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2013年01月エロパロ423: バーバパパでエロパロ (208)
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バーバパパでエロパロ
- 1 :2011/09/27 〜 最終レス :8)
- このCM見てよ
http://www.sekisuihouse.co.jp/cm/movies/flash/109/index.html
そう、この眼鏡かけたオレンジの女だよ
どっからどう見てもバイブだろコレ!
何にでも変形できるバーバ一家ってエロすぎる
というわけで職人さんお願いします
- 2 :
- 期待を込めてあげておく
- 3 :
- しかも飼い犬はロリータw
- 4 :
- 職人かもーん!
- 5 :
- 何を書きゃいいんだよww
- 6 :
- すげえw
書けた人を尊敬するかもしれん
楽しみー
- 7 :
- 切れ目を入れたコンニャクを相手に、官能小説を書けとw
- 8 :
- とりあえずインスピレーションのためにバーバ動画置いてく
http://www.youtube.com/results?search_query=%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%91%E3%83%91&aq=f
バーバたちにヤられちゃう人間の女の子でもいいし
変態バーバパパにいいようにされるバーバママでもいい
誰か・・・!
- 9 :
- こいつら元がなんでもアリだからどんなプレイでもできるんだよな。書いてくれる勇者に期待。
- 10 :
- どこが性器なんだよ
- 11 :
- バーバモジャってえろくね?
黒いし毛だらけ
しかも画家
えろーい!
- 12 :
- >>11
それよりバーバララだろう。音楽が趣味らしいがきっと良いヨガリ声を出すに違いない
- 13 :
- 出落ちすぎるw
- 14 :
- 期待あげ
- 15 :
- >>10
全身に決まってる
何にでも形を変えられるから
触手状になって腕・足縛った上でクンニしながら
チンコ型になって挿入とか
すっごく細くなって子宮内侵入→出産とか
こんなハードなのじゃなくてもいい
作中のネタ程度で家具に変身
女の子が座ったら拘束してイタズラとかその程度でもいい
スケベイスに変身したパパが座ったママをペロペロとかでもいい
つかこれを文章に出来る才能をくれ、今すぐにだ
- 16 :
- バーバズー:自然科学に詳しく、動物大好き
→ 動物をけしかけ獣姦させるS野郎
バーバピカリ:科学、天体物理学などの理数系の知識が深く、発明好き
→ 催淫剤・媚薬作りもお手の物。シャブセク好き
バーバリブ:物知りで、兄弟で一番のしっかり者。本が好き
→ 耳年増・目年増な処女。エロ本片手に毎日オナニーに耽る淫乱
- 17 :
- あれは私が中学生になって最初の夏休みのときでした。
当時私の家には、近所の大学に通う従兄弟の直也さんが同居していて
私と4歳年上の姉は優しいお兄ちゃんのような直也さんの事が大好きでした。
そのせいで、夏休みに私たち姉妹が直也さんの実家に遊びに行った時には
私たちは互いをライバル視するようになっていました。
直也さんの両親に挨拶をすました私たちは、直也さんと三人で近くの海に遊びに行きました。
海で水着に着替えてみると16歳の姉はスタイルも良く、ビキニの水着がとてもよく似合ってます。
それに比べ、私は幼児体型で水着も黒のスクール水着で色気もなにもありません。
自信の現れなのか姉は直也さんに積極的にアプローチして
二人でどこかに行ってしまい、私は鄙びた海水浴場に一人取り残されてしまいました。
『つまらない』
鄙びた海水浴場には私たち以外は家族連れが二組いるだけ、海の家も閉まっていて
隙を持て余した私は直也さんと姉があるいていった岩場の方に行ってみました。
岩場に行ってみると岩陰から直也さんと姉の話し声が聞こえてきたので
岩陰を覗いた私は衝撃のあまり動けなくなってしまいました。
直也さんは水着を脱いで全裸になっていて、その隣で水着のトップスを外して胸を露にした姉が
直也さんの逞しい胸に舌を這わし、やがて舌は直也さんのお腹に下って行き
そして、姉は直也さんのオチンチンを口に含むと音を立てて吸い始めました。
直也さんの方も、姉の水着のボトムの中に手を入れ股間を撫で上げると
姉の身体がピクリと動くのが分かりました。
気がつくと私は水着の上から胸を刺激し、股間の割れ目の上を指で撫でる行為
いわゆるオナニーをしていました。
情けないと思いながらも、身体に電気が走るような感覚に声が出そうになり、慌てて声を噛みしました。
その時です、突然私の後ろから手が延びてきて、私の胸をわしづかみしたと思うと股間を撫で始めました。
驚いた私が声を上げるより先に私の口は大きな黒い手に塞がれ
そのまま身体を反転させられた私が見たのは、バーバパパでした。
- 18 :
- >>17 まwwwwじwwwwかwwww
- 19 :
- 支援あげ!!!!
- 20 :
- 俺もあげる!!
- 21 :
- 上げるぜ!
- 22 :
- あああん
- 23 :
- 黒い手だから、ママかモジャだと思ってたのに
- 24 :
- そうか、ママのお万個は真っ黒か
- 25 :
- とりあえず、そのまま押し倒してレ●プ希望。んで言わない代わりに肉便所…やべ、よくあるパターンだ
- 26 :
- バーバモジャに犯されていると思ってたら、
スティンキーでした><
- 27 :
- あげ
- 28 :
- なんてひどいスレだwww
- 29 :
- 保守
- 30 :
- おとさない
- 31 :
- バーバモジャに全身くるまれてモサモサされたい
きっと筆責めのもっとすごい世界が待ってる・・・!
- 32 :
- 保守
- 33 :
- 保守代わりに
「イマジナリーフレンドって言って解る?」
彼女の問いに僕は記憶の底をさらった。
「確か、想像上の友達、という意味だよね。
子供が自分の空想で造る友達の事」
「そう。あなたには居た?」
「……どうだろう。憶えてないって事は居ない、のかな」
「私には居たわ。
私のイマジナリーフレンドは“バーバパパ”だったの」
「“バーバパパ”ってあのピンクの、スライムみたいな奴?」
「『スライムみたいな』って何だか嫌ね。やらしい響き」
彼女が膨れっ面をする。
確かに子供の頃の大切な思い出に対して、ちょっと遠慮が無かったかもしれない。
「でも、最初私はその人が“バーバパパ”だって知らなかったの。
図書館の絵本で見て、初めて名前を知ったのよ」
「じゃあ、どこで最初に見たの?」
「家のお風呂」
「お風呂?」
「そう。“バーバパパ”はお風呂に居る人だったわ」
「お風呂で遊ぶおもちゃだったって事?
水に浮かべたり、濡れても平気みたいな」
違うわ、と彼女が苛立った事に僕は怯える。
彼女は基本的には物静かだが、怒った時の容赦がない態度に未だに慣れる事が出来ない。
「“バーバパパ”はおもちゃじゃなくて友達だったの。
最初からそう言っているでしょう。聞いてなかったの?」
「ごめん。じゃあ、その……“バーバパパ”はお風呂に住んでいる友達、だったんだね」
「そうねえ」彼女は少し考え込んだ。
「出会ったときはお風呂に居たし、お風呂で遊ぶ事が殆どだったけど、
時々私についてきて外で遊ぶ事もあったわ」
彼女は懐かしげにふっと笑う。
- 34 :
- 「初めて出会った時はびっくりしたわ。
誰もいないと思っていたお風呂場に“バーバパパ”がいたんだもの。
でも居たと知っていたら恥ずかしくてあんな事出来なかったわね」
「あんな事って?」
彼女はちょっと顔を赤らめた。
「おしっこしようとしてたのよ。
だって、ずっと我慢していたんだもの。
私が住んでいた家はトイレ付きのユニットバスとかじゃなかったの。
仕方ないでしょ」
「トイレに行けば良かったんじゃない?」
「だってお風呂場から出るなって言われたんもの。
子供としてはそれに従うしかないわ」
なんとなく引っかかったが彼女は言葉を続けた。
「抵抗が無かったわけじゃない。
私ももう小学校に上がっていた頃で、こんな事したら叱られるし、
トイレ以外でおしっこするなんて赤ちゃんみたいですごく恥ずかしい事だって理解していたわ。
でもその日は朝ご飯を食べてすぐお風呂場に行って、
それからお昼を過ぎてもずっと出してもらえなかったんだもの。限界にもなるでしょ。
それで、パンツだけ脱いでしゃがみこんだの。
トイレならパンツを下ろすだけで普通に出来たけど、
何の目印も無いお風呂でパンツを汚さずにおしっこ出来る自信が無かったから。
半日位居たお風呂場だったけど、靴下に湿気が染み込んですごく気持ちが悪かったのをおぼえてる。
もし靴下も汚しちゃったら、そんな事にならないように脱がなきゃって思ったけど、
気持ち悪くてどうしても脱げなかったの。
洗い場は正面に鏡があって、私の姿が良く見えた。
お風呂場なのに普通にセーターとスカートを着て、
でも下半身を丸出しにしてしゃがんでいる自分が見えて凄く変な感じだった。
- 35 :
- 男の人は思わない事かもしれないけど、
女はトイレ以外の場所でおしっこする事なんて下手したら一生ないじゃない。
だから、いざしようと思っても出ないのよ。
さっきまで、パンツを脱ぐまで出したくて出したくてどうしても我慢できなかったのに、
洗い場の上にしゃがんだらどうしても出なくなっちゃったの。
おなかに力を込めていきんでも、おなかを押しても出ない。
どうしよう、って思ったわ。
もしもこんな事をしている所に親が来たら、きっと凄く叱られる。
もうお風呂場から出してもらえないかもしれない。
だから、どうしても早くおしっこしなくちゃいけないのに、出ない。
おしっこの出る場所はむずむずする感じなのに、あと一歩が足りないの。
だから、おしっこの場所を触るしかない、って思ったわ。
本当は汚い場所だから、絶対触っちゃ駄目って知っていたけど。
左手の人差し指でちょん、とつついてみた。
それだけじゃ足りないような感じがして、とんとん、とノックをするような感じに。
身体の芯までノックが響くような、これまで味わった事のない感覚だった。
もっと、もっと、ノックすれば、おしっこが出る。
おしっこの場所がだんだん柔らかくふにゃふにゃしてきて、透明なねばねばした汁が出てきたのに、
でも足りない。おしっこが出ない。
『おしっこ、でないよ、だして、でてぇ』
気持ちばかり焦って、そう声まで出してしまったのに、どうしても出てくれない。
しゃがんだ足ががくがくして、お尻をついてしまいそうなのに、
もうノックだけじゃ足りなくて指の腹でごしごしこすっているくらいなのに。
その時“バーバパパ”が言ってくれたのよ。大丈夫だよ、僕にまかせてごらんって。
- 36 :
- 私の家のお風呂って正直あんまりきれいなものじゃなかったわ。古い家だったしね。
でもその時鏡の向こうに見えたお風呂は違った。
黴の生えたタイルやどうしても滑りのとれない床が、そんな風な見かけを装っていただけだって解ったの。
黒ずんだタイルや床がどんどんつやつやしたした綺麗なピンク色に変わっていく。
床も冷たくて固かったはずなのに、暖かくてトランポリンみたいにぽよぽよと弾む材質に変わってしまった。
バランスを崩してしりもちをついたけど、全然痛くなくて柔らかく身体を受け止めてくれる。
倒れた身体を背中から誰かが押し上げて支えてくれた。
鏡の中には大きく足を広げておしっこの場所を丸見えにした私と、
それを抱き上げている“バーバパパ”が見えた」
「あの……その“バーバパパ”は絵本のと同じ姿なの?」
「そうね。大まかには同じかしら。あ、もちろん顔はもっと人間らしい顔よ。
絵本の顔はデフォルメされているのね。
ピンク色の大きくて柔らかな身体、目が二つに鼻一つに口一つ、二本の手。
下半身に足は無かったわ。絵本と同じね。
この時、下半身は大きく広がって“私の家のお風呂場”になってた。
床も壁も湯船も、全部“バーバパパ”が私の家のお風呂場に似せて作ったものになっていたわ。
似ているのは形だけで、色は綺麗なピンクだし、ふわふわと柔らかくて暖かいけど。
“バーバパパ”はおしっこを出す為には身体全体の力を抜かなきゃいけないと言ったわ。
どうしたらいいの、って訊いたら、足を大きく広げて横になるようにと言われた。
元々のお風呂場だったら横になるのなんて絶対嫌だったけど、
“バーバパパ”の上なら全然抵抗無かったわ。
“バーバパパ”は私の膝を立てて広げ、足首を押さえた。
首の後ろに枕のような膨らみをあてがってくれたので、ちょっと首を下げれば足の間を見る事が出来たわ。
“バーバパパ”はもう二本手を生やして、スカートを捲り上げた。
白いおなかが丸見えで、急に何も履いていないのが心細くなった。
“バーバパパ”は大丈夫だよ、という風に身体の一部を伸ばしておなかを隠してくれた。
ピンク色の腹巻を巻いているような感じ。
その時はなんとも思わなかったけど、もう少し齢がいってからは腹巻が何となく恥ずかしくて辛い気持ちになったわ。
“バーバパパ”には、そんな事言っても君は腹巻が大好きじゃないかって笑われたけど。
- 37 :
- じゃあやるからね、と“バーバパパ”に言われても、私は何の事か解らなかった。
だから“腹巻”の内側にびっしり“バーバパパ”の指が生えて、
ぶるぶるとおなかをくすぐり始めた時、心の準備が全然出来てなかったの。
『く、くすぐったい! やめて、くすぐんないでぇっ』
そんな風に言えたのは最初だけで、すぐに言葉なんて浮かばなくなった。
“バーバパパ”の腹巻はおなかからセーターの中に入り込んで、
背中も、おっぱいも柔らかく揉み解していく。
初めはくすぐったくて笑いが止まらなかったけど、その内息苦しさが別のものに変わってきた。
おしっこの場所からはとろとろした透明な汁がだらだら垂れていく。
お漏らししたのかなと思ったけど、いつまでもいつまでも止める事が出来ない。
『おもらし、とまんない……どうしよう』
“バーバパパ”は心配ないよ、と言ってくれた。
もっともっと、好きなだけお漏らししていいんだよって。
セーターの中に入り込んだ“腹巻”は最終的にはおっぱいを覆うような形になり、
中でもにゅもにゅ蠢いた。
おっぱいが大人みたいに大きくなって、勝手に動いているような変な感じ。
おっぱいの先の乳首は指でいじいじされたり、ちゅばちゅば吸われたり、柔らかく噛まれたりしてる。
自分でセーターの上から触ってみるともちもちした柔らかさで、すごく気持ちいい。
指が、掌が気持ちいいものを触っているって解るの。
触っているのは“バーバパパ”なのに、自分のおっぱいも融けてしまう。
セーターを捲り上げて、直接“バーバパパ”をいじり始めた頃、
“バーバパパ”は私の太股を覆い始めてた。
内側でパパの指がびっしり蠢くタイツを履かされたような感じ。
おしっこの場所だけがむきだしだから、いつおしっこが出ても平気だね、と“バーバパパ”は言う。
身体の奥から何かが出てきそうで、あっあっと声を出しながら腰を振ってしまう。
おしっこの場所がぶるぶる震える。汁でもう“バーバパパ”はびしょびしょだ。
でも、もしかしたら僕がいじった方がおしっこが出るかなあ、と言われた。
どうしようか、いじる?
