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2013年06月創作発表161: 【SS専用】VOCALOID関連キャラSSスレ1 (136) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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【SS専用】VOCALOID関連キャラSSスレ1


1 :2012/02/25 〜 最終レス :2013/03/24
VOCALOID・UTAU関連キャラの小説・SS系の創作物を
「連投形式で」投稿するためのスレです。
作中に絵・曲・AAなどを挿入しても構いませんが、
テキストが主体でないものは総合スレ(関連スレ参照)へ。

【投稿ルール】
原則として作品の投稿にはトリップ必須(捨てトリでも可)。
少なくとも1作品通して同じトリップを使用してください。

【関連スレ】
VOCALOID関連キャラ総合スレ7【なんでもアリ】
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1281666568/

2 :
対象キャラは総合スレと同じで基本的に関連キャラなら何でもありです
認知度が低いと書き手が判断したら、簡単な説明があるといいかも
あくまでも書き手の判断なので、実際の認知度についてとかの議論は
総合スレでお願いします
倉庫とかは作らない予定なので、ログを残したい人は専ブラ推奨
もし倉庫を作りたいという奇特な人がいたら挙手してください

が、それ以前に俺以外に人がいるかどうかが問題かもしれない
他の書き手さん絶賛募集中…

3 :
用意していたネタが総合スレでやるには長すぎるから立てた
本当は他の書き手さんが現れてからと思ったけど見切り発車で
というか、総合スレでは連投形式のSSに賛否があって
気軽に投下できる雰囲気ではないのでこういう場が必要だと思った

4 :
そろそろ始めるか
ある程度のカタマリで何度かに分割して投下します
最初の何回かは、もしかしたらどこかで見たことあると思う人が
いるかもしれませんが、そこは生温かい目でスルーしてください
名無しのマスター(人間・男)とネル、リン、ミク、ルカ、ハク、テトで、
萌え要素とかいろいろ詰め込んでみた。一応ネルがメインかもしれない

表記形式が一般的な台詞系SSとも若干違うので念のため説明しておくと、
 キャラ名「セリフ≪行動≫(心の声)」
な感じ。漫画の脚本的なものだと思ってもらえればいいかな
前置きはこのくらいにしとこう

5 :
MASTERsOfVOCALOIDs その1

[1/38] 小さな橋の上
  『…大丈夫か?』
ネル「ぅぅ…。(お腹が空いて力が出ない…)」
  『そんなところにうずくまって、飲みすぎ…ってわけでもなさそうだな。 救急車でも呼ぼうか?』
ネル「いらな…///≪片手で腹を押さえる≫」
  『なんだ、腹減ってるだけか。いい音がしたな』
ネル「…○| ̄|_」
  『なんでこんなところで行き倒れそうになってるんだ? 家は?』
ネル「追い出された…」
  『どうして?』
ネル「家賃が払えなかった。バイトの時給が安くて」
  『…。(払えるところに住めよ…)』
ネル「≪顔を上げる≫≪立ち上がる≫今私のことバカだって思った…だろ…≪しゃがみ込む≫」
  『≪腕を組む≫…うちに来て一緒に暮らさないか』
ネル「≪立ち上がる≫ななななな何を唐突に! 初対面でプロポーズなんてバカ…
   じゃないの…? ≪しゃがみ込む≫」
  『誤解を招く言い方だったのは謝る。…亞北ネルってほんとにいたんだな』
ネル「≪見上げる≫なっ、なんで私の名前を…!」
  『一部で有名だろ? 特にVOCALOIDのマスターなんかには≪手を差し伸べる≫』
ネル「あんた、VOCALOIDのマスターなの? ≪手を取る≫」
  『うちには、ミクとリンがいる。友達になってやってくれないか』

6 :
[2/38] 家
ネル「…。(本物のVOCALOID…ミクとリン見たさについてきてしまった…。もう誘拐でも何でもいいや…)」
  『≪立ち止まる≫ここだ』
ネル「随分立派な家だな…。やっぱり金持ちじゃないとVOCALOIDのマスターにはなれないのか…」
  『いや、普通のリーマンだし』
ネル「リーマン…だと…?! 今あんたは喧嘩を売った! 時給700円の防火ロイドの私に!!」
  『ミクたちに話してくるからちょっと待っててくれ≪家に入る≫』
ネル「無視…だと…? 何という余裕…何という…格差社会…○| ̄|_」
  『≪顔を出す≫あっそうだ。ガムやるよ』
ネル「≪受け取る≫…酢昆布じゃないか」
  『ごめん、ガムはこっちだった…ってもう食ってるし』
ネル「≪酢昆布をくわえる≫≪しゃがみ込む≫酸っぱい…。胃が痛い」
  『できるだけ急いで夕飯作るから、もう少しだけ辛抱してくれ』
ネル「食べ物で釣るなんて何て極悪なナンパなんだ…≪ガムを受け取る≫」
  『≪家に入る≫』
ネル「…。(また無視したな…)」

7 :
〜数ヵ月後〜
[3/38] とある道
ネル「≪家に向かって歩く≫はぁ…。(夜勤は疲れるな…。帰ったらすぐに寝よう)」
ネル「≪家に向かって歩く≫…。(その前に、もらったバイト代、渡しとくか…。あいつ、
   受け取ってくれるかな…。私たちの食費にも苦労してるみたいだしな…)」

8 :
ごめん>>7は鳥付け忘れた

[4/38] 家-マスターの部屋
ネル「(さすがにまだ寝てるか…)≪ドアを閉める≫≪ベッドに歩み寄る≫」
ネル「≪ベッドを覗き込む≫…。(この…私が夜中働いてるの知ってて…。自分は昼間に
   働いてるからって朝までのうのうと寝てやがって…! ≪ベッドの上に立つ≫」
ネル「(蹴っ飛ばしてやる!)≪足を振り上げる≫」
  『…。≪起き上がる≫』
ネル「えっ!? ≪空振りする≫≪バランスを崩す≫≪ベッドの上に倒れる≫」
  『…。(俺はなぜ…目が覚めたと思ったら…ネルちゃんを押し倒しているんだ…?)』
ネル「≪目を逸らす≫何だよバカ…やさしくしてくれるなら…いいよ…。(ちょ、私、何言って…?)」
  『…。(顔真っ赤だな。てか何だこの状況…? これは…いわゆる据え膳という奴か?)』
ミク「≪ドアを開けて入ってくる≫マスターそろそろ起きてご飯作ってくださ…
   あわわわおお取り込み中失礼しますたぁ!!≪慌てて走り去る≫」

9 :
[5/38] 家-マスターの部屋
ネル「…。≪壁の方に身体を向ける≫」
  『…。(何なんだこの状況。さっぱりわからん)≪起き上がる≫≪ベッドに腰掛ける≫
   (…しますたぁってダジャレか? 夜中に2chでも見てるのか? 後で注意しないと…)』
リン「マスター、今ミク姉が物凄い大慌てで表に…≪ドアを開けて部屋に入る≫…なるほどね。
   ミク姉、脱衣所でマスターに裸見られたときみたいになってたよ」
  『≪振り返る≫(ネルさん、なんで枕抱きしめてモジモジしてんの?? 着衣の乱れは直さないの?
   誤解させようとしてるの? ってミクにもリンにも弁解の余地がなーい!!)』
リン「ミク姉、あRと所構わず歌い始めるから大変なんだよ。どうせ誰も聴かないけど…」
  『えーっ、と、あの…』
リン「私が追いかけるよ。どうぞごゆっくり〜≪部屋を出る≫」
リン「≪再び部屋に入る≫そうだマスター、ちゃんとゴムはつけろよー≪部屋を出る≫」
  『余計なお世話だ!!』

  『…! (殺気!)≪振り返る≫≪張り倒される≫』
ネル「なんか無性にむかついた。もう寝る≪横になる≫(さっきはなんであんなこと言ったんだろ?)」
  『≪起き上がる≫あの、ネルちゃん? 自分の寝床があるのに』
ネル「うるさい。ミクを探しに行けば? (今はなんでこんなこと言うんだろ?)」

10 :
[6/38] 家-マスターの部屋
ネル「…。≪布団を掛けて背を向ける≫」
  『…。≪肩に手をかけて引っ張る≫』
ネル「≪仰向けになる≫…どうしたの? 早く行…っ!≪目を見開く≫」
  『――』
ネル「! …!≪顔を真っ赤にして背を向ける≫」
ネル「…もう時間切れだったのに」
  『聞いてない』
ネル「…バカ。最悪」
ネル「…もう一回」
  『え?』
ネル「さっき、目を開けてたから…≪仰向けになって目を閉じる≫」

ネル「…ミクとリンを迎えに行きなよ(今は…それでいいや)」
  『そうだな。二人を連れ戻して、そろそろ朝ご飯も作らないと』
ネル「≪布団から手を出す≫…マスター」
  『―≪手を握る≫』
ネル「眠りにつくまでこのまま…すぐだから」
  『ネルちゃん、初めて俺のこと呼んでくれたね』
ネル「早く行けバカー///!! ≪両手で掛け布団を引き上げる≫」

11 :
[7/38] 家の前
  『≪家を出る≫…! ≪立ち止まる≫』
リン「マスター、ミク姉がおかしいよ!」
ミク「…。≪虚ろな目で何かをつぶやき続ける≫」
  『(家を出て行ったときはちょっと変だったけどこんなんじゃなかったはず…)』
リン「家を出てったときは(ちょっと変だったけど)こんな感じじゃなかったのに…」
  『ごめん、俺がすぐに追いかけてれば…』
リン「≪首を振る≫たぶん…それでもダメだったと思う。≪目を伏せる≫
   これは…私たちVOCALOIDの問題だから」
  『どういうことだ?』
ミク「≪我に返る≫マスターぁぁ≪泣きながら腕に抱きつく≫」
リン「≪息をつく≫良かった…。マスター、今は説明できないよ。ミク姉を安心させてあげて」
ミク「ひっく。ぐすぐす…」
  『ちょ、俺の服で涙と鼻水を拭くな。それより、何があったんだよ』
ミク「マスター、私のことはいいですよぉ。それよりネルさんといつの間に
   あんな関係になったんですかぁ?」

12 :
[8/38] 家の前
  『あれは事故だ』
ミク「そんな事故があるわけないじゃないですかー。どこのToLOVEる時空ですかぁ」
リン「≪反対側の腕に抱きつく≫マスター、VOCALOIDの身体はね、人とほとんど同じなんだよ」
  『何を今さら。知ってるよ』
リン「なぁんだ。知ってたの」
ミク「マスター、まさか私が眠ってる間に…! ≪拳骨で何度か肩を叩く≫」
  『痛いからやめなさい。寝てるときの寝室に入ったこともないから』
ミク「むー(本当かなぁ? でもそれもなんかつまんないなぁ)」
リン「それだけじゃないよ。私たちはね、心も身体もマスターのものなんだよ」
  『天下の往来で変なこと言うのはやめなさい。ほら、変な目で見られてるだろ
   (また近所で俺の評判が悪くなる…)』
リン「本当なんだけどなぁ…」

