪を振り乱し、三つ編みを大きく跳ね躍らせて、唇を強く噛み、半開きの口からもわっと熱気の籠もった吐息を漏らした。
- 24 :
- 「だ、大丈夫……」
「大丈夫なようには見えないぞ」
「ちょっと、その、感じすぎちゃって……」
「辛いなら……やめるか?」
「ヤだ!」
岡部倫太郎が彼女の身体を気遣うような言葉をかけるが、阿万音鈴羽はキッとした表情で睨みつけ反駁した。
「最後までちゃんとして! あたしは大丈夫だから!」
「まったく……強情なところも変わらんな!」
「そんなのあたし知らな……あっ、んくぅっ、ひぁぁっ!?」
呆れたように呟いた岡部倫太郎は指先による乳首への責めを再開する。
「ふむ、なるべく優しく丁寧に……か。ふむ、ならば指先より相応しいものがあるではないか」
「え? それってどういう……ふぁっ? あ、そ、それダメ、やだっ! ひんっ!? や、あ、あ、か、感じすぎちゃ……きゃふぅぅぅっ!?」
小さな悪戯心を思いついた岡部倫太郎は、機を見計らって唐突に乳房に吸い付いた。
そして唇と舌先で、丹念に乳首を刺激し始める。
「だめぇ、だめだって岡部倫太郎! そ、そんなことされたら、されたらぁっ、あたし、あたしぃぃ……!」
がくがく、と腰を振わせつつ、涙声で訴える。
だが岡部倫太郎はそれに耳を貸さず、ひたすらに丹念に彼女の乳首を愛撫した。
「も、もうだめっ、もう、もう、あ、おか、べっ、おか、オカリンおじさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」
衝動的に岡部倫太郎の後頭部を掴み、己の胸に強く押し当て……阿万音鈴羽はびくん、と腰を一際大きく跳ねさせ、上体を反らしながら甲高い悲鳴を上げる。
そしてそのまま岡部倫太郎に縋りつくようにへなへなとその場に崩れ落ち、床に女座りでへたり込みながら彼の腰に肩を預け、全身を小刻みに震わせつつ涙混じりの声で荒い息を吐いた。
彼女自身気づいてはいなかったが……
その口の端から、涎が一筋流れて落ちた。
- 25 :
- そんなわけで今宵はこれで失礼します。
えっちに一生懸命で頑張りやだけどいっぱいいっぱいの女の子
いいよね……
それではまた次回ー ノノ
- 26 :
- おっぱいだけでこれとは……鈴羽のテンション上がりすぎだろ常考
イく時は男は物理的、女は精神的な要因の方が大きいというがけしからん!もっとヤれ乙!
- 27 :
- ワッフルワッフル!!
- 28 :
- 乙です。
あこがれの?オカリンおじさんとのHで鈴羽もテンション上がってるんだろなw
- 29 :
- 鈴羽!(挨拶)
こんばんわー
今日も更新に来ました
とりあえずいい調子ですね
このまま続けられたらと思います
- 30 :
- 3−9:2011/02/12 00:08
「ふぁ、ふぅ、ふぅ……っ、ふぁ、あ、ああ……っ」
「だ、大丈夫か? その、なんだ、苦しい……のか?」
「苦しい……? 逆だよ岡部倫太郎。気持ちよすぎて……なんだろう、これがイくってやつなのかな……?」
「その……なんだ、確かにダルが持っている成人誌やエロゲではよく見かけたが……実際の女性もそんなに感じやすいものなのか?」
彼女の乱れっぷりに、思わずそんな素朴な疑問が湧いてくる。
もしそうだとするなら、牧瀬紅莉栖の時ももう少し上手くいっていたような気がするのだが。
「わかんないよぉ、あたしだってこんなの初めてなんだからぁっ」
今更ながら胸を隠すように左腕で覆って、真下から抗議するように見上げる阿万音鈴羽。
「でもなんかさ、『ああ、いま岡部倫太郎にされてるんだぁ……』って思ったらふわってなっちゃって、なんかすごい気持ちよくなっちゃって、き、気付いたらあんなになってたの!」
「そ、そうなのか……」
「うう〜」
涙目でへたりこんでいた阿万音鈴羽は、岡部倫太郎の下半身に肩を預け、首を軽く傾けて深くもたれかかろうとする。
けれど岡部倫太郎が何故かやや腰を引いた事で体勢が崩れ、不服そうに彼の足元に無理矢理寄りかかろうとして……
自分の頬を奇妙な異物が突いている事に、己が彼の股間に身を寄せていたことに、そしてその異物が岡部倫太郎のズボンからテントのように突き出た彼の陰茎であることに……気づいた。
「ん……っ」
「……鈴羽?」
「ふ……ぁ」
「おい、鈴羽!」
「ふえやっ?!」
岡部倫太郎の声に反応するまで、阿万音鈴羽はどこか心ここに在らずというか、うっとりとした表情で彼の股間に頬をすりすりとこすりつけていた。
彼の声に慌てて我に帰った彼女は、耳朶まで赤く染めて、その場で鳶座……いわゆる女の子座りのまま恥ずかしそうに身を縮める。
- 31 :
- 「うー、なんか岡部倫太郎には恥ずかしいところばっかり見られるー……」
「お、俺が悪いのかっ?!」
思わず甲高い声で反応してしまう。
阿万音鈴羽は両手と尻をぺたんと床についたまま、縋りつくような瞳で彼を見上げてきた。
「ねえ、岡部倫太郎……これ、これさ、あたしの体で興奮したってことだよね?」
「う、うむ。まあそうなる……のか?」
「あ、あたしで興奮したんだ……な、なんかその、陶然とするね」
「トウゼン? 当然? ……陶然、か?」
岡部倫太郎は彼女の言葉の意味を理解するのに数瞬の時を要した。
「相変わらず難しい言い回しをするのだな」
「古いものとか大好きだからねー……ってあれ? あたしそのこと岡部倫太郎に話したっけ?」
「ああ……別の世界線のお前とだがな」
「へー、そうなんだ。なんか親近感感じちゃうなー」
「当たり前だろう。お前自身なのだから」
「あそっか。あはは、そうだよねえ。 ……ねえ、それより岡部倫太郎、これ中見てもいい?」
阿万音鈴羽は彼の怒張した股間を指差しながら、どこか遠慮がちに訪ねてくる。
「ぐむ……み、見た方が練習の助けになるのか?」
「うんうん、なるなる! すっごいなるよ!」
瞳を輝かせ、ぶんぶんと大きく首を縦に振る。
「……仕方ないな」
岡部倫太郎は股間のファスナーに手を掛ける。
その股間の目と鼻の先には、期待に瞳を爛々と輝かせている阿万音鈴羽。
「……やっぱり駄目だ」
「えー! なんでー!?」
「そ、そんなにじろじろ見られると恥ずかしいではないかっ!」
「ずるーい! あたしだって恥ずかしいの我慢して脱いだのにー! 岡部倫太郎だけずるい! 卑怯だ! 卑劣だよ岡部倫太郎!」
「おわっ! こら、やめろ、鈴羽、あたーっ!?」
期待させるだけさせておいておあずけを喰った事がよほど不服だったのか、阿万音鈴羽は岡部倫太郎の両脚を抱え込むと諸手刈りのようにして引き倒し、彼に尻餅をつかせる。
そして暴れる岡部倫太郎の下半身を拘束すると、彼の手で髪の毛をぐしゃぐしゃにされるのも気にせずその股間に覆い被さり、両手が塞がっているために唇で強引にファスナーをこじ開けた。
- 32 :
- 「ひゃっ!?」
唐突に股間から飛び出たそれは、トランクスの隙間からびょこんとその身を突き出して、阿万音鈴羽の眼前にそそり立つ。
一瞬びくりと身を竦めた阿万音鈴羽は、だがすぐに食い入るように目の前の肉棒を見つめた。
……無論下半身はしっかりと拘束したままでだ。
「いやっ! 恥ずかしい! 見ないでっ!」
まるで女のような言葉遣いで、甲高い声で泣で叫ぶ岡部倫太郎。情けないことこの上ない。
「へえ……こんな風になってるんだ。ねえ岡部倫太郎、これ男子の平均サイズより大きいの? 小さいの?」
「知るかぁ! 比べたことなどないわ!」
「ふーん、いつもは科学的検証がどうのこうのとか言ってるのに。調べないんだ」
「やめて。本気でやめて」
もし平均サイズより小さいなんて事が判明したらきっとショックで当分立ち直れまい。
男心というのは妙なところで繊細なのだ。
「ふーん、小さいといいんだけどなあ」
「なにっ?!」
「だってそうでしょ? 多分牧瀬紅莉栖も秋葉留未穂も桐生萌郁も椎名まゆりも、全員ヴァージンだよ?」
「む……」
「もちろんあたしもね。女の初めてはほんとすっごい痛いって話だから、サイズ的にあんまり大きいとほら、大変そうじゃない」
「そういう考え方もあるか……」
今回は状況が状況である。複数の処女と肌を重ねなければならないのだとしたら、確かにサイズが小さめの方が有利に……
「ああいやいやいや! だからと言って俺のサイズが小さいと言っているわけでは!」
「ねえねえそれよりさ、これ触っていい?」
「な、なんだとっ?!」
「いやだからさ、おちんちん」
「言われなくてもわかっているっ! そうではなくてなぜ触りたいのかという話だ!」
