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2013年01月創作発表71: 非リレー型バトルロワイアルを発表するスレ Part32 (203) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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非リレー型バトルロワイアルを発表するスレ Part32


1 :2012/08/20 〜 最終レス :2013/01/01
1999年刑行された小説「バトル・ロワイアル」?
現在、様々な板で行われている通称「パロロワ」はリレー小説の形をとっておりますが?
この企画では非リレーの形で進めていきます。?
基本ルール?
・書き手はトリップ必須です。?
・作品投下前の登場キャラクター、登場人数、主催者、舞台などの発表は書き手におまかせです。?
・作品投下前と投下後にはその意思表示をお願いします。?
・非リレーなので全ての内容を決めるのは書き手。ロワに準ずるSSであればどのような形式、展開であろうと問いません。?
・非リレーの良さを出すための、ルール改変は可能です。?
・誰が、どんなロワでも書いてよし!を合言葉にしましょう。?
・「〜ロワイアル」とつけるようになっています。?
  〜氏のロワは面白いでは、少し話題が振りにくいのでAロワ、Bロワなんでもいいのでロワ名をつけてもらえると助かります。?
・完結は3日後だろうが5年後だろうが私は一向に構わんッッッ!!?
前スレ?
非リレー型バトルロワイアルを発表するスレ part31
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1338115424/l50
非リレー型バトルロワイアルwiki?
ttp://www26.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/1.html?

2 :
>>1
スレ立て乙です

3 :
投下します
タイトル:おつかれさま
登場人物:おそうじマン、いのり

4 :

――――何が起こっているのか分からない。
だが……間違い無く、これは、自分にとって大きなチャンスだ。
殺し合いと言う場では、恐怖に怯え正常な思考ができなくなる人間が出てくるだろう。
その混乱している精神につけこめば、スレの時の手順を、幾つか飛ばせるかも。
(一応、銃はありますが……まあ、誰もいないなら、これで直接、手を下すのも――――)
変に目立たないように。誰にも、怪しまれないように。
上手く、立ち回る必要がある…………特に、自分の場合は。
自分のやろうとしている事――――呪いの儀式を、他の人間に知られてはならない。
誰かに知られては困るのだ。知られれば、まず信用されなくなる。
相手によっては、その場で殺されかねない。
それだけは、避けなければならない。
死んでしまっては、元も子もないのだから。
(しかし……人っ子一人いませんね)
水門を通り抜け、この湖に辿り着いてからそれなりに経っているが、誰にも遭遇していない。
別に、困りはしないが。むしろ、遭遇しすぎても困ってしまう。
どちらにしろ、こんな湖のほとりなんて、好き好んで来るような場所でもなさそうだし。
……しかし、ここらで誰かに遭遇しないと、自分の計画が進まない……。
「……おや?」
ぼんやりと蛍光灯の明かりが、湖畔の東屋の中を照らしている。
良く見ると……誰かが、そこに座っている。
歩き疲れて休憩中なのか、それとも誰かを待っているのか。
どちらにしろ、誰かがいることには変わりない。
(……少し、接触してみますか)
スタスタッと東屋に一気に歩みより、素早く中に飛び込む。
「うわっ!?」
「……警戒しなくても大丈夫です。私は、何もしませんから」
「本当、なのか……?」
「ええ。ですから、心配しないで下さい」
……中にいたのは、普通の男だった。
特に変わった姿をしている訳でもない、いたって普通の男。
――――心はどうだろうか?
上手く言い包めて、「呪い」をかけられるなら、それでいいが。
それだけは、見ただけじゃ分からない。
何か、会話でも交わして、確かめなければ。

5 :

「ほ……本当に大丈夫なんだな……ずっと一人だったからな……」
「ええ、私も、さっきまで一人でしたから、心細くて……」
「そうなのか……それじゃあ、お互い丁度良かったな」
……どうやら、心の方はそこそこ強そうだ。
これじゃあ、下手に手を出せそうにない。
のんびり、心を責めて弱らせる余裕も、時間もない。
いきなり、計画通りに行かなかったが、これは――――やるしかないか。
「さて……こんな陰気臭い所にいるのも何だから、他に行かないか?」
「ええ、行きましょう……」
相手の男は、こちらを全く警戒せずに歩き出す。
――――こっそりと、バッグから銃を取り出して、ひっそりと構える。
距離は、おそらく5メートルもない。
この距離なら、銃を扱った事のない自分でも、仕留められる。
そう思って、引き金を引いた瞬間だった。
「そういや、まだ、名前を聴いて無か――――!!」
「――――ッ!!」
しまった、気付かれた……!
「あ、あんた、まさか……」
「……くっ!!」
慌てて、銃の引き金を引く。
パシュッ、と掠れた音がしたのとほぼ同時に、男がその場に倒れこむ。
「う……うう……」
「……悪く思わないで下さいね。これも、私の計画なんですから」
「け……けいか、く……?」
多分、腹か胸辺りに当たったのだろう。
放っておいても、じき、死ぬだろう。わざわざ、とどめを刺す必要もない。
……とにかく、これでこの男の口を封じる事が出来た。
自分の正体を知られることもない……。

6 :

(……急いで逃げなければ。こいつと一緒にいるのを、誰かに見られでもしたら……)
男の持ち物に、チラリと目をやる。
ブラシと、自分の持っているバッグと同じ物。
スッと拾い上げ、手早く中身を確認するが、大した物はない。
(……持って行く必要はなさそうですね。……そうだ、これを……)
男のバッグに、自分の支給品――――小銭入れを仕舞う。
こんな物、持っていても意味は無い。
あっても、ただ邪魔なだけだ。
それなら、このバッグに入れておけば、丁度いいゴミ処理になる。
(――――さて。どこに向かいましょうか)

【一日目・深夜/C-5:湖畔:東屋】
【いのり@オカルト】
[状態]:健康
[装備]:Mk22(8/9)@MGS3(サプレッサー劣化率10%)
[所持品]:支給品一式、予備マガジン(Mk22)
[思考・行動]
基本:ゲームに乗り、参加者に「呪い」をかける。
1:どこに向かいましょうか?
2:できるだけ、感づかれないようにしないと……。



7 :

(……あれ……俺、生きてる……?何で?確かに、撃たれたはずなのに……)
猛烈な眠気に襲われてはいるが、確かに俺は生きている。何故だろう?
弾丸の当たった辺りを探ってみると……何か、刺さっている。
抜き取って見てみるが、何だか注射器のような物が……。
眠気のせいで、良く見えないが。
(起きなきゃ……こんな所で、寝てられない、けど……目が…………)
駄目だ。
どんなに頑張っても、眠気がそれをことごとく潰して行く。
(…………せめて、人目に付かない場所に…………行きたいけど…………)
眠たくて動けない……。
このまま、睡魔にやられるしかないか。
それなら、せめて。
――――誰にも、見つかりませんように。
意識が途切れる直前まで、俺はそう祈っていた。

【おそうじマン@オカルト】
[状態]:健康、睡眠
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、スパーッツァ@MGS3、「真実の硬貨」入り小銭入れ@オカルト
[思考・行動]
基本:この殺し合いを、なんとしてでも中止する
1:(睡眠中)
2:あの人、殺し合いに乗ってたのか……
※デッキブラシ@SIREN2とバッグはおそうじマンの傍に放置してあります

≪支給品紹介≫
【Mk22@MGS3】
いのりに支給。
バーチャスミッション・スネークイーター作戦双方で使用可能な麻酔銃。
ノーキル狙いに役立つ、が連射が効かないので使いこなすには慣れが必要。
支給された物にはあらかじめサプレッサーが装着されているが、劣化率が上昇している。
【「真実の硬貨」入り小銭入れ@オカルト】
いのりに支給。
とある博物館に存在する、質問が真なら表が、偽なら裏が出る硬貨。
歴史上の多くの権力者が使用した記録が残っている、らしい。
小銭入れには、「真実の硬貨」以外に、普通の硬貨も入っている。

8 :
投下終了です

9 :
投下乙です。
なんとか命拾いした感じだなー。
では自分も投下します。
26話 バトロワロンパ―さよなら絶望世界―
登場人物:◆9n1Os0Si9I、相川友

10 :
「責任を取ってRよ」
みたいなこと言われたことあるか?
俺は無いけれど、言われていたのを見た事がある。
いじめっ子がいじめられっ子に対して気軽に言い放つ『弾丸』だ。
すげぇ笑顔で言い放ってんだぜ?
本当にそいつらはすごいと思うぜ。
いつそいつの心や人生設計、はたまた命も奪うかもしれないのに。
それでもあいつらは笑いながら言ってやがる。
あいつらはある意味の【絶望】を求めているのかもしれない。
いいや、己の存在するための【希望】を探しているのかもしれない。
まぁ、俺にしたらどうでもいい話だ。
ごく一般的に普通に常識的にただただ存在していた俺にとっては、どうだっていい事である。
【希望】なんてない【絶望】なんてない。
俺が欲しいのはただただ、ごく自然にある、【平凡】だ。
誰かを助けてヒーローになりたい?
そんなのはただのバカの所業だ。
漫画とかラノベの主人公にでもやらせていろ。
はぁ……全くお笑いだよな。
どうしてこんなんになっちまったのか。
「――――まぁ、俺の責任だよな」
だからってRと言われて死にたくはないが。
まだそこまで生きたような気はしないし。
だってあれだぜ? まだまだ人生は長いんだぜ?
寿命の平均まであと何年あるんだよ、今まで生きてきた年数の数倍だよ。
「あー、どうしてこうなったんだろうな……笑えねぇわ」
あくまでこれは創作の話だと思っていた。
何が起きても、現実に影響を与えない。
ただのどこにでもある普通の話のはずった。
だが、今はそんな事を言っていられない。
「どうして、俺が考えた名簿通りに参加者が決まってるんだ」
だから、俺の責任なのかもしれない。
いや、それ以前にだ。
ここは現実、3D、リアル、つまり俺達が存在している場所。
本当は3.5次元が俺達が存在している世界、とか言う話もあるがいまはどうだっていい。
その存在している世界にそぐわないメンバーが名簿には載っている。
同姓同名の別人がここに呼ばれている、と言う可能性もないわけではない。
だが普通に考えたらあり得ない。
というかまず、俺の名前が本名じゃなくトリップになってるのもおかしい。
わざわざ本名を隠す必要なんてないだろう。
まったく訳が分からないな。
「――――はぁ、マジでどうすんだよ俺」
あれだね、「許さない、絶対にだ」だよなこれ。
この状況を生み出したのはほぼ俺のせいなんだし。
ああ、いやこれ俺の夢なんかね。
そうじゃん、その発想がなんでなかったんだよ。
むしろそれしか無いじゃん。
つまりやりたい放題ってことじゃないか、フゥー!
――――いや、無理だよな。
そもそもこれは夢どうかも疑わしい。
頬を抓っても痛い。
でも、二次元キャラがいるわけがない。

11 :

「はぁー……どうなんだろうね」
まったく訳が分からない。
この後どうすればいいとか、どうなればいいとか。
そういうのは特にないわけだけれども……。
「そこの人、両手を上げてください」
「――――ん」
出たよこれ、俗に言う脅しってやつだ。
面倒だよね、こういうのって。
後ろから何か突き付けられてんだろうなぁ。
銃かな、刃物かな、それとも何もないのか?
どれだっていいけどな。
「なんだい? 俺は特に何もやってないんだが……」
「そっちに何もなくても僕はあるんだよ」
「そうですかい……」
あーあ、どうしよう。
これ一話死亡あるんじゃね?
いや、一話じゃないのか?
どうなんだろう、ワカンネ。
「まず一つ聞かせてもらうよ……」
「なんだい?」
「君は……この殺し合いに乗っているのか?」
よくある定番の質問。
面倒だよな、そんな事があるはず無いのに。
それに、ここで本当の事を言う奴がいるわけ無かろう。

「――――さあ、どうだろうな」

当然の回答である。
別に抗う気もないし、R気もない。
死にたくないかと言われても微妙だし。
正直生きれる気はしないからね。
強い人に救われれ続ければ生きれるかもしれないけど、無理だろうな。
「……どういうことだよ」
「どういう事ってこういう事なんじゃないのかね?」
「いや、だからそれが分からないから聞いているんだよ」
「まだまだ決定最中なのです、テヘッ!」
後ろにいる少年の声色がだんだん黒くなっているのが分かるね。
いやぁ、怒ってますよねこれ。
どうしましょうね、反省はしてないけど。
むしろこういうのは炎上させて煽りましょうって誰かが言ってた。
「……で、君の名前はなんていうんだい? 俺からしたら第一印象最悪な人」
「――――僕は相川友、ただの中学生だよ」
ん? 相川友ってあれか、どっかの誰かさんのオリキャラか。
面倒だよなー、曲がった対主催って感じで。
人を多く生き残らせるために殺し合いに乗った奴をR。
面倒なキャラ作りだしてくれてるよなー、本当によ。

12 :

「へぇ、よろしくね相川君……俺は◆9n1Os0Si9I、9nさんでいいぜ」
「――――なんかのコードネームかなんかですか?」
「ある意味そうだな」
あれ、そういやこの子ってあいつと会ってなかったっけ。
いや、参戦時期次第では会ってない事になるんだよな。
あれぇー、どうなってたっけか。
まったくダメだねこれ、記憶力どうなってんだ。
「で、あのさぁ……殺し合いに乗っているか聞いてきたけどなんで?」
「――――貴方には関係ない」
「いやいや、関係あるから言ってるんだよ……それにその手に持ってる銃見れば俺がソレ突き付けられてたってわかるじゃん? 俺、被害者よ被害者」
ちなみに先ほどまで見てなかったが、相川君の手には銃が握られていた。
詳しい事は分からないけど、リボルバーっぽい感じの奴かな。
あー、恐ろしいねぇ。
もしあの時ノリで「乗ってます!」とか言ってたらどうなってたんだろうね。
射殺でしょうね、デッドエンド乙とか言うレベルだ。
1話死亡とか嫌だからね。
「――――もし、あなたが殺し合いをするならば、殺してしまおうと思いまして」

「はぁん、バッカじゃねーの?」

「……は?」
「いやー、バカじゃないのかお前は、俺がもし殺し合いに乗ってて、乗ってないって嘘ついてたらどうするんだよ、お前が死ぬぜ?
 そういうこともちゃんと考えてから行動しろよ、それにお前の考えもおかしいんだよ。
 人をRのを止めさせるためにR? 何言ってんだ、本末転倒もいいところだよなぁ」
「――――何が言いたい」
「間違ってるって言ってるんだよ」
まぁ、全部間違っているとは言い難い。
確かに殺し合いの進行を停止させるには乗っている人間をR事だ。
でも、それで殺し合いに乗らなかった人間だけが残っても、いつかは殺人者が生まれてしまう。
「どこが間違っているんだよ、僕は正しいじゃないか」
「その思考すら狂ってやがるんだよ相川――――」
救いようがない、というわけではない。
元々こいつは普通だったはずだ。
殺人をして、吹っ切れただけなのだ。
なら、こいつは救いようがある。
『救いだせる』はずなんだ。

13 :

『議論開始』

9n1Os0Si9I「まず、その思考自体おかしいんだよ、人を救うために人をRっていうのがな」
9n1Os0Si9I「お前がやるべきはそんな事ではないだろうが」
アイカワ トモ「……あんたに何が分かるんだよ」
アイカワ トモ「あんたはかつて殺し合いに巻き込まれた事があるのか!?」
アイカワ トモ「俺はこれで二度目だ、あの時俺は人を殺したんだ!」
9n1Os0Si9I「…………」
アイカワ トモ「【何も知らない奴】がのうのうと――――」
「それは違うッ!!」
『BREAK!!』
「悪いが、俺は知らないわけではないんだよ」
「――――なに?」
「……お前がどんな目に合っていたか、知っているんだよ」
「――――どういう事だよ」
「どういう事もこうもないさ、それが事実だからな」
俺にはその事象を知れる理由がある。
嘘などは微塵も言っていない。
「坂田銀時、とか言えば分かるよな?」
「ッ――――!!」
そう、相川友が最初に遭遇し共に行動し続けた銀色の侍だ。
反応しないならば、どこからの参戦とかわからなくなるな。
DOL時のスタンスで反応しないならば、もう訳が分からなくなるしな。
「なんでお前がその名前を知っているんだよ!」
「知っているも何もねぇ……まぁ、俺がその話を読んだからだよ」
「読んだ……?」
そう、読んだのだ。
だが……二次元がどうこうとか言っても信じるわけない。
下手すると狂人かなんかと勘違いされて殺されかねない。
だからってこんなの言っちゃったからにはねぇ……。
「そう、俺は読んだんだよ……『DEAD OR LIVE』……お前が書いた話をな」
「……?」
「いや、相川友って聞いた時は疑問を感じたんだよ。 あの話を書いたのが学生服来た中学生っておかしいよなって。
 同姓同名の別人かと思ったが、アンタのスタンスが主観の少年にそっくりだったからカマかけてみたんだよ」
口から出まかせもいいところだよ。
俺ってこんな口が回った事ないんだけどなぁ。
命がかかってたりすると変わるのかな。
きっとそうだ、そういうことにしておこう。

14 :