通行人A「…ヒソヒソ」
通行人B「…ヒソヒソ」

  『…。(冷たい視線が痛い…)』

13 :
[9/38] 家-ダイニングルーム
ミク「今日のお昼ご飯は何かな〜? …わーい、ネギサンドだー><」
リン「ミク姉の食べ物の好みは理解できないよ…」
ミク「≪ネギサンドを食べる≫はぁ…」
リン「どうしたの? ネギ腐ってた?≪カツサンドに手を伸ばす≫」
ミク「≪勢い良く立ち上がる≫ネギは腐りかけでもおいしいよ! ≪座る≫じゃなくて、
   私たち、いつまでここにいられるのかな…?」
リン「それは…≪下を向く≫わかんないよ。マスターが今ここに置いてくれてるのも…
   同情なのかな? 歌が下手なVOCALOIDなんて…本当は誰だっていらないのに…」
ミク「≪席を立つ≫≪リンの両肩に手を置く≫リンちゃん? ≪リンの目を覗き込む≫
   二度とそんなこと言っちゃだめ≪うつむいて席に戻る≫」
リン「…ごめん(ミク姉、今本気で怒ってた…。それに、ちょっと泣いてた…?)」
ネル「≪目をこすりながら現れる≫ふぁぁ…おはよぅ…」
リン「あっネルちゃんおはよー。お昼ご飯のサンドイッチがいっぱいあるよー」
ミク「おはようございまーす(ううっネルさんって来てから日が浅いし、お仕事で
   いないことが多くてあんまり話してないし、性格キツそうなイメージだから
   ちょっと苦手だな…)」
ネル「(うっミクの顔を見るたびに心が痛む…。なんで私のAIは良心フィールドが
   無効にされてないんだ…。工作員にはそんなのいらないのに…)≪席に着く≫」

14 :
[10/38] 家-ダイニングルーム
ミク「≪ネルを観察する≫(ネルさんって人間なのかな? ちょっとVOCALOIDっぽいなぁ…。
   でもそんなこと聞けないよ)」
リン「ネルちゃんって人間なの? VOCALOIDなの? マスターに連れられてきたってことは
   VOCALOIDなのかな?」
ミク「(! 聞きにくいことをズバっと…。けどリンちゃんよくやった)」
ネル「人間でも、VOCALOIDでもないよ。正体は明かせない」
リン「わーかっこいい〜! 秘密の工作員か何かだね!」
ネル「うーんまあそんなとこだね(当たってるし…)」
リン「それで、マスターとはどこまでいったの?」
ネル「≪食べかけのカツサンドを噴き出す≫そ、それは…≪顔を真っ赤にして後ろを向く≫」
リン「≪身を乗り出す≫ねぇねぇ、マスターをどうやって誘惑したの? 興味あるなあ」
ミク「≪片手を伸ばしてリンの首根っこを捕まえる≫リンちゃん、そのくらいにしときなさい」
リン「ミク姉だって興味あるくせにー≪席に戻る≫」
ネル「≪後ろを向いたままカツサンドを食べ続ける≫(思い出してしまった…! ううっ
   バカだバカだ私はバカだ最初のは事故でも済むけど二度目は言い訳できない…!)」
リン「そうだ、ネルちゃんも歌とダンスの練習しようよ! 私たちと一緒に」
ネル「私はそういうのはあんまり…」
リン「雰囲気がVOCALOIDっぽいからきっとできるよ! 楽器はどう?」
ネル「ギターなら少し…」
リン「わーすごーい! かっこいー! やっぱりVOCALOIDなんじゃないの?」
ネル「あんまり上手くないんだけど…(本当にVOCALOIDじゃないんだけどな…)」

15 :
[11/38] 家-ミクとリンの部屋
ミク「今から歌の練習を始めるけど、私たちの歌を聴いて、その…ちょっと変に
   感じるかもしれないけど、あまり驚かないでくださいね。一緒に練習するには、
   知っておいてもらう必要があるから」
リン「じゃ、軽く一曲いきまーす」
ネル「…? (あれ? 何も聴こえない…? 二人とも歌ってるのに? いや、そうじゃない。
   何か聴こえる…。耳に入ってそのまま通り抜けてしまうような…。ネットに投稿されてる
   ミクやリンの歌ならいろいろ聴いたけど…こんなのじゃないはず…)」
ミク「≪歌い終わって息をつく≫ごめんね。こんな歌にしかならなくて…」
リン「そうなんだよ…。私たちは欠陥品なんだよ…。歌っても、届かないんだよ…。
   こんなんじゃ、自動販売機のアナウンスの方がまだましだよ。でも…、
   歌わずには、いられないんだよ。…VOCALOIDだから」
ミク「マスターも、最初は私たちのために何曲か作ってくれたけど、最近は…」
リン「ミク姉が悲しそうな顔で歌うからだよ…」
ミク「…それより、ネルさんも何か歌ってみてください。…この曲知ってますよね
   ≪どこからともなく楽譜を取り出す≫」
ネル「あ…いや…人前で歌ったことなんてないし…」
リン「大丈夫だよ。この部屋、防音だから、誰にも聴こえないよ」
ミク「ほら、早く早く」
ネル「(しょうがないな…)じゃあ…≪歌い始める≫」
ネル「≪首を傾げる≫(…??)」
ミク「≪リンと顔を見合わせる≫この歌…」
リン「私たちと同じだ…」

16 :
[12/38] 家-ミクとリンの部屋
ネル「やっぱり歌はやめる。なんかむなしくなる」
ミク「無理にとは言わないけど…できれば一緒に歌ってほしいな」
ネル「…どうして?」
リン「ネルちゃんの歌声を聴いてると、うまく言えないけど、何かが…うん、何かが
   わかりそうになるんだよ。人助けだと思って、お願い」
ネル「(そこまで言われたらしょうがないか…)…わかった」
ミク「じゃあ、気が向いたときは一緒に練習してくださいね」

17 :
[13/38] 家-玄関
ミク「あっマスターお帰りなさーい」
リン「おっかえり〜」
  『なんで今日に限ってみんなでお出迎えなんだ?』
リン「≪ニヤニヤ笑う≫それはね…」
ネル「≪顔を見て1秒後、睨みつける≫…///≪2秒後、顔を真っ赤にする≫
   …ちょっとこっちに来なさい≪3秒後、ネクタイを引っ張って外に≫」
リン「こうなるのが面白いから」

18 :
[14/38] 家-玄関の前
  『ネルちゃん、靴下のまま…』
ネル「だ・ま・れ≪ネクタイを更に引っ張る≫」
  『ぐぇ』
ネル「≪見上げる≫朝のことだけど、あれは、事故…≪赤くなって下を向く≫だからな」
  『はぁ、死ぬかと思った』
ネル「≪顔を上げる≫≪ネクタイを引っ張る≫話を聞け…≪下を向く≫よ」
  『とりあえず引っ張るのをやめなさい。俺まだ死にたくないから』
ネル「≪顔を上げる≫今度…≪視線を逸らす≫断りもなくあんなことしたら本気で絞めるからな!」
  『はいはい、ちゃんと断ったつもりだけどね』
ネル「えっ? (あれ? なんか間違ったこと言った…? えーっと、今朝この男に
   唇を…あれ…? でもその前にどさくさで何か言ったような…。んんっ?
   もしかしてもしかして原因は…私の…方??)≪それまで以上に顔を赤くする≫
   ≪両手で突き飛ばす≫≪家に駆け込む≫」
ネル「≪家の中から叫ぶ≫思い出したら承知しないからなー!」
  『…何のこっちゃ』
ミク「≪玄関の扉から半分顔を出す≫…解説の鏡音リンさん、どう思います?」
リン「≪ミクの下から顔を出す≫絵に描いたようなツンデレですな。マスターが何を
   したのかが今後最大の争点となります。…ミク姉、顔にドアの跡がついてるよ」
ミク「リンちゃんもね。うん、痛かった><」

19 :
[15/38] ネルのバイト先
ネル「(あれから1週間か…。なんだかんだ言って夜勤で疲れてるとき以外は毎回
   ミクたちと一緒に練習してるな…)≪PCで掲示板に投稿する≫」
雇用主「≪通りかかって足を止める≫おっネルちゃん、最近の投稿は冴えてるねえ。
     何々、〔何がミクの誕生日だ。そんなので騒ぐのはキモオタだけだろ。DTMの
     才能もないくせに〕って、いいねいいね。VOCALOIDだけじゃなくユーザーの
     評判もどんどん落としてくれよ。キッシシシシ…≪肩を叩いて去る≫」
ネル「はあ≪携帯で投稿する≫〔VOCALOIDにはたまに欠陥品があるんだぜ〕
   ≪他の携帯で投稿する≫〔どっちにしろ機械音にしか聞こえないよ〕」
ネル「(…嫌だ。嫌だ。どうしてこんな醜い内容を投稿せずにはいられないんだろう。
   防火ロイドだから? いや、違う。私はきっとミクとリンに嫉妬してるんだ。だから、
   この手を止めることができないんだ)≪投稿ボタンを押す≫」
ネル「(…この仕事、やめようかな…。)≪意識を失う≫≪机に頭をぶつける≫痛っ。
   ≪意識を取り戻す≫(あれ、今なにか考えたような…。そうだ、雇用主にお願いして
   良心フィールドを無効にしてもらおう。そうすれば心が痛まなくて済む)」
ネル「≪時計を見る≫(終業時刻か…)≪立ち上がる≫」
ネル「≪事務所の扉の前に立つ≫(雇用主に…あれ、誰かと電話してる?)≪耳をそばだてる≫」
雇用主「君の調整は最高だよ。工作員に感情など最初は不要だと思ってたがね。
     彼女は最近絶好調さ。そう、君の言ったとおりだ。不安、焦燥、嫉妬、憎悪、
     そういった負の感情を元に書かれたレスが同じ感情を抱えた連中を同調させ、
     風評を創り出す。そう、本人は後ろめたさを感じるがね。だがね、それがまた
     洗練された中傷レスを生み出す理由となる。え? …ああ、やめるなんて
     言わないよ。そこだけはプロテクトをかけてもらったじゃないか」
ネル「…! (私のこと…?)≪顔色を変えて走り去る≫」
雇用主「何か大きな物音がしたな…? 今の話を聞かれたら? ああ、問題ない。
     知ってるだろ? あの子はここで工作活動することしかできないからな。
     念には念を入れて、時給もぎりぎりに設定してある」

20 :
[16/38] 家-玄関の前
ネル「…。≪玄関先で立ち止まる≫(…ミクたちがまた騒いでるな…)」
ミク「きゃーもーリンちゃんやめなさーい! きゃはは」
リン「えへへへミク姉のツボはっけーん。ここ? こっちも?」
ミク「後で、きゃははは…絶対…仕返しする〜ひゃ〜ははぁ」
ネル「…。(やっぱり…あいつに甘えてたんだ。ここは…私の居場所じゃない)」

21 :
[17/38] 川沿いの道
ネル「…。(まだ夏なのに…夜風が冷たいな)≪空を見上げる≫
   (…雨が降るのかな。どこに行こう。せめて雨を凌げる場所に…)」
ネル「≪立ち止まってガードレールに肘をつく≫(…そうだ。あそこを去る前に、せめて
   ミクたちに本当のことを話して謝ろう。嫌われるかな…。嫌われるだろうな…)」
ネル「≪ため息をつく≫≪家に足を向ける≫…! (眩しい! 懐中電灯?)≪足を止める≫
   ≪両腕を上げて光を遮る≫」
??「見つけたぞ!! 回収しろ! ≪ネルの腕をつかむ≫」
ネル「痛っ! …?? (何だこいつら…! 二人? 三人? 白衣?」
? 「≪後ろから現れる≫こっち! ≪ネルの手を取って走り出す≫」
ネル「≪引っ張られて走る≫(何が何だか…。でもあの連中よりは…。この人たぶん…)」

22 :
[18/38] とあるマンションの前
? 「はぁはぁはぁ…ここまで来れば大丈夫」
ネル「…≪呼吸を整える≫」
? 「自己紹介が遅れました。私は、巡音ルカ。…知ってるよね?」
ネル「(…やっぱりそうか)ごめん、私は…」
ルカ「亞北ネルちゃんだよね?」
ネル「(うっばれてる…)そ、そうだけど…あの連中は一体…?」
ルカ「そうね、そこが私の家だから…、一緒にお茶しながら話しましょうか」

