C を加法圏(>>4)とする。 C における任意の射が核(代数的整数論019の506)と余核(代数的整数論019の506)をもつとき C を前アーベル圏(preabelian category)と呼んだ(代数的整数論019の512)。
7 :
I をグラフ(過去スレpart2の809)とする。 Ob(I) および Hom(I) が有限集合のとき I を有限グラフと呼んだ(代数的整数論019の170)。
8 :
C を圏とする。 I をグラフ(過去スレpart2の809)とし F:I → C を図式(過去スレpart2の817)とする。 I が有限グラフ(>>7)のとき F を有限図式と言った(代数的整数論019の177)。
9 :
C を圏とする。 C において任意の有限図式(>>8)の極限(過去スレpart2の824)が存在するとき C を有限完備(finitely complete)と言った(代数的整数論019の178)。
10 :
C を圏とする。 C において任意の有限図式(>>8)の余極限(過去スレpart2の831)が存在するとき C を有限余完備(finitely cocomplete)と言った(代数的整数論019の179)。
11 :
C を前加法圏(過去スレpart2の589)とする。 代数的整数論019の532より C が前アーベル圏(>>6)であるためには C が有限完備(>>9)かつ有限余完備(>>10)であることが必要十分である。
12 :
命題 575 C を前アーベル圏(>>6)とする。 C が積を持てば(過去スレpart2の900) C は完備(過去スレpart2の887)である。 証明 >>11より C は有限完備である。 よって、C は差核を持つ(過去スレpart2の900)。 過去スレpart2の901より C は完備である。 証明終
13 :
命題 576 C を前アーベル圏(>>6)とする。 C が余積を持てば(過去スレpart2の900) C は余完備(過去スレpart2の888)である。 証明 >>12の双対である。
14 :
警察に通報した
15 :
猫って、代数の講座にはいっていたの?
16 :
A を環とする。 >>12と>>13より Mod(A) (過去スレpart2の685)は完備かつ余完備である。
I、J、C をそれぞれ圏とする。 I×J を積(代数的整数論017の586)とする。 F:I×J → C を関手とする。 u:i → j を I の射とし、s:a → b を J の射とする。 F(1_i, s):F(i, a) → F(i, b) と F(u, 1_b):F(i, b) → F(j, b) を 合成した射 F(u, 1_b)F(1_i, s) は F(u, s):F(i, a) → F(j, b) である。 F(u, 1_a):F(i, a) → F(j, a) と F(1_j, s):F(j, a) → F(j, b) を 合成した射 F(1_j, s)F(u, 1_a) は F(u, s):F(i, a) → F(j, b) である。 よって、次の可換図式が得られる。 F(i, a) → F(i, b) ↓ ↓ F(j, a) → F(j, b)
19 :
I、J、C をそれぞれ圏とする。 I×J を積(代数的整数論017の586)とする。 F:I×J → C を関手とする。 i ∈ I を固定したとき各 a ∈ J に F(i, a) を対応させ、 J の射 s:a → b に F(1_i, s):F(i, a) → F(i, b) を対応させることにより 関手:F(i, −):J → C が得られる。 a ∈ J を固定したとき各 i ∈ I に F(i, a) を対応させ、 I の射 u:i → j に F(u, 1_a):F(i, a) → F(j, a) を対応させることにより 関手:F(−, a):I → C が得られる。 u:i → j を I の射とする。 各 a ∈ J に射 F(u, 1_a):F(i, a) → F(j, a) を対応させると >>18の可換図式より自然変換:F(i, −) → F(j, −) が獲られる。 これを F(u, −) と書く。 s:a → b を J の射とする。 各 i ∈ I に射 F(1_i, s):F(i, a) → F(i, b) を対応させると >>18の可換図式より自然変換:F(−, a) → F(−, b) が獲られる。 これを F(−, s) と書く。
20 :