「一つ聞きたい、お前が住んでいたのは西暦何年だ」
「20××年、だよ」
「ああ、やっぱりそうか……うん、そういう事だな」
「ッ――――――――何が言いたいんだよ」
「まぁ、言ってしまえば……俺らは生きてる時代が違うんだよ――――俺はお前から見た未来から来て、俺はお前を知っているんだ」
いや、生きてる時代というか次元が違う、だな。
まぁ、それを相川君に理解してもらえるかと言えば……無理だろうな。
だって現実的ではないから。
俺だってそうだ、未来から来たとか言う奴がいたら避けるか病院に連れていくさ。
で、ここからどうするかって?
…………考えてないな。
うん、その場しのぎで何とかなっちゃうだろう。 多分ね。
「そして俺はお前を知っているが上で言う、お前は間違ってるんだよ。
 俺は嘘を言っていない、俺の目を見ればわかるだろう、相川友!」
「――――――――黙れ狂人が」


――――――――――――バン


ああ――――どうしてこうなった。


☆    ☆    ☆

15 :


「…………」
相川友はただただ苛立っていた。
『DOL』、その悪夢から逃げ切り、平和が訪れたと思えばこうだ。
だが、もう止まるわけにはいかないのだ。
彼は、友人の妹を殺した殺人者(シッコウシャ)だから。
「この場にはあと何人乗った奴がいるのやら――――それに、ちょっとおかしなこともあるからな」
彼がいうおかしなこと。
『死んだはずの友人、そして殺したはずにその妹がこの場にいる』ということ。
十中八九偽物であろうが、気になる物は気になるのだ。
「死んだ奴が生き返る――――ねぇ」
あの女が言っていたのも本当なのかもしれない。
だが、例え本当だとしても殺し合いに乗る気はない。
こんなことをするなんて馬鹿げている。
「――――善吉さんもここにいるようだし、探さないとな」
あの殺し合いに少しだけだが行動した人だ。
殺し合いに乗る人じゃないというのも分かるから探しておいて損は無い。
「じゃあな、狂人――――起きあがったりすんなよ、気持ち悪い」
先ほど撃ち殺した男に一言吐き、その場を立ち去った。
【朝/A-9】
【相川友@他の方のオリキャラ】
[状態]精神的疲労(大)
[所持品]基本支給品、コルトパイソン(2/6)@DOL1st、.357マグナム弾(24)
[思考・状況]
基本:殺し合いに乗った奴をR
1:味方を探したい
2:青木兄妹については……?
3:出来れば人吉さんも探す
[備考]
※DOLロワ1st終了後からの参戦です。

16 :


☆    ☆    ☆

あーあ、人生短かったな。
まさかあんなことになっちまうなんて。
ワロス、ワロスだよ。
冗談じゃねーよ、あの場面で撃ってくるってどういう神経してやがんだ。
……視界がかすんできやがったわ。
――――くっそ、死ぬって怖いんだな。
痛いのはもうなくなったけど、熱い。
これはもう死ぬ寸前って言う事なんだよな。
まったく、どうしてこうなっちまったんだか。
いや、俺のせいだよな。
っつーか今更だが夢じゃなかったなこれ。
リアルの痛みだこれは。
くそ、ちゃんと危機感持てよ俺。
でも持てるわけないよな。
こんな二次元とかとごっちゃになった世界なんかよ。
「――――やっぱ、死にたくないわ」
でももう終わりだな。
拝啓、育てやがってくださいました両親殿。
そして兄よ、先立つ不孝をお許しください……ってこれじゃあ自殺だな。
あー……そういや殺し合いにあいつは来てんだよな。
――――まぁ、俺が死んだところでどうとも思わんだろうな。

……ああ、やっぱ怖いな。
意識がどんどんなくな、て……き、……。
【◆9n1Os0Si9I@非リレー書き手 死亡】
【残り 92人】

17 :
投下終了です。

18 :
投下乙です。あっ9n氏が
突然ですが 自由奔放オリロワ リスタートします
リスタートOP投下します タイトルは「様式美ですよ」 使い回しです

19 :
0:様式美ですよ
広い部屋に90人が押し込められている。
人間、獣人、魔獣、獣、と、種族も性別も様々だが若者が殆どだ。
「こんにちは皆さん」
「目覚めは如何かな」
壇上にいる赤髪の美女と黒い巨躯の狼がどす黒いオーラを放ちながら挨拶する。
「私は稲垣葉月、こっちはレックス……」
「宜しくなァ。俺らの事知ってる奴もいるかな、まあそれは良いんだ……。
ここには90人、俺と葉月除くと90人いるんだ。実は一つ共通点がある……それはな」
少し間を置いてからレックスが言う。
「全員、一回『殺し合い』を経験してるって事だ……死んでるとしても、生還したとしても、な」
「だから、こんな感じで集められて壇の上から演説されて、この後の展開は予想がつくんじゃないかな」
葉月が笑みを浮かべながらレックスに続けて言った。
90人のほぼ全員が、葉月の言う通りこの後の展開が予想出来てしまっていた。
そしてレックスが、宣言する。
「悪いんだけど、もう一回、殺し合いやってくれる?」
90人全員にとって二度目となる、殺し合い――――バトルロワイアルへの強制参加宣言。
ある者は呆然、ある者は怒り、ある者は無表情、ある者は微笑をその顔に顕す。
それらの反応を見てレックスと葉月は愉しそうに顔を見合わせる。
「ルール説明は……別にいらんよな。
ほぼ同じだ。殺し合って最後の一人だけ生還。反則無し。後は各自、支給品のルール冊子でも読め。
手抜きじゃねぇ、言わば様式美だ。意味が分からない? 知るか」
「首輪についても、別に説明いらないよね?
まあでも、一応、威力は見せておこうかな? レックス?」
「そうだな」
レックスは何やら呪文のようなものを唱える。
すると光り輝く魔法陣と共に、茶色い狼が壇上に出現した。
前足後足を縛られ口には猿轡がはめられ、肛門には極太の大人の玩具が突っ込まれ、
いきり立った股間のモノにはローターが括り付けられている。
涙を流し、とても苦しそうだった。
「こいつはエーリアル。こいつも殺し合いの経験者だ。
前の殺し合いじゃ、女の子レ*プしようとしてガソリン注射されて死んだんだ……こいつで首輪の威力を見て貰おう。葉月、頼む」
「うん」
葉月は小さなリモコンを取り出し、それをエーリアルに向けスイッチを押す。
短い電子音の後、エーリアルの首輪は爆発し、彼の喉笛から鮮血が迸り、数秒後、エーリアルはただの肉の塊となった。

20 :
「……まあ、こんな感じだ。つってももう分かってる奴が殆どだよな?
お前ら、もう一回殺し合いなんて不運にも程があるとか思ってるかもしれないけど、
逆に考えろ、生き返れたんだから、生きて帰れるチャンスが再び巡ってきたと思え。
……生還したのに、って奴は、運が悪かったと思って貰うしかないが。
それじゃ……早速だが、ゲームスタートと行こうじゃないか」
レックスは宣言した直後、再び詠唱を始める。
そして、90人全員が光に包まれ、次の瞬間には消えていた。
ホールには葉月とレックス、そしてエーリアルの死体を残すだけとなる。
「一仕事終わったなぁ、葉月……一発ヤっちゃおうぜ」
「ここで? もう、レックスったら……」
壇の上で、欲情する黒狼を制しながら、葉月はRを下ろし黒狼を受け入れる準備を始めた。
光を失ったエーリアルの目が、そんな二人を睨んでいるように見えたのは気のせいだろうか。

【エーリアル@俺得バトルロワイアル5th  死亡】
【ゲームスタート  残り90人】

21 :
稲垣葉月@???
レックス@???
見せしめ:エーリアル@俺得5th
4/4【俺のオリキャラでバトルロワイアル】
○伊藤文子/○本庄忠朝/○黒牙/○大木弓那
4/4【個人趣味バトルロワイアル】
○費覧/○章高/○伊賀榛名/○石川清憲
2/2【俺得バトルロワイアル】
○大宮正悳/○シリウス
2/2【俺得バトルロワイアル2nd】
○永倉萌/○森井俊政
8/8【新訳俺のオリキャラでバトルロワイアル】
○セルゲイ・ルシコフ/○平沢まりな/○レイ・ブランチャード/○戸高綾瀬/○ライゲ/○藤堂リフィア/○皐月眞矢/○高原正封
3/3【俺得バトルロワイアル3rd】
○リュティ/○宿禰千恵/○マティアス
5/5【俺得バトルロワイアル4th】
○倉持忠敏/○三浦京太/○大槻牙信/○神無月紗斗/○エルンスト
15/15【エクストリーム俺オリロワ】
○アインリア/○カイテル/○リューグ/○ヴァレリア/○吉沢雪/○谷口誠/○ゲレート/○犬神彰浩
○広橋晴那/○久村ユイ/○小野美結子/○エリシャ/○アルシオーネ/○下村正人/○ユージーン
5/5【俺のオリキャラでバトルロワイアル2nd】
○浅井きらら/○浅井政喜/○比良坂守治/○宮崎眞由美/○糸賀昌明
10/10【美女と野獣のオリキャラでバトルロワイアル】
○アーネスト/○キリル/○ディートリヒ/○滝沢晶子/○中根玲奈/○林良枝/○松嶋万里/○布施信昭/○吉良一葉/○イヴ
8/8【もっとエクストリーム俺オリロワ】
○安藤正年/○太田かずみ/○カスパル/○朝斬厳空/○パーヴェル/○碑文谷直紀/○東儀由利恵/○ツェツィーリア
8/8【俺得バトルロワイアル5th】
○関直哉/○細田英里佳/○宮本春樹/○クライヴ/○レオポルト/○大谷裕次郎/○安達洋子/○長谷川春香
16/16【エクストリーム俺オリロワ2nd】
○片桐凛花/○ドーグラス/○平田洋明/○唐橋圭輔/○深谷春那/○久木山忠則/○久木山凌河/○ヴィヴィアン・ルーク/
○バイロン/○コーディ/○萩野美祐/○萩野直重/○藤森真海/○クラリッサ・ブランチャード/○小崎史哉/○戸賀崎かれん
90/90

22 :
投下終了。
ルールやマップ等はリスタート前のを流用します

23 :
リスタート後第一話投下します。

24 :
1:自意識をきりきり痛めつける
木造校舎の古びた天井が、獣竜の青年、比良坂守治が意識を取り戻して最初に見た光景だった。
「……俺、どうしたんだっけ……」
ぼーっとした頭でぼーっと考える。
「……そうだ、俺、一回死んで……え……また殺し合い……うわ……」
自分の置かれている状況が理解出来た所で、酷く落ち込む守治。
彼は、彼に限った話では無いが、別の殺し合いに参加させられ、命を落とした。
再び命を与えられたは良いがやはり殺し合い。
落ち込むのは無理も無い。
取り敢えず前回と同じくデイパックを開けて中身を漁る。
参加者名簿には見知った名前が幾つかある。
「浅井きらら」「浅井政喜」の二人は以前の殺し合いで行動を共にした。
「この二人捜そうかな……支給品は、何だ」
ランダム支給品を確認する守治。
出てきた物は、薪割りに使う手斧だった。
それを装備する守治。ふと窓の外に目をやる。
鉄棒や滑り台等が設置された小さいグラウンドが見えた。
「ここは学校なのかな」
室内の雰囲気――黒板や机、掲示物――からして外を見なくても学校であろうとは分かってはいたが。
ガラッ
「?」
突然教室の戸が開かれる。
一見すると雌と見紛うような容姿の青い竜の少年が現れた。
その手には非常に物騒な物が持たれている――PPSh41短機関銃。
竜の少年はその銃口をいきなり、守治に向けた。
「!?」
ダァン!
「うわあ!?」
銃声が教室内に響き守治の背後の窓ガラスが一枚砕けた。
「まっ、待って待って待ってちょっと、やめて!」
ダァン! ダァン!
「ひい!?」

25 :
少年は守治の言葉に全く耳を傾けようとしない。
「何だよこれ、サブマシンガンじゃないの? 弾が一発ずつしか出ないじゃないか……」
少年は何やら短機関銃に対し不満を言い始める。
視線が守治からずれる、好機だと守治は思った。
手近の机の上に置いてあった鉛筆削り、それを手に取り、少年に向けて全力で投げ付けた。
「があ!!」
悲痛な叫びをあげる少年。
鉛筆削りは見事に竜少年の頭部に命中し、彼は突然の激痛に頭を押さえ痛がる。
その様子に多少罪悪感を感じつつも、守治は窓を開けてグラウンドに飛び出した。
「ま、てぇえええええぇ!! にげるな! にげるなぁあ!!」
背後から聞こえる涙声の絶叫。
それを振り払うように守治は全力で走った。
「あうああ……えぐっ、えぐ……いたいよぉ……」
泣き始める竜少年――大谷裕次郎。
彼もまた一度殺し合いに巻き込まれ、命を落とした「殺し合い経験者」の一人である。
「どうして、どうしてどうして。
どうしてみんな僕を虐めるの……僕が何かしたの……」
普段の生活で雌に似た容姿、しかも同世代の少年より一回り以上も大きい陰部を持つ裕次郎は、
学校で性的な虐めを受け続けていた。
その上「以前の殺し合い」でも最初に遭遇したレオポルトなる茶色のR雄人狼に、
性的な意味で弄ばれ、最後には殺害された。
そして、気が付けば再び殺し合い、その上、名簿には「レオポルト」の名前と写真もあった。
幼いとも言える少年の精神を参らせるには十分過ぎる、過酷では済まされない経験。
彼に、自分の命を奪った銃と同じ物が支給されたのは運命の悪戯だろうか。
「ああ、あああ、もういいよ、いいよ、みんな僕の事虐めるんなら、僕の事酷い目に遭わせるのなら、
僕だってやられっ放しじゃないよ、そうだよ……やられる前にやっちゃえば……」
僅かに裕次郎の表情に笑みが浮かぶ。
その笑みは明らかに正気のそれでは無かった。
裕次郎はPPSh41を装備し直すと、次の獲物を捜すため廊下に出た。
「……あ、これ弄れば連発になるんだ」
そして、PPSh41のセレクターにようやく気付いた。

【早朝/D-4分校内部】
【大谷裕次郎@俺得バトルロワイアル5th】
[状態]精神崩壊寸前
[持物]基本支給品一式、短機関銃:USSR PPSh41(残弾68/71 予備ドラムマガジン3個)
[行動]やられる前にやる。
[備考]原作死亡後からの参戦。比良坂守治の姿のみ記憶。

26 :
◆◆◆

守治と裕次郎のやり取りを見てそそくさと校舎の裏から森へ逃げる参加者がいた。
灰色の猫獣人の少女、長谷川春香。
(サブマシンガン持っててしかもやる気になってる奴とは、関わりたく無いわ)
後ろを気にしつつ森の中を進む。
(ああでも、まさか生き返れるなんて……こんな事ってあるんだね。
前はゲームに乗ったけど……今回は……どうしようかな)
森の中を歩きながら、春香は「今回の殺し合い」における自分のスタンスを何にしようか考える。

【早朝/D-4分校裏手の森】
【長谷川春香@俺得バトルロワイアル5th】
[状態]健康
[持物]基本支給品一式、???
[行動]この殺し合いでどう動こう。
[備考]原作死亡後からの参戦。比良坂守治、大谷裕次郎の姿のみ記憶。

◆◆◆

雌の人狼、アルシオーネはとある民家の居間で寛いでいた。
「正人がいるのねぇ……うーん、後で捜そう……ちょっと頭の整理しないと」
畳の上に寝そべり天井を見詰めながらアルシオーネは思考を巡らす。
自分は死んだ筈――この殺し合いに呼ばれている自分の知り合い、下村正人も。
「以前の殺し合い」の中において、アルシオーネは下村正人なる青年とR行動を共にし、
そして二人共々殺害された。
その下手人をアルシオーネは道連れにしたがそいつはこの殺し合いにはいないようだった。
「あの稲垣葉月とレックス……だっけ。あいつらが生き返らせたって事?
いや、レックスはともかく葉月は普通の人間っぽかったし……。
それに……うーん……」
思考を巡らせるアルシオーネ。
その時玄関の方から音が。
玄関扉が開く音に間違い無かった。
「! 隠れよ……」
部屋の中の押入に、アルシオーネは身を潜めた。
少しだけ隙間を開けて様子を窺う。
程無くして水色と白の毛皮を持った獣竜の青年が居間に入ってきた。

27 :
「はぁ…はぁ…」
竜青年は息を切らし、少し疲れているようだ。
卓袱台の前に座り、一息ついている。
(…危険人物なのかそうでないのか…今は判断出来ないなぁ。もうちょっと、様子を見よう……)
アルシオーネはしばらく竜青年の動向を窺う事にした。
すぐ近くに参加者が隠れている事など露知らず、竜青年、比良坂守治は走って乱れた呼吸を整えていた。

【早朝/D-4分校周辺の民家・池崎家】
【アルシオーネ@エクストリーム俺オリロワ】
[状態]健康
[持物]基本支給品一式、???
[行動]正人を捜す。竜青年(比良坂守治)の様子を窺う。
[備考]原作死亡後からの参戦。居間の押し入れに隠れている。
【比良坂守治@俺のオリキャラでバトルロワイアル2nd】
[状態]健康
[持物]基本支給品一式、薪割り斧
[行動]浅井きらら、浅井政喜を捜す。殺し合いはする気は無い。
[備考]原作死亡後からの参戦。居間にいるがアルシオーネには気付いていない。大谷裕次郎の姿のみ記憶。