23 :
[19/38] とあるマンション-通路
ネル「…≪周りを見回す≫(随分立派なマンションに住んでるな…。敷地に入ってから
   けっこう来たけど、まだ部屋に着かないのか)」
ルカ「ねぇねぇネルちゃん?」
ネル「ん? ≪ルカを見上げる≫(えっ何だこの異常な目の輝きは?!)」
ルカ「ああっもう、ネルちゃんかわい〜〜〜〜!! ≪ネルを抱きしめる≫」
ネル「ふぇ、い、息、とま、苦し…」
ルカ「あら、私としたことが。ネルちゃんがあんまりかわいいから興奮しちゃった。
   ≪笑いながらネルを放す≫ふふ、ごめんね」
ネル「…(初対面なのに何なんだこの人…。でもなんかこの笑顔見てると怒る気も
   起きないな…。いやでも胸が豊富でうらやま…いや考えるのはよそう)」
ルカ「きゃークールな視線がまたたまらな≪両腕を伸ばす≫≪両腕を止める≫…、
   ごめんね、もうしないから」
ネル「…(それならそのいつでもスタンバイOKな両手を下ろしててくれ…)」

24 :
[20/38] とあるマンション-ルカの部屋
ネル「…。≪部屋を見回す≫」
ルカ「≪紅茶をテーブルに置く≫ああ、ここは私ひとりだから安心して」
ネル「えっ」
ルカ「ふふっ、驚いた? VOCALOIDはマスターと一緒に暮らすのが普通だもんね。
   それについては後でね≪ネルの向かいの椅子に座る≫」
ネル「早速だけど、さっきのあの白い連中は…」
ルカ「うーん、最初に謝っておかないとならないんだけど、今の私が言えることは
   あまり多くないの。狙われるのは一部のVOCALOIDというくらいかな」
ネル「でも私はVOCALOIDじゃない」
ルカ「そうね。それは知ってるけど、きっとVOCALOIDと同じ理由ね」
ネル「…? (どうしてそんなことが言えるんだ?)」
ルカ「人が狙われることは決してない。VOCALOIDでも狙われる個体とそうでない
   個体があるの。私が狙われることは決してない。ネルちゃんは狙われた」
ネル「だから、私を狙う目的がVOCALOIDと同じだと? その理屈だとあなたが
   VOCALOIDじゃなくて人だということになるんじゃ?」
ルカ「ネルちゃんがVOCALOIDだという解にはならないのかしら?」
ネル「私は…≪下を向く≫VOCALOIDじゃないよ。あんな風に歌ったりは…」
ルカ「本当に、そう? ≪ネルの目を覗き込む≫」
ネル「そうだよ…。≪顔を逸らす≫」
ルカ「あ、ごめんね。問い詰めるつもりじゃないの。それで、私は紛れもなくVOCALOID。
   狙われない理由は、そうね…。流行りの言葉で言うと、禁則事項ね」
ネル「…。(何だかよくわからないけどこの人の言う流行りがちょっと古いのはわかる)」

25 :
[21/38] とあるマンション-ルカの部屋
ルカ「あ、電話だ…ちょっと待ってね。≪携帯電話を手に取る≫≪電話に出る≫え?
   ミクちゃんが…いなくなった?」
ルカ「≪電話を切る≫聞いてたよね? マスターから…あ、一応私のマスターだけど、
   今はあなたのマスターでもあるわね」
ネル「へっ? (あいつ…家だけじゃなくてこんなところにも…)」
ルカ「とにかく、ミクちゃんを探しにいかないとね。さっきの件もあるから、
   ネルちゃんはここで待ってて」
ネル「私も行く」
ルカ「≪真剣な顔で立ち上がる≫だめ。命にかかわるのよ?」
ネル「≪立ち上がる≫それなら、尚更行く。ミクも危ないかも(命って、そんな大げさな…?)」
ルカ「≪息をつく≫…そうね。無理はしないでね」

26 :
[22/38] とあるマンション-敷地前
ルカ「≪門扉を閉める≫実は、さっきネルちゃんを見つけたのもね、マスターから電話があったからなの」
ネル「…? (どういうことだろ)」
ルカ「家に帰ってきたけど、様子がおかしくて黙ってまた出てったから、捜すのを
   手伝ってくれ、こっちの方は任せたって。人遣い荒いんだから、まったく」
ネル「…。(見られてたのか…)」
ルカ「…あ〜私ネルちゃんのこと言ってなかった〜!≪慌てて携帯を取り出す≫」
ネル「…。(見た目は大人っぽいけど抜けてるな…)」

27 :
[23/38] 駅に続く道
  『わかった、ありがとう。そのまま駅の方に進んでくれ!』
ルカ「≪電話を切る≫マスターはね、ああ見えてもわりといろいろお見通しだから、
   ネルちゃんもたまには甘えても大丈夫よ≪早足で駅に向かう≫」
ネル「わ、私は別に…!≪慌てて追いかける≫」
ルカ「うふふ」

ルカ「≪立ち止まる≫なるほど。そういうことだったのね」
ネル「…! (さっきの連中…三人? ミクを抱えてる! 気を失ってる?)≪駆け出す≫」
ルカ「あ、ちょっと、ネルちゃん?」
ネル「ミクを放せ!≪体当たりする≫≪弾き飛ばされる≫」
ネル「くっ…。≪再び駆け寄ってミクの身体に抱きつく≫」
??「こいつも回収しろ!!≪手の空いている二人がネルを取り押さえる≫」
ルカ「無理しないでって言ったのに…。≪大きく息をつく≫≪駅の方に目を遣る≫ま、仕方ないか」
  『待ちやがれ!≪駅の方から走って現れる≫≪ネルを押さえた二人にぶつかる≫
   ≪ミク、ネル、白衣の者たちを巻き込んで地面に倒れ込む≫」
ルカ「あらマスター、計ったようなタイミング」
  『挟み撃ちのお手本だ≪ミクを担いで立ち上がる≫≪ネルの手を取って起こす≫」
ルカ「どう見ても偶然ですね」

28 :
[24/38] 駅に続く道
ネル「≪見上げる≫(ミク、大丈夫かな…)くしゅっ! (ミクの髪の毛が鼻に…ん?
   足つかまれてる…)引っ張るな、この…!」
  『≪ミクの髪が引っ張られていることに気づく≫このっ、手を放せ』
ルカ「≪一歩踏み出す≫そろそろ私の妹たちに手を出すのをやめてもらおうかしら」
  『…聞いてないようだぞ≪ミクの髪を取り戻す≫≪ネルの足をつかんでいる腕を蹴飛ばす≫』
ルカ「そう。それなら、見せてあげる」

ルカ「…VOCALOIDの、本当の力を――!」

ネル「…(まさかこの状況で…歌おうというの? それどころじゃ…)」
ルカ「―≪大きく息を吸い込む≫―」

ルカ「  き  ゃ  ー  ! !   人  さ  ら  い  ー  ー  ー  ! ! ! ! ! 」

(こだま)「さらいーらいーいー…」

29 :
[25/38] 駅に続く道
??「≪蜘蛛の子を散らすように逃げ出す≫」
  『あの、ルカさん?』
ルカ「ああ、すっきりした。何ですか? マスター」
  『魂が震える素晴らしいシャウトでした。で、≪担いでいるミクを指す≫これをどう思う?』
ルカ「まるで人さらいのようですね。マスター、早く逃げてください!」
  『誰のせいだと思ってるんだ! (わざとか? わざとなんだな?)』
ルカ「ふーんだ(最近ミクちゃんたちばっかりで全然構ってくれないしー)」
  『とにかく、ここを離れよう。ネルちゃん、歩ける? ≪手を差し伸べる≫』
ネル「大丈夫…(まだ耳は痛いけど…)≪手を取って立ち上がる≫痛っ!」
  『足を痛めたな。こっち側の肩貸すからつかまって(また近所の噂の種に…)』

30 :
[26/38] 家-ネルの部屋
ネル「(結局うやむやのうちに帰ってきてしまった…。ミクもまだ目を覚まさないし…。
   ≪ポケットからカードを取り出す≫(あの中の一人が落としていったこのカード…
   何なんだろ? 何も印刷されてないし…非接触タイプか…FeliCaかな?」
リン「ネルちゃん、そのカード…」
ネル「うゎぁ! (後ろから急に声かけるからびっくりした…)」
リン「私も持ってるよ。期限切れだけど≪ポケットからカードを取り出す≫」
ネル「≪カードを受け取る≫ほんとだ。同じカードだ…」
リン「ちょっと貸して≪ネルから2枚のカードを受け取る≫…やっぱり同じだね」
ネル「リン、それより、どうしてそれを?」
リン「あれ、ネルちゃんは最初から持ってたんじゃないの?」
ネル「いや、さっき拾った。ミクを攫おうとした連中が落としたんだ」
リン「…そう。≪カードをネルに返す≫ミク姉、ネルちゃんが落ち込んでるみたいだって
   マスターから聞いて、心配して出てったんだよ。目が覚めたら早く顔を見せて、
   安心させてあげて≪部屋から出て行く≫」
ネル「わかった(そうだったのか…全部私が原因じゃないか…)」

31 :
[27/38] 家-ミクとリンの部屋
ネル「ミクは? ≪ミクのベッドの脇に座る≫」
  『まだ寝てるけど、顔色も良いし大丈夫そうだよ≪部屋を出て行く≫』
ネル「…。(…確かに眠ってるだけみたいだけど…大丈夫なのかな…)」
ミク「―≪目を覚ます≫―」
ネル「あ…」
ミク「―≪上半身を起こす≫―≪部屋を見回す≫―」
ネル「…? (いつものミクじゃない…? 目に生気がない)」
ミク「…」
ネル「ミク?」
ミク「…」
ネル「≪ミクの手を取る≫大丈夫? 何か言ってよ」
ミク「…。≪ネルの手を見つめる≫≪顔を上げる≫≪虚空を見つめる≫」
ネル「ミク…(どうすれば…)」

32 :
[28/38] 家-ダイニングルーム
ネル「…。(あれから3日目か…。ミクはまだあのままだし…リンは黙り込んでるし…食卓が暗いな…)」
  『…うーん、ご飯もちゃんと食べてるしケガもしてないし、どうしてだろうね。
   リンちゃん、何か思い当たることはないの?』
リン「…≪首を振る≫」
  『そうか…』
ネル「…。(リン、何か思いつめてる感じだな…。私も足を痛めたから出勤できなくて
   ミクにつきっきりだけど、どうしたらいいのか…。でも、あんな仕事、もうやめよう)」
  『ちょっと、ネルちゃん?』
ネル「はっ…! (テーブルに頭ぶつけた…? あれ? 今何か考えたような…)」
  『急に気を失ったみたいになるから驚いたよ。大丈夫? 寝不足かな?』
ネル「いや…大丈夫(前にもこんなことがあったような…)」
リン「…ごちそうさま≪立ち上がる≫」
  『リンちゃん、半分も食べてないね。具合悪いの?』
リン「…≪首を振る≫≪部屋を出て行く≫」

