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2012年11月エロパロ477: 謎解きはディナーのあとでエロパロ (373)
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謎解きはディナーのあとでエロパロ
- 1 :2011/11/17 〜 最終レス :2012/10/16
-
なかったので
- 2 :
- 影山「失礼ながら、お嬢様はいまだ処女でごさいますか?」
- 3 :
- 影山「失礼ながら、お嬢様はマグロでごさいますか?」
- 4 :
- 保守
- 5 :
- どう考えても影山がドSにしか見えない
- 6 :
- 職人さん待ち
- 7 :
- 影山「失礼ながら、お嬢様がセーラーマーズだった頃の写真があるのですが」
- 8 :
- >>7
気になるw
- 9 :
- もうちょっと風祭警部もだな・・
- 10 :
- ほしゅ
- 11 :
- 第2巻のネタバレになるが…
麗子が風祭に将来食われてしまうフラグが立ってるんだよな…。
- 12 :
- 麗子と影山って付き合ったり結婚したりできるのか?
- 13 :
- まあ麗子の父が
「変な男に取られるくらいならいっそ影山を婿に…」
って考えれば
- 14 :
- 期待してる
影山ドSは王道
風祭に無理強いされて(嫌がっても馬耳東風)傷心の麗子に優しくするどころか嫉妬からのおしおきプレイを希望。
- 15 :
- 来週は麗子がギックリ腰か!
身動きが利かない麗子に影山のドSぶりが炸裂するな!
麗子「い、痛たた…影山、あなたマッサージとかできる?」
影山「フッ…お任せください、お嬢様。」(ニヤリ…)
- 16 :
- ほ
- 17 :
- しゅ
職人さん現われないかなー
- 18 :
- 昨日のドラマは動けない麗子に影山がやりたい放題で面白かったなー。
ヤバそうな薬とか整体とか
- 19 :
- 見逃した執事の猫耳
- 20 :
- ウサ耳じゃなかった?
影山って基本何でもできるし多趣味だしモテそうだよねw
よそのお嬢様にアプローチされてやきもきする麗子、みたいな展開を受信した
- 21 :
- お嬢様以外興味ない影山に萌え
ドSっていうよりねっちっこそうなイメージあるんだがどうでしょう
- 22 :
- ねちねち攻められる麗子いいね
- 23 :
- 今日は8話!
オスな影山が見たいーん
- 24 :
- 支援
- 25 :
- しえん
- 26 :
- ラピュタすごいよかったわ
- 27 :
- お嬢様、失礼ですが、アソコはもうビショビショですか?
- 28 :
- 別スレ職人だけど、このドラマはまだ一度も見てない。
ついでに原作も読んでない。
だけどネタの為にドラマ見たら何か書けそう。
週末まで待て。
- 29 :
- 待ってます!!
- 30 :
- よし、ドラマはあと二回だけど見よう。
ドS敬語慇懃無礼キャラは以前書いていたんで、それは何とかなりそう。
- 31 :
- ありがたや
- 32 :
- 今日の最後の影山乱れてて色っぽくてよかったわ
- 33 :
- ああいう表情イイね、エロかった
- 34 :
- 注意: トリックは省略 <m(__)m> / TV版にそれなりに準拠 / 28さんお先に失礼
「影山!」
「はい、お嬢様」
相手がドアのところにいるとばかり思っていた麗子は、すぐそばで返事が聞こえたため、ビクッと体を震わせた。
「あ、あなた、いつのまに、そこに?」
「32秒前からですが」
秒単位か!? と、そう突っ込みたかった麗子ではあったが、この男のことだ、どうせ寸分の狂いもない数値なのだろうと思い直して、スルーする。それよりも、
「全然気づかなかったわ。だいたい、なんで二人しかいない部屋でさりげなく足音消したりするわけ? 変でしょ? あなた特殊な訓練でも受けてきてるの?」
「いえ特にそういうわけではないのですが…… 単にお嬢様がいつものようにボ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッとされてたために、お気づきにならなかっただけかと」
「……あなたね、なんでそこだけ嫌みったらしく長〜〜く伸ばすの? 言葉の内容だけじゃなく、言い方がさらに不愉快だわ」
「それは失礼しました。ではこれ以降、お嬢様に見習って記号は2個までということにさせていただきます。それでよろしいですか?」
「…………」
この男が麗子の執事として雇われてから1ヶ月になるが、この程度の暴言は日常茶飯事だ。
そのたびに麗子は怒りを覚えるのだが、発言の中身がほぼ真実に近く、また、いくらつっこんでもノラリクラリとかわされてしまう為、最近ではややあきらめ気味になっている。
「だいたい、私はさっき、単に、ボ〜〜ッとしてただけじゃなくて」
「わかっております。冗談でございます。お嬢様は、本日の人事件のことを、特に密室人の謎について深くお考えだったのでしょう?」
「そ、そうよ。決まってるじゃない。 ……でも、なんであなたそこまで詳しいの? まだマスコミには」
「それはもう。私、お嬢様の執事でございますから、それぐらい知っていて当然と申しますか」
いや、全く当然なんかじゃないでしょ……と麗子は心の中で呟く。
- 35 :
- 「ただ、あのときは、人のあった隣の部屋で壁越しにお話しされてるのを伺いましただけですので、
もっと詳しく教えていただければ、お嬢さまのお役に立てる可能性があるやも知れません。
というのも、ちょうどティータイムと重なって、録音だけの部分があり、
その中に聞き取れない場所がいくつかありまして」
言うまでも無いことだが、この毒舌の執事にとって、
ティータイムの休憩は全てに優先する重要な事柄だ。
「あと、風祭警部の発言はすべてチェック済みです。
あの方は、なぜか真実に肉薄する能力がおありのようで、
最近は行動の全てをもらさず記録するようにしております」
真実に肉薄した挙句、あさっての方向にいってしまう、という問題点については、あえて触れない。
二人ともその程度には大人だった。
たとえ数時間前の現場で、被害者の胸に刺さったナイフのことなど忘れたように、
「これは事故です」という結論が出された、という事実があったとしても。
----- Film flash back -----
「という感じかしらね、だいたいのところは。まったく解決の糸口すら見つからないのよ」
「失礼ながら」
「なに?」
「誠に申し上げにくいのですが」
「だからなによ? ちゃんとおっしゃい!」
「では遠慮なく……お嬢様の目は『ふ・し・あ・な』でございますか?」
「あ、あ、あなた!」
記号を3こ使ってるじゃない!