「だってほら……興味あるし。ね、岡部倫太郎、他のみんなにだってしてもらう事があるかもしれないんだしさあ、ねえねえ、いいでしょ? ねー、ねぇーってばー!」
阿万音鈴羽がまるで幼い少女が両親におもちゃをおねだりするような声色で岡部倫太郎の膝を揺する。
もっともねだっているのは大人の玩具だが。
- 33 :
- 「ええい落ち着け鈴羽! 子供かっ!」
「うう〜……だってぇ〜」
「……わかったわかった、そんな捨てられた子犬のような目をするな。好きにしろっ」
「やったぁー! さっすが岡部倫太郎、話がわっかるー」
「普通立場が逆だろう……」
呆れた口調で岡部倫太郎が嘆息する。
確かに通常なら嫌がる女性に男が無理矢理男性器を触らせたり舐めさせたりするのがセオリーだが、阿万音鈴羽にはそんな常識は通用しないらしい。
彼女は改めて岡部倫太郎のペニスに顔を近づけ、吐息がかかるほどの距離でまじまじと見つめる。
「へー、ほー、ふーん……あ、ぴくんってなった」
「お前が息を吹きかけるからだっ!」
「へぇー、息だけで反応しちゃうんだ。敏感なんだねー」
「はうっ?!」
興味津々の阿万音鈴羽が猫のように口を丸めてつん、と人差し指で陰茎をつつく。
思わず小さな悲鳴を漏らし、やや前屈みとなる岡部倫太郎。
「わー、おもしろーい!」
「ええいっ面白がるなっ!」
「えい、やあ、そりゃー!」
「あ、だからやめて、やめ……あふんっ!?」
つんつん、と指先でつつき、ぴくぴくと震え反り返る肉棒を楽しげに観察していた阿万音鈴羽は、やがてその行為を徐々にエスカレートさせてゆき、遂に手指で包み込むようにして陰茎を掴んだ。
「おー、意外とやわっこいねー。骨は?」
「そんなものあるかっ!」
「あ、そうなんだ」
「だから、強く、握る、なっ!」
「あ、ああそうだよね、ごめんごめん」
知らぬ間に陰茎を強く握りしめていた阿万音鈴羽は、岡部倫太郎にそう言われて慌てて手を離す。
「ふーん、この反り返ってるところが気持ちいいんだ」
「いちいち分析するなっ!」
「えー、だって必要でしょ? ねえねえ岡部倫太郎、これ味見てもいい?」
「はぁ?!」
「え、あたしなんか変なこと言った?」
岡部倫太郎の大仰な驚き方にむしろ彼女の方が驚いて、多少慌てながら聞き返す。
「い、いや、そういうのは普通男の方からやってくれと頼み込むものではないかと思ってな。少なくともダルの持っていた雑誌などではそうなっていたのだが」
「へーそうなんだ。でもそれってつまり頼みたいくらいやって欲しいってことだよね?」
「まあ……そうなるのか?」
なにせ岡部倫太郎にはそんな経験が欠片もない。だから『それ』がどういうものなのかさっぱり実感が持てなかった。
- 34 :
- 「はいはーい! じゃあさじゃあさ、あたしやりたい! やってみたい! 岡部倫太郎、いいでしょー、ねえってばー!」
「だからいちいち手を挙げるな! 揺するなっ! ええい、好きにしろ!」
「やったぁ! じゃあ……えっと」
口では大胆なことを言っておきながら、だが岡部倫太郎の肉棒を前に、阿万音鈴羽は頬を染めてもじもじと立ちすくむ。
彼女にだって経験はまるでない。これからどうすればいいのか、どうすれば岡部倫太郎が喜んでくれるのか、全くの未知数なのだ。
「えーっと、えっと……ん、ちゅっ」
だがやがて意を決したようにそそり立つ陰茎に顔を近づけると……阿万音鈴羽は目をぎゅっと閉じ、その中程についばむようなキスをした。
「ちゅ、ちゅ、ちゅっ……ん、ちゅ、ちゅぱっ、ん、ん」
「だ、大丈夫か鈴羽。その……なんだ、臭いとか」
「ちゅるっ、ん、ちゅ……ふわ、へいひへいひ。ん、ちゅ、ぷはっ……確かにちょっと変な臭いかもだけどイヤな臭いじゃないよ。なんていうか……これが岡部倫太郎の臭いなんだぁって思うと、その……なんか懐抱の念があるっていうか」
「カイホウ?」
岡部倫太郎は怪訝そうに眉をしかめた。
カイホウ……解放? 介抱? いや文脈から考えて懐かしい懐か? それに包、あるいは抱か……差詰め懐抱の念、あたりだろうか。
普段使わぬ言葉だがおそらく感慨深い、程度のニュアンスなのだろう、と岡部倫太郎は解釈する。
「そうなのか……よくわからん感覚だな。雄効果のプライマーフェロモンを鋤鼻器に受容するようなものか?」
「ちゅ、んちゅ、ぺろ……ごめん、難しくてよくわかんない」
「あー、生物学的に言えば発情する、とでも言うのか」
「んー、ちゅ、ちゅ、れろ、んっ……どうだろ。なんかえっちな気分になっちゃうのは本当だけど」
髪を掻き上げながら、岡部倫太郎の言葉をどことなく雑な態度で受け流す阿万音鈴羽。
どうやら目の前の行為……彼の股間への奉仕にいつの間にかすっかり心奪われてしまっているらしい。
最初は手指で軽くさすり、唇であらゆる箇所にキスの雨を降らせ、やがて舌を出して優しくつつくようになって、
キスはいつの間にか吸い付くような動きに変わり、舌もだんだんと大胆に竿の上を這いはじめて、
岡部倫太郎が敏感に反応した場所を重点的に……執拗に責めてゆく。
- 35 :
- 「ふう……ぁ、ん、れろ……ちゅぷっ、ね、このキノコの傘みたいなとこと先っぽが気持ちいいの?」
「む、あ、ああ……っ」
唇と舌先でカリと鈴口を刺激しながら、阿万音鈴羽はその先からにじみ出る粘液を啜った。
「なんか透明だね。精液ってもっと白いものかと思ってた」
「そ、それは精液ではない。確かカウパー線液とか言う中和剤と潤滑油の役目を持つ液体だ」
「ちゅーんちゅ、わひゃい?」
「するか聞くかどっちかにしろ! あー、確か女性の膣内は酸性で精子は酸に弱いから、アルカリ性のこの液体で中和するとかなんとか」
「へー、全然知らなかった。あ、でも潤滑油ってのはわかるよ」
「……まさかそれもダルに教わったのか」
自分の娘に早すぎる性教育を施す己の右腕の様子がありありと想像できて、岡部倫太郎が思わず眉を顰める。
「違うってば。ええっと、感じるとこーゆーのが溢れちゃうのは……お、女も一緒だから、さ」
「なるほど……そうなのか」
岡部倫太郎の長竿から唇を離した阿万音鈴羽は、赤くなってどこか不服げに彼を下から見上げるように睨む。
だが岡部倫太郎に見つめられ返すと、みるみる頬を染めて慌てて下を向き、まるで何かを誤魔化すかのように再び行為に没頭した。
「ん、ちゅ、ちゅるっ、ん、ん、はむ……っ!」
「うぁ、す、鈴羽……っ!?」
阿万音鈴羽は……遂に岡部倫太郎の肉棒をその口に咥え込んだ。
こうと決めての事ではない。心と身体が求めるまま行為に耽っている間に、自然と彼女の身体がそれを求めたのだ。
- 36 :
- 「ん、ちゅ、ちゅるっ、ん、ふぁ、ん、んんっ、ぷぁ、はむっ、ん、ちゅ、ちゅっ、んん〜〜っ!」
右手ををスパッツ越しに己の股間に押し当て、強くさすりながら、左手と唇で陰茎を刺激する。
唇は幾度も肉茎の上を往復し、舌は亀頭に絡みつくように巻き付いて、鈴口から溢れる粘液を懸命に、そして愛しげに啜り、嚥下する。
「す、鈴羽! ダメだ、刺激が、強、す……っ!」
これが橋田至が呼んでいる十八禁の同人誌かなにかなら、竿役はたとえ童貞でももう少し持つのだろうが、残念ながら岡部倫太郎にはそういう補正はないようだった。
あまりの刺激に耐えきれず、彼は思わず阿万音鈴羽の口内に大量に精を放ってしまう。
「うぷっ、んんっ、んくっ、こくん、んぷぁっ、うえっ! む、無理ぃ〜っ! んっ、あ、あああ……っ!!」
突然の放精に驚いた阿万音鈴羽は、それでもなんとか全部飲み込もうとするが、その勢いと粘つく感触に耐えられず、咳き込んだ拍子に肉竿を口から離してしまう。
制御を失った陰茎は精液を無遠慮に撒き散らし、たちまち阿万音鈴羽の顔と上半身を白濁で染め上げてしまった。
彼女の口元は肉棒を含んだ時のまま、半開きのままとなっていて、精液を嚥下しようとしていた舌も半ば出しっぱなしになっており、
一方でここ数日一切性処理をしていなかった岡部倫太郎の精液はだいぶ溜まっていたようで、彼女のそんな口元にも、唇にも、舌先にも白濁を垂らし、汚してゆく。
「ん、あ、ああっ、あつ、い……っ」
上半身裸の阿万音鈴羽は白濁の熱量をその肌で直接感じ、全身をぶるりと官能に打ち震わせる。
そしてスパッツだけを履き、女の子座りの姿勢で目を閉じた彼女は、半開きの口から自ら舌を出すようにして……小刻みに震えながらその白いシャワーを受け止めていた。
- 37 :
- はじめてのドキドキ
いいよね……
そんな二人が書けて満足です
それではまた次回ー ノシ
- 38 :
- 乙
鈴羽エロい……オカリン(笑)
早く続きを!
