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2012年11月エロパロ495: 《半分の月》橋本紡作品でエロパロ6《リバエン?》 (603)
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《半分の月》橋本紡作品でエロパロ6《リバエン?》
- 1 :2010/11/03 〜 最終レス :2012/11/05
- 半分の月がのぼる空、リバーズ・エンド、曜日シリーズなど
橋本紡作品の総合エロパロスレのパート6です。
・とりあえず雑談、ネタ出しあり。荒らし、過度のクレクレはいのちをかけてスルーで。
・UPされた画像についてはロダ探しが面倒なら、それほど見たくなかったのだと諦めて下さい。
・ロダ探しに関する質問は自己解決の努力の後に。判らない事はまずググル先生に聞く。
・続きが見たいなら、コラ画像は下手に流出させない。原作者に迷惑がかかります。
・元作品が純愛なため陵辱は反感が強いです。陵辱物が読みたい人は陵辱スレへどうぞ。
前スレ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1252758777/
- 2 :
- 落ちてたんで立ててみました
- 3 :
- tes
- 4 :
- 書き込めた
んじゃ>>1乙です
- 5 :
- >>1おつ
蜜柑ぶつけてやんよ!
- 6 :
- >>1乙
味噌汁頭からぶっかけてやんよ!
- 7 :
- >>1乙です。
では、前スレ>>961の続きを投下します。これで完結です。
……激しい前戯を終えた後の僕と里香は、ベッドの上で生まれたままの身体を寄せ合って、しばしの間休憩していた。
身体を触れあわせていると嫌でも感じる、お互いの中でまだくすぶっている熱が、
これから行為が再開されることを暗示していた。
「ふぅ……」
時折、里香が切なげに吐く息には、満足感だけでなく、未だ欲求不満な雰囲気も感じ取れた。
「……里香、もう、だいぶ休めた?」
僕がそう聞くと、里香はこっちを見て、コクンと頷いた。
漆黒を湛えて僕を見つめる里香の双眸には、僕を求める情欲の炎が、確かに灯っていた。
そんな里香の目を見て、僕は思わずドキッとしたのと同時に、また彼女に少しだけ意地悪をしてみたくなった。
次の瞬間、僕はいきなり里香の股間を右手で触ってやった。
僕の指先が、湿って生暖かい里香の秘裂に直接触れる。
すると、グチュリ……という、淫らな水音と、里香の喘ぎ声が部屋に響き渡る。
「ふぁんっ……!」
里香の反応に対して、僕はわざと呆れたようなことを言う。
「うわ、凄いな……今日初めて触ったのに、もうこんなになってるなんて」
更に、里香の秘裂が接している部分のかけ布団に目をやると、
もうそこはすっかり、愛液で染みになってしまっていた。
もちろん、秘部自体も今までの前戯の影響で、生暖かくグッショリと濡れそぼっている。
部屋の温度が低ければ、湯気を立ち上らせそうですらあった。
「こんなに濡らしちゃったら、もういっそ、布団ごと洗濯した方がいいかもなぁ」
僕がわざと困ったような口調をして言うと、
やや冷静になった里香は、秘裂を手で守りながら、恥ずかしそうな口調で返してくる。
「……だから、あたしのことこんな風にしたの……裕一でしょ?」
そんな問いに対して、僕は真っ正面からこう言ってやった。
「あぁ、里香のことをこんな風にしたのは、俺だよ。
でも、恥ずかしいとかはしたないなんて、ほとんど思ったことないよ」
「……ほとんどってことは、少しはあるってことでしょ」
そう言った里香は、僕に対するせめての抵抗と、素っ気ない仕草でプイッと顔を背けてしまうが、
正直、そんな里香の仕草を楽しむほど、僕の方にも余裕が無くなってきていた。
- 8 :
- 「まぁ、実を言うと、俺の方ももう限界なんだけど‥‥最近、ご無沙汰だったし」
僕はそう言いながら、血管が浮き出て、ガチガチに勃起したペニスを、少し腰を浮かせて里香に見せつけながら、
「正直……赤ちゃんが大丈夫なら、今すぐしちゃいたいんだけど、
やっぱり、流石に無理かなぁ?」
……と問いかけた。
すると、里香はやや真面目な顔で少し考えた後に、
「……ホントは、この時期に入ったら、もうしない方が良いんだけど、
まぁ、赤ちゃんに負担さえかけなければ、一回くらいなら大丈夫じゃないかしら?」
一回だけなら大丈夫、という里香の答えに、僕は素直に嬉しくなった。
「そっか……、俺も一回で良いから、久しぶりに里香としてみたいな」
里香も僕と同じ気持ちだったようで、微笑みながら相づちを打ってくれた。
「うん、あたしも、裕一としたい」
一瞬、熱い視線を絡め合った僕と里香だったが、
問題は、どういう体位でするかということだった。
「すること自体は決めたけどさ……。こういう時は、どういう風にしたらいいんだろうなぁ。
赤ちゃんに負担をかけたらまずいだろうし……里香は、どうしたいの?」
里香は少しの間、大きなお腹に手を当てて考えてから、穏やかな口調で答えを返した。
「‥‥お腹に負担がかかるのはまずいから、あたしが上になりたいわ」
どうやら、里香が言っているのは、俗に言う騎乗位の形でしたいということだろう。
「なるほど、騎乗位かぁ」
「そうそう、その騎乗位っていうのが、今回は良いと思うの」
思い出してみれば、騎乗位は里香が好きな体位の一つだし、
赤ちゃんのことを考慮しても、下になる僕はともかく、上に跨る里香と彼女のお腹には、ほとんど体重はかからない。
挿入の浅い深いを、里香が自由に調整出来るのも良い。
また、僕からは里香の膨らんだお腹がよく見えるので、
赤ちゃんの存在を感じながらするのに、これ以上相応しい体位は無いだろう。
「うん。じゃあ、それでいこうか」
僕がそう言うと、里香が微笑みながら相づちを打つ。
「わかった」
僕は里香の手を取りながら、身体をベッドに横たえて、まっすぐに仰向けに寝る。
次に里香が、名残惜しそうに僕の手を離すと、大きなお腹を重そうに抱えながら、僕の下半身の辺りにいそいそと移動した。
- 9 :
- ……騎乗位に備えて仰向けになっている今の僕が、真上を見ると、薄暗い寝室の味気ない天井しか見えない。
しかし、少し首を傾けて斜め前を見ると、
長い髪と大きなお腹を微かに揺らしながら、四つんばいの体勢で僕の腰の辺りに近づく里香が見えた。
そして、里香が目指す先……つまり僕の股間には、血管や筋を浮き立たせた、堂々たる赤黒い男の証が屹立していた。
ソレは別に何も触れていないのにも関わらず、時折ビクン、ビクンと僕の心拍に合わせて震え、
張り出したエラの上にある鈴口からは、涎のように先走りを垂らしていた。
「もう……裕一は、いつもこんなにしてるんだから」
よいしょ、という感じで僕の太股の上辺りに女座りをした里香が、
半ば苦笑しながら僕のペニスを評して言った。
「仕方ないだろ。さっきから、あんなに里香のエロいところ見せられて、それでまだ一回も出してないんだから」
ズッ……と来る感じの、里香と赤ちゃんの重みと温もりを下半身に引き受けながら、僕は正直な気分を話す。
「里香だって……、もうあんまり我慢出来ないんだろ?」
僕は、挿入前に一時休憩という状態に入っていた里香の、期待を隠しきれない顔を見ながら言ってやった。
「うっ……それは、そうだけど……」
前戯での自分の痴態を思い出しているのか、里香にしてはやや珍しく、自分の性的な欲求を肯定した。
そんな里香の様子が可愛くて、僕は彼女に先を促した。
「ならさ、早くしちゃおうよ。この体位は、里香が挿れてくなきゃ始まらないし、
あんまり長引いたら、赤ちゃんにも悪いと思うんだけどなぁ」
僕が意地悪げにそう言うと、里香はもう何も言わずに、今まで下ろしていた腰を上げ始めた。
里香の秘部が、僕のペニスの亀頭に微かにクチュッと触れる。
次に里香は、目を瞑りながらも、右手で自分の秘裂と僕のペニスを触りながら、