と、一瞬麗子は思ったが、流石にそこに食らいついていい場面ではないと自制する。
- 36 :
- 「つまり……ただいま、お嬢様から伺った話と私の持っている情報を総合しますと、
犯人は誰の目にも明らかかと……だたし、お嬢様を除いて」
「そんなわけはないわ。私だけじゃなく、捜査本部もお手上げの状態なんだから」
「いえ、今回の密室の謎は簡単なトリックに過ぎず、子供だまし
……とも言えるようなしろものでございます」
「じゃ、じゃあ、言って御覧なさいよ。くだらないあなたの推理、聞いてあげるから」
「それはちょっと」
「なんで? どうして出し惜しみするの?」
「それは…… お嬢様が刑事として…頭をしぼっているのに、
一執事に過ぎない私が簡単に答えを出してしまっては失礼にあたりますから」
全然そんな謙虚なこと考えて無い癖に……
それに『頭を』の前に『ない』を入れようとしてためらったのも麗子はうっすらと気づいていた。
「わかったわ。降参よ。あなたのくだら……なくない……その、とっても素敵な推理、聞かせて?」
麗子がこの言葉を発すると、彼女の葛藤に気づいたのか影山の唇の端がかすかに上がった。
「では早速……と言いたいところなのですが」
「なんなのいったい? どこまでもったいぶれば」
言葉が完結する前に、後ろから伸びた影山の両手が、麗子の胸の上に置かれた。
やわらかく包み込むように手のひらが麗子の乳房の上でうごめく。
さらにキスが首筋に落とされると、麗子は思わず体を震わせ、かすかなあえぎ声を漏らす。
「謎解きは……ベッドのあとでよろしいでしょうか?」
- 37 :
- 「あ、……だ、だめ!」
「これは驚きました。ベッドでは嫌だと。なるほど…そうですか。
このテーブルの上ですぐに……がよろしいのですか?
やはりお嬢様も、時として我儘になられるのですね」
「ちが… あっ、ふぁ、はぁ……」
既に影山の片手は麗子の太ももの上を自由自在に動き回っていた。
ひざの辺りまで行ったかと思うと引き返し、
付け根の辺りで、うぶ毛に触れる程度の距離を保ったまま撫でまわす。
「恥ずかしがらなくとも大丈夫です。
お嬢様が淫乱だということは気づいておりましたから、 ……最初から」
影山がこの屋敷に来て一週間が経った頃、麗子は、彼氏に振られたはらいせに深酒をしてしまい、
寂しさもあって、自ら誘って影山と繋がってしまった。
そのこと自体に後悔があるわけではないが、その日以降、毎日のように影山に抱かれ、
その愛撫に全く抵抗できなくなっている自分が、我ながら不思議でならなかった。
そしてまた、このままでは再び官能の渦に巻き込まれてしまうのは確実に思われ、
麗子はかろうじて自分を立て直そうとした。
「か、かげやま!」
「なんでしょうか? お嬢様?」
「あ、あなた、こんなことをしていいと」
「こんな……こと?」
「だから、私に対してこんな」
「こんな? もう少し具体的におっしゃって頂かないと、わかりにくいのですが」
そう言いながら、影山の手は太ももの付け根、クロッチ部分へとたどりつき、
人差し指はゆっくりと上に向かい始めていた。当然、目標は……
「あっ、イヤッ!」
的確な指の動きが、敏感な突起を下着越しにスッと刺激したため、
おとがいをのけぞらせて麗子は声をあげた。
- 38 :
- 「これも『イヤ』なのですか? ほんとに困ってしまいますね、お嬢様の我儘には」
そう言う間も、焦らすようにクリトリスの周囲をめぐる指。
一方で、セーターとブラ越しにピンポイントでの乳首への刺激が続いている。
もたらされるいくつもの刺激の連続に、
椅子から滑り落ちそうになった麗子は思わず影山の腕につかまる。
そのはずみで、影山の手のひらを股間に強く押し当てる結果となり、そして気づく。
今、自らのはざまからヌルリと粘液が滲みだしたのを。
今はまだショーツの内側だけが濡れているのだろうが、
外から見てもあからさまな状態になってしまうのは時間の問題だった。
「か、かげやま」
それは彼女にとって恥辱以外の何物でもなかった。使用人にそんな状態を気づかれたりすることは。
だから、なんとしても……
力をふりしぼり、股間にある、先ほど意識せずつかんでしまった影山の腕を遠ざけようとした。
しかし、彼女の試みは成功しなかった。いや、逆効果だった…と言えるのかもしれない。
押しやろうとした腕を逆につかまれ、横へと導かれる。
そう、影山はいつの間にか麗子の横に立っていた。
たどりついた先は上質の柔らかい布の手触り。
しかし手のひらの感触はその中に固いものがあるのを伝えてくる。
それは大きく脈打っていた。
- 39 :
- 「あっ……」
「はい、正解でございます。お嬢様の大好きな……アレでございます」
影山のとどめの言葉と同時に大量に漏れ出した粘液が、ショーツをべったりと濡らしてしまう。
麗子の手を導いたあと、再び布越しの愛撫を繰り返していた影山の指が、驚いたように止まる。
「なるほど。そんなに好きなんですか、これが。お嬢様は正直な方ですね、ほんとに」
顔は見ることが出来なくとも、麗子には確信があった。
影山の唇の端がいやらしく2ミリあがっているであろうことを。
「では、参りましょうか?」
「……?」
たゆまない巧妙な刺激の中、既に麗子の意識は半分以上飛びかけていた。
そんな彼女の返事を聞くこともなく、影山は、
細くはあるがそれなりにボリュームのあるボディを軽やかに持ち上げ、
ベッドルームへと向かう。
(続く)
- 40 :
- >>34
乙です。
続きを楽しみにしてます。
ドラマ版もついに次回最終話…。明かされる麗子の秘密とは!?
…やっぱ処女なのか?