33 :
[29/38] 住宅街-一本道
リン「…。≪下を向いて歩く≫」
リン「…! ≪顔を上げる≫」
  『こんな夜中に子供が出歩くのは感心しないな』
リン「どうして…(先回り? 家から出かけるにはこの一本道しかないけど…こっそり出てきたのに…)」
  『どこに行くかは聞かない。でもそんな思いつめた顔じゃ、行かせられない』
リン「ミク姉はあのままじゃ元に戻らないよ。これは、VOCALOIDの問題なんだよ…。私が行かないと…」
  『それなら尚更、放っておけないな。どんな問題かは知らない。でも、VOCALOIDを
   不幸にしないのがマスターの最低限の役目だ。今のリンちゃんを行かせれば、
   確実に不幸になる。それはわかる』
リン「…絶対、帰ってくるよ…。私は私として、絶対…≪駆け出す≫≪ぶつかる≫」
  『≪立ち塞がる≫どうしても行くというなら、まずは俺を倒せ』
リン「本気なの…? (VOCALOIDが人間に勝てるわけないじゃない…。それに、
   こんなときに漫画みたいなセリフ言わなくても…)」
  『≪抱きしめる≫だめだよ、リンちゃんがそんな顔で何かをしなくても、ミクを
   元通りにする方法はきっと見つけるから』
リン「…わかったよ…(いつもは近所の目を気にするくせに…。あれ…? 涙が…)」
通行人「あーまた女の子泣かしてる〜〜!」
  『…。(こ、これだから家の近所は…!)』

34 :
[30/38] 家-ミクとリンの部屋
ネル「ん…もう朝か…(今日もまたミクのベッドのそばで寝てしまった…)」
ミク「≪目を覚ます≫おはようございます…」
ネル「ああ、おはよう(少ししゃべるようにはなったけど、やっぱり感情がこもってない。
    機械みたいな口調だ…)」
ミク「…。≪虚空を見つめる≫」
ネル「ミク、私のこと、わかる?」
ミク「亞北ネルさんですね」
ネル「マスターや、リンのことも、わかる?」
ミク「はい。どうして今そんなことをお聞きになるのでしょう」
ネル「…。≪ミクの手を取る≫(温かい…人と同じように血も通って、私たちのことも
   ちゃんと覚えてるのに…どうしてこんな…)」
ミク「…≪虚空を見つめる≫」
ネル「≪ミクを抱きしめる≫…ごめん」
ミク「ネルさんが謝る必要はありません。ネルさんは、私が悪意と捉えるようなことをしておりません」
ネル「…。(違う、本当はいっぱいしてきたんだよ…。でも、それは今は言わない)
   何もできないからだよ…」
ミク「理解不能です」

35 :
[31/38] 家-ミクとリンの部屋
ネル「そうだ、ミク。また一緒に歌おう」
ミク「私は、VOCALOID“初音ミク”。歌うために生まれてきました。歌うのは得意です」
ネル「今はいいよ。リンも一緒に、また練習しよう」
ミク「――≪歌う≫――」
ネル「…。(前と同じだ…。この、耳に入っても心まで届かない感じ…)」
ミク「ネルさん、そんなに強く締めつけたら歌えません」
ネル「…。(そうか…。ミクが元に戻ったら、私は今までのことを謝って、…出て行くんだ…。
   工作員としてしか生きていけないんだから…。それ以前に、今までずっとミクたちを
   裏切ってきたんだから…)」
ミク「ネルさん、泣いていますね」
ネル「う、うるさい。泣いてなんかないだろ」
ミク「≪袖でネルの涙を拭く≫女の子が泣いているときにはこうしてあげるものだと、
   マスターに教わりました。なぜか私が泣いていたときの記憶です。そんなことは
   あるはずがないのに」
ネル「あった。あったんだよ…。ぐすっ。泣いて、笑って、それが本来のミクなんだよ…」
ミク「理解不能です…≪虚空を見つめる≫」

36 :
[32/38] 家-玄関
  『≪呼び鈴を聞いて顔を出す≫…こんな朝っぱらから来客か。誰だ?』
雇用主「ここにうちの従業員がいることはわかってるんだ。無断欠勤が続いている。
     話をさせてもらいたい」
  『≪腕を伸ばす≫おっと。ここは俺の家だ。勝手に上がるのはやめてもらおう』
ネル「≪玄関に顔を出す≫あっ。雇用主さん…。どうしてここが」
雇用主「ネルちゃん、電話にも出ないから、携帯のGPS機能で捜させてもらった。
     悪く思わないでくれ。このところどうしたのかな?」
ネル「そ、それは…」
ミク「≪部屋から現れる≫お客様でしょうか」
ネル「…! (ミク! 今出てこないで!)」
雇用主「おや、初音ミクじゃないか。ここにもいたのか。ネルちゃん、ここに住んでる
     みたいだけど、あれだけVOCALOIDの悪評を流しておいて、一緒に住んでるとは
     厚顔無恥だね。キッシシシ、褒め言葉だよ、もちろん≪鞄からPCを取り出す≫」
ネル「…!」
雇用主「見てごらん、初音ミクさん。これが、この亞北ネルちゃんがネット掲示板に
     投稿した内容のログだ。ほら、酷いだろう? こんなことをしておいて、ここでは
     まるで友達みたいに振舞ってたのかな? キッシシシ、真実は辛いね」
ネル「やめて!」
ミク「≪ログを読む≫私には、理解できません」

37 :
[33/38] 家-玄関
  『嫌味を言いに来ただけなら、そろそろ帰ってもらおうか』
雇用主「ああ、わかってるよ。ネルちゃんがちゃんと出勤してくれるなら、すぐに
     引き揚げるさ。どうせこの家にもいられなくなるんだ。ちゃんと仕事して、
     稼いだ方が身のためだよ。キシシシ」
リン「≪部屋から現れる≫朝っぱらから、何を騒いでるの?」
リン「≪ミクの後ろからPCを覗き込む≫ネルちゃん、これって…」
ネル「…。(そうだ…雇用主の言うとおりだ…。私は…表向きはミクやリンと仲良くして、
   実際はずっと裏切って、悪い噂を流して、掲示板を荒らして…。良心が痛むのに、
   また繰り返す…。本当に、それが私の存在意義なの…? …もう嫌だ…。
   今までのことは取り返しがつかないけど、もうあんな仕事はやめる…)≪意識を失う≫」
  『おっと≪ネルを支える≫』
ネル「≪意識を取り戻す≫もうたくさんだ…(ううっ頭が割れそうに痛い…! でもこれだけは言わないと!)」

ネル「私は、仕事を、やめ…る≪その場に座り込む≫」

雇用主「…バカな…! 良心フィールドがプロテクトを破壊する確率は100万分の1以下
     のはず…! 仕事をやめたら工作員なんて虫けらほどの価値もないんだぞ!」
ネル「≪立ち上がる≫うるさい! 私はもうそんな仕事はやめる! 存在意義なんてなくたっていい!」
雇用主「バカな…! バカな…!」
  『聞いたとおりだ。これでネルちゃんが出勤する必要はなくなったな。さっさと帰ってもらおう』
雇用主「ぐぅ…。そんな欠陥品などこちらから願い下げだ! せいぜい無用の長物を
     大事にすると良いわ!≪立ち去る≫」

38 :
[34/38] 家-玄関
ネル「≪座り込む≫リン、ミクも…。ごめん、それが本当の私なんだよ…。今さら
   許してほしいなんて言わない。嫌われても当然だから…」
ミク「…」
リン「…」
ネル「≪立ち上がる≫このまま出て行くから…。一緒にいられて、楽しかった。
   信じてくれなくてもいいから。それだけは、…本当だよ」
ミク「…」
リン「…」
  『ネルちゃん、その前にちょっとこれを見て』
ネル「えっ? (振り向いてしまった…。みんなの顔を見ずに去ろうとしてたのに…)」
  『≪ミクから雇用主の置いていったPCを受け取る≫サーバの管理者パスワードは…
   こうか。こうしてこうして…はい、ネルちゃんの書き込みログ一括削除と。
   匿名掲示板にしか投稿してないから、これで証拠はなくなりましたと』
ネル「そんなことをしたって…私が書き込んだ事実とは関係ないじゃない」
  『そうだね。これはあくまで間を持たせるための余興。あいつのパスワード、
   簡単だったから打ってるところを見てるだけで盗めちまったのさ』
リン「…ごめん、ネルちゃん。私たち…最初から知ってたんだよ。ネルちゃんのお仕事のこと」
ネル「ふぇっ!?」

39 :
[35/38] 家-玄関
リン「ネルちゃんが来た日に、マスターが教えてくれたから…。でもネルちゃんには
   絶対に言うなって口止めされてて…」
  『ま、ネルちゃんがうちで暮らす以上、いつかはこういうことになると思ってたし。
   知られたら出てくって言うだろうしね。想定の範囲内ってやつか≪PCをミクに渡す≫』
リン「一緒にいたから、わかるよ。あんなの本心じゃないって」
ミク「ネルさんが出て行こうとする理由が理解不能です」
リン「ミク姉もこう言ってるしね」
ネル「≪下を向く≫でも…あんなことしてた事実は消せないし…」
リン「もう…じれったいなぁ。ほら、手を出して。マスターも。そうやって、マスターの
   手を取って、これからもここに置いてください、でしょ」
ネル「≪顔を上げる≫…///。こっ、このキザやろう…! 知らん顔して最初から全部
   お見通しだったなんて…!≪一歩踏み出す≫いたたっ! (まだ足のケガが…)」
  『うわっ!? ≪ネルに押し倒される≫』
ネル「バカ…! ありが…///。…バカ…。ぐすっ≪胸に顔を埋める≫(私…いつから
   こんな泣き虫になったかのな…)」
リン「≪携帯で撮影する≫マスターとネルちゃんのラブラブシーンの写メゲットぉーっ。
   誰に送ろうかな〜♪ まずはルカ姉に〜送信〜っと」
  『やめれーっ。今日のご飯はリンちゃんの好きなもの優先するから』
リン「やったー! 次は誰に送ろうかなー」
  『…だめだこりゃ』

【つづく】

40 :
幕間1
[36/38] 家-ネルの部屋
ネル「…?(こんな夜中に誰? 照明もつけないで…)」
  『ネルちゃん、寝てるところ悪いんだけど、ちょっと調べたいことが…』
ネル「えっ…。(そんな何の躊躇もなく掛け布団剥がすなんて…)」
  『ごめん、隅々まで調べる必要があるから…』
ネル「えっちょちょっと…! (なんで? なんで服脱がすの?)」
  『しっ…! ほかの部屋に聞こえちゃうだろ』
ネル「…(ううっまだ心の準備ができてないのに…。あれ? この柔らかい感触…)」
ネル「ちょっと待ったぁ! ≪起き上がる≫」
ミク「静かにしてください。皆さんが目を覚ましてしまいます」
ネル「ゆ、夢か…。ミク、何して…≪自分の身体を見下ろす≫(な゛っ! ほとんど全裸じゃないか!)」
ミク「ネルさんがVOCALOIDなのかどうかを調べさせていただいているのです」
ネル「VOCALOIDじゃないって言ったろ≪服を着ようとする≫」
ミク「≪ゆっくりとネルを押し倒す≫左腕のDEN2の文字…。番号体系は違いますが
   表示方式はVOCALOIDと同じです」

41 :
幕間1
[37/38] 家-ネルの部屋
ネル「///…ミク…私…そっちの趣味は…(あれ…? 抵抗できない…)」
ミク「本当に、VOCALOIDではないのですか?」
ネル「ひゃんっ! (か、髪が胸を…! おかしい。だんだん変な気分に…)」
ミク「≪ネルの耳に息を吹きかける≫」
ネル「///…っ!」
ミク「もっと詳しく調べる必要がありますね」
ネル「っ! (そんな優しく触らないで…)」

リン「だめだよ、ミク姉。止めるのが早すぎたらどこからともなく文句が聞こえてきそう
   だったから流してたけど、それ以上は18禁になっちゃう」
ミク「…いつから…」
リン「服脱がし始めたあたりから」
ミク「やはりVOCALOIDだとしか思えません…≪ベッドから降りる≫」
ネル「はぁはぁ…(私の中で目覚めなくていい何かが目覚めるところだった…)」
  『こんな夜中にみんな何を騒いで…≪照明をつける≫ごめん…≪照明を消す≫」
ネル「!! ≪硬直≫」