位置を微調整していって、亀頭と秘裂が触れるかどうかという辺りで、一時動きをやめる。
「んっ……こ、ここね‥‥?」
身重な里香の身体では、和式便所を使う時のような、足を大きく広げてしゃがむ姿勢を長い時間維持することは出来ない。
「里香……」
僕がそう言うと、里香は意を決して慎重に、
しかし妊娠していて体重が増している分、勢いよく腰を下ろさざるをえなった。
ズ、ズチュゥゥッ……という、やや重い感じで、里香の秘裂が僕のペニスをまっすぐに飲み込んでいく。
そして、僕のペニスが里香の温もりと重みにすっかり包まれたのと同時に、
里香はブルブルブルっと、快感のあまり背筋を震わせた。
「んあっ……ああんっ! ゆういちの、おっ、おち○ちん……!」
里香は僕の下腹部に両手を付いて姿勢を安定させてはいたが、自分をまっすぐに貫く肉棒に、早くも喘がされていた。
「ははっ、久しぶりだから、感じてるのか……? んっ……!」
僕は里香の乱れぶりを喜びながらも、赤ちゃんのいるお腹への挿入が深くなりすぎるとまずいので、
結合している角度をやや斜め後ろにずらした後で、少し力を入れて突き上げた。
「やだあっ……身体が勝手に、ビクビクしちゃう……反応しちゃうっ……!」
里香は、自分が予想以上に快感を感じていることに戸惑っているようだった。
彼女の膣内も、何ヶ月か前にしたよりも、激しくうねって僕を歓迎している。
里香と僕が動く度に、里香の乳首が勃起した乳房や、大きなお腹が微かに揺れた。
「まったく、こんなエッチなお母さんじゃあ、ホントに赤ちゃんも呆れるよ」
右手で大きいお腹を撫でながら僕が言ったことに、里香は涙目で恥ずかしがりながら答えた。
「やぁん……!そんなこと、言わないでぇ……恥ずかしいよおっ」
大きなお腹を気遣い、恥ずかしがりながらも、しかし里香は腰を微妙に上下させることをやめなかった。
僕も里香の腰の動きに合わせて突き上げながら、言葉で彼女を愛撫し続けた。
「赤ちゃんは女の子なのにっ、お母さんに似て淫乱に育ったら困るなぁっ……! っ!」
「ふああんっ……!!」
短い嬌声と共に、僕に跨って腰を振るアンバランスに膨れた肢体がまたも震えたかと思うと、
こちらにも言いたいことがあるという調子で、里香の反論が始まった。
「バカッ……! あたしをこんな風にした、裕一だって悪いのよ……っ!あんっ‥‥!」
彼女は騎乗位で喘ぎながらも、何か真面目なことを僕に伝えようとしているらしい。
そして、次に彼女の口から紡がれた言葉が、僕を心底ドキッとさせた。
- 10 :
- 「……だってあたしは‥‥身体もっ、心もっ、全部、ゆういちのモノにされちゃったんだから……っ!」
(いのちをかけてきみのものになる、か……)
僕の子をその腹に宿し、目の前で乱れまくる里香を見ていると、何故かふと、始めて出会った頃の彼女の姿が脳裏に浮かんできた。
……あの頃の、かつて生意気で天の邪鬼だった病弱な女の子は、気がつけば僕の妻であり、更には一児の母になろうとしているのだ。
昔の里香は、か細い身体で生との淵を幾度となく彷徨い、生きたいと願っては目に涙を浮かべていた。
今の里香は、胎内に新しい命を宿し、様々な体液をまき散らしながら、愛し合うことの快感に悦び震えている。
どちらの里香がより生き生きしているかと言えば、もちろん後者だろう。
そして、里香にこんなにも大きな変貌をもたらしたのが自分であるということを改めて自覚した僕は、
これからも全身全霊で、里香と、そして僕と里香の赤ちゃんを愛して守っていこうと心に決めたのだった。
- 11 :
- ……僕は、また少し結合部の位置を調整することにした。
とは言っても今度は、挿入を浅くする為ではなく、深くする為にだ。
赤ちゃんの安全を考えると避けるべきなのだろうが、僕としてはそうしてでも里香への愛を伝えたかったのだ。
「里香、ちょっと手貸して」
「えっ……きゃっ!」
僕は里香の右手を左手で取ってギュッと握るのと同時に、彼女の背中を両足で少し押しつつ腰を浮き上がらせる。
すると、身体が下に向かってずれた里香が、僕の上にまっすぐに跨るようになった。
正中線の入った里香の丸いお腹が、僕の目の前に強調されている今の状態は、ある意味非常に扇情的だった。
また、まっすぐ跨ることで里香の体重がかかり、挿入もズズッと深くなってしまい、僕の快感は増し、里香は更に喘ぐことになる。
「うああっ……! ゆういち、これちょっと深……やああん!?」
里香が急に激しい嬌声を上げたのは、僕が右手を伸ばして、いきなり彼女の左乳房を揉みしだいたからだ。
乳房の下の方をグニグニグニグニと揉んでやると、ジュッ……と母乳が勃起した乳首から漏れてきて、里香の身体を白く汚す。
「あー、やっぱり溜まってたんだなぁ」
僕は他人事のように言いながら、更に里香の乳房をグニグニと揉みしだくと、
今度はもう少し勢いよく、ピュッと母乳が滲みだしてきた。
すると、今は直接愛撫されていないはずの、里香の右乳房の乳首からも、じんわりと母乳が垂れてきた。
同時に腰を激しく突き上げられたことで、里香ははしたなく舌を突き出して喘ぐしかなかった。
「はひっ!ひぃ……!やだ、またおっぱい出てるよぉ……」
里香は僕の左手を、断続的に力を入れて握りかえしてきた。
「うはは、これだけおっぱいが出るなら、いつ赤ちゃんが生まれても安心だなぁ」
僕がわざと明るく言うと、里香は恥ずかしさでんでしまいそうな顔で言い返す。
「ばかぁっ、あたしのむねで、遊ばないでよおっ…………ふあっ!?」
里香が急に妙な感じで喘いだので、僕は気になって聞き返した。
「ん、どうした? 大丈夫?」
すると、里香からの答えはさほど異常なものではなかった。
「ううっ……お父さんが変なこと言ってるから、赤ちゃん動いちゃったみたい……。
もう……気付かなかったの?」
里香はお腹を気遣うように撫でながら、僕に問いかけた。
「あぁ。……挿れてると、案外鈍感になるみたいでさ」
僕は腰を動かすのを一時やめて、肉襞の中のペニスに意識を集中した。
すると、里香の奥の方に赤ちゃんの温もりや動きをなんとなく感じられるような気がした。
が、もちろん、母体である里香ほどに敏感に感じることなどは出来ない。
やはり、軽率な行動は避けるべきだったのだろうか。
- 12 :
- 「赤ちゃん、びっくりしちゃったのかなぁ……」
僕が少し反省しながらそう言うと、里香はやや意地悪い表情をしながら返してきた。
「ふふ……案外、お父さんに下から突かれるのに合わせて、
トランポリンみたいにお腹の中で跳ねて遊んでるのかも知れないわね」
想像力豊かな里香の解釈に、僕はなんとも言えない気持ちで笑うしかなかった。
「そういうこと考えると、あんまり集中出来なくなりそうだなぁ」
すると、里香は淫靡に微笑みながら、その双眸の中の劣情を再び大きく燃え上がらせた。
「……じゃ、そろそろ……終わりにしましょうか? ……ふぅん‥‥!」
そう言うと、里香は両手を僕の股間辺りに付け、両足に力を込めて、一生懸命に腰をズンズンと上下させ始めた。
「ハッ……ハァッ……!!」
その途端に、僕のペニスが里香の肉襞に激しく扱き上げられる。
「うあっ……! くぅっ……よし、俺だって……!」
里香に負けじと、僕は下腹部に力を込めつつ、左右に開かれている里香の太股を両手で掴み、
思い切り里香の中を上へとズンッと突き上げた。
すると、亀頭が何か、軟らかい壁のようなモノにぶつかって、クニュッと少し潰れたような気がした。
(ん、これはもしかして……)
僕の予想は、里香の言葉によって裏付けられた。
「ぁああんっ……!! 赤ちゃんの部屋に、ゆいちのおち○ちん当たってる……!」
里香ははしたなく舌を突き出しながら、深く挿入された僕のペニスが、
赤ちゃんがいる子宮の入り口をコツンと小突いたことを実況する。
更に里香と僕の上下運動は同調して、二人の快感を一気に高めていく。
「おち○ちんの先っぽ、しきゅうこうコツンコツンってノックしてる……!