『いじって……おしっこのばしょ、いじって、おしっこ、ださせて』
- 38 :
- 私がそう言うと、“バーバパパ”は私の股の間に顔を持ってきた。
直接顔を合わせると、やっぱり恥ずかしい。
きみのおしっこの場所はとても綺麗だね、と言われた。
お漏らしでぐちゃぐちゃしていて、何が綺麗なのかよく解らなかったけど、
私のその場所は“バーバパパ”と同じピンクでぬるぬるしていて、
だから“バーバパパ”から見て綺麗なのかなと思った。
“バーバパパ”の口が私のおしっこの場所にあてがわれる。
汚い場所だから駄目だよ、と言おうと思ったけど、パパがずるずると啜ったらもう言葉が作れなくなった。
口からあっとかふぁっとか、そんな意味のない音しか出ないの。
楽器になっちゃったんだ、と思った。
パパが吹いたり吸ったり、弾いたりすると音が出る、楽器。
最初はパパの舌がおしっこの場所にあてがわれていたけど、だんだん違うものになった。
ざらざらした舌が、細かい毛の生えたぷるぷるしたものに変わって奥に差し込まれて、
最初はちょっと痛かったけど、生ぬるい水をそこから流し込まれたら痛みが消えてぽかぽかと熱くなって、でもその代わりにずきずきと、もっともっと触って欲しくなって、
どうしよう、助けてって言ったら太くていぼいぼがたくさんついたもので中をかき回してくれた。
同じものを口にも入れてくれて、苦いはずなのに甘い甘いものをどんどん飲ませてくれるの。
最期にパパのいぼいぼがびゅっびゅっとたくさんおしっこをしたら、
釣られて私もおしっこをお漏らししてしまった。
それまでの人生で一番長いおしっこで、いつまでもいつまでも終らない。
最期にはもう腰から下の感覚が無くなって、体中をぶるぶる震わせていた。
声を出すつもりは無かったのに、いつまでも肺から声が絞り出されて、ピンク色の壁や天井に響いたわ。
おしりにも太ももにもお腹にも、私とパパのお漏らしがついてびしょびしょだった。
しばらく“バーバパパ”にもたれて荒い息をついていたら、こう言われた。
お漏らしで汚れちゃったね。綺麗にしてあげるから、服を脱いでお風呂に入ろう。
私はぐちゃぐちゃになったセーターとスカートを脱いで、
ピンク色の蓋を開けて、ピンク色の湯船を覗き込んだ。
湯船の底には“バーバパパ”の顔があったわ。
周りからはパパの指と舌といぼいぼが数え切れない位生えて、ぴくぴく動いていた。
湯船に足を入れるとき、靴下を脱ぎ忘れた事に気付いたけど、私は構わずに湯船に身を沈めた」
- 39 :
- 僕がしばらく黙っていると、彼女は優しく微笑んだ。
「何を考えているか、大体解るわ。
当時、私の母と義理の父は色々なトラブルを抱えていた。
小学校に上がったばかりの子供を一日風呂場に閉じ込めるくらい、日常茶飯事だったわ。
後に二人は離婚するけど、義父は再婚相手の子供に性行為を強要して新聞に載る羽目になった。
私の想像上の友達について、カウンセラーが言う事はいつも同じ」
彼女は僕の胸を撫でる。
「でも、私は今のままで何も困っていないわ。
“バーバパパ”は私の大切な人。
彼は私の望む事をなんでもしてくれるし、私は彼の望む事を何でもしてあげたい」
僕は溜息をついて、彼女に尋ねた。
「さっきから僕を拘束して、肛門を揉みほぐしているのが“バーバパパ”なのかい?」
「いいえ、彼女は“バーバママ”よ。“バーバパパ”の奥さんね」
- 40 :
- きたあああああああ!!!!
gjすごくイイ!!!
優しい態度の鬼畜っていいよねパパいいよ
- 41 :
- ママw
まさかこんなまともな作品が投下されるとは思わなかったよw
- 42 :
- まさかのきれいな話だな
- 43 :
- なぜもっと評価されないんだ?
- 44 :
- バーバリブ×ショタです。濡れ場は10辺りから。
彼女と出会ったのは図書館だった。
同じ本を取ろうとして手が触れ合うという、少女マンガのような出会い。
一通り互いに譲り合った後、その本の著者の話になり、好きな本の話になり、
周囲に咳払いをされるまで夢中で話し込んだ。
赤面した彼女に喫茶店に誘われて、僕はどきどきしながらついていった。
僕は親以外の人と喫茶店に入るのは初めてだった。
小腹が空いている時はいつもファーストフードだ。
高くておしゃれな喫茶店になど入りたいと思った事もなかった。
彼女が“腰を落ち着けたいとき入る”という喫茶店は、柔らかな照明と重厚な木のテーブルが印象的だった。
メニューに並ぶいろんな名前のコーヒーに目を白黒させていると
彼女は“本当はわたし、コーヒーの味の区別つかないの”とこっそり教えてくれた。
彼女は紅茶を、僕はホットココアを頼んだ。
最初は店の雰囲気に気圧されていたが、話を再開するとそんな事は忘れた。
流れる外国の歌が案外かっこいい事に気付いたり、
喫茶店の人がサービスだよと言ってクッキーを一皿つけてくれたりする内、あっという間に夕方になった。
その時になって初めて、僕は青くなった。
財布の中身が彼女におごるどころか、自分の分にすら足りない事に気付いたのだ。
彼女は自分が誘ったのだからおごると言ってくれたが、それは恥ずかしすぎる事に思えた。
必ず返すから、また明日図書館で待ち合わせよう、
そう言うと彼女は眼鏡の下の目をぱちくりさせた後、頷いてくれた。
それが初めてのデートだった。
- 45 :
- 次の日、学校が終わると図書館に走った。
財布の中には彼女に返すお金以外にも、貯金箱をひっくり返した全財産が入っていた。
今度こそ、彼女とあのお店に入っても大丈夫だ、たぶん。
彼女は図書館のロビーで僕を待っていた。
手には読みかけの本、傍らにはバスケット。
彼女はさっき来たばかりだと言ったが、本はだいぶ読み進められていて、
待たせてしまったのかも知れないと申し訳なく思った。
それにお金を返したら、もう彼女は僕に用がない。
もう彼女に、会えないのだ。
彼女は立ち上がると、バスケットを手にした腕を後ろに組む。
“ね、ねえ、ケーキ好き?”
唐突な彼女の問いに、僕はよく解らないながら頷いた。
“ちゃんとしたケーキ屋さんのケーキじゃなくて、ただのカップケーキだけど好き?”
“う、うん”
“具がね、バナナしかないの。材料とか買いに行ければ良かったんだけど、昨日の夜思いついたから。
ね、ねえ、バナナは好き?”
“す、すきだよ”
彼女はバスケットを差し出し、ふたを開けた。バターとバナナの匂い。
“て、てて天気がいいから、外で食べない?”
僕は今、頬を真っ赤にしてそう言う彼女と同じ顔をしているんだろうなと思った。
公園のベンチに並んでカップケーキを食べる。
彼女は、お菓子作りが余り得意ではなかったので、ママや姉妹に手伝ってもらったのだと打ち明けた。
聞けば彼女は両親と二人の姉妹と四人の兄弟と一匹の犬と暮らしているのだという。
“ほかの家族の人も本好きなの?”
“あんまり読まないかも。わたしの次に読むのは実験好きの子だけど、
学術書しか読まないから趣味が合わないし”
彼女はずり落ちそうになった眼鏡の弦を押し上げた。
“だから、こんな風に本が好きな人と話した事って、初めてなの。あ、あのね、もしよかったら”
“明日も会おうよ。また、図書館で”
彼女の言葉が終わる前に、その言葉は僕の口から飛び出していた。
僕たちは最後の一個のカップケーキをどちらが食べるか押し問答したあげく、
双方が引っ張りあって半分こにする事に決めた。
互いに触れ合う指は、昨日一冊の本と一緒に触れた指よりも、もっともっと熱く感じられた。
- 46 :
- 僕たちはしばらくそんな風にして過ごした。
彼女の手作りお菓子のバリエーションはだんだん増えていき、
一方で僕は彼女にジャンクフードのおいしさを教え込んだ。
僕が買ってきたフライドポテトを彼女は脂っこすぎると言いながらも、
癖になる味だと気に入ったようだった。
出会って二週間ほどしたある日、彼女は思い詰めた顔をして黙ったままでいた。
十分位経ってやっと彼女は、もしも、もしも嫌ではなかったら自分の家に遊びに来て欲しいと言う。
これは決して特別な意味はなく、もし自分の家族に会うのが嫌ならこの話はなかった事にして欲しい、
そう真っ赤な顔で言う彼女に僕は一も二もなく頷いた。
もちろん不安がない訳ではなかった。
彼女は変わり者揃いの一家に僕が引くのではと思っていたようだが、
僕は僕で、何の取り柄もない奴がボーイフレンド面をしていると不愉快に思われるのではと不安だった。
これはどちらも杞憂で、僕と彼女の家族はすぐに仲良くなった。
まあ確かに彼女の兄弟はいたずら好きで、かなりびっくりするような目に何度も合わされたけれど。
こうして思い返してみると、僕と彼女は順調に交際を進めた、ごくありふれたカップルだったのだなあと思う。
彼女が、バーバリブである事をのぞいては。
- 47 :
- 「……でね、兄貴がそんなの子供っぽいって言うんだ。そんな事ないよね?」
「……」
「リブ?」
呼びかけると彼女は我に返ったように目をぱちぱちさせる。
「え、ええ。そんな事ないと思うわ」
「……今日、調子悪いの?」
「な、なんでもないわ、大丈夫」
今日の彼女はずっとこんな調子だった。
頬が赤く、ぼんやりと潤んだ瞳はどこか遠くを見ているようだ。
「熱があるんじゃない?」
「……そうかもしれないわ」
「無理しないで、帰って休んだ方がいいよ」
「……ごめんなさい」
彼女と手を振って別れてから、僕は溜息をつく。
実はここ最近、彼女はずっとこうだ。
最初は体調が悪いのかなと思っていたけど、こう何日も続くと流石に違うだろうと思う。
目を合わせると逸らされるし、手を握るとびくっと震える。
何かを言おうとしては口篭って、聞き返すと“なんでもない”と言う。
どうしてそんな風なのか、何か悩みでもあるのかと聞いても、何もないの一点張りだ。
確かに、僕なんかに悩みを言ってもどうにもならないかも知れないけど。
胸が重くなった。
僕は、彼女より年下だ。
初めてのデートのお店に入れるような大人ではない。
頭もあまりよくない。彼女の方がずっと沢山本を読んでて、いろんな事を教えてくれる。
一緒にいても、面白くないのかもしれない。
彼女がずっと言おうとして言えずにいるのは、“そういうこと”なのかもしれない。
- 48 :
- 翌日の授業はずっと上の空だった。
もしも彼女が“もう会いたくない”と言ったら、僕はどうしたらいいんだろう。
女の子と付き合うのは初めてなので、もちろんそんな経験は無い。
笑顔で“今までつき合わせて悪かった、終わりにしよう”とか言わなくちゃいけないんだろうか。
そんな事、出来そうにない。
嫌だ。
リブともう会えないなんて嫌だ。
リブが僕といても楽しくない事は解ってる。
それでも、嫌だ。