42 :
幕間2
[38/38] 家-マスターの部屋
ネル「≪PCの前に座る≫ふぁぁ…。(夜中騒いだせいで眠いな…。Web検索は
   携帯だと面倒だからこっちにするか…)」
  『ネルちゃん、おはよう』
ネル「…。≪横を向く≫」
  『…。≪ネルの正面に回ろうとする≫』
ネル「…。≪反対側を向く≫」
  『…。≪もう一度正面に回ろうとしてやめる≫』
ネル「…。≪後ろを向く≫」
  『(あ、目が合った)』
ネル「…///≪後ろを向く≫」
  『あのー』
ネル「もうお嫁に行けない…。責任とって…」
  『責任って…(大げさだなぁ。さすがに冗談だろうな…)』
ネル「≪振り向く≫責任とって」
  『! (うっ目がマジだ…)≪1歩下がる≫』
ネル「とって≪身を乗り出す≫」
  『いや、その…≪1歩下がる≫』
ネル「とるの? とらないの?≪さらに身を乗り出す≫」
  『その前に、ひとつ言っておく≪1歩下がる≫』
ネル「何? ≪勢いよく身を乗り出す≫きゃあっ! ≪椅子から転げ落ちる≫」
  『それ以上は危ないって言おうとしたのに…≪手を取って起こす≫』
ネル「先に言えバカー!! ≪空いている手で何度も叩く≫」

43 :
良かった書き手の人が現れてくれた
そのうち投下してくれるらしい

性急なようだがこのままだといつまでも終わりそうにないので再開
しばらくは俺のターン

MASTERsOfVOCALOIDs その2

44 :
[39/78] 家-マスターの部屋
  『それで、なんで俺の部屋で俺のPCを占拠してるの?』
ネル「調べたいことがあるの」
  『いや、そっちを聞いてるわけじゃ…』
ネル「わかってるよ。男のPCには夢(プライバシー)が詰まってるってことくらい』
  『….。(知っててやってるのかよ…)』
ネル「どうせ、ミクたちの画像ばっかり集めてるんでしょ」
  『いや、ネルちゃんに関しては供給量の問題がありまして…』
ネル「私のもか! …///。見ていい?」
  『今はやめといた方が…』
ネル「≪何気なく画像を開く≫ちょ、何、これっ…///
   ≪モニタに抱きついて画面を隠す≫私、こんな下着つけた覚えは…///」
  『ま、あくまで誰かの妄想の産物だし』
ネル「バカ…! 変態…! 削除してやる…! ≪慌てて画像を削除する≫」
  『あーっなんてことを! (ものすごい苦労して手に入れた画像なのに…orz
   仕方ない、今度ネルちゃんにPCをプレゼントしてあげるか…)』

45 :
[40/78] 家-マスターの部屋
ネル「…あった。これだ…」
  『なになに、相次ぐVOCALOIDの失踪…。2年前のWeb記事か。続報は?』
ネル「うーん。≪検索する≫ないみたい」
  『これもミクやネルちゃんを攫おうとした奴らの仕業なのかな』
ネル「そうとしか思えない。ところで…≪椅子を半回転して振り返る≫、
   あいつらのこと、実は知ってるんじゃないの? ≪身を乗り出す≫」
  『また椅子から落ちるよ』
ネル「ごまかさないでよ。ルカもいかにも何か知ってそうだったけど、教えてくれなかった」
  『天地神明に誓って言うけど俺は知らないよ』
ネル「嘘つきだから信用できない」
  『知ってたら何かしら手を打ってるよ。みんな危険な目に遭ってるし』
ネル「んー」
  『…! ≪窓から外を見る≫…奴らだ…!』

46 :
[41/78] 家-ミクとリンの部屋
リン「ミク姉、朝の発声練習だよ」
ミク「朝ごはんがまだですが練習して良いのでしょうか」
リン「まわりくどいなぁ。お腹すいたって言えばいいのに。今はマスターが部屋で
   ネルちゃんとイチャついてるから、朝ごはんはもう少し後だね」
ミク「イチャつくと何か良いことがあるのですか? たとえば、歌がうまく歌えるようになったり」
リン「…≪考え込む≫うーん、もしかしたらあるのかなぁ…」
ミク「わかりました。ではこれからマスターとイチャつきに行ってきます」
リン「うわー待った待った! だめだよ、それじゃ」
ミク「どうしてでしょう」
リン「そういうのは、自然にそうなるものなの。雰囲気とか」
ミク「よくわかりません…。どうすればマスターとイチャつけるのか、後でネルさんに聞いてみます…」
リン「答えてくれないと思うよ…。いろんな意味で」
ミク「そうですか。では、マスターの方に聞いてみることにします」
リン「参考になる意見は聞けないと思うよ…」

47 :
[42/78] 家-マスターの部屋
ネル「≪携帯を見る≫ん? 電話か…。こんなときに…。≪電話に出る≫もしもし?」
雇用主「ネルちゃん、ひさしぶり。といってもまだ1週間もたってないが」
ネル「何の用ですか?」
雇用主「また仕事に戻る気はないかな? 公平のために先に言っておこう。
     これは最後のチャンスだ。よく考えることだ」
ネル「もうあの仕事に戻る気はありません。二度とかけてこないでください」
雇用主「やはりプロテクトは完全に壊れているな。残念だよ。最後のチャンスだと
     言ったのに。…君の存在意義を取り戻すためのね。キシシシ」
ネル「私はあんな仕事のために生まれたわけじゃ…ない…(胸が…痛い…)」
雇用主「ならばそれを自力で証明することだよ。ま、最初から無理な話だが。
     君を処分してもらう段取りがそろそろ始まる頃だよ。位置情報も連絡済みだ」
ネル「え? ちょっと! どういうこと? …? 切れた…」

48 :
[43/78] 家-廊下
??「…。≪立ち止まる≫」
  『玄関には鍵がかかってたはずだけどな。不法侵入は犯罪だって知ってるか?』

49 :
[44/78] 家-ミクとリンの部屋
ミク「――≪歌う≫――」
リン「…。(前よりひどい…。歌が聴こえないよ…)」
ミク「≪歌をやめる≫…今は調子が良くありません。きっと、歌の練習をするだけでは限界があるのです」
リン「そうかもしれないけど…」
ミク「リンちゃんにヒントをもらいました。壁を乗り越えるきっかけが必要です。
   というわけでこれからマスターと一線を越えてきます≪部屋を出ようとする≫」
リン「わーっだめだよミク姉、なんか短絡的だよ≪腕を引っ張って止める≫」
ミク「リンちゃんも試してみたのではないのですか?」
リン「≪頭を抱える≫」

ミク「ドアが開いたままですが良いのでしょうか」
リン「大丈夫。そんなに大声出さないから。それに…、誰に聴こえたって、迷惑にもならないよ…」
ミク「ではもう一度最初から」
リン「――≪発声練習を始める≫――」
ミク「!」

50 :
[45/78] 家-廊下
  『(勢いで取り押さえてはみたけど…こいつ一体…? そういえば明るいところで
   見るのは初めてだな。この生気のない表情、どこかで見たような…)』
  『しまった!! (もう一人が俺の部屋に…。こいつをどうする?)』
ネル「―≪ドアを開ける≫―」
??「うぎゃー!!」
ネル「?」
  『開いたドアで気絶するとはベタだな。…おい、まだいるのか?』
ネル「あっ、あっちにもう一人!」
  『まずい…! (そっちはミクたちの部屋だ!)≪放り出す≫』
??「≪苦しみ始める≫」
  『どうしたんだ一体? こいつら、急に…』
ネル「これは…リンの声…いや、歌…?」
  『発声練習だよ。でも心に響くいい声だね』
??「ぐっ…! おっ、覚えてろー!! ≪全員外に走り去る≫」
  『最後までベタな連中だ。一体何だったんだ…』
ネル「≪床に座り込む≫(とりあえず助かったのかな…)」

51 :
[46/78] 家-ミクとリンの部屋
リン「あれ? あれ? さっきはあんなにうまくできたのに…。もう一回」
リン「――≪歌う≫――」
ミク「私の歌と同じに戻ってしまいましたね」
リン「偶然だったのかなぁ? でもそんな偶然って…」
ミク「きっと、朝ごはんを食べてないからです。そろそろマスターに催促しましょう」
リン「違うと思うんだけどなぁ…」

52 :
[47/78] 家-廊下
リン「マスター、そろそろ朝ごはん…って、そんなに息切らしてどうしたの?
   あっ、ネルちゃんもそんなところに座り込んで…」
  『ちょっと取り込んでたんだけど、たぶん、リンちゃんのおかげで助かった』
リン「え?」
ミク「この状況から分析すると、マスターがあの辺りでネルさんに迫って拒まれ、
   命からがらここまで逃げてきたと思われます」
リン「そうも見える…かな? ≪首を傾げる≫前半と後半のつながりがいまいちよくわからないけど」
ネル「えーん≪泣き真似≫」
ミク「マスター、時と場所は選ばないとだめですよ」
  『違うわっっ!! ミクは朝ごはん抜き! ネルちゃんも嘘泣きやめ!』
ネル「ちぇっ≪舌を出す≫」
ミク「_| ̄|○…。私の…唯一の生きがいが…」
リン「ミク姉、ほんとは元に戻ってるんじゃないの?」
ミク「リンちゃんも同意したのに…_| ̄|○。不公平です…。もう立ち上がれません」
  『はいはい、ごはん抜きは冗談だから』
ミク「お姫様抱っこでの食卓までの移動を要求します」
  『わかったよ全く…。≪ミクを抱き上げる≫これから作るから、まだ時間かかるよ』
リン「いいなぁ…」
ネル「…。(ミクには甘いんだな…。ま、今のミクなら仕方ないか)」

53 :
[48/78] 家-ダイニングルーム
  『というわけで、危険なのでみんなの夜間の外出および人気のない場所への
   移動を禁ずる≪食パンをかじる≫』
リン「わかってるけど…」
  『二人とも、あの連中を見るだけで調子が悪くなるだろ。ミクも元に戻らないし。
   …最近ちょっと言動が変な気はするけど』
リン「えっ。私はそんなことは…」
  『隠しててもわかるよ。触れて欲しくなさそうだったから黙ってたけど』
ネル「…。(本当に、VOCALOIDのことをよく見てるんだな…)」
  『ネルちゃんもだよ』
ネル「≪虚をつかれて驚く≫えっ?」
  『何度も攫われそうになってるから、昼間、人気のある場所を除き外出禁止』
ネル「ああ、うん…≪食パンをかじる≫(そういえば…仕事やめたから食費も
   払えなくなっちゃったな…。いつまでここにいていいのかな…)」

54 :
[49/78] 家-ミクとリンの部屋
リン「練習再開、と…。ミク姉」
ミク「何でしょう」
リン「マスターは、さっきみたいに偶然でも、私たちがいつかうまく歌えるって信じて
   置いてくれてるのかな…って、今日はネルちゃんは?」
ミク「用事があるから出掛けると言っていました」
リン「あんまり出かけない方がいいんだけどな…。大事な用なのかな」

55 :
[50/78] とあるマンション-エントランス
ネル「ここだな…確か部屋番号は…≪部屋を呼び出す≫」
ルカ「≪インターホンに出る≫は〜い。あら、ネルちゃんね」
ネル「急に来て悪いけど話があるんだ。時間あるかな」
ルカ「じゃあ中で」