中に赤ちゃんいるのに……!あらひ、おかあさんらのにぃ……!」
里香は淫語を使いながら、自分で自分を確実に昂ぶらせていく。
「おかあさんになるのに、あらひっ……ゆいちのチ○ポ、きもひよくて……!ふわあっ!」
同時に、僕を強く締め付け、激しく射精を促してきた。
「ゆういひ……あらひ!もうらめっ、おかひくなるぅっ……!!
イクッ!イっちゃうよおぉっ……!イカなきゃ、ほんとにおかひくなるよおっ……」
里香は快感のあまり泣き叫びながら、身重の身体を必に上下させ、絶頂へと駆け上がってゆく。
「俺もっ、すぐイキそうだから……だから里香、我慢しないで……!」
僕はそう言いつつ、自分の下腹部に溜まりに溜まった熱が、高みへと放出されることを強く望んでいるのを感じていた。
「ふああっ!ひあああんっ……!!」
里香はと言うと、絶頂の予兆に背筋を震わせながら、僕のペニスを猛烈に責め立てる。
流石にお互いの限界が近いと感じた僕は、里香の奥を最上まで貫きながら、卑猥な言葉を発してやった。
「ほらっ……! もうすぐっ、里香が大好きな俺の濃厚ザーメン、久しぶりにたくさん中出してやるからな……!?
赤ちゃんびっくりするくらいにっ、一番深いところでっ、ドピュドピュ射精するからなっ!」
「ふあああっ、ゆういひぃ……らいすきいぃぃ……!!」
- 13 :
- ――もはや快感に理性をほとんど塗りつぶされ、涎と淫らな言動をまき散らす僕と里香は、
それでもお互いへの愛は保ったまま、ついにこれ以上ない高みへと達した。
「うおっ、だ、出すぞ……! りかぁっ〜〜…‥‥!!」
僕は射精感がピークに達するのと同時に、臍の下辺りに強く力を込めた。
すると、ドビュドビュドビュッ……!というかなりの勢いで、
灼熱の白濁した奔流が解き放たれ、腰から頭を麻痺させるような激しい快感が起こるのと共に、肉棒がドクンドクンと脈打つ。
そして、解き放たれた精液が、騎乗位で繋がる里香の奥へとぶちまけられるのとほぼ同時に、
あるいは前後して、里香も高みへと達したようだ。
「ひゃああぁぅっ!? ……ああっぁあああっ! んあああああぁぁぁッッ〜〜………!!」
その時、里香は両目を瞑り、背筋を弓なりに反らして、大きなお腹ごと身体を激しくブルブルと震わせながら、心の底から悦楽の叫び声を上げた。
「ああああんっ!! んんっ、んん゛―ッ……! ふううッんうう゛―ッ…………!!」
僕の下腹部に置かれた里香の両手は、痛いくらいに力を込めて僕と里香自身を押さえつける。
それに呼応するかのように、里香の膣は僕を痛いくらいに気持ちよく締め上げてきた。
里香の膣は、まるで最後の一滴たりとも子種は逃さないという風に、断続的にきゅんきゅんと収縮してくる。
もちろん、その動きから僕が逃れられるハズもなく、文字通り精も根も尽き果てるくらい、里香の中に精を放つことになってしまった。
「くぅっ、はぁっ……!」
「ふああっ、あああんっ……!うあっ……」
僕と里香は、快感のあまり二人揃って腰が抜けたこともあって、しばらくは繋がったままの姿勢でいた。
その間の僕と里香は、余韻というにはあまりに大きい快感のさざ波に、不規則的に喘がされ、揺られ続けた。
結局このセックスは、僕と里香が事後に、互いのことを相変わらずだなぁと皮肉る気も起きないくらいに激しく、
そして充実したものになったのだった―――。
- 14 :
- ―――事が終わった後、裸のままの僕はベッドの上で、里香のお腹に触りながら仰向けになり、ゆっくりと事後を愉しんでいる。
里香も生まれた姿のまま、大きなお腹を優しく撫でながら、落ち着いた感じの心地良い余韻に浸っていた。
なお、汗や精液や愛液や、あるいは母乳等の体液は、
そのままにしておくのもどうかと思ったので、僕がティッシュであらかた拭き取っておいた。
が、それでも不十分なのは明らかなので、後でシーツの掛け替えや、布団カバーの洗濯が必要なのは言うまでもないが……。
里香のお産が近くて忙しい時に、余計な仕事が増えてしまったなという感じはしたが、
さきほどの素晴らしいセックスの引き替えだと思えば、我慢出来るものではあった。
- 15 :
- 「……なぁ、里香」
里香のお腹を抱いて、少し湿った感じのするベッドの上で寝ていた僕は、
前々から自分が気にしていたことを、里香に問いかけることにした。
直に触れている里香のお腹の温もりが、僕にそうさせたのかも知れない。
「……ん? なに?」
里香は、少し気だるそうな、穏やかな口調で僕に反応した。
「こんなこと、今更言っちゃいけないかも知れないけど」
あれだけ里香との愛を確かめあった後だからこそ、
僕は里香に次の問いを投げかけることが出来た。
「……俺は、良いお父さんに……なれるかな?」
僕の問いに、里香は少し間を持った上で、頬を綻ばせて丁寧に言葉を選んで答えてくれた。
「……そうね、少なくとも、裕一は旦那さんとしては良い部類に入るとは思うし、
あたしだって正直、良い母親になれる自信なんて無いわ。
だから、そんなに気にしなくてもいいんじゃないかしら?」
里香の純粋な思いやりに溢れた言葉に、僕も頬を綻ばせたが、
「里香にそう言われると、助かるけどさ……」
自分の生い立ちに、良くも悪くも影響を与えた、父親の不在という問題は、
自分が父親になる際に、どんな影響を及ぼすのか、なんとも言えず不安だった。
「……ほら、たまに話してる通り、俺は親父があんなんだったから、良いお手本が無いっていうか、
自分がどんな父親になったらいいのか、あんまり想像できなくてさ‥‥」
僕は、口調が暗くなりすぎないようにしながら、もう少し言葉を紡ぎ続けた。
「いやもちろん、あんな父親になるつもりはないよ。ただ、やっぱり不安なんだ」
つまり、このことは、僕と似たような境遇を抱えていて、これから一緒に子育てをしていく里香に対しては、
ちゃんと意見を求めておくべきことなのだ。
- 16 :
- ……すると、里香は僕の問いに対して、案外早く口を開いてくれた。
「……あたしもね、裕一と同じように、パパが早くにんじゃったから、裕一のその気持ちはわかるわ、でもね……」
里香はそこで一回息継ぎの為に言葉を切ると、小さな口で一気に話し続けた。
「親はね、子供が出来たら親になるんじゃなくて、
子供から色んなことを学んで、少しずつ親になっていくって、ママに聞いたことあるし、何かの本でも読んだことがあるわ。
……だから、あたしも裕一も、色んなことちゃんと勉強して、良い親になりましょ? そしたらきっと、大丈夫よ」
そう穏やかに言い切った里香の顔には、もはやかつての病弱な娘の面影はなく、母親らしい優しさと逞しさがあった。
里香の様子にハッとした僕は、次の瞬間に様々なモノが胸に去来して、思わず泣きそうになっていた。
「そうか……父親のいない俺でも、お父さんになれるんだな」
自分の口でそう言ってみて……僕は改めて、里香と結ばれて、そして子を作ることが出来て、本当に良かったと感じた。
「里香はホントに、色々知ってるよなぁ……。はぁ、赤ちゃんに本の読み聞かせとかしてあげるのは、里香に任せるよ」
里香という女性の偉大さが再び理解出来た反動か、僕は急によくわからない話題で、雰囲気を変えることをしてしまった。
「あら……お父さんが娘に甘えてもらえるのは、小さい頃だけなのに、そんなことでいいの?