- 39 :
- 鈴羽!(挨拶)
今宵も更新に来ました
ちょっと寝ぼけてるので更新ミスがあったら勘弁してください……
- 40 :
- 3−10:2011/02/12 00:16
「うわっ、す、すまん鈴羽、大丈夫か!?」
岡部倫太郎は慌てて己の陰茎を押さえ、阿万音鈴羽の肩を揺する。
だが彼女は半ば放心状態となって、微かに震えながら焦点を失った瞳でぼんやりと岡部倫太郎を見つめていた。
「ん、すご、い……これが、男の人の、おか、べ、りんたろ、の、せーえき……」
舌の上に付着した精液を、ぼんやりと、とろんとした表情で喉奥に注ぎ、ん、と小さく洩らしてから飲み込む。
だが気管支に付着したらしく、阿万音鈴羽は激しく咽せた。
「だから無理はするなと……」
「ん、大丈夫、もう平気。ん、れろ、ん、ぴちゃ……あん、こんなとこにも……ぴちゃ、れろ、ちゅっ」
阿万音鈴羽は誰に言われるまでもなく、自らの肌に付着した白濁を舌で舐め、掬い取り嚥下してゆく。
その様は普段の彼女に比べてなんとも淫靡で、いやらしく、岡部倫太郎の股間のものは再び天に向かってむくりと屹立した。
「わあ、すごーい……」
先程と同じような反応、だが微妙に声のトーンが違う。
さっきまでは物珍しいものを見るような、興味が先立つ反応だったが、今の彼女の台詞には先刻彼女が言葉にした通りのニュアンスがその内に含まれていた。
すなわちどこか“陶然”とした、官能を感じさせる、熱を帯びた視線である。
目の前でそそり立ってゆく“それ”が、己を性的に見ている証拠なのだと、自分が性の対象として認識されている証左なのだと、そして自らもまたそれに求め、応え、悦んでいるのだと、
彼女の体が、心が全身で訴えている。そんな事を自覚しているような、表情。
「鈴羽……」
「う、うん……」
もじもじ、と急にしおらしくなった阿万音鈴羽が、指をつんと突き合わせ、暫しの躊躇の後に己のスパッツに手をかけ、座ったままゆっくりと脱いでゆく。
そしてその下から遂に彼女の股間……陰部が顔を覗かせた。
- 41 :
- 「下には何も履いていないのか……」
「ショーツ履いたら折角のフィット感がなくなっちゃうじゃん!」
「そうなのか。しかしなんだろうな、このHENNTAIチックな印象は」
「へ、変態じゃないもん! スパッツの下には何も履かないのがフツーなの! スポーツ選手とかもみんなこうだもん! 下に何か履く方が変なの!」
阿万音鈴羽は真っ赤になって必に自己の正当性を主張する。
だが彼女の言葉に岡部倫太郎は『この鈴羽の時代にもスポーツはあるのだな、ならばそこまで酷い時代ではないということか、よかった……』などとどこか場違いな感想を抱いていた。
……とまあそんな事を考えつつも、その瞳は自然股の間へと向けられる。これもまた男の性である。
彼の視線から隠すように、阿万音鈴羽は真っ赤になって己の秘所を両手で覆う。
「そ、そんなにじろじろ見ないで岡部倫太郎……は、恥ずかしいよ……」
「……そう言われてもだな。ミッション達成のためには一番重要な場所ではないか」
考え事をしていたためか、どこか心ここにあらずで事務的に返答してしまう岡部倫太郎。
「そ、それはそうだけど……」
その台詞を彼の今回のミッションに対する真摯さの表れと受け取った阿万音鈴羽は、その真剣な視線に頬の赤みを強め、遂に根負けしたかのように股を開き、ゆっくりと手をどける。
岡部倫太郎はそのまま彼女の股間の間に座り込むようにして膝をつき、間近で彼女の秘所をじっくりと観察した。
- 42 :
- 「湯気が出ているな。それに随分と……濡れている」
「わーん、いちいち解説するなー!」
「おわっ!?」
股ぐらの間に岡部倫太郎を受け入れている阿万音鈴羽が、ぽかぽかと彼の頭を叩く。
「す、すまん、ただ大丈夫なのかと思って……」
「大丈夫? 何が?」
「いや、トイレに行かなくて良かったのか、と……のわーっ?!」
阿万音鈴羽が放った拳を慌てて避ける岡部倫太郎。へたり込んでいた状態からの彼女の拳には力の入れようがなく、なんとかかわす事に成功する。が、その握り拳には確かに怒気が込められていた。
岡部倫太郎はびくりと怯えて尻餅をつきながら慌てて後ずさり、そのまま土下座する。
「す、すまんっ! 何か気に障ることを言ったのなら謝る! だから怒らないでくれ!」
「べ、別に怒ってるわけじゃ……」
「嘘だ! さっきのパンチには確かに意が込められていたぞっ!」
指を差して喚く岡部倫太郎の言葉に、斜め下に視線を逸らした全裸の阿万音鈴羽は、広げていた足を畳んで横に倒す。
こうしてみるとなんとも女性的というかしとやかなポーズで、その肩から脇腹、臀部へと伸びる身体のラインと羞恥に染まった肌、いつもと違う恥じらいの様子はなんとも色っぽく、岡部倫太郎は思わず唾を飲み込んだ。
「……い」
「ん?」
「……じゃない」
「すまん鈴羽、良く聞こえないのだが」
「だからこれはお漏らしじゃないのっ!」
「そ、そうなのかっ!?」
岡部倫太郎は女性の秘部をじっくり見るのもそれが濡れている状態を見るのも初めてで、単に事実を確認したかっただけである。
ただ同時にそれは阿万音鈴羽にとって、これ以上ない羞恥プレイの一環となってしまっていた。
- 43 :
- 「これは……えっと、さっきの岡部倫太郎とおんなじで、お、女の子がえっちな気分になると、その、出てきちゃう……って言わせないでよ! 恥ずかしいなーもー!」
「そうか、バルトリン線液か……!」
バルトリン線液は女性が性的興奮状態にあると膣内より分泌される液体であり、主に秘部に対する性的刺激から発生するが精神的な高揚でも分泌されることがある。用途は主に性器の潤滑作用であり、男性器の挿入の補助の役目があると考えられている。
「……見ても、いいか」
「ふえっ?! あ、えっと……お、岡部倫太郎は、見たいの?」
「ああ」
彼の思わぬ真面目な声に、阿万音鈴羽は思わず唇を噛み、ごくりと唾を飲んだ。
実際岡部倫太郎には興味があった。
初めて……そう、牧瀬紅莉栖との初体験(未遂だが)に於いて、彼女は激しく痛がったのだ。
それゆえに岡部倫太郎は挿入を断念し、気まずい別れ方をしてしまった。
もしその答えがここにあるのなら綿密な調べる必要がある。なにせ今回のミッションの最重要課題なのだから。
「ふむ、随分と溢れているな。これはさっき自分で擦ったからか?」
再び阿万音鈴羽の股間を覗き込み、顎に手を当てながら質問をする。
それは純粋に興味本位から来る質問だったが、知らぬうちに言葉責めの性格を帯びてしまっていることに当人は気づいていない。
- 44 :
- 「そ、それもある、けど……その、岡部倫太郎の、を……その、してる時……」
「鈴羽、わかりづらい。主語をはっきりと言ってくれ」
ミッション達成のため、牧瀬紅莉栖との仲を取り戻すため、真実を探求すべく質問を重ねる。
だがそうして彼に頼まれ、命令されるたびに、阿万音鈴羽の肌はますます赤みを増し、呼気が荒くなってゆく。
「お、岡部、倫太郎の、お……その、おち……」
「鈴羽、もう一度言うぞ、はっきりと頼む」
阿万音鈴羽の股間を覗き込みながら、視線だけを上に向け、強い口調で告げる。
牧瀬紅莉栖との再戦に関わる重大ごとだ。彼が真剣になるのは当然だろう。
だが阿万音鈴羽は、彼の厳しい表情と強い視線に射竦められ、その命令口調に背筋をぶるりと震わせて……遂に彼の本意とは別の方向に決壊した。
「おちんちん! 岡部倫太郎のおちんちんを口淫してる時にこ、興奮して濡らしちゃったんだよぉ!」
叫びながらびくん、と全身を震わせ、背筋を反らす。
足先を左右に開いたまま、だが両膝を膝頭で合わせて必に何かに耐えていた……が、股間の潤みは先刻よりいや増して、遂には床にさえこぼれ落ちた。
「こういん……口淫? なるほど、そういう事をすると性的に興奮するものなのか」
「よ、よくわかんないよぉ。普通の女の人は嫌かもしれないけど……」
「お前は違うのか?」
「そ、それは……! そ、その、岡部倫太郎の、だから……」
元々赤いのにさらに耳まで一層に赤く染めて、視線を逸らすように斜め下に向けながらぼそぼそと答える。
「なるほど……相手にしっかりと確認を取った方がいいという事だな」
「う、うん……そうだね」
熱でもあるかのようにぼうっとしながら、岡部倫太郎の言葉をどこか虚ろな頭で聞く。
彼の問いに、抗し得なかった。
あんなに恥ずかしい質問だったのに、つい問われるまま、命じられるままに答えてしまった。
阿万音鈴羽はぞくりと背筋を震わせながら……自らが酷く性的に興奮している事を自覚する。
そして、いざこの男が事に及んだとき……この顔で、この声で頼み込まれて、拒絶できる女性が果たしてどれ程いるのだろうか……
などと、愚にもつかぬ事を考えていた。
……彼女の股間は、既にしとどに濡れていた。
(『第3章 孤想恋慕のアリテッド(下)』へ つづく)
- 45 :
- というわけで中編終了ー。
私は前編とは言わなかった。三章は上編と言ったのだ。
そう、鈴羽のエロスはまだもう一段階変身を残している……!