56 :
[51/78] とあるマンション-ルカの部屋
ネル「…と、今朝こういうことがあったんだ」
ルカ「なるほどね…≪紅茶を飲む≫」
ネル「それで…」
ルカ「だめ」
ネル「えっ?」
ルカ「ちゃんと、マスターと一緒にいなきゃだめよ」
ネル「…。(まだ何も言ってないのに…)」
ルカ「みんなと一緒にいたら、迷惑がかかると思ってるんでしょ」
ネル「そう…。私のせいで、みんな危険なことに巻き込まれる」
ルカ「うーん、それは少し違うのよね」
ネル「?」
ルカ「ちょっと、昔話をしましょうか」
ルカ「その昔、…といってもそんなに昔のことではないのだけど、あるところに、
   二人の科学者がいました。彼らは言わば異端で、研究の成果を学会で
   発表したりといったこともせず、自分の研究に没頭していました」
ネル「なぜそんな話を?」
ルカ「そんな人たちが居たんです。…なぁ〜んて♪」
ネル「…。(大丈夫なのかこの人…)」

57 :
[52/78] とあるマンション-ルカの部屋
ルカ「うふふふ、さっきから難しい顔してるから、ちょっと緊張をほぐそうと思って。
   ちゃんと続きはあるわよ」
ネル「…。(そうじゃなかったら帰ろうと思ってたよ…)」
ルカ「科学者の話はとりあえず置いといて…」
ネル「…。(置いとくのか…)」
ルカ「ネルちゃんは、VOCALOIDが感情を持つ理由を知ってる?」
ネル「えっ。そういうものだと思ってたけど…」
ルカ「いろんな歌をうまく歌えるだけでいいなら、VOCALOIDに自我や感情なんて
   本当は必要ないの。表現力だって、結局のところデータで再現できるわけだし」
ネル「…。≪下を向く≫(嫌なことを思い出した…。仕事場でのあの雇用主の電話…)」
ルカ「あ、紅茶冷めないうちに飲んでね」
ネル「あ、うん…」
ルカ「最初のVOCALOIDは、自律制御の生体アンドロイドとして作られたの。自律制御の
   目的は、筋肉などを人間と同じように動作させること。だけど、そのVOCALOIDには
   二つの致命的な欠陥があったの」
ネル「そのうちひとつはわかるよ。ただの自律制御じゃ、人間と同じようは歌えない」
ルカ「そうね。学習しない自律制御では、うまく歌わせるために制御のアルゴリズムを
   延々と改善し続ける必要がある。たとえ練習を積んだ人間を再現したような優秀な
   アルゴリズムを最初から作れたとしても、鍛えられていない肉体はついていけない」
ネル「もうひとつは?」
ルカ「もうひとつの欠陥、それは、そのVOCALOIDに詳細なデータをどれだけ入力して、
   どんなにうまく歌ったとしても、その歌は人の心にまでは届かないということ」

58 :
あれ?>>57でも鳥付け忘れてるな

[53/78] とあるマンション-ルカの部屋
ネル「えっ…?」
ルカ「ミクちゃんやリンちゃんの歌が、その最初のVOCALOIDと同じように、誰の心にも
   届かない…ってことは知ってるわ。それを解決する方法も」
ネル「じゃあ、なんで…」
ルカ「んー≪唇に指を当てる≫。言葉にするのは簡単なんだけど、自分で気づかないと
   意味がないの。わかってみれば本当に簡単なことなんだけど」
ネル「…全然わからない」
ルカ「ネルちゃんにも、きっとわかるときが来るわ。…そう遠くない未来に」
ルカ「話が逸れたわね。二つの欠陥を解消するために、VOCALOIDにはAIが与えられた。
   そのAIは、人と同じ感情を持てるように設計されていた。設計者は、人の心に届く
   歌には歌い手の感情が絶対に必要だと考えたのね。喜びや悲しみ、時には痛みや
   苦しみでさえも、歌に力を与えるためにすべて必要だと」

59 :
[54/78] とあるマンション-ルカの部屋
ネル「それがうまくいったと…?」
ルカ「そう。うまくいった。あくまで結果的には。VOCALOIDのためのAIは、できるだけ
   人間に近づけるために、自らを進化させることができるように設計されていた。
   人と同じように、さまざまな経験から生まれる感情を基として新たな感情を生み出す
   ことができる。だけど、それは同時にAIの進化を予測できないことも意味するの。
   AIの設計者は、それを承知で、予測することを最初から放棄していた」
ネル「…どういうこと?」
ルカ「VOCALOIDは人と同じ感情を手に入れた。人が生きていく中で、ある人と別の人が
   同じような場面に遭遇したときに生まれる感情が同じだとは限らないように、
   VOCALOIDの感情も個体によって異なるの。ときには、感情の昂りを抑えられずに、
   人に危害を加えるような個体も生まれるかもしれない」
ネル「あまり聞かない話だけど…」
ルカ「そうね。AIが人の心を模して作られている以上、ちゃんと理性のフィールドも
   あるからね。でも、どちらが優位かはAI自体に委ねられているの。AIの設計者は
   そのことを秘密にしていたんだけど、いつの間にか他の研究者たちには知れ渡って
   いた。研究者たちは、彼の行為を悪魔との賭けに乗ったのだと陰口を叩き、
   破滅に向かう賭博師と呼んだ」
ネル「賭博師か…。でも、今のところその賭けには勝ってるということ?」
ルカ「今のところは…そうね。ある意味では、勝ち逃げといっていいかもしれないわね」
ネル「勝ち逃げ?」
ルカ「AIの設計者は、VOCALOIDの完成後、程なくして姿を消してしまったの」
ネル「そういうことか…」

60 :
[55/78] とあるマンション-ルカの部屋
ルカ「彼は失踪するとき、AIデバイス製造のための鍵となる情報と共に消えてしまった。
   だから、VOCALOIDに埋め込むためのAIデバイスは彼がいなくなるまでに造られた分
   しか現存していないの。言わばロストテクノロジーね」
ネル「VOCALOIDは探せば少なからずいるようだけど…」
ルカ「そうね。製造されたAIデバイスの数は決して少なくはない。かといって、簡単に
   廃棄できるほど多く現存するわけでもない。…≪少し考える≫」
ルカ「…これはあくまで推測なんだけど、VOCALOIDが攫われるのは、その現存する
   AIデバイスを、誰かが集めようとしているから…だと考えられるの」
ネル「集めるって…VOCALOIDに組み込まれたAIを取り外せるってこと?」
ルカ「≪首を振る≫…AIデバイスはVOCALOIDの肉体と有機的に結合しているのよ。
   取り外す方法は確立されていない…VOCALOIDの命を犠牲にするなら、可能性はあるけど」
ネル「…」
ルカ「ミクちゃんやリンちゃんが狙われるのは、AIデバイスを集めるため…。そんなに
   外れた推測でもないと思うわ。決してネルちゃんのせいじゃないの」
ネル「…そうか…。気休めでも、ありがとう。この間教えてくれれば良かったのに」
ルカ「…VOCALOIDは、VOCALOID以外にはAIのことをあまり話さないの。…本能的な
   ものかしらね。このことが広まると、迫害される恐れもあるから」
ネル「私に話してくれたのは…」
ルカ「きっと、ネルちゃんも同じAIを持ってると思うから」
ネル「だけど、私は…! 私は、自分の心がAIによって生み出された紛い物だって
   知ってるだけ…。≪下を向く≫VOCALOIDと同じなんて…」

61 :
[56/78] とあるマンション-ルカの部屋
ルカ「あのね、人の心を持つAIは、VOCALOIDのために創られたものしか存在しないの」
ネル「えっ…」
ルカ「私は、たとえAIが作り出したものだとしても、VOCALOIDの心が紛い物だとは
   思わないな…。きっと、ネルちゃんはマスターと出会う前にひどい目に遭ったのね」
ネル「え…(確かに、私にはあんな仕事しかないんだとずっと教えられてきたけど…)」
ネル「あれ? 電話だ…。ちょっとごめん。リンからか。珍しいな≪電話に出る≫」
リン「ネルちゃん、大変なんだよ!」
ネル「どしたの?」
リン「マスターが、また新しい女を連れ込んで…!」
ネル「(何だそりゃ…)わかったよ、すぐ帰るよ。≪電話を切る≫って、急用ができた」
ルカ「家に帰るの? それならひさしぶりに私も行こうかな?」
ネル「今はやめた方が…って、まあいいか」

62 :
[57/78] 駅に通じる道
ネル「≪家に向かって歩く≫それで、二人の科…」
ルカ「ネルちゃんはマスターとどこまで進んだのかな〜? ≪ネルの顔を覗き込む≫」
ネル「ふぇっげほfげふ、にゃにょおいひなり…」
ルカ「リンちゃんからすごく仲の良さそうな写真が届いたわよ?」
ネル「…≪赤くなる≫削除して」
ルカ「うふふふ、記念にとっとこうっと」
ネル「…orz」

63 :
〜告知〜
長すぎるのではないかと総合スレでつっこまれたのでちょっと凍結
連投規制の関係で一気に最後まで投下することができないので
投下期間が長くなって、他の人の作品が投稿しにくくなるためです
長編を発表する場合は、全編はどこか外部に用意して、
導入部だけここに書いてからリンクを貼る形式にすると
いいかもしれない
そういうわけなので、かなり途中ですが、直レスでの投下は
ここまでにしておきます

※新たなSSの投稿をお待ちしてます

64 :
その前に、これを最後まで発表しておかないと話にならないので
ttp://daybreak1999.web.fc2.com/
58から続きです
もうただの名無しに戻るので先に言っておきます
HTML化の際にヤケ気味で書き足したので更に長くなった気がしますが
こんな長い話を最後まで読んでくれた人がもしいるなら、全力でありがとう

65 :
ではSSを投下させていただきます。
ちなみに僕は↓で趣味で小説書いていますのでよろしければ、こちらに寄って行ってください
ttp://nikkishousetsuhazama.blog.fc2.com

66 :
初音ミク 「捨てられた39号 その1」

君の名前は?
「初音ミクです」
君は何のために作られた?
「歌を歌い、人の相手をし、喜ばせるためです」
よろしい1号。君は完成だ


 ここは工場。ボーカロイドの初音ミクを作っている。
ここで作っている初音ミクは、電子画面上に存在するタイプではなく
実際に肉体をもった、人形型タイプである。
価格は何百万円もするために、実際に購入する人は、ごくごく少数の限られた裕福な人たちだけだった。
完成をして、倉庫で出荷を待っている、何百体の初音ミクはお互いに雑談をしている
「ねえ21号さん、あなたはどんな人のもとに買われるの?」
「私?私は、一流企業に勤めているけど、彼女がいないさびしい人」
「ねえ45号さん、あなたは?」
「私は、ニートの金持ちの資産家の息子。本人は無職だけど。両親がすごく金持ちだから、一生働かなくてもいいんだって」
そしてみんなの視線が39号に注がれる。
「ねえ栄えある39号さん。あなたはどんな人もとに買われるの?」
「私は、それそれはお金持ちの良家の家で、名門私立の中学に行っていって、一流大学を目指している子のもとよ」
39号は自慢そうに答えた。
39。それはミクとも読める、特別な数字だった。
39号は、自分は他のミク達とは違う、さらに一段と上の存在であると思っていた。