それに、時代とか世間は関係なく、お父さんも多少は子育てに参加しなきゃダメだよ」
整った眉毛をやや釣り上げて、なんだか所帯じみているようなことを言う里香に、僕は思わず苦笑してしまった。
「ははは……あんまり、そういうことまで考えたくないなぁ……」
すると、里香のお腹に当てている僕の右手に、何かの振動が伝わってきた。
「あっ、また動いてる……!」
どうやら、里香の言う通り、大きなお腹の中にいる赤ちゃんがまたも動いたらしい。
「しっかし、元気なもんだなぁ、この赤ちゃんはさ‥‥」
僕が里香のお腹を撫でながら言った素直な感想に、里香も嬉しそうにお腹を撫でながら相づちを打つ。
「うん。多分、あたしたちの会話に加わりたいんじゃないかしら」
「だね。少なくとも、何か話してることだけはわかるだろうし」
僕の言葉に対して、里香はふんわりと、しかし微かに淫靡さを漂わせて笑いながらこう言う。
「ふふ、あたしたち、あんまり胎教はしなかったけど……あたしたちの仲の良さは、もう嫌という程赤ちゃんに伝わってるでしょうね」
「はは……ちょっと、恥ずかしいけどな」
僕が気恥ずかしくなって後頭部を掻いたのを見て、また笑った里香は、
次にとても柔らかく微笑みながら、お腹を愛おしそうに撫でて―――
「早く生まれておいで……世界にはね、辛いこともたくさんあるけど、楽しいことも、いっぱいあるんだよ」
と、既に赤ちゃんが生まれていて目の前にいるかのように、
ゆっくりとお腹の中の赤ちゃんに向かって話しかけた。
「……里香」
たった今里香が言ったような言葉を、説得力を伴って言う資格があるのは、
やはり里香のような人間しかいないだろうと考えると、僕は再び目頭が熱くなってきた。
そのことが里香に気付かれていないのは、ある意味幸運だった。
(あぁ、流石にそろそろ、赤ちゃんの名前決めなきゃなぁ……)
僕はそう思いながら、赤ちゃんが宿る満月のようなお腹を撫でていた右手を使って、自分の涙を拭うのだった。
次に僕が涙を流す時は、赤ちゃんが無事に産まれてくる時にしてくれと、心から願いながら……。
終わり
- 17 :
- 以上です。結構長くなってしまいましたね。
後、最後の一行は、
次に僕が涙を流す時は、赤ちゃんが無事に産まれてくる時であって欲しいと、心から願いながら……。
の方が適切なような気がします。もっと落ち着いて推敲すればよかったですね。
それでは、楽しんでいただければ光栄です。
- 18 :
- 大作乙からさまです。
母乳プレイも期待通りでしたしボテ腹里香ちゃん十分ハアハアできました。
http://eroe.tank.jp/html/up/src/1465.jpg
- 19 :
- 大作超乙!
GJ!
- 20 :
- 里香のポテ腹をスパンキング
- 21 :
- おつ!
前スレ落ちてよめないんだけど、まとめとかないかな?
- 22 :
- >>21
半分の月がのぼる空 SS保管庫
ttp://hmhokan.g.ribbon.to/index.html
- 23 :
- ありがと!
- 24 :
- 保守
- 25 :
- 保守
- 26 :
- 職人さんも流石にハイペース投下を続けるのは無理なのかなぁ……
絵かSSのどっちかだけでも、月イチペースで投下があればなぁ
まぁ、愚痴言っても仕方ないので、スレを持たせる為に小ネタでも投下します
- 27 :
- 今まで投下されたSSや絵で、裕一によって開発された(であろう)里香の身体の部位一覧
髪 日本人形のように長くて黒くて綺麗な髪の毛だけど、裕一の精液をぶっかけられて白く汚されたことがあるに違いない。
お風呂に入った時に洗ってあげると喜ぶとか。
顔 髪と同じく、何度も精液をぶっかけられたであろう部位。顔射すると里香は怒るだろう。
首筋 前戯の時に、裕一にキスされまくってるに違いない。
うなじ 全盛期の裕一なら、髪の毛から見え隠れする里香のうなじだけで抜ける魅力を秘めている。
- 28 :
- 肩 浮き出る鎖骨がチャームポイントです。
胸 確かにサイズは大きくないが、高校一の貧乳というのは、
明らかに噂に尾ひれがついた結果生まれた悪評だと思われる。
絵師さんお気に入りの部位である。
原作ではとてもガードの堅い部位でもある。生足は見せてくれたのに……。
手術痕 里香の胸の谷間(小さいけど谷間)にあると思われる、心臓手術の痕。
最近の外科医療は昔に比べて進歩してるので、そんなに目立たないだろう。
里香にとっては裕一との絆の証であり、裕一に舐められると感じてしまうとか。
- 29 :
- 子宮 画集に収録されていた短編小説で、めでたく使用済みになったことが確認された。おめでとうございます!
