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2012年3月懐かし邦画73: 豊田四郎ら風俗映画作家を評価しよう 移転開店 (503)
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豊田四郎ら風俗映画作家を評価しよう 移転開店
- 1 :
- 映画一般でやっていた「豊田四郎らが 」一杯になって入らなくなったのと、
その趣旨から、「懐かし邦画」の方が適当だという意見があり、
新装・移転・開店しました。
豊田四郎、川島雄三、渋谷実、中平康ら風俗映画監督を再評価しようとするものです。
個人的には、豊田の『甘い汗』、川島の『花影』、渋谷の『もず』などが好きです。
中平で言えば『泥だらけの純情』は、傑作だったと思う。
- 2 :
- に〜だよ
- 3 :
- 小島の春、しみじみとしたええ映画やったな。
- 4 :
- 川島なら「赤坂の姉妹 夜の肌」もイイ
- 5 :
- DVDを買っていて、見ていなかった『月曜日のユカ』を見た。
原作・安川実(ミッキー・安川)、脚本・斉藤耕一・倉本聡。
監督は中平康。主演・加賀まり子、松竹になっている。この頃は松竹の専属だったのだ。
感想は、余り感心しなかった。吉永小百合・浜田光夫の『泥だらけの純情』の方がはるかにいい。
予告編などが、盛んに「異色作」と言っているが、今見るとそれほど衝撃的ではない。
中尾彬の顔が全く違うのが、一番の衝撃である。
- 6 :
- 北大路欣也の結婚式の時ホテルオークラで倒れて
そのまま帰らぬ人に…豊田四郎
- 7 :
- 豊田監督だが、小津が尊敬する志賀直哉の暗夜行路を映画化した時、ものを知らんやつにはかなわないと皮肉られたんだよな。
- 8 :
- 『赤坂の姉妹・夜の肌』は、蜷川幸雄が出ているんだよね。
彼は、自分の役者時代を大根と言っているが、いい役が多い。
篠田正浩の『暗』でも、清河八郎の手下で、酔って詩吟などするいい役である。
吉田喜重の『樹氷のよろめき』でも、副主人公だった。
しかし、これは変な題名だね。樹氷がよろめくのだろうか。
- 9 :
- 中平の「泥だらけの純情」は、外交官の娘の吉永小百合が、生まれて初めて、
タンメンを食べて、「これはなに?」と、浜田光夫に聞くシーンが印象に残って
いますね。
- 10 :
- 「泥だらけの純情」は寅さんの原型でもあるんじゃない?
靴底をスルメにするインチキ商売も何かでパクられていた記憶がある。
- 11 :
- 『泥だらけの純情』では、刑事の鈴木瑞穂と日野道夫が、小百合が乗っているはずの飛行機を見上げて
「俺も一度飛行機に乗ってみたい」というのも印象的だった。
この頃、まだ庶民は飛行機に乗れなかったのかね。
小百合の名前は、樺島真美だったっけ。
母親は、細川ちか子。浜田光夫が属するの親分が、平田未喜三、相手の親分は滝沢修。
- 12 :
- 「泥だらけ」は韓国で無断でリメイクされ(「裸足の青春」、先年FCでやっと見た)
韓国映画に与えた影響は、はかりしれないものがあるね(その後の純愛メロドラマブーム)。
それが縁で中平は申相玉に請われ、渡韓して「紅の翼」のリメイク(「青春不時着」)を撮っているね。
余談だが、申相玉は金大中事件の映画化を思い立ち来日の際、新藤兼人に脚本執筆の依頼をしてる。
その直後に自身が北朝鮮に拉致され怪獣映画を撮らされる運命になるなんて
その時は夢にも思わなかったんだろうな。
- 13 :
- 「怪獣映画」って『プルガサリ』ですか。
キネカ大森で見ました。結構面白い映画だったが。
- 14 :
- そうです。「闇からの谺」(崔銀姫・申相玉著 文春文庫)という本で
当時の北の映画事情や映画オタクとしての金正日像などが詳述されています。
風俗映画作家としての中平は、「誘惑」「四季の愛欲」「才女気質」も捨てがたいと思う。
特に「四季の愛欲」は、母(山田五十鈴)からの蕩な血を受け継いだことに自覚的な子供たちが
性の問題に悩みぬき傷ついていく悲劇みたいなスタイルでドラマを進めながら
突如ソープコメディーに逆転してしまうラストのオチに唖然としたものだった。
- 15 :
- 篠田正浩の「異聞猿飛佐助」を見たいとずっと思って
いるのだけれど、ビデオにはなっていないのだろうか?
- 16 :
- 篠田のビデオは、今は
『暗』『悪霊島』『梟の城』『スパイ・ゾルゲ』しかないようだ。
『梟の城』を見たとき、『異聞猿飛佐助』に似ていると思った。
『異聞 』は、1997年に横浜のシネマ・ジャックで十数年ぶりに見たが、
篠田の映像性とリズムがいい作品である。
因みに『暗』は、旧松竹京都撮影所の最後の作品。
「これで、最後だということでスタッフが贅沢な美術をやってくれた」と篠田は言っている。
- 17 :
- 「暗」は、浅草でよく三本立ての一本としてかかるので我慢して何度か見たが
篠田の観念バカぶりばかり目立つ、まあ駄作であろう。
篠田自身は自作ベストを「異聞」と「処刑の島」(何故二本も挙げるんだか?)としていたが
およそ上映される機会のない作品。韜晦気味に自分の才能の上限を隠蔽したつもりなのか?