28 :
投下終了です。思ったより長くなったな…。

29 :
新ロワ始めたいと思います。
ロワ名は 超学生級のバトルロワイアル です
ではOP投下します

30 :
 気付けば、皆その場にいた。
 その場に集うは超学生級の子ども達。
 常人を超えた才能を有する、まさに日本の未来を担うにふさわしい子ども達。
 その子ども達は、気付いた時にはそこにいた。
 そこは始まりの場。
 これより開催される【絶望】の宴の、始まりの場。
「うぷぷ〜、みんな目が覚めたかなあ?」
 それは馬鹿みたいに明るい声であった。
 集まる人々を尻目に唐突に現れた存在。
 身体の右半分が白色で左半分が黒色の、大きな熊のぬいぐるみ。
 そのぬいぐるみが、動いていた。
 それがさも当然のように動き、喋っている。
 まず最初に人々は言葉を失い、身体を固める。
 次いでざわざわとした小声が波のように広がっていく。
 ぬいぐるみが喋って、動いている。
 常識離れの光景に、超学生級の集団は驚きの感情と共に騒ぎ始めていた。
「おはようございます。ぼくモノクマです。これから始まるゲームのゲームマスターだよ」
 モノクマと名乗ったそれが放ったゲームという言葉。
 その言葉に、参加者の内の一部が表情を変える。
 この異常事態にあって尚、冷静さを貫く者は既に事態の把握に努めていた。
「さて突然だけど、ここでモノクマから重大発表〜!」
 モノクマに向けられる視線は多様なものであった。
 驚愕、恐怖、怒り、羨望……数多の感情をはらんだ視線を受けて、その人形は稼働を続ける。

「これからここに集まった【超学生級の生徒】の皆さんには、コロシアイをしてもらいま〜す!」

 そして、言い放った。
 絶望の言葉を。
 全ての始まりとなる言葉を。
 告げた。
 人々は、今度こそ言葉を失った。

31 :
「皆には今からとある島にいってもらいます。そこで最後の一人となるまでコロシアイをしてもらい、生き残った優秀な【超学生級】の生徒だけが元の世界に戻れるのです」
 気味が悪いほどの静寂の中、一人楽しげに口を動かす人形。
 その明るい口調と話の中身とのギャップに、人々は寒気すら感じていた。
 コロシアイ。
 言葉の意味する事は分れど、あまりに唐突で非現実的な発現だ。
 受け入れろという方が遥かに無理のある話であった。
「各々の【超学生級】の才能を使うも良し、配布されるアイテムを使用するも良し、どんな卑怯で残酷な手を使うのも良し……とにかく他の参加者をぶっ殺し尽くして、生き残って下さ〜い。
 ……まあ、細かいルールはこれから配布するしおりの中に記載されてるから、各自確認しておくように。知らない間にルール違反をしていて罰ゲーム―――なんて事になっても知らないからね。
 そ・れ・と! 皆さんが円滑にコロシアイができるように、参加者名簿を作成させていただきました! 名簿には皆さんの名前と顔写真、それと【超学生級の才能】が書かれているからね〜!
 あうう、僕って親切なクマだなあ……」
 だが、事態についていけない人々を置き去りにして、モノクマは語りを続ける。
 呆然自失にある【超学生級】の面々の、その様子すら楽しんでいるかのようであった。
「【超学生級】の皆の手で行われるコロシアイ……うぷぷ、わっくわくのどっきどきだね〜♪」
 誰も、何も分からない中で、そのゲームは始まろうとしていた。
 全てが理解不能の中で、そのゲームは始まろうとしていた。
 指針はない。道しるべはない。
 ただ混乱の中で開始される、コロシアイ。
 誰も声をあげない。
 ただ沈黙の中で場は流れ、全てが始まる。

「では、皆コロシアイの世界に、レッツゴー!!」

 絶望のコロシアイが、始まる―――。


 ――――【超学生級】のバトルロワイアル 開催
  

32 :
『超学生級』のバトルロワイアル・参加者名簿

【ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】10/10
○苗木誠/○霧切響子/○舞園さやか/○十神白夜/○腐川冬子/○朝比奈葵/○大神さくら/○大和田紋土/○不二咲千尋/○戦刃むくろ
【スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園】7/7
○日向創/○七海千秋/○狛枝凪斗/○九頭竜冬彦/○辺古山ペコ/○罪木蜜柑/○田中眼蛇夢
【ストライクウイッチーズ】3/3
○宮藤芳佳/○リーネ・ビショップ/○ペリーヌ・クロステルマン
【絶対可憐チルドレン】3/3
○明石薫/○野上葵/○三宮紫穂
【とある魔術の禁書目録】3/3
○上条当麻/○一方通行/○御坂美琴
【魔法少女リリカルなのはA's】3/3
○高町なのは/○フェイト・T・ハラオウン/○八神はやて
【機動戦士ガンダム】2/2
○アムロ・レイ/○ララァ・スン
【機動戦士ガンダムW】2/2
○ヒイロ・ユイ/○リリーナ・ピースクラフト
【機動戦士クロスボーン・ガンダム】2/2
○トビア・アロナクス/○ベルナデッド・ブリティエ
【機動戦士ガンダムSEED】2/2
○キラ・ヤマト/○ラクス・クライン
【コードギアス 反逆のルルーシュR2】2/2
○ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア/○枢木スザク
【今日から俺は!!】2/2
○三橋貴志/○伊藤真司
【咲-saki-】2/2
○宮永咲/○宮永照
【ジョジョの奇妙な冒険】2/2
○空条承太郎/○東方仗助
【天元突破グレンラガン】2/2
○シモン/○カミナ
【魔法少女まどか☆マギカ】2/2
○鹿目まどか/○暁美ほむら
【アカギ 〜闇に降り立った天才〜】1/1
○赤木しげる
【GS美神極楽大作戦!!】1/1
○横島忠夫
【GANTZ】1/1
○玄野計
【頭文字D】1/1
○藤原拓海
【寄生獣】1/1
○泉新一
【機動戦士ガンダムOO】1/1
○刹那・F・セイエイ
【喧嘩商売】1/1
○佐藤十兵衛
【斉木楠雄のΨ難】1/1
○斉木楠雄
【最終兵器彼女】1/1
○ちせ
【範馬刃牙】1/1
○範馬刃牙
【魔界探偵脳噛ネウロ】1/1
○桂木弥子
60/60

33 :
【超学生級の才能つき参加者名簿(作品別)】
【ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】10/10
【超高校級の幸運】 苗木誠
【超高校級の探偵】 霧切響子
【超高校級のアイドル】 舞薗さやか
【超高校級の御曹司】 十神白夜
【超高校級の文学少女】 腐川冬子
【超高校級のスイマー】 朝比奈葵
【超高校級の格闘家】 大神さくら
【超高校級の暴走族】 大和田紋土
【超高校級のプログラマー】 不二咲千尋
【超高校級の軍人】 戦刃むくろ

【スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園】7/7
【超高校級の???】 日向創
【超高校級のゲーマー】 七海千秋
【超高校級の幸運】 狛枝凪斗
【超高校級の極道】 九頭竜冬彦
【超高校級の剣道家】 辺古山ペコ
【超高校級の保健委員】 罪木蜜柑
【超高校級の飼育係】 田中眼蛇夢

【ストライクウイッチーズ】3/3
【超中学級のウィッチ】 宮藤芳佳
【超中学級の狙撃手】 リーネ・ビショップ
【超中学級の貴族】 ペリーヌ・クロステルマン
【絶対可憐チルドレン】3/3
【超中学級の超能力者】○明石薫
【超中学級の超能力者】○野上葵
【超中学級の超能力者】○三宮紫穂
【とある魔術の禁書目録】3/3
【超高校級の不幸】 上条当麻
【超高校級の超能力者】 一方通行
【超中学級の超能力者】 御坂美琴
【魔法少女リリカルなのはA's】3/3
【超小学級の魔導師】 高町なのは
【超小学級の魔導師】 フェイト・T・ハラオウン
【超小学級の魔導師】 八神はやて
【機動戦士ガンダム】2/2
【超中学級のパイロット】 アムロ・レイ
【超高校級のニュータイプ】 ララァ・スン
【機動戦士ガンダムW】2/2
【超中学級のエージェント】 ヒイロ・ユイ
【超高校級の王女】 リリーナ・ピースクラフト
【機動戦士クロスボーン・ガンダム】2/2
【超高校級の宇宙海賊】 トビア・アロナクス
【超高校級の王女】 ベルナデッド・ブリティエ
【機動戦士ガンダムSEED】2/2
【超高校級のコーディネーター】 キラ・ヤマト
【超高校級の歌姫】 ラクス・クライン

34 :
【コードギアス 反逆のルルーシュR2】2/2
【超高校級の革命家】 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア
【超高校級のパイロット】 枢木スザク
【今日から俺は!!】2/2
【超高校級の不良】 三橋貴志
【超高校級の不良】 伊藤真司
【咲-saki-】2/2
【超高校級の麻雀打ち】 宮永咲
【超高校級の麻雀打ち】 宮永照
【ジョジョの奇妙な冒険】2/2
【超高校級のスタンド使い】 空条承太郎
【超高校級のスタンド使い】 東方仗助
【天元突破グレンラガン】2/2
【超高校級のアニキ】 シモン
【超高校級の穴掘り】 カミナ
【魔法少女まどか☆マギカ】2/2
【超中学級の魔法少女】 鹿目まどか
【超中学級の魔法少女】 暁美ほむら
【アカギ 〜闇に降り立った天才〜】1/1
【超高校級のギャンブラー】 赤木しげる
【GS美神極楽大作戦!!】1/1
【超高校級のゴーストスイーパー】 横島忠夫
【GANTZ】1/1
【超高校級の昼行灯】 玄野計
【頭文字D】1/1
【超高校級の走り屋】 藤原拓海
【寄生獣】1/1
【超高校級の『宿主』】 泉新一
【機動戦士ガンダムOO】1/1
【超中学級のレジスタンス】 刹那・F・セイエイ
【喧嘩商売】1/1
【超高校級の喧嘩屋】 佐藤十兵衛
【斉木楠雄のΨ難】1/1
【超高校級の超能力者】斉木楠雄
【最終兵器彼女】1/1
【超高校級の最終兵器】ちせ
【範馬刃牙】1/1
【超高校級の格闘家】 範馬刃牙
【魔界探偵脳噛ネウロ】1/1
【超高校級の探偵】 桂木弥子
60/60

35 :
OPアンド参加者紹介は以上です。
超高校級の才能についてはこじ付け的なところもあるので適当にスルーしてやって下さい

36 :
新ロワ投下します

37 :
『特殊防衛軍隊バトルロワイアル』
12/12
○鳳雅
○神楽坂昴
○霧埜夏凛
○クレティア・ルートヒルド
○関ヶ原十三
○蘇我明仁
○千鎖眞衣
○外草稔
○二宮梨華
○野村儀人
○ミュー・ティオン・ルーンティーク
○八木橋哲二
主催進行/高柳泰我

38 :
チュンチュン、と美しい雀の鳴き声が朝の日差しを彩っている。
願わくばもっと気の利いた場所で、好きなひととこの時間を共有したり、そういう少女らしいことをしてみたい。
簡素な部屋の中で椅子に凭れたまま起床の時を迎えた少女は、未だ覚醒しない意識でそんなことを思う。
そんな願いが叶うことないと分かっていても願わずにはいられない、そのあたり彼女はまだ少女だった。
幾度の戦場を越えて人外を物言わぬ屍に変え、死線だって踏み越えた回数は両手足の指じゃとても足りない。
殺してきた相手もそろそろ三桁に届くのではないだろうか――それが生物学的に人間であるかどうかは別として。
厭な記憶を思い返しながら「うーんっ」と声を出して背伸びし、そしてまた二度寝の体勢に入ろうとする。
………しかし、彼女の眠りは最後まで遂げられることはなかった。
ドンドンドン! と、それこそ鉛の弾丸で扉を撃っているのかと思うぐらいの轟音に微睡みを妨げられたのだ。
間抜けな声を出して床に尻餅をつく姿はまさか、幾多の戦場を乗り越えた戦士には見えないだろう。
布団に入ってすらいなかったので何だか体が痛んだが、あと五秒応答しなかったら本当にヤバい。
手榴弾の破片を全部避けろとか、頭のおかしい訓練を押し付けられそうだ。
まずいまずい! と急いで部屋の鍵を開けると、案の定そこには鬼の形相の教官・高柳泰我の姿が。

「……あ、あはは……おはようございます」
「たわけ者ッ! 今日は大事な演習を行うと行っておいたろうが!!」

む。そういえばそんな話もしていたような――いやいやいや、間違いなくしていた! 今思い出した!
あまりにも夕食のカレーライスが不味すぎて聞いてなかったけど――慌てて意味のない奇声を上げる彼女に、高柳は怒鳴る。

「全く貴様は、特級軍人の自覚が足りぬと常日頃から言っているだろう! ……いや、今日はここまでにしておく。我輩も少々忙しいのだーーー『プログラム』の最終準備を整えておかねばならないからな。
まぁいい、とにかく朝飯を食ってすぐに視聴覚室に向かえ。今日ばかりは、遅刻は許されんぞ」

あれ? と少女は少し拍子抜けに思う。
口喧しく古臭い性格で嫌われているあの高柳泰我が、十八番の説教をこんな半端で切るとは思えなかったのだ。
もちろん嫌な説教を聞かないに越したことはないのだが、こればかりはどうしても引っ掛かるものがあった。
それに、『プログラム』の単語を口にする瞬間に、どことなく堅物の口元が歪んでいたようにも見えた。
バタン、と音を立ててドアが閉まり、個室には少女だけが残った。

「どうしたんだ一体……あ、やば。どっちにしろ急がなきゃ」

彼女の名前は、霧埜夏凛。
『特殊防衛軍隊』が誇る突撃兵にして、誰よりも仲間たちを想っている女子高生だった少女。
ほんの少し人と違っていたがためだけに、彼女は普通に生きられなくなった。
『此処』には―――そういった異常者ばかりが集わされ、『敵(エネミー)』の殲滅を強制されるのだ。
それが、特殊防衛軍隊である。

39 :
◇◇

西暦2020年。
これ以上ないバブル経済に見舞われた世界中で、とある医療が大流行した。
十年ほど前の不景気が跡形もなく消し去られて浮き足だった世間に、それを非人道的であると咎める者はいなかった。
時代の変化は、人々の価値観までもを大きく変貌させてしまったのだ。
自分の子供が普通であることが許せない、まして誰かに劣っているなんて生きている意味がない。
誰よりも愛する我が子を特別であらせようとし続けた親達を見かね、ある科学者は一つのプロジェクトを立ち上げたのだ。
『超能力開発プログラム』―――後に空前絶後の大騒動を巻き起こすそれであるとは知らずに、彼らはそれを開発した。
夢物語とされていた超能力の実現は僅か二年で達成され、世界の道理を根底から覆した。
しかし彼らの考案した『超能力の開発』の手段とは、孕んだ胎児にある特殊電波を浴びせるというもの。
マウスに実験したところ、聴力を二倍以上に跳ね上げる効果があったという未知のそれをいきなり人間に使用する試みは見事に成功し、超能力者は決して特別な存在ではなくなった。
――順調なのはそこまでだった。
プログラム受験者の八割以上が、生後十年もしない内に謎の脳出血を起こし死亡する、そんな事態が発生したのだ。
おかげで少子化が急速に進行、開発者は捕らえられ大罪人として処刑・投獄され、今もなお裁判は続いている。
バブル経済の崩壊までは引き起こさずとも、僅かな罅を入れるには十分すぎる事件となった。
一度綻んだ衣服は、自然には直らない。
それと同じく、世界は芋づる式に壊れていき、ついにある日決定的な事件が起きる。

――――そう、『エネミー』の襲来である。

彼らは人間の姿をしていながら、翼や獣の耳を持った文字通りのエネミーだった。
人らしい心を持っていても、その思想は全てが地球の制圧に向けられる。
戦闘機の機銃を片腕で弾き、一発で高層ビルを塵に変えるハンドガンを持った彼らの勢力が地球を支配するのに、そう時間はかからなかった。
そんな中、牢獄の中の『超能力開発プログラム』首謀者が語ったのだ。

「僕の作った超能力者を使えば、計算上奴らに99パーセント勝てる」

大罪人とはいえ、彼の頭脳と実績は本物。
藁にもすがりたい世界のお偉い方は彼の理論を取り入れ、世間に持て余された『二割』を全力でかき集めた。
最強無敵のエネミーに土を付ける唯一の可能性、超能力者の子供たち。
その人数総勢120人――その強大な戦力を世界中に割り振ったのが、『特殊防衛軍隊』。
彼らを導入してから戦況は僅かに人間側に傾き、いよいよエネミー共との大戦争は終結へ向かおうとしているのであった。
最年長で18歳、最年少で15歳の少年少女、忌み子と呼ばれた彼らによって世界は救われる。

―――しかし、その終わりに楔を打ち込むものが、現れるのであった―――

40 :
◇◇

壁時計の針は丁度正午を指している。
ごーんごーんと鐘が鳴り響く頃、霧埜夏凛は滑り込みで視聴覚室に入った。
既に仲間は集っており、また遅刻かよ、と誰かが溜め息を漏らしたのを聞いた。
だが、どうも彼らの中にも誰一人として、これから何が始まるのかを知る者はいないようだ。
夏凛の一番気になっていることを教えてくれる人がいないこと。そんな些細が、どうしても不安で仕方なかった。
―――あるいは、彼女は第六感のようなもので悟っていたのかもしれない。
高柳泰我の発表する『プログラム』が、彼女たちの誰一人として予想しなかったものであると。
エネミーだの何だの、それが些細なことに思えるような絶望の演習が始まることを。

