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2013年07月文学286: [白鯨]ハーマン・メルヴィル[バートルビー] (183)
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[白鯨]ハーマン・メルヴィル[バートルビー]
- 1 :2011/01/08 〜 最終レス :2013/06/21
- アメリカ文学の巨人のスレッドがしばらくなかったので立てておく。
- 2 :
- クジラとイルカの肉が美味そうです。
- 3 :
- 「白鯨」にアメリカ文学の正典的作品については、E・サイードが作者の伝記、当時の社会
アメリカの文学史的伝統、文体分析など多角的な観点から詳細に論じているな。
- 4 :
- カミュも「手帖」で取り上げてる。
- 5 :
- >>3の冒頭、「白鯨に」ではなく、「白鯨という」だ。
- 6 :
- のっけから古今東西のクジラについての文献を
並べ立てる叙事詩的大作な。
アメリカでは禁書(笑)扱いなので、日本人が
読んでやるべき。
- 7 :
- >>3
サイードの論考タイトルは
- 8 :
- >>7
「『白鯨』を読むために」
- 9 :
- >>4
カミュは「白鯨」について、どんなコメントをしてるんだろう。
- 10 :
- 目の作品、だったかな。叙事詩的だからか知らん。
- 11 :
- あ、フランス語版の序文はカミュが書いてるのかな。
- 12 :
- 19世紀は『白鯨』の時代
20世紀は『バートルビー』の時代
21世紀は『ピエール』の時代
- 13 :
- 「白鯨」が評価されたのは、死後、三十年ほどしてな。
エイハブ船長の片腕は一等航海士スターバック。
うんうん。
- 14 :
- 再評価の火を付けたのが
「ハーマン・メルヴィル 〜 航海者にして神秘家」
という伝記らしい。良いぞ良いぞ。アメリカを代表する傑作小説だ。
- 15 :
- 『白鯨』は今読むと、おっそろしく古臭い印象を持つが、19世紀にこの小説が
発表された時点でもそれは同じで、当時は見向きもされなかった。
その後も、結局メルヴィルは評価されず、専業作家として生きていけなくなり、
他に職を求め、ひっそりと生活していった。そして、死後数十年経ち、
その作品の真価がようやく認められ、文学史に燦然とその名を記した。
これぞあるべき作家の生涯ではないかと思うな。
- 16 :
- 一世代で?
知能って遺伝するんじゃないの。
- 17 :
- エイハブ船長の船のマストは、難破したときに
接岸した日本の浜辺で伐採したもの。
うんうん。
- 18 :
- バートルビーはブランショやアドルノだっけが論じていたりして意外と重要な作品
- 19 :
- 意外でも何でもなく重要な作品だよ。メルヴィルの人間観、世界観がここに詰まっていいる。
- 20 :
- はいはいバートルビーって感じで思想系っぽい読解が多すぎるけどな
- 21 :
- 今年はメルヴィルの詩集を読みたい
- 22 :
- ビリーバッドの新訳どうなの?
- 23 :
- >>22
旧仮名のやつ?
- 24 :
- そうです。岩波が品切れなのでそれしか手に入らないんですけど胡散臭くて・・・。
- 25 :
- 見たことないな。出版社どこ?
- 26 :
- 留守というのは松原正の弟子らしいな。つまり福田恒存の孫弟子に当たる訳だ。
- 27 :
- ビートルバーの副題が「ウォールストリート物語」なのな。
- 28 :
- だから、何?
- 29 :
- ヲ?
- 30 :
- I would prefer no to . . .
- 31 :
- そう、それが絶妙な効果を生んでいる。
- 32 :
- すこし値は張るが
ジル・ドゥルーズ『批評と臨床』(河出書房新社 3500円・本体)のなかの
「バートルビー、または決まり文句」(第10章)を図書館ででもぜひ読んで欲しい
おれはこれを読んでメルヴィルに目覚めたんだ
もう一冊あげれば、ジョルジョ・アガンベンの
『バートルビー 偶然性について』(月曜社 2400円・本体)
ここには『バートルビー』の全訳も載ってる
なんにしろメルヴィルは美しいね
既出ならスマソ
- 33 :
- おまえみたいな奴のせいでうんざりだよ…
初期の海洋小説も読めよ
- 34 :
- >>33
おれがなにを読んだかも語っていないのに・・・
もうすこしお手柔らかにたのむぜ
海洋小説といえば『白鯨』と『ビリー・バッド』だけじゃだめなのかな?