エロパロスレではその事実に準じた描写がなされることがある。
女の子の大事な部分 原作ではとてもガードは堅かった部位だが、エロパロスレでは言うまでもなく……。
恥毛の色や質は髪の毛に近いとか。
お尻 元が痩せていたので、無駄な贅肉が付いていないぞ。入院生活の影響で、筋肉もついてなさそう。
手 里香は入院中、手を使う労働をほとんどせずに、ベッドの上で読書ばかりの生活を送っていたと思われるので、
きっと彼女の手はとても白くて綺麗だろう。
退院後は日常生活をするようになったので、多少たくましくなったのではないだろうか。
エロパロスレでは、裕一のグロテスクなアレを一生懸命奉仕するのに用いられることが多い。
- 30 :
- ふともも やはり入院生活の影響で、ほっそりしていそうな部位。
原作では、退院後までほとんど露出しなかった。
足 ほっそりスラっとしていて、裕一は見ているだけでドキドキしてしまうぞ。
入院時は真っ白だったが、退院後は徐々に日焼けしていったものと思われる。
- 31 :
- 以上
自分でも何がしたかったのかよくわからん……
子供向けの怪獣の図鑑に書いてある説明文みたいになってしまったorz
あと、誰か里香の身長について描写してある原作の部分がわかったら教えてください。
確か、お母さんと比べてるシーンがあったような気がするんですが……
- 32 :
- 里香はロリ体系ではないと思うけど裕一と学校の階段2段差分ぐらいの差があるから結構低目かな
- 33 :
- なんとなく二人でしし座流星群を見に行ってイチャイチャという状況だけ浮かんだが、
SSに落とす根性がないのであった。
「ねぇ、裕一は何をお願いしたの?」
「なんでもいいじゃないか。里香こそ何をお願いしたんだよ」
「へへっ、秘密だよ」
心の中では二人仲良く『ずっと一緒にいれますように…』
- 34 :
- >>33
砲台山の本当の頂上(二人の秘密の場所)でそれやりそうw
そんで、その後は周りに誰もいないのを確認して青姦ですね
- 35 :
- 露天風呂貸しきって夜空を眺めながらイチャイチャえっちとか
ラブらぶな会話が思いつかない
- 36 :
- >>35
二人で泊まることになっていた温泉宿で、
前もって露天風呂の貸し切りまで予約していた裕一に向かって里香が、
「……もしかして、これを一番楽しみにしてたんじゃないの?」とか、
ちょっと訝しげに、でも少し嬉しそうにツッコミを入れたりするんだな。
- 37 :
- どう考えてもそれが一番楽しみだろう。
男前な裕一だったら「里香の笑顔が一番の楽しみだよ」と言うかもしれんが。
- 38 :
- 「里香の笑顔が一番の楽しみだよ」
「……うそつき」
「ほんとだって!」
「じゃあお風呂、一人で入る?(バスタオルを胸に巻いてる)」
「ごめんなさい。一番の楽しみは里香様にお風呂をご一緒して頂くことです」
「なんで土下座するの?プライドがないの?!」
「男にはプライドよりも何かを優先しなきゃならない時があるんだよ!」
- 39 :
- >>38
裕一も里香も可愛いな
- 40 :
- そりゃプライドよりも里香を優先すべきだろう。
問題無し。
- 41 :
- もうすぐクリスマス。その後は正月かぁ。
ネタが思いつかん…。
- 42 :
- クリスマスといえばホワイトだから、全身真っ白になるまでブッカケとか
- 43 :
- 保守
正式に結婚した裕一と里香が、ささやかな新婚旅行ということで、
近場の小さい温泉旅館へ一泊二日しに行く話が読みたい
そんで、親とか客(シーズンオフで旅館がガラガラ)とか周りの目が無いのと、
ちゃんと結ばれたっていう嬉しさで、
普段よりもバカップル丸出しでイチャイチャエッチしまくる二人が見たい
温泉上がりの浴衣の里香と一晩中エッチみたいな感じで
- 44 :
- 来年も里香とたくさんイチャつけますように
http://eroe.tank.jp/html/up/src/1518.jpg
- 45 :
- >>44
乙
来年の干支にちなんでますね
戸惑い気味の表情とは裏腹に身体がエロすぎですw
- 46 :
- できれば妊婦バージョンもお願いいたします
12支全部のコスもいいなもね
- 47 :
- >>44
里香がどうしてこういう服装にw
この後やらしいことする妄想しか出来ません
- 48 :
- 半裸ぶっかけ希望です
- 49 :
- あけましておめでとう!
早速なんだが晴れ着の里香とエッチしたい
- 50 :
- 保守
- 51 :
- 誰もいねぇ・・・保守
- 52 :
- きっとみんな里香とイチャつくのに忙しいんだよ
- 53 :
- 少なくとも巫女姿を妄想するので忙しいな。
そういえば初詣にまだ行ってないや…。
- 54 :
- 初詣で思い出したが、里香と裕一の姫始めはどんな感じだろう
それこそ初詣に行った後にしてそうだが
- 55 :
- 初めて半月の官能小説よんだけど
これはすごかったw
- 56 :
- >>55
これってなんのこと?
- 57 :
- ここのSSのことか
- 58 :
- 保守、もう誰もいないのか・・・
本スレが最近妙だからこっちには頑張ってもらいたいもんだ
- 59 :
- 仲良くツイッターをやる里香と裕一というのを思いついたが、話を膨らませられん。
二人でパソコンに向かいイチャイチャくらいな感じ。
- 60 :
- 本スレは作者のツイッター
エロパロスレは凌辱荒らしがいないとスレが伸びないからな
- 61 :
- 呼んだ?
- 62 :
- そういえば今日バレンタインだったなあ(チラッ
- 63 :
- 里香ぁ、チョコくれ〜
義理でもいいから
- 64 :
- 呼んだ?
- 65 :
- みんなで里香を犯そうぜ
|
|
|
J ←釣り針
- 66 :
- 純愛作品なんてほかのサイトにあるんだし
いっそこのスレは凌辱専門スレにしてもいいんじゃない?
本当に需要がないなら潰れるだけだし、純愛専門のままいても保守ばかりだろ。
- 67 :
- 上に釣り針が垂れてる後だというのに見え見えの釣り針乙
こんな過疎スレいよく今更ノコノコ戻ってこれたなw
- 68 :
- 大体過疎に純愛も陵辱も関係ねぇよアホが、陵辱キチにはその程度のことも分からないという好例だな
- 69 :
- すみません。遅くなりましたが、今書いてるSSの冒頭部分が出来たので投下します。
咳をしてもふたり
……どうやら、風邪をひいてしまったらしい。
窓から差し込む日光が、外出するにはピッタリの快晴だと教えてくれているのが恨めしくなる。
実は、昨晩からどうも調子が悪いとは感じていて、
(どうか、これ以上体調が悪化しませんように……!
アマテラスオオミカミ様!トヨウケノオオミカミ様!どうかご加護を……!)
と、里香から以前その名前を教えてもらった、
普段願いもしないお伊勢の神様達に祈りを捧げながら床に就いたのだが……。
喉の痛みのせいで早く起きたところ、案の定これだ。
(まったく、ツイてないなぁ……)
そりゃもう見事に頭が痛いし、鼻水が出るし、喉が痛いし、顔が熱いし、これは完璧に風邪だ。
くしゃみがあまり出ないのが、せめてもの救いという奴だろうか。
発熱からくる悪寒を感じながら、他にすることも無く自分の部屋のベッドの中で寝ていた僕は、
脇の下に挟んだ体温計が鳴るのを待ちつつ、つくづく残念だと思った。
……何故つくづく残念なのかというと、今日は三連休が始めの金曜日で、
本当なら里香と一緒に電車に乗って、街へデートに行く予定があったからだ!
里香とのデートッ!! それを棒に振ってしまうとは、僕にとって計り知れないショックッ!
(あぁっ、この日の為にせっかく色々と下調べしたのに、
体調管理が出来ないせいで全部無駄になっちゃうのかぁああぁぁ〜〜〜…………!!)