「おう、揃ってるな貴様ら」

夏凛が席に着いてから一息吐く間もなく、高柳がドアを勢いよく開け放って入室した。
その後ろを着いていくように入ってきたのは、高柳と対称的な性格の若い美人教官・若林美沙だ。
少々特徴的なボサボサ髪からは想像もできないほど、彼女はお人好しで愛嬌のある性格をしている。
高柳との仲も良好だそうだが、本人はあれを恋愛対象に見ることはできないらしい。

「………」

だからこそ、その彼女が虚ろな瞳で、首に鉄製の輪っかを填めている意味がまるで分からない。
いつもの快活な姿からは想像もできない弱り方に、いくらなんでもざわめきが起こる。

「静かにせよ! 若林教官にはこれから大事な役を担ってもらうのだ――断じて貴様らには関係ない!」

怒鳴り付ける高柳の姿が、ここまで胡散臭く見えたことがかつてあっただろうか。
あの堅物教官が婦女暴行を働くとは到底思えないのだが、どう見ても若林の様子は異様だ。
否応なしに少年少女の不安を掻き立てておきながら、高柳は意にも介さずに背後の黒板を握り拳を作り、叩いた。

「まずは問おう。貴様らは、この現状に満足しているか? 世界が本当に正しいと思うか?」

――らしくない。
彼女らの知る高柳泰我は、こういう既存の常識に楯突くのが大嫌いな人物だった筈だ。
しかもこんな抽象的な質問の仕方を選ぶ時点で、彼らしさなど皆無であった。
もう偽者であると考えた方がまだ真実味がある、それぐらいには気持ち悪い。

「我輩は否だ。世界は間違っている――エネミーを殲滅することでは、何一つとして世界は良い方向には進まない! 彼らの下にあってこそ輝く、それこそが人類にとって最高の未来であるとは思わんかね!?」

それこそ、問題発言にも程があることを、かの鬼教官は平然と言い放つ。
だがこればかりは、断じて看過できる言葉ではなかった。
エネミーの働いた行為がもたらした被害を見てきたなら、到底語れる筈のない思想だと思う。
もしも公になれば間違いなく首が飛ぶだろう。
ざわめきが大きくなり、僅かではあるが怒りの声まで混じり出す。
「ふん、やはり古き思想に毒された餓鬼共か。まあいい、今日行って貰う演習は、演習であって演習ではない。実戦だ」
高柳は赤いチョークを取り出すと、黒板に大きく四文字の単語を書き綴った。
それは霧埜夏凛たちが何度も行ってきた行為で、それでいて最も忌み嫌う行為であった。

41 :
「殺し合い……演習を生きて終えられるのはただ一人、他の全てを殺し尽くした者だけが生き延びられる」

―――もう、ざわめきすら起きることはなかった。
圧倒的な静寂だけが視聴覚室を支配し、高柳の邪悪な笑顔が凍った空気を極彩色に彩っているようでさえある。
到底信じがたい話だとは思うのだが、相手はかの鬼教官・高柳泰我。
夏凛の頭の中が空っぽになって、しかし正直に高柳の語る話だけは脳にしっかりと通してゆく。

「制限時間は存在しない。ただし、演習が停滞しているとこちらが認識次第貴様ら全員を即座に『制裁』として殺害する。
贔屓をして貰えると思うな。この演習において命は等しくゴミクズで、踏みにじられるべき安物だ。
生き延びるのは高貴なる命だけで良い。それ以外は―――無価値に散るが良いわ」

この時、高柳以外の全員が、高柳泰我という人間に対しての認識を改めることになった。
この男は、狂っているのだ。
ひとつの思想に熱狂するあまり化け物じみたことを平気で行う、行きすぎたストイック精神の持ち主。
もはや疑うこともなく、奇妙なほど自然に全員がそれを受け入れてしまっていた。
彼らは本能的に、高柳の異常性を共に過ごす上で気付いていたのかもしれない。

「ゲーム開始時刻はこれより十二時間後、午前零時からだ。それまで貴様達の意識は奪わせてもらう。その間に然るべき準備を整えて、我々が用意した会場へ連れていく――が、もうひとつやっておかなければならないことがあるな」

高柳はそう言うと、スーツのポケットから携帯端末のような物体を取り出した。
何かの操作を行ったかと思えば、若林の首に巻かれた首輪が赤いランプを点滅させ、連続して甲高い音を鳴らす。

「我輩の『プログラム』への反逆者、最低限のルールさえ守れない愚か者には、死をくれてやる」

ボガンッ!!! と、激しい一発の爆発音が静寂を切り裂いた。
ごろん。床に転がった黒焦げのボールが何であるかなど、もう誰の目から見ても明らかなものであったろう。
爆発の熱で顔面は判別できないほどになっていたが、遅れて倒れた首から上をなくした女の亡骸が、その正体が何であるかを物語っている。
真っ黒いボールの正体―――若林美沙の、生首だった。
首にあった筈の首輪は跡形もなくなっており、あれが若林の生命を断ったのだと彼らに理解させる。

「貴様らにも後々取り付けるものだ――元は対エネミー用に作られた物なのだがな。少なくとも、能力の有無を問わず対象を爆殺できるくらいの破壊力はある。人間である貴様らへの効果は尚更高くなるだろう」

こんなにも近くに死を感じる。
もう慣れたはずのその感覚が、どうしてだか今はとても恐ろしかった。
そして思う。死にたくない。生きていたい。幸せでなくてもいいから、まだこの世界を見ていたい。

42 :
「説明は以上だ。次に顔を合わせるのは演習終了後だろうが、精々頑張って殺し合え」

高柳が静かに視聴覚室から出ていくなり、天井の火災報知器が白煙を吹き出した。
もちろんそれは火災報知器などではなく、催眠ガスを放出するトラップの一種である。
優に教室一つを眠りの園に変えられる威力はあるそれは、鍛えられた少年少女の意識を余すところなく刈り取った。
薄れ行く意識の中で霧埜夏凛が聞いたのは、邪悪な――高柳泰我の笑い声だった。

◇◇

「さて」

スーツの男性、高柳泰我は意識を手放した少年少女の転がる部屋で一人ごちた。
彼らが思ったように、高柳は異常者である。
自分の狂信するものに関しては度を過ぎた真似をすることもいとわない、たとえそれが虐殺であったとしても。

「これで良いのだな?」

その言葉が誰に向けられたものだったのかは、誰にも分からない。


『特殊防衛軍隊バトルロワイアル 演習開始』

投下終了です。
これから何卒よろしくお願いしたい所存です

43 :
新ロワが一気に二つも…期待
投下します

44 :
2:完成度たけーなオイこの石碑
「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃない、完成度たけーなオイ」
人狐の雌、費覧は海辺に建てられた石碑を見てそう言った。
その石碑は根元に二つの丸型の御影石、そしてその二つに挟まれる形で一本の先端が膨らんだ御影石が建てられている。
それはさながら―――――
「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃないか、完成度たけーなオイ」
費覧の背後から似たフレーズを言う者が現れる。
翼を持った人狼のような魔獣の青年。
「そのネタを知ってるなんて、あなたも銀魂読んでるの?」
「結構ね。面白いよねあれ」
「ははは…私は費覧」
「俺はマティアス……全く大変だねぇ、殺し合いなんて……」
「そうね、でも……初めてじゃないよ」
「まあ、俺もね……」
そこまで会話した所で互いに無言になり見詰め合う。
互いに殺気が倍々ゲームで増して行く。
先に動いたのは費覧だった。
右手を振り被り鋭利な爪でマティアスに襲い掛かった。
その斬撃を軽く後ろにステップして避けるマティアス。
「やる気になってるねぇ?」
「今更、殺し合い拒否する理由も、無いからね!」
「そうか……クククッ、じゃあ、死合おうか!」
マティアスもまた、牙を剥き出して費覧に襲い掛かる。
爪のよる斬撃、殴り、蹴り、噛み付き。
まさしく獣の如き戦い。
瞬く間に双方傷だらけ、血塗れになる。
そして、マティアスの牙が費覧の喉笛を捉えた。
地面に押し倒し、そのまま費覧の喉笛を食い千切ろうとするマティアス。
血液が噴き出し費覧の毛皮や地面を赤く染めて行く。
流石に不味いと費覧は思う。
何とかして状況を打開出来ないかと、痛みに耐えながら考える。
そして、マティアスの股間の方に手をやる。

45 :
「グッ!?」
マティアスがくぐもった声を出す。
費覧の右手は、マティアスの股間にぶら下がっていた袋を握っていた。
そして費覧は、その袋を思い切り握り締める。
「!! アッ、ガッ、ガッ、アッ、アッ」
雄として最大級の痛みがマティアスを襲う。
思わず費覧の喉笛から口を離し、間抜けな声をあげて苦しみ出した。
「やっぱりオスはここ、弱いのねぇ。ここだけは鍛えようが無いもんね」
「いぎっ、ぎ……油断、した……」
「油断大敵とは、良く言ったものよね!」
今度は費覧がマティアスの喉笛に食らい付く。
雄の急所を攻められたままのマティアスは上手く抵抗する事も出来ず、
あっさり喉笛を食い千切られる。
鮮血が勢い良く噴き出す。
マティアスは喉元を押さえ卒倒した。
(早いな、俺はもう終わるか……自分でも、これは間抜けていると……思う、けど……)
股間を握り潰されて、それが遠因となり死亡。
「以前の殺し合い」と比べてもかなり恥ずかしい死に方だと、薄れ行く意識の中でマティアスは思った。
「ふぅ……痛……結構傷負ったなぁ」
身体中の傷を気にしつつ、費覧はマティアスのデイパックを漁り始める。
すると銃身と銃床が切り詰められた水平二連式の散弾銃と予備のショットシェルが出てきた。
所謂「ソードオフショットガン」と言う物だ。
「これ使われてたら流石にやばかった……私の支給品、催涙スプレーだったし、貰っておこう」
費覧はソードオフショットガンと予備弾を喜んで入手した。

46 :
「さてと……傷は放っておけばある程度は治るし……章高でも捜しに行こうか」
この殺し合いにも呼ばれており、「以前の殺し合い」で殺害し、殺害された知人を捜すべく、
費覧は歩き始める。

【マティアス@俺得バトルロワイアル3rd  死亡】
【残り89人】

【早朝/G-4東の石碑付近】
【費覧@個人趣味バトルロワイアル】
[状態]全身に傷、血塗れ(治癒中)
[持物]基本支給品一式、散弾銃:ソードオフショットガン(残弾2/2 予備12ゲージショットシェル10発)、催涙スプレー
[行動]章高を捜す。他参加者は遭遇次第始末するつもり。
[備考]原作死亡後からの参戦。マティアスの名前と容姿を記憶。

投下終了です

47 :
投下します。

48 :
3:僕らが勘違いしたアイデンティティーは
平田洋明は自分が目の当たりにしている光景が信じられなかった。
自分が死んだ筈なのに生き返っている事にも、再び殺し合いに巻き込まれている事も信じられなかったが、
それ以上に彼は自分が今見ているものが信じられない。
「フーッ! フーッ!」
「アッ、アッ……グッ!」
(な、何て事だ……)
墓場で、男と白馬が交わっていた。
男の尻に白馬がいきり立ったモノを突っ込み激しく腰を振っている。
男は苦しそうな呻き声を発しているが、気持ち良さそうだ。白馬も然り。
(こんな世界もあるんだな……)
自分の未知なる世界に遭遇し思わず感心してしまう洋明。
支給されたM39卵型手榴弾で爆殺しようとも考えたが、
余りに濃密な絡みに「邪魔してはいけない」と心のどこかから声が聞こえたような気がして、思い留まった。
(他を当たろう)
洋明は馬と男を放っておく事にした。
墓場の出口を目指し二人に気付かれないように歩き出す。
「ヒヒィイイーーーン!!」
「ああ、アッー!!」
背後から絶叫が聞こえた。
良く考えなくても、男と馬が絶頂を迎えた声だった。
「オッ、オーッ……滅茶苦茶出るぜぇ」
「ああ〜こいつは良い、ユージーン、このまま次のラウンド行けるか?」
「イけるぜ! 忠敏!」
男――倉持忠敏と白馬――ユージーンはそのまま次のラウンドへ進む。

49 :
【早朝/C-6墓場】
【平田洋明@エクストリーム俺オリロワ2nd】
[状態]少し動揺
[持物]基本支給品一式、M39卵型手榴弾(残り3個)
[行動]片桐さんを生き残らせ、ドーグラスや片桐さん以外の参加者はR。
[備考]原作死亡後からの参戦。倉持忠敏、ユージーンの容姿のみ記憶。
〜≪アッー! 馬と男コンビ≫〜
【倉持忠敏@俺得バトルロワイアル4th】
[状態]全裸、ユージーンと行為中
[持物]基本支給品一式、???
[行動]ユージーンとヤる。
[備考]原作死亡後からの参戦。平田洋明には気付いていない。
【ユージーン@エクストリーム俺オリロワ】
[状態]倉持忠敏と行為中
[持物]基本支給品一式、???
[行動]忠敏とヤる。
[備考]原作死亡後からの参戦。平田洋明には気付いていない。
〜〜〜〜〜〜

50 :
投下終了です。

51 :
投下します。

52 :
4:死の淵から這い上がっても待つのは死
緑竜、アーネストは失敗した、と後悔していた。
どうやら自分のスタート地点はRテルでは無く娼館らしい。
普通のRテルには無いようなマニアックな玩具や薬が置いてあった。
そして何気なく、香水かと思って開けた瓶が、かなり強力な催R剤だった。
股間のスリットから暴走した愚息が飛び出してどうにもならない。
「畜生、何でこんな……駄目だ、トイレ! トイレ!」
アーネストは備え付けのトイレへ駆け込んだ。
「……あっ、あっ、あーーーー」
閉め切られた扉の向こうから竜の青年の嬌声が響く。
◆◆◆
「……何でだ」
黒牙はやり場の無い怒りに震えていた。
自分のマスターであり最愛の相手である大木弓那共々殺し合いに巻き込まれ、
殺し合いに則るより限られた時間を二人で過ごす事を選び、そして共に海に飛び込んだ。
筈なのに、再び生を与えられ、再び殺し合いをさせられる。
そしてこの殺し合いにも弓那は呼ばれている。
出会った二人は再び引き裂かれたのだ。
「何でだよ……! ふざけんな、畜生!」
ガシャアアン!!
備え付けられていた鏡台の鏡に怒りの拳を打ち付ける黒牙。
砕けた鏡で右手の拳が切れ、血塗れになるが今の彼は痛みより怒りの方が勝っているようだ。
「稲垣葉月……?」
この殺し合いの主催の一人の名前を呟く。
確か「以前の殺し合い」でも同姓同名の名前が名簿にあった気がするが。
「……いや、同じ奴だとしても別にどうでも良い、稲垣葉月、レックス……!
俺はお前らを許さない……弓那を見付けて、この殺し合いを潰す……そしてお前らを、R!」
以前の殺し合いでは生き延びる事を諦めてしまった黒牙だが、
今回は前回とは違い、主催者への明確な殺意と、殺し合いへの憎悪があった。
絶対にこの殺し合いを潰して、弓那と共に今度は生きて帰る、と、黒牙は心に固く誓う。
相も変わらず特殊能力は使用出来ないようで、当面戦うには自分の爪牙か、
支給された小型自動拳銃グロック36を使うしか無いようだ。

53 :
「前のビデオテープより全然言いけど、銃なんて扱った事無いな……文句は言えないか」
銃は不慣れだったが心強い武器である事には変わり無い。
装備を整え黒牙は部屋の出口へと向かう。
しばらく廊下を歩いた所で突然前方の個室の扉が開く。
「……!?」
黒牙は息を飲む。
それは中高生と思しき青髪の少女だったが、血塗れだった。
腹の部分から夥しい量の出血をしているのが確認出来る。
その腹を左手で押さえていた。
「ゴフッ……」
少女が大量の血の塊を吐き出す。
そして黒牙に気付くと、黒牙に向かって右手を伸ばす。
「た、助け、て……」
バタ。
少女は倒れ、血溜まりを作って動かなくなった。
そして少女が出てきた個室の中から、今度は若い飛竜が出てくる。
その手には血塗れの短刀が握られていた。
「……その子は、君が殺したのか」
「……」
飛竜は黒牙の問いには答えず短刀を黒牙に突き付ける。
その双眸には強い決意の色が見えた。
「俺は黒牙、君は?」
「……萩野直重」
「……直重君、君は、殺し合いに乗っているようだな」
「……」
「生き残るためか? それとも誰かのためか」
「……っ」
「誰かのためか」と言う一節に、直重が僅かに反応する。
その僅かな変化を黒牙は見逃さなかった。