洋書もふくめて10冊くらいはなけなしの金で仕入れたんだ・・・
- 35 :
- >>34
思想系のマニアって、読み方が単調なんだよね…
『タイピー』とかあの時期の作品は読まなさそうなのが明白
つかドゥルーズが好きならむしろ『ピエール』を語れよ
あと『信用詐欺師』だろ…
- 36 :
- >>35
おお!
ピエールは原書を買って、まだというか、もう読めないかな?
訳書は手に入らなかった(カラックスの『ポーラX』の元ネタということも知ったよ)
『信用詐欺師』は読んで驚いたよ
うろ覚えだが、この脳の構造をしてしかも『バートルビー』に行き着くとは! と
もちろん必然かもしれないけれど
だからなおのこと好きになったよ
- 37 :
- I would prefer not toオタはかんべんってことな
- 38 :
- バートルビー、昔どこかの文学全集の英米短編傑作集で読んだが、面白かったなあ。
例の決めぜりふの岩波文庫の訳が失笑ものだった記憶もある。
- 39 :
- 「ぼく、そうしない方がいいのですが」
- 40 :
- やあ、出てきた。
中央公論社の「世界の文学53」の中の田中西二郎訳「書記バートルビー」じゃった。
「気が進みません」(笑)
- 41 :
- うんうん、筑摩だと「ごめんこうむります」
- 42 :
- アメリカ文学というとメルヴィルをとばしては語られないらしい。
私は元来読書というものが好きではないのだが、メルヴィルの名声を聴き入れ、彼の代表作「白鯨」を読んでみたのだ。
私は驚いた。なんと、この作品、私の代表作である「白鮫」とそっくりではないか。片足を失った主人公、復讐、鯨賛美(私の場合は鮫賛美だか)までも、ありとあらゆる意味でそっくりではないか。
その驚いた私に、メルヴィルの声が響いた。彼の声は聞いたことがないのだが、何故か私は確信していた。
そのメルヴィルの声が脳裏に残響するように響く。メルヴィルは言った(英語で)
「すみません。松苗晋作さん。私はあなたの「白鮫」という作品を模倣しました。しかし、決して軽い気持ちでしたのではないのです。
私はあなたさまがお書きになった「白鮫」に、まるで電雷のような衝撃を受けたのです。私は英訳された「白鮫」全三刊を給料を前借りして手に入れました。
そして、一年もの間、夢中となったのです…。どうかこのような私を許してください」
私は彼の声をしかと聞き取ると、私の目からは自然と涙が溢れたのだった。
そして私は言っていた「メルヴィル、そなたの心意気しかと受け取ったぞ…!」
その時、私は全てを許していたのだ。
松苗晋作「文学の帰り道」より
- 43 :
- ,r'三ミr= 、
彡 '" ミヾ、ミ 、 、
,rイ ′ `ヽ、' 、| ミヽ
ノ| リ ヽ'、ミ| |ミ',
从ノ,,r-、 ,ィ=‐-、 | i'|リ. |!
,イノi| -エアi l: -iコゝ川l |ヾ;|
ノ斥ノ| ~l l:: ⌒ 人ワ !卞 、
仆'ソi li| 、'__ ゞ、 ノイ lヽ、 )
冫X^N、ヽ ノ小ヽ r 'ル、ヽ、\ヾ、
y^NZ^N'、'" ̄ ̄` ,,ノイノズ、ヽ\ヽノ
ノ川リ¬n、 イソ'⌒`ヽ 、)乃
ヽノ /`''' '" `r、
,、-‐'゛ / ノ \
/,,,、π'''"^"'ァ、,,,, / \
/'" ノノ // "' -、 / ヽ
ダレソレ[Pierre Daresolet]
(1566〜1593 フランス)
- 44 :
- 『マーディ』を語れ。
- 45 :
- さすがに『マーディ』までは手が回らんだろ。
- 46 :
- 『レッドバーン』が好き。自伝風青春小説で、暗さはない。
- 47 :
- 前菜ばかり漁って、メインディッシュに取りかかれる
程の器量がないと見た。
- 48 :
- メインは食いつくした。あとは周辺をね。
- 49 :
- そういえば、白鯨って食べ物の描写が秀逸じゃないですか?
漁師達の憩いの場である海鮮シチュー屋で運ばれるシチューの湯気やら濃厚な味わいやら、
それをむさぼり、飲み下し、皿ごと平らげる客達の動作やらが絶妙に描かれていて、
読んでいてお腹が鳴るほどでした。次の日海鮮シチューの材料を求めにも行きました。
映画版ではシチュー屋の様子が省略されてしまってとても残念だったのを覚えています。
- 50 :
- >>48
何が面白いのだ?