I と J を小さい圏(代数的整数論017の322)とする。 C を完備(過去スレpart2の887)な圏とする。 F:I×J → C を関手とする。 >>19より、各 i ∈ I に対して関手 F(i, −):J → C が得られる。 F(i, −):J → C は図式(過去スレpart2の817)である。 λ_i:L_i → F(i, −) を F(i, −) の極限(過去スレpart2の824)とする。 u:i → j を I の射とする。 >>19より自然変換 F(u, −):F(i, −) → F(j, −) が定義される。 よって、次の図式が可換になるような f_i:L_i → L_j が一意に存在する。 L_i → L_j ↓ ↓ F(i, −) → F(j, −) よって、各 i ∈ I に対して L(i) = L_i とおき I の射 u:i → j に対して L(u) = f_i とおくことにより図式 L:I → C が得られる。 π:P → L をこの図式の極限とする。 u:i → j を I の射とし、s:a → b を J の射とする。 このとき、次の可換図式が得られる。 P → P (P の単位射) ↓ ↓ L_i → L_j ↓ ↓ F(i, a) → F(j, a) ↓ ↓ F(i, b) → F(j, b)
21 :
>>20の続き 各 (i, a) ∈ I×J に対して φ_(i, a):P → F(i, a) を π_i:P → L_i と (λ_i)_a:L_i → F(i, a) の合成射とする。 >>20の可換図式から φ:P → F は錐(過去スレpart2の822)である。 これが F の極限(過去スレpart2の824)であることを証明しよう。 α:S → F を錐とする。 u:i → j を I の射とし、s:a → b を J の射とする。 このとき、次の可換図式が得られる。 S → S (S の単位射) ↓ ↓ F(i, a) → F(j, a) ↓ ↓ F(i, b) → F(j, b) よって、次の可換図式が得られる。 S → S ↓ ↓ P_i → P_j ↓ ↓ F(i, a) → F(j, a) ↓ ↓ F(i, b) → F(j, b)
22 :
>>21の続き よって、次の可換図式が成り立つような射 S → P が一意に存在する。 S → S(S の単位射) ↓ ↓ P → P (P の単位射) ↓ ↓ P_i → P_j ↓ ↓ F(i, a) → F(j, a) ↓ ↓ F(i, b) → F(j, b) よって、φ:P → F は F の極限である。
23 :
>>21の修正 >>20の続き 各 (i, a) ∈ I×J に対して φ_(i, a):P → F(i, a) を π_i:P → L_i と (λ_i)_a:L_i → F(i, a) の合成射とする。 >>20の可換図式から φ:P → F は錐(過去スレpart2の822)である。 これが F の極限(過去スレpart2の824)であることを証明しよう。 α:S → F を錐とする。 u:i → j を I の射とし、s:a → b を J の射とする。 このとき、次の可換図式が得られる。 S → S (S の単位射) ↓ ↓ F(i, a) → F(j, a) ↓ ↓ F(i, b) → F(j, b) よって、次の可換図式が得られる。 S → S (S の単位射) ↓ ↓ L_i → L_j ↓ ↓ F(i, a) → F(j, a) ↓ ↓ F(i, b) → F(j, b)
24 :
>>22の修正 >>23の続き よって、次の可換図式が成り立つような射 S → P が一意に存在する。 S → S (S の単位射) ↓ ↓ P → P (P の単位射) ↓ ↓ L_i → L_j ↓ ↓ F(i, a) → F(j, a) ↓ ↓ F(i, b) → F(j, b) よって、φ:P → F は F の極限である。
25 :
I をグラフ(過去スレpart2の809)とし、C を圏とする。 F:I → C を図式(過去スレpart2の817)とする。 lim F (過去スレpart2の824) を lim[i ∈ I] F(i) または lim[i] F(i) または lim F(i) とも書く。
26 :