- 41 :
- >>34
おおおお職人様乙です。
麗子かわいい。
続き楽しみに待ってます。
- 42 :
- >>34
職人様お待ちいたしておりました〜
タイトル、絶対誰かやるだろうなと思ってたwww
影山麗子萌えるぅ〜
- 43 :
-
既に、ベッドの中の二人は何も服を着ていない。
あまつさえ、麗子の両膝が軽く立てられ開かれた間には影山が座り込む形となっていて、
固く上向きにそりかえったモノの先端が、はざまをゆっくり上下になぞるように動いていた。
ヌチャという淫靡な音が連続して部屋に響く。
あふれ出す液体は途切れることがなく、影山の欲望の証を覆うコンドームを伝って、
その一部は中ほどからベッドへと滴り落ちて、シーツに染みを作り始めていた。
性器同士が触れ合う刺激の強さと、されている行為の恥ずかしさ、
さらにそれらを証明するかのような卑猥な音、
その間にも唇、髪、耳、首筋、胸、腕、と、届く範囲の全て場所に、ついばむようなキスが落とされ、
麗子は既に限界点近くまで押し上げられていた。
自らを律するよりも、全てを解き放って官能の喜びに身を浸したい……
その思いが彼女の心のかなりの部分に広がっていた。
麗子は自らの思いに従うことを決断した。
たとえそれが結果として影山という男に対しての敗北であったとしても、構わない。
さらに彼女は、今、最も欲しいものを男に伝えようとする。
両手で影山の肩をつかみ、目を合わせる。
「なんでしょうか? お嬢様」
「お、お願い」
「はい?」
「…入れて……そんなんじゃなくて……もっと奥に。
あぁ……ん、もう…もう…あたし…… ダメ! 入れて! はやく!」
恥辱の言葉を口にしたことで、いっそう体の奥底から充足への渇望が湧き起こる。
しかし、一方の影山は先ほどまでの動作をくりかえすのみで、肝心の欲望の塊も、
懇願するかのようにひくついたままの入り口には気づかぬように通過するのみ。
背中を波打たせ、首を横に振り「いやいや」を繰り返していた麗子は、
ついに両足を影山の尻にあて、両腕を背中に回して、力ずくで引き寄せようとする。
満たされぬ思いは、とっくに彼女の身も心も埋め尽くしていた。
- 44 :
-
欲望に支配され自我の全てを投げ捨てた女を見て、影山は満足そうにつぶやいた。
「わかりました」
その言葉とともに、動きが止まり、先端はうごめく入り口にあてがわれ、侵入を開始した。
ふさがれた内部をかきわけるように雁首のところまで埋まったところで動きが止まる。
切望していたモノの形を、先端、そしてくびれた部分まで続く曲線の全てを、
自らの粘膜を通してあますことなく麗子は感じていた。
さらなる侵入が始まる。
ゆっくりと、麗子の奥を左右に押し広げながら、少しずつ影山のモノが埋没していく。
麗子は、押し込まれていくモノから得られる感触を寸分たりとも逃すまいと、息を止めたままだ。
そう、この快感こそが、待ち焦がれたものなのだから。
ついに麗子の中は影山により埋め尽くされた。
圧倒的なその存在感に、先ほどまでの飢えは嘘のように消え去る。
自分のこの感情の一部でも伝えたいと思いながら、麗子はじっと影山の目を見つめた。
影山は瞬きをすることもなくしばらく麗子を見つめ返したあと、
ついばむようなキスを唇に落とし、続けて耳元に顔を寄せる。
「まだ、わたくしは満たされていないのです」
アイコンタクトで麗子の先ほどの思いは届いていた。
そして今度は、私が彼の一番の希望をかなえる番だ。
そう思った麗子は同じように耳元でささやく。
「影山の……好きにして……いいから」
そう言ってから微笑んだ麗子を見て、目の前の男の顔に驚きの感情が加わる。
麗子の中をすきまなく塞いでいたはずの固いものが、グッとこわばりさらに体積を増す。
「では、遠慮なく」
壊れ物でも扱うように、ゆっくりと先端を残すだけの位置まで引き抜かれたかと思うと
こんどは、こすれあう互いの皮膚の感触を粘液越しに楽しむかのようにじわじわと押し込まれる。
自らの体内に侵入しているものの形の隅々までわかってしまうことに、麗子は驚かされた。
- 45 :
-
そうして幾度か往復が繰り返えされたあと、
全てが収まった状態のまま、じんわりとゆるい圧力で影山の腰が麗子に押し付けられる。
ゆっくりと回転を加えながら。
唇も重ねられ、二人の舌は迷うことなく境界を超えて、互いの口腔をまさぐりあう。
気づけば、一番奥にたどりついた男の先端に、麗子の内部のなにかが触れ始めていた。
麗子にはわかるのだ、なぜか。その感触が。
からみつくように、おもねるように、誘うように、ぐねぐねと、動き回るなにかが。
それは、麗子の意思とは無関係に。
「お嬢さま、お気づきですか?」
「なにが?」
流石に素直に、気づいてる、と答えることはできなかった。
「お嬢様の女としての本能が…私がその……射精するのを待ち焦がれていて、
奥にたっぷりと…そのように誘っていて」
「ば、馬鹿言いなさい!」
その途端にぐっと押し込まれ、麗子の反撃の芽はつみとられる。
「とはいえ、結婚もしていない男女が子作りをするのは、個人的にはどうかと思っておりますので、
せっかくのお嬢様のご希望ではありますが、今はご容赦を」
影山は必ず最初の段階で避妊具をつける。それはあの晩からずっと。
麗子もその点において安心していたために、こうして幾度となく抱かれているわけだが、
自らの本能がこの男の精子を欲しがっている……
という影山の指摘に、思わず反論はしたものの、否定しきれないのが正直なところだった。
そんな麗子の思考は中断させられる。再び影山の腰が前後に動き始めたからだ。
左右におしわけながら奥まで入り込んだあと、引かれる際には雁首が内壁を刺激しながら後退する。
徐々にそのスピードがあがるにつれ、
部屋の中は、粘液の立てる卑猥な音と、麗子の放つ喘ぎ声で満たされていく。
麗子は、突然、快感が増したのに気づく。
当たって……いる。そこ…… いいっ……!