我がままだけど、会いたいし話したい。
悪い時に悪い事は重なるものだ。自業自得かもしれないけど。
僕は宿題を忘れた為に居残り補習を命じられた。
やっとの事で課題を終らせると、クラスメイトに呼び止められる。
最近付き合いが悪いというのだ。
無理矢理バスケに付き合わされて、抜けられた時は約束の時間を一時間半も過ぎていた。
待ち合わせの図書館のロビーに彼女はいなかった。
いつも見かけるお年寄りたちが世間話をしているだけだ。
以前、待ち合わせに遅れたときは待っていてくれたのに、と理不尽な不満をおぼえる。
こんな風に学校の用事で遅れたとき、
謝る僕に“本に夢中で時間に気づかなかったわ、ごめんなさい”なんて言ってくれたのだ。
もう、僕を待つのも嫌になっちゃったんだ。
そう思うと他の場所に行くのも面倒くさくなり、僕はロビーの椅子に座り込んだ。
おばあさんが声をかけてきたのはその時だ。
「あんた、あのオレンジ色の娘と付き合ってる子だろ?」
「……まあ、付き合っている、というか」
本当は彼女の事を“オレンジ色の娘”なんて言われるのは嫌だ。
確かに彼女の身体の色は僕たちと違うけど、そんな言い方だと彼女が人間扱いされていないような気がする。
「あの娘、さっきまでいたよ。十分くらい前かな。追いかければ間に合うんじゃないかねえ」
「ほんとですか!?」
おばあさんは顔をしかめる。
「まったく。女を待たせるなんていい男失格だよ。ちゃんと追いかけて謝るんだね」
図書館を走って飛び出すと、後からお年寄り達の口笛が追いかけてきた。
- 49 :
- 一時間後、僕は彼女の家の前に立っていた。
もうそろそろ日が暮れようとする時間帯だ。
結局、彼女を見つけることが出来ず、彼女が寄り道しそうな書店などをのぞきながら辿りついてしまった。
着いたものの、どうしたらよいか判らない。
家まで押しかけてきて、と嫌な顔をされるかもしれない。
彼女のご両親や兄弟に会っても何を言ったらいいか判らないし、やっぱり帰ろう。
僕は尻尾をふる彼女の愛犬に手をべろべろ舐められながら、そう決心を固めた。
「……リータ! 大人しくして! さっきご飯食べたでしょう」
次の瞬間、愛犬の名を呼びながら彼女がドアを開け、僕と目が合う。
「あ、あの」「え、えと」二人ともしどろもどろで、言葉をつまらせた。
「ごめん!」「ごめんなさい!」謝ったのも、二人ほぼ同時だ。
「さ、先に帰っちゃってごめんなさい」「僕の方こそ、遅くなって、ごめん……」
謝ったところで、次に何を言ったらいいのかが判らない。
真っ赤な顔で見つめあう僕らを、犬は不思議そうに眺めていた。
正直、彼女になんと言って家に迎えられたのかよく憶えていない。
僕も彼女もあーとかうーとか、ほとんど意味のある言葉を話せなかった気さえする。
リビングでお茶を一口飲むまで、家に彼女以外誰もいないことに気付かなかった位だ。
「あ、あのお父さんやお母さんは?」
「みんなで旅行に行ってるの。明日には帰るわ」
僕の顔を見て彼女は目を伏せる。
「嘘ついちゃった。頭が痛いから留守番するって言っちゃったの」
「ど、どうして?」
「だって……」
彼女は顔を真っ赤にして言う。
「あ、会う約束しちゃってたから。会いたかったから」
呆ける僕に気付かないまま彼女は言葉を続ける。
「わ、私といても、つまらないかも知れないけど、会いたかったの」
- 50 :
- 「そ、そんな訳ないだろ!」
自分が出した声は思っていたより大きかった。彼女がびくりと肩を震わせる。
「……ごめん、大きい声だしちゃって」
彼女はちょっと涙ぐんだ目で首を振った。
「僕の、方こそ、そう思ってた。
僕って別に取り得もないし、つまんない奴だから……リブに飽きられちゃっても仕方ないって」
「そんな事ない!」
今度は僕がびっくりする番だった。
リブがこんなに大きな声を、それも泣きながら出すところなんて想像した事もなかった。
「わ、私が、全部わるいの。私が、変な事ばっかり、考えちゃったから」
しゃくりあげながら声を絞り出す彼女をおろおろと見つめながら、
僕はやはり子供なんだなと絶望した。
僕が大人なら、彼女をこんな風に泣かせたりしないし、
もしこうなってもどうしたらいいのか判るのに。
だから、僕に出来るのはこれくらいだった。
「リブ」
彼女の手を握る。
「僕、リブの事好きだよ。だ、だから泣かないで。なんでもするから」
そんな、芸のない言葉しか出てこないのだ。
僕はもっと、真面目に本を読んでおくべきだったのかもしれない。
世の中には恋愛を扱った本が星の数ほどあって、
そこではこんな時、もっとずっとましな言葉が使われているはずなのだ。
こんな言葉では到底泣き止んでくれない彼女の涙を止められる、美しい言葉があるはずなのに。
- 51 :
- 「リブ、お茶飲む?」
「……うん」
リブの隣で彼女が泣き疲れるのを待つのは人生で一番長い時間だったと思う。
そう思っていたはずなのに、こうして彼女が僕の肩に身体を預けてぼんやりしていると、
何故か胸の中がくすぐったくなるような気持ちが湧き上がってきた。
いつもは落ち着いたお姉さんの彼女が、子供みたいに泣いて僕に身体をくっつけている。
リブって本当は子供だったのかも知れない、と僕は気付いた。
たまたま僕の方が年下だったから、無理してお姉さんらしく振舞っていたのかもしれない。
僕は、彼女に甘えていたのだ。
「ねえ、リブ。僕はさ、子供で頭も悪いけど、リブの為なら頑張るよ。
だから、悩みがあるなら、聞かせて。
そういう事って、話すだけでもずっと楽になるんだよ」
彼女はぎゅっと目をつぶり、首を振る。
「い、言えない。絶対、言えない」
「僕のこと、信じてくれないの?」
「そ、そうじゃないけど」彼女はまた泣きそうな顔になる。
「す、すごく、くだらないことなの。聞いたら、きっと私のことを嫌いになるようなこと」
「そんな訳ないよ」
リブがこんなに悩んで人にも言えないと思うような事なのだ。
「どんな事を聞いても、くだらないなんて思わないよ。リブと一緒に、どうしたらいいか考える」
「じゃあ、じゃあ最初から、話すけど」
リブはずり落ちた眼鏡を直しながら口を開いた。
「私のパパと、ママの話ね」
- 52 :
- リブのパパは生まれたとき、一人ぼっちだった。
両親もなく、土の中から突然生まれたのだ。
リブのパパは自分と同じものを探し、世界中を旅した。
でも、いくら探しても見つからない。
リブのパパは疲れ果て、生まれ故郷に戻ってきた。
そこで、自分が生まれた土の中で、リブのママを見つけたのだ。
「パパとママは結婚して、私たちが生まれたの」
「……ママが見つかってよかったね」
僕は心の底からそう思った。
あのおっとりした彼女のご両親にそんな重い過去があったなんて。
世界中のどこにも自分と同じものがいない、ひとりぼっちの境遇を想像すると胸がつまるようだ。
「……うん」
彼女はうつむいたまま答える。
「パパがこの話をしてくれたのは、私が子供の頃。
すてきな話だと思ったわ。
世界中回って運命の人と出会えたんだもの。
でも今はこう思うの。
世界中回っても、私の同族はいない。
それはもうパパが証明しちゃったんだって」
なんと言ったらいいか判らない僕を置き去りにして、彼女は話を続ける。
「これまでは、そんなに気にしていた訳ではないの。
姿が違ってもみんな仲良くしてくれるし、関係ないって思ってた。
で、でも将来の事とか、考えたら」
彼女がまた顔をくしゃっとさせたので、僕はあわてる。
「そうだよ! 僕は、ずっと仲良くする。
リブが人間じゃなくても、関係ないよ」
口にした途端、間違えたと気付いた。
彼女の顔は奇妙なくらい静かに凍り付く。
「じゃあ、もしあなたに、
可愛い、人間の、恋人が出来たら、
その娘と結婚したら、
それでも私と仲良くしてくれる?」
その言葉と共に彼女に目から涙があふれ出した。
「ご、ごめん、なさい、
こんなこと、いいたく、なかった。
きっと、きらわれるって、わかってた。
わたしは、バーバリブで、
にんげんの、おんなのこみたいに、みてもらえるわけ、ないのに」
- 53 :
- 僕は涙が流れる彼女の頬を見つめた。
眼鏡の下の、涙で腫れてしまった瞼を、
彼女が気にするほどには低くないと思う小さな鼻を、
黄色いさくらんぼのような唇をじっと見つめた。
その時の行動が正しかったのか、今も判らない。
もっと言うべき言葉があったんじゃないか、
もっと乱暴ではない手段があったんじゃないかとも思う。
でも、その時の僕はもう限界だった。
あまり頭のよくないただの子供には、それ以上の事は出来なかったのだ。
「リブ」
視界がぼやけて、彼女がオレンジ色の花のように見える。
抱きしめると本当に花の匂いがしてびっくりした。
ゼリーのように、柔らかくて弾力のある彼女の中に僕の身体が沈む。
「好きだ」
僕の右腕は肘まで彼女の身体に飲み込まれていた。
彼女をこんな風に触るのは初めてだった。
温かな泥のような身体をかき回して、ぐちゃぐちゃにする。
彼女がかすれた声であえぐのが可愛くて、心臓が止まりそうになる。
本当はこんな事しちゃいけないと解っているのに、
くにゃくにゃとした触り心地が気持ちよくて止められない。
彼女のほっぺたに、自分の頬をくっつけた。
彼女と僕の涙が混ざり合う。
「すきだよ、へんなことしかいえなくて、ひどいことしかできなくてごめん」
ぎゅっと目をつぶり、彼女の唇に突進する。
ああ、彼女の身体にも硬い部分があるんだなあ、と思ったのは、前歯を押さえてのた打ち回った後の事だった。
- 54 :
- 「……大丈夫?」彼女が僕のあごに手をかけて覗き込んでいる。
「……リブは、平気?」
「わ、わたしは、へいき」彼女はちょっと眉を吊り上げる。
「あ、あんなことされるとは、思わなかったけど」
「……ごめん」返す言葉もない。
「あんな、あんなこと無理矢理するの、駄目だよ。犯罪だよ」
「……ごめんなさい」彼女のもう片方の手が僕の頬にかかる。
「せ、性欲を押さえられないとか、けだものだよ、人間以下だよ」
そう言いながら、彼女の手はむにゅむにゅと僕の頬を弄ぶ。
「ふ、ふつうは、無理矢理愛撫されても、快感とかは生じないものなの。
痴漢とかレイプとかで、か、感じてる描写は、フィクション、なの」
彼女が何の話をしているのかは、全く解らなかった。
だが、彼女の顔が目の前にあって、彼女の手が僕の顔を撫で回して、
彼女の身体が僕の身体にぴったりくっついているのが気持ちよくて、何も考えられない。
「だ、だから、あ、あんなふうにさわられても、ぜんぜん、
ほんと、に、ぜんぜん、きもちよくなかったし」
彼女の身体がとろとろと水のように僕のシャツの中に流れ込む。
「あ、ああいうこと、するのが悪いんだから!