I と J を小さい圏(代数的整数論017の322)とする。 C を完備(過去スレpart2の887)な圏とする。 F:I×J → C を関手とする。 >>19より、各 i ∈ I に対して関手 F(i, −):J → C が得られる。 F(i, −) の極限を lim[a ∈ J] F(i, a) または lim[a] F(i, a) と書く。 >>23より lim F = lim[i] (lim[a] F(i, a)) である。 同様に lim F = lim[a] (lim[i] F(i, a)) である。 よって、lim[i] (lim[a] F(i, a)) = lim[a] (lim[i] F(i, a)) である。 これを lim の交換公式と言う。
圏 C における任意の有限図式(>>8)に対して それを基底とする余錐(過去スレpart2の830)が存在するとき C をフィルター圏(filtered category)と呼んだ(代数的整数論020の97)。
37 :
圏 C がフィルター圏(>>36)であるためには C が次の条件を満たすことが必要十分である (代数的整数論020の101)。 (1) C は空でない。 (2) i と j を C の任意の対象とするとき C の対象 k と射 i → k、j → k が存在する。 (3) 任意の射 u:i → j、v:i → j に対して w:j → k で wu = wv となるものがある。
定義 578 C を圏とする。 C の対象全体の類(代数的整数論017の323) Ob(C) に以下の様に同値関係 ≡ を導入する。 x, y を C の対象とする。 C の対象の有限個の列 x = x_0, x_1, ...x_n = y があり、 各 i (i = 1, 2, ...n)に対して射 x_(i-1) → x_i または射 x_i → x_(i-1) が存在するとき x ≡ y と定義する。 Ob(C) の ≡ に関する各同値類から定まる C の充満な部分圏(代数的整数論017の362)を C の連結成分と呼ぶ。 Ob(C) の ≡ に関する同値類が1個のとき C を連結と言う。
41 :
命題 579 C を圏とする。 C がフィルター圏(>>36)であるためには C が空でない連結(>>40)な擬フィルター圏(>>34)であることが 必要十分である。 証明 必要性: C がフィルター圏であるとする。 >>37の (1) より C は空でない。 >>37の (2) より C は連結である。 >>37の (2) より任意の射 u:i → j、u’:i → j’に対して w:j → k と w’:j’→ k となる射がある。 wu:i → k、w’u’:i → k である。 >>37の (3) より射 v:k → k’で vwu = vw’u’となるものがある。 よって、>>34の (1) が満たされる。 よって、C は擬フィルター圏である。 十分性: C が空でない連結な擬フィルター圏であるとする。 x と y を C の任意の対象とするとき C の対象 z と射 x → z、y → z が存在することを 証明すれば良い。 C は連結だから C の対象の有限個の列 x = x_0, x_1, ...x_n = y があり、 各 i (i = 1, 2, ...n)に対して射 x_(i-1) → x_i または射 x_i → x_(i-1) が存在する。 n に関する帰納法で証明する。 n = 1 の場合は明らかであるから n ≧ 2 とする。 帰納法の仮定より射 x → r、x_(n-1) → r が存在する。 一方、仮定から射 x_(n-1) → y または射 y → x_(n-1) がある。 x_(n-1) → y がある場合は>>34の (1) より y → z と r → z がある。 よって、x → r → z と y → z がある。 y → x_(n-1) がある場合は x → r と y → x_(n-1) → r がある。 証明終
42 :
定義 580 C を圏とする。 C の射の集合 Hom(C) が有限集合のとき C を有限圏と言う。
43 :
C を有限圏(>>42)とする。 X ∈ Ob(C) に X の単位射 1_X ∈ Hom(C) を対応させる写像は単射である。 よって、Ob(C) は有限集合である。 よって、C の台グラフ(過去スレpart2の809)は有限グラフ(>>7)である。
44 :