両作とも二十数年前に文芸座で観たが、それほどのものじゃない。
私見では、「乾いた花」「はなれゴゼおりん」あたりがベストだが、これらも佳作といったところだろう。
- 18 :
- 『暗』は、そんなに悪い映画とは思えない。
篠田の本質は画面とリズムと音楽で、脚本・中身はその時の脚本家に大きく左右される。
『暗』の観念性は、山田信夫の観念性である。
『処刑の島』は、封切りのとき見ただけだが、余り面白くなかった。
いずれにせよ、現在考えると大島渚より、篠田の方が、はるかに反社会的、反松竹大船的、反城戸四郎的だね。
大島は、以外に松竹大船的である。
- 19 :
- 成瀬未喜男の『女が階段を上がる時』などは、銀座のバーを舞台とするもので、
これなども風俗映画ではないのでしょうか。
主人公は、言うまでもなく高峰秀子。
- 20 :
- 篠田の「処刑の島」も、見ていない。
主役は劇団民芸の新田昌玄だったと思う。
この人、最近、見かけないが。
- 21 :
- 篠田正浩の最高作は、『涙を、獅子のたて髪に』だと思う。
加賀まり子の可愛さ。恋人の暴力団のsラ(藤木孝)に父親をされてしまう悲劇の哀切さ。
最初のシーンは、暴力団の圧制に抗議する港湾労働者の座り込み。そこに武満徹の曲がかぶる。
新子安の漁師街をロケした画面。新山下に当時あった外人等のヨット・ハーバー(東京オリンピックで江ノ島に移転した)に見られる
横浜のエキゾチックさなど、すべてが現在では貴重である。
それに次いでは、岩下志麻主演の『わが恋の旅路』かな。これには、市電と運河が頻繁に出てくる。
- 22 :
- 篠田正浩の最高作は、『涙を、獅子のたて髪に』だと思う。
加賀まり子の可愛さ。恋人の暴力団のsラ(藤木孝)に父親をされてしまう悲劇の哀切さ。
最初のシーンは、暴力団の圧制に抗議する港湾労働者の座り込み。そこに武満徹の曲がかぶる。
新子安の漁師街をロケした画面。新山下に当時あった外人等のヨット・ハーバー(東京オリンピックで江ノ島に移転した)に見られる
横浜のエキゾチックさなど、すべてが現在では貴重である。
それに次いでは、岩下志麻主演の『わが恋の旅路』かな。これには、市電と運河が頻繁に出てくる。
- 23 :
- 一度書いたのに入らなかったので、再度押すと二度書き込んでしまった。
- 24 :
- 『涙を、獅子のたて髪に』は、去年か一昨年、京橋のFCで見ましたが、どうもね。
藤木孝が、ほんとオカマっぽくて、笑えましたが。メロドラマなら、もっと作りようが
あると思った。木下恵介の映画なんかのほうが、やっぱり、時の流れに風化せず、いまでも
鑑賞に耐えている感じです。
- 25 :
- アスキーアート地下スレ@隠れ里(本板)で、おもろいのが立ったようん。
URLは勝手に調べて。
- 26 :
- 中平先生の傑作『泥だらけの純情』の主題歌はこうだったね。
裏町流れる さびしく流れる
この泥だらけ汚れた町にも
星は写るよ美しく
その内いつか その内いつか やさしい人に会えるでしょう。
作詞 佐伯孝夫 作曲 吉田 正 だが、実際にタイトル・バックは黛敏郎先生の編曲の
大オーケストラだった。あの、いつもの低音がうなるような黛の曲だった。
この暗いような執拗な感じの曲想は、長い間私の人生を規定していたように思う。
- 27 :
- 25 いじわるしないで、教えて頂戴よ。
せっかくスレ立てたんでしょう。
- 28 :
- 脚本・筒井ともみ、監督・森田芳光なので、全く期待せずに見た『阿修羅のごとく』が意外に面白かった。
大竹しのぶは別格として、父親役の仲代達矢がいい。
いつものぎらぎら・目玉芝居ではなく、凡庸な父を演じていた。
母親の八千草薫は、加藤治子に比べれば不可解さがないが、悪くない。
八千草と次女の黒木瞳が並んで歩くシーンがあるが、その身長差(15センチくらい)は、
戦後の女性の背の伸びを示しているのだね。
- 29 :
- 筒井・森田映画が、そんなにいいなんて信じられませんね。
結局、向田邦子の力なんじゃないの。
- 30 :
- 「ロボコン」って台詞だけが印象に残った。
- 31 :
- ところで、久松静児カントクをわすれちゃぁいませんか?
豊田四郎にも川島雄三にもなれなかったし、傑作を連発したかと思うと、突如、
どうにもならないような駄作を平気で撮る。(そういうところが、私は好きです)
「警察日記」ばかりが有名だが、「東京映画」でも結構いい作品を撮ってるぞ!
この人の大映時代の作品をスクリーンで見たいんだが。
- 32 :
- 『阿修羅のごとく』のテレビの母親は、加藤治子だと思い込んでいたが、
本当は大路三千緒だった。彼女も、宝塚である。
父親は、佐分利信。加藤治子は、長女役だった。映画では、大竹しのぶ。
- 33 :
- 久松静児は、数年前に『雑居家族』と『女の暦』を見たが(『警察日記』や『神坂四郎の犯罪』は以前見ている)、
結局テンポがなくて、だらだらしているんだね。
テンポ、リズムがないので、見ていてだれる、演出や画面等は悪くないと思うが。
そのあたりが、スピード時代の60年代以降忘れられた監督になったのだろう。
大映時代は、ほとんどスリラー映画で、これは日本映画専門チャンネルで見られるのでは。
- 34 :
- プロ野球オールスターゲーム ファン投票のお願い。
http://allstar.sanyo.co.jp/ (←ここから)
パリーグDH部門上位2名の中間発表ならびに個人成績をご覧下さい。
6月18日時点 得票数
李承ヨプ 187,417
ズレータ 181,970
6月18日時点 個人成績
李承ヨプ 打率 229 HR 6 打点 23
ズレータ 打率 291 HR 17 打点 53
韓国から千葉ロッテに移籍した李承ヨプ選手、全くの期待外れで1軍と2軍を行ったり来たり。
対するズレータ選手、首位を走るダイエーの中心的な戦力となっております。
成績にこのような大きな開きがあるにもかかわらず、得票数は上の通りです。