わ、わたしに、なにされても、しかたないんだからね!」
彼女の唇がふんわりと僕の唇を奪ったとき、僕が思ったのは、
なんだやっぱり彼女には柔らかいところしかないんじゃないか、という事だった。
身体中が柔らかくて、温かくて、いい匂いがするなんてすごい。
口の中に何だか甘くてとろとろしたものを流し込まれて、何だろうと思ったら彼女の舌でびっくりする。
ちゅうっと吸うと僕の上で彼女の身体が跳ねた。
同時に僕の乳首がきゅっと握りしめられ、僕は声を上げてしまった。
何だろう。痛いと思ったのに、声が女の子の悲鳴みたいに高くて、痛いはずなのに、もっと握って欲しい。
「や、やらしい、声、でるんだ。きもちいいの?」
「わ、わかんないよ。いたい、のに、も、もっかいやってみて、そしたら、わかる、から」
リブは僕を意地悪な目で見て、かぷっと僕の首筋にかみつく。
「そういう、いやらしいこと、おねだりしちゃ、だめなんだよ。
そんな、こと、いったら」
シャツのボタンがぷつん、と取れた。服の中で彼女の身体が膨れ上がったからだ。
「もっと、もっと、はずかしいこと、させちゃうんだから」
- 55 :
- 僕は全裸だけど、全裸じゃない、という状態だった。
服はさっきボタンが飛んだのをのぞけば丁寧に脱がされて、ソファの隅に置かれている。
その上にちょこんとリブの眼鏡が乗せられているのが、とてもくすぐったく感じるられる。
僕の格好はオレンジ色のレオタード。
足はちょっと薄いオレンジ色のタイツに包まれていて、腰の周りには小さなチュチュまでついている。
「やっぱり、女の子の格好、似合う」
彼女の声が首筋にかかって、僕はびくりと震えた。
「は、はずかしい、よ」
「かわいいよ、ほら、窓に映ってる」
窓の外はもうすっかり暗くて、鏡のように僕の姿を映す。
真っ赤な顔をして、女の子のような大きなおっぱいで、
でもレオタード越しにもペニスをがちがちに硬くしている僕を。
そのおっぱいが見えない手に揉まれるようにもにゅっと蠢く。
「リ、リブ、も、もう、胸、やめて、へんに、なっちゃう」
「そう? おちんちんはびくんびくんって、なってるよ。隠しても解っちゃうんだから」
リブの声がするのは、そのおっぱいの中からだ。
「リブの、い、いじわる、え、えろまじん」
「わたし、意地悪だもん。エロ魔人だし」
僕はまた乳首を吸われる感覚に悶えた。
「ほ、ほんとは、いっしょにいるとき、ずっと、やらしいことしか、かんがえてなかったもん。
きみが、年下なのに、わたしのことそういうふうにみてないって、わかってるのに、
毎日、そんなこと考えて、ば、ばれちゃったらどうしようって」
胸だけではなく、わき腹を、お尻を、太ももを、無数の彼女の手が撫で回していく。
「だ、だって、せ、せかいじゅうに、わたしとおなじひとは、だれもいなくて、
じゃあ、わたしって、一生、けっこんできないのかな、とか、処女なのかな、とか、かんがえちゃって、
そんなときに、きみにあって、す、すきになっちゃったから」
尻肉を押し広げられ、布地のような“彼女”が僕の尻に食い込んだ。
お尻の穴に温かくて柔らかなものがぴちゃっと貼りつき、僕は獣のような声をあげる。
- 56 :
- お尻を彼女の舌でねぶりまわされながら、僕はおっぱいをもみまくった。
とろとろで指がめりこむようなおっぱいから、彼女のはあはあいう息遣いが漏れてくる。
「ぼ、ぼくも、ぼくだって、リブで、いやらしいことかんがえて、でも、だめだって、おもって、
だ、だいたいリブ、いつもはだかじゃん、それで、やらしいこと、かんがえない、とか、むり」
そんな事をいいながら、僕は自分の身体を覆う彼女をめちゃくちゃに撫で回す。
まったく、彼女は僕がどれだけ、彼女の細い腰や、まるいお尻や、
薄いけれど女の子らしいふくらみのある胸から目を逸らし続けたと思っているのだろう。
彼女の手と僕の手が争うようにペニスを扱きあって、押し付けられた窓ガラスに僕たちの汁が白い跡を残した。
それを彼女の愛犬が不思議そうな顔で眺め、ガラス越しにぺろぺろ舐める。
「や、やあっ、見ちゃだめえっ」
「りぃ、りぶ、ひぃまごろ、はずかしいの?」
彼女の弱点を見逃すはずもなく、僕は回らない舌の出来る範囲で意地悪そうに返す。
「だ、だって、みられる、のは、だめだよ」
「こん、なにしたの、りぶ、だよ。みせて、あげれば、いいじゃん」
愛犬は窓に残る汁をミルクだと思っているのか、尻尾を振って立ち上がっている。
「まど、あけて、いれてあげちゃおう、か」
そう言いながら窓に思い切り身体を押し付ける。
自分を覆う彼女がきゅうっと身体を震わせ、締め付けるのが解った。
「き、きみだって、え、えろまじん、じゃない、か、
じゅーかん、とか、やらし、すぎ」
じゅーかんって何だろうと思いつつも、彼女の締め付けにもうまともに頭が働かない。
「き、きゅうきゅうしないでぇっ、で、でちゃう、よ」
僕の手の中で、窓ガラスの間で、僕と彼女の身体がこすれあってぐちゅぐちゅと音を立てる。
レオタード状の彼女の身体の間から、白く泡立った汁が太ももへと流れ落ちた。
「あ、ああ、びくびくしてるぅ、わた、わたしのなかで、おちんちんがびくびくしてるぅ、
ね、ねぇ、だ、だして、せーえき、だして」
僕の胸の間から、彼女が顔を出した。
今はもう、レオタードの形ではない。
人型をした彼女が、僕の腰に足を巻きつけて、身体を揺すっている。
真っ赤な、泣きそう顔で、口からだらだら涎を流しながら、僕を真っ直ぐに見つめている。
「せーえき、ほしい。きみの、あかちゃんが、ほしいよ
できないって、わかってる。でも、ほしいの」
僕は腰をがくがくと揺すりながら必で言葉を紡ぐ。
「ぼ、ぼくも、ぼくと、りぶのあかちゃんが、ほしい。
りぶに、あかちゃん、あげたい、
りぃ、りぶに、ぜったいあかちゃんあげう、あげうからぁぁっ」
射精感にびくびくと身体を震わせながらも、僕は腰の動きを止めなかった。
もっと、もっと、彼女の身体の奥まで、なすりつけるように。
彼女が、もう世界中で一人なんだと思ったりしないように。
傍から見れば滑稽だとは解っていたけど、僕は祈るように腰を打ちつけ続けていた。
- 57 :
- 二人で絡みあったまま、しばらくぼうっとする。
いつのまにか彼女はソファのような形になって僕をもたれさせてくれていた。
「重くない?」
「全然。わたしたちって、結構力強いから」
「そういえば、君の兄弟に椅子のふりをされた事があったけど」
あの時は本当にびっくりした、などと思い出していると、彼女は頬を膨らませている。
「どうしたの?」
「あの時、君が帰ってから大喧嘩になったの。
だって、私は手も繋いでないのに、か、身体に密着するなんて」
思わず吹き出すと、彼女は更に顔を赤くした。
「今日は、私の上で寝て」
毛布のように、彼女の身体が僕を包み込む。
「お、お風呂も私の中で入って。服も、私を着て、ほ、ほかの服を着たら、許さないんだから!」
早くも僕の下半身で彼女がもこもこと蠢きだし、僕はよだれと嬌声を彼女の上にこぼし始めた。
半年後。
僕の前で、彼女は半年前と同じように泣きべそをかいている。
「……わたしが、わるいの」
「リブが悪いんじゃないよ! だって、こんな風になるなんて誰も知らなかったんだし!」
「せ、責任、とるね。わたしだけで、だいじょうぶ。も、もう大人だもん」
「駄目だよ、そんなの! 僕の責任だよ」
「で、でも、無理、でしょ」
「い、今は。でも、ちゃんと、出来るだけ早く、自活できるよう頑張るから!」
今、僕の腕の中には、卵がある。
彼女の身体の中から出てきた卵だ。
彼女のご両親になんて言ったらいいのだろうと悩みながら、僕は腕の中の重みを心地よく感じていた。
- 58 :
- 僕と彼女が“そういうこと”になった三日ほど後の事。
僕を迎え入れた彼女はとてもしょんぼりしていて、何か悪い話があるのだと容易に推測できた。
「バーバブラボーにばれたの」
彼女の兄弟の中では一番しっかりしてそうな彼なら、僕たちの関係に気付く事もあるだろう。
「怒られたわ。パパとママには黙っていてくれるって言ったけど……」
「リブが悪いんじゃないよ、僕が謝るから」
「ううん」彼女はぐすっと鼻をすすりあげる。
「初プレイでそんなマニアックな事するな、トラウマになったらどうするって」
“そっちかよ!”というツッコミを僕はかろうじて飲み込む事が出来た。
「トラウマに、なった?」「や、いや、そんなことないよ」
「本当にごめんなさい」彼女はぎゅっと僕の手を握ってきっぱり言う。
「これからは“普通”にするわ」
そんな訳なので、以降僕たちのプレイはごく普通のものになり、特筆する事でもないと思う。
「ねえ、リブ。僕余りやった事がないから、普通ってよく解らなくて……」
「う、うーん、この本とか、この漫画は、普通、かしら? あ、駄目ね、こっちはマニア向けだわ」
「すごい! リブたくさん持ってるんだね!」
「た、たくさん、じゃないわ! こ、これくらい、誰でも持ってるのよ!」
とか
「……ねえ、リブ。僕、いつものリブが好きだな」
「え、だ、駄目、かな? だって男の子は80%が巨乳派だって」
「立った状態で地面に付くサイズはちょっと……元に戻って」
とか
「この筒みたいなもの、なに?」
「え、男の子がオナニーするときに使うものだって……持ってないの?」
「ないけど……あの、何故リブがそんなものを?」
「だ、だって、私、人間の女の子みたいなもの、ついてないから、参考になるかと思って」
とか
「ねえ、女の子にはクリトリスというすごく気持ちよくなる場所があるってきいた事があるけど、
リブにはないの?」
「私、人間と身体の作りが違うから……似せた形のものは作れるけど」
「……大きすぎない?」「そうかも……これくらいかな?」
「うん、きっと、足の親指くらいの大きさだよ」
とか言う事もあったけど。
二人で、くたくたになった後、一枚のシーツにくるまってキスをしたり、
互いの汗が溶け合うようで、このまま身体も何もかも混ざり合えばいいのに、なんて思うことも、
きっと、どのカップルにもある、ありふれた事なのだろう。
- 59 :
- うひょ!!
大作ありがとう&お疲れさまでした
耳年増のリブかわゆいなぁ
卵から孵るのはどんな子なんだろうw
- 60 :
- 何だこれ素敵
確か小さい頃絵本読んで、バーバパパはバーバママ見つけて良かったなあって思ったけど、
子供たちの恋愛について考えた事無かったな……
リブも相手の男の子も可愛すぎる
恋人着て過ごすってエロい
- 61 :
- リブ、いつもはだかじゃん
フイタ
- 62 :
- 期待age!
職人さんお願いします
- 63 :
- バーバモジャ:
体色は黒で、毛が生えている鬼っ子。絵や彫刻など、美術系の特技を持っており、特に絵が好き。
他の家族が働く中一人だけ絵ばかり描いていたこともあるが、
その内容はそこでの仕事の経過記録だった。(Wikipediaより抜粋)
とか言うせいで、自分の中のバーバモジャは
「他の姉妹をモデルにしてエロ漫画家デビュー。それが何故かバーバリブにばれてキレられる」
というイメージしか沸かないんだが、どうしたらいいですか?
- 64 :
- いつも自分の書き込みで、その上長くて本当にごめんなさい……
とりあえず、保守代わりに置いておきますね。濡れ場は12〜14ら辺です。
職人さん、マジで来てくれーっ
**
僕は第六感というものを信じている。
ファンタジーとかSFの話ではなく、湿度や温度、意識しない程の視覚や聴覚の変化から
予感のようなものがもたらされるんじゃないか、という意味だ。
渡り鳥が飛ぶ方向を正しく見定められたり、地に眠る蛙が雨を予知して地上に出てくるように
人間のように言葉に頼って生きていない動物たちは、自然にその感覚を使いこなす。
だから人間ではない僕、バーバズーは、人間よりもずっとその感覚が鋭いんじゃないか、
と思っているのだ。
その夜はずっと、予感があった。
胸の奥に、どきどき脈打つような予感。
こういうときは、僕の部屋に新たな住人が増えるんだよな、と考える。
鳥のオオハシくんが来たときも、拾った猫たちがきたときも、こう。
いつかのクリスマスプレゼントで南国の鳥たちをプレゼントされたときの予感に一番近いかもしれない。
僕は、ちょっと嫌な予感かもしれないと眉をひそめる。
あのクリスマスプレゼントの時は、家族全員を巻き込んだ大騒ぎになってしまったのだ。
あのときのような、大騒ぎの予感。
僕は予感を押さえつけて眠るのをあきらめ、窓から外に抜け出した。
すかさず飼い犬のロリータが駆け寄ってくる。
静かにしてたら散歩につれてってあげる、と言っても、もちろん通じる訳はないので、
僕はロリータの頭を撫でて一緒に家を出る。
鳴き声で家族が起きてないといいんだけど。
いつもの散歩コースを回りながら、予感が大きくなっていくのを感じた。
ざわざわと、胸が苦しくなっていく。
やっぱり帰ろうかな、という気になってきた。
これは良い予感じゃない。
例えば猫を拾うにしても、車に轢かれて瀕になっている猫を拾う予感だ。
でも、もうすぐんでしまう猫が最後の救いを求めて横たわっているかもしれないと思うと、
尚更帰る事は出来ない。
そんな風に、すっかり猫を拾う気になっていたので、僕は目の前にあるものが何なのかよくわからなかった。
ゴミ捨て場の金属箱の中に横たわっている、
黒くつるつるした生地につつまれて、
白い乳房と白いお尻と、
猿ぐつわのかまされた真っ赤な唇だけは剥き出しになっている生き物を見ても、
何が何だか解らなかったのだ。
- 65 :
- 「だ、大丈夫?」
呼びかけても、当然返事はない。
胸が上下しているので生きてはいるみたいだが、これで大丈夫とはとても言えないだろう。
僕はゴミ箱の中から彼女を掬い上げる。
人間の手ではない、とろとろした柔らかなものが身体の下に滑り込み、そのまま持ち上げられた事に、
彼女はとても驚いたみたいで、口からくぐもった叫びと涎が漏れた。
申し訳ないが、緊急事態なので勘弁して欲しい。
「あー、あの、目隠しとるけど、びっくりしないでね」
そう言いながら、彼女の頭をぴっちり締め付けるマスクに手をかける。
頭の後ろにジッパーがある事に気付くまで少し時間がかかってしまった。
自分の身体の前に、むきだしのおっぱいがあるという状況に何が何だか解らなくなってしまったからだ。
ようやくジッパーを引き上げると、ふんわりとした髪の毛が広がった。
街灯の光に、きらきらと輝く黄金の髪。
そのままマスクを取ると、ぱっちりした瞳が僕を捕らえた。
大きく見開かれる。
「あ、あの、びっくりしたと思うけど、怪しいものじゃないから!」
言いながら、これが怪しくなくてなんだと言うのかと思う。
黄色い不定形の身体に、人間の顔。
両手はあるが、両足はない。
バーバ一家の平均的な体型だが、これが世界の平均じゃない事は僕だって解っている。
「あ、あの、バーバ一家って聞いた事ない?