Set を小さい集合(代数的整数論017の321)全体の圏とする。 I を小さい(代数的整数論017の322)フィルター圏(>>36)とする。 F:I → Set を関手とする。 S = ΣF(i) を族 (F(i))、i ∈ I の直和集合とする。 x ∈ F(i)、y ∈ F(j) とする。 u:i → k、v:j → k となる射があり F(u)(x) = F(v)(y) となるとき x ≡ y と書く。 このとき代数的整数論020の109より ≡ は S 上の同値関係である。 L を商集合 S/≡ とし、p:S → L を標準写像とする。 f_i:F(i) → S を標準写像とする。 このとき代数的整数論020の110より (p(f_i):F(i) → L)_I は F の余極限(過去スレpart2の831)である。
45 :
命題 581 Set を小さい集合(代数的整数論017の321)全体の圏とする。 I を小さい(代数的整数論017の322)フィルター圏(>>36)とする。 F:I → Set を関手とする。 S = ΣF(i) を族 (F(i))、i ∈ I の直和集合とする。 ≡ を>>44で定義した同値関係とする。 このとき以下が成り立つ。 (1) x ∈ F(i)、y ∈ F(j) とする。 このとき k ∈ I と x’∈ F(k) と y’∈ F(k) があり x ≡ x’、y ≡ y’となる。 (2) x、y ∈ F(i) とする。 このとき x ≡ y となるためには射 u:i → j で F(u)(x) = F(u)(y) となるものが存在することが 必要十分である。 証明 (1) >>37の (2) より u:i → k と v:j → k がある。 x’= F(u)(x)、y’= F(u)(y) とおけばよい。 (2) 必要性: x ≡ y とする。 s:i → k と t:i → k があり F(s)(x) = F(t)(y) となる。 >>37の (3) より w:k → j で ws = wt となるものがある。 F(w)F(s)(x) = F(w)F(t)(x) より F(ws)(x) = F(wt)(y) u = ws とおけば、u:i → j で F(u)(x) = F(u)(y) 十分性: 自明である。 証明終
記法 I を添字集合とする集合の族 (X_i)、i ∈ I を (X_i)_I とも書く。 直積 ΠX_i の元 (x_i)、i ∈ I を (x_i)_I とも書く。 各 X_i がある圏の対象であるときも同じ記法を使う。
50 :
命題 583 I を小さい圏(代数的整数論017の322)とする。 C を圏とする。 F:I → C を関手とする。 I の連結成分(>>40)を (I_λ)、λ ∈ Λ とする。 F の定義域を I_λ に制限した関手を F_λ とする。 このとき、colim F = Σcolim F_λ である。 ここで Σ は余積を表す。 証明 i ∈ I のとき i ∈ F_λ となる λ ∈ Λ がある。 μ_λ:F_λ → colim F_λ を標準的な余錐(過去スレpart2の830)とする。 標準射 F(i) → colim F_λ と標準射 colim F_λ → Σcolim F_λ の合成を φ_i:F(i) → Σcolim F_λ とする。 φ = (φ_i)_I (>>49) は余錐 φ:F → Σcolim F_λ である。 α:F → T を余錐とする。 α は余錐 α_λ:F_λ → T を引き起こすから射 f_λ:colim F_λ → T で α_λ = f_λμ_λ となるものが一意に存在する。 f = Σf_λ とおく。 即ち、f:Σcolim F_λ → T である。 fφ:F → T は各 λ に対して α_λ = f_λμ_λ:F_λ → T を引き起こす。 よって、α = fφ である。 このような f:Σcolim F_λ → T の一意性は明らかである。 よって、colim F = Σcolim F_λ である。 証明終
51 :
記法 C を圏とする。 (X_i)_I (>>49)を I を添字集合とする C の対象の族とする。 (X_i)_I の積(代数的整数論017の747)を ΠX_i、Π(X_i)_I、Π[i] X_i などと書く。 (X_i)_I の余積(代数的整数論017の837)を ΣX_i、Σ(X_i)_I、Σ[i] X_i などと書く。
52 :