ちなみに海外からの投票もOKですので、そのあたり何かしら関連があるのかもしれません。
皆さん、ズレータ選手の前半戦での健闘を称えようではありませんか。
投票は6月20日が最終日、もう日がありません。是非とも清き5票をお願い致します。
(一人一日5票まで。6票以上だと無効になってしまいます。ご注意を。)
- 35 :
- 今、下北沢の本多劇場で鐘下辰男作、流山児祥演出の『続・人狂時代』を見てきたところだ。
勿論、中身はどうしようもない。
流山児って、元阪神の川藤幸三みたいだね。成績も、言うこともどうしようもないが、
何故か憎めない個性で存在している。
日本演劇界の川藤、流山児祥。
- 36 :
- 先週、恩地日出夫の『蕨野行』を見たが、余りにつまらなさに途中で出た。
私は、昔から市原悦子が好きでないが、この春見た芝居『狂風記』は最低だったが、これもかなり近い。
彼女の夫・塩見哲は才能なしの演出家だが、市原もテレビで家政婦をやっていればいいのだ。
しかし、やはり新劇女優の看板は捨てられないのかね。
『狂風記』の時は頭にきた。テレビの市原目当てに見に来ている主婦達に、
全く理解できない前衛劇(それも60年代的センスの古臭いもの)をやる精神は卑怯である。
同様のことは、数ヶ月前に鐘下辰男の『KASANE』という芝居を本多劇場で見たときにも思った。
これも、「怪談のかさね」をめぐる全く面白くない討論劇なのだが、主役が元宝塚の久世星佳で、そのファンで満員だった。
彼女らは勿論理解できない。こういうのも卑怯な売り方である。
- 37 :
- 豊田では「東京夜話」がえがったな
- 38 :
- >>36
ジイさまよ。釈迦に説法なので以下、間違っているかも知れぬが、日本の劇壇自体
がそういうものなのでは? 一般論で恐縮ではあるんだが。
日本では観劇が一般人に根づいていないので、ナマの舞台は演劇ファン+俳優・劇団単
体のファン限定の、クローズなマーケットに売ることになる。
もちろんジイさまのようなうるさ型もいるが、多くの客はいっぺんファンになれば優しい。
もしくは、そもそも善し悪しもわかっていない。だから批評も生まれにくい。
ま、昔はそれなりに目利きの客がいて、まっとうな批評もあったのかもしれないがね。
- 39 :
- >>18
> 大島は、以外に松竹大船的である。
大島は作がむちゃくちゃ松竹大船的だもんなあ。
大島が左翼なこと知ってたから騒いだだけだよな、あれは。
他の監督なら素通しだったに違いない。
- 40 :
- 久しぶりに野村芳太郎の『ゼロの焦点』を見た。作品的には、久我美子の夫の南原宏治が、
有馬稲子との夫婦と単身赴任者という二重生活を実際にやっていたという設定は納得しにくい。
松本清張の話は、ここでも戦後米軍占領下の悲劇に戻る。
私の兄は65歳だが、有馬稲子は日本映画史上最高の美女ではないか、と言う。
確かにこの時期の有馬稲子はきれいだ。
私は、「日本映画史上最高の美女は月丘夢路である」と信じている。
- 41 :
- 吉田の『鏡の女たち』や黒木の『美しい夏キリシマ』はイマイチだったなぁ
川島の『しとやかな獣』は舞台劇になってるんだってね
- 42 :
- http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/occult/1088223524/-100
人予告スレッド
http://members.at.infoseek.co.jp/yogananda/index-42.html
逮捕後の経過
- 43 :
- 個人的に、豊田四郎作品はほとんど未見なのですが、
日本映画専門chで放映された戦前の『泣蟲小僧』(昭和13年)
という作品は素晴らしい感動作だと思いました。せつない……。
“風俗映画”ではないのですが……。
- 44 :
- 芝居「請願」の批評を書いたが、長すぎるとエラー表示が出て、
書いた物がどこに行ってしまったのかわかりません!
- 45 :
- 東中野ポレポレで『硝子のジョニー・野獣のようにみえて』を見た。
感想は、「蔵原惟繕と周辺の芸術家達」に書いたので、
http://niracha.s12.xrea.com/test/read.cgi/aa/1059225060/150
気が向いたら寄ってください。
- 46 :
- 上のURLは間違っていないはずだが、入らないようなので、以下に記述する。
アスキーアート地下スレ@隠れ里(本板)、「蔵原惟繕と周辺の芸術家たち」です。
どうぞよろしく。
- 47 :
- 45『蔵原惟繕監督と周辺の芸術家達』に書いた趣旨は、『硝子のジョニー・野獣のようにみえて』は、
普通はフェリーニの『道』のパクりということになっている。
しかし、北海道(函館)をロケした寒々しい感じは、同じく北イタリアの荒涼たる風景をバックに描かれる
ミケランジェロ・アントニオーニの『さすらい』なのではないか、ということである。
当時、盛んに言われていた「愛の不条理」というテーマからもそういう気がする。
- 48 :
-
増村保造の『黒の試走車』を見た。増村としては、どうということもないが、
叶順子が気になった。当時、大変人気があった。今見ると、深田恭子が似た雰囲気である。
しかし、一つだけ全く違いがある。
現在は役者の演技をしごく監督・演出家がいないということだ。
増村の本で、原田美枝子も「最初に増村(『大地の子守唄』)、黒澤明(『乱』)の二人にしごかれたので、
その後どの映画に出てても、この程度の演技でいいんですか」と内心思ってしまうのだそうだ。
役者がしごかれなくなった結果が、「天然ボケ」・バカ役者の氾濫なのであろう。
- 49 :
- >>48
いまは撮影所というベースが無いので、仮にシゴいても、他の演出家やディレクター
がまた別なことをやって崩してしまいますよ・・・。
それに今は、舞台と映画・TVは違うのに、舞台の演技を中途半端に映像に持ち込む
人ばかりでしょ? 観ていて鬱陶しいったらありゃしない。