奥の正面ではなくややずれたところに麗子のポイントがあることに、
初めて繋がった日、すぐに影山は気づいたようだった。
それ以来、終わり近くには的確にそこを突かれ、
麗子は結果として毎回、極限の絶頂を得ていたのだった。
- 46 :
-
今、麗子は両足を自ら胸元までひきつけ、
影山が自由自在に麗子を攻められるよう、協力していた。考えることもなく。
「そこっ! いいの! すごい! あっ」
間断なく攻められ続けた麗子は、背中を波打たせ、首を激しく左右に振る。
影山が下半身を動かせたまま唇を重ねると、強烈な吸引力で唇を吸い返す。
くぐもった喘ぎ声を漏らしながら、切なそうな表情とともに。
「お嬢様!」
「影山!」
それは終わりへの予感、二人の思いはそれぞれの言葉の中にあふれていた。同じ気持ちで。
今までに無い激しい抜き差しが始まり、麗子は極限まで背中をそらし、のど元を突き出す。
強烈な快感に襲われ、今の彼女は呼吸すら出来ない状態となっていた。
ほんの十秒ほど。そして、
「あっ! イクっ!」
「うっ!」
麗子の内部が激しく収縮を開始するのと、その中に埋め込まれた影山の剛直が、
激しく精液を噴出し始めるのは同時だった。
射精が終わった後も、麗子の両腕は影山の体を強く抱きしめ、
両足は腰の上で交差され、奥に入り込んだものを逃さぬような体勢を維持していた。
ピクッ、ピクッ、と、今もなお、麗子の体は断続的に小さく痙攣をしている。
先ほどまで息を詰めていたために、荒い呼吸を繰り返し、その乳房は大きく上下を繰り返す。
麗子が落ち着いた状態になってから、影山は体を離す。
その瞬間、「あっ」と思わず麗子は声を出してしまう。
しかし、そのなまめかしい声が、相手の男にどんな感情を呼び起こしているかについては、
彼女のあずかり知らぬことではあった。
避妊具の始末を終えた影山は、すぐにベッドに戻ってきて、麗子に口づける。
当然のように冷たい水が唇越しに注ぎ込まれ、ゴクゴクと音が立てられ、麗子はそれを飲み干す。
そして、用意された腕枕の中、麗子は小さな子猫のように丸まって、影山の胸の中に安住の地を見つける。
そう、いつもと同じように。
- 47 :
-
-- epilogue ---
「……というわけなんですよ。お分かりいただけましたか?」
つかの間のまどろみから目覚めた麗子に、噛んで含めるような影山の謎解きは行われた。
結局、密室トリックはほんとに子供だましのようなものだった。
それ以外の点でも影山の推理には一分の隙もなかった。
実際の事件もほぼその通りに行われたに違いなく、
重要参考人として拘留したあと、あとは証拠を集めるだけで十分と思われた。
そう、明日から国立署刑事宝生麗子としての仕事が始まる。
しかし今は……
「あともう少し、このままでもよろしいでしょうか」
彼女の思いを先取りするかのように、目の前の男が控えめな表現で聞いてきた。
麗子は無言のまま影山の胸に顔をうずめ、その体にしがみつくだけでよかった。
そのとき、麗子のスマートフォンのアラームが鳴り出した。
自分を抱きしめ髪を撫でていた影山の腕をどかし、
起き上がった麗子はアラームを止めることなく枕元のリモコンを操作し始めた。
「どうなさったのですか?」
「ごめん、こういう場面で非常識だとは思うんだけど、この番組だけは見ることにしているの。許して」
その番組、ワールドビジネスネットワークは経済関連ニュース専門の衛星放送番組だった。
子供の頃から見ていたために、麗子にとってはなんの抵抗もなく、
逆に民間のニュース番組などで残虐な事件を事細かに報道されたりするほうが嫌いだった。
手持ち無沙汰となった影山はベッドを出てバスルームに向かう。
何も着ずにこちらに背を向けた男の体は惚れ惚れするほど引き締まっていて、
麗子はそのギリシャ彫刻にも似た美しさに、瞬時見とれてしまう。
『次に、先週、シカゴセントラル銀行を手中に収めウォール街を驚かせた、あの会社の最新情報です』
ドア越しにシャワーの音がする中、女性キャスターによるニュースが始まっていた。
麗子はその会社の名前に記憶があった。確かこの3年で6社ほどの買収をしてきた会社だったはず。
CEOは若く、大学在学中にIT業界で巨万の富を得て、そのままビッグマネービジネスへ移り、
そこでも成功をおさめている。
年齢は35歳。そして驚くことに日本人だという噂だ。
マスコミに顔写真や詳細な経歴は一切公表されていない上に、
名前すら MR.K と呼ばれるに過ぎず、全てが謎に包まれている。
- 48 :
-
その会社の広報担当が公式会見をおこなった様子が画面に出る。同時通訳だ。
『CEOは1ヶ月前から3ヶ月間の休暇を取得中です。これは以前にもお知らせしました。
今回の記者会見は当社のCEOからビッグニュースが用意されたためのものです。
その内容は……休み明けには妻をお見せすることになるでしょう……というものです』
画面が切り替わる。老齢の黒人の顔が写る。どうやらお抱えの運転手のようだ。
『旦那は、昔好きだった女を口説きに行くんだって、えらい張り切ってたよ。
んでさ、昨日さ、電話貰って、なんかもう、すごく順調だって。そのコと。
旦那があんなはしゃいだ声を出すの、初めて聞いたね。
いやいや、秘密じゃないよ。聞かれたらしゃべってもいいって、旦那に言われてるし』
『これを見てると、なんか、とってもロマンチックな長期休暇のようですが、
今日はこれに関連してさらに刺激的なニュースが入ってきています』
ちょうどそこにバスタオルを巻きつけた影山が入ってくる。
『3時間前、このMR.Kの写真がトマソンドイター通信により配信されました。
さて、世界中が注目するその写真は……60秒後にこのチャンネルでご覧ください』
プチッ。TV画面が消える。
気づけばベッドの隣に立つ影山が、操作の終わったリモコンを枕元に置くところだった。