命題 584 I を小さい離散圏(>>30)とする。 J を3個の対象 a, b, c と2本の射 a → c、b → c と単位射 1_a、1_b、1_c からなる圏とする。 b ↓ a → c Set を小さい集合(代数的整数論017の321)全体の圏とする。 F:I×J → Set を関手とする。 このとき>>29の標準射 ψ:Σ[i] lim[p] F(i, p) → lim[p] Σ[i] F(i, p) は同型である。 証明 F(i, a) = X_i F(i, b) = Y_i F(i, c) = Z_i P_i = lim[p] F(i, p) とおく。 次の図式はファイバー積(代数的整数論017の799)である。 P_i → Y_i ↓ ↓ X_i → Z_i 次の図式がファイバー積であることを証明すれば良い。 しかし、これは明らかである。 ΣP_i → ΣY_i ↓ ↓ ΣX_i → ΣZ_i 証明終
53 :
謝罪厨と無職厨が消えて通報厨が出てきた件 分かりやすいやっちゃw
54 :
>>Kummer いや、監視中だよ。イデア界からね。
55 :
命題 585 I を小さい擬フィルター圏(>>34)とする。 J を3個の対象 a, b, c と2本の射 a → c、b → c と単位射 1_a、1_b、1_c からなる圏とする。 b ↓ a → c Set を小さい集合(代数的整数論017の321)全体の圏とする。 F:I×J → Set を関手とする。 このとき>>29の標準射 ψ:colim[i] lim[p] F(i, p) → lim[p] colim[i] F(i, p) は同型である。 証明 I の連結成分(>>40)を (I_λ)、λ ∈ Λ とする。 >>41より各 I_λ はフィルター圏(>>36)である。 よって、>>48と>>50と>>52より本命題の主張が得られる。 証明終
56 :
警察からも監視されているでしょう
57 :
C と D を圏とする。 F:C → D を関手とする。 I をグラフ(過去スレpart2の809)とする。 任意の図式 G:I → C と錐(過去スレpart2の822) α:M → G に対して F(α):F(M) → FG が FG の極限(過去スレpart2の824)であるとき 常に α は G の極限であるとき、F は I 型の極限を反映する (F reflects limits of type I)と言った(代数的整数論019の324)。 同様に I 型の余極限(過去スレpart2の831)を反映する関手が定義される。
58 :
Grp を小さい群の圏とする。 I を小さいフィルター圏(>>36)とする。 F:I → Grp を関手とする。 S = ΣF(i) を直和集合とし、f_i:F(i) → S を標準写像とする。 ≡ を>>44で定義した同値関係とする。 L を商集合 S/≡ とし、p:S → L を標準写像とする。 x ∈ S に対して p(x) を [x] と書くことにする。 x ∈ F(i)、y ∈ F(j) とする。 I はフィルター圏だから u:i → k、v:j → k となる射がある。 [x] と [y] の積 [x][y] を [F(u)(x)・F(v)(y)] により定義する。 このとき、この積は各同値類の代表の取り方によらず L はこの乗法により群となる。 明らかに L = colim F (過去スレpart2の831) である。
59 :
なさなやわ
60 :
C を圏とする。 I を小さい圏(代数的整数論017の322)とする。 Diag(I、F) (過去スレpart2の820) と Func(I、C) (過去スレpart2の597) は 一般に異なることに注意する。 Diag(I、F) は自然変換(過去スレpart2の811)を射とすることにより圏となる。 Func(I、C) は Diag(I、F) の充満な部分圏(代数的整数論017の362)である。
61 :
定義 586 C と D を圏とする。 I を圏(代数的整数論017の322)とする。 G:I → C を任意の関手とする。 G の極限(過去スレpart2の824)が存在するなら F は常に G の極限を保存(過去スレpart2の845)するとき F は I 型の極限を保存すると言う。
62 :
>>61の修正 定義 586 C と D を圏とする。 F:C → D を関手とする。 I を圏(代数的整数論017の322)とする。 G:I → C を任意の関手とする。 G の極限(過去スレpart2の824)が存在するなら F は常に G の極限を保存(過去スレpart2の845)するとき F は I 型の極限を保存すると言う。
C と D を圏とする。 F:C → D を関手とする。 任意のフィルター圏(>>36) I に対して F が I 型の余極限を保存する(>>64)とき F はフィルター余極限を保存すると言う。
