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2012年3月創作発表162: 中学生バトルロワイアル part2 (327) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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【アンテナ】創発で投下を見かけたらageるスレ3 (175)
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少女漫画キャラバトルロワイアル (512)

中学生バトルロワイアル part2


1 :
中学生キャラでバトルロワイアルのパロディを行うリレーSS企画です。
企画の性質上版権キャラの死亡、流血、残虐描写が含まれますので御了承の上閲覧ください。
この企画はみんなで創り上げる企画です。書き手初心者でも大歓迎。
何か分からないことがあれば気軽にご質問くださいませ。きっと優しい誰かが答えてくれます!
みんなでワイワイ楽しんでいきましょう!
まとめwiki
ttp://www38.atwiki.jp/jhs-rowa/
したらば避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/14963/
前スレ
ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1316098469/
参加者名簿
【バトルロワイアル】6/6
○七原秋也/○中川典子/○相馬光子/○滝口優一郎/○桐山和雄/○月岡彰
【テニスの王子様】6/6
○越前リョーマ/○手塚国光/○真田弦一郎/○切原赤也/○跡部景吾/○遠山金太郎
【GTO】5/6
○菊池善人/○吉川昇/○神崎麗美/○相沢雅/●渋谷翔/○常盤愛
【うえきの法則】6/6
○植木耕助/○佐野清一郎/○宗屋ヒデヨシ/○マリリン・キャリー/○バロウ・エシャロット/○ロベルト・ハイドン
【未来日記】4/5
○天野雪輝/○我妻由乃/○秋瀬或/○高坂王子/●日野日向
【ゆるゆり】5/5
○赤座あかり/○歳納京子/○船見結衣/○吉川ちなつ/○杉浦綾乃
【ヱヴァンゲリヲン新劇場版】5/5
○碇シンジ/○綾波レイ/○式波・アスカ・ラングレー/○真希波・マリ・イラストリアス/○鈴原トウジ
【とある科学の超電磁砲】3/4
○御坂美琴/○白井黒子/○初春飾利/●佐天涙子
【ひぐらしのなく頃に】4/4
○前原圭一/○竜宮レナ/○園崎魅音/○園崎詩音
【幽☆遊☆白書】3/4
○浦飯幽助/○桑原和真/●雪村螢子/○御手洗清志
男子26/27名 女子21/24名 残り47名

2 :
【キャラクターの能力制限について】
バトルロワイアルが崩壊する類の能力に関しては完全禁止とする。
(例:即脱出可能な桑原の次元刀、エヴァンゲリオンやN2爆雷などのマップ全域を破壊可能な兵器など)
その他の超人技については威力減衰消耗増大という形で作品間のバランスを取っていく。
上記の二点を基本方針とし、細かい調整は本編で定める。問題が起きた場合はその都度対応していく。
【うえきの法則】キャラクターの「能力を非能力者に使うと才が減る」という設定は無し。
【開始時の所持品について】
参加者には開始時に支給品として以下の物資が与えられる。
「水と食料」「ランダム支給品(1〜3個)」「携帯電話」
支給品は四次元式のデイパックに入って支給される。
ランダム支給品にて著しくバランスを壊すアイテム、リレーが困難となるアイテムを支給することは原則禁止とする。
【携帯電話について】
携帯電話の各種機能が他ロワでいう基本支給品に相当する。
アドレス帳→参加者名簿、GPS機能→地図&現在地確認、ライト機能→懐中電灯などなど。
電話やメール、ネット接続など通信に関する機能は制限されている。
その他の機能については本編での描写を優先する。
必ずしも全参加者に同一タイプの携帯電話が支給されているとは限らない。
【未来日記について】
未来日記の主観はその時点での持ち主のものとなる。
(雪輝以外のキャラが無差別日記を所持していた場合、予知されるのは雪輝の周囲の未来ではなくその時点で所持している人物の周囲の未来)
未来日記の持ち主となる場合、何らかの形で持ち主となる契約をする必要がある。
他人に譲渡する際、持ち主の上書き登録も可能ですが、上書きした時点で予知の内容は書き換えられる。
孫日記以外の未来日記が破壊された場合、その時点での持ち主登録者は死亡する。
雪輝日記、(Neo)高坂KING日記はそれぞれ我妻由乃、高坂王子への支給とする。(両者のランダム支給品枠を1消費する)
その他の日記についてはランダム支給品とする。原作での日記所有者に支給することも可能。
【作中での時間表記】
  深 夜:0〜2
  黎 明:2〜4
  早 朝:4〜6
   朝 :6〜8
  午 前:8〜10
   昼 :10〜12
  日 中:12〜14
  午 後:14〜16
  夕 方:16〜18
   夜 :18〜20
  夜 中:20〜22
 真夜中:22〜24
【放送について】
0時、6時、12時、18時と六時間ごとに途中経過を各参加者に通告する放送を行う。
放送は支給された携帯電話を通じて行われる。
【予約制について】
トリップをつけしたらばの予約スレに書きたいキャラを宣言することで5日間の予約をすることが出来ます。
誰かが予約している間、他の書き手は予約済みキャラが登場するSSを投下することが出来ません。
また、当ロワにおいて予約制は権利であり義務ではありません。
予約なしでのサプライズ投下、予約キャラと未予約キャラを組み合わせたSSの投下も可能です。
もちろん未予約投下の前に他の書き手が該当キャラを予約した場合SSは無効となってしまいますのでご注意ください。

3 :
何か書き込まないと即死判定あるんだっけ?