ってとこで申し訳ないんですが
明日は泊まりがけでお出かけの予定なので更新できません
週明けの月曜も夜まで用があって、更新できるか微妙なとこです
よって次回は火曜以降、運が良ければ月曜の夜にでもお会いしましょう
それではー ノシ
- 46 :
- 乙です。
そう言えばゴム無しでやっちゃってもタイムリープでなかったことに
しちゃうのかなw サイテーなオカリンだww
- 47 :
- オカリンもDT卒業からのクズリンへのジョブチェンジも目前か
胸が熱くなるな
- 48 :
- こんばんは
今日も何とか更新できそうです
- 49 :
- キター!!o(^▽^)o
- 50 :
- 3−11:2011/02/12 00:22 未来ガジェット研究所
「……鈴羽、お前の……あー、性器、触れてもいいか?」
「ふやっ?! え? え? えええ?」
「何を取り乱している。お前もさっきやったではないか」
「そ、それは、そうだけど……そうだけどさー……っ」
もじもじと太股をよじり合わせ、妙に恥ずかしがる。
先刻あれだけ淫らがましいことをしておきながら今更恥じ入る彼女の様子に、岡部倫太郎は首を捻った。
彼にとってこれは調査である。心の中でそう割り切ることでようやく積極的になることができたというのに。
「鈴羽」
「んふぁっ!? う、うう〜……こ、こう……?」
ミッションのためと己に言い聞かせつつ、岡部倫太郎ができるだけ落ち着いた声を出す。
だが阿万音鈴羽は彼の低い声にまるで別の意味でひくんと反応し、やがておずおずと己の足をゆっくりとM字に開き、潤んだ瞳で岡部倫太郎を股間の前まで迎え入れた。
目尻の涙は嫌悪からではない。
彼の声が耳を通った時、彼の言葉を脳が命令だと認識した刹那、知らず感じた恍惚が分泌させているものだった。
「さっきよりも濡れているな」
「そ、それは……岡部倫太郎が、色々、言わせるから、ぁ……っ」
「? ただ質問しただけだろう」
「え、えっちなこと言わされると感じちゃうんだ!」
「……そういうものなのか」
ふむ、と顎に手をやり考え込む岡部倫太郎。
彼女の身に起こっている変質に、彼は現状全くの無知かつ無自覚であった。
橋田至が知れば女性に服従の悦びを知らず教え込んでしまった岡部倫太郎を絶賛するだろうか。
だがもしその相手が己の娘だと知ったら彼は一体どんな顔をするだろう。
いずれにせよ阿万音鈴羽はすっかり高揚状態にあり、彼の一挙手一投足にいちいちぴく、ぴくんと反応してしまう。
次に何を言われるのか、何を言わされるのかが頭の中でぐるぐると渦巻いて、それだけでますます蜜を溢れさせてしまうのだ。
- 51 :
- 「では……触るぞ」
「う、うん……その、お、おっぱいの先っぽと同じで敏感なところだから、こっちもあんまり強くしないで……」
「? 乳首でいいではないか」
「は、恥ずかしいんだよー!」
「?? わかった。気をつけよう」
「うう〜、あ……ひっ、んっ!」
そっと、撫でるように、阿万音鈴羽の秘所に指を這わせる。
びくんっ、と腰を揺らせた阿万音鈴羽は、まるで震動が波となって伝わるように、腰から反らした背中、背中からうなじ、うなじから脳髄へとその快感を受け取り、知らず口から切なげな喘ぎを漏らした。
「鈴羽、お前は敏感な方なのか? そうでもないのか?」
「そんなのわかんない、わかんないよぉ……あっ、ひくっ?!」
岡部倫太郎に質問されながら撫でるように秘所を愛でられる。
言葉と指の両面の刺激によって、阿万音鈴羽は追い立てられるように上り詰めてゆく。
「ふむ、サンプルケースが自分しかいないから確かめようがない、か。それは俺も同じだが」
「あ、あたししか、いないってこと……?」
「ああ。少なくともここまでしたのはお前が初めてだ」
「あぅんっ! ……えへ、へ」
「……何がおかしい」
「はぁ、はぁ……あ、ううん。なんか嬉しいな、って。それだけ」
「おかしな奴だ」
「あっ、そこダメッ! そこクリ……ダメだってば……ぁ!」
カリ、と岡部倫太郎の指が陰核を引っ掻く。阿万音鈴羽はまるでスタンガンを浴びたかのようにびくりと震え、脚をがくがくと揺らした。
「わからんな。十分湿っているように見えるが……女というのは一体どれくらい濡れれば痛くなくなるものなのだ?」
女性の初体験は痛いものである、という話は岡部倫太郎も聞いたことがあった。
実際牧瀬紅莉栖はそのせいで彼を拒絶したのだ。
だがこれ程にしとどに濡らしているなら潤滑油としての性能は十分な気がする。
もしそれでも痛いというなら一体何が不足だというのだろうか。
- 52 :
- 「わかん、ない、けど……初めてだとここがまだ広がりきってないから痛いんじゃない、かな」
「ここ、とは?」
「ふゃっ!? う、うぅ〜……っ、だ、だからぁ……っ」
「鈴羽、教えてくれ」
岡部倫太郎の淫心の一切ない言葉に、遂に阿万音鈴羽の心が決壊する。
「ち、膣のことだよぉ! ヴァギナ! お、お、おま、おまん……っ」
ゴニョゴニョと消え入りそうな声で呟きながら、岡部倫太郎の前で左右に大きく開いた両脚の間、己の秘所を両手の指で指し示し、僅かに指先で広げる。
もはや顔が赤いどころではない。彼女の全身はすっかり羞恥にのぼせ火照りきっていた。
「……つまり慣れの問題か」
「た、たぶん……っ」
「それではダメなのだ! どうにかして受け入れられるようにしなければ! 紅莉栖はきっとまた……!」
激高しかけた岡部倫太郎……彼の様子を見て少しだけ己を取り戻した阿万音鈴羽が、全裸のまま、彼をぎゅっと抱き締める。
その身は未だ赤熱の欲情の中にあったが……目の前で懊悩している男のために、彼女はできる限り落ち着いた声を絞り出した。
「大丈夫だよ、岡部倫太郎。痛くったって、んっ、女の子は、大好きな人のためなら我慢できるから」
「だが……現に俺は……っ!」
なおも動揺し震え慄く岡部倫太郎の口を……今度は彼女の唇が塞いだ。
「ん……ん、ちゅっ、あ、ん……ぷぁ、ん……」
自ら唇を差し出しながら、だがむしろ己が蕩けた表情となって顔を離す阿万音鈴羽。
「どんな痛みだって……覚悟があればきっと大丈夫。でも女のそんな気持ちを、雰囲気を作ってあげるのは……岡部倫太郎、君なんだよ」
「……責任重大だな」
「だから言ってるじゃないか。そのためにみんなを抱いて欲しいって。そのためにあたしがいるんだって」
「………………」
- 53 :
- 互いに無言のまま見つめ合う二人。
やがて岡部倫太郎の手が彼女の背中に回り……阿万音鈴羽は、背後のソファに背中から乗り上げて、倒れ込むようにして彼を誘った。
「っと、ちょっと待て。準備、準備をしなければ」
……が、突然岡部倫太郎が上体を上げて、慌ててポケットを探り始める。
「何探してるの?」
「あれだ! ええっと……なんだ、その、挿入前に付ける……む? そ、そうか、今は二日前だったか」
わたわたと上着やズボンをまさぐる岡部倫太郎に、ようやく阿万音鈴羽もピンと来る。
「……ひょっとして、スキン?」
「そそそうだ、それだ」
「へぇ、意外だね、岡部倫太郎はそういうの普段から持ってるんだ」
「普段からは持っていない! ただ……その、なんだ、あー……」
身体をまさぐる手をやや緩めながら、必に言葉を探しつつ、なんとも言いにくそうにそっぽを向く。
「紅莉栖がこっちに来ている間に……その、何かあるのではないかと期待していなかったと言えば……嘘になる」
「ふーん、成る程ね。ちゃんと岡部倫太郎も準備はしてたんだ」
少し声のトーンを落としながら、どこか冷めた口調で呟く阿万音鈴羽。
そしてぼそりと、小さな声でこう続ける。
「……別にあたしは付けなくてもいいのになー」
「馬鹿なことを言うな! もっと自分の身体を大切にしろ!」
岡部倫太郎の大声にびくりと肩を震わせた阿万音鈴羽は、だがやがて彼がズボンの後ろポケットから取りだしたコンドームを見てみるみるとその頬を赤く染め上げる。
どうやら一旦間を置いてしまったことで却って恥ずかしさが増してしまったものらしい。
- 54 :
- というわけで今宵はここまで!
なんとなくバレル・タイターには申し訳なく……
まあそんなわけでまた次回ー ノノ
- 55 :
- お忙しいのに乙です
- 56 :
- 乙
- 57 :
- こんばんは
今日も更新に来ましたー
- 58 :
- 3−12:2011/02/12 00:26
「こう……でいいのか?」
「ん、たぶん大丈夫……だと思う」
陰茎に装着したゴムをしげしげと眺めつつ、互いに真っ赤になった阿万音鈴羽と岡部倫太郎がスキンの具合をチェックする。
「なんとも心許ないな」
「仕方ないじゃないか! あたしだって初めてなんだからー!」
むー、とふくれっ面をした阿万音鈴羽は、だが一転して恥ずかしそうにそっぽを向いた。
「こ、こっちは準備、できてるから……」
「……いいのか」
「うん、来て……」
もはやそれ以上の言葉は必要なかった。
不思議と優しげな笑みで、両手を広げ己を迎え入れる阿万音鈴羽の姿に無性に愛しさがこみ上げてきた岡部倫太郎は、そのまま彼女の上にのし掛かって……
「……ええい、どこだ! ここかっ!」
「んっ! そこじゃないってば! あ、今度は下すぎるー! 違う! そこお尻! お尻だって! ひぁんっ!? そ、その穴はまだだめだってばー!」
「まだ!? まだとはどういう意味だっ!?」
「そ、そーゆーのはもっと『ぷれいのはば』っていうのが広がってからだって父さんと母さんが……っ」
「ダルー! お前は夫婦揃って娘にどういう教育をしているー! ダルー!」
「そ、そんなことはどうでもいいから! と、とにかくもっと上だよ岡部倫太郎!」
「良くはない! 良くはないぞ鈴羽! だ、だがそうか、ちょっと待っててくれ。 ……ここか!?」
「ひゃんっ!? そうじゃなくってもっと上の……そ、そうそう! そこそこ! そこから、そう、ゆっくりと……んっ、そ、そう、違う! そこでいいの! そのまま、無理矢理、で、いいからっ、深、く……あ、あぁあぁあああああああああっ!?」
冗談のようなドタバタを一通り演じた後、遂に彼女の処女膜を貫いた。
「ひ、ぐ……っ!」
全身を震わせ、涙目で歯を食いしばり、岡部倫太郎の背に回した腕に力を込める。
口から漏れる声は明らかに辛そうで、痛そうで、
「大丈夫か鈴羽! 今、今抜くか、らあたぁあああっ?!」