66 :
C と D を圏とする。 F:C → D を関手とする。 任意の小さいフィルター圏 I に対して F が I 型の余極限を保存する(>>64)とき F は小さいフィルター余極限を保存すると言う。
67 :
C と D を圏とする。 F:C → D を関手とする。 I を圏とする。 任意の関手 G:I → C と錐(過去スレpart2の822) α:M → G に対して F(α):F(M) → FG が FG の極限(過去スレpart2の824)であるとき 常に α は G の極限であるとき、F は I 型の極限を反映する (F reflects limits of type I)と言う。 同様に I 型の余極限(過去スレpart2の831)を反映する関手が定義される。
68 :
C と D を圏とする。 F:C → D を関手とする。 任意のフィルター圏(>>36) I に対して F が I 型の余極限を反映する(>>67)とき F はフィルター余極限を反映すると言う。 同様に小さいフィルター余極限を反映する関手が定義される。
69 :
命題 587 Set を小さい集合(代数的整数論017の321)の圏とする。 Grp を小さい群(過去スレpart2の893)の圏とする。 U:Grp → Set を忘却関手とする。 即ち、各 G ∈ Grp に対して U(G) は G を集合と見たものであり、 Grp の各射 f:G → H に対して U(f) は f を U(G) から U(H) への写像と見たものである。 このとき、U は小さいフィルター余極限を保存する(>>66)。 証明 I を小さいフィルター圏(>>36)とする。 F:I → Grp を関手とする。 λ:F → L を余極限とする。 L は>>58と同様に構成されたものと仮定してよい。 このとき、>>44より U(λ):UF → U(L) は余極限である。 証明終
70 :
命題 588 Set を小さい集合(代数的整数論017の321)の圏とする。 Grp を小さい群(過去スレpart2の893)の圏とする。 U:Grp → Set を忘却関手とする。 即ち、各 G ∈ Grp に対して U(G) は G を集合と見たものであり、 Grp の各射 f:G → H に対して U(f) は f を U(G) から U(H) への写像と見たものである。 このとき、U は小さいフィルター余極限を反映する(>>68)。 証明 I を小さいフィルター圏(>>36)とする。 F:I → Grp を関手とする。 λ:F → L を余錐(過去スレpart2の830)とする。 U(λ):UF → U(L) が余極限であるとする。 U(L) は>>44と同様に構成されたものと仮定してよい。 x ∈ F(i)、y ∈ F(j) とする。 I はフィルター圏だから u:i → k、v:j → k となる射がある。 λ:F → L を余錐だから、 λ_i(x) = λ_kF(u)(x) λ_j(y) = λ_kF(v)(y) よって、λ_i(x)λ_j(y) = (λ_kF(u)(x))(λ_kF(v)(y)) = λ_k(F(u)(x)F(v)(y)) よって、L は>>58と同様に構成されたものである。 即ち、λ:F → L は余極限である。 証明終
71 :
命題 589 Grp を小さい群(過去スレpart2の893)の圏とする。 Grp は完備(過去スレpart2の887)である。 証明 代数的整数論019の183より Grp が積と差核を持つ(過去スレpart2の900)ことを証明すればよい。 Grp が積を持つことは明らかである。 f:G → H と g:G → H を Grp の射とする。 K = {x ∈ G;f(x) = g(x)} とおく。 K は G の部分群である。 u:K → G を標準射とすれば、これが f と g の差核である。 証明終
72 :
命題 590 Set を小さい集合(代数的整数論017の321)の圏とする。 Grp を小さい群(過去スレpart2の893)の圏とする。 U:Grp → Set を忘却関手とする。 即ち、各 G ∈ Grp に対して U(G) は G を集合と見たものであり、 Grp の各射 f:G → H に対して U(f) は f を U(G) から U(H) への写像と見たものである。 このとき、U は小さい極限を保存する(代数的整数論019の259)。 証明 >>71より Grp は完備である。 よって、代数的整数論019の275より U が積と差核を保存することを証明すれば良い。 U が積を保存することは明らかである。 U が差核を保存することは Grp における差核の構成(>>71)より明らかである。 証明終