日本には俳優学校の正統な筋も無いし、プロが統一して演技レベルを保てるような
環境も無いのが現状でしょ? 各所でバラバラなことをやってるだけだしね。
- 50 :
- 豊田四郎監督というと、一番好きなのは、戦前に撮られた「冬の宿」ですね。
主人公の勝見庸太郎の芝居に鬼気迫るものがある。
フィルムセンターでやったときに、あまりのすばらしさに二度見に行きました。
ほかにも傑作はあるだろうが、わたしにとってのベストはこれです。
- 51 :
- >>48
「乱」は最初って事ないだろ。久々にしごかれた映画だ。
- 52 :
- ビデオで「半落ち」を見る。
あまりのひどさに言葉もなし。
- 53 :
- >>52
その「ひどい」部分が、「泣ける」として受けてるんだもの。もう観客は日本映画なんか
「映画館で観るTVドラマスペシャル」ぐらいにしか思ってない。
佐々部清監督の助監督歴を見ると、降旗康男の「鉄道員(ぽっぽや)」「ホタル」とか、TVの
「北の国から」とか、悪い影響を受けちゃったんだろうなあ、という作品がポツポツと・・・。
そんでメジャー以外は、アジア・ヨーロッパ映画のショボショボしたモノマネも多いし、それが海
外で賞を獲っちゃったりして監督がまた勘違いするとw もうどうしようもない。
- 54 :
- TVといえば、風俗映画的世界は、70年代以降はTVの東芝日曜劇場とか、その他のスタジオドラマ
の世界に辛うじてあったのかもしれないと思う。山田や橋田とかね(橋田はまだ書いてるけど)
でも、撮影所あがりのホンヤ・役者もいなくなったし、近年、絵づくりが派手になるほど
中身は見かけ倒しになっていくし、良質なTVドラマの鉱脈もほぼ潰えたね。
例えばNHKのBS2で「天花」と「澪つくし」を見比べれば一目瞭然だし・・・。
カツドウヤはすぐにTVをバカにするけど、気がつけばホンペンもTV映画もスタジオドラマも、
すべてが総崩れで終わっていました、という罠。
- 55 :
- 52
『半落ち』は映画館で見たが、あんな程度でしょう。期待する方が間違い。
寺尾聡も鶴田真由も大嫌い。鶴田は、蓄膿症の鼻声が極めて不快。
それより『蕨野行』の方が百倍もすごい。
最後まで見られたら勲章ものである。
54
そのとおり、風俗映画はテレビ・ドラマに移行して、崩壊したことになる。
- 56 :
- >>55
>そのとおり、風俗映画はテレビ・ドラマに移行して、崩壊したことになる。
自分は、日本の映画もTVも旨いものは80年代でほぼ出尽くした、論者なのでw
TVに旨いモノはもう無いね。邦画も、最近では「死に花」や「69」など、1本800円ぐらいなら劇場で観て
みたい、という作品はけっこうあるが・・・。(そんで、結局は高いから行かない訳だw)
単館系などは、カンヌで男優賞を獲ってしまった「誰も知らない」とか、観るまでもなく論外だと思
うけどねえ。監督や公式のサイトに行っただけで駄目だとわかるもの。子供に溺れ過ぎなんだ。
つくづく、撮影所という装置は偉大だったとばかり思う・・・。いじわるじじいは
芝居も良く観ているようだが、あの世界はどうなんですかい?
- 57 :
-
先日、市村泰一の『この声なき叫び』を見た。
話は、下町の聾唖者の貧しい青年(田村正和、舌足らずの台詞が聾唖者にぴったり)が、母親(荒木道子)を毒した嫌疑をかけられるが、
恋人(香山美子、本当に吉永小百合にそっくり)や新聞記者(園井啓介、園井というと必ずコートを着た新聞記者)らの
力により助かるという、城戸四郎が泣いて喜ぶ・お涙頂戴もの。
だが、とてもよく出来ているのに感心した。原作・西村京太郎(第一作らしい)、脚本・柳井隆雄。
市村は、橋幸夫の歌謡映画を見て、当時の日活歌謡映画に比らべたいしたことないと思っていたが、
こういうのも作っていたのだ。大船撮影所はたいしたものだった。彼は松竹京都の出身だが。
併映の『錆びた炎』は、小林久三の原作・制作・脚本だが最低。どうやって『天国と地獄』と違うかに腐心しているだけ。
原田美枝子がお手伝いなので、犯人だとすぐに分かる。
男で、中島久之や重田尚彦などが出ていたが、皆どうしたのかね。
- 58 :
- 8月16日から、三百人劇場で
「社会はコメディの変遷 渋谷実と前田陽一」をやる。
前田と並べられては渋谷は少々可愛そうな気もするが、是非見に行きましょう。
URLは、www.bekkoame.ne.jp/~darts/ です。
- 59 :
-
『錆びた炎』は最低だったと書いたが、下には下があった。
『旅路 村でいちばんの首吊りの木』原作・辻真先、脚本・橋本忍・橋本信吾、監督神山征二郎、1986年である。
井上梅次の本に、助監督から「監督昇進作が歌謡映画なので、どうすべきか迷っている」と相談された時、
「歌謡映画をきちんと撮れない者に、普通の映画も撮れない。是非歌謡映画をやれ」と言って励ました、とあったが井上はすごい。
犯罪ものなのだが、娯楽映画を神山はきちんと撮れていない。ノーテンポ、ノーセンス。特に音楽が酷い。
ホラーのごとき出だしなのだが、少しも怖くないし、また謎解きの面白さもない。
いかに市川こんが偉大か、よく分かった。
神山のように撮影所上がりでない監督は、一定の傾向の作品しかやらない。
かつての映画会社の助監督上がりのように何でもやることがないので、
娯楽作品といっても、全くやりようがないのだ。撮影所の教育機能は大変なものだったのだ。
何しろ、犯人が意外と言うだけの物語で2時間近くもあるのだから、信じがたい長さだった。
- 60 :
- >>57
市村泰一は、打率三割で隠れた傑作を作るプロ中のプロで、井上梅次の職人芸と
鈴木英夫の性格のよさをミックスしたような、半ば忘れられた監督ではないか?
たとえば、坂本九主演の「坊ちゃん」をみると、この監督のしたたかさがよくわかる。
ところで、「いじわるじじい」さんはじめ、シネマジャックに通っておられる方に質問!
神山征二郎が「この声なき叫び」と同じ脚本で映画を撮ったら、どの程度の作品になる
と思いますか?