- 51 :
- まあ、読んでごらんよ。分かるから。
- 52 :
- グレゴリー・ペックは超二枚目なのにエイブラハム船長をやったり、
晩年にはヒトラー役をやったり、いやはや、本当に素晴らしい役者だったなあ・・
個人的なベストは「仔鹿物語」「頭上の敵機」「白鯨」「アラバマ物語」かな。
(ちなみに一週間前に‘To Kill the Mockingbird'を読み始めました。)
- 53 :
- To KIll a Mockingbird、でした。
(西部開拓史のチャラ男役もよかったね。)
- 54 :
- 厭世家だね。
- 55 :
- 阿部知二訳がかっこいい。
- 56 :
- バートルビー読んだけどよくわからんかった
結局何が言いたいねん
- 57 :
- メルヴィルの「バートルビー」とホーソーンの「ウェイクフィールド」は、アメリカ文学が生んだ二大怪談。
- 58 :
- バートルビーの仕事って郵便局の夜勤みたいな感じ?
- 59 :
- コピー機の代わり。
- 60 :
- 原書でいろいろ読みましたが英語力がたりてないこともあり読みきれてないのがほとんど
なんですがApple-tree tableが神秘的で一番おもしろかったです。
読みやすいというのが一番の理由なんですが。
- 61 :
- 【国際】長編小説「白鯨」のきっかけとなった捕鯨船をハワイ海底で発見…1823年に沈没
1 : ◆SCHearTCPU @胸のときめきφ ★:2011/03/01(火) 23:16:08.96 ID:???0 ?PLT(12556)
米作家メルビル(1819〜91年)が長編小説「白鯨」を書くきっかけとなった事故を
起こした船長の捕鯨船の残骸が、このほどハワイ沖の海底で見つかった。
米海洋大気局(NOAA)が発表した。この船が沈没したのは1823年。
海洋考古学者は「捕鯨など当時の人々の海での活動を知る重要な手掛かりになる」と
評価している。
船はジョージ・ポラード船長が乗っていたツー・ブラザーズ号。ホノルルの北西約965キロの
海域で見つかった。木造の船体は原形をとどめていなかったが、捕鯨に使われた銛(もり)や、
捕獲したクジラをつるしたフック、クジラの脂肪から鯨油をつくるのに使用された
釜などが見つかった。
ポラード船長の別の捕鯨船エR号は1821年、南太平洋でクジラとぶつかり沈没。
メルビルはこれに着想を得て1851年、巨大クジラと捕鯨船の乗組員の闘いを
描いた「白鯨」を発表した。当時は米国でも、マサチューセッツ州などを母港とする
捕鯨船による捕鯨が盛んだった。
AP通信によると、ポラード船長らはこの事故後に漂流し、救助されるまで
仲間の人肉を食べて生き延びた。船長はその後ツー・ブラザーズ号で捕鯨の航海に出たが、
座礁して再び沈没。捕鯨をやめたという。
- 62 :
- はっきり言う。
そんな実話と『白鯨』とは何の関係もない。
あの傑作はあくまでメルヴィルのイマジネーションの産物だ。
人間社会の様々な要素が絶妙な語り口で盛り込まれていく様相こそが
この作品の醍醐味といえよう。
- 63 :
- >>62
お前のレスも『白鯨』とは何の関係もない。
- 64 :
- >>62
「何の関係もない」は嘘だろ
- 65 :
- 『白鯨』は壮大な観念小説。
実話と比べながら読むなんて、ちまちましすぎ。
- 66 :
- 初期の『タイピー』『オムー』の頃は実話に基づいたリアリズム小説で、
それなりに人気を博したが、だんだん作風が思索的、厭世的に変わっていき、
『ピエール』『詐欺師』になると、読者からはまるでそっぽを向かれてしまった。
『白鯨』はちょうどその中間点にあり、絶妙なバランスを保つゆえに
メルヴィルの最高傑作となった。
- 67 :
- 「ごめんこうむります」で喜んでるのはポスモダなんだろ。
『白鯨』みたいな大きな物語が嫌だとか言って。
- 68 :
- バートルビーを面白いと思う人のほうが普通なんじゃないか?