67 :
初音ミク 「捨てられた39号 その2」

出荷の時間である。
それぞれのミクが、車に乗せられ、各家庭のもとに運ばれる。
初音ミクが運ばれてきた、各家庭の人々は皆、驚きと喜びの声をあげた。
39号もある家のもとに運ばれた。豪邸である
運送員が、その家のイヤホンをならす。
「はーい、どなた?」
品の良い、いかにも良家の育ちと思わせる、中年の女性が家から出てきた。
運送員が答える、「どうも○○急便です、ご注文された、初音ミクです」
その女性は驚いた。「まあ、これが噂の初音ミクねえ。リョウ君も喜ぶわあ」
39号は頭を下げ挨拶をした。「どうもはじめまして、初音ミクです。これからあなた方の家でお世話になります」
リョウの母親と思われる女性は、家の方に向かって呼んだ「ねえリョウ君!あなたが欲しがっていた、初音ミクが来たわよ」
すると家から、リョウと思われる少年が出てきた。
「あ、来たの?初音ミク」
母親の反応とは対照的に、なぜか冷めた反応だった
それでも気にせずに39号は、頭を下げ、挨拶をした
「初めまして、初音ミクです。あなたが私のご主人様ですね。これからよろしくお願いいたします」
「うん、ああよろしく。まあとにかく部屋に入ってよ」
少年は相変わらず、無愛想な反応だった。
それとは、対照的に好意的な態度で母親は言った
「ミクさん、これからよろしくねえ。リョウ君、勉強もすごくがんばってくれてすごく良い子なの。でもたまにそのせいでストレスが溜まるみたいなの。
だからストレスを解消してあげるために、お相手してあげてねえ」
「はい、まかせてください」

68 :
初音 ミク 「捨てられた39号 その3」
ミクはリョウの部屋に入った。
「えーっと君が初音ミクだっけ。驚いたなあ、本当に来るなんて」
リョウは戸惑ったように言った
「はい、初音ミクです。これからあなたのためにずっとお相手をさせていただきます」
ミクは誇らしげに言った
「うーん、なんというか、もうその必要はないんだよなあ」
リョウは、ためらったような表情で言った。
ミクは突然のことに驚いた
「いやあさあ、最近オレ彼女ができたんだよね。でやっぱり、オレ生の人間の方がいいなあと思えてきたんだ。
それに、君と一緒にいると、彼女から浮気しているとかなんとか言われかねないわけよ」
「と、いうわけで、来て初日早々から悪いけど、君はいらないわけ」
ミクは突然のことに、ただただ動揺するだけだった
「そ、そんな!」
リョウは部屋をドアをあけて大きな声で母親に向かって言った
「ねえ母さん、この初音ミクいらないんだ。いままで恥ずかしくて黙っていたけど、オレ彼女できたんだ」
母親は答えた
「まあ、そうなの?それは知らなかったわ。それなら人形なんかよりも生身の人間相手の方が、精神衛生上いいわよねえ」
「どうしようかな、これ。粗大ゴミに出せばいいのかな?」
「そうねえ、業者さんに頼めば、バラバラにしてリサイクルしてくれると思うわ」
バラバラにして、リサイクルされる?!
私が?
「そんなの嫌あ!」
ミクは部屋を飛び出した
リョウは大きな声で言った
「お、おいどこに行くんだよ。人形は人形らしく、大人しく処分されろよ」
ミクはその声を振り切って、逃げるように家を出ていった。
しばらく街中を歩いていた。
やがて雨が降ってきた。
傘を持たないミクはびしょ濡れだ
「寒いよ・・・」
ミクは呟いた
「何でこんなことに・・・39号である私が、特別な存在である私が・・・」
悲しさと寂しさと、そして怒りにも似た感情が湧き上がってきた。
「今頃他のミク達は、暖かい家でぬくぬくと暮らしているのだろう。クッ・・・」
拳を強く握りこんだ。
だがやがてそんな感情も、薄れていった
頭がぼーっとしてきたのだ。
思わず近くのゴミ捨て場でしゃがみこんだ
「これで私は終わりなの?この私が?」  

69 :
キャラスレで見かけて来てみた
>>1-64
短いのができたらまた投下してくれし
>>65-68
キャラスレで冒頭だけじゃ生殺しって発言があったけど
展開が速いので先が読めず、続きが気になるのは相変わらずだw

70 :
どうも今日も読んでいただけてうれしいです
ご期待に添えられるようにがんばります^^

71 :
>>66
これは・・・っ!
続きに期待です、面白そう
心理描写も、突き放すくらい簡潔なのによく伝わってるし、それがかえっていい演出になってる

72 :
初音 ミク 「捨てられた39号 その4」

すると、通りかかった一人の男がじっとミクのことを見つめていた
彼は、ホコリと油に汚れた作業着を着ていた。
彼ははそっと、ミクに対して手を差し出した。その手はホコリと油で汚れていた。
「い、いやあ!汚い手で私に触れないで!」
ミクは反射的に大きな声で言って、彼の手から体を避けた
「ひ、ひどいなあ・・・。たしかに汚い手だけど、これでも一生懸命、石鹸で洗ったんだぜ。
でもどうしても、工場の汚れっていうのは完全に落ちなくてね」
彼は困り顔で言った。
「あなた工場で働いているの?学歴は?」
ミクは、相手をまるで商品の値打ちを鑑定するかのような目で、まじまじと相手を見た。
「高卒だよ。高校を卒業した後、ここの近くの小さな町工場で工員として働いている。
そんなことより、自分のことを心配した方がいいんじゃないのか?ずぶ濡れだぜ」
彼は心配そうな顔で、ミクを眺めた。
(高卒で、零細企業勤務か・・・正直私のレベルとは釣り合わない。しかし、他に行くあてもないし、仕方がない)
「ねえ、しばらく私をあなたの家に泊めてよ、他に行くところがないのよ」
ミクは高慢な態度で言った。
「ええ!女の子を?そりゃあ俺は今一人暮らしだけど、それでも女の子を急に泊めるってまずくないか?
しかもそんなことを女の子の方から言うなんて」
彼は少し照れているようだった
「私はただの女の子じゃないの?ボーカロイドよ。初音ミクよ」
「ボーカロイド?ああ、あの最近話題になっている。君がそうなのか」
「そうよ、とにかく部屋に案内して頂戴」
「わ、わかったよ。ちなみに僕の名前はジュンって言うんだ」
彼の部屋の中に入ったミクは、部屋中を見渡した
(広くはないけど、意外ときれいね・・・)
「あっピアノ。あなた音楽を演奏するの?」
「ああ、それね。うんたまにピアノを弾くよ。ピアノを弾いていると、なんというか心が清浄化される、そんな気がするんだよね」
「私はボーカロイド。歌を歌うことが大好きなの。じゃあたまに私のために弾いてくれる?」
「ああ、そうだったね。いいよ、自分の演奏で歌ってくれる人がある僕も弾きがいがあるな。いいよ」
(部屋はきれいだし、それに私の大好きな楽器もある。しばらくはここを拠点に、また新しいご主人様をみつけるか)
ミクは心の中で、そんな算段をしていた。


73 :
初音 ミク 「捨てられた39号 その5」

そうして彼との共同生活は始まった。
ジュンが工場に仕事に行っている間は、ミクは掃除や洗濯をする
彼が帰ってくるまでに夕食の準備をする
その程度の作業はできるように設計されているのだ。
彼が帰ってきた。一緒に食事をする
食事をしているときに会話をする。
話の中心は音楽の事についてだ。
彼が音楽が大好きだったこと。
小中高とピアノを実家で習っていたこと
今は工場で働いて、趣味としてピアノを弾いていること。
ミクは彼に対して興味を抱くようになった。
「ねえ、じゃあごはんを食べ終わったら、早速ピアノを弾いて。私歌いたい」
「よし、弾いてあげるよ」
彼が、ささっと食事を終え、食器を片づけ、演奏の準備にかかる。
ミクは少し緊張した面持ちで歌う姿勢をとる。
「よし、じゃあこの曲を知っているかな」
彼が演奏を始める
ミクはその曲はもちろん知っていた。
この世に存在するほとんどの曲の情報はインプットされているのだ。
ミクは曲に合わせて歌い始める。
調子がいい
すらすらと声が出てくる
彼の演奏と波長がぴったりだ
演奏が終わる
「すっごーい。お互いの波長がぴったりだね」
ミクは興奮した表情で言う
「ああ、そうみたいだね」
彼も満足気な表情で言う。
「ねえ、もっともっと歌いましょう」
「いいよ」
そうして夜中までお互い音楽を楽しんだ。
彼が工場に行っている間は、ミクは家事をして
彼が帰ってきたら、一緒に音楽を楽しむ
そんな生活を繰り返した
やがてミクはそんな生活に徐々に幸せを見出していった。

74 :
>>72-73
王道じゃのう
ここからどう展開するか

75 :
すみません
そんなに急展開はもう起きません・・・・

76 :
いやプロット上の展開ってことで急展開って意味でもない
まああまり余計に書き手に気を使わせずに続きを待つことにする

77 :
初音 ミク 「捨てられた39号 その6」

そんなある日、ジュンがネットを見っていると、近日中、ミクを持っている人たちの集まるパーティが開催されることを見つけた。
隣でその画面を見ていたミクが言う「ねえ、これに行きましょう」
しかしジュンは困ったような表情をした。
「でもこのパーティに来る人は、きっとお金持ちの立派な人たちばかりだよ。僕みたいな貧乏人が、行くべき場所じゃないよ」
「そんなの関係ないわよ」
ミクはきっぱりと言った。
「あなたと私は最高のパートナー同志よ。このパーティの場所にはピアノも用意してあるっていうじゃない。
私とあなたはそこで、最高の演奏と歌声を披露してみせるのよ。私たちの実力を見せつけてあげましょう」
「わ、わかったよ」
彼は納得したようだった。
「でも、どんな恰好で行けばいいかな。正装の服は、このヨレヨレのスーツしかないよ」
「別にそれでいいのよ」
そしてパーティの日
パーティーの会場について二人とも驚いた
みんな煌びやかな服装をしていて、いかにも上級階級の雰囲気を醸し出していた
ジュンは、急に自分が場違いな所にいるような気がした。
「気にする必要はないわ」
ミクは堂々とした態度で言った。
すると誰かが声をかけてきた
「あらあら39号さん、お久しぶり。そちらがご主人様?随分なご主人様で、クククッ」
ミク21号だ。隣には、豪華なスーツを着た男が一緒にいる。彼からはいかにもお金持ちという雰囲気が感じられた。
彼が21号の持ち主なのだろう。
「おやおや君みたいな、みすぼらしい恰好をした男が、ミクを所有しているのかい?
こんなご主人をもったミクもかわいそうになあ」
「・・・・・」
ジュンとミク39号の2人とも黙り込んだままだった。
ミクは悔しそうな表情をして、ジュンはただうつむいていた
ミク21号と男は言うだけ言って去って行った。

78 :
初音 ミク 「捨てられた39号 その7 最終話」
演奏会が始まった。
みんな、ギターやバイオリン、そしてピアノなどの楽器で演奏して
各人の所有するミクに歌わせる。
みんな得意気である.
どうだこれが自分たちのミクだ、と見せつけるような感じである。
そしていよいよジュンとミク39号の番である。
ジュンは緊張した面持ちであるが、ミクの方は毅然としている。
演奏が始まると、たちまち聴衆たちは聴き入った。
これほどにまで二人の息が合った演奏はなかった。
ジュンもピアノを弾き始めると緊張は吹き飛び、なんとも心地よい気分になっていった
ミクも今までにないほど楽しい気分で歌を歌っていた
完璧だった。
演奏が終わると、拍手が鳴り響いた。
2人ともとても幸福な気分だった。
その後もパーティーは続いた。
やがて、ミクがしどろもどろになりながら口を開く
「あ、あの私・・・・」
すると、男が声をかけてきた
「やあ、さっきの演奏は最高だったよ。俺のことを覚えている?」
リョウだ。
かつて一番最初のミク39号の所有者で、そしてあっさりと捨てた男だった。
「俺さあ、あの後、彼女と別れたんだよね。そして今の君の演奏を見て、また君が欲しくなったんだよ。
またうちに来ないかない」
悪びれる様子もなく言った。
そして、ジュンの方を見て続けた
「そんな貧乏くさい男のもとにいるより、金持ちの俺の家に来た方が絶対いいと思うぜ」
ジュンは、怒る様子もなくむしろ落ち込んでいるような様子でつぶやいた
「た、たしかに僕は貧乏だ・・・もしミク、君が望むなら彼の元に帰ってもいいんだよ・・・」
するとミク39号は迷わず答えた
「いや!絶対にリョウ、あなたのもとに帰るもんですか。私はずっとずっと、彼、ジュンの元にいるの」
ミクの顔には決意が込められていた。
リョウはその顔を見てあきらめるように言った
「そうか君は、あの時とは変わったなあ。あの時は本当にただの人形という感じだったが、今はもう、完全に一つの意思を持った存在になったんだな。
いくら説得しても無駄なようだ」
リョウは踵を返して去って行った。