- 61 :
-
お涙頂戴映画だと言って、初めは拒否するが、最終的には監督をする。
だが、お涙頂戴映画にも、推理映画にもならなかった。
皆から市村泰一の爪の垢でも煎じて飲めと言われる。
- 62 :
- >>60
田村正和→キムタク、香山美子→酒井美紀、荒木道子→奈良岡朋子、
南田洋子→夏木マリ、園井啓介→大杉漣、志村喬→神山繁、
笠智衆→小林桂樹 菅井きん→渡辺えり子といった役者までは揃えるんだろうな。
……で、結果は61の結論と同じになる。40年の歳月の流れはオソロシイね。
- 63 :
- 「北の国から」と聞けば思い出すのだが、
倉本聡も昔は『月曜日のユカ』とか『くの一忍法』とか、次々と傑作を
物にしていたのにすっかりダメになったね。テレビ出身ではあっても、
決して撮影所の良い時代を知らないわけではない脚本家だったのに惜しい。
テレビでは『大都会』とか『水中花』あたりで終わったような。
やっぱり、取り巻きの根性系テレビ糞監督が悪いのか。杉田とか。。。
- 64 :
- >>63
倉本さんも時代と状況に負けたんだよ、やはり・・・。撮影所系の本編・TV映画とT
V局系のスタジオドラマが競い合っていた時代がいちばん良かったですね。
(いまはすべてVTR撮影になり、見分けがつかなくなったが、TV映画とスタジオ
ドラマは元々別のもの)
倉本もまさしくその時代の人だし。中島貞夫と東大時代からの知り合いで、『くの一忍法』の
頃からお互いの仕事に協力しあっていた。こんな座談会にまで出ている。
ttp://homepage3.nifty.com/osan6/kaiko/jsrt6.htm
ttp://homepage3.nifty.com/osan6/kaiko/jsrt7.htm
- 65 :
- ここの倉本発言は、76年時点なのに、現在、ますますヒドくなった演出家の悪癖
を見事に突いていますね。ちょっと長いが引用する。
>本来ならばどこから撮られていても演技が持続していて、それが三台とか四台と
>かのカメラで撮れているんだから、TVには映画にはできないそれだけのメリッ
>トがあるはずなんですね。ところがいまのディレクター連中は、そういう根本的
>なスタジオドラマが進行していく、つまり役者の生理の間(ま)であるものを、
>わざわざ切っちゃって映画式の撮り方をする。
>そのことにもっと意味があればいいんだけど、その時役者が作ってしまう生理の
>間、映画ではどうしても出し切れない間というものを、せっかく出来るのに壊し
>ちゃうような、そういう一番本質的なところを、スタジオの監督というのは忘れ
>てしまっているという気がするんです。
いまや、本編がダメになり、TV映画がダメになり、スタジオドラマもダメになり・・・皮肉
にも、DVD・CS等で黄金時代の遺産だけは大量に流れるようになったが・・・。
- 66 :
-
昨日、沢井信一郎監督の『Wの悲劇』を見てきたところ。
昔見たときも、なかなか面白かったが、今回は堪能した。
実は、前回は併映が『麻雀放浪記』という、豪華二本立てだったので、両作品の良いところが充分わからなかったのだ。
脚本がよく出来ている。沢井と荒井晴彦だが、沢井の長い撮影所生活のエピソードを使っている気がした。
最初、劇団研究生・薬師丸ひろ子の日常が淡々と描かれるだけで、少しも事件がない。
この辺、「新劇研究生」の生活がとてもよく描かれている。
問題の、三田佳子の部屋で愛人(中谷昇、一言も言わない出演)が急死するまでに約1時間かかっている。
後は、一気加勢にドラマ、ドラマした嘘話になだれ込む。
キャスティングがいい。三田佳子の驕慢な女優が最高。劇団総務のような内田稔。
潔癖な老女優の南美江。
彼女は嘆く。「オーディションのときは出産騒ぎ(なつかしの志方亜紀子)、今度は愛人騒動。最近の子は男とあれすることばかり」
と三田が言う。「もし静香チャン(薬師丸)がいけないのなら、ここにいる全員が舞台に立つ資格がないわ」
南に聞く「あなた、女使わなかった? 私は使ったわ。何がいけないの。みんな劇のためにやってきたことよ」そのとおり。
勿論、蜷川幸雄が灰皿を投げるところもある。蜷川は久しぶりの映画に嬉々としている。
もう、20年前の映画なのだ。
「新劇研究生」という言葉も完全に死語だね。
最近、話題の日本テレビ会長・氏家斎一郎氏の奥さんは、女優・氏家鎮子。
大島渚の『日本の夜と霧』で芥川比呂志教授の奥さん、『青春残酷物語』で
川津祐介と寝る、家庭教師のアルバイト先の奥さん。
彼女は、青年座の女優で生活のため銀座のバーで働いていて、氏家記者と知り合ったのだそうである。
薬師丸ひろ子の出世した姿というわけだ。
- 67 :
- >>66
>薬師丸ひろ子の出世した姿というわけだ。
そこまで考えると相当に苦い話なんですよね。そういう話を、角川のアイドルの薬師丸ひろ子を主演に、
新劇系も含めた俳優たちの競演で撮るというのだから、鬼気迫りますね。
- 68 :
- >>66
それにつけても、沢井信一郎の作品数の少なさはどうだ!?
ビクトル・エリセの10年に1本に比べれば多作であるとはいえ、こうしたマトモな
監督(黒澤明のごとくベラボーな予算が必要でもなく、撮ればほぼ傑作間違いなし)
が、数年に一本というペースでしか映画を作れない状況は、どうみても異常である。
- 69 :
- >>68
当然、流れた企画もあるでしょうし、それに澤井さん本人が断っている企画も多いの
ではないですかね? いっけん何でも屋だけど、演技的には大根なアイドルやスタ
ーを使う場合にも、この人なりの計算でやっていると思うんですよ。
かつての撮影所のような安定した作りはもうできませんからね。本人なりの「これな
らやれる」という成算が無いと動かないのでは? と思います。
余談ですが、TVの「宇宙刑事シャイダー」「重甲ビーファイター」「将軍の隠密!影十八」など
を請けた成算はよくわからんですが。これらは第1話込みなので旧知のプロデューサ
ーに職人的手腕を見込まれたのでしょうか?