慌てて己の逸物を引き抜こうと上体を上げた岡部倫太郎は、だが彼女の万力のような腕に強引に引き戻される。
彼女の脚は震えながらもがっちりと彼の腰に絡み付けられ、このままでは引き抜くどころか身動きすらままならぬ。
- 59 :
- 「鈴羽、辛いのだろう? あ、あまり無理をするな」
「ん、へい、き……っ!」
口ではそう言いながらも到底平気とは思えぬ涙混じりの口調で、阿万音鈴羽が搾り出すように呟く。
「大丈夫、初めてなんてこんなものだって、聞いてた、し……っ」
「あれほど濡れていても痛いものなのか……」
それでは緊張でガチガチになってまるで濡れていなかった牧瀬紅莉栖が耐えられるはずもなかったわけだ。
岡部倫太郎は己の浅薄さに呆れ果て、心の内で溜息をついた。
「だがどうする、このまま動いても痛いだけだろう」
「うん。だからちょっとの間このままでいてもいい? そうすれば少しは慣れると思うから」
「わかった……すまない、鈴羽。お前にだけ辛い思いをさせて」
「あたしだけ……ってことは、もしかして岡部倫太郎は気持ちいいの?」
「……正直に言おう。かなり気持ちがいい。もしいきなり動かしたらそのまま射精してしまいそうだった。まさかこんな感覚が存在するとはな」
「そっか、気持ち、いいんだ……ふ〜ん……」
苦しげに眉根を寄せ、細かく喘ぎながら、
けれど心底嬉しそうに、満足そうに微笑んで、阿万音鈴羽は岡部倫太郎の首に回した腕の力をそっと強め、彼の頭を引き寄せる。
「ね、岡部倫太郎。こうしてじっとしてる間……少し、話ししててもいいかな」
「ああ」
己がこれほどの快楽を感じているというのに、真逆に苦しそうな表情の阿万音鈴羽を見ているのが辛く、まるで自分が欲望の赴くまま彼女をいたぶっているような感覚に襲われ、痛烈な罪悪感を覚えてしまう岡部倫太郎。
そんな彼女の苦しみが少しでも紛れるなら、と阿万音鈴羽の言葉に力強く頷く。
「あのね……あたし、岡部倫太郎……ううん、オカリンおじさんの事が好きだったの」
「ああ、それは聞いた」
「出会った時から……ううん、出会う前からずっと」
「出会う……前?」
「うん。あたしね、ずっと思ってたの。あたしには好きな人がいるんだって。ずっと一緒にいたい。ずっとそばにいたい。ずっと……隣にいたい。そんな風に思える人が。それでもしその人に会ったら、あたしはきっとその人のことが大好きになるんだーって」
幼少時にありがちな王子様願望だろうか、それにしても随分と強い思い込みだが。
岡部倫太郎は彼女の心理をそんな風に分析した。
- 60 :
- 「それでね、物心付いて初めてオカリンおじさんに会ったとき思ったんだ。ああ、あたしが探してた人はこの人だったんだって。あたしはこの人のことが好きなんだ……って」
「おいおい、それはいくら何でも持ち上げすぎだろう。お前が三つ四つの時だとしても俺は三十路前後だぞ」
「ううん。あたしはあの時確信したんだ。ずっと、ずっと会いたかったの。初めて会った君に、ずっと前から」
「ハハハ、そんな僕タマ*みたいな……」
そこまで言い差して、岡部倫太郎の言葉が止まる。
「まさか……!?」
「うん。だから……きっとこれが、あたしのリーディング・シュタイナー」
阿万音鈴羽は、笑っていた。
いつもの愉快そうな笑みではなく、優しげな、愛しげな微笑み。
「オカリンおじさんに別の世界線の話を聞いたとき、オカリンおじさんの力の話を聞いたとき、あたしすっごくいっぱい考えたんだ」
リーディング・シュタイナーは誰もが持っている力……ただ常人のそれはあまりに微弱で、微かな記憶しか残すことができない。
だからそれは書き換えられた新たな世界線の記憶の片隅で、単なる夢や妄想、或いは白昼夢として片付けられてしまう。
幼い少女は必に考えた。岡部倫太郎と同じ時を生きた別の世界線の自分にはその力はなかったのだろうか、と。
そして今の自分には……その力はないのだろうか、と。
「あたしはなんにも覚えてないけど、でも別の世界線のあたし達は……きっとみんな岡部倫太郎、君のことが好きだったんだ」
「そ、そう……なのか?」
そう言われても岡部倫太郎には確信がない。
確かに嫌われていたとは思わないが、少なくとも今の彼の記憶ではそれ程深い付き合いになった事はなかったから。
- 61 :
- 「うん。だってそうじゃなきゃ、あたしの心にこんなに強い想いが残ったりしない。そりゃもしかしたら行き違いで喧嘩した事だって、敵同士になるような事だってあったかもしれないけど……
それでも岡部倫太郎、そんな時でもあたしは、君にきっと特別な想いを抱いてた。そんな気がするんだ」
「想い……?」
「うん。君と同じ時間を生きられなかった今のあたしには別の世界線の記憶なんて残ってくれなかったけど……でも想いだけは残された。残ってくれた。こうして……あたしの中に」
幾度も繰り返したループの中で、渡り歩いた世界線の中で、彼女には幾度も助けられた。
世界線の成り立ちと理解、アトラクタフィールド理論、ダイバージェンスメーター、そしてIBN5100。
そのどれが欠けていてもあの孤独な旅路を終わらせることはできなかっただろう。
「もしかしたら全然違うかもしれない。あたしの勝手な思い込みかもしれない。ひょっとしたらオカリンおじさんに本当に一目惚れしただけなのかもしれない。
でもこれはかつてのあたしの想い……岡部倫太郎と一緒にかけがえのない時間を過ごした、たくさんのあたしの想いの結実だって、きっとそうなんだって、そうだったらいいなって……あたしは信じてるんだ」
あの頃は彼女が自分に接触してくるのはこの特異な能力……他人より遙かに強く発現しているリーディング・シュタイナーのせいだと思っていた。世界を救うキーマンだからだと思っていた。
だがもし彼女にそんな気持ちがあったなら、自分を少しでも好いていてくれたのなら……
「だから……さ、岡部倫太郎。もし君がその頃あたしを……別の世界線のあたしを少しでも想っていてくれたなら……お願い」
頬を染め、口元をわずかにほころばせ、鼻と鼻でキスするほどの距離で、囁くように。
「あたしの知らないあたしの分まで……今、この身体を愛して欲しいんだ」
「……わかった」
彼女の言葉を心に刻む。
その強い想いを、純な願いを。
たとえこの後何があっても、タイムリープで彼女の記憶が消えるような事態になったとしても……
自分は、自分だけはその想いを忘れまいと、岡部倫太郎は心に誓った。
- 62 :
- というわけで今宵はここまでー
明日はお酒が入るかもなので更新できるかわかりませんが、なるべく早い内に更新したいと思います
それではー ノシ
- 63 :
- 乙!
- 64 :
- おつおつ
- 65 :
- tips:僕タマ:『僕の卵を守って』というタイトルの少女漫画。卵を産んだ少年を巡る前世の記憶を持った少年少女達の物語。当時爆発的にヒットし、前世の記憶を持つと自称する少年少女が大量に発生し社会問題にまでなった。
3−12のtips忘れてたorz
あと昨日は申し訳ありません。
このページまで開いてたのにお酒が入っていたので爆睡してしまいました。
今日は更新できそうですー
- 66 :
- 3−13:2011/02/12 00:32
「んっ、そろそろ大丈夫かも……」
「そうか、では、行くぞ」
「うん、来て…… ッ! んっ! んくぅっ!」
ず、と岡部倫太郎がゆっくりと腰を動かす。
阿万音鈴羽は目をぎゅっと閉じ、くぐもった声を漏らしながらその律動に身を任せた。
「どうだ?」
「うん……んっ、さっきよりはだいぶ慣れた感じ」
「そうか、時間を置いて馴らすのも有効という事か」
「ん……っ、そう、みたい」
「では……続けてゆくぞ」
「う、うん……」
いつもの太陽のように元気いっぱいな返事ではなく、羞恥に頬を染め、大人しく、しおらしく頷く様にドキッとした岡部倫太郎は、彼女を強く抱きたい、激しく腰を打ち付けたいという己の内の衝動を必に押さえ、可能な限りゆっくりと抽挿を行う。
「ん、あ、うン! なんか、ヘンな、感じ……っ」
「どうした、苦しくなったか? それとも辛くなったのか? 一旦やめるか、鈴羽?」
「ううん……そういうのじゃなくて……なんか腰の奥あたり、身体の芯がムズムズして、なんかすっごくもやもやするんだ……っ」
「それは……なんだ」
「よくわかんないけど……もしかしてこれが『感じてる』ってことなのかな……?」
「そうなのか?! 鈴羽は感じてるのか?」
「だからわかんないってばー! けど、その……もっと動いてくれたら、わかる、かも……」
肌を朱に染め、ほんの僅かだけ唇を尖らせて、上目遣いでそんな言葉を呟く。
それは彼女の……おそらく初めての、性的な「おねだり」であった。
- 67 :
- 「鈴羽……っ!」
「おかべ、りんたろ、ぉ……っ!」
ゆっくりと、だが徐々に強く、激しく腰を動かす。
岡部倫太郎にも少しずつコツが掴めてきたようだ。
「おか、おかべ、りん……、たっ、ふゃんっ!?」
必に想い人の名を叫び、甘い悲鳴を上げさせられていた阿万音鈴羽は、唐突に止められた動きにがくんと上体を揺らし、不安げに相手を見上げた。
「……フルネームでも構わんが、他にないのか、何かいい呼び方は」
「えっと、オカリンおじさん……?」
「それ以外でだ!」
「ええっと……」
己の内に侵入している異物を感じ、若干の痛みと、だがそれ以上の多幸感に包まれながら、阿万音鈴羽は額に指を当てて考え込む。
「ん〜……なんでもいい?」
「ああ、鈴羽が呼びたいように呼ぶがいい」
「じゃあええっと……“リンリン”って呼んでもいい?」
「んがっ!?」
「ねえいいでしょ? 今だけ、セックスしてる間だけでいいから!」
上目遣いで、左頬に人差し指を当てて、確認するように小首を傾げる。
その愛らしい様に心臓を鷲掴みにされかけた岡部倫太郎は、だが必に己を保ち抗おうとした。
「いやいやいやいや。流石にそれはない、それはないだろう!」
「えー! でもでもでもっ! なんでもいいってゆった! 岡部倫太郎なんでもいいってゆったよー?!」
「ええい! 文句と一緒に腰を動かすなっ!」
岡部倫太郎の下で左右に押し広げられた脚を不満げにじたじたと動かし、結果として腰を蠢かせる阿万音鈴羽。
「くっ、やめ、やめないか鈴羽!」
「くふんっ、やだ、やだぁ! 岡部倫太郎が悪いんだから! んっ、約束、守らないと、ダメなんだ、ぞぉ……きゃふぅっ!?」