54 :
「後者か……それは君の大切な人か?」
「……あんたに関係無いだろ」
「確かに……でも、聞いて欲しい、俺も、この殺し合いに大切な人が呼ばれている」
「……」
「俺はこの殺し合いの前にも殺し合いをしていた……君も、か?」
「ああ」
「……そうか。俺は前の殺し合いで、その大切な人と出会う事が出来た。
でも、生き残れないと絶望して、二人で心中したんだ」
「……!」
「でもどう言う訳か生き返って、また殺し合いだ。
折角出会ったその人ともまた離れ離れになって今度は生きて会えるかどうかも分からない。
理不尽過ぎる、こんなの無い、と、憤慨したよ。畜生って、な」
「……」
「……だからこの殺し合いを潰して、絶対その人と生きて帰るって誓ったんだ。
君が大切な人のために殺し合いに乗ると言う、その考えは否定はしない。だけど……」
ここで、黒牙の放つ殺気が一気に高くなる。
急激な雰囲気の変化に直重はたじろいだ。
「……君が俺の大切な人に手を出す可能性があるなら、俺はここで君を止める」
「……!?」
つい数分前とはまるで別人のように、殺気が段違いに濃くなっていた。
直重は気付けば震えていた。
言わば「蛇に睨まれた蛙」の状態、本能的な恐怖、と言う奴だろうか。
「う、あ、あああぁああぁ!!」
気付いた時には直重は情けない叫びをあげて、その場から逃げ出していた。
「……」
もう直重はいない。
黒牙は殺気を引っ込め、息絶えた少女に近付く。
開いたままの目を閉じさせた。
そして、少女の持っているデイパックを漁る。
死者の荷物を漁るのはかなり気が引けるが、死者に荷物はいらない。
そして出てきたのはゴルフクラブ一本。
少女は支給品を出す暇も無く襲われたのだろうか。
持っている銃の銃弾が無くなった時の予備武器として貰う事にした。
その後、少女の死体を適当な部屋のベッドに寝かせてシーツを掛けて安置する。
「行こう……」
悠長に事を構えていては今度は弓那に会えぬまま死ぬか、死なれるかになるかもしれない。
黒牙は娼館の出口を探し始める。

【中根玲奈@美女と野獣のオリキャラでバトルロワイアル  死亡】
【残り88人】

55 :
【早朝/B-5娼館三階】
【黒牙@俺のオリキャラでバトルロワイアル】
[状態]右手に軽度の裂傷
[持物]基本支給品一式、自動拳銃:グロック36(残弾6/6 予備マガジン3個)、ゴルフクラブ
[行動]弓那と生きて帰る。そのために殺し合いを潰す。
[備考]原作死亡後からの参戦。萩野直重の名前と容姿を記憶。能力使用不可。

◆◆◆

「はあ、はあ、はあ……」
もうあの人狼の姿は無い、ここは娼館の一階エレベーターホールのようだ。
飛竜――萩野直重は乱れた呼吸を整える。
「あいつ……何なんだ……あの殺気、尋常じゃなかった」
直重は一度殺し合いを経験し、放送で姉貴分であり今回の殺し合いにもいる萩野美祐の名前を呼ばれ、
絶望し同行者の少女を強姦し殺害、その後自害した、と言う事を除けば普通の飛竜の少年である。
先程の黒牙のような、異様な殺気を放つ存在と対峙した事は無かった。以前の殺し合いでも。
「あんな奴がいるなんて、いやでも……美祐のために頑張るって決めたんだから」
前回の殺し合いでの経験から直重は殺し合いに抗っても無駄だと思うようになってしまった。
抗っても結局は絶望して死ぬだけ、ならば、最初から抗うような事はしない方が良い。
愛する人のために修羅になろうと直重は思った。
先刻は後れを取ってしまったが、今度こそ――――。
直重の死角から、紺色の狼が直重に飛び掛かり、その首に食らい付いた。
喉を食い千切る、と言う生易しい物では無く、直重の首そのものが千切れた。
鮮血がエレベーターホールを赤く染めた。
直重は何が起きたか分からなかったであろう。
紺色の狼――エルンストは血と肉片を吐き出し、直重が持っていた短刀――脇差を入手する。
「殺し合いなのにぼうっとするなんて、不用心だよ……一度、殺し合いを経験してる人ばかりじゃなかったかなぁ?
まあ良いか……マスターは、どこにいるのかな」
エルンストは血塗れの口を舌で舐めながら、マスター――神無月紗斗を捜すべく、その場を去った。

【萩野直重@俺得バトルロワイアル4th  死亡】
【残り87人】

56 :
【早朝/B-5娼館一階】
【黒牙@俺のオリキャラでバトルロワイアル】
[状態]健康
[持物]基本支給品一式、???、脇差
[行動]マスター(神無月紗斗)を捜す。出会った参加者は取り敢えず始末する。
[備考]原作死亡後からの参戦。

◆◆◆

「はぁ……はぁ……ああ……ん……いくらでも*精出来るぅ」
既に自分のいる娼館で二人の死者が出ている事など露知らず。
緑竜アーネストはトイレの中で催R剤の効果に悩まされ続けていた。

【早朝/B-5娼館二階】
【アーネスト@美女と野獣のオリキャラでバトルロワイアル】
[状態]催R状態
[持物]基本支給品一式、???
[行動]お*んぽきもちいいよおおおおおお!!
[備考]原作死亡後からの参戦。

57 :
投下終了です。

58 :
黒牙が二人いる事になってる>状態表
Wiki収録時に直そう

59 :
久しぶりですが、無鉄砲ロワ投下します。

60 :

 第13話 脱出

 【第一回放送前の話である】
 
 四人の男たちがいた。
 一人は胸の部分を大きく肌蹴たシャツを着た若者。
 一人は寺の住職のような恰好の鋭い目つきの爺さん。
 一人は仮面にマントと非常に怪しい格好の男。
 そして、もう一人は特に特徴が無い学生服の男。
「ったく、米国(アメリカ)行きの飛行機に乗っていたと思ったらなんでこんなことに……」
「それは災難じゃったのう、南次郎殿」
「ところで、アメリカには仕事か何かで行くのか?」
「おうよ、あっちにゃ、でけぇ夢が待ってるんだ」
 若者の名は『越前南次郎』。
 後のテニス界を震撼させる―――『サムライ南次郎』である。
「それでタクアンの爺さんは本当に戦国時代の人間なのか?」
「……そうじゃ」
「主催者には時を超える力でも持っているのか?」
 寺の住職のような恰好の名は『タクアン和尚』。
 彼は銃を用いた総合武術―――そう、GUN道を極めた武術の達人である。
「それで、アンタは何者だ、普通の人間には見えないが?」
「こう見えても、ビッグバンオーガニゼーションの総帥をしている」
「聞いたことない組織だ」
「具体的にはなにしてんだよ?」
「『世界征服』を狙っている」
「……何!?」
 この仮面にマントの男の名は『天野河大輝』。
 またの名を『ビッグバン』。
 日本トップクラスの実力を持つボーグバトラーだ。
「ほう、そいつはでけぇ夢だな」
「男はロマンを求めるものだ……君とはいい酒が呑めそうだ」
「では、景気づけに一杯呑むか?」
「いいだろう!」

61 :
 そして、南次郎とビッグバンはデイバックの中の酒を取り出し飲み始めた。
 ……まるで昔からの友人であるかのように。
「それで……え〜と……『キミ』は普通の高校生なのか?」
「(キ……キミ……!?)いや、こう見えても不良だ」
「ほう『主』は不良なのか?」
「(ぬ……主……!?)ああ、筋金入りのワルだ」
「と、なると『坊主』は……」
「おい、ちょっとまて!!」
「なんだ?」
「さっきからキミとか主とか坊主とか……俺にはちゃんと名前があるんだよ!!」
 この学生服の男の名は……。
「『北斗の子分』と名簿に書かれてるじゃろ?」
「確かにそう名簿にはそう書かれてるけどよ!
 俺にはちゃんと本名があってだな、いいかよく聞け、俺の名前はな……」
「そんなことよりも、ボーグバトルやろうぜ! ヒック……」
「なんでだよ!!」
「もし、私に勝つことが出来たら、その名前とやらを聞いてやろう!!」
「分かった……やればいいんだろ!!」
 理不尽な要求を突きつけるビッグバン。
 だって、彼はボーグバトラーであると同時にあのリュウセイさんの親父さんだから。
 流石、外道ボーグバトラーの親も外道ボーグバトラーと言った所である。
 それでも北斗の子分はその要求を飲み込んだ。
「ルールはチャージ三回、フリーエントリー、ノーオプションバトルだ!」
「……その前にボーグバトルってなんだよ?」
「知らないのであれば、私の不戦勝だな!!」
「おう、ビッグバンの旦那の勝ちだな」
「理不尽だな、おい!」
 だが、残念なことに北斗の子分はボーグバトルを知らなかった。
 近くにチャージ台とボーグフィールドがあったのに非常に残念だ。
「じゃあ、俺とここはテニスをだな、ヒック……」
「いつまでも酒呑んでるんじゃねぇ!!」
「ちょうど、ラケット二本あるしな!!」
 そう言って、南次郎が取り出しのはラケットと言って南次郎が取り出したのは……。
 二本の木の棒だった。(支給品)
「ただの木の棒じゃねぇかよ!!」
「んっ……ボールはどうするか? タクアンの爺さんとオッサン何かそれらしいものないか?」
「話聞けよ!!」
「少し待たれよ……」

62 :

 そういうとタクアン和尚とビッグバンはデイバックの中を漁り始めた。
「んっ、これは……」
「タクアンさん、どうした?」
「わしのデイバックの中にUFOが入ってたぞ!!」
「よし、乗り込むぞ、ヒック……」
「おうよ、ヒック……」
「……………(もう突っ込む気が起きねぇ……いや、待てよ)」
 
 タクアン和尚はデイバックの中からUFO(アダムスキー型)を取り出し、傍に置いた。
 そして、タクアン和尚、ビッグバン、南次郎の三人はUFOに乗り込んだ。
 ここで北斗の子分は一つの考えが浮かんだ。
(UFOの中だったら、ちゃんと話聞いて貰えるんじゃねぇか?
 よし、乗り込んでから俺の名前を聞いてもらおうじゃねえの!!)
 意を決して、北斗の子分がUFOに乗り込んだ! 
 
 その瞬間であった!!
『ブー!!』
「えっ?」
『残念デスガ重量オーバーデス』←UFO内のアナウンス。
「「「だ、そうだ」」」
「……そうか」
 そして、三人を乗せたUFOは亜光速を超え、この狂った殺し合いの開場から脱出した。
 ………なお、三人の首輪はタクアンが首輪の制御装置を破壊したために、起爆しなかったとさ。
「……そ、そりゃねぇよ」
【タクアン和尚@MUSASHI -GUN道- 脱出】
【天野河大輝@人造昆虫カブトボーグ V×V 脱出】
【越前南次郎@テニスの王子様 脱出】
※UFO@魁!!クロマティ高校に乗って会場の外に行きました。
【北斗の子分@魁!!クロマティ高校】
【状態】茫然
【服装】クロマティ高校の学ラン
【装備】木の棒@テニスの王子様
【道具】支給品一式、ランダム支給品(0〜3)
【思考】
基本:主催者にヤキを入れる
 1:主催者に名簿の名前を変えてもらう
 2:ちなみに俺の名前は―――

63 :


 ………

 ………………

 ………………………

 ――――ザクッ。

 肉が切れる音がした。
「えっ?」
 北斗の子分が気付いた時にはもう遅かった。
 自身の心臓のあたりに赤いオーラのようなものを纏った日本刀が突き刺さっていた。
 切り口から赤い血が流れていく。
 
 そこで北斗の子分のあまりにも短い人生は幕を閉じたのであった。
 
【北斗の子分@魁!!クロマティ高校 死亡】

「……気に入らんな」
 そう呟くと、漆黒のヴェールの老人が日本刀を子分の遺体から引き抜いた。
 いや、その老人は老人と例えるには語弊があるだろう。
 放たれる邪悪な威圧感。その姿、まさしく『冥王』。
 
「余が支配し、余が作り出した生物が全てを満たす……」
 子分が持っていたデイバックから支給品を取り出して、自信のデイバックに詰める。
  
「故に他の支配者などいらぬ!! 
 後悔するがいい、余にこのような振る舞いをした者たちよ!!!」
 『冥王グランドマスター』は一人、歩き出す。
 夜明けは近い。
 
【D―2 黎明】
【冥王グランドマスター@ストライダー飛竜シリーズ】
【状態】激昂
【服装】漆黒のヴェール
【装備】念剣・メイレツ@MUSASHI -GUN道-
【道具】支給品一式×2、ランダム支給品(0〜5)
【思考】
基本:主催者及び全ての参加者をR
【備考】
※参戦時期はストライダー飛竜本編後です。
※参加者名簿をまだ見ていません。

64 :
【支給品紹介】
 UFO@魁!!クロマティ高校
 一般的なアダムスキー型UFO。タクアン和尚に支給。
 木の棒@テニスの王子様
 一般的な木の棒。使いこなせれば石ころを使ってイノシシを撃退できるようになる。
 なお、二本セット。越前南次郎に支給。
 念剣・メイレツ@MUSASHI -GUN道-
 剣の達人、ロウニンの愛刀。冥王グランドマスターに支給。


65 :
投下終了です。

66 :
投下乙です。うん、カオス。
投下します。

67 :
4:僅かでも救いになる
大木弓那は廃墟のホテルの中を歩いていた。
廃業してかなりの年月が経っているのかホテルの中は酷く荒れていた。
恐らく人為的な破壊もあるだろうが、海が割と近いため潮風の影響もかなり大きいだろう。
四階で一匹の狼と出会う。
「あなたは殺し合いに乗っている?」
「……いや」
「本当?」
「本当だ」
「分かった、私は大木弓那」
「俺はセルゲイ・ルシコフ。セルゲイで良い。平沢まりなと言う少女を捜している。知ってるか?」
「いや……ごめん。私も、黒牙って言う黒と赤の人狼を捜してるんだけど」
「すまない、あんたがこの殺し合いで初めて会った参加者だ」
「そう……」
互いに捜し人がいると分かった所で二人は支給品を見せ合う。
弓那は千切れた電気コード、セルゲイは小型のリボルバー拳銃、チアッパ ライノ。
「俺は銃は扱えない」と、セルゲイは弓那にライノと予備弾を手渡した。
「ありがとう、セルゲイ」
「礼には及ばん」
「この廃墟、私達の他にも誰かいるかな? 一緒に見てみない?」
「そうだな……やる気になってる奴がいなければ良いが」
二人は一緒に廃ホテル内部を探索してみる事にした。
そして割とあっさり、他の参加者は発見出来た。
三階の客室の一つに、銀と白の狼がいたのだ。
接触を試みる二人だったが、その狼はどうも様子がおかしい。
「来ないでくれ、俺は、俺は誰とも組みたくない」
「せめて話だけでも……」
「うるさい! うるさい! 放っておいてくれッ!」
「なあ……」
「ガルルルルルルルッ!!」
全く話を聞こうとせず、遂には威嚇を始める始末。
何かに怯えているようにも見える。その両目には涙が浮かんでいた。
その様子を見て二人はますますこの狼を放っておけなくなる。
弓那は持っていた銃を床に放り、デイパックも同じく床に置いた。
セルゲイも然り。
「何もしないよ。本当に何もしない。ただあなたと話をしたいだけだから……お願い」
「……」
穏やかに、しかし真摯に語り掛ける弓那を見て、狼の表情が僅かに変わる。
そして、嗚咽混じりに語り始めた。
「……俺……俺……誰ともいちゃいけないんだよ……」
「……?」
「……どう言う、事だ?」
狼は震えながら、「以前の殺し合い」での出来事を弓那とセルゲイに話した。

68 :
――自殺しようとしていた所をとある少女に救われたがその少女をRし、何故か惚れられ、
その後その少女と行動し、二人の参加者と出会うが、それらの人々を、気付いた時には皆殺しにし、
そのショックで自分は自害した、と言う事を。
「……そんな事が」
「……」
「……何であんな事したのか全く分からない、本当なんだ。
まるで、自分の意識を誰かが、遠くから操っていた、そんな……そんな感じなんだ。
言い訳じゃない! 言い訳なんかじゃない!! 本当なんだ!!」
「お、落ち着いて……」
興奮して喚き散らす狼を宥める弓那。
弓那もセルゲイも狼の話に多少ショックを受けてきたが、
一応、二人もそれなり、いや、かなりの修羅場を経験してきている身であり、ショックは受けれど動揺はせず。
「俺が殺した二人も、呼ばれてる……安藤正年と、太田かずみ……俺を憎んでるに決まってる……。
怖い、怖いんだよ……二人に会うのもそうだけど、誰かと一緒にいたら、また俺、前みたいになるんじゃないかって……。
だから、俺の事は放っておいてくれよ……うっ……うっ……」
涙と鼻水で顔をくしゃくしゃにしながら、弓那とセルゲイに向かって狼は言う。
「……そうか……事情は、何となく分かったよ……でも、放ってはおけない」
「……!」
「そう言えば名前を聞いていなかったな、名前は何て言うんだ」
「……カスパル」
「そうか、カスパル……お前の気持ちも察する事は出来る。
でもな……だからってこのまま、怯えて閉じ籠ってたって、どうしようも無いだろう」
「……」
「このままで良い筈が無い。余計なお世話かもしれないが、出会ってしまった以上お前を放っておく事は出来ない。
なあ、弓那? そうだろ?」
「そうだよ……カスパルさん、その……今まで無意識の内に誰かを殺した事ってあるの?」
「……無い」
「そっか……なら、もしかしたらその時の殺し合いの主催者が何かしたのかもしれないし……。
また、前みたいになるとは、限らない、じゃん? ね?」
「……ッ……」
「……殺し合いは私も経験してるし、襲われて一人殺してるし最期は使い魔と一緒に心中したよ!」
「俺もな、同行者の少女を、まりなをRした。それでその同行者と一緒に襲われて、襲った奴と同士討ちだ」
「……な……」
ここで弓那とセルゲイはそれぞれの「前の殺し合い」での自身の顛末をカスパルに対して打ち明ける。
弓那とセルゲイの二人にとっても互いの「前の殺し合い」の事を聞くのは初めてだったが。
「どう? 潜った修羅場はカスパルさんにも負けて無いと思うんだけど。
って言うかセルゲイ、Rって、や、やめてね私は黒牙一筋なんだから!」
「裸でも見ない限りは大丈夫だ! そんなに何回も過ちは犯さんしそれに今は俺もまりな一筋だ!
……とまあ、話が逸れてしまったが、どうだカスパル、俺達も大変な目に遭ってるんだ。
辛いのはお前だけじゃないぞ。不幸なのはお前だけじゃないんだ。Rは俺もしたんだ……これは、余計か」
セルゲイがカスパルの目を見据えながら言った。
カスパルはしばらく唖然としていたが、やがて溜息をつくと、力無い声で言い始める。
「……あのさ、あんたら、俺を元気付けようとしてるの?」
「……一応」
「上手く、出来ないが……」
「……あはは。あんたら、変わってるぜ。見ず知らずの奴に……さ」