>>74の修正 命題 592 I を小さいフィルター圏(>>36)とする。 J を有限圏(>>43)とする。 Ab を小さいアーベル群(過去スレpart2の893)の圏とする。 F:I×J → Ab を関手とする。 このとき>>29の標準射 ψ:colim[i] lim F(i, −) → lim[a] colim F(−, a) は同型である。 証明 >>73と同様である。
79 :
命題 596 I を小さい擬フィルター圏(>>34)とする。 J を3個の対象 a, b, c と2本の射 a → c、b → c と単位射 1_a、1_b、1_c からなる圏とする。 b ↓ a → c Ab を小さいアーベル群(過去スレpart2の893)の圏とする。 F:I×J → Ab を関手とする。 このとき>>29の標準射 ψ:colim[i] lim[p] F(i, p) → lim[p] colim[i] F(i, p) は同型である。 証明 I の連結成分(>>40)を (I_λ)、λ ∈ Λ とする。 >>41より各 I_λ はフィルター圏(>>36)である。 よって、>>78と>>50と>>76より本命題の主張が得られる。 証明終
定義 599(代数的整数論017の571) C と D を圏とする。 F: C → D を関手とする。 S ∈ Ob(D) と F から新しい圏 E を次のように定義する。 対象として対 (X, u) 全体をとる。 ここで、X ∈ Ob(C) であり、u: S → F(X) は D における射である。 (X, u) から (Y, v) への射は射 f: X → Y で 次の図式を可換にするものである。 S → S ↓ ↓ F(X) → F(Y) ここで、上段の横の射は恒等射であり、下段の横の射は F(f) である。 この圏 E を (S↓F) と書き F に関して S の下にある C の対象全体の圏と言う。
定義 600(代数的整数論017の478) C と D を圏とする。 F: C → D を関手とする。 S ∈ Ob(D) と F から新しい圏 E を次のように定義する。 対象として対 (X, u) 全体をとる。 ここで、X ∈ Ob(C) であり、u: F(X) → S は D における射である。 (X, u) から (Y, v) への射は射 f: X → Y で 次の図式を可換にするものである。 F(X) → F(Y) ↓ ↓ S → S ここで、上段の横の射は F(f) であり、下段の横の射は恒等射である。 この圏 E を (F↓S) と書き F に関して S の上にある C の対象全体の圏と言う。
I をフィルター圏(>>36)とする。 J を I の部分圏とする。 任意の i ∈ I に対して射 u:i → j で j ∈ J となるものが存在するとき J を I の共終(cofinal)な部分圏と言った(代数的整数論020の216)。
96 :
I を上向きの有向集合(代数的整数論008の140)とする。 I はフィルター圏(>>36)と見なせる。 J を I の部分集合とする。 J は I の充満部分圏(代数的整数論017の362)と見なせる。 J が共終(>>95)のとき J を I の共終な部分集合と言った(代数的整数論020の218)。
97 :
命題 603 I をフィルター圏(>>36)とする。 J を I の部分圏とする。 L:J → I を標準関手とする。 このとき L が終関手(>>92)であるためには J が共終(>>95)であることが必要十分である。 証明 必要性: L が終関手であるとする。 任意の i ∈ I に対して (i↓L) は空でない。 よって、射 u:i → j で j ∈ J となるものが存在する。 よって、J は共終である。 十分性: J が共終であるとする。 任意の i ∈ I に対して (i↓L) は空でない。 u:i → j と v:i → j’を (i↓L) の対象とする。 ここで、j、j’∈ J である。 >>41より I は擬フィルター圏(>>34)である。 よって、I の対象 k と射 r:j → k、s:j’→ k で ru = sv となるものが存在する。 J は共終だから k ∈ J と仮定してよい。 よって、(i↓L) は連結である。 証明終