僕はその一人で、バーバズーって言うんだけど……」
この街では僕たちは有名人だ。
僕の兄弟くらいは見かけた事があるのではないか、と期待する。
「あ、ごめん、口の、外すね」
僕が猿ぐつわを外しても、彼女はぼんやりと僕を見つめるままだ。
きっと、とても恐ろしい目にあったんだ、と僕は胸が痛くなる。
「す、すぐ警察を呼ぶからね」
と言ったものの、僕は携帯電話なんて持っていない。
それどころか、財布も持っていないので、公衆電話も使えない。
「ど、どこかの家を起こして、警察を呼んでもらうから、ちょっと、待ってて」
そう言って立ち上がる僕の手を、彼女が掴む。
「待って、ください」
彼女の唇から、ちょっとハスキーな声が漏れる。
「わたしを、ひろってください」
- 66 :
- 「え?」
目を白黒させる僕の前で、彼女は背を向けて、お尻を大きく持ち上げた。
尻肉には、黒々と下手な字で書かれている。
”ひろってください →”
矢印は彼女の身体の中心を向いていた。
「拾ってください」
そう言って、彼女は自分の首についたリードを、僕に差し出す。
そのリードを思わず手にとってから、これはクリスマスに送られた大量の南国の鳥よりも、
厄介な事になりそうだと僕は溜息をついた。
僕の手の中にリードが二本。
一本は僕の愛犬ロリータ。
もう一本は謎の女性。
謎の女性のリードは革製で、ロリータに使っているものと比べてかなり高級そうだ。
ちょっと複雑な気分になる。
ロリータに人間らしい遠慮など求めるべくもなく、女性の尻の匂いをふんふんと嗅いでいる。
「こ、こら、ロリータ、やめなさい」
「ロリータ?」
女性が首を傾げる。
「あ、この子の名前だよ。ロリータ、ご挨拶」
ロリータにお座りをさせると、女性もその前に座り、頭を下げる。
「これから、よろしくお願いします」
異常に丁寧なお辞儀だ。
「そんなに、かしこまらなくても」
「ロリータさんは先輩ですから」
先輩なんだ。
いや、そんなことより
「あの、拾うって……」
「これから、どうなさいますか?」
僕の疑問を彼女の質問が打ち消す。
「どうって、家に帰るけど?」
「かしこまりました」
そう言って、彼女は四つん這いになる。
「いや、その、僕、そろそろ帰らなきゃ」
「どうぞ、お進みください」
そう言いながら、彼女は這い進み始める。
「……あの、その姿勢のままで?」
彼女が進む度に、白いお尻が、胸がたぷたぷ揺れる。
「はい」
「いや、家、結構遠いんだけど」
「では、急ぎますね」
「膝とか、怪我しちゃうよ」
「大丈夫です」
「……いや、本当に遠いんで、立って歩いてもらえない?」
「かしこまりました」
- 67 :
- 街灯の下、犬と、大事なところが丸だしの美女と、不定形の僕。
誰かに見られたら間違いなく警察を呼ばれる状況だ。
本当は彼女に何か着せてあげられればいいのだが、
あいにくバーバ一家である僕は何も着るものを持っていない。
何も着せてあげられなくてごめんね、と言ったら彼女は
「わたしは家畜ですから、服は必要ありませんし」
と言う。
そのまましばらく黙って歩いた後、彼女はぽつりと口を開いた。
「あの、質問することをお許しください」
「な、なに?」
「あの……ご主人さまは、いつも裸ですか?」
「……ご主人さまって、僕?」
「はい」
ご主人さま。
何だろうこの背徳的な響き。
この立場を早く否定して、まともな関係に立ち戻らなければいけない、
と思いつつも、上手い言葉が見つからず僕は彼女の質問に答える。
「だいたい、いつも裸かな。すごく寒いときは別だけど。
両親も、他の兄弟もこうだから恥ずかしいと思った事もないけど……やっぱり変だよね」
「素敵です」
間髪入れずに返される。
「あの、気、つかわなくてもいいよ」
「いいえ」
彼女はじっと僕を見つめる。
「何もかくすところがなくて、堂々として、素敵です」
こんな風に女の人に見つめられるのは初めてだった。
少し潤んだ瞳。上気した頬。
どきどきして、すごく良い気分だ。
これが“いつも裸なところが素敵”という褒められ方でなければ、だが。
「実は、ご主人さまのご兄弟にならお会いしたことがあります。
憶えてはいらっしゃらないでしょうけど」
「そうなの?」
「はい。女性の方でしたが」
僕には姉妹が三人いる。その誰かなのだろう。
「いつも、素敵だなって、憧れていました。
あんな、ぷるぷるしたお体を下世話な視線に晒して、
あと、髪飾りだけは付けているってところが、とても背徳的で」
「……もし僕の姉妹に会っても、絶対にそれは言わないでね」
「? はい」
僕は深い溜息をついた。
あの三人に“変態の視線を集めているから服を着てくれ”と言ったら、
やっぱり傷つくかなあと憂鬱になる。
- 68 :
- 「……君は、余り恥ずかしくないみたいだね」
「何がでしょうか?」
「裸でも、って事」
僕はちょっと意地悪な口調になっていた。
いい加減この女性のマイペースさにイライラしていたというのもある。
考えて見れば、僕が彼女を拾わなければいけない理由はどこにもない。
放置してしまっても構わないのだ。
いや、そうしてしまおうか。
この格好で放置してしまうのは正直かなり心配だが、
もしかして彼女は“そういうのが好きな人”で、結果危険な目にあっても望むところなのかもしれない。
「……恥ずかしいです」
「え」
僕は思わず彼女の顔を見る。ばら色に上気した彼女の頬と、震える唇を。
「本当は、すごくはずかしい。
太ってるし、乳も尻もたれてるし、変態にしか見えない格好だし、
それで興奮してしまうような、変態だし」
「そ、そうなんだ」
言うほど垂れてないと思うけど、と僕はぷるぷる揺れるお尻を眺める。
前方から響く足音に、僕たちは凍りついた。
どうしよう。
「ご主人さま」
「な、なに」
「私を置いて、逃げてください」
「でも」
「ご迷惑になりますから」
「君は、どうするの」
彼女は柔らかく微笑む。
「通報されるの、慣れてますから」
慣れてるのかよ、と突っ込むのを忘れるくらい、美しい笑顔だった。
前から歩いてきたのは、ウォーキング中らしい老人だった。
柄の悪い相手だったらどうしようと思っていたので、ちょっとほっとする。
老人は僕たちを不審そうな顔で見たものの、そのまま通り過ぎる。
「気付かれなくて、よかったね」
「……はい」
「? どこか、具合悪いの?」
彼女の息遣いが荒い。体温も高く熱があるのかもしれない。
考えて見れば、夏とはいえ深夜にこんな格好をしていたら風邪を引いてもおかしくない。
「だ、大丈夫、です、けど」
「寒いの?」
僕は彼女の身体により密着する。
「あ、あの、ごしゅ、ご主人さまの身体に、わ、わたしのきたない身体が、くっついて、いて、
は、はずかしくて、だ、だめ、です」
「え? あ、あの、ごめん」
僕は今、彼女と密着している。
傍目には、彼女は黄色いレインコートを着ているように見えるだろう。
とっさに思い浮かんだ服がそんなものだったので、ファッション性もへったくれもない。
こんな美人がだっさいレインコートを着て夜道に立っていたら、かなり目立つだろうなあと思う。
- 69 :
- そのだっさいレインコートに姿を変えた僕は、彼女から離れるべきか迷っていた。
「……大変申し訳ないんだけど」
「……はい」
「このまま、僕の家まで行ってくれない?
また、他の人とすれ違うかもしれないし」
「ふぇっ」
彼女は奇声を上げた後、ぷるぷる震える。
「あ、あの、わたし、くさい、ですよね」
「……正直に言えば、そうだけど、大丈夫だよ」
正直に言ってはいけないと思うのだが、かなり生ごみ臭い。
「そ、それに、わたし、き、きたない汁がでますから」
「虫じゃないんだから」
「ほ、ほんとにでます! ぜんしんのあなから、びゅーびゅーと!」
「いや、解ったから、ほら、早く」
彼女の尻を押して促す。
僕としても、彼女のおっぱいとかお尻を意識して、かなり恥ずかしくなってきた。
生ごみの臭いの向こうに、ちょっと甘酸っぱい汗の匂いを感じ始めたので余計に。
「……命令してください」
彼女がぽつりと言う。
「命令だって、言ってくれたら、何でもできます。がんばれます」
今、僕はレインコートとなって彼女を覆っている。
だから、彼女の心臓がすごくどきどきしている事も、耳が真っ赤になっている事も、
目尻に涙が浮かんでいる事も、容易に感じ取れる。
「じゃあ、命令する、ね」
僕の声に、彼女の耳が震えた。
「僕を着たまま、僕の家まで行って。道順は指示するから」
はあっと、大きな息が吐き出される。
彼女の口と、僕の口からだ。
「はい、ご主人さま」
帰り道は行きの三倍くらい時間がかかった。
ロリータはかなり退屈そうな様子で、たびたび僕たちを振り返っており申し訳ない気分になる。
彼女は荒い息をつき、がくがくと震える足を進めていたが、
たびたび塀や街灯にもたれて休まなければならないような状態だった。
途中から彼女は朦朧として意識もなく、僕はツナギのような形になって、無理矢理彼女を歩かせる。
黄色いツナギの人物はかなり目立ち、夜道でずいぶん色々な人が僕たちを振り返って見た。
こんな時はモジャの黒やベルの紫がうらやましい。僕も目立たない体色なら良かったのに。
家族の誰も起こさずに自室にたどり着けたのは奇跡としか思えない。
そのままベッドに倒れ込んでから、これって女の子と初めて一緒に寝るって事だよな、
と考えたところで意識が途絶えた。
- 70 :
- 僕は生き物を飼うのが好きだ。
日々変化していく彼らを見るのは飽きないし、彼らと生きる事で何かを学べるような気がする。
だが、この趣味に一つ欠点があるとするなら、
否応なく規則正しい生活を送らざるを得なくなってしまうという事だ。
猫たちの声で目覚めたのは、眠りについてからさほど時間が経っていない時間帯だった。
眠い。起きたくない。
すごく暖かくて、気持ちよくて、いつまでもここで溶けていたい。
いつもは遠慮なくベッドの上に飛び乗ってくる猫たちが、
珍しく近づいてこないなと思いながら寝返りをうつ。
ふわふわだ。でもちょっと臭い。
生ゴミっぽい臭いがする。
でも、触り心地がすごく良いから、まあいいかな。
何だろこれ。猫のおなかみたいにぽよぽよで、でも毛は生えていないし
「ぁ、ん」
今の声、何?
鷲掴みにしているのが女性のおっぱいである事に気付くまで、しばらくかかった。
あわてて、飛び退いたベッドの上には、白い肌と黄金色のふわふわした髪の女性が転がっている。
秀でた額や長いまつげ、ピンク色の唇の上にきらきらと朝陽が散り、
まるで夢の中から現れた妖精みたいだった。
生ごみ臭くて、黒いボンテージを着ているけど大事なところは丸だしで、
お尻にマジックで文字が書いていなければ、であるが。
それに、よく見れば白い肌のあちこちには赤い蚯蚓腫れが走っていて、いかにも痛そうだ。
これは、そういう“プレイ”の痕なのだろうか?
そんな事でどう気持ちよくなるのか、想像もつかないけど。
それにしても臭い、と思ったところで、
僕はその臭いに生ゴミではない、馴染みのある臭いが混ざっている事に気づく。
それに、彼女の下腹のあたりは何だか白くて、ネバネバしていて
あれ?
僕、やっちゃったの、か?
- 71 :
- いやいやいや記憶にない、と頭をひっくり返したところで、
ちょっと前まですごく気持ちのいい夢を見ていたなあと思い当たる。
あれって、やってた?
慌てて彼女の身体ににじり寄り、下腹部に注目する。
これって、やってるやってないに関わらず、彼女が目覚めたら言い訳できないな、と思いながらも、
彼女の両足を掴み、広げた。
紅色の器官が、別の生き物のようにくぱっと口を開ける。
いや、見ても、やってるかどうかなんて判らないな。
大体、寝ている女の子に精液をぶっかけているという時点で、何をしてももうオシマイじゃないか。
僕は部屋を眺めまわした。
猫たちとオオハシくんが、こいつは何をやっているのかという目で僕を見ている。
僕が刑務所に入ったら、この子たちの面倒は誰が見てくれるんだろう。
「おはようございます」
声をかけられて、僕は思わず紅色の器官の方に顔を向けてしまった。
もちろん、声がでているのは、そのずっと上の器官からだ。
「お、おは、おはよう」
僕に両足を広げられていても、彼女の挨拶は全く揺るぎないものだった。
「なにか、ご奉仕した方が、よろしいですか?」
「ご奉仕?」
それより僕に足を吊り下げられているのに、苦しくないのかな、と考える。
「はい。フェラチオでも手コキでもパイ擦りでも、何でもいたします。おっしゃってください」
……そうか、彼女は起き抜けに精液臭くても気にならない人か。
心配して物凄く損した気分だ。
「……じゃあ、猫たちにご飯をやるまで、ちょっと待ってて」
「はい」
- 72 :
- 扉を開けたところでベルと顔を合わせて心臓が止まりそうになった。
「おはよ。なに? すごい臭いだけど」
「あ、あー、昨日ロリータと散歩に行ったら、生ゴミに突っ込んでいっちゃってさ。
そ、その臭いじゃない?」
「お風呂、ちゃんと入りなさいよ。何か臭いが移りそう」
ベルは鼻にしわを寄せ、髪をかき上げる。
のぞいた耳に小さなピアスが輝いた。
ピアスと、首飾りと、髪留め、あとは指輪がいくつか。
ベルが身につけているものは、それだけだ。
普段はそんな事、気にしない。
気にしない、が
「あー、あの、ベル」
「何?」
「その、さ、ベルは普通の人みたいに、服を着ようと思った事、ある?」
ベルはちょっと首を傾げる。
「いや、着てるけど」
「そうなの!?」
「だって、せっかく世の中にはカワイイ服があるのに、着ないとかもったいないじゃん」
家の中だと面倒だから着ないけどねー、と続ける。
「どうしたの、急に?」
「い、いや、それが、これは、ぼくが、じゃなくて、ともだち、からだけど、
ベルたちとか、いつも裸っぽいのを、やらしい目でみてる奴がいるみたいだって」
そう言うとベルはふっと笑う。
「そんな事いちいち気にしてたらきりがないもん。
それに」
彼女はちょっと前かがみになり、僕を見上げる。紫の胸がぷにゅっと潰れた。
「ちょっと、狙ってるところ、あるしね」
もう二度と、女の子の事なんか心配しない、と心に誓う僕にひらひらと手を振ってベルは背を向けた。
「心配してくれて、ありがとね。ララとリブには言っとくから。