69 :
乾いた笑いを浮かべるカスパル。
一応、一応ではあるが初めてカスパルの笑顔を見れた弓那とセルゲイは少し嬉しくなる。
そしてカスパルは前足で涙と鼻水を拭い、僅かに期待が籠った声色で二人に訊く。
「……俺、一緒に行って、良いの?」
「勿論だよ! 一緒にこの殺し合いから抜け出す方法探そうよ!」
「……構わんよ。全然」
「……俺……おれっ……いいの? いい、の? あっ、アーー……ウアアアー……!」
カスパルは堰を切ったように泣き出した。
恐怖から来るものでは無い。
嬉しかった。純粋に心の底から嬉しかった。
自分の事を気遣ってくれる存在と言うものが、とても嬉しくて。
(……殺し合いって、バトルロワイアルって、本当に悲惨だわ……カスパルさんだって、
殺し合いを経験しなければ、こんな風にはならなかっただろうに)
(ここまで、精神的に衰弱し切った奴を見た事が無い……このゲームは酷過ぎる……本当に)
泣きじゃくるカスパルを見詰めながら弓那とセルゲイは殆ど同じ事を思っていた。
カスパルは気付いていない。
いや、もう殆ど覚えていないと言った方が良いだろうか。
自分を拾ってくれた二人の内の一人、大木弓那が、
自分が以前させられていた殺し合いの主催者の助手を務めていた内の一人と全く同じ容姿だと言う事に。

〜≪心に傷持ち狼二匹と女の子組≫〜
【早朝/D-3廃ホテル三階】
【大木弓那@俺のオリキャラでバトルロワイアル】
[状態]健康
[持物]基本支給品一式、回転式拳銃:チアッパ ライノ(残弾6/6 予備.357マグナム弾12発)、千切れた電気コード
[行動]黒牙を捜し出しこの殺し合いから脱出する。セルゲイ、カスパルさんと行動。
[備考]原作死亡後からの参戦。
【セルゲイ・ルシコフ@新訳俺のオリキャラでバトルロワイアル】
[状態]健康
[持物]基本支給品一式
[行動]殺し合いから脱出する。弓那、カスパルと行動。まりなを見付けたい。
[備考]原作死亡後からの参戦。
【カスパル@もっとエクストリーム俺オリロワ】
[状態]重度の神経衰弱
[持物]基本支給品一式、???
[行動]安藤正年と太田かずみに会ったらどうしよう。
[備考]原作死亡後からの参戦。
〜〜〜〜〜〜

70 :
投下終了です。
意味の分かり辛い文章は許して下さい。

71 :
テストカキコ
みなさんお久しぶりアンド投下乙です、
すげー久しぶりに四字熟語ロワ33話(その1)投下します。

72 :

 あの男がこちらを殺しに来る。それを躱し、こちらはあの男を倒す。
 しばしの話し合いのあと、五人は傍若無人の提示した”最終戦”に合意した。
「では、時間は四時間後。それだけ頂きます」
 代表して紆余曲折が宣言し、貰った休憩時間は四時間。
 これは自分たちの回復時間を取ると言うより、相手の回復を阻止するための時間設定だ。
 最悪、四時間後に延長を申し込むということもできる。所詮はルール外の口約束。使える手は、全部使う。
 だけどその”手”を考えるにも時間が必要。
 プラス現状の把握が大優先だという考えは、この場に生き延びた全員の共通認識だった。
 それから彼ら5人は、改めて自己紹介をした。

◆休憩開始より 三十分◆

「……切磋琢磨だ。どうにも、戦いには目が無いようになってる。先手必勝とさっき手合って、結果、殺した」
「紆余曲折です。……さっきは変に音頭を取ってしまってすいません。僕が殺したのは猪突猛進さんです」
「一刀両断。青息吐息に致命傷を与えたのはあたしだ。キルカウントに入ってるかどうかはわからねぇけど」
「あー、優柔不断っす。心機一転を殺したのはオレだ。えーっと、そんで……」
「勇気凛々です。一望千里さん、軽妙洒脱さん、それに酒々落々を殺しました。わたしが、殺しました」
 ハリボテの車を動かしてバリケードを作り、車止めの縁石におのおのが座ると、自己紹介が始まった。
 自己紹介……といっても、実験の開始前に”自己”を奪われた彼ら五人が語れるのは、
 与えられた四字熟語の名前と、誰とR、誰を殺したかということくらいしかなかったのだが。
 切磋琢磨は少し重めに、紆余曲折は気持ち頭を下げつつ。一刀両断はサバサバと。
 急な合流をした優柔不断は言いづらそうに。勇気凛々は誠実に真っ直ぐ、これまでの罪を告白した。
 告白されたその罪――いや、正確には殺し合いの実験故、罪と言えるかは定かではないが、
 ともかくその殺害報告を聞いて――三人と二人は、素直に驚く。
「やっぱり……みんな、誰かしらやっちまってんのか」 
「俺は、一番殺しているのが君の連れのその少女だってのに一番驚かされたよ。一体何があったんだ」
 一方は、生き残りの誰もが殺し合いを生き延びてきたという事実に。
 もう一方は、目の前の小さな少女、勇気凛々が三人を死に至らしめているという事実に。
「わたしがやったのは確かです」
 切磋琢磨に訊かれた少女は、少し目を伏せつつもやはり誠実に答える。
「でも、わたしにもよく分からない部分があるんです。ふわふわしていて、頼りないんです。
 なぜわたしが《間違えて》しまったのか……ごめんなさい。今は、上手くお伝えすることができません」
「すまねぇ、タクマさん。凛々ちゃんもオレも、人を殺したときのことについては色々混乱してるんだ。
 もうちょっと、考える時間をくれないか。あるいは、傍若無人は知ってるのかもしれないが……」
「ってことは――”ルール能力”がらみ、ってことかな。優柔不断さん、それに、凛々ちゃん」
「ああ、そうだ」
「はい、そうです。わたしたち二人は殺しをするに至ったその前に、同じ人物に接触している……。
 傍若無人は確か、とくべつな名簿を。大まかなルール能力が記載されている名簿を持っていると言ってました。
 その紙にあの人の、心機一転のルール能力が記載されていれば、謎に迫れるはずなんです」
「……なるほど。ルール能力が確定できないまま死んでしまったパターン、か……」
「どうする、紆余。俺はこの二人が嘘をついてるとは思えないが」
「僕もそう思います。・……分かりました。今からの決戦には関係ないことみたいですし。
 それに二人ともすでに、殺しをしたことを”背負っている”。なら僕らからは、何も言わない」
「ハイパー感謝いたみいる。紆余くんだっけ、キミいい奴だな」
「ありがとうございます、みなさん」

73 :

 優柔不断が、勇気凛々が、紆余曲折におじぎをする。
 勇気凛々は後ろでひとつ結びにした長い髪の毛がくたりと前に垂れるくらいに深く。
 ――切磋琢磨はその髪の毛に、洗い落としきれなかっただろう乾いた血の破片がいくつもこびりついているのを見逃さなかった。
 身体についた傷も、その憔悴度も、五人の中でこの少女が一番多い。
 三人を殺してしまうような・……どんな”戦闘”をくぐってきたのか。
 彼はそれに興味があったが、今は他に優先すべきことがあった。
 切磋琢磨は右を向く。ポニーテールを切ってさっぱりとした髪になった一刀両断がじっと目を閉じている。
「じゃあ、一刀両断」
「ああ」
 自己紹介からだんまりを決め込んでいた彼女は目を開くと、持っていた日本刀をコンクリートに突き刺す。
 《まるで水面に木の棒を差し込むかのように、するりと切っ先は入っていく》。そしてぱっと手を離すとそこで止まる。
 彼女は他の四人に向けて、真正面からきっぱりと言った。
「これから、あたし達はあの男を倒すわけだが。その前に、聞いてほしいことがある」
「あー、オレもあんたにゃ聞きたいことがある」
 と、遮って手を上げる者がひとりいた。優柔不断だ。彼は日本刀を指差し、
「その日本刀――空から落ちてきた。あれ、なんだよな。てことは」
「ああ」
「じゃあさっき、オレたちのことを知らないフリをしたのは……」
「ああ、嘘だ。それもこれから話す」
「……言い切るねぇ。随分かっけえこと。そんじゃ、聞かせてもらうとするわ」
 いくつか質問して、一刀両断はそれに答える。
 答えに納得したらしい優柔不断は、もう何も言わないよとばかりに両手を頭の後ろに組んで唸った。
 一刀両断は一呼吸おいて、再び話し出した。彼女の戦いを。
「傍若無人と。あの男とあたしは、闘った。
 そして、未だ不明なあいつのルール能力――その手がかりを掴んだんだ。
 結論から言うぜ。”傍若無人には、ルール能力が効かないかもしれない”。
 あの男の前では、全てが無になってしまうのかも、しれない」
 それは一刀両断が紆余曲折や切磋琢磨と離れてから、彼らの下に戻ってくるまでの話。
 青息吐息や先手必勝との戦い、傍若無人との対話、
 さまざまなことに邪魔されて伝えられなかった、空白の時間について。

◆休憩開始より マイナス二時間四十八分◆

 あるべき場所から消えてた日本刀を探すために、あの時あたしは紆余たちから一旦離れた。
 十分で戻るとは言ったが――実際のとこ、十分で戻るつもりは、なかった。
 日本刀が見つかるか、あたしが日本刀を諦めることができるかの二択だった。
 あたしのルール能力に使う刃物はこれじゃなくてもいいことは知っていた。
 けどこの日本刀はあたしにとって、けっこう大事な物なんだ。
 もともとあたしに支給されてたのは日本刀じゃない。これは猪突猛進の支給品だ。
 あたしが偶然、一番最初にあの子に出会って。あの子と支給品を交換したから、あたしは紆余と戦うことができた。
 そう考えるとどうしても必要だったんだ。とくに、猪突猛進のやつのことを忘れてしまいそうなのが怖かった。
 馬鹿だよな。それだけ大切なら、すぐに取りに行けばいいのに。
 でも大切なものって失って初めてその重さに気付くだろ、そういうものだろ。だからあたしは、焦ってたんだ。
 焦って、独断で紆余たちから離れてまで、施設の中をかけずって。
 そしたら案外早く、あたしはあの場所にたどりついた。

74 :

 優柔不断、勇気凛々、お前らは知ってるよな。なにしろ”当事者”なんだから。そう、C-1の中央階段だ。
 日本刀を探すのに、まず二階に行って一階に下りるルートを使ってたから、あたしは二階にいた。
 ちょうどレストラン街のあたりだ。そこに着くのとほぼ同時だったかな、
 中央階段の下から物音がしたから覗いたら、ちょうどそこの小さいのがふっとばされてくるところだった。
 ――え? お前それで十五なの? すまねえ、干支一回りは離れてると思ってた。
 とにかく着いたと同時にそれを目撃したあたしはすぐレストラン街に向かった。
 適当な店を見つけて、中に入って包丁を取った。身を守るため、そして、もしもの時に他の参加者を殺せるように。
 なるべく使いやすい、かつ刃渡りの長いやつを選んだ。
 戻ってみると状況が変わっていた。傍若無人と凛々、お前が無謀な戦いをしてるのが見えただけじゃない。
 階段の裏に新たな登場人物がいたんだ。そう、優柔不断、お前だ。
 きっとあたしがレストランに向かってすぐ中央階段に着いたんだろうな。
 お前はずいぶん長いこと震えていたみたいだった。
 あたしが戻ってきたのは――びくびくしながら戦いを見てたその男が、ちょうどデイパックから獲物を取り出すところだった。
 お前がこの日本刀を取り出した時、あたしのやることは決まった。
 ――あたしは一刀両断。紆余曲折の盾だ。
 そしてあたし自身としては、あたしは盾だけでなく剣も兼ねる必要があると思っている。
 つまり、状況に応じて最善の対応をするってことだ。
 目の前に三人の参加者が居て、そのうち一人があたしの目的の獲物を持っている。
 紆余を優勝させるためにこの状況をどうするか。答えは簡単、全員Rことだ。
 そうだ、
 あたしがお前を蹴り飛ばして戦場のただ中に放り込んだのは、凛々を助けさせるためじゃねぇ。
 お前を傍若無人に突撃させて、Rためだ。
 準備は万端にした。
 死んだお前から傍若無人が日本刀を取り上げたその瞬間にあたしがそれを奪えるように、
 先に踊り場の手すりを包丁で《上手く斬って》、蹴りでがれきを下に落とせる状態にしておいた。
 お前を突き飛ばして、傍若無人に殺させて……タイミングを合わせてがれきを落とし、
 同時に二階から飛び降りて日本刀を奪い、傍若無人の首を獲る。
 しかるのちに瀕死の勇気凛々もR。あたしはそのつもりだった。
 まさかお前が《斬撃を無効にする》だなんてルール能力を持ってて、凛々を助けちまった上に、
 傍若無人にまで一撃与えるだなんてあたしは思ってもいなかったんだ。
 作戦は変更を余儀なくされて――傍若無人の意識を逸らすためのがれき攻撃が、
 タイミングのずれでお前らを逃がす手助けになっちまって。
 それでも、傍若無人から日本刀を奪うっていう本来の目的だけはなんとか果たせた。
 で、ここからが。
 ここからが、あたしとあの男しか知らない場面だ。
 あたしの目的は変わらない。ここで一人でも多く殺しておけば後で紆余に有利になることは確定しているし、
 さらに優柔不断のおかげで傍若無人は痛手を負っている。絶好のチャンスだと思ったよ。
 すぐに駆けだした。相手は斧を持っていたから、まず一合、あたしのルール能力であの斧を《斬って》やろうとした。
 問題はここからだった。
 ”あたしの斬撃が――斧に弾かれた”んだ。
 日本刀が。《何だろうと無条件に切り裂く》はずのこの日本刀が、あいつの斧には”通用しなかった”。
 ……幸いこの初撃ではあたしはダメージを負わなかった。
 タクマは気づいてるだろうが、《何でも切れる日本刀》には、これ特有の戦い方がある。
 斬るのに力が全くいらないから、どちらかといえば逃げ腰で戦うのが正解なんだ。あたしとしては嫌な戦い方だがな。
 まあ、このときはそのお陰で、日本刀が弾かれたときにはあたしは斧の攻撃線から逸れていた。
 斧が地面を打った。
 地面の、床のカーペットが割れて、その下のコンクリに突き刺さった。
 構え直したあと、傍若無人はあたしの方を見て笑ったよ。そう上手くはいかないぞって言いたげな顔でな。
 ――なぜ日本刀が弾かれちまったのか、だなんて考える暇はなかった。
 そこからは防戦一方だ。ルール能力無しでの戦いじゃ、あたしは破顔一笑にすら通用しない。
 手負いとはいえ歴戦の猛者に勝てるわけがねえ。
 頑張ったとか誤魔化すこともしないさ、普通にボコボコにされかけた。
 逃げ回って逃げ回って、致命的なダメージをどうにか防ぐだけの戦いだった。

75 :