シャイダー・ビーファイター・影十八の第1話をすべて観ているオレっていったい・・・。
ttp://www.geocities.co.jp/Hollywood/7675/tv.sawai-shinichiro.html
- 70 :
- 三百人劇場で、以前から気になっていた小林正樹の『泉』を見た。
原作・岸田国士、脚本・松山善三、主演・有馬稲子、佐田啓二、佐分利信、昭和31年。
一種の社会派メロドラマなのだろう。
有馬は、旧華族で実業家の佐分利信の秘書の、今で言えばキャリア・ウーマン。彼は、夏は不動産屋・加東大介が経営する
軽井沢の別荘地にいく。そこは、水源をめぐり地元の農民と紛争になっている。農民は、内田良平、清村耕治ら。
先日死んだ渡辺文雄が特別出演(最初らしい)野性的な猟師で、業者側にいる。その上には、西村晃。
この農民と業者の争いを中心にすれば日活の「渡り鳥」シリーズになる。内田らは、後年そうした役になる。
佐田は植物学者で、何故かこの資本家と農民の紛争を防ぐため、泉を掘ろうとしている。
佐分利は、有馬の魅力の誘惑に負けそうになったことを理性の敗北として、自する。この辺がよく分からない。
この佐分利や加東は、西武の堤康次郎がヒントになっているようだ。
いろいろあるが、佐田と有馬は一緒にならず、彼はいつものめそめそ顔の桂木洋子を選ぶことを暗示して終わる。
最後、山裾を爆破すると水が噴出する。『ジャイアンツ』のような感動はないが。
結局、『君の名は』の何番煎じかを狙ったのだろう。『君の名は』症候群であったわけだ、この頃の松竹は。
驕慢な有馬ではなく、控えめな桂木と一緒になる、というのは当時のコンセンサスだったのか。女性は、控えめでしとやかでなくてはならない、という。
しかし、日活・太陽族映画はすぐそこまで来ていたのだ。
「恋愛感」の変化の大きさを感じた作品だった。
「渋谷実・前田陽一特集」の旗が下がっていた。是非、行きましょう。
『もず』なんてよかったね。有馬と淡島の、所謂親子どんぶり。
- 71 :
- ラピュータで豊田監督の甘い汁見た。このリアルさ、凄い。佐田啓二の悪役、すさまじかった。
- 72 :
- この映画の撮影中に佐田啓二が事故で亡くなって、編集に大変苦労したらしいね。
- 73 :
- 「もず」も「甘い汗」も共に水木洋子のオリジナルだけど
二作とも、もっとさらりと小品らしくスマートに撮ってもらいたかったなあ。
渋谷、豊田も脂ギトギトの演出で胃にもたれる。
- 74 :
- >>72
最後は塩撒くシーンだけど、あれ別人なのかね?
>>73
「甘い汗」はカメラが岡崎宏三だからよりくどくなっていると思う。
豊田四郎は出てくる人間はくどいけど演出はめちゃくどいというほどでもない。
- 75 :
- >>74
昭和40年前後から、キャメラ岡崎宏三、音楽武満徹という作品は、つまらないものが結構多い。
もともとダメな企画を、撮影や音楽だけで底上げしようとしたって、無理な場合が多いのだよな。
- 76 :
- >>73
「もず」の高橋とよ、なんであんなに目立たせるのだろう?
- 77 :
- http://k.excite.co.jp/hp/u/jj123456jj/?yid=jj123456jj&ssl=BAWQY259IHE08QE0J4JK
- 78 :
-
>75
『甘い汗』の音楽は、武満ではなく、林光。カメラは岡崎宏三。
『もず』は武満の音楽もいい。
結局、武満は松竹・メロドラマの作曲家だったという気がする。
それは、井上梅次流に言って良いメロドラマを作れる作家は最高ということだが。
彼によれば、役者にとって通俗劇の典型的な役を演じるには演技力が必要で、普通の役を演じるより
遥かに演技力が必要なのだそうだ。これは実に正しい。歌舞伎の役者のことを考えればよく分かる。
井上梅次は、いずれ再評価しなければならない作家であろう。
- 79 :
- 韓国映画『シルミド』を見た。
半分くらい寝ていたので、内容については避けるが、全体の感じとしては、昔の東映の
刑務所ものに似ていると思われた。
それより、驚いたのは、作品中で主人公たちによって「赤旗の歌」が歌われることだ。
卑怯者去らば去れ、われらは赤旗守る
である。団塊の世代以上の人間でないと聞いたことがないと思うが、
日本共産党の創立者の一人・赤松克麿(後には日本主義に転向するが)の訳詩である。
戦前の抗日時代に歌われ、それが韓国の民衆に歌い継がれているのか、
やはり外国の事情は分からないものである。
オリンピックでは、なんと言っても柔道の野村に感動した。
あの孤独な姿は、大げさに言えば市川雷蔵の『あるし屋』や『ひとり狼』等の孤独な美しさを思い出した。
- 80 :
- >>78
キャメラ岡崎宏三、音楽武満徹の組み合わせでは、たとえば小林正樹監督に
「いのちぼうにふろう」「燃える秋」「食卓のない家」の三大愚作があります。
(あえてこの三作を愚作呼ばわりするのは、他の作品に対する敬意ゆえです)
他にも、岡崎宏三の撮影にしか見所のない作品、武満徹の音楽にしかよいところ
を認められない作品というのが、昭和40年以降、大量にあるという意味です。
ところで、井上梅次さんは、初期の日活作品で裕次郎のスター性を確立したことと
「つねに入場料に見合うだけの作品にはなるが、それ以上でもそれ以下でもない」
映画を作り続けた、という意味で昭和30年代から40年代前半を代表する監督と
して位置づけられるのではないですか? (この言い方は、不当に低い評価のように
思われるかもしれないが、こういうタイプの監督が何人もいてこそ、面白い映画や
不朽の傑作が沢山出てくる状況が作られてくるのです。)
- 81 :
- 三百人劇場で渋谷実の『霧ある情事』と『二人だけの砦』を見て少々がっかりした。
前者は、出来のよくないメロドラマ。津川雅彦が下手なところがいけないのだろう。加東大介の愛人の一人として、京塚昌子が銀座のホステスとして出てくるところが笑える。主演は岡田まり子。
後者は、アイ・ジョージの人気だけに頼った「異色作」。松竹人情物イデオロギーで、団地の人間の冷酷さを非難しているのが、おかしい。確かに、松竹映画が衰退した原因の一つは、
昭和30年代以降、日本の都市から裏町や長屋がなくなり、団地・マンションに代わったことにあるだろう。
『気違い』は、さすがに面白かった。この『気違い 』は、題名のせいかテレビでは絶対に放映されず、
いわゆる名画座でも余り上映されないので、初めて見た。