4 :
新スレ立て、乙です
では七人予約、投下します

5 :
 

6 :


7 :
『以上が、お主の未来日記に関する説明じゃ。何か分からないことはあるかの?』
「いや、正直、突っ込みたいところは色々とあるんだけど……『日記』の、ルールを覚えるだけはできた」
「おお、今回はみな日記の理解が早いようで、ワシとしても助かるのじゃ。
それで、どうじゃ? お主も所有者となるのか?」
「えっと……本当のところ、遠慮したいと思ってた。だって、日記が壊れたら契約者も死んじゃうんだろ?
水没したり、携帯をいじってる間に寝ちゃって潰したりすると危ないじゃないか」
「お主、し合いというのに庶民的な思考よのう……なら、契約は見送りということで良いのか?」
「いや……それでも私は、その『契約』っていうのをしたい」
「ほう。つまり心境の変化があったということかの?」
「もし、秋瀬さんに携帯を見せてもらわなかったら……拒否してたかもしれない。
でも、アレを見た以上、日記があるのとないのでは、すごく違った結果になるように思えるから」
「了解じゃ。では、これでお主も、『wacther』の所有者と『みんなーっ! 七森中学一年生の、赤座あかりだよーっ!』
「あかり!?」
「……っていう経緯で、私は『所有者』になったんだ」
「へー、じゃあキミは、最初に拡声器を使った方の子の知り合いだったんだ」
とっぴな話を信じてもらえるかどうか不安だったけど、同行者は恐いぐらいあっさりと納得してくれた。
真希波と名乗ったその女の人もまた、秋瀬さんと同じく独特の雰囲気を持っていた。
大人びた容姿をしているけれど、たぶん私たちと歳は変わらない。
すらっとしたスタイルで、真っ暗な山道をスイスイと猫みたいに歩いて行く。
しかも鼻歌まで歌っている。
機嫌が良さそうにすら見える。
つまり、このヒトもあの秋瀬という男の子と同じで、『非日常』の側にいる人間なんだろうな、という匂いがある。
そんな場馴れした感じの真希波さんに、ほてほてと付いて行くように歩く私の姿は、傍目にはきっと頼りなく見えただろう。
最初に声をかけてきたのは真希波さんの方だったけれど、『不安だから一緒に来て』という風ではなかった。
『付いて来たいなら別にいいよ』という感じ。
同行することになったいきさつは、簡単なものだ。
出会って、のん気に自己紹介なんかを交わして。
とにかく、詳しい話は目的地に向かいながらしましょうということになって。
なんて無警戒な、と人が見たら呆れそうなぐらい、私らは簡単に組んでしまった。
いや、声をかけられた時は緊張したし、人並みに警戒もした。でも、真希波さんの持つ、ほにゃーんとした空気に呑まれてしまったところがある。
もちろんそれだけで連帯したわけじゃない。
真希波さんも私も、おおげさな言い方をすると『同じ目的』を持っていた。
しばらく前に聞こえた、二つの『呼びかけ』が気になっていて、それが聞こえてきた方に向かっているところなんだ。

8 :
 

9 :

「じゃあ、キミが山小屋の方に向かってるのは手がかりを集めたいから? 『あかり』っていう子は、呼びかけたのにいなくなっちゃったみたいだし」
「うん……桐山っていう人の話だと、近くにあかりの……その、された跡はないようだし、たぶん無事なんだとは思う」
『遺体』という言葉を使うには、まだ抵抗があった。
そのうち、嫌応にも慣れるのかもしれないと思うと怖いけど、今は、まだ。
「うん、あの呼びかけは、嘘をついてなさそうだったしね〜。
皆しをするために人を集めたいなら、『協力しないやつはす』とか物騒な脅しをつける必要はないもんね。
……ただ、あんまり平和的な人とも思えないな。月岡クンも、桐山って人は危険だって言ってたし」
「はい、私の『予知』にも、かなり危険なことが書かれてます」
私があかりの声に反応したのに対して、真希波さんは二度目の呼びかけ主に興味を示したらしい。
私と会う前に会話した人から、『桐山和雄』のことを聞いていたそうだ。
その人は『桐山和雄には近づかない方が……』と忠告してくれたそうだけど、真希波さんは『だからこそ気になるじゃない』と言ってのけた。
そんな彼女は、やっぱり『非日常』を楽しめる側の人間みたいだ。
もっとも、私も同じ場所に行こうとしてるんだから、人のことは言えない。
……だって、あかりは大事な後輩で、幼なじみなんだから。
「『予知』って言えば……その『日記』で、桐山と『手ぬぐいの人』のことは何か分からないの?
ほら、本当にし合いに乗っているかとか」
「残念ながら、そこまでは。……どうも『2人の日記』は、『相手をすこと限定の予知』に特化してるみたいです。
今のところ、互いに『いかにすか』の予知しか出てません。……だからこそ『手ぬぐいの人』が乗ってるのは間違いなさそうですけど」
「ふ〜ん。それでもそこに行くんだ。あたしが見たところ、キミは戦うことが好きってタイプじゃなさそうだけど」
「それはそうなんですけど……でも、その『手ぬぐいの人』が、あかりのことを知ってるかもしれませんから。
ましてや、その人があかりに何かしたかもしれないなら、見過ごせません」
自分で言