「なんで消しちゃうの? いいとこだったのに。どんな男か見たいでしょ? あなたも」
そう言いながらリモコンを手探りで探そうとした麗子だったが、
かがみこんだ影山が上掛けをはぐり、その乳首を唇に含んだために、
「あふっ」という吐息とともにその手の動きはリモコンを掴んだところで止まってしまう。
間髪をいれず、影山の片方の手はもう一つの乳房に、さらに余った手は太ももの奥へと。
「あ、だめ、もうだめだってば……」
首をのけぞらせ、甘いあえぎ声とともに吐き出される拒絶の言葉には、どれほどの効果もなかった。
この件に関しては、影山でなくとも答えはひとつだ。男がやるべきこと……という意味においては。
- 49 :
-
造作もなく麗子の体をうつ伏せにした影山はその手のリモコンを奪い取りながら、
背中への愛撫を始める。
それを枕元に戻そうとして影山は一瞬ためらった。
思い直したように、そっとスイッチを入れすぐさまミュートボタンを押す。
背中、尻、太ももに愛撫を繰り返しながらも、その目は画面へと向かっていた。
30秒後、再び画面が暗くなった。用の済んだリモコンはヘッドボードの上に置かれる。
絹のようにきめ細かな手触りの麗子の肌を撫でながら、影山は小さく呟いた。
「もうちょっと腕のいいカメラマンを使えばいいのに。
それもダウンタウンの一番混みいった場所で、絵柄的にもいまいちだし、
ま、いいか、二ヵ月後には」
「なんか……言った? …あ、うぅ」
再び押し寄せる快感に翻弄されている麗子の耳にも、影山の呟きがかすかに届いたようだった。
「いえ、なにも。お嬢様」
さらに全身に愛撫が続けられるうちに、麗子は質問をしたことすら忘れてしまう。
この時間、この部屋の中で。執事でもなくお嬢様でもなく。
二人は、夜の帳の先まで互いを貪り合おうとする、二匹の獣となっていた………
- The End -
- 50 :
- 以上で終了です。
なお、このタイトルは私も「先に使ったもん勝ち」だと思っていました。
本も2冊目が出たようなので、いっぺんに買いますかね。
ではまた、どこかで。
- 51 :
- >>34
GJGJGJ!
このスレに投下してくださる方が現れるなんて!
- 52 :
- GJ!
素晴らしい二人をありがとうございます
- 53 :
- GJGJGJGJ!
最終回の前に満足しちゃった気分w
- 54 :
- 最終回、ラブ展開なかったねー
ということでどなたかお願いいたします…w
- 55 :
- 最終回に明かされた恐るべき麗子の秘密が…!!!
影山「失礼ながらお嬢様、いくつになるまでサンタにプレゼントをもらってらっしゃるんですか」
麗子「あーら、麗子ちゃんは可愛いから特別よん♪
去年もシャネルの新色のバッグと化粧品一色もらっちゃったわ♪
今年は何かなー。」
影山「………。」
(…甘やかしすぎです、旦那様。)
そこまで考えて、影山はふと、ある疑問を麗子にぶつけた。
影山「失礼ながらお嬢様、その…
赤ちゃんはどこからくるのか、ご存知でいらっしゃいますか?」
麗子は、パチクリとした目で影山を見つめた。
麗子「ふっ、麗子ちゃんをバカにするんじゃないわよ…
月夜にコウノトリが運んでくるに決まってるでしょうが!!」
ズドシャッ!
影山は雪道で盛大に転んだ…。
(…旦那様……。)
- 56 :
- 麗子可愛いww
- 57 :
- サンタはともかく子作りの真実は麗子に教えるんだ影山!
- 58 :
- 影山「お嬢様、今夜はディナーのあとで大人の保健体育授業をいたしましょう。
旦那様の許可は頂いておりますので。」
- 59 :
- >>50
めっちゃ良かった!GJGJ!
初めてこのスレ来たけどいきなり良作に出会えて驚いた&嬉しいw
- 60 :
- 遅くなったけど皆に、メリー風祭☆彡
- 61 :
- 影山のディナーは?
- 62 :
- 麗子と影山で中華そば食べに行く話、ドラマでやってほしかった…
まあスレ的には、
影山のディナー…もとい夜食は麗子お嬢様ですが。
- 63 :
- 影山に喰われる麗子が見たい
- 64 :
- 陰山がエロすぎて麗子が喰われる妄想しかできない…
もっとピュアになりたい
- 65 :
- エロパロ板で何をおっしゃる
- 66 :
- 失礼ながらお嬢様、こちらはエロパロ板で御座います
ピ、ピュア…などと…
ウーケールー
で、御座います
- 67 :
- それはクリスマスも終わりの年の瀬の出来事。
宝生麗子は疲れ果てて帰宅のリムジンに迎えられていた。
「失礼ながらお嬢様、酔いつぶれていらっしゃるのですか?」
「そんなわけないでしょ…。刑事が忘年会で酔いつぶれて
誰が年の瀬の治安を守るのよ?」
「失礼いたしました、お嬢様。一応はプロの現職刑事でいらっしゃいましたね。」
「『一応』は余計だっつーの!『一応』は!」
そう、麗子は忘年会の帰りだった。
さすがに警察官の集まりで乱痴気騒ぎになるまで飲み明かすことはない。
しかし彼女の上司はハメを外すことにかけては右に出る者のいないあの風祭警部である。
カラオケで無理矢理麗子をデュエットに誘うわ、王様ゲームを始めるわ…
「…そんなこんなですっかり精神的に疲れたわ。帰ったらお風呂入ってすぐ寝るから。」
「かしこまりました、お嬢様。」
- 68 :
- 「は〜、生き返る…」
麗子は猫脚付きの白い湯船でできる限り脚を伸ばした。
慌しい日々で一番くつろげる時間である。
特に今日は風祭警部主催の王様ゲームで寒空の下、コンビニにつまみの買出しに行かされたせいで
すっかり冷えてしまった。
「あんのパワハラ上司…」
『じゃあ次は…4番の人が王様のほっぺにチュ〜だ!』
散々理不尽な命令が下されたが、こればかりは4番が当たらないよう麗子は真剣に神に祈った。