身を切るような無念さは、ある意味風邪の症状よりも辛い。
- 70 :
- ……そういえば、1年近く前にも、進級がかかった追試の当日に四十度近い高熱を出してダウンして、
テストを受けることすら出来ずに留年が決定してしまったことがあったっけ……。
というか、そのせいで僕は、本来なら高3のところ、未だに高2なのだ。
(まぁ、おかげで里香と同じ高校にいられる時間が延びたのは、正直嬉しかったけどさ)
そんなことを考えていると、先ほどから左脇に挟んでいたクリーム色の体温計が、
ピピピッ、ピピピッとやや籠もった音で鳴るのを聞いた。
(どれどれ、どんな感じかなっ……と)
僕は毛布を肩までかけたまま、
自分のパジャマの中に右手を突っ込んで、左脇の中をまさぐって体温計を取り出す。
少なくとも平熱でないことだけは確かだったが、
出来れば37度台であれば良いという気持ちで、体温計の液晶画面を目の前に持ってきて見る。
- 71 :
- [38.5℃]
やれやれ、四捨五入したら39度じゃないか。
立派に熱が出てしまっている。
……ふと垂れてきた鼻水をすすると、なぜか今度は涙が出てきたので、
鼻水と一緒にティッシュで拭き取って丸めて、近くの床に置いてあるゴミ箱に投げ入れる。
(よし、命中だ! ……ってこんなことしてる場合じゃないな)
なんにしろ、里香とデートに行く約束は、もう果たせそうにない。
(仕方がない、里香にメールするしかないか……)
僕は気が進まないながらも、ティッシュ箱と同じように枕元に置いておいた携帯電話を手に取り、
今の僕が置かれている状況を知らせるメールを新規作成して、里香へ送った。
風邪をひいているせいもあって、そんな作業は余計に辛かったが、
早く送らないと、里香に迷惑がかかるために急いだ。もっとも、待ち合わせの時間には余裕があったのだが。
(よし、送信と‥‥)
送信ボタンを押した僕は、ふぅと溜息を付き、力なく天井を仰ぎ見た。
携帯は折り畳まないまま、枕元に置いておく。
……後は、これで里香から返信が来て、僕が謝って、それで後は不貞寝するだけの1日が過ぎていくだろう……。
(早く気付いてくれればいいけどなぁ)
里香は高校生活に十分に慣れてからようやく、最近の若者並みに携帯電話(ちなみに僕と同じメーカーのもの)を買ったが、
今では取り扱いに慣れていて、僕との電話やメールのやりとりはそこそこしている。
だから、里香がメールに気付かないまま、待ち合わせ場所の駅前に行ってしまうことは考えづらかったが、
万が一ということを想定する必要はあった。
- 72 :
- (さて、やることはやったし、トイレにでも行くかぁ‥‥後は、何か冷たいものが飲みたいな)
気が抜けてくると、今まで無意識に抑えてきた生理的な欲求が現れてきたので、
僕はベッドから上体を起こし、布団から這い出て、床に立つ。
やっぱり足がフラフラしていたが、
母親が朝昼兼用の食事(昨日の晩御飯の残りのけんちんうどんと、おにぎりと、朝食用ヨーグルト)だけを用意して、
朝から早々と仕事に行ってしまったので、後の自分の看病は自分でしなくてはならないのだ。
(そういや、風邪薬も探しておかなきゃなぁ……どこにやったっけか?)
そんなことを考えていると、コホンコホンと、突発的に咳が出た。
咳をしてもひとり、とはこういう状況のことを言うんだろうなと、つくづく思った……。
- 73 :
- ―――里香にメールを送ってから用を足した後、
痰が絡みつきヒリヒリと痛む喉を少しでも癒す為に、
冷蔵庫で冷えていた麦茶を飲んだりしてから再び床に就いたものの、
やはりというか、眠りたくても鼻が詰まって眠れなかった。
(あんまり鼻かむと、後で痛くなるんだけどなぁ)
どうせ眠れないのなら、風邪薬も探しておくべきだった……。
そうも思いながら、また仕方なく枕元に備え付けておいたティッシュ箱に手を伸ばす。
まさにその時だった。
『プルプルプルプルプル〜!』
と、普段あまり鳴らない、メールではなく電話の着信音が僕の携帯から鳴り響いたのだ。
「うおっ!?」
携帯を頭のすぐ近くに置いておいたせいで、その着信音の大きさに驚いてしまったが、
携帯の液晶画面に表示される、かけてきた相手の名前に更に驚いた。
[着信 秋庭 里香]
「えっ……!」
なんと、里香は僕が送ったメールに対して返信するのではなく、
電話をかけてよこしてきたのだ!
僕を心配してくれて直接声を聞きたくなったのか、それともそれ以上に、
僕が約束を破ってしまうことを怒っているのだろうか?
少し不安な気持ちで、僕は着信音を鳴らし続けている携帯を手に取り、
耳に当て、通話ボタンを押して電話に出た。
- 74 :
- 今回の投下は以上です。
すいません、エロどころか里香すらまだ出てこなくてorz
- 75 :
- 続き待ってるよ
しかしまだこんなに人いたのかw
じゃあもう一回釣り針垂れてみようかな……?
- 76 :
- タイトルは咳をしてもゆとりのオマージュですね
- 77 :
- 続きまってるぜ
- 78 :
- 人は居るんじゃないかな。
何か書きたい、描きたいけど、うまく形にならないという人が。
かく言う俺もそんな一人。
一瞬のシチュエーションは浮かぶのだけど、形にならない…。
- 79 :
- >>73の続きを投下します
新発売されたゲームばかりやっていたせいで、
遅れた割にまた短めですみませんorz
電話が繋がって、初めて聞こえてきたのは、普段と変わらないように聞こえる里香の声だった。
『もしもし、裕一?』
鈴を転がすような声が聞こえてきて、僕はすぐに返事をした。
「うん、俺だよ」
『はい、こちら秋庭里香ですよ。何か言いたいことがあれば、そちらから先にどうぞ』
ちょっと手厳しいなぁ……。
一呼吸置いて、まずはとにかく、僕が今日のデートの約束を反故にしてしまったことを謝った。
「今日はごめん、こんなことになっちゃってさ……連絡も遅くなっちゃったし」
話す度に少し喉が痛んだけれど、里香と話すためなら構わない。
『もう、今更謝られても仕方ないじゃない‥‥。急に風邪ひくだなんて……』
「………」
里香は怒っているというよりも、僕を心配しているような口調だった。
あぁ、里香に気遣われるなんて、僕はなんて幸せ者なんだろう――。
そんな感慨に浸っていると、里香は雰囲気を変える為か、咳払いをして話を再開した。
『でも良かった。その調子だと、ちゃんと生きてるみたいね?』
今度はちょっと恨み節というか、トゲのある口調で里香はそう問いかけてきた。
「そんな言い方は無いだろ‥‥これでも結構症状が辛くて‥‥ハッ、ハ――ッ、ヴェックション゛!!」
決してタイミングを見計らったつもりはないのだが、
僕は里香と話している最中に、間抜けなくらいにわかりやすいクシャミをしてしまった。
すると、それが里香のツボにはまったらしい。
『あははっ!! 裕一、面白いクシャミの仕方するんだね! おもしろーい!』
電話の向こうで、里香が気持ちよく僕のクシャミを笑う。
『ヴェックションなんて、そんなクシャミ今時中々聞かないわよ! ふふふっ……!』
僕はなんとも言えない恥ずかしさで、顔が風邪とは無関係に火照ってきてしまった。
「笑うなよぉ……こっちは一応病人なんだから」
僕がしおらしくなってそう言うと、里香は笑い声を収めてくれた。
『うんうん、ごめんごめん! ちょっと久しぶりに裕一が面白くって……』
- 80 :
- 『……あ、そうだ。裕一って今何してるの?』
短い時間に笑い過ぎたせいか、里香は少し間を置いてから、また僕に話しかけてきた。
「ん、何してるって‥‥そりゃあ、病人らしくベッドに横になって、安静にしてるさ。
わざわざ病院に行くような症状じゃないし、連休で治せるだろうし」
『なるほど、それは良いことね』
里香は妙に素っ気ない返事を返してきた後に、続けて口を開いた。
『あと、おばさんとか、誰か看病してくれる人はいないの?』
他意があってか無いのか、里香の質問が続き、僕はそれに答える。
「いや、母さんはとっくに仕事に行っちゃったし、帰ってくるのも結構遅いってさ。
だから、もう今日は一日中、俺1人みたいなもんだよ」
喉が痛くて咳払いしたいのを我慢しながらも、僕はそう言い終えたが、
次に僕の耳に飛び込んできた里香の発言によって、嫌でも咳き込むことになった。
- 81 :
- 『‥‥そうなんだ。それなら、あたしが今から行っても問題無いみたいね』
「えっ……ちょっ! ゴホゴホゴホォッ……来るの!?」
どうやら、里香が今の僕の置かれた状況を聞いてきたのは、
これから自分がお見舞いに行ってもいいかどうかを確かめる為だったらしい。
今日から三日間、学校が再開するまでもう里香には会えないと思っていた僕には、
この展開はとても嬉しい誤算だった。
おまけに、母親は仕事でもう出かけているので、事実上里香と二人きりでいられる。
まだ1日は始まったばかりだし、あんなことや……こんなことだってゆっくりと出来るじゃないか!