現在から見ると、貧しいの農民のエゴイズムのすごさも余り驚かないが、当時は相当にショックだったろう。
伊藤雄之助が、村の共有林の件で自己の権利を主張し、村八分になる。その中で、娘の水野久美(映画デビュー。この後、東宝でスリー・ビューティーズとなる)が結核で死ぬ。
この辺の突き放し方はすごい。だが、この以前すでに木下恵介は『日本の悲劇』と『女の園』で、
被害者が同時に加害者でもある、複雑さを描いていた。
だから、ここから大島渚の『愛と希望の町』の少年の孤独な戦いは、すぐ近くだったわけである。
ただし、『愛と希望 』の少年と伊藤雄之助が異なるのは、伊藤はいずれ村の長(現在は山形勲)になろうとしていることであった。
大島自身は、いずれ松竹大船村の長になるつもりだったのかもしれないが。
この次は『バナナ』を見るつもり。
来週は、阿佐ヶ谷で五所の『蟻の町のマリア』もあるので、楽しみ。
>80
井上梅次は先日『第六の容疑者』という犯罪物を見たが、これなど計算が完璧で画面や筋にまったく無駄がない。
そのため、やや事務的な匂いがしてつまらなくなったいた、という感じだった。
彼は文学部ではなく経済学部で、本当は映画に入る気はなかったが、高校時代の友人が内川清一郎で、
彼の紹介で大ストライキ直後の東宝で手伝ったのが、映画界に入るきっかけだったのだそうだ。
実に計算がしっかりしすぎているのが、欠点であり、また映画各社幹部からは信頼された所以だろう。
- 82 :
- 確かに井上梅次は規格がはまった時が圧倒的にいい。
> 松竹映画が衰退した原因の一つは、
大島渚くらい飼い慣らせないようじゃダメでしょ。
『愛と希望の町』観れば、大島だって適応力あるの分かるし。
助監督だけじゃなくて、本社にも優秀な人を雇うべきだったね。
- 83 :
- >>82
松竹は単純に企画が悪いでしょう? いちいち名前は挙げないでおくが、資料を見ると多くの
群小監督たちが、内容を問う以前のくだらないタイトルの作品を撮らされてきた。
むろん、他社にもくだらない企画は多かったが、松竹のくだらなさは群を抜いていない?
どうしてこの会社が保ったのか不思議でならない。
故前田陽一によると、巨匠異才の影で、現場がダルでどうしようもない監督も多かった
そうですしね。それでも撮影所があるから映画はできる(これだけは各社同じか?)
興行網の弱かった新東宝・日活・大映が次々に討ち死にし、興行力のあった東宝・東映・松竹が
残ったわけだけれど、松竹もコヤの基盤が無ければ危なかったのではないか?
- 84 :
- もったのは不動産業のおかげでしょ。寅さんとね。
やっぱり城戸四郎みたいな同族年寄りが牛耳っていたのが原因でしょ。
「青春残酷物語」以降の流れで建て直し出来ればね。
あの環境で名作を連発する野村芳太郎は本当に凄いな。
- 85 :
- >>84
スレ違いになってきたけど、巡り巡って、現社長も城戸の血筋なんですよね。この社長、
経歴がよくわからん。
>78年、不動産などを扱っていた松竹映画劇場入社。91年に退社し、弁護士登録。
>98年当時社長の奥山融氏と元専務の奥山和由氏が解任された後に松竹に顧問として入社。
>99年から副社長、今年5月27日付で社長に。
ttp://www.yomiuri.co.jp/hochi/geinou/jun/o20040604_30.htm
これって、途中で渉外弁護士に回り道したけど、それ以前からずっと松竹の不動産と興行の
一部を見ていた、ということでしょうか?
奥山親子も「松竹第一興行」を持っていたらしいし(ここに相当に本社のカネを流し込んだらしい)、
同族たちが株と事業を握って本社を派閥支配するのが松竹流ですか?
- 86 :
-
仕事もろくになかったので、午後夏休を取り『エルビス・オン・ステージ』を見てきた。
1970年のラスベガス・MGMインターナショナル・ホテルでの公演。日本では72年に公開された。
多少、編集が変わっていて、前回あった「エルビスそっくりコンテスト」などがなくなり、舞台中心になっている。
やはり、感じたのは、最高のエンターテイメントは、演者の肉体であり、
ワイヤー・アクションでも、CGでも、SFXでもないということだ。
それは、五輪でも同じだったね。肉体の魅力こそ最高なのだ。
また、この頃はアメリカの白人文化に対し黒人文化が上昇中で、
バック・コーラス、スイート・インスピレーションズの女性の自信に満ちた表情によく出ている。
撮影は、ルシアン・バラード。『ワイルド・バンチ』『墓石と決闘』『砂漠の流れ者』等の名撮影監督。
- 87 :
- 先週から三百人劇場に通い、『好人好日』『大根と人参』『バナナ』を見たが、
昨日阿佐ヶ谷のラピュタで見た五所平之助の『蟻の町のマリア』が予想以上に良かった。
昭和30年代に浅草にあったバタヤ・蟻の町、どうやら浅草公園を不法占拠していたらしいが、
ここにボランティアとして活動した北原玲子の実話。千之赫子の数少ない主演作品。脚本は長谷部慶次。
東宝ストのときの共産党シンパで、後に左翼独立プロで活躍した伊藤武郎らからは、ややはなれた人達だった彼らは、
五所を中心にスタジオ8という会社を作り、『煙突の見える場所』などを作るがつぶれ、最後は松竹の子会社・歌舞伎座プロで映画を作る。
この会社は、京都で宮島義勇のカメラで『高丸菊丸』などという三流時代劇も作っている。
五所のやさしさと抒情性、カット割と心情描写の細かさがいい。こういう演出がなくなったのは、惜しい。
千之の父が斉藤達夫、母が夏川静江。脇役が皆いい。飯田蝶子、三井弘次、中村是公、多々良純、浜村純、岩崎加根子
須賀不二夫、町の代表(会長)が佐野周二。事務長が南原宏治(こいつは共産党みたいな奴で、対マスコミ向けに千之を利用しようとするが、
最後は彼女の真摯な情熱に打たれる)
勿論、最後は結核で死ぬ。新聞記者、渡辺文雄、都庁の役人・松本克平。
彼らは、8号埋立地、現在の潮見地区に移転する。
彼女は、カトリックの名門校、光塩女子学院の出身なのだそうだ。昔は偉い人がいたんだね。
- 88 :
- >87
歌舞伎座映画『高丸菊丸』のカメラは、宮島ではなく黒田清己だよ。彼も大映をレッド・パージで首になり、
京都の弱小プロを経たのち、近代映画協会に入り『裸の島』等を撮る。
いずれにせよ松竹という会社は、意外にも左翼や独立プロと関係が深い。
- 89 :
- や右翼もね。
なんせ移籍しようとしたスターの顔を斬り付ける会社だから。
- 90 :
- >>89
揚げ足取りと取られたらごめん!