麗子の祈りが通じたのか、4番は風祭シスターズの片方の婦警に当たり、キャーキャー言いながら風祭警部にキスをした。
もう片方が割り箸を噛みながらギリギリ悔しがっていた。
「割り箸になんか細工してあったのかしら…?」
実は風祭警部は一切トリックを仕掛けておらず、すべてが彼のミラクルだったことは
麗子の知る由もないことである。
- 69 :
- 「部屋の暖房はこれくらいでよろしいでしょうか、お嬢様。」
「けっこうよ影山…、ありがと。」
暖かいベッドルームでくつろいで、後は髪をとかして寝るだけ…なのだが。
「ねえ影山…お嬢様ゲームって知ってる?」
「…お嬢様ゲーム?」
麗子はいたずらっぽく微笑んだ。
「王様の言うことを何でもきくのが王様ゲーム。お嬢様の言うことをなんでもきくのがお嬢様ゲームよ。」
「…なるほど。」
「そんなわけで命令その1、執事はお嬢様の髪をとかしてドライヤーを当てる。」
「…失礼ながらお嬢様、それではただのものぐさ…」
「いーから黙って命令をきく!それで私の気が晴れるんだからっ!」
やれやれ、という顔で、影山は櫛とドライヤーをとる。
「…かしこまりました、お嬢様。」
- 70 :
- 「影山、もっと右…」
「こちらでございますか、お嬢様。」
「あ、そこ、気持ちイイ…♪」
髪を乾かしたあと、お嬢様ゲームの次の命令は麗子の肩を揉むことだった。
「ふふふ、次は腰でも揉んでもらおうかしら。」
「いけませんお嬢様、アルコールを多量摂取した後に過度にマッサージを行うと、
血行が良くなりすぎて危険でございます。」
「ハイハイ、わかったわよ。もう寝るわ…
命令その三、執事はお嬢様のスリッパを脱がす。」
「…かしこまりました、お嬢様。」
(…続く。)
- 71 :
- ヤダこれ期待しちゃうw続きまってまーす
- 72 :
- おお、スレ立ってた!
でも意外に伸びてないんだな…
- 73 :
- 出来過ぎな組み合わせだから、逆に職人からすると難しい…のかな?
- 74 :
- >>70
わっふるわっふる
- 75 :
- 麗子って、大金持ちの適齢期のお嬢様だよね。
気が進まないまま仕方なく見合いしたら、相手に気に入られてしまう。
今は仕事第一の麗子にその気がないのはわかっていても、
影山が嫉妬して強引に迫るとかいいかも。
- 76 :
- 本人も気づいていないことだが、麗子はけっこう酔っていた。
酒量がたいしたことないと思っても、安酒をちゃんぽんにして飲むと
悪酔いする…という知識をどうも持ち合わせていなかったようだ。
跪いて麗子のスリッパを脱がせた影山に、麗子は更なる命令を下す。
「ねぇ影山…キスして」
「は?」
「…足に」
影山はさすがにちょっと顔をしかめた。
が、逡巡の後、麗子の形のよい足の甲にキスをする。
甘い桃のようなボディソープの香りがした。
「んふふ、くすぐったぁい。」
まるでクレオパトラになったかのように麗子は上機嫌だ。
…やれやれ、と影山は心の中で思う。
「お嬢様、もうゲームは終わりにして、お休みくださいませ。」
麗子は「はぁい」とふわふわの羽毛布団に潜る。
「じゃあこれが最後の命令よ。影山…添い寝してくれる?」
- 77 :
- たっぷり三十秒ほどの沈黙の後、麗子はブハッ、と吹きだした。
「なーんてね!出来もしないこと命令してもしょうがないわよね!」
「………。」
「添い寝しろなんて冗談よ〜。もう寝るから出ていっていいわ。おやすみ〜」
「お休みなさいませ、お嬢様。」
影山は踵を返し、カッカッカッ、と麗子の部屋を立ち去った。
麗子はクックック、と高級布団の中で笑いを噛みしていた。
あの影山のハトが豆鉄砲を食らったような顔ったら!
いつも毒舌を食らっている仕返しは十分に出来た。
多少後が怖いような気もするが、明日になったらすべてお酒のせいにしてしまおう…。
そう…明日になったら…。
そんなことを思いながら、麗子はほどなく眠りについた。
…三十分ほど後、麗子は影山にうかつな命令をしたことを後悔することになる。
(…続く。)
- 78 :
- >>77wktk
- 79 :
- のしり、とした感触に、麗子は違和感を覚える。
誰かがいる。自分と同じベッドに。
それも覚えのない若い男が。
その意味を眠い頭が理解した瞬間、麗子は悲鳴に近い金切り声を上げた。
「…誰よッ!!」
「…私でございます。お嬢様。」
「かっ…!!!」
影山。
よく見ると見知らぬ若い男は、見慣れない眼鏡を外した姿の影山であった。
だがいつもと違うのは眼鏡だけではない。
髪からは麗子の知らないトニック系のシャンプーの香りがし、いつものダークスーツではなく、
濃いグレーのパジャマを着ている。
一ッ風呂浴びてきて、まさに眠る前…といった感じの格好だ。
そんな見慣れない姿の影山が、まさに今自分のベッドで真横にいるではないか!
「…ご命令通り、添い寝をしに参りました。」
「…馬鹿じゃないの!?あれは冗談だって言ったでしょ!」
「…お嬢様こそ、アホでいらっしゃいますか?
王様ゲームというものは、たとえ王様であっても一度した命令は取り下げることはできないのがルール。
ならばお嬢様ゲームも、それに従うのが世の常ではないかと。」
唖然とする麗子に、ニヤリ、と影山は微笑んだ。
- 80 :
- 「しかしいくら大きいベッドでも二人で寝るとさすがに狭いですね。
お嬢様、失礼ですがもっと詰めて頂けますか。」
ち、近い近い近い!
麗子はベッドの端に寄る。
「贅沢なスプリングですね…。さすがはお嬢様のためにしつらえられた品でございます。」
影山はゆっさゆっさとペッドのスプリングを揺する。
「コラッ、あんまり揺らすなっつーの!」
「失礼いたしました。では…一晩寄り添って眠るとしましょうか。」
彼女の忠実なしもべであるはずの男は、ニッコリと笑みを浮かべる。
「うッ…。」
このドS執事が、さっき肩揉ませたり足にキスさせたこと怒ってんの?