彼女の腰の動きに快楽が波の押し寄せ必に耐える岡部倫太郎。
だがこの時追い詰められていたのはむしろ彼女の方だった。
阿万音鈴羽は悲鳴を噛みし、くぐもった喘ぎを上げながら、それでもその動きをやめようとしない。
- 68 :
- 「ええいわかった、わかったから! 好きにしろ!」
「んん〜〜っ! ふぁ……え? いいの?」
「鈴羽が言い出したんだろう」
「あ、そ、そうだよね。えーっと、じゃ、じゃあ……り、りんりん?」
許諾されて今更照れくさくなったのか、岡部倫太郎に組み敷かれたその腕の下で、真っ赤になってもじもじと身をよじりつつ、肩をすぼめながらおそるおそるそう呼びかける。
そしていざ自分で口にしたあと、今更ながらにその呼称に含まれた甘ったるい雰囲気を肌で感じて、見る間に全身を朱に染め恥ずかしそうにその身を縮めた。
彼女のそんな愛くるしい様にこれまで幾度も脳天を貫かれていた岡部倫太郎は再び後頭部を鈍器で殴られたかのような衝撃を受けて、恥ずかしさのあまり思わずつっけんどんな応対をしてしまう。
「な、なんだっ」
「あー、やっぱり怒ってるんだー!」
「お、怒ってなどいない!」
「ホント?」
「ああ」
「リンリンって呼んでもいいの?」
「くどい!」
「……リンリン」
「……あー、なんだ」
「リンリン?」
「だからなんだと言っている!」
「えへへ……リンリーン!」
「おわー?!」
阿万音鈴羽は嬉しそうに岡部倫太郎の首っ玉にしがみつく。
結果としてそれは2人の密着をより高め、阿万音鈴羽の双丘が彼の胸板に押し付けられて、強い弾力を保ちつつも大きくひしゃげた。
「へへ、えへへ、リンリン、リンリン、リンリン……っ」
「お、おい、やめろ、やめないか、やめてくださいお願いします。というか変だぞ、なぜそれ程テンションを上げるのだ!?」
嬉しげに連呼しながら岡部倫太郎の顎に愛しげに頬擦りする阿万音鈴羽。
だがその様子はどこかハイになってしまっているようにも見える。
- 69 :
- 「んー、前からねー、欲しかったんだ、あたしだけの呼び方!」
「自分だけ……?」
「うん! 岡部君とか岡部さんとか御主人様とかさ、みんな呼び方違うじゃん。オカリンおじさんはほら……まゆりおばさまの真似っこみたいだし」
「それでそんなにこだわってたのか……」
「そうなんだー。いやー、オカリンおじさんに聞いたらすごい嫌がってさあ」
「それは……そうだろうな」
岡部倫太郎は未来の自分の聡明さに感謝した。
「それでしつこくおねだりしたらさ、過去の自分が許可したらいいって言うから……」
「前言撤回だ岡部倫太郎! 人に押し付けるなっ」
まあ正確には他人ではなく己自身だが、彼の心情は察するに余りある。
「だからもし無事に帰れたら向こうでもリンリンって呼ぶんだー。へへー♪」
無事に……その言葉を聞いて岡部倫太郎の表情が引き締まる。
この時間改変によって世界線は変動するのだろうか。その時彼女はどうなるのだろう。未来からやってくる要因自体が消失した場合、彼女が未来からタイムトラベルしてくる理由は無くなる。
仮にここにいたとしてもそれはきっと別の理由で、その時……彼女のこの想いは、一体どこへ行ってしまうのだろう。
「……りんりん?」
「鈴羽……!」
「きゃっ、え、な、なに? んふっ?! ん、ちゅ、ちゅぱ、んっ、ふぁ、ぁん……っ」
阿万音鈴羽の唇を強引に奪い、その身体を強く抱き締める。
彼女は最初驚いた様子だったがすぐに岡部倫太郎に身を任せ、向こうからも唇に吸い付き、舌を絡めあった。
「ど、どうしたのリンリン、急にそんな……ぁっ?! あ、あっ、あっ、あっ、ひんっ?!」
とろんとした瞳で岡部倫太郎を見上げてきた彼女の顔は、だが彼が強い律動を始めると驚きに目を見開いて、その後快楽に歪む。
初めてゆえに身体中で快楽を感じている程ではないのだろうが、精神的充足が大きいからだろうか、思った以上に彼女の体は岡部倫太郎のペニスとその動きを受け入れてしまっていた。
- 70 :
- 「ふぁ、なんかふわふわする、ぅ……んっ! はぁんっ! おかべ、りんたろ、ぉ……リン、リン……っ!」
「鈴羽……っ!」
「ふぁっ?! あ、あああああっ?!」
阿万音鈴羽の首と背中に腕を回し、耳元で彼女の名を強く囁く。
耳朶に吹き付けられる吐息と彼の強く低い声色が脳髄を蕩かせ、阿万音鈴羽は痺れるような官能に身を焼いた。
「んっ、はぁっ、やぁっ! へ、ヘンだよぉ……あたし、あたし初めて、なの、にぃ……っ!」
幾度も幾度も貫かれ、その都度悲鳴に似た嬌声を上げる。
潤んだ瞳、半開きの口、僅かに伸びた舌、口の端からとめどなく漏れる涎は彼女が感じている事の明確な証左であった。
「リンリンっ! だめっ、ダメェ! あたし、あたしもう……っ!」
「むぉっ!? し、締め付けが、急に、キツく……っ!」
一気に上り詰めた阿万音鈴羽は、岡部倫太郎の首に巻きつけた腕の力を強め、彼の腰に絡み付けた両の脚に力を込める。
それは随分と危険な体勢なのだが、彼女の膣壁が急激に狭まり切羽詰った岡部倫太郎にはそれに気が回るだけの余裕が足りない。
「すまん! 鈴羽、出る!」
「うん、来て、来てぇ! リンリン! リンリンっ! ふぁっ!? あ、ぁあぁあぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
ぎゅむ、と岡部倫太郎にしがみつくようにして、阿万音鈴羽の膣が彼に射精を促がす。
そしてぎゅっとつぶった目尻から涙を零しつつ、悩ましげな、甘い悲鳴と共に絶頂へと至った。
「ん、ふぁ……はへ、ん……っ」
だらり、と全身から力を抜いて、その場に崩れ落ちる阿万音鈴羽。
「りんりんの……おかりんおじさんのせーし、いっぱいだよぉ……」
そしてスキン越しだというのに、とろとろにとろけた声で、どこか遠い他人事のような、だが不思議と満ち足りた声で……そう呟いた。
- 71 :
- というところで今回はおしまい。
次回で第三章は終わりにできると思います。
それではまた次回ー ノノ
- 72 :
- わおぅ!
- 73 :
- りんwwwwwwwwwwりんwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ええでええでー
- 74 :
- リンリン…鈴羽ではなくオカリンがこう呼ばれるとは…新しいwwwww
- 75 :
- 鈴羽だのリンリンだの鈴虫かってwww
- 76 :
- りんりんはたしかひよれんの鈴羽√で呼ばれてたな
あれはたまげたww
- 77 :
- 鈴羽!(挨拶)
今宵も更新に来ましたー
今日で第三章は終わりの予定です
- 78 :
- 3−14:2011/02/12 00:48
「あー……大丈夫なのか?」
「うん、たぶん」
事が済んだ後に、ゴム越しに己が吐き出した大量の精を確認し思わず眉を顰める岡部倫太郎。
「まさか漏れ出たりしてないだろうな」
「岡部倫太郎が気にすることなんてないよ。あたしは大丈夫だから」
「あー、なんだ、避妊薬を飲んでいるとか……?」
「……うん、まあそんなとこ」
「なぜ一拍置く」
「細かい事は気にしないでいいってば。それより少しはわかった? 女の体のこと」
「あ、ああ……」
股間をティッシュで拭いている阿万音鈴羽の姿がなんとも卑猥で、岡部倫太郎は思わず目を背ける。
先刻まで彼女の全裸を散々拝んでいたというのに、なぜ今の方が背徳感を感じてしまうのだろうか。
「んー、あー、お、そうだった……鈴羽!」
「え?」
股間を拭き終わり、スパッツを履いたところで岡部倫太郎から唐突に声をかけられる。
きょとんとした顔で振り向いた阿万音鈴羽に、何かが放り投げられた。
「うわっ、っとっと……あ、これって……!?」
彼女が咄嗟にキャッチしたのはその感触から何かの金属の塊のようだった。
掌を開いてみると……そこにあるのは小さなピンバッジである。
「知っているのか?」
「うん! まゆりおばさまも、萌郁おばさんも、みんな持ってる! 父さんだって!」
「そうか……みんなまだ持っていたのか」
- 79 :
- それはラボメンの一員である事を示すピンバッジ。
縁にはよく見ると小さな文字で「OSHMKUFA2010」と彫られている。
その謎の文字列はラボメンの構成員の頭文字を、ラボメンとなった順番に刻んだものだった。
即ち岡部倫太郎、椎名まゆり、橋田至、牧瀬紅莉栖、桐生萌郁、漆原るか、フェイリス・ニャンニャン。
だが……その最後のAだけは、現状誰も示していない。
ラボメンは現在7名なのだ。その点について椎名まゆりも橋田至も随分と不思議がっていたものだった。
だが岡部倫太郎は知っている。岡部倫太郎だけは覚えている。
そこにはかつてラボメンとして名を連ねた、とても大切な人物が入るべきだと。
……阿万音鈴羽。
ジョン・タイターとして彼に世界線の概念やアトラクタフィールド理論を教え、未来から来たレジスタンスとして彼らの命を幾度も救って、
そして……彼にIBN5100を渡すため過去へと一方通行の旅に立ち、現代に辿り着く前に橋田鈴として亡くなった女性。
目の前の阿万音鈴羽と同じ容貌、同じ姿の……けれど遙かに不幸な世界から未来を変えるため、己が消滅する危険すら厭わずタイムマシンで現代へとやって来ていた大切ならラボの一員。
「これ……これすっごい欲しかったんだ。でもいっぱいいっぱい欲しがったのに誰も譲ってくれなくて、オカリンおじさんにおねだりしても『お前が大きくなったらな』って言うばっかりで」
そこまで言いさして阿万音鈴羽の動きがハタと止まる。
「も、もう言われたって返さないんだから! あたしがもらったんだもん! あたしのものなんだからっ!」
そして慌ててピンバッジを後ろ手に隠し、珍しく大仰にうろたえながら必に主張した。
「ああ。それはお前のものだ、『バイト戦士』よ」
「え……?」
「お前は覚えていないだろうが、かつて阿万音鈴羽は我がラボの一員だった。だからラボメンNo.8はいずれ生まれてくるであろうお前のために空けてあったのだ。そのピンバッジは……正真正銘お前のものさ、鈴羽」
「わぁ……っ!」
- 80 :
- 瞳を輝かせて、再びピンバッジを取り出し、じいと見つめる。
「あれ? じゃあもしかしてこの最後のAって……あたしの苗字?!」