あと、ちゃんとお風呂入ってよ」
台所で猫たちにご飯をやって自室に戻ると、女性は床に正座していた。
「その辺に座って待っていてくれれば良かったのに」
「いいえ。私の事は人間扱いしないでください。動物だとでも思ってください」
「動物……」
僕たちの目の前で、猫たちは我が物顔で机に上ったり、壁で爪を研いだりしている。
「あ、あのご主人さま」
「うん」
「失言でした。動物より下、ゴミとでも思ってください」
「……うん、まあ」
僕は彼女にふしゃーと声を荒らげる猫たちを追い払って口を開く。
「とりあえず、お風呂入らない?」
- 73 :
- 「……これ、本当にしないと駄目ですか?」
「だって、家に親も兄弟もいるし、ばれる訳にはいかないよ」
彼女はまた、僕の身体の中。
今度は身体を丸めて、出来るだけ小さくなってもらっている。
「苦しいと思うけど、お風呂場まで我慢して」
「くる、しくは、ない、です」
身体の中に彼女の声がこもって、すごく変な感じ。
「よく、ビニールに詰められたり、目隠しされて緊縛されて、ますから」
僕の身体の中に、柔らかな女性の身体があって、抱きしめている。
「でも、あたたかくて、おふとんにくるまれてるみたいで」
身体が触れ合っているだけで、すごく気持ちよくて、また射精したらどうしようと、心配になってきた。
「きもちいいのが、こわくて、すごく、わるい、ことしてる、きぶん」
とろん、と僕の中に、温かなものが流れる。
今の僕ってお菓子みたいだな、と考える。
柔らかな生地の中に、とろとろに甘いチョコレートが入っているお菓子だ。
「ご、ごめんなさい、わた、わたし」
「もっと、汚しても、いいよ」
僕は、自分の身体の中をぎゅっと絞る。
彼女が、かぼそい声を上げてびくびく震えた。
「だ、だめ、ごしゅ、ごしゅじんさまぁっ、
きたなっ、だめ、ですぅ」
ああもう。
あんなに面倒くさい、トラブルの塊みたいな女なのに、
こうして泣きそうな声を出しているときは、本当にかわいい。
「お風呂まで、我慢して。静かにしてたら、ちゃんと洗ってあげるから」
お風呂場に行くまでの間、すれ違ったのはモジャだけだった。
「なんか、拾ったの?」
ぎくりとして飛び上がる。
「べ、別に! なんでそんな事言うのさ」
「いや、さあ」
モジャは毛だらけの顔でにやりと笑う。
「すごく、うきうきしてるからさ。まあ、ママにばれないようにしなよ」
- 74 :
- お風呂場のドアを閉めて鍵をかけた時には、寿命が十年は縮んだ気分だった。
「ご、ごめん、大丈夫?」
僕の中から彼女が転がり出る。
汗にまみれた髪はしんなりして、卵から孵ったばかりの雛みたいだ。
ぱくぱくと口を開けて胸を上下させているのを見ると、罪悪感が大きくなってきた。
僕は、彼女を邪険に扱い過ぎたかもしれない。
確かに初対面の男の家に転がり込むような女性とはいえ、僕は彼女に何もしてあげていない。
お茶の一杯も出していないし、それこそ彼女の名前も訊いていないのだ。
シャワーからぬるま湯が、彼女の上に降り注ぐ。
お湯の粒が彼女の胸を転がり落ちていくのを眺めるのは飽きなかったが、
頭を切り替えてボディソープとスポンジを用意した。
「あ、あの、ご主人さま」
やっと、彼女は我に返ってお風呂場を見回す。
「わたし、自分で洗えますから」
ちょっと悪戯心が芽生える。
「あのさ、僕はご主人さまで、君は……まあ、ペットみたいなものでしょ」
「はい」
「じゃあ、ペットの身体を主人が洗うのは普通だよね?」
「……はい」
「僕が洗うから、君は何もしないってのは、どう?」
彼女はべそをかいたような顔で俯く。
「ご、ご命令なら、どうぞ」
そう言って四つん這いになり、お尻を僕に突き上げる。
僕はそれに手をかけようとして、はたと気付く。実に気まずい。
「……ごめん、そのボンテージだけ脱いで。脱がし方がよく解らない」
「は、はい。脱ぎ、ます」
ほとんど裸のようなものなのに、服を脱ぐ姿はどうして、こんなにもどきどきさせられるのか、
と僕は真っ赤な顔をした彼女を眺めていた。
- 75 :
- さんざん身体の中で揉み回したのに、明るいところで見る彼女の身体は発見が一杯だった。
硬く尖った木苺色の乳首も、水棲生物のようにぱくぱく蠢く秘部も、つつくと嬌声と共にひくつく
お尻の穴も、どれも興味深く、美しくみえる。
地面に埋まった石をひっくり返したような感じ。
誰でも一度はやった事があるであろう、あれ。
もちろん、大半の人にとってそれは気持ち悪く、トラウマになるような体験だろう。
でも、僕にとってそれは、今まで見過ごしていたところに、
未知の営みがあるのだという事を知った驚異体験だった。
ちょっと、怖くて
ちょっと、おぞましくて
でも、魅力的で、
触ってみたくなるような
彼女の中には、そんな未知の虫が蠢いていて、僕が触れば触るほど蜜と共に流れだしてくる。
「ふぁ、あ、ああっ、ごしゅじんさまぁっ、おね、おねがい、わたしに、ごしゅじんさま、の、
ごほうしさせて、こ、このままじゃ、わたし、なにもできなくて、いっちゃう、いっぢゃうううぅっっ」
僕の方も、何がなんだか解らなくなってきた。
何度も泡立てて洗って、ゴミの臭いを落としたら、甘酸っぱい香りだけが残って、むらむらしてしょうがない。
僕の身体の奥から、欲望が形をとって固まる。
のしかかっている彼女の背中を貫くかのように押しつけて、身体を動かしてしまう。
「あ、あぁっ、おね、がいです、ごしゅじんさまの、ごしゅじんさまの、おちんぽを、
わわだしの、おまんごにいれて、ください。いれ、いれてえっ、が、がまんできないんですぅっ」
「わ、わかった、いれる、よ」
「お、おねがいぃ、わた、わたしのこと」
彼女が苦しそうに首を曲げ、僕を見る。
「ぶたって、よんでぐださいぃ、きたならじぃ、けつふりぶたっで、よん、で」
- 76 :
- 正直に言えば、彼女の言う事なんて聞いてなかった。
僕は彼女の割れ目にちんぽをねじ込む事で、頭が一杯だったのだ。
目の前の、おいしそうなものの事しか考えてなかった。
彼女の汁まみれのおまんこと、涎をたらりと流した唇、涙を浮かべた瞳。
僕はそれらの”美味しそうなもの”に向かって口を伸ばす。
「あっ、ふぁっ、らめえぇ、わた、わたし、ぶた、だから、きす、しちゃ、らめ、なん、れすぅっ、
きす、きす、らめぇ」
彼女の言っている事の意味なんて、全く考えずに唇をむさぼった。
唾液を吸い上げる度に、彼女の中はきゅっと締まり僕のものを飲み込もうとする。
首を長く伸ばし、人間にはあり得ないフォルムになっている僕はかなり不気味なんじゃないか、
とも思ったが、気持ちが良すぎて止められない。
「らめ、ぶ、ぶたにぃ、きす、しないでぇっ、ごしゅ、ごしゅじん、さま、らめ、れすぅっ」
首を振って逃れようとするのが腹立たしい。
「う、うるさいな。ぼく、が、ごしゅじん、さま、なんだか、ら、きす、させろよ、
もっと、ぼくの、した、じゅぽじゅぽ、しろ」
「ひぃぃいやぁっ、らめぇぇっ、ぶた、ぶただからぁっ」
拒まれて、頭の中に妙なスイッチが入る。
「じゃあ、じゃあ、ぼくだって、ぶた、だよ。
ぶたが、ぶたにきすして、なにがわるいってんだ!」
身体が大きく膨れ上がり、彼女を押しつぶす。
ぶよぶよとした肉の塊が、何段にも彼女の背にだまを作る。
押さえつけていた手は短く縮んで、掌が小さな蹄に変わる。
鼻面は長く伸び、上を向いてふがふがと音を立てる。
口から、だらしなく涎を流しているのは同じ。
ただし、口は鼻の後ろに引っ込んでしまった。
- 77 :
- しまった、この口じゃ前よりキスし辛いな、と考えるより前に腰を動かす。
頭が動物の姿に引きずられるように、もう気持ちのいいまんこの事しか考えられない。
きもちいい、まんこきもちいい
こしをじゅぽじゅぽするの、ちょうきもちいい。
あーもう、ほんとは、おっぱいをもみもみしたいのに、うまくできないのが、もどかしい。
でも、まんこきもちいい。
もう、ぶひぃぃってこえしかだせないの、はずかしいし、かのじょもさすがにひいてるよなあ、
っておもうけど、まんこきもちいい。
まんこきもちいい。
まんこきもちいい。
ちょうきもちいい。
彼女が首をねじ曲げて、僕を見る。
目尻に涙が浮かんでいて、それを見ると胸が締め付けられるような気持ちになった。
でもまんこきもちいい。
彼女が涎まみれの口を開く。
「ごしゅ、じんさま」
首を伸ばし、僕の鼻に口を付ける。
「すてき、すてきです、ご、ごしゅじんさまが、すてき、すぎて、わた、わたし、おか、おかしく、
なっちゃう、あ、ふぁ」
また、きゅっと彼女の膣内が締まって、ぼくはぶひぃと鳴く。
「きす、きすしてぇ、ぶ、ぶた、だけど、ぶたのごしゅじんさまの、きすが、ほしいんれすぅぅっ」
僕が彼女の口にだばだばと涎を流し込むのと、とぷんとぷんと精液を放出するのは、ほぼ同じだったと思う。
そして、長い長い放出が終わるまで、僕たちはずっと、口を合わせていた。
- 78 :
- 人間は、どんな異常な状況にも慣れてしまうものだ。
その適応の高さが、現在の人間の繁栄の原動力なのかもしれない。
そして僕は、自分の部屋に自称豚の金髪美人を住まわせるという異常事態に、すっかり慣れてしまっている。
そう、未だに名前さえ判明していないのだ。
尋ねると彼女はちょっと目を伏せて
“普段は『雌犬』と呼ばれていますけど”
と言う。
“でも、どうか『雌豚』とお呼びください”
と言う彼女の言葉に従って、今は“雌豚”もしくは“豚”と呼んでいる。
本名を追求しても仕方のない事だし、
『雌犬』
彼女は普段“誰に”そう呼ばれているんだろう、なんて事が頭に引っかかってしまったからだ。
その『雌豚』は、床に置いた皿からコーンフレークを直食いしている。
着ているのは僕がスーパーで買ってきたTシャツとジャージ。
とはいえ何故か捲りあげられて、おっぱいは丸見えだ。
これは彼女のポリシーらしく“家畜である私に服は必要ありません”という事らしい。
“これはペットに服を着せる的な意味なのだ”と納得させるのに1時間くらいかかった。
味もそっけもないはずのジャージは、むちむちした肉体の美女に半脱ぎにされる事により、
恐ろしく扇状的な衣装になってしまった。
あのスーパーで買われたジャージの中で、もっともエロい着こなしをされている一着だと思う。
もちろん食べ物に関しても一悶着あった。
彼女の希望は“残飯もしくはペットフード”だったのだが、
残飯を自室に持ち込むのは普通の食事を持ち込む以上に目立ってしまうし
……正直ペットフードは余り安くないのだ。
僕は“コーンフレークと牛乳が一番リーズナブルなのだ”と説得し、今はそれを食べてもらっている。
そんな風にして三日が過ぎた。
僕は一心にコーンフレークをほおばる彼女を見つめる。
「……なんでしょう? ご主人さま」
「い、いや、なんでもないよ」
「フェラチオですか?」
「そ、それはさっき、もうしたから!」
すっかり爛れた関係になってしまった。
正直な話、僕はその、セックスとかいうのにもう夢中だ。
ペット達の餌やりやロリータの散歩以外は部屋にこもりきりになってしまっている。
家族にも怪しまれているので“今、とても珍しい虫の卵が孵るのを待っているのだ”と嘘をついている始末だ。
ちょっと良心が痛むが、虫と言えばママや姉妹はまず僕の部屋に近寄らないだろう。
- 79 :
- 「僕、ロリータの散歩に行ってくるからさ」
「はい。ちゃんと隠れていますね」
そう言ってベッドの下にごそごそ這い潜っていく。逆回転したホラー映画みたいな絵面だ。
「ついでに買い物するから、ちょっと遅くなるかも」
「いってらっしゃいませ」
部屋を出るとき、ちくりと胸が痛んだ。嘘は言っていない。言っていないのだが。
僕がロリータと共に足を運んだのは、彼女を拾ったゴミ捨て場だった。
夕暮れの住宅街は人通りもあまりない。
ゴミ捨て場の周りには、誰もいなかった。
判る訳はなかったのだ、と溜息をつく。
ここに来たからといって、彼女を“捨てた”のが誰か、なんて。
あのゴミ箱は中から閉められる構造じゃなかった。
誰かが彼女を入れて、蓋を閉めたのだ。
もしかしたら、彼女を『雌犬』と呼ぶ、誰かが。
ぼんやりゴミ箱を眺めていると、汚らしい中年男が蓋を開け、中身を漁り始めた。
ぞおっとする。
彼女を見つけるのが、あんな男だった可能性もあるのだ。
小学生くらいの男の子たちが、僕とすれ違って走っていく。
「今日はゴミ女いるかな、エロ女」
「ああいうの、マゾっていうらしいぜ。兄ちゃんが言ってた」
子供たちの言葉にくらくらする。
僕のペットは想像以上に有名人だったらしい。
「こらあ! そんなばばっちいもんにさわんなあっ!」
中年男の一喝に子供たちはきゃあきゃあと逃げていく。
いや、ゴミ漁ってる人にばばっちいと言われても、と思いつつも、僕はふと気になって声をかける。
黄色い不定形の怪物に声をかけられて、彼はかなり驚いたみたいだったが、
何とか、時折ゴミ箱の中にボンテージ美人が入っている、という証言を得る事が出来た。
「さっきばばっちいって言ったの、そのゴミ箱の女の事なんですか?」
「ああ」中年男はひげをいじりながら答える。
「だって、馬鹿にした話だろう?
どうもカップルでそういう遊びをしてるらしいけどさ。
ようするに、俺みたいな最低な奴に無茶苦茶にされたいって事だろ。
ああ、どうせ最低だよって認めるのもムカつくし、いつも見つけたらスルーしてるよ。
時々、馬鹿な奴が拾っていっちゃうみたいだけどね」
中年男は溜息をつく。
「そいつらは、女がいなくなってから、また拾おうと思ってここにやってくる。
そして、俺に声をかけるって訳だ。
まあ、さすがに歩くプリンに声をかけられたのは初めてだけど、さ」
- 80 :
- 僕はロリータを店先に繋ぎ、スーパーを物色していた。コーンフレークの箱を手にとってから、
もう必要ない、という事に気付く。
そうすると、買うべきものは何もなかった。
帰りたくない。
帰って、彼女がいなかったらと考えるのも嫌だし、いても、どうしたらいいか解らない。
頭の隅では、ずっと考えていた事だった。
彼女は酷い目に合うのが大好きなマゾだ。
その彼女が僕の事を素敵だと言うのは、僕がものすごく気持ちの悪い怪物だからではないのか?