そんな麗子の心の叫びも声になることは無かった。
今まで一度も触れ合ったことのない影山がこんなに近くにいる。
今はお互いを隔てるドレスもダークスーツも無く、くつろいだパジャマ姿で、
お互いの使うシャンプーの香りが交じり合うほど寄り添っている…
麗子は酒のせいでなく顔が熱るのを感じた。
(…続く。)
- 81 :
- よしいけそこだいいぞ影山!
- 82 :
- おおおお続き超期待!!!
- 83 :
- 心臓が苦しいくらいドキドキする。
それなのに体が震える。
麗子は影山に背を向けた。
(動揺しちゃ駄目よ、宝生麗子!影山のこと、ふざけて私のことおちょくってるだけなんだから!
男と同衾なんてわけないんだから全然!超ヨユーよ!)
「あの、お嬢様?」
影山は麗子に声をかけた。影山から見て気の毒なほど麗子は震えていたからだ。
(もうっ、寝たふりっ!むしろ寝る!)
麗子は根性で寝てしまおうと考えた。しかし先ほどと違い、眠気はいっこうに襲って来ない。
「…………。」
影山の脳裏にもしや、という考えが浮かぶ。
「お嬢様、こちらを向いてくださいませ。」
肩を掴まれ、麗子は無理やり影山のほうを向かされる。
麗子の瞳と、影山の瞳が、これまでに無いくらい近くなる。
麗子は心臓が止まりそうになった。
「お嬢様、ちょうどよい機会ですので確認させていただきたいのですがー」
「な、なにをよ?」
影山は逡巡して、その質問を柔らかに包むオブラートを探した。
…が、うまい言葉が見つからず、結局ストレートな言葉で伝えた。
「失礼ながらお嬢様…、お嬢様は処女でいらっしゃいますか」
- 84 :
- どすっ!
麗子は影山のみぞおちにパンチを叩き込んだ。
「うッ」
影山は低い呻き声を挙げる。
「…いいパンチでございます、お嬢様。」
麗子はワナワナと打ち震えていた。精神的ダメージは今までの影山のどんな暴言よりも大きかった。
「あ、あのーお嬢様…」
影山は当惑していた。いつもなら彼の暴言に麗子が激昂し、「〜〜だっつーの!」という怒りのリアクションが
返ってくる。しかし今は麗子は影山にパンチを叩き込んだ拳を握り締めるばかりで何の反応も返ってこない。
「も、申し訳ございません。いささか言葉がストレート過ぎました。
殿方と肌を合わせたことが無い、契りを交わしたことが無い、いまだ乙女のまま、
純潔、きれいな体のまま…いくらでも言いようがあったでしょうに」
「全部同じ意味でしょうが、それはっ!」
ようやく麗子は激昂した。
- 85 :
- 麗子と影山は同じ枕を使い話し出した。
「こう見えても学生時代はモテてたのよ…ホントよ?」
「誰も嘘だとも見栄っ張りだとも言ってませんよ、お嬢様」
麗子は影山の言葉に潜むささやかな棘を無視した。
「チャラついた男を相手にしなくても、すぐに素敵なBFが出来たわ」
影山は黙って話を聞く。
「何度かデートして、食事して…この人とだったら特別な夜を過ごしてもいい、って思える人も何人かいたわ」
「つまり、綿密なロストバージンの計画を立てていたわけですね、お嬢様は。」
「そうよ、それなのに…」
影山は信じられないようなものを見た。
麗子の目から、ボロボロと涙が零れ落ちたのだ。
「失礼」
グスッ、と、麗子は涙を手の甲で拭う。
「いつも、パパには内緒の外泊の計画を立てている直前に…
彼の携帯が音信不通になったり、急に『別れてくれ』って涙ながらに頼まれたり、
理由不明の転校や留学になったりするのよ!」
「…………。お嬢様、そのタイミングの良さを何か不自然に思いませんでしたか?」
「特に何も。男運がないのかしら…」
影山の脳裏に、前任の執事の唐沢の顔が思い浮かんだ。
そういえば…あの老紳士はこんなことを言っておられた…。
『影山くん、もし、麗子お嬢様に害なす悪い男が現れたら…
宝生グループの如何なる力を用いてもいい、徹底的に排除してくれたまえ。』
影山は麗子の元カレ達に何が起こったかを察した。
むろん、麗子に真実を話せば前任の老執事の命が危ないだろう…。
(…続く。)
- 86 :
- >>85
麗子…可哀相に…
よし影山いただいてしまえ!