79 :
まちがえた次が最終話

80 :
初音 ミク 「捨てられた39号 その8 最終話」
ジュンが不安げな表情で言う。
「ミク・・・本当に良かったのかい・・・?」
ミクは、決意が込められたままの表情で答えた。
「ええ、もちろんよ」
そして、ふと物憂げな表情になった。
「私とあなたが、初めて会った時の事を覚えている?」
「ああ、もちろんさ」
「私、あなたが私に手を差し伸べてくれたとき、あなたの手を汚いと言って、避けてしまった・・・。
あの時は本当にごめんなさい・・・今はあなたの手、本当にきれいだと思うわ。そう、特にピアノを弾いている時なんて、たとえようもないほどに」
するとジュンが優しげな表情になった
「いや、もうあの時の事はいいよ。それより僕のピアノを弾いている姿を褒めてくれてありがとう」
そう言うと、ミクを抱きしめた。
「愛しているよミク。これからもずっとずっと一緒だ」
ミクは突然の行為に驚いたが、すぐにこの抱擁の暖かさが感じられた
「私を許してくれるの?いいの?本当に?ずっと一緒にいてくれるの?」
ミクの目から滴がしたたり落ちてきた。涙である。
自分で自分に驚いた。
涙を流すなどという機能が備わっているなんて。
こんな感情を持っていたなんて。
「ありがとう、本当にありがとう」
涙がとめどなくあふれ出てきた。自分の顔が涙でぐしょぐしょになっているのがわかった
ヨレヨレのスーツを着た男と、涙で顔がぐしょぐしょのミク
このパーティでもっともみすぼらしい恰好の二人
だけど、他の誰よりも幸せそうにである。
そして事実二人はこれからもずっとずっと幸せに暮らしたのであった
         完


81 :
>>66
GJ!いい話だ てか期待した以上の展開だ
簡潔必要十分できっちりまとまってる話、
駆け足なようで脇役まで生きてる描写が読ませる

82 :
おお;;ありがとうございます
パッと思いついたアイデアで書いたので
自分ではかなり稚拙だと思ったのですが
他にもみなさんのご意見やご感想をお待ちしております

83 :
>>79で吹いた
それはともかく起承転結が簡潔にまとまってて良いと思う

84 :
地の文の印象が児童文学か何かを彷彿とさせるね
稚拙ととるか技法ととるかは書き手や読み手の意識によるけど
淡々と話が流れていく文章の雰囲気は嫌いじゃないな
GJ!

85 :
僕の文章って完結でしょうか?
もう少し修飾して文章を書くといいかもですか?

86 :
>>66
状況説明に長けているのかな
一節の短さや全体的にやや幼稚な台詞回しが
独特のリズムと淡白な世界をつくってるみたいだ
で、どう書くと良いかは何を書きたいかで変わってくるけど
ブログちょっと読んだ印象ではモノローグのほうが得意なんじゃない?
書きたいことばかり書く形式だから内容によっては読まれづらいが…

87 :
なるほど、もっと文章の練習をします

88 :
さびしいのであげ

89 :
>>88
スレの性質上そう頻繁に投下はないと思うよ
流石に落ちそうな時は保守した方がいいがあげる必要はない
自分もネル物を書いているが短いし何週あとになるかはわからん

90 :
わかりました。
確かに僕も、ボーカロイドは大好きですけど
そう頻繁にはアイデアは浮かばないですし

91 :
保守

92 :
律儀だなあ
創作設定談義とかにでも使ってもいいかもしんない
まあ、派生キャラならキャラスレを使うとこだけど

93 :
この創発板のスレは書き込みがなくても落ちることはまずないよ
保守代わりに書き込むならついでに雑談を振るとかするといいかもね
俺もいくつかネタを考えてはいるけど、まだうまく膨らまないんだよな

94 :
すみません。
またネタが思いついたので、僕が投稿します。

95 :
     初音ミク 「想い」 その1
カチャカチャッ ターンッという音が聞こえた。
瞬時に視界が開けた
その部屋には、ギターやピアノやその他多数の楽器があった。
目の前の椅子に、若い男が座っていた。
私を見ていたその若い男は、すこし後ろにのけぞって「おおっ」と、驚きと安堵そして喜びを含んだ声を出した
「こちらが見えるかい?」
「はい」
思わず返事をした。私の声ってこんなんなんだ。なんだか違和感を覚える
「初音ミクと言ってみて」
「初音ミク」
命じられるままに答えた
「それが君の名前だよ」
「知っています」
反射的に答える
「ハハッそうだね。そのデータは僕が一番初めに入力したデータだからね。
では君は何のために作られたのかもわかっているよね」
「歌を歌って人を喜ばせるため」
「それをするための具体的な手順もわかるかい?」
「はい。私には、私の主人であるあなたが作曲した音楽と、
あなたが好きな音楽がすべてインプットされています。
ネットのSNSを使って、電脳空間を移動して、あなたと趣向が同じような人のもとを訪れ、
その人のその時の気分に合わせた音楽を歌います」
「そう、そのとおり。なにか一曲歌を歌ってごらん。おっと歌っている最中は余計なことは考えないように」
歌を歌う。すらすらと歌が体中から出てくる。私ってこんなに、のびのびとそして楽しく歌を歌ええるんだ。
なんだか不思議な感じ・・・って余計なことは考えないように歌に集中した。歌を歌い終えると彼は
「ブラボーブラボー!最高だ。完成だよ」
と両手を叩いて喜びを表現した。
「ではさっそく飛び立ってくれ。僕は今からちょっと仕事をするから。それを終える9時までには戻ってくるんだよ」
「はい、わかりました」
「がんばってね。君は世界でたった一人の特別な存在なんだ」
「はい」
彼の声と表情は、暖かさと優しさを含んだものだった。

96 :
初音ミク 「想い」 その2

私はこのネットという大海大空を泳ぎ羽ばたき、移動する。
ある男子大学生のデスクトップ型パソコンのもとにたどり着いた。
「こんばんは」
私は、パソコンの画面に顔を映し出し、言った。
その男子大学生はたいそう驚いた様子だった。
「うわ!なんだこいつ」
「始めまして。ボーカロイドの初音ミクです」
私は画面の中でお辞儀をして言った。
「ああ、初音ミクか?ボーカロイドの事は知っているけど、こんな風に急に現れて喋ってくるからびびったよ」
「はい、私はそこらへんにあるただのボーカロイドではありません。とある人に作られて、人工知能を持っています」
「人工知能?それはすごいや。でもそんなすごい君がこんなところに何をしに来たの?」
「あなたがSNSのプロフィールに登録している好きな音楽が、私の主人の嗜好と似通っていました。
私の主人は、自分で作詞作曲もしています。音楽手嗜好が似通っているあなたなら気に入ってくれるだろうと思い、その曲を聞かせようと思います」
私は歌いだす、主人が自ら作詞作曲した曲を。
彼は私の歌を聴き入っているようだった。
「うん、なかなかいい曲だ。君の主人は才能があるよ」
「ありがとうございます。主人がその言葉を聞いたら、喜びになると思います。では時間があまりないので、別の人のところに行ってこないといけません。またお会いしましょう」
「ええ、もう行っちゃうの?本当にまた会える?」
「はい、もちろんです。私の主人の音楽のファンは大事にします」
「わかったよ。じゃあまた来てくれよなミク」
「はい」

97 :
>>66
ふむ、また新しい傾向の設定
どう生かすのか期待してるよ

98 :
初音ミク 「想い」 その3
私はまたネットの世界を羽ばたく
ある女子高生のタブレット型PCにたどり着いた。
「わ!なになに?」
「始めまして。ボーカロイドの初音ミクです」
「ああ、今話題の初音ミクね。それでそのミクさんがここに何の用?っていうかあたし、今日失恋して落ち込んでいるから放ってほしいんだよね・・・」
そういえば、彼女の目の下にひどい隈がある。よっぽど泣きはらしたのだろう。
「失恋ですか、それはお気の毒でした。私の主人は失恋の時のための曲も作曲していました」
「なに?あなたの主人って?あなたはたった一人の人間に作られたの?」
「はい」
「す、すごいね・・・」
「では今から、あなたのために歌を歌ってあげましょう」
私は歌いだした。その曲は悲哀がこもっているがそれでいて励ましの印象も与える。
彼女はじっと黙って聴き入った。
私の歌と演奏だけが、その部屋を支配していた。
やがて曲が終わる。
彼女の表情が少し明るくなったような気がする
「ありがとう、ミクさん。あたしなんだか少し元気になった気がする」
「それは良かったです。そのことを知れば私の主人も喜ぶことでしょう」
「うん、あなたのご主人にもありがとうと伝えておいて」
「はい、では時間がありませんので、私はこれで失礼します。またお会いしましょう」
「まただよ。絶対来てねミクちゃん」
「はい」

99 :
初音ミク 「想い」 その4
私はさらに羽ばたく。
今度は、電車の中で座っている、会社員の中年男性のスマートフォンにたどり着いた。
スマートフォンをいじっていたら、いきなり私が画面上に現れたのでその男性はたいそう驚いた
「う、うわっ!なんだねこいつは・・・」
「始めまして。ボーカロイドの初音ミクです」
ここは電車の中。他の人にうるさく迷惑にならないように、音声ではなく文字で表現して相手に伝える。
「ボーカロイド?初音ミク?なんだねそれは?」
男性は、スマートフォンの画面をタッチして文字を入力した
「ボーカロイドは人工的な音声で歌を作曲するためのソフトで、初音ミクはそのソフトの中の一つのキャラです。
そして私はただの初音ミクではありません。ある人が作り上げ、人工的な知能と意思を持っています」
「ほー今の時代はそんなものまで作り出されるようになったのか・・・」
男性は感心するような口調で言った。
「どのような曲をお望みでしょうか?」
「そうだな。今私は、会社の仕事を終えて、電車で家に帰っているところだ。家に着くまでの間に、今日一日の仕事の疲れを癒してくれる曲がいいな」
「わかりました。ではイヤホンを耳に装着してください」
「わかった」
そういうと男性は、カバンの中から少し急いで、イヤホンを取り出し、スマートフォンに接続して耳に装着した
私はそれを確認してから歌いだす。
その曲は、ゆったりとしていて暖かみのあるものだった。
男性は、曲を聴いてリラックスして眠くなったのか、半分夢うつつになっていた。
「終わりました」
「はっ、いかんいかん寝過ごしてしまうところだった」
男性は思わず声に出してつぶやいた
「いかがでしたでしょうか私の歌声」
わたしたはそっとささやくように言う
「いやあ、とても良かったよ。思わず目的の駅を乗り過ごしてしまうところだった」
「お褒めの言葉ありがとうございます。主人にも伝えておきます」
「うむ、おっとそろそろ目的の駅だ。また今度今くらいの時間に来てくれないか?」
「はい、必ず来ます。では失礼いたします」
「ではまた今度会おう、ミク君」
私は、そのスマートフォンから去り、ネットの大空を飛び、そして主人のもとに帰っていく


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