林長二郎の場合は、「移籍したスター」ですが、他にもそんな実例はあったのかな?
- 91 :
- >89
厳密には、松竹系の新興キネマ撮影所長である永田雅一が若い頃に千本組というの
組員で、長谷川一夫移籍の際には、千本組の構成員が切りつけた。
なので、・右翼は新興キネマの流れを汲む大映の方が濃厚。
- 92 :
- 91
林長二郎のこの引き抜きの報復に松竹は、東宝系だった吉本興業の
アキレタ・ボーイズ、ミス・ワカナ等を引き抜き、新興演劇部を作った。
このとき、アキレタのリーダーの川田晴久は、義理堅いので吉本に残った。
林長二郎事件の首謀者が永田雅一であることは周知の事実だったが、戦後
自分の劇団・新演技座で大赤字をしょった長谷川一夫は、永田を頼る。
永田は長谷川の借金を帳消しにし、大映時代劇の中心にする。
どっちもどっちというか、狭い世界なんだね。
- 93 :
- >>91
と右翼を一緒にしないでほしいね。戦前はそんな時代ではないよ。
別々です。
- 94 :
- >>93
面白そうだね。もうちょい色々説明してよ。
- 95 :
-
先週フィルム・センターで見た黒澤明の『明日を創る人々』は、確かにいい映画ではなかった。
しかし、黒澤が言うように「組合映画であって、自分の作品ではない」とも言えないものだった。
製鉄会社の社員・薄田研二一家の話。娘・中北千枝子は、不二撮影所のスクリプター。
その妹は、浅草のレビュー小屋の踊子。彼らの家の二階に下宿している森雅之は、電鉄会社の車掌。
どこもストライキに突入し、初めは組合に無理解だった薄田も行進(戦後最初のメーデー)に参加する。
安易な組合賛美映画(脚本は山本嘉次郎と山形雄策)だが、組合の要求をシュプレヒコール劇風に高揚させるところや
群集の撮り方、移動撮影の使用などは、極めて黒澤的である。
行進に参加した薄田が「聞け、万国の労働者」に乗って
次第に意識が高揚していくところなどは、戦時中の戦意高揚作品『一番美しく』と全く同じ技法である。
感じとしては、撮影所や群集シーンは黒澤。薄田一家のところは関川秀雄、浅草のレビュー小屋のシーンは、
山本嘉次郎の演出のような気がする。高峰秀子と藤田進は撮影所の役者として実名で出る。監督役は北沢彪。
時代がよく分かる映画である。「組合」や「ストライキ」という言葉に魅力があった時代。
今は、プロ野球選手会のみが使う言葉となったわけだ。
この年、昭和21年1月に開催された野坂参三帰国大会で歓迎の辞を読んだのが、藤田進だというのだから笑えるではないか。
- 96 :
- >>48
小林信彦の「おかしな男 渥美清」に出てくる森繁の言葉
「キヨシはかわいそうですよ。私が注目されたときは、マキノ雅弘、豊田四郎、久松静児といった
監督さんから声がかかって、いろいろな演技を引き出してもらえたのですがね」
これは1972年の発言
昔は「しごいて」引き出す監督と「自由にやらせて」引き出す監督がいたんですね
- 97 :
- >>59
神山征二郎が映画「郡上一揆」の完成披露講演会を岐阜市で開いたとき、職場でかりだされて無理矢理酸化させられた岐阜市民です。
神山には「ハチ公物語」で呆れかえったことがあり、ヌルイ親父だとばかり思ってたんですが、講演会の神山は人相風体も喋り方も酷く意固地な頑固爺といった感じで驚きました。
しかし、もっと驚いたのは、講演で肝心の映画「郡上一揆」にはほとんど触れず、最初から最後までATGに対する罵詈雑言をわめき散らしたことです。
神山曰く、日本映画をダメにしたのはATGだそうですw
神山ってATGに何故恨みがあるんでしょう?
ATGスレで聞いたんですがレスが無かったんで、いじわるじじいサンなら何か知ってるかと思って…
遅レスかつスレちがいスミマセン
- 98 :
- >>97
>神山曰く、日本映画をダメにしたのはATGだそうですw
いじわるじじいでがないが・・・。ATGは東宝資本で、興収のあがりの大半を持っていってしまう。
結果的に監督のプロダクションから搾取して、現場が疲弊したからでは?
講演の内容がわからないので、これぐらいしか思いつかない。
お金の流れについては、近代映画協会や共同映画、神山プロなどもどうなんだろう?
という気がするが・・・。お金のことはあまり深く考えてはいけない業界だw
- 99 :
- >>87-98
今出てる「東京人」でインタビューに答えてる実相寺昭雄、黒木和雄、
大林宣彦、大森一樹あたりのように、個人映画やTV、PR映画畑からきた人は、
ATGの恩恵に浴した旨の発言をしてるけど、中島貞夫とか商業映画系の人は
搾取されたと怒る人が多いね。まあ、これはATG=東宝に限らず、独立プロは
ハナから儲からないようになっている興行システムに問題があるけれど。
神山征二郎が怒っているのはATGに代表される、こうしたシステムについてかも。
神山は新藤兼人の「賛歌」や「心」とか、あるいはフリーの助監督として
就いたときの記憶から怒っているんでしょうか。
近代映協は新藤兼人が、なかなかしたたかにやっているのでは。
「藪の中の黒猫」「悪党」「鬼婆」とか東宝でやるときも、東京映画とか日映新社とか、
傍系会社との提携で、東宝の文芸大作風のキャストやアピールを実現させてるし。
まあ、大儲けはしないにしても、赤字にならない程度にはうまくやっているのでは。
後には、かのMARUGENからもお金を引き出しているわけで、相当な手だれだよなあ。
その近代映協出身の神山は師の薫陶を受けて、お金に関してはそれなりにうまくやっているのかもしれん。
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