- 87 :
- 泣き出すとか可愛すぎるなw
- 88 :
- hshs
- 89 :
- 「現れないのかしら…、ありのままの私を好きになって愛してくれる人は…」
グスッ、と麗子は涙ぐむ。
「…………。」
影山は考える。
ありのままの、お嬢様の姿。
「…ムシのいい話よねぇ。自分で望んで刑事とお嬢様の姿を使い分けてるのに。」
刑事の姿。令嬢としての姿。
「強い女になりたくて、刑事になったのに…」
強がりで気丈な姿。
「私はこんなにも…弱いわ。」
弱く儚い姿。
「…お嬢様。大きな願いを叶えるためには…それなりの対価が必要となります。
…ありのままの自分を愛してもらうには、相手にありのままの自分を見せねばなりません。
…見せてください。わたくしに、全て。」
影山の低い声が、響いた。
- 90 :
- そして影山は麗子をギュッ、と抱きしめた。
今までの影山なら、けしてしなかったことだ。
びくっ、と麗子は震えた。
「や、やめて」
抵抗の声には、まったく力が無い。
「やめません。…いえ、お嬢様のほうから欲しいと言わせて見せます。」
麗子のネグリジェの下から、影山の手が滑り込む。
すべらかな影山の指が、麗子の肌に触れる。
イヤイヤ、と駄々をこねる子供のように麗子は抵抗する。
影山は、ネグリジェのボタンを口で外した。
(…続く。)
- 91 :
- 影山えろい…ゴクリ
- 92 :
- 「ん…あぁ…、」
影山の愛撫に、胸元へのキスに、麗子は甘く喘ぐ。
感じやすいお方だ、と影山は思う。
「あぁん…」
その紅潮する顔、汗ばむ肌を見れば、もう十分濡れている…
男を受け入れる体の準備ができているのがわかる。
影山のほうも体の準備(と、避妊具の準備)はとうにできているのだが…
お嬢様の心の準備が整わなくては、意味が無い。
麗子をその気にさせるため、影山は甘い言葉をつぶやく。
「お嬢様、どうか力を抜いて…。…優しくしますよ。」
麗子は潤んだ瞳で影山をじっと見つめる。
「さあ、お嬢様。どうして欲しいですか…?」
麗子はゆらりと体を起こす。影山は抱き寄せる。
そして麗子は口を開いた。
「今すぐ私から、離れなさい」
- 93 :
- 影山は目を見開いた。
今すぐ私から、離れなさい−
それは生まれながらに高貴な者の、絶対的な命令の言葉だった。
「出て行って。今すぐこのベッドから出て行って。」
麗子は俯いて、泣いていた。
まるで、愚かな行為を後悔するように。
影山はショックを受けた頭で、麗子の命令の理由を推理する。
…やがて、一つの可能性に思い当たった。
「相手が私では、お嫌なのですね。」
影山の体から、熱が引いていく。
「まあ当然のことでしょう。お嬢様は世界でも指折りの大企業、宝生グループの
総帥の一人娘。本来ならとうにそれなりの身分の男性との縁談が決まっていても
おかしくは無い。」
影山は言葉を続けた。
「一介の執事ごときと寝て、自らの格を下げることもないでしょう。」
- 94 :
- 影山は乱れた服を直す。
「ご心配なさらずとも、お嬢様にふさわしい男性はじき旦那様が見つけてくるでしょう。
いえ、お嬢様が望めばそれこそ英国のロイヤルファミリーの仲間入りすることも、
アラブの大富豪の妻になることも可能でしょう。」
影山は意地悪くそういうと、少しだけ優しい言葉で、付け加えた。
「それだけ、お嬢様は十分魅力的でいらっしゃいます。」
この言葉だけは、本心ですよ。
影山はベッドから降り、麗子に別れの言葉を告げた。
「では、ごきげんよう。お嬢様。二度と顔を合わせることもないでしょう。
事件で困ったらご連絡を。メールかFAXでよければ無償でお助けしますので。」
影山は麗子に一礼した。
「それでは、わたくしはこれで失礼をー」
「待ちなさいよっ!」
麗子の大声が、ベッドルームに響いた。
- 95 :
- 「さっきから聞いてりゃ勝手な事ばかり言ってくれちゃって…
いつもそうやって優しいふりして、期待させておいて、突き放すのよ!?」
麗子の涙ながらの激昂に、影山はキョトン、とする。
「あんたみたいな無礼者の暴言バカ執事…好きになってしまうのが…怖かった…。」
影山はようやく麗子の本心を理解する。
好きになってしまうのが、怖い。
「でも…もう、手遅れよ。」
いつのまにか、こんなにもわたしの中で、影山は大きな存在になっていて。
「好きよ、影山。大好き。」
- 96 :
- 「…お嬢様。」
「さあ、迷惑ならここを立ち去りなさい。いい加減な気持ちでも同じ。」
影山は、困ったような、照れくさそうな顔で、答えた。
「…お嬢様、わたくし感激のあまり…どうしたらいいのかわからなくなってしまいました。」
フフ、と嬉しそうに、影山は笑う。
こんな顔もするんだ、と麗子は思った。
「こまった執事ねぇ。麗子お嬢様が命令しないと何にもできないんだから。」
麗子もフフ、と笑う。
「じゃあ命令よ、影山」
麗子は影山の顔に唇を寄せる。
「『キスして?』でございますか?」影山が尋ねる。
「いいえ」と麗子が答える。
「キスさせて」
- 97 :
- 二人はたっぷり、長いキスを楽しむ。
やがて名残惜しそうに、唇と唇が離れる。
月明かりが、二人を照らす。
麗子はいたずらっぽく、微笑む。
「それと、これは影山からのリクエストだったわね。
…すべてを見せて、って。」
麗子は先に中の下着を外し、ネグリジェをするり、と脱ぐ。
美しい麗子の裸身が、窓からの月明かりに浮かぶ。
「どう…かな?」
影山はうっとりとした顔で、麗子に見惚れる。
「…お綺麗でいらっしゃいます。」
影山は裸の麗子を守るように抱きしめ、ベッドへ押し倒した。
そして…二人は繋がった。
まるで、生まれる前から決まっていた事のように…
- 98 :
- …え、それからどうなったのかって?
…実のところ、あのロマンチックな夜のあと、散々だったのよ。
朝起きたら、二日酔いで頭ガンガンするし、太腿は筋肉痛になるし、血は出てたし…
影山がいない!と探し回って、結局外でタバコ吸ってただけだったり…
結局そんなわけで、何事も無く年が開け…
「明けましておめでとうございます、お嬢様。」
「明けましておめでとう、影山。」
元日だけど、宝生家でおせちが出ることはない。
元々あれは庶民の奥様にお正月に休んでもらうためのものだし。
お正月っぽいBJMに、いつも通りの(でもちょっぴり豪華な)朝食。
そして…いつも通りの影山。
「今年もよろしくね、影山。」
麗子は照れくさそうに影山に言った。
影山も照れくさそうに答えた。
「はい。今年も事件解決のためにこの影山を頼ってくださいませ。
なにせお嬢様はアホでいらっしゃいますから。」
「ええ、頼りにしてるわよ…
ってさらっと暴言を吐いてるんじゃないっつーの!」
麗子の激昂を影山は無視した。
「時にお嬢様、本日のご予定は?」
「あいにく、刑事に盆も正月も無くってよ。初詣も行けるかどうか…」
ピピピ、と麗子の携帯が鳴る。
『Happy New 風祭〜!!
宝生君、新年早々だが、新年会の予定を…』
ブチ、と麗子は携帯を切った。
「紅茶のおかわりをいただける?」
「かしこまりました、お嬢様。」
(…終わり。)
- 99 :
- >>98
GJ!
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