それに、彼女にはきっと恋人が、いや“ご主人さま”がいるのだ。
その人の命令なら、たとえ豚とでも寝れる、というようなご主人さまが。
店を出ようとしたところで、ロリータの前に誰かが屈み込んでいる事に気付く。
簡素なTシャツとジャージに、豪奢な金髪とボディライン。
すぐに彼女だと解る。さすがにおっぱいはしまってあるので安心した。
「ロリータさんはいいなあ」
彼女は柔らかな笑顔で、ロリータの頭をなでている。
「きれいで、かわいくて。ロリータさんみたいな、ご主人さまの雌犬になりたいな」
ロリータはもちろん彼女の言う事に答えたりせず、鼻をぴすぴす鳴らした。
「ロリータさん、私、帰らなきゃいけないんだ。
私は汚い豚だから、ご主人さまのペットにはなれないの。本当は」
ロリータは突然自分の首を抱く彼女に困惑して、鼻を鳴らす。
「ずっと、いたい。ご主人さまのペットになりたい。でも、だめ。
私はペットじゃなくて奴隷だから、ご主人さまに優しくしてもらう資格がないの」
彼女は立ち上がってロリータの頭を撫でた。
「じゃあね。ロリータさん。ご主人さまと仲良くね」
僕は彼女の背が遠ざかるのを見つめ、店から出た。
ロリータは物言いたげに僕を見上げる。
僕は一時、その黒く澄んだ瞳と目を合わせた。
「ごめん、ロリータ。ちょっと待ってて」
- 81 :
- 女性の跡をつけるのは初めてだった。
よくばれなかったものだと思う。黄昏時という時間も幸いしたのだろうし、
彼女が振り返ったりせず足早に目的地に向かっていたのも良かったのだろう。
彼女はあのゴミ箱を通り過ぎ、アパートの階段を上った。
インターホンを押し、やがて開いた扉の中に消える。
僕は扉の前で、どうしたものか考えた。
勢い任せで来てしまったものの、まさかドアを蹴破る訳にもいかない。
じゃあ待つのかと言えば、こんな狭い場所に立っている訳にもいかない。
僕の両親はあまり厳しい方ではないが、それでも一つだけ繰り返し言われた事がある。
それは“僕たちの能力を、決して悪用しない”という事だ。
ただでさえ人と見た目が違う僕たちが、その教えを破ったとしたら、
もうこの世界に居場所はなくなってしまう。
でも
僕は換気扇の隙間から、部屋の中をのぞき込んだ。
今、僕の身体は細い蛇となり、するすると台所を伝っている。
洗っていない食器で一杯の台所になんて足を踏み入れるのも嫌だ。
不法侵入して言う事ではないけれど。そして、足なんてないけれども。
「今回はずいぶん長かったよな。三日とか新記録じゃない?」
若い男の声だ。
「そんなに良かったの?」
男を見て、僕はちょっと拍子抜けする。
なんというか、普通だ。茶髪で無精ひげを生やした、二十代前半の男。
ものすごくイケメンだとか、逆にものすごく醜いとか、強烈なカリスマ性を持つ男かと思っていたのに。
「……よかった、です」
彼女はぼそりと口を開く。
僕からは背を向けているので顔は見えない。
だが、その服が捲りあげられて、胸が丸出しの“僕の部屋の格好”になっている事にちょっとショックを受ける。
「いやマジで、まさかスライムに拾われるとは思わなかったよ。触手プレイとかしたの?」
「……しました」
「具体的にはどんなの? 逆さ吊りとか緊縛とか、あと何本くらい入れた?」
そんな事する訳ないだろ、と言いたかったが、ちょっと身体を伸ばしたりはしたので……
あれも触手プレイだろうか?
痛くするような事はしなかったけど、彼女と色々したのが事実である以上、
結局僕はあの男が想像するいやらしい怪物なのだろうと、憂鬱な気分になる。
「いつもほど激しくはしませんでした」
「あーそうだ慣れちゃってるもんね。スライムぐらいじゃ刺激になんねーか」
そう言って背中をぼりぼり掻いていた男が、おもむろに彼女を蹴り倒す。
- 82 :
- 何の前触れもない暴力に驚いて、危うく声を上げるところだった。
「ノリ悪くない? ちょっとは俺の事、思いやってくれてもいいんじゃない?」
男は倒れた彼女の顎を蹴り上げる。
「俺はさあ、おまえを寝取られたわけよ。ネトラレよネトラレ、解る?
おまえが男とよろしくやってたのを、悔しいな〜寂しいな〜と思いながら待ってたわけ。
ごめんなさいとか、ないの?」
「……ごめんなさい」
ぼそりと呟く彼女の脇腹に男が爪先を食い込ませる。
「これだよ。言われた事しか出来ないんだから。うちの新人と同じじゃん。
自分の頭で考えて行動しないと、さあ」
あの時、僕がどんな姿をしていたのか正確に思い出すことは出来ない。
少なくともピューマの牙、グリズリーの爪、オランウータンの腕、大王イカの触腕、カマキリの顎、
カタツムリの歯舌を併せ持った生き物だった事は確かだ。
僕の中の攻撃性が、憎悪が、意が、一つずつ牙になり爪になり、身体の表面に吹き出す。
そこまで来ると不思議と憎しみは消えてしまい、なんかもういいかという気分になる。
とりあえず、このウザい生き物を潰しちゃえばいいか、という気分。
まあでも、向こうがこっちに気付いてからでもいいかな。
全然怖さや痛さを感じないままなんて、つまらないし。
うん、もうすぐ気付く。
顔を上げて、彼女から視線を外したら。
もうすぐ
「じゃあ、わたし、あなたとわかれますね」
ぽつりと彼女が口を開き、男はその顔を凝視する。
「なんか、意味わかんないんだけど」
男の口元はにやついているが、目はすぅっと細められる。
「元はさ、おまえだよね。俺とわかれたくないって言ったの。
何でもするから、金だっていくらでも出すからって、言ったよね?」
「はい」彼女の声は水のように静かだった。
「わたし、あなたと付き合うの、好きでした。
あなたにいじめられるのも好きだったし、どんなひどいことも、あなたのせいに出来た
他の人と寝るのも、その人にあなただけが好きですと嘘をつくのも、それを踏みにじるのも、
あなたの命令のせいにしてきた」
彼女はゆっくりと身を起こす。
「でも、そういうの、もう止めようかなって。
私が最低なのは、私だけのせいだから。もうあなたは、私とは無関係です」
- 83 :
- 男が殴りかかろうとしたのを、僕は今度こそ我慢ができなかった。
思わず腕の一本を伸ばして、止める。
僕も、彼女も、男も、凍り付いたようだった。
何か言わなきゃ。
“彼女に手を上げるなんて許さない”とか。
そう思ったときには、男はけたたましい悲鳴を上げていた。
こんなにすごい悲鳴、絶叫マシンでも聞いた事ないな、と逆に感心してしまう。
けいれんして失禁を始めた男を見下ろして、救急車を呼んだ方がいいのかなと悩む僕の手を彼女が引く。
「あの、とりあえず出ませんか?」
「……そうだね」
それから僕の姿を見て、頬を染める。
「その格好、すごく怖くて、気持ち悪くて、素敵ですけど、外に出たら通報されちゃうかも」
「……元に戻るよ」
しばらく黙ったまま二人で歩き、口を開いたのは、奇しくもあのゴミ捨て場の前だった。
「さっきの話、大体聞かれてしまいましたか?」
「……ごめん」
俯くと、街灯の下に二人の影が見えた。
ほっそりした影と、ぐにゃぐにゃした影の二つ。
「あの、ストーカーみたいな事して、本当ごめん」
そう言うと、彼女の方がくすっと笑う。
「私の方が、ずっと酷いことしてましたから」
街灯の光が金髪の上で弾け、僕は改めて彼女はとても綺麗なんだなあと思う。
「私ね」
彼女の目が、まっすぐに僕を見つめる。
「自分をさらって、遠い国につれていって、
滅茶苦茶にして食べてしまうような人があこがれだったんです。
でも、そんな人、いるわけないと思ってました。」
彼女は僕からつい、と目を反らして、上を向いた。
「そして、そんな人に出会ってから気付いたんです。
私は臭くて汚くて、とてもその人に食べてもらえるような人間じゃないって事に」
彼女の目尻がきらきら光る。そこにあるものをこぼさない為に上を向いたのだ、
という事に僕は気付く。
「もしその人に、好きです、私の事を滅茶苦茶にしてください、
なんて言っても、とても信じてもらえないでしょう。
自分でも、信じられないです。
今まで何人もの男に同じ事を言って、裏切ってきたんだから」
「じゃあ」
そのときの僕の声はとても静かだった。
僕ではない、もっと大きくて恐ろしい怪物が、身体の奥から静かに語りかけてきているような気がした。
「きみは、どうするの?
このまま、逃げてしまうの?」
- 84 :
- 彼女がひくっとしゃくりあげる。
「わか、らない。
にげ、なきゃいけないんです。
だって、こんな、の、しんじて、もらえるわけ、ないし、
きっと、怒り、ます。
だって、からだ、だけ、なんです、よ、
あなたの、きもちいいところがすき、とか、
いつもはやさしいのに、けもののようにらんぼうなところがすき、とか、
みためがすごくこわかったりするのがすきで、でもつるんとしたいつものかっこうもかわいい、とか、
そんな、こと、いったら、きっと怒られる」
彼女は息を整えて、まっすぐに僕を見上げた。
「私、ただ、あなたの、性欲のはけ口になりたかった。
でも、一緒にいると、もっと好きになってほしい、っておもってしまうんです。
だから、命令してください。
おまえなんて、精液便所としかおもってない、思い上がるな、か
消えろ、二度と近寄るな、って」
僕は少し考えてから、口を開く。
「あのさ、僕のところの猫たちの話だけど」
彼女はきょとんとした顔で僕を見つめた。
「僕はあの子たちが好きで、あの子たちも僕に懐いているけど、時々こんな風にも思うんだ。
あいつらは餌をくれるから僕にくっついているのであって、本当に僕の事が好きって訳じゃないんだな、って」
小雨がぱらつき始めた。
僕は体を伸ばし、彼女の上に屋根を作る。
屋根から抜け出そうとする彼女を抱きとめた。
「でも、僕があいつらの事が好きなのは本当だし、もしあいつらが人間の言葉をしゃべれるようになって、
実は餌をもらえるから媚びを売ってましたって言われても、気持ちは変わらないと思うよ。
君に対しても、同じだ」
僕は、彼女の頬に手を当てた。
「君が僕の事をどう思っていても、僕は君の事、好きだ。
まあいやらしい意味でだったり、
それ抜きでも、ご飯を食べてるところとかが、かわいいなあって思ってるし、
あんな男に殴られたりしてたら、むかつくよ。
だから、まあ」
彼女の目からこぼれた涙を、拭う。
「僕の、ペットにならない?」
- 85 :
- 彼女に口づけながら、僕は恋人って言うべきだったかな、と今更ながら後悔していた。
でも、こんな可愛くて、ふわふわした生き物を部屋でこっそり飼う事を考えるだけで幸せで、
今はとりあえず、ペットという事にしておこうと自分を納得させた。
それで、彼女は今もこの部屋にいるのです、と終われば綺麗なのだが、現実はそうもいかない。
何しろ、彼女はキスをしたら逃げてしまったのだ。
口を離した後、真っ赤になった彼女は“こんな、こんなすてきなこと、ぜったいだめです!”
と叫ぶなり走り去ってしまい、入り組んだ住宅地の奥に消えてしまった。
しばらくは探していたのだが、八時を過ぎた辺りで、
スーパーの入り口にロリータを繋ぎっ放しにしていた事を思いだし、今度はそっちに慌てて走る事になる。
ロリータは閉まった店先でうずくまり、くんくん鳴いていた。
ロリータ、本当にごめん。
その後、あのゴミ捨て場に行こうかと考えなくもなかったのだが、
行っても彼女があそこにいる訳ではないと考えて止めた。
彼女はもう、自分をゴミ箱に捨てたりはしない。
ただ、あの男の件だけは心配で、こっそり様子を見に行ったりした。
アパートの管理人によると、大騒ぎの末に警察を呼ばれ、部屋から麻薬の類が発見されたのだとか。
物騒よねえ、と言う管理人に相づちを打ちながら、ちょっと冷や汗をかいた。
僕のせいじゃないよね?
そんな風にして、平穏に日々は過ぎていった。
- 86 :
- その日は予感があった。
どきどきして、なにか大変なものを拾ってしまうような予感が。
僕は期待を胸に押さえつけ、何でもないのだという顔をして、ロリータと共に散歩に行く。
公園でボール遊びをし、野良猫にちょっかい出そうとするのを引きずり、
スーパーの店先につないで、一息つく。
店先の掲示板を眺めた。
時々、迷子の犬や猫を捜すポスターが貼ってあるのが気になるのだ。
今日は幸い、そういうのは無いけど、代わりに「ハムスターの飼い主募集」のポスターが貼られている。
一匹くらい飼うのもいいかな。
でも、部屋は狭いし、もっと別のものを飼うかもしれない。
「あの」
そう、ハムスターよりもっと場所をとって、もっとお金がかかって、もっともっと面倒くさい生き物を
「もしも、あなたが、まだ」
飼ったら、もっと色んな服を着せてみよう。
僕はペットには服を着せない派だけど、あれだけは別。
あと、食べてる姿が可愛いから、手料理とか食べさせてみたい
「全然かわいくなくて、きたない、豚みたいな生き物を飼ってみたかったら」
一緒に、色んな場所に行ってみたい。
犬にだってドッグランがあるのだ。
豚的な生き物と遊びに行っても、なにもおかしくはない、と説得しよう。
「ひろって、くれませんか?」
僕はふりむいて、今度は決して逃がしたりしないように抱きしめて、キスをする。
- 87 :
- 「ねえ、相談があるんだけど」
僕がそう言うと、彼女は正座して僕を見上げた。
「相談なんて必要ありません。どうか命令してください」
そういう彼女の目は、散歩に誘ったときの犬並にきらきら輝いている。
命令=嬉しい。彼女の頭の中は実にシンプルだ。
「じゃあ、さ」
ちょっと迷ったが、本人がいい、と言うのならいいか。
「ぶーちゃんって、呼んでいい?」
笑顔が固まる。
「え? だ、駄目?」
「そ、そんな、もちろん、ご主人さまのお好きなようにお呼びください。
ぶーちゃんでもぶーたろうでもガリ勉ブタでも、好きなようにお呼びくださいっ」
半泣きだ。
「……もしかして、昔、そう呼ばれてた?」
「……」
「ふ、太ってないよ!