 絵面だけ見りゃ、ちょっと前の中央階段下となんら変わりねぇ。
 凛々があたしに代わって、お前が挑んでは薙ぎ払われてたのが、あたしが逃げたり追われたりするのに代わっただけだ。
 お笑い種さ。
 最終的に、しっぽを掴まれた。
 後ろ髪を引かれて吊り上げられた。
 あの野郎、身長と腕力があるくせに乙女心ってもんが分かってねぇよな。
 髪引っ張って吊り上げるとか屈辱以前に髪が傷んでしゃーねえっていう話だぜ。そんな場合じゃなかったけど。
 つーか死ぬかと思った。
 あの男がそこから斧を振るわずに、デイパックからあれを取り出さなきゃ――実際に死んでたよ。
 ん? あれって何かって、お前、それに優柔不断も気にならなかったのか?
 あの場には明らかに足りないものがあっただろ。
 無かっただろ、あるべきものが。人を人だと示すために、いちばん大事なものが。
 首が。
 そう、動けないあたしに向かって、あの男はそれを使った。
 破顔一笑の、その頭部を。あたしの顔を《破る》道具として、死体の首を使ったんだ。
 効果を試したかったんだろうな。まさか、あたしがそいつとすでに一回戦ってるとは思ってもみなかったんだろうよ。
 笑顔のまま死んだ破顔一笑の顔があたしの前に差し出される。
 あたしはそれに気づいた瞬間、目を瞑ってジャージのポケットからこれを取り出した。
 二階に置いてあった誰かの――え、お前のだったのか、そりゃ奇遇だなまた。
 えーっと、二階に置いてあった凛々のデイパックから拝借してあった、この手鏡を使ったんだ。
 ふふ、用意がいいことだろ? あたしもここだけは自分を誉めていいと思ってる。
 結局これが決め手になったからな。破顔一笑のルール能力は手鏡によって跳ね返されて、
 奴自身の顔が《破れて》、首はただの首になった。
 そうして出来た隙を使ってあたしはもう片方の手に握った日本刀で自分の髪を《斬って》、
 傍若無人から解放されると全速力で走ったんだ。
 全速で、全力で、傍若無人の前から姿をくらませるために娯楽施設の中を走り回った。
 逃げて逃げて、逃げ切ったんだ。そりゃもうただただ純粋にな。
 拡声器のバカデカい音であたしがB-2へと移動することになるのは、その少し後の話だ。
 以上が顛末だ。
 カッコよく助けているように見えたかもしれないけど、実際は酷いか情けないことしかしてない一刀両断の独白だ。
 まったく、本当は隠しておきたいくらい恥ずかしい話だよ、でも、あたしはこれを伝えなきゃならなかった。
 ”あたしのルール能力が通用しなかった”こと。そしてもう一つ。
 あの男から逃げる時、あたしは確かにこの手鏡で破顔一笑のルール能力を跳ね返したはずだ。
 なのに――”あの男の顔は破れなかった”。あの男も確かに、鏡に映ったそれを見たはずなのに。
 だから、あたしの私見はこうだ。
 あいつのルール能力は、おそらく。”自分に対するルール能力の無効化”だ。
 これを踏まえた上で対策と作戦を考えねぇと……あたし達は、一秒かからず殺されちまうと思うんだ。

◆休憩開始より 一時間◆

「……どう思う、凛々ちゃん」
「何についてですか。さっきの話なのか、もっと前か、それともちょっと前のことか」
「全部だよ全部。オレたちが考えなきゃいけないのは全部だ。きっと一つでも思考停止したら、死ぬぜ」
「そうですね……。わたしもそう思います、優柔不断さん」
 
 傍若無人からの一方的な最終戦の宣告から一時間。
 彼が語る”脱出の方法”という撒き餌につられる形で共闘を決めた五人の参加者は一通りの情報交換を終え、
 三時間後に迫る決戦に向けてグループ別に固まって休息を取っていた。
 円形に並べたハリボテの車が形作る防衛サークルの中、東の端に紆余曲折と一刀両断のペア。
 少し離れて真ん中に切磋琢磨、そして西の端に、優柔不断と勇気凛々は居た。
 二人は赤い車に体を預けるようにして、すこし離れて座っている。

76 :

「まずは、さっきの一刀両断の話についてからだ」
 優柔不断は隣の同行者の少女へ顔を向けると、しゃべらないと落ち着かないといった様子で話し出す。
「あれを……あいつが語った話を、オレたちは本当に信じていいのか?
 ルール能力が効かないったってよ、聞く限りじゃもう残ってる奴の中で傍若無人に通用しないのはあいつの《一刀両断》だけだろ。
 切磋琢磨さんのルール能力も、紆余くんのルール能力も対象は傍若無人自身じゃねえし、オレたちのもそうだ。
 《一刀両断》が効かないってのは確かに重要な話だけど、自分が戦いたくねーから嘘ついたと思われても仕方ねーぜ」
 不安げな表情でそう言った優柔不断を見て、もっともな反応だ、と勇気凛々は思う。
 凛々自身も一刀両断の発言には疑問を呈している。
 そもそも傍若無人による放送以前に彼女が自分たちに出会ったとき、彼女は自分たちのことを知らないフリをしたうえ、
 自分たちを危険人物と断じるかのように振る舞って話し合いの余地をつぶそうとしていた。
 さらに先の話では、自分たちに関して、傍若無人をRための囮に使ったことを告白してきたのだ。
 明らかな悪意がそこにはあって。勇気凛々はこれまで、そういうことをする人を悪い人だと断じてきた。
 だから彼女の話を真正面から信じろだなんて、普通なら到底無理な話だ。
 けれど。……悪い人が必ずしも悪いことばかりするわけではないことを、少女はすぐ隣に座る男から学んだばかりなのだ。
「わたしは――そうは思いません」
「マジか。信じるってのか?」
「いえ。話自体には、わたしも素直に賛同できかねるところがあります。傍若無人と打ち合ったのはわたしも同じですが……、
 ”あの人の斧が床のカーペットごとコンクリを割った”というのは少し、納得できません。そこまでの力があったかどうか」
「作り話かもしれない、ってことか」
「これだけじゃ判断できませんけどね。わたしの《りんりんソード》は、わたし自身は軽く扱えるんですが、実際はかなり重い武器。
 一刀両断さんが日本刀であの斧と打ち合うのとでは勝手が違うでしょうし。それに、わたしが違うと思うのはそこじゃないんです」
「……?」
「あの人は……一刀両断さんは、自分のために嘘を吐く人じゃない気がするんです。
 自分が戦いたくないって理由で嘘はつかない……嘘を吐くにしても、何か、誰かのために吐いている」
「はあ? どうしてそう思うんだ?」
「上手くは言えませんが、あの人もわたしと同じで……うーん、すいません、言葉にするのが下手で。
 ともかく一刀両断さんは自分のことを、紆余曲折さんの盾だと言っていました。
 わたしたちに対する行動もすべて紆余曲折さんのために行ったことだと言っていました。だったら……」
 会話を一旦止め、少し離れたところにいる一刀両断を二人は見る。
 彼女は紆余曲折と何かを話しながら、彼の顔に巻かれた包帯を新しいものに取り換えているところだった。
 破顔一笑の恐ろしいルール能力をもろに食らったという少年の顔は遠目に見てもひどい有様で、
 顔のいたるところがずたずたになってしまっている。目も閉じたまま、もう開かず、何も見えないのだという。
 ――放送はもう過ぎた。
 破顔一笑の名前もちゃんと呼ばれた。しかし、紆余曲折の顔はまだ傷だらけだ。
 この事実は二人にとってとても重要なことだった。激辛団子の痛みを癒しながら二人が行っていた推理では、
 現時点で紆余曲折の顔は治っていなければならないはずだった。
 もちろん理由はいくらでも思いつく。効果が消えても傷は消えない場合。心機一転のものだけが特別だった可能性。
 だがあまりにも不確かだ。ふわふわしている。一刀両断の話の真偽と同程度に、これも答えの出ない問題なのだ。
 そしてその答えを出すには……。
 優柔不断は再び勇気凛々の方を向いて、そのほっぺたをつんと人差し指で付く。

77 :

「わっ」
「おー、さすがにぷにぷにしてるじゃん」
「ち、ちょ、やめてくださいっ! なにするんですかいきなり」
「いやすまんつい弾みで」 
「斬りますよ」
「それは殴りますよのノリで言っていい言葉じゃないぞ凛々ちゃん!」
 むすっとして睨んでくる勇気凛々に半笑いで返事をして、優柔不断は両手をホールドアップする。
「えーっとだな、それはそれとして! どっちみちオレらにゃ傍若無人の能力を推理することなんかできないんだ、
 共闘すると決めた以上疑ってばっかもよくないだろ。一刀両断の話は保留にしようぜ。
 今はただ、来るべき決戦に備える時間だろーとオレは思う! 無駄な争いはやめようやめよう」
「ええ確かにこの《りんりんソード》であなたを斬っても《斬れません》。
 ですがわたしのストレスは発散されますよね? それって十分、あなたを斬る理由になると思うんです」
「おいおいソード出さないでー! 凛々ちゃん、君は一番疲れてんだからオレのひざまくらで寝るべきだと思う!
 いやむしろオレが凛々ちゃんのひざまくらで寝たいかもしれない! これっていい案だと思いませんかね奥さん」
「そういうのは全部終わった後にしてください。
 大体、五対一とはいえ、わたしたちで傍若無人を倒せるかもわからないのに、遊んでる時間なんて……」
「倒せるさ。いや、倒す」
 不意に別方向から聞こえた声に、二人は一斉にそちらを向いた。
 さっきまでバリケードの中央で座禅を組んでいた赤髪の格闘家、切磋琢磨が二人を見下ろすように立っている。
 その目は紅く燃えているように見える。自力、プラスのルール能力で鍛えられた身体から放たれるオーラも、燃えている。
 呆然とそんな切磋琢磨を見やる二人を真っ直ぐ見据えて、切磋琢磨はもう一度言った。
「倒す。俺が。傍若無人は俺が倒す。
 老師の仇でも、あの男がジョーカーだからでもない。
 あの男を倒せば脱出できるかもしれないとか、その真偽すらもはや、関係ない。
 俺が強くなったことを――正しく強くなったことを証明するために。俺はあの男を倒さなければならないんだ」
「タクマさん?」
「だから休む間もなくてすまないが、君たち二人には協力してほしい」
 脇を締め、足でとんとんとリズムを取る。右手左手にはボクシンググローブ。構えは小さく、”待機”。
 切磋琢磨は明らかな戦闘前体勢を取りながら、いまだ事態が呑み込めない二人に向けて説明した。
「俺のルール能力は《戦うたびに強くなる》能力。そしてそれは、《一人一回》《対象からダメージを受けた時に》発動する。
 今から俺と君たち二人で、本気の練習試合をしたい。俺はまったく手を抜かないから――俺にダメージを与えてくれ」
「あ、あんたにオレと凛々ちゃんでダメージを!? 無理だろ、あんた聞く限りすげー強いんだろ!?」
「わかりました、やりましょう」
「凛々ちゃあん!?」
「どのみち今のあなたにすらダメージを与えられないようでは、最終決戦でわたしは役に立たないでしょうから。
 不束者のわたしで良ければ、お手合わせ願います、切磋琢磨さん」
「ああ。じゃあ、始めよう」
「ちょっと待てオレの意思はぐえっ!?」
 風が吹く暇すらない速度で距離を詰めた切磋琢磨は、
 セリフを言い終わる前の優柔不断の首に手刀を振りおろし、気絶させる。
 はらほれひれはれ、古典的なフレーズを呟きながら一回転し、優柔不断は車にもたれかかるようにすとんと倒れこんだ。
 一人を仕留めた切磋琢磨はもう一人の少女がいる方を見る。
 何も居ない。上か。 
「《りんりんソード》ッ!」
「むっ――!」
 左。地面に向けてソードを《出現》させ、その反動で小さな体を跳ばしていた勇気凛々が、再度の跳躍で切磋琢磨に迫る!
 咄嗟に防御の構えに切り替え、筋肉硬直させた腕を前に突き出す切磋琢磨、
 その腕に向かって、全力で振り下ろされた《りんりんソード》が火花を上げてぶち当たる――!
 両者は目線を交わして、お互い高揚の笑みを浮かべた。
 せっかくの休憩時間だというのに、此処から少なくとも一時間、優柔不断が気絶しつづけ、その眼前で練習試合が行われた。

78 :
投下終了です。
休憩時間はもう少し続きます。なるべく近日中に投下できたらいいなー

79 :
投下乙でございます。
自分も投下します

タイトル:絶望、そして……
登場人物:藤田茂、被験体00号

80 :

「随分、惨い殺し方だな……」
ホーム内に放置されている遺体を調べていたら、無意識に口から言葉が漏れていた。
そう言いたくなるほど、この遺体は酷かった。
――――なにしろ、尻の辺りにおびただしい量の血が溜まっているのだ。
おそらく、尻からの出血が原因で死亡したのだろう。
何故、そんな場所から死ぬ程の出血をしているのかは分からないが。
(…………)
これで、2人目だ。
こんな所で、誰かの遺体を見るのは。
……当然、良い気分はしない。
(全く、どうなってるんだ)
そんな時だった。
辺りを包みこんでいた静寂を、轟音が打ち破った。





あれからどれほど経っただろうか。
時間は、誰に対しても平等に流れている訳だから、その点は他の参加者と変わらない。
「……………………」
あのライオン頭を吹き飛ばした後、00号は何故か吹き飛んだ方向とは逆の方に向かっていた。
あれほどの攻撃で生きていられる人間はいない――――そう頭の中に入っているからだ。
その前提があるからこそ、ライオン頭の生死を確認せずに、反対の方向に向かったのだ。
それが正しい判断かは、彼には分からない。
ただ、自身の心にのみ従っているだけだからだ。
心――――本能、と言い替えてもいいかもしれない。
人の本能……相手を打ち倒し、自分が優位に立つ……。
ある意味、一番シンプルな欲求だ。
「………………」
そして。
ゆっくり歩を進めていた00号は、ついに駅に辿り着いた。
もちろん、巨大な体躯で入り口をすんなり通れる訳も無い。
所々、派手に音を立てながら、駅を破壊しながら侵入していく。
足を踏みだすたびに、足音が大きく響き渡る。

「確か、さっきの音はこの辺りから……」

81 :

そして、戦場へと新たに足を踏み入れる男が、一人。
その名は、藤田茂。
本来の運命通りに事が進んでいたなら、既に命が絶たれていた男。
果たして、運命は変わるのか?それとも、運命には逆らえないのか?
「――――何だ、こいつは」
――――見えない場所で、運命は変化している、のかもしれない。





「――――何だ、こいつは」
ただ、驚くしかできなかった。まぁ、当然だろう。
音に気がついて歩いてくれば、そこには巨大な化け物がいたんだから。
――――クルリ、と化け物がこちらを向く。
……逃げなければ。逃げなくちゃならない。
思考でも、感情でもない。自分の理性が。
「早く逃げろ、コイツはヤバい」と語りかけてきている。
だが、体は。
まるで、コンクリートで固められたみたいに、硬直している。
早く、逃げないと!
焦れば焦る程、体は硬直していく。
逃げたい、逃げたい、逃げなければ!
でも、逃げられない、逃げられない、逃げられない……!
そんな間にも、化け物は、ゆっくりと手に持つ標識を振り上げている。
まるで……恐怖心を煽るかのように。
このままじゃ、殺される――――!
「……うわぁぁぁっ!!」
ブウン、と風を切る音と共に、標識が振り下ろされた……。
――――それと同時に、体の硬直が解け……ドッ、と横に倒れこむ。
(た、助かった……!)
いや、助かってなんかいない。
化け物は、標識を2本持っているんだ。
今回はたまたま助かったが、今度は……殺される。
体の硬直は、既に解けている。今度は、逃げなければ!
荷物なんか、回収している暇はない。
何も持たずに立ち上がり、とにかく逃げる。

82 :
逃げる。
逃げる……?
……逃げるって、どこへ?
ここは、狭い駅の中だ。逃げ場なんて、ない。
走って逃げても、あの標識でやられるだけ。
それ以前に、さっきまで固まっていた状態での、全力なんてたかが知れている……。
――――つまり、もう、何をやっても無駄と言う事になる。
走っても逃げられない。そのままでいれば殺される。
八方塞がり。





――――出来れば、このタイミングで気付きたくは無かった。





(そうか…………ああ、やんなっちまうなぁ)






83 :
……化け物は、再度、攻撃体勢に入っている。
おぼつかない手つきで、さっき落とした銃を拾う。
……あの、妙な男が落として行った銃だ。
狙いなんて、この際どうだっていい。
とにかく、滅茶苦茶に引き金を引いて、銃弾をバラ撒く。
――――全ての弾丸を撃ちつくしてしまえば、俺は。
おそらく、その時が。
俺の、最期だ。



そして、カチッ、と弾切れを知らせる音が、小さく響いた。
それと同時に、標識が目の前まで――――。



「――――すまんな、」






【藤田茂@SIREN2 死亡】








84 :
血の海。
そして、その中に転がる、かつて人だったもの。
頭部は原型を留めぬほど破壊され、その他の部分も、損傷が酷く、直視出来る物ではない。
じわじわと、しかししっかりと、駅の中に血液特有の臭いが立ち込めて行く。
凶器となった標識からは、未だに血液が滴り落ちている。
良く見ると、所々組織片もこびり付いている。
「…………」
00号の体には、小さな傷が出来ていた。
さっきの、銃弾による傷だ。
だが、まるで気にしていない様子である。
……拳銃弾程度では、ダメージを与えることすら叶わないのか?
――――いや、違う。
あくまで、00号は生物だ。生命が宿っている。
小さな積み重ねが、いずれは大きな形になるように……。
この小さなダメージも、いつかは、多大なるダメージになるだろう。
だが、当の本人は、その可能性に気付けない。
与えられた使命に従うだけの、「殺人マシーン」であるが故に。
「………………あぁ」
再度、00号は歩き出す。
次の標的を、探すために。


【一日目・深夜/A-4】
【被験体00号@オリジナル】
[状態]:健康
[装備]:交通標識×2
[所持品]:なし
[思考・行動]
基本:全てR
1:……。
※A-4の駅が多少壊れています
※駅内部に、ワルサーP99(0/15)、シングルアクションアーミー(6/6)@MGS3
 藤田茂のデイパックが放置されています