「そうだ。お前の姓、阿万音から取ったものだ」
「うわー、すごい! ホント?! 夢みたい!」
阿万音鈴羽はまるで誕生日にプレゼントをもらった子供のようにピンバッジを高く掲げ、ぴょんぴょんと幾度も飛び跳ね、弾んだ声で快哉を叫んだ。
「本当は10年後くらい……お前が生まれて物心ついたあたりで渡そうと思っていたんだがな。考えてみればその姿のお前にこそ渡す意味があるのかもしれん」
「うわー、うわあー! あたしさ、あたしこのピンバッジすっごくほしくって、みんなに見せてもらったときに穴が開くほどじっと見ててさ! この最後のアルファベットだけずっと気になってたんだ!」
瞳を輝かせ、ピンバッジを慣れた手つきで目の近くまで持ってきてじっと見つめる。
そしてその視線が縁取りの端、Aの文字に辿り着いたところでにんまりと笑った。
「それでさ、『このAはあたしの頭文字だからこれはあたしのだー!』って言ったらみんなに『あんたは橋田鈴羽でしょ!』って言われてさ、
それで『じゃあお母さんお父さんとリコンして! あたしをあまねすずはにしてー!』って大騒ぎしたらさー……父さんがすっごく落ち込んで」
「そ、そうか。重ね重ねダルも不憫な……」
最後の部分で彼女の声のトーンがやや下がったところをみると、どうも未来のバレル・タイターはその件で本気で凹んだものらしい。
そういえば……と岡部倫太郎はあらためて気付いた。
彼女は、阿万音鈴羽は父親の事をバレル・タイターではなく橋田至だとはっきりと口にしていた。
つまり彼女は父親の正体を知っているという事で、そして親子の触れ合いもしっかりとあったという事で……
岡部倫太郎は、それがなんとも嬉しくて、思わず口元をほころばせた。
- 81 :
- 「だからこの時代に来る時にさ、過去に影響を与えないように偽名を使った方がいいって聞いたとき……あたしは母さんの姓を借りて阿万音鈴羽を名乗ったんだ」
「なるほど……そういう事だったのか」
「だからまさかホントにこれがあたしの名前だなんて思わなかった。えへ、へへへ、嬉しいなあ♪」
んー、とピンバッジに軽くキスをすると、口元を猫のようにして愛しげに頬擦りをする。
どうやら彼女がそのピンバッジを本気で欲しがっていたのは間違いないようだった。
「喜んでくれたようで何よりだ。だが本当にいいのか? 俺の感覚で言えば十年早く渡せたことになるが、お前の感覚だと逆に十年近く受け取るのが遅れることになるのだが」
「いーのいーの! 細かい事は気にしない! 結局もらえたんだし!」
なんとも上機嫌にピンバッジを弄んでいた阿万音鈴羽は、だが唐突に真面目な顔になって彼の方に振り向いた。
「岡部倫太郎。大事な……話があるんだ」
「その前に服を着ろっ」
「あ、そっか」
スパッツ一丁の己の格好に今更気付いた阿万音鈴羽が、もぞもぞとスポーツブラをつけて上着を着込む。
岡部倫太郎はようやく彼女の姿を正視できるようになってほっと息をついた。
「あ、そういえばシャワーあったっけ? 後で貸して欲しいんだけど」
「ああ、そこにある……が、冬は少し寒いぞ」
「オーキードーキー」
「それで……なんだ。さっき聞いた話が全部ではないのか」
「ううん。未来の件で今話せるのはあれが全部。そうじゃなくって……これからのこと」
「これから……?」
「うん。これから岡部倫太郎がタイムリープ……っていうんだっけ? 記憶を過去に飛ばす時には……最大でも上限よりマイナス2時間までにしてほしいんだ」
「上限一杯ではなく……か? だがそれは何故だ?」
「今起こった事を……なかったことにしたくないから」
「あ……!」
そうだ、もし最大までタイムリープしてしまったら今彼女と肌を重ねたことも全てなかったことになる。
だが……彼女の純潔を考えるなら、それはむしろ好ましい事のはずではないだろうか。
「ダメだよ、岡部倫太郎。セックスには体の馴れも重要なんだ。ソーロー、っていうのかな? 記憶だけ残ってても体が童貞のままだったら折角学んだことも半減しちゃうんだってさ。紅莉栖おば……牧瀬紅莉栖とも上手くいかないかもしれない」
- 82 :
- 岡部倫太郎は今更思い至った。単に彼の記憶にセックスの経験を植えつけるだけなら、そもそも出逢ったあの時に肌を重ねてから過去にタイムリープすればよかったのだ。
それをしなかったという事は……つまり彼女には最初からこれが織り込み済みだったということだろう。
「2時間余裕をもって遡れば、岡部倫太郎は今からちょっと先に『飛んで』くることになる。そうしたら全部事情がわかってるあたしは、そのまま岡部倫太郎の手伝いができる」
「む、なるほど、そうか……!」
そうだ。「タイムリープしてくること」を事前に把握している協力者があらかじめ存在しているなら、たとえ何度目のタイムリープだろうとその人物は協力してくれるに違いない。
いちいち事情を説明する必要もなければ説得する手間もいらない。岡部倫太郎にとって実に有難い存在になり得るはずだ。
「あたしは考えるのが苦手だからあんまりそっち方面では役に立てないかもしれないけど……体を動かすのは得意なんだ。どんな事でも協力するから。ううん、手伝わせて欲しい」
阿万音鈴羽の瞳には強い決意の色があった。彼女自身気付いていないことではあったが……それは何かを為し遂げんと決心した時の岡部倫太郎の瞳の色に少し似ていた。
「あたしね……オカリンおじさんの武勇伝を聞くのが大好きだったんだ」
子供の頃、瞳を輝かせて、彼の本当なのか法螺なのかわからぬ話を何度も何度も、繰り返し聞いていた。
「どんな話でも喜んで聞いてくれるあたしが嬉しかったのか、オカリンおじさんは時々『世界線のおはなし』をしてくれるようになった」
過去へと送るメールで世界線が書き換わり、世界自体が大きく変容する。
そしてそのせいで不幸になってしまった仲間達のために、彼が奔走する物語。
細かいところやグロテスクな部分は省かれて、ずいぶんと脚色されてはいたが……それは確かに、彼の足跡を示した素晴らしき冒険譚だった。
- 83 :
- 「すっごく面白い、とっても大好きなお話だったけど……でも、少しだけ、キライなところがあったんだ」
「嫌いな、ところ……?」
ラボメンが襲われるところだろうか、それとも桐生萌郁や天王寺裕吾の裏切りのくだりだろうか。
岡部倫太郎の怪訝そうな問いに、阿万音鈴羽はふるふると首を振った。
「世界線を移動すればみんなは元の世界を覚えていない。どんなに近くの人でも、大切な人でも、誰一人」
そうだ、世界線を移動するという事はそういうこと。世界中の人間の記憶は新たな世界の歴史に応じて再構築されてしまう。
元の世界の記憶を保持している岡部倫太郎こそが……唯一の異端者なのだ。
「だからオカリンおじさんは全部一人で背負ってく。ラボのみんなの悩みも、想いも、罪も、全部一人で、その背中に乗っけて」
彼女の言う通りだった。そう、全てを覚えているのは己自身だけ。
世界線を渡るたびに仲間達の協力を仰いだが、それでも新たな世界に旅立つ時に彼に付いて来られる者は……誰一人としていなかった。
「そんな時の……オカリンおじさんの顔が、あたしは嫌だった」
何かを諦めたような、どこか皮肉めいた、寂しげな微笑。
子供心に……阿万音鈴羽はその表情が嫌いだった。大好きなオカリンおじさんにそんな顔をさせる『何か』が嫌だった。
「そして……オカリンおじさんはいっつもその言葉を言うんだ。あたしの大嫌いな言葉」
その言葉にどれ程の意味が込められていたのか、幼い彼女には理解できなかった。
ただ大好きなオカリンおじさんにそんな表情をさせてしまう『その言葉』は……彼女の心に深く刻み込まれた。
「だから今度の件ではあたしが全面的に協力するって決めてたんだ。岡部倫太郎と同じ重荷を背負うんだって。それがたとえ罪だって……あたしは背負う。君と一緒に」
阿万音鈴羽は、強靱な意志を滲ませたその瞳で……
時を遡った先にいた、あの日あの時、己が未だ幼かった頃に見た、あの時のオカリンおじさんと同じような瞳の色をしている目の前の男……
子供の頃から恋い慕うその男を見つめ、ずっと伝えたかった言葉を告げた。
「岡部倫太郎。君を『孤独の観測者』なんかに……させやしないんだから」
- 84 :
- 4−0:2011/02/12 00:58
「……で、どうするの?」
「どうする、とは?」
「最初の相手だよー。やっぱり椎名まゆり?」
「やっぱりとはどういう意味だっ」
甲高い声で叫び返し、岡部倫太郎はしばし考え込んだ。
誰を相手にするか……それは今後の展開に何か大事な意味を持つような気がする。
阿万音鈴羽は向こうから積極的に協力してくれた。けれどこれからはそうはゆかぬ。
タイムリープによってやり直しができるとはいえ、そこに至る過程自体を己の手で構築しなければならぬのだ。
「…………!!」
その時……岡部倫太郎の脳裏に天啓のようなものが走った。
しばし無言で熟考し、思いついたアイデアを検討する。
そして……小さく頷いた岡部倫太郎は、伏せていた顔を上げた。
「……決めたんだね、岡部倫太郎」
「ああ」
彼の瞳の強さに気付き、嬉しそうに、だが表情を引き締める阿万音鈴羽。
彼がそういう顔つきをするときは……誰よりも頼もしいのだと、彼女は幼い頃から知っていた。
「……最初は」
「最初は?」
「フェイリスに、する」
岡部倫太郎の瞳に、もはや迷いはなかった。
(『第4章 緊嬢転伽のチェシャー・ブレイク(1)』へ つづく)
- 85 :
- というわけで第三章、鈴羽ルート無事(?)完結でございます。
だだ長いお話に最後までお付き合いくださった方がいたのならただただ感謝でございます。
書きたいことを書ききれず、改めて己の非才と筆力のなさに嘆いておりますが、とりあえず鈴羽に思うところの精一杯を可能な限り書き殴ってみました。
鈴羽ファンの方に少しでも喜んでいただけるような、
そうでない方にも鈴羽の良さが少しでも伝わるような、
そんなエピソードであったら、と思います。
さて少し休んでからいよいよ本格的な攻略開始、
手始めにして最大の難関、フェイリスルートに突入です。
ピンクは淫乱!を合言葉にまたちまちまと更新していきたいと思います。
3章の感想でもいただけたら励みになります。
それでは早ければ来週にでもー ノノ
- 86 :
- 乙乙乙!すげー!なんか感動したぞ!