もっとも、それに関しては僕の体調と、里香の機嫌次第だとも言えるのだが。
(うおおおっ! とにかくっ、災い転じてなんとやらとは、正にこのことだああぁぁ………!)
そんな風に嬉しさを噛み締めながら無意気に鼻をすすると、
僕がなかなか反応を見せないので、里香が不審に思ったらしく、
『何? どうしてそんなにむせてるのよ?
……もしかして、暇つぶしに、私に見せられないようなモノでも見ようとしてたの?』
と、ちょっと声にドスを効かせて、訝しむような口調で聞いてきた。
こんなことで里香の好感度を下げるわけには行けないが、
あながち間違いでもない彼女の指摘に、僕は少し慌てて切り返す。
「いや、だから……その手のモノは、里香とちゃんと付き合い始めてから、ちゃんと全部捨てたじゃないか!
里香だって俺の部屋を散々探り回ったし、可燃ゴミに出すとこも見てただろ?」
『ふーん、それならいいですけど。まぁ、裕一にはあたしがいるんだしねぇ』
慌ててしまったのがいけなかったのか、里香は少し冷淡な態度を取るが、
彼女の発言からは微かに、淫靡な下心も見て取れた。
これなら、こっちも素直に本心を言えば疑いはこれ以上かけないでくれるだろう。
「ホントにその通りだよ。だから、里香が見舞いに来てくれるなんてさ、嬉しくて仕方ないんだ。
それに、予想外だったしね。もう、月曜まで里香に会えないと思ってたからさ……。」
『………』
- 82 :
- 僕の発言がまんざらでもなかったらしく、里香は少し間を置いて話しを結論に持って行った。
『まぁ……そういうことにしといてあげるわ。
とにかく、今からお見舞いに行くから、裕一は大人しく安静にして待っててよ』
「わかった。あと何分くらいかかりそう?」
『うーん、三十分くらいだと思うわ』
僕は、部屋の壁に掛けてある、五分くらい遅れている時計に目をやって、
里香が来るであろう時刻を算出してから、里香に返事をした。
「了解。どうせ俺は安静にしてるだけなんだから、あんまり焦らなくてもいいよ」
『うん、わかってるわよ。あと、そっちに着いたらピンポーンって鳴らすから、鍵開けてよね』
「よし、任せとけ」
『じゃ、またね〜』
「あぁ、待ってるよ」
僕がそう言うと、里香の方から電話が切られ、僕はまた部屋の中で1人になった。
けれど、もう少し待てば、里香がお見舞いに来てくれる――!
そのことは、僕の心身の色んな部分を、激しく膨らませずにはいられなかった。
- 83 :
- 今回の投下は以上です。
現実世界の今の時期は、
風邪というよりかは花粉症がきつくなってきましたね。
>>78
一瞬のシチュエーションだけでも良いので、
ネタ出しのような形で書き込んでいただけると嬉しいです!
お互いに良い影響を与え合いたいので。
- 84 :
- 保守
- 85 :
- >>82からの続きを投下します。
―――里香との電話が終わってから、僕はしばらくそわそわしながら、彼女を迎える準備をしていた。
その準備というのを具体的に言うと……、
たとえば、ベッドの上の布団をちゃんと敷き直したり、
落ちている体毛を取るために、ガムテープを輪っか状にして右手の指に巻き、部屋の絨毯の上を軽くペタペタしたりすることだ。
もちろん、風邪気味なのであまり作業ははかどらないが、気を紛らわせるのにはちょうど良かった。
里香から、大人しく安静にして待っててと言われた病人である僕が、
お見舞いに来る里香に対してこんな風に気を遣うなんて、よく考えればおかしな話だと思い、苦笑した。
(でも、せっかく里香が来てくれるんだからな……)
そう思いながら絨毯をペタペタして、またガムテープに自分の髪の毛を貼り付けるのに成功した時のことだった。
ピンポーン、と玄関のチャイムが鳴ったのだ。
(お……きたきたきましたよ!)
僕は右手に巻き付けていたガムテープを、急いでポイッとゴミ箱に捨てて、
そのままの勢いで一階の玄関へと向かった。
- 86 :
- 僕は熱で少しフラフラしながら玄関へ駆けつける。
すると、曇りガラスの向こうには、長い黒髪を腰くらいまで垂らした、小柄な女性の姿が見えた。
間違いなく里香だ!
そう思った僕は、急いで玄関の鍵を開けて、
次に引き戸をガラガラと音を立てながら開けた。
するとそこには、素直に可愛いというべきか、明らかに余所行きの服装をした里香がいた。
髪型こそ普段通りだけれど、退院した時に持っていたバッグを肩にかけていたり、
水色のヒラヒラとした服を着ていたりして、とても可愛かった。
そんな彼女の姿に一瞬見とれてしまったせいだろうか。
顔を合わせてまず始めに口を開いたのは、僕ではなく里香の方だった。
「ほら、後は自分で運んでよね。ここまで持ってくるの、大変だったのよ?」
(運ぶ?どういうことだ?)
一瞬そう思ったが、その疑問は、
僕に向かっていつの間にかアッパーのように突き出されていた里香の右手を見てわかった。
里香の右手は、ドラッグストアのマークがプリントされた大きな白いビニール袋をぶら下げる形で持っていて、
その袋の重みは、里香の白くて小さい掌に赤い痕を刻みつけていた。
どうやら里香がその袋を、
僕のためにわざわざ運んできてくれたということはわかったので、
とにかく僕はお礼を言いながら受け取った。
「ありがとう、里香」
里香から受け取った袋を手に持つと、男の僕でもやや重く感じた。
当然中身が気になり、その袋を上から覗き込むと、中身が見えた。
- 87 :
- 「んっ……これは?」
里香が持ってきてくれた袋の中身は、
良く似たような味のする2種類の某有名スポーツドリンクの内、
あまり甘くない方が2リットル入ったペットボトルだった。
どうやら、里香は僕の為に2リットルのスポーツドリンクを買ってきてくれたらしい。
他にも、袋の中には、ピタッと貼って熱をとる冷却シートや、カラフルなのど飴の袋も入っている。
僕の視線が袋の中身に注がれているのに気付いた里香が、
少し胸を張るような口調で言った。
「風邪ひいてるなら、そういうの必要でしょ?
‥‥ホントは何か食事も買ってこようかと思ったんだけど、
荷物が重かったし、丁度良いのが無かったの」
……普段は生意気で、天の邪鬼なことも少なくない里香が、
僕のためにこんな苦労をしてくれるなんて……!
その事実を噛み締める度に、風邪の熱とは違う熱さが僕の頬を火照らせた。
「重かっただろうに……ありがとうな、里香!
買ってくるなら500ミリのでも良かったし、メシなら、母さんが作り置きしてくれてたんだよ」
「ううん、大きいサイズのでいいのよ。あたしもちょっと飲みたかったから」
里香はそう言いながら、僕の隣をするりと通り抜けて、僕の家の玄関に入った。
「あ、持たせておいてなんだけど、よろつかない?大丈夫?」
少し意地の悪い笑みで、里香がそう言った。
「言いたいことはわかるけど、そんなにヤワじゃないと思いたいね」
僕はそう言い返しながら、里香に続いて家の中に入ったのだった。
- 88 :
- 今回の投下は以上です
- 89 :
- 続き期待!
- 90 :
- 久々です
いつも有難うございます!
- 91 :
- そういや、保管庫がここしばらく更新されてないけど、管理人さんは大丈夫かな?