85 :
投下終了です

86 :
投下乙です。
被験体さんパネェ……だが光明はある模様だ、誰かがきっと打ち破るはず。
では自分も投下します。
自分選ロワ 27話 正義の味方(正義の見方)
登場人物:八重樫太一、阿久根高貴、平坂黄泉

87 :
【0】
正義なんてものは、あってないようなものさ
【1】
八重樫太一は公園のベンチの上で目を覚ました。
風が頬を撫で、心地よかった。
「……畜生、なんでだよ……!」
だが、気分は最悪だった。
原因は今彼自身がいる状況にあった。
『殺し合い』――――誰か一人のみしか生き残れないという、最悪のゲームだ。
人を殺してまで生き残るなど、彼にとってありえない事だ。
自己犠牲野郎、とまで言われた彼にとっては。
例えば、他人がやりたくない事を率先してやったり。
例えば、自分を死なせてまで友人を生き残らせようとしたり。
例えば、誰かをすくわないといけないと思っていたり。
そんな自己犠牲野郎の事である。
この殺し合いでの動向は決まっているようなものだった。
だが、彼にとって、彼らにとって出来ることなど所詮高校生の足掻きとしかならないだろう。
能力など何もない、ただの高校生だから。
太一以外も、能力が無い高校生だ。
空手が強かったり、頭が回ったりするとしても、あくまでそれは高校生レベルの話だ。
この殺し合いに対抗してなんとかなるものではない。
「……でも、何とかするしかない」
だからと言って、諦める彼ではない。
なんとかしてでも全員で帰る方法を見つけようと考える。
だが、その方法が浮かぶわけがなく。
「……やっぱり、皆を探さないとダメだ」
自分だけでは絶対に無理だ。
だったら仲間を増やせばいい。
一人が駄目なら二人。
二人が駄目なら三人。
三人が駄目なら四人。
四人で駄目ならもっと増やせば良い話だ。
多勢に無勢、危険人物が一人いてもこちらが数人いればなんとかなるはずだ。
「――――よし、そうと決まれば早く皆を探さないと……」
ベンチから立ち上がった、その時だった。
ドゴォ、という音とともに後頭部に来た衝撃。
それが襲われたのだ、という事を理解する事は、太一にはできなかった。
一瞬で意識は闇の中へと消え、体は地面へと倒れていった。

88 :
【2】
破壊臣、阿久根高貴はそう呼ばれていた。
かつてどんなものでも壊し潰してきた。
そんな彼も、とある人物とR更生した。
そして今では柔道界のプリンスなどと言われるまで成長した。
「……すまないね、君に恨みがあるわけじゃあないんだよ」
だが、今彼は右手に鉄パイプをもって、目の前に倒れている少年を見る。
紛れもなく、今自分が『破壊』した少年だ。
私立中学か高校、と言った感じの外見である。
後頭部からは血が流れていて、かなり危険な状況だと判断できた。
「――――もう一発、これで」
もう後には戻れないのだ。
いや、もう戻る気などは無い。
今の自分を見たらみんなはどう思うだろうか。
人吉君はきっと、何かと暴言を吐きながら意地になってでも止めてくれるのだろうな。
喜界島さんは、有無も言わず止めるのだろうな。
鍋島先輩……うん、一番予想がつかない。
球磨川さんあたりは、逆に後押ししてくるかもしれない。
めだかさんは――――――――。
「いや、考えるのはやめよう」
どうなるとかは関係ないのだ。
自分はもとより、この殺し合いにて生き残る気はない。
いや、どうなのだろうか。
生き残りたいという願望は確かにある。
だが、生きて帰れるわけがない、というのは自分の見解だ。
何故なら、彼女――――安心院なじみが主催だからだ。
自分は直に見ているから分かる。
彼女の『異常』を超えた『超常』のようなもの。
黒神めだかがこの場にいれば、彼女への対抗も考えたかもしれない。
だが、今彼女はこの場にいない。
そして、彼女にとって最も大事な人と言えるであろう、人吉善吉がこの場にいる。
彼がRば、黒神めだかがどうなるかくらい予想がつく。
これまでもそうだった、人吉善吉が死に、彼女は暴れ狂った。
ああなった彼女は、きっともう止められなくなるだろう。
「だからこそ、なのかな」
自分の目標は『黒神めだかを壊させない』……。
そのたんに一番近道なのが『人吉善吉の生還』だ。
だから自分は、こうするしかない。
「さようなら、見ず知らずの――――「待テイ!」!?」
後ろの方から声が聞こえた。
戸惑っている間に誰かに気付かれたのだろうか。
だったならば、自分も覚悟を決めなければならない。
後ろの人間もR、と言う覚悟を。
意を決して、後ろを振り返る…………が。
そこに立っていたのは、予想を超えた場面だった。
「私ハ《12th》――――日記ノ導キ通リ、正義ヲ執行スル!」

89 :
変なマスク、タイツのような物にベルト。
俗世間一般的に言う『変質者』だった。
【3】
平坂黄泉は正義の味方である。
そんな彼はこの殺し合いで真っ先に殺し合いを潰すことを決めた。
壊されたはずの『正義日記』を使って。
「フフフ、サァ悪メ……コノ私ガ成敗シテクレヨウ!」
「――――」
そして、最初に彼が感知したのは一人の参加者のピンチだった。
彼はその導き通りにここにきて、阿久根高貴と対峙している。
「悪いが、敵が増えようが僕には関係は無いんでね……僕は続けさせてもらうよ」
「上等ダ……正義ハ必ズ勝ツノダ! ソレヲ今カラ見セテヤロウ!!」
平坂はそういうと、バックの中から特殊警棒を取り出す。
そして阿久根に対して攻撃を仕掛ける。
上段から思いきり警棒を振り下ろす――――が、それはあえなく鉄パイプに止められる。
すぐに振り払い、今度は突きに移行する。
だが、それを避けられ平坂の腹に拳がめり込む。
吹き飛ばされるが、すぐに平坂は起きあがる。
「――――フム、貴様ナカナカヤルナ」
「悪いけど……伊達に戦ってはいないからね」
平坂は強いか弱いかの部類でいえば間違いなく強い。
だが、阿久根高貴はそれ以上に強いのだ。
破壊臣と言われ、全てを壊してきた彼は、強い。
柔道界のプリンスとして、相手を傷つけないように戦っていたのであればどうだろうか。
少なくとも、破壊臣として目の前の敵を破壊しようとしている今よりは勝てる可能性は高かったかもしれない。
「じゃあ、こちらからも動かせてもらうよ」
――――先手必勝。
いや、向こうが攻めてから返すのだから後手必殺だろうか。
阿久根は鉄パイプで平坂と同じように上段から攻撃をする。
平坂は先ほどの阿久根と同じように受け止――――められない。
そのまま警棒を叩き折り、平坂の頭部に鉄パイプがおそりかかる。
間一髪、そのタイミングで左腕が頭部をガードする。
ベギィ、という嫌な音が響いた。
だが、平坂もやられてばかりではない。
右手で阿久根が持っている鉄パイプを掴み、即座に阿久根へ渾身の蹴りを食らわせる。
数メートル吹っ飛ぶ間に、平坂は倒れている少年の所へ向かう。
息はあるが、かなり危険な状態だと理解した。
このまま悪と戦うのもいいが、まずは弱気を助けるのが優先だ。
「悪イナ、私ノ目的ハコノ少年ヲ救ウ事ナノデナ」
平坂はそれだけ言い、太一を背負って走りだした。
阿久根は起きあがり追いかけようとした。
だが、追わずとも向こうは弱っている。
いつか殺されるだろうと判断し、追いかけるのをやめた。

90 :
【4】
「クッ、マサカコノ殺シ合イガココマデ壮絶ダトハナ」
平坂は背負った少年を治療するために治療できそうな施設に向かっていた。
盲目な彼は、医療施設がどこにあるかは分からない。
だが、《正義日記》の導きの通りに、医療施設に向かっている。
「ダガ、コノ殺シ合イヲ認メルワケニハイカナイ……悪共ヲ滅ボシテ最後ニ笑ウノハ私ダ!」
彼は道を走り続けた。
これ以上の犠牲者を出さないように。
さらなる悪を滅ぼすために。
《12thレッド》の戦いはまだまだ続く。
【朝/D-6公園付近】
【平坂黄泉@未来日記】
[状態]肉体的疲労(大)、左腕骨折
[所持品]基本支給品、特殊警棒(破壊)@現実
[思考・状況]
基本:悪ヲ討チ滅ボスノダ!
1:コノ少年ヲ救ウ!
2:2ndや先ほどの男に注意
[備考]
※我妻由乃に敗北した直後からの参戦です。
【八重樫太一@ココロコネクト】
[状態]気絶、後頭部から出血(かなり危険)
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜3)
[思考・状況]
基本:皆で殺し合いから生還
1:……
2:皆と真っ先に合流する
[備考]
※キズランダム終了後からの参戦です。

91 :
【5】
阿久根高貴は公園のベンチに座り休息を取っていた。
先ほどのマスクの男との戦いで疲労したためだ。
(しかし、なんなんだあの男は)
マスクを被り、悪ふざけでもしているような外見。
だが、戦ってみれば強敵でかなりの苦戦を強いられた。
少しでも油断していれば、大怪我を負ったのは自分だったのかもしれない。
(そうだよな、もう迷ってちゃいけないんだ)
少しの迷いがこの場では命取りになる。
わずかな怪我でこの教訓が得れたのは大きい。
「さぁ、行こう――――」
知り合いに遭遇したらどうしようか。
この場に呼ばれている知り合いは全員強者だ。
自分がどうこう考えたところでどうなるものではない。
(その時その時に考えればいいか)
大きな不安を抱えたまま、破壊臣は進む。
大事な人を守る為に。
全てを、破壊する為に。
【朝/D-6公園】
【阿久根高貴@めだかボックス】
[状態]肉体的疲労(中)
[所持品]基本支給品、鉄パイプ@現実
[思考・状況]
基本:黒神めだかを壊させたいために動く
1:ここらへんをうろつこうか
2:知り合いに会った場合は……
[備考]
※《悪平等》編、生徒会選挙前からの参戦です。

92 :
投下終了です。

93 :
投下します
闇の動物ロワイアル第19話
「我輩はネコである」

94 :
こんばんは、いい夜だな。
都会じゃ人工の光ばかりがでしゃばって、月も、星ですら見えやしない。
だがここなら星がとてもよく見える。三日月もな。
ああ。ここはいい場所だ。
ーーここが殺し合いの舞台じゃなけりゃあな。
俺の名は阪本。まあこの名前は俺の知り合いが付けた名前だがな。
それにしてもーーこんな事になるとはな。
ったく、ふざけたイベントだぜ……

【D-3/森/一日目/深夜】
【阪本さん@日常】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、不明支給品1〜3
[思考]:基本:殺し合いなんてし「ちょっと待てぇっ!」
ーーえ? ?待ちませんが、何か?
「いや、待てよ!
何でだ!? ?何で終わらせようとした!」
いや、だっていろいろ長そうだったんで、早めに切り上げようかと……
「ふざけんな! ?まだこれからだろうが!」
ハァ……分かりました。では10行だけ待ってあげま「最後までやらせろコラァ!!」
……はいはい。

95 :


「ったく。
??それにしてもこのディパック、俺でも開けられるんだな。ただ、中に入ってるヤツは使えそうにないもんばかりだが」
彼は黒ネコの阪本。どこにでもいる普通のネコである。
しかし、首に巻かれているスカーフにより、喋ることができるのだ。
トシは人間年齢で20歳ぐらいらしい。
そんな感じで、阪本はとりあえずどこかの施設に向かう事にした。
外を下手にうろついているよりかは、少しでも安全な場所に行った方がよいと思ったからである。
とりあえず支給されたディパックを背中に乗せ、阪本は月が昇る方向ーーーー北東へとその前脚を運ばせた。
「あー……やっぱりというかなんというか、怖えぇな。
まあ、危険なヤツと出会わねえ事を祈るとするか」
阪本は歩く。ただその道を。
いつか来る夜明けまで、その瞳に映る景色を見据えながら。

【D-3/森/一日目/深夜】
【阪本さん@日常】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、不明支給品1〜3
[思考]:基本:殺し合いなんてしねえよ
1:どこか安全な場所を探す
2:なるべく接触などはしたくない

96 :



☆ ???☆ ???☆ ???☆ ???☆ ???☆ ???☆ ???☆


ーー全く、運命は本当に悪戯というものが好きなんだな。
それにしても、殺し合いか。
とんでもないというか、ありえないというか。さすがに私でも少し混乱している。
どうしてこうなったかは分からない。どうして私が呼ばれたのかも分からない。
まあ、分からないのは当たり前と言ってしまえばそうなのだがね。
この、「殺し合いをしろ」という設問について、私はどう回答すればいいのかな?
「する」……と答えればいいのかな?
ーーしかし私は、それを「しない」としか答える気はない。
「あちら側」からしたらいけずだと思うだろうね。だが私にはその気力は無いんだ。勘弁してくれ。
うん。まあ、今は自分の思うがまま動くとするか。
とりあえず今のところは、ね。

【D-3/森/一日目/深夜】
【シャミセン@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、不明支給品1〜3
[思考]:基本:気の向くまま行動。殺し合いには乗らない。
1:とりあえず北にでも向かおうか

97 :
投下終了です
なんか空白のところが「?」になってしまったので、wikiで修正します

98 :
非リレーネタを妄想していたらOPが出来てしまったので、自分もこちらで新ロワを開始したいと思います
では、『NNWバトルロワイアル』OPを投下します

99 :
やあ、とりあえずようこそと言っておこうかな。
ん、きみは誰かって?
つまらないことを聞くやつだな、きみは。
ここに来たならそういう一般常識は捨てなさい。そうした方が身のためだよ、絶対にね。
この世界をまともな目で見ようとしたら、きみの現実まで〈××〉に侵されてしま――おっと。
〈××〉はまだ口にしてはいけない言葉だったね、そういえば。
こっちの話だ。気にしないで、どうぞソファにでも座ってリラックスしてくれたまえ。
いきなり不躾で悪いけど、きみは〈非日常〉ってもんを経験したことがあるかな。
おっと、断っておくが暴力団と喧嘩したとか、怪しい宗教に入ってたとか、そういうんじゃないよ。
むしろそんなもんは日常の範疇だろう。
いいかい、日常って言葉は〈日の常〉って書くんだ。
別にきみの普通がどうだとか聞いちゃいないさ――大体、世界中を見たらそんな体験してる人はいっぱいだ。ちょっと珍しい経験をしたくらいで、非日常と威張られちゃあ具合が悪いよ。
うーん、いくらなんでもぬくぬくと日向で育ってきたきみにこれを問うのは意地悪だったかぁ。
ごめんごめん、忘れてくれ。
長いこと色んな〈非日常〉を目にしていると、審美眼っていうのかな。
そういうのが芽生えてきて、どうしても五月蝿くなっちゃうんだ。
ボクの言いたいのはね、〈日常ならざる不可思議〉に捕らわれることなんだ。
頭の良い大人は笑い飛ばすだろう。
きみは幸運だ。
明日からきみだけが、それを逆に笑い飛ばしてやれるんだから。
こいつはすげえぜ。
墓まで持っていける自慢話になる――あのな、この世には幽霊も妖怪も、宇宙人も存在する。
それどころかもっとヤバいもんだって平然と闊歩してる、きみの世界だってそうだぜ。
ボクらの世界ときみらの世界は、どうも完全に隔離されてるみたいでね。
きみはどうやってもこっちの世界に干渉できないけど、ボクもきみの世界には干渉できない。
努力云々の問題じゃなくて、神様が定めたのかな、そういう〈見えないもの〉で決まってるみたいだ。
うおっと、話がズレた。
とにかく、ボクの世界――そして、きみにこれから見て貰う世界は、きみの世界とは大きく違う。
きみの世界じゃありえないことだが、こっちでは〈非日常〉が人間に干渉するときがある。
こうなっちまったら終わりだぜ。
誰が種を蒔いたのか? そんなんボクだって知らないね。ボクが聞きたいくらいだ。
例えばこれから始まる〈ゲーム〉の参加者八人は、〈誰もが脇役〉で〈誰もが主人公〉なのさ。
それぞれが一級の非日常経験者。
〈観測者〉のボクが参加者選別に協力したんだ、そこはお墨付きだよ。
未来を告げるメールに欺かれた者。
力をもたらす秘薬で破滅を食らった者。
妄想が現実になった者。
怪人の正体を暴く筈が、いつしか自らが怪人になった者。
幸せな夢を、一年の体感時間で見た者。
終わらない一日を経験し、直後本当の終わりに撃ち抜かれた者。
鏡の向こうの親友と、深めてはいけない絆を深めた者。
命を奪い合うゲームに没頭し、管理者に成り代わった者。
どいつもこいつも、短編小説一本が書けるような突拍子もない目に遭ってる。
体感したら最悪だが、見てる分には最高のエンターテイメントだろうぜ。
――おや、そろそろゲームが始まるようだ。
またどこかで会おう。
そうだな、この物語が終わる頃には一回顔を出すかもしんない。
ボクだって好き好んで〈観測者〉なんて面倒極まりない役割を受け持った訳じゃないんだ。
そうだ。一つだけアドバイスをくれてやる。
―――"深淵を見つめる時、深淵もまたこちらを見つめているのだ"
覚えとくと、いいかもよ?

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