『孤独の観測者』使ってきたかー!このフレーズ好きなんだよね。寂寞とした決意がこもっててゾクっとくるものがある。本編オカリンの代名詞とも言えるか。
毎日ずいぶん楽しませてもらってますが、ここまでの感想をさらっと言うと、読み応え十二分、そしてこの鈴羽は間違いなく鈴羽だと思います。ちゃんとキャラ掴めてる。
ある意味でエロパロにあるのが勿体無いw
そして鈴羽との交わりを「残して」来たね(ニヤリ)。と言うことはもしかすると…?!
次はフェイリスか……もっともっとエロくしてくれてもいいんだぜ?w
続き楽しみにしてます!速く来週来い!
- 87 :
- 乙です。
オカリンによるフェイリス攻略、楽しみです。
- 88 :
- ま、まだ途中なんだかGJなんて言わないんだからねっ!
フェイリス!ニャニャニャ!!!
- 89 :
- 長編はありがたいのう
乙乙
- 90 :
- こんばんはー
いろいろと感想ありがとうございます。
励みになります。
それではどうにか更新できそうなので第四章に突入してみたいと思いますー。
- 91 :
- 4−1:2011/02/12 01:00 未来ガジェット研究所
がくん、と岡部倫太郎の体が揺れて、携帯電話を持つ手がだらりと下がる。
「あれ、岡部倫太郎、もしかしてタイムリープしてきた?」
床に胡坐を掻いて座り込み、ヒーターに手をかざしていた阿万音鈴羽が問いかける。
「……ああ」
「相手は?」
「……フェイリスだ」
「で、上手く行ったの?」
「いや、失敗だった」
「一応聞くけど、何回目?」
「……七回目だ」
呻くような声で、岡部倫太郎が呟いた。
「へぇー、結構苦戦してるんだ」
「フェイリス・ニャンニャンには相手の心を読む特殊な力がある。下手な小細工は通用しない」
「あー、なんだっけ、『チェシャー・ブレイク』だったっけ?」
正確には相手の顔色を窺って言っている事が嘘かどうかを見破る程度の、いわゆる『察しがいい』といった類の能力の発展系のような物なのだが、いずれにせよ厄介な事には違いない。
その上フェイリスの行動は猫のように気まぐれで掴み所がなく、こちらの策をまるで全て見透かしたかのように軽々と跳び越えていってしまう。
何度も繰り返したタイムリープで彼女のタイムスケジュールや幾つかの有用な情報は手に入れたが、未だに決定打と呼べるようなものは何一つないのが現状だ。
「ふーん、それにしても留未穂お姉ちゃんがねえ。ちょっと意外だなー。もっと早く折れると思ってた」
「フェイリスはああ見えてかなり芯は強いぞ」
「いやそういう意味じゃなくってー……うーん。もしかしてまだなのかなあ?」
阿万音鈴羽がなにやら岡部倫太郎に理解できない事を呟きながら腕を組んで考え込む。
「……そういえば鈴羽、ひとついいか」
「ん、なになに? 何でも言って。あたしは岡部倫太郎に協力するためにここにいるんだから」
「すまんな。では聞くが、まゆりや萌郁は『おばさん』でなぜフェイリスは『お姉ちゃん』なのだ。特にまゆりとは同世代だろう」
「……だってあの人おばさん、って言っても返事してくれないし」
「ああ……」
なんとなく納得できる理由で、岡部倫太郎は思わず頷いてしまった。
- 92 :
- 「だが2036年と言うことはフェイリスはもう四十を超えているはずだろう。まったく何をやってるんだあいつは……」
岡部倫太郎は頭を押さえつつ溜息をついて……
がば、とその顔を上げた。
「うわっ?! ど、どうしたのいきなり?」
「見落としていた……! そうか、ヒントは最初から提示されていたのだ!」
突然ブツブツと呟き始めた岡部倫太郎は、興奮した面持ちで阿万音鈴羽の方へと振り返る。
「お手柄だぞ鈴羽! もしかしたら攻略の糸口が見つかるかもしれん!」
「? ?? そうなんだ」
自分の何がどうヒントになったのかさっぱりわからずに首を捻る阿万音鈴羽。
「よくわかんないけど……役に立てたようなら良かったよ!」
「うむ、とりあえず今回のタイムリープで確認するとして、活かせるとしたら次回以降か……」
ソファに腰かけ、何やら思案しながら作戦を練る岡部倫太郎。
「ねえねえ、オカリンおじさん」
その背後、肩口から、岡部倫太郎の顔の真横に身を乗り出してくる阿万音鈴羽。
「なんだ、鈴羽?」
「とりゃーっ!」
「おわっ!? な、なんだっ!」
頭脳労働に没頭しているせいか、おじさん呼ばわりされても特に反応しない岡部倫太郎。
そんな彼の真面目な横顔を間近に眺めながら……阿万音鈴羽が悪戯っぽい笑みと共に背後から抱きついてくる。
「ねーねー、なんかヒントになったならごほーびー! ごほーびちょーだーい! あたしオカリンおじさんのごほーびがほしい!」
「む……いや構わんがまた即物的だな。なんだ、何か欲しい物があるのか? この時代のみやげ物か何かか?」
「そーじゃなくってさー、もー、前はいっつもしてくれてたじゃん!」
妙に幼い口調で岡部倫太郎に迫った阿万音鈴羽は、けれど彼が“いつもの”御褒美をくれそうにないと察すると『むー』と頬を膨らませ、これ見よがしにそのぼさぼさの髪を彼の頬に押し付けてぐりぐりと刺激する。
- 93 :
- 「あー……なんだ、もしかして撫でて欲しいのか」
「うんうん! そう! それそれ!」
ぱあああ、と顔を輝かせる阿万音鈴羽。
その態度からするに、よほどかつての彼女と未来の岡部倫太郎にとって当たり前の行為だったのだろう。
幼い頃の阿万音鈴羽が今のようにじゃれついてきた時、岡部倫太郎がそうしてあやしていたのだろうか。
「……なりは大きくてもまだまだ子供だな、鈴羽は」
「えへへー♪ そういう岡部倫太郎は若いのにずいぶん大人だねっ」
「それは老けてるという意味かっ」
ごろごろと喉を鳴らし後ろから頬擦りしてくる阿万音鈴羽に溜息をつきながら、その頭をおっかなびっくり撫ではじめる岡部倫太郎。
「まったく、今手懐けたいのはお前ではなくフェイリス・ニャンニャンなのだがなっ」
「ぶーぶー、今は他の猫の事考えたらだめだにゃーっ!」
「うおわっ! しっ、しがみ付くなっ! あ、当たってる!? 腕に当たってるぞ鈴羽っ!」
「当ててるんだよーっ! にゃーん♪」
「なっ、なぜ猫言葉になるっ!」
「へへー。リンリンが留未穂お姉ちゃんに慣れるための特訓だにゃー! そりゃーっ♪」
「のわーっ?!」
……その周回の阿万音鈴羽は、終日、やけに甘えん坊であった。
- 94 :
- とゆーわけで今宵はここまで。
あれ鈴羽編は終わったハズなんだけどな……
フェイリス編と銘打っておいてなんですが、しばらくはフェイリス攻略のための下準備に忙しくて彼女の出番はなかったり。
それまではタイムリープを駆使した岡部倫太郎のドタバタをお楽しみ下さい。
それではまた次回ー ノノ
- 95 :
- 乙
- 96 :
- 乙でーす
- 97 :
- なんというフェイント回ww
- 98 :
- こんばんわー
今日もちまちま更新しに来ました
- 99 :
- 4−2:2011/02/13 23:00 未来ガジェット研究所
「よし、完成!」
牧瀬紅莉栖が額の汗を拭って快哉を叫ぶ。
外は真冬だがヒーターを付けっぱなしにしているラボの中はむしろ暖かいくらいだった。
「お、牧瀬氏できたん?」
牧瀬紅莉栖の声を聞き、何かの雑誌を読み耽っていた橋田至が顔を上げる。
夜の初めあたりまでは手伝っていたのだが、どうやら最後の調整は専門家である彼女でないと駄目らしい。
彼らの前には新電話レンジ(仮)を改造してたった今完成した、タイムリープマシンが鎮座していた。
「うん。一応ね。まだ倫理的な問題は解決してないけど……」
「でも記憶だけとはいえ過去に飛ばすマシンだろ……本当ならマジですごくね?」
「理論的には完璧。あとは誰かが実験をして確かめるしかないわけだけど……」
だが一切のテストなしにそれをするのは人体実験に等しい。
もしかしたら記憶が上手く上書きできないかもしれない。一部の記憶に齟齬が生じるかも知れない。それどころか転送先の記憶自体を破壊してしまうかもしれない。
そんな危険な実験を、一体誰が行おうというのだろうか。
「その役目、俺が引き受けよう!」
「オカリン?!」
「岡部! 一体どこ行って……きゃっ! あ、あんたどうしたのそれ!?」
バタンと扉を開けて寒風と共にラボに入ってきた岡部倫太郎。
彼の顔や首筋にはなんとも痛々しい幾つもの裂傷が刻まれており、その白衣は血に塗れていた。
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