英米の個人やメディアの短編小説傑作リストでは
たいてい最上位のほうに入っているぞー。
- 69 :
- 小型軽量が好まれる現代ですからね。
- 70 :
- 『白鯨』も「バートルビー」も傑作だと思うな。
- 71 :
- 『バートルビー』は他の作家にも匹敵する作品がありそうだけど、『白鯨』はそう思えない。
- 72 :
- マッコウクジラは加齢とともに白くなるかウィキペディアで争点になってるぞ
- 73 :
- おいバートルビーって小説は結局なにがいいたかったのか教えろ
- 74 :
- 文明を拒否したっていいじゃないか、ということさ。
- 75 :
- ずうとるびなら知ってる。
- 76 :
- ベニトー・セレーノもいいよね。
- 77 :
- >>73
お前のその素直さ健気さとある意味接点がある
- 78 :
- >>76
終盤R首が立った。
- 79 :
- メルビル自身が水夫だったのだから、
「白鯨」が現実と無関係な観念小説ということもあるまい。
黙示録的な、浮世離れした壮大な幻想味をまとってはいるけれど。
- 80 :
- 白鯨だけ好きな奴(文学史で偉大とか習う)
バートルビーだけ好きな奴(ドゥルーズかアガンベンあたりに由来する人気)
どっちもそのへんはどうでもいいんだろうw
- 81 :
- しかし白鯨を書いたのが30歳頃だろ?
時代も地域も違うとは言え、現代日本の30歳と較べると圧倒的だわ
- 82 :
- いや、メルヴィルが特別なんだと思うが……
初めて年表を見た時は仰天したわ
- 83 :
- メルヴィルの不幸はてめえの才能に気づかなかったことだろーな。
ついでに文章的な技量のなさってのもアレなんだけど、
まー、そこがイイってことで。
良くも悪くもホーソーンと対照的だわな。
- 84 :
- >>83
文章的な技量の無さって何?
ちなみに米国では普通に学習教材に使われてますが
- 85 :
- 語り手が途中で代わってしまう感じがするのは意図してなのだろうか?
- 86 :
- >>85
白鯨の話?
あれはイシュメイルの部分が完全なる後付けだからだよ
エイハブに関する物語がまず最初にあって、それに誘発されて書いた断章をいろいろくっつけて、
でも読みなおしてみるとエイハブがあまりにも突出していて一般人観点に欠けると思われたので
凡人主人公(イシュメイル)が出てきたって感じ
例えば、最初にクィークェグとあれだけ仲良くなったのに、
出航後彼が病気になったときは全然自分が登場しない、など
ただ、そこから先もメルヴィルは思いつきで全般にわたって
ちょこちょこ細かく手を入れてたみたいで、どうもそういう書き方(だんだん膨らませていく)の人だったらしい
白鯨に関するテクスト研究書は色々出ていてすごい楽しいよ
- 87 :
- >>86
はい、白鯨の話。言葉足らずでごめんなさい。
なるほど。そういうわけだったんですね。まだ岩波の中巻読み終わるところだけど、気になったもので。ありがとうございます。
赤子育てているもので、なかなか読み終わらない。
- 88 :
- >>87
読み聞かせると育児と読書が一手間で済むのでは。
- 89 :
- それは名案ですね!いつも子ども向け童話を読み聞かせていたけれど、7ヶ月だからメルヴィルでも文句言わないはず。
- 90 :
- メルヴィル読み聞かせ…
将来が楽しみだ
- 91 :
- 白痴大衆には育たないことを保証する
- 92 :
- 巨大海獣とのスーパーバトルなんて子どもは喜ぶんじゃないかな
- 93 :
- ただ、音読って意外と難しかった。
- 94 :
- >>606
鮨屋の娘、魅力ないなと思っていたのですが、そういう効果、ありますね。すると、娘が凡庸なのはわざとなのかな。
そういえば、語り手が二重にいる入れ子構造的な作品は、いつでも主人公(作品内部の聞き手)が平凡ですね。
女難の主人公も、娘同様準読者ですね。
女難については、>>606さんと同様に思っていました。主人公がいないと、あそこまでの作品にはならなかったんじゃないかなぁ。
白鯨でも、エイハブという登場人物が突出しすぎていて一般人観点に欠けるということで、平凡な語り手が後から加えられたのだと、メルヴィル板で名無しさんが教えてくれました。
今まで、語り手が二重にいる効果は、より臨場感を出すためと思っていましたが、作品内部の聞き手(主人公)を平凡にすることにより、作品内部の語り手をより読者に近づけることができるんですね。
- 95 :
- あ、間違えました(~_~;)ごめんなさい。読書会に書く予定でした。
- 96 :
- >>92
子どもがもう少し大きくなったら、絶対喜ぶと思います!海洋ものってわくわくしますよ。
- 97 :
- メルヴィルを愛読する大人に育ってほしい。
- 98 :
- 白鯨の読み聞かせいいですね。
話は違うけど、
映画版のクィークェグは本を読んで想像してた通りの容貌で感激したことがあるなあ。
- 99 :
- それ、見てみます!読み終わったら、
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