地震とは関係ないとは思いたいが…
- 92 :
- >>87の続きを投下します
後のエロシーンのネタを練ってたせいで、
今回はかなり短いです
僕はとりあえず、お見舞いに来てくれた里香を、
2階に上げて僕の部屋に招き入れようと思って、彼女の背を見ながら話しかけた。
「いやぁ、来てくれてありがとな。遠慮せずにあがって……あれ?」
すると、彼女は僕の言葉を無視して歩き、まずは玄関の左隣にある台所の中に入った。
次に里香は何をするのかと思いきや、流し場の蛇口のハンドルをひねり、水を出した。
どうやら、外から家の中に入ったということで、ちゃんと手を洗うらしい。
なお、ウチの台所に手洗い用の石鹸は備え付けられていないが、
里香は台所用洗剤をほんの少しだけ手に出して両手に付け、白い手を擦り合わせて洗い始めた。
里香の服の下から浮かび上がってくる、少し艶めかしい肩や腕の動きと、
下品でない程度のバシャバシャという水音が、里香が手を洗っていることを僕に教えてくれる。
「里香は偉いな〜」
しっかりしているな、と単純に感じて、僕が後ろでそう言うと、
里香はさも当然という口調で手を洗いながら返してきた。
「風邪の予防の基本でしょ。裕一は、こういうことを怠ってたんじゃないの?
あたしはね、少なくとも裕一の家に来る時には、毎回必ず手洗いうがいしてたはずよ」
「そう言われれば……」
僕が里香と自分の行いの差を振り返ってしばし反省していると、
里香は、彼女の服のポケットから花柄のハンカチを、
細く白い人指し指で摘んで取り出して手を拭きながら、こちらに顔を向けて話しかけてきた。
- 93 :
- 「まったく、これだから裕一は……。あっ、このコップ、うがいに使ってもいい?」
里香は、台所に備え付けられていたプラスチック製のコップを、
拭き終わったばかりの右手で指さしながらそう問いかける。
「ん? 別にいいけど」
僕がそう言うと、里香はコップを手に取って水道で水を注ぎ、
その水を口に含んで、ガラガラガラガラ……ペッとうがいをした。
その一連の動きを妙に可愛く感じた僕は、風邪気味で喉が痛いのも忘れて感想を述べてしまう。
「里香がうがいするところ、初めてちゃんと見たかも。っ、ごほ……!」
案の定むせてしまう僕は、やはり病人なのだ。
すると、うがいをし終わってこちらに歩いてきた里香は、
僕の背中をトントンと右手で叩いてくれる。
「……ふぅ、ありがとう。だいぶ楽になったよ。
里香は背中トントンするの上手いなぁ」
何かコツを知っているのか、里香が手で僕の背中を叩くと、
自然と息が楽になったので、僕はお礼を言った。
すると、里香は荷物を持っている方の僕の手を取りながら返事をした。
「あたしがママにしてもらってたようにしただけよ。
それより、早く部屋行こうよ。
‥‥こんなの持ったままじゃ、手が痛くなるでしょ?」
大きな白いビニール袋をぶら下げている僕の右手に、里香の小さな白い両手が添えられて、
僕は思わずドキッとしてしまった。
「あぁ……うん。そうだな、早く行こうぜ」
僕はビニール袋の重みと、里香の手の体温の両方を右手に感じながら、
ようやく自分の部屋へと向かったのだった―――。
- 94 :
- 今回の投下は以上です
- 95 :
- >>93の続きを投下します
――――里香と共に自分の部屋へと戻ってきた僕は、
早速、里香の手によってベッドに寝かしつけられ、お決まりの台詞を言われた。
「熱を測って、とりあえず安静にしてなさい。
……あんまり勝手に動いて悪化しても、知らないからね」
里香は、なかなか真剣な目つきでそう言った。
もしかしたら、意地悪な里香のことなので、
わざと態度を怖くしていたのかも知れないけれど、それは僕にはわからない。
……とにかく僕は里香から、病人らしい扱いを受けた、ということだ。
そして僕は、体温を測ってと今し方言われたので、
枕元に置いたままになっていた体温計を脇に挟み、
顔の火照りを感じたまま、他にすることもないので目を閉じる。
スポーツドリンクのペットボトルやのど飴の袋は、
里香が勉強机の上に置いておいてくれたけれど、まだ口にする気にはなれなかった。
里香はというと、僕のおでこに冷却シートを貼った後、
勝手知ったる他人の家と言わんばかりに、
僕の看病に使えそうなものを、他の部屋へ取りに行ってしまった。
(まるで、入院してるみたいだなぁ……)
そんなことを考えて、少し以前のことを思い出していると、
おでこに張り付いた冷却シートから伝わってくる、
心地よい冷たさと、若干の心地悪さのせいで寝付けず、僕はやはり閉じていた目を開けた。
すると、ちょうどその時に、僕の部屋の戸が開くガララッという音がした。
- 96 :
- 僕が戸の方に目をやると、
ガラスのコップ2つとタオルを乗せたお盆を持って、里香が戻ってきた。
「どう? もう体温計鳴った?」
里香はお盆を勉強机の上に置きながら、僕にそう問いかけた。
「いや、まだ鳴ってないよ。
故障はしてないと思うけど、結構古いタイプだしなぁ……っ‥‥!ゲフッ、ゲホッ‥‥!」
調子の良くない喉を使ったせいで、僕は語尾の方で結構大きくむせてしまった。
今の咳で体温計がズレたかも知れないと思って、慌てて体温計を挟み直して、
改めて検温ボタンを押した。ピッ、という電子音が小さく響く。
その様子を見ていた里香は、少し呆れたように、不思議そうに眉をひそめて言う。
「……今更だけど、裕一って、意外と病弱だったりする?
なんか、一度病気にかかると妙に治りづらいそうだし、
いつも肝心な時に熱出してるような気がするわね」
里香に言われちゃお終いだな、と思った僕は苦笑しながら返事をする。
「お前が言うな」
「はいはい、そうですね」
どこ吹く風と言った風で里香が流してしまったので、
僕はちょっとだけムッと来て、多分言わなくても良いことまで言ってしまう。
「だいたい、俺がなかなか退院出来なかったのは、入院中ずっと里香に振り回されてたせいだし、
それに、そっちなんかしばらく前まで、マジでにかけてた癖に……」
「あっ、そういうこと言うんだぁ……」
僕の言葉に、流石に里香もちょっと頭に来たようだが、
体調の悪い人間の精神状態は彼女もよくわかるのか、言い合いの口げんかには発展しなかった。
こういうやりとりを平気で出来るようになったのは、
僕と里香がじっくり紡いできた信頼関係と、里香の持病がだいぶ落ち着いているおかげである。
里香は、今のやり取りのせいで少し眉根を釣り上げながらも、
勉強机の上に置いた洗面器の水を使って、
今持ってきたタオルを濡らし、ぎゅっと力を込めてしぼりはじめた。
ピチョピチョッという水音が、僕の部屋に響く。
すると、里香の小さくて白い手が赤くなってしまう代わりに、
僕の顔なり身体なりを拭くであろう濡れタオルが出来上がる。
それを右手に持った里香は、僕が寝ているベッドの方に近づいてくる。
「ほら、そんなに布団被ってないで、もっと顔出しなさい。
あたしが拭いてあげるから……」
蛍光灯の光が逆光となり、里香の顔がよく見えないのが、
何故か妙に色っぽくてドキッとしてしまった。
(俺って単純だな……)
僕はちょっとした自己嫌悪に陥りながらも、
首のところまでかけていた毛布を胸の所まで下げて、里香が顔や首を拭きやすくした。
- 97 :
- 今回の投下は以上です
もう少しでエロシーンに入る予定です
- 98 :
- 次が待ち遠しいぜ!
おつ
- 99 :
- |\ /|
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. i{ ● ● }i 里香ちゃん、僕と契約して魔法少女になってよ
八 、_,_, 八
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