ただいつも”豚”とか”雌豚”だと、僕にネーミングセンスがないみたいだし」
「太る予定だから、いいです。私、運動しないとすぐ太る体質だし、高校の頃は本当に太ってたし、
両親ともにメタボ健診に引っかかってるから、そのうち太ります」
どんよりした様子の彼女を見て、僕はあわてて頭を回転させる。
「あ、あー、豚、よりも、淫乱であることがすぐ判るあだ名の方が、いいかもしれない、なー。
何か、いいの、ないかなー」
こう、淫乱なことをイメージさせて、人前で呼んでもいいような……
淫乱のシンボルみたいな……
「エマニュエル」
「え?」
「エマニュエル夫人のエマニュエルだよ。略してエマね」
件の夫人がどの程度エロいのかは知らないが、僕でさえ名前だけでも知っているのだ。
きっとエロのシンボルなのだろう。
「エマ」
そう言って額にキスをする。
「や、ちょっと、それは」
「嫌なの?」
赤くなった顔もかわいいなあ、と彼女の頬を舐める。
「わ、わたしには過ぎた名前、というか、メ、メイドさんみたいで申し訳ない、というか」
「そう?」
実際、家事のかわりにHな事をしてくれるメイドさんみたいな存在だけどなぁ、
と僕はまたキスをする。
「エマはかわいいなあ」
「か、かわいくないです。そのうち、ぶくぶくにふとりますから」
「んー」
僕はちょっとぽよぽよしたお腹を抱きしめる。
「でも僕、太ってるおなかも好きだから、エマも太っていいよ?」
何故女の子はそんなにも太る事に嫌悪感があるのか、未だによくわからない。
ちょっとしょんぼりした様子のエマが帰った後、
姉妹にそんな話をして罵詈雑言を浴びせかけられても、僕は首を傾げていた。
- 88 :
- 神作品乙!
可愛いしエロいし、話の筋もしっかりしてるしエロいし元々のキャラ活かしてるしエロいし
バーバパパでエロパロとか、スレタイ見かけてもみんなネタスレだと思ってんだろうな
これ読まないとか勿体ねえな……
- 89 :
- GJ!!
他の兄弟たちにもどんな出会い(とプレイ)があるのか楽しみだ!
- 90 :
- イイ!
- 91 :
- なんて恐ろしいスレだ…実にいいぞぉ!
- 92 :
- 保守
- 93 :
- >>64
いつもありがとうございます
あなたは立派な職人さんですよ!
心情描写とか素晴らしいです
- 94 :
- >>93
ありがとうございます。精進します。
バーバファミリーって面白くて書きやすい題材だと思うんですけどね。
ネタ探しの為に図書館の児童書コーナーに凸してきて、思ったんだけど
「バーバパパのいえさがし」
古い家に引っ越したバーバ一家。
残された古本やらアクセサリにキャッキャするリブとベル、
ママと掃除をしているバーバララ。
「バーバパパのがっきやさん」
一家で楽器を作ってみようという事になった。
早々に飽きて外に遊びに行っちゃう兄弟を他所に、コツコツ楽器を作るバーバララ。
……この娘は、もっとワガママになってもいいんじゃね?
と思ったので、今回はバーバララの話です。
濡れ場は12〜16辺り。
- 95 :
- 高い笛のような調べに顔を上げた。
はるか頭上で、鳶が緩やかに円を描いている。
真似して口笛を吹いてみたが、もちろん、鳶に変化はない。
舞い降りてきて、自分を掴んで飛んでくれたらいいのにな、とメルヘンな事を考えてしまう。
それくらい暑い。それに疲れた。
自分より背が高い雑草をかき分けかき分け、もう随分歩いている。
前がよく見えないから、同じ所をぐるぐる回っているんじゃないか、という気さえする。
“音”が近づいているから、そんな事はないはずだけど。
草むらをすぽん、と抜け、わたしは目的地にたどり着いた。
照りつける太陽を遮るコンクリートの天井。
それを支える太い橋脚。
濁った空気を、轟々と車の走行音が震わせる。
わたしは注意深く周囲を見回した。
高架下には誰もいない、みたいだ。
一人でこんなところに行くなんて知られたら、きっと反対されただろう。
物騒だとか、女の子なのだからもっと注意深くしなさい、とか。
でも“女の子だから”なんて笑い話にしか聞こえない。
わたしを襲う変質者は、完全に人間離れした趣味を持った本当の意味での変態だろう。
しばらく身体を伸ばし、水筒に入れたレモン水を一口飲んでから、演奏を始める。
生温い空気の中を、私の音が走り抜けていく。
耳障りだと思っていた走行音が消え、代わりに私の音を彩る波に、風に、叫び声に姿を変える。
周りの景色、頭上を覆う灰色の天井も、目に突き刺さるほど青い雑草も、
その向こうに広がる夏空も、全て遠ざかった。
わたしは遠く遠く、ちっぽけな身体も心も捨てて流される。
曲を終えると、もう何も考えたくなくなり、わたしは地面に寝ころんだ。
おなかに当たる砂利が痛いが、動きたくない。
ああ、でも疲れたな。喉乾いた。
その辺りに置いたはずの水筒を求めて、手を伸ばす。
「はい」
手渡された水筒に口をつけてから気付く。
いまの、誰?
- 96 :
- わたしは自分の隣にしゃがみ込んでいる人物をまじまじと見る。
もじゃもじゃの髪に、伸ばし放題の髭。頬骨が目立つ痩せた顔の中で、目だけがらんらんと輝いている。
わたしは悲鳴を上げ跳び退いたが、その動きは彼にも悲鳴を上げさせるのに十分だったみたいだ。
高架下に、二種類の非音楽的な叫びがこだまする。
「う、うわ、怖えぇ、おばけ超怖えぇ」
意識を回復させたのはもじゃもじゃの方が先だった。
彼の言葉にかちんと来たおかげで、わたしも冷静さを取り戻す。
「おば、おばけって、失礼な事言わないでください!」
「いやおばけじゃん。良くてスライムだよ。悪く言えば」
そう言ってから彼は言葉を探すかのようにわたしを眺め、口を開く。
「どろどろに溶けたピアノの霊、とか? しかも緑色のピアノ。シュールすぎるだろ」
うん、まあ。
確かに緑色のグランドピアノが、半分溶けた姿で地面にのびていたり、
悲鳴を上げて跳び退いたりしたら、それはおばけと言われても文句は言えないな、と
わたし、バーバララも認めざるを得ない訳で。
「で、あんた何なの? 人に弾かれなくて腐ったピアノの霊?」
「違います」
身体をいつもの人型に戻す。
人型と言っても、肌は緑色だし、上半身は人と同じだけど足はない。
これで人型と言ったら人間に怒られるかも知れない。
「ああ、スライム一家ね」
「バーバ一家です。わたしはバーバララ」
名乗ってから、こんなに得体の知れない相手に素性を明かしてよいのか心配になった。
でも、わたしの能力を使えばこの男から逃げるのは簡単、なはずだ。
とりあえず、毅然に対応しよう。
「それで、何のご用ですか?」
「不法侵入だよな」
あっと言う間に毅然とした気持ちがしぼむ。
はい、そうです。不法侵入しました。
すいません、演奏するのに丁度良さそうだったので……
「俺もだけど」
反省して損した。
こんな不審な人が管理人さんな訳ないって、どうして気付かなかったんだろう。
- 97 :
- もじゃ男は傍らに置いてあったものを取り上げる。バイオリンケースだ。
「あなたも、演奏する人?」
「ああ。前からこの場所は目をつけてたんだ。だからここは、俺の場所」
公用地なのだから彼の場所ではないはずだが、そう言われたらどうしようもない。
大人しく帰るしかないか、とわたしは荷物を拾い上げる。
「じゃあ、お邪魔しました」
「待て」
「まだ、何か」
あー、あのさあ、と言いながら男は頭をがりがり掻く。
飛び散った頭皮にわたしは顔をしかめた。
「聞いてて思ったんだけど」
「はい」
「あんた、演奏へた」
がん、と頭を殴られたような気がした。
ちょっと涙ぐんだかも知れない。
次に男が口にした言葉が追い打ちをかける。
「俺の方が絶対、あんたより巧くあんたを演奏できる」
ショックでしばし呆然としていたわたしは、顔を殴られたような悪臭で我に返った。
男がわたしの目の前に立っている。
どうしよう、怖い。
何日も洗ってなさそうな髪も、不機嫌そうにしかめられた眉も、
ちょびちょびと鼻の下に生えたひげも、あんがいに綺麗で大きな手も、気持ち悪くて怖い。
逃げなきゃいけないのに、身体が動かない。
男が無造作にわたしの肩に触れ、わたしはひぃっと悲鳴を上げてしまった。
男は首を傾げる。
「ピアノ」
「ふぇ?」
「あんた、何やったらさっきのピアノになるんだ? どっかにスイッチでもあるのか?」
男に言われるままにピアノの姿になってしまってから、
わたしはどうやら全く頭が働いていないらしいと気付いた。
大体、“座る場所が欲しい”なんて言う男の注文に応えて、身体の一部を伸ばして椅子まで作ったのだ。
「さすがに鍵盤は白と黒なんだな」
と言いながら、男の指がそっと鍵盤を撫でる。
どうしよう。触られた。気持ち悪い。
そう考えつつも身体は動かない。
とん、と男の指が鍵盤を押し、音色がコンクリートに反響する。
「ふむ」
男は鼻を鳴らして、また別の鍵盤に指を乗せた。
わたしの身体の中に造られたハンマーが、わたしの身体の中に造られた弦を叩き、
ピアノの音を響かせる。
「やっぱり」何が“やっぱり”なんだろう。
それを尋ねる前に男の指が鍵盤を滑り、音階を駈け上がる。一番下から、一番上まで。
次の瞬間大きな両手が、私の身体を奏で始める。
- 98 :
- もう日が陰り、ひぐらしが鳴き始めた。
耳に入るのはその声と、頭上を通り抜けていく車の音、
それからピアノの音色。
決して大きな音ではないはずのピアノはゆっくりとわたしの身体の中で響き、染み込んでいく。
そっと、囁くような指づかい。
柔らかな音色に溶けてしまいたくなる。
次の瞬間転調し、指が鍵盤に叩きつけられた。
私の身体から噴き出した音が、散弾のように周囲に撃ち込まれ反射する。
音がわたしを切り刻み、粉々にし、どこまでも高いところへと噴き上げていく。
登りつめて、何もかも消えてしまいたい、と思った所でまた、転調する。
始めの、柔らかく溶ける響き。
そして、そのままゆっくりと、残響が消えていく。
「またシュールな絵画みたくなっているが、大丈夫か?」
「……大丈夫じゃないです」
またピアノの姿のままへたりこんでいるわたしに男が声をかける。
「つーかタフネス足りないんじゃね?
二時間弾いたらへたるピアノとか、製造元に文句言えるレベルだわ」
「あ、あなたはピアノの大変さを知らないんです!
二時間ずっと叩かれ続ける気持ちが解らないんですか!」
「そう考えたら楽器演奏できねえな。俺ドMじゃねえし」
へっと笑う男が不愉快だ。
汗臭い匂いも脂っこい髪も毛の生えた指も全部全部むかつく。
何よりむかつくのは、この男はわたしより、
いや今まで知っている誰よりもピアノが巧い、という事だ。
わたしはずるずると身体を人型に戻した。
戻ってから、目から涙が流れている事に気付き、慌てて拭う。
恥ずかしい。見られなかっただろうか。
「帰るのか」
「……はい。もうここには来ません」
あんな演奏をされたら、とてもここでピアノを弾く気にはなれない。
いや、ここでなくても、家でもどこでも弾けないかもしれない。
久々に演奏なんて止めてしまおうか、という気分にまで落ち込んでいる。
「ちょっと待て」
男はそんなわたしの気持ちに気付いた様子もなく声をかけた。
「明日も、同じ時間にここに来い。今日の続きを弾きたい」
- 99 :
- 開いた口が塞がらないわたしを無視して、男は言葉を続ける。
「おまえ自分では気付かないかも知れないけど、最高のピアノだぞ。
はっきり言って宝の持ち腐れだ。俺が弾いてやるから、明日来い」
誉めている、のだろうか。全然嬉しくない。むしろむかつく。
もう怒り過ぎて逆に何て言ったらいいのか解らない。
「あの、あなたバイオリンは?」
そんな見当違いの事まで尋ねてしまう。
「バイオリンはバイオリンだ。とりあえずおまえを弾きたい」
「な、なんで、わたしがあなたの言う事聞かなきゃいけないんですか!」
「俺がピアニストで、おまえがピアノだからだ」
「し、知りません! ピ、ピアノじゃないし、あなたの言う事きく義務はありませんから!」
「じゃあ」
男はぼそりと言う。
「俺が、何故おまえのピアノが俺より下手なのか教えてやる、と言ってもか?」
迷ってから、何を迷ったのかと考える。
何故も何も、彼の方が圧倒的に巧いからに決まっているじゃないか。
もう、彼のピアノは聞きたくない。
惨めな気分になるだけだ。
……
わたしは黙って背を向けて草むらに踏み込んでいった。
背後からは車の音と、やがてバイオリンの音色が追いかけてきていた。
翌日。
わたしは昨日より一時間ほど早く高架下にたどり着いた。
来てしまってから、やっぱり帰ろうかという気分になる。
何で来ちゃったんだろう。
でも、家で練習していてもうるさくて迷惑をかけてしまうし、
それに行かなければ彼に嫉妬しているのを認める事になってしまう。
そんな大人げない事、嫌だ。
いざピアノの姿に変わってから、指が動かない事に気付く。
弾くのが怖い。
弾いても、どうせ彼のレベルに達していない事が怖い。
立ち尽くしたまま、一時間が過ぎる。
そして、また一時間。
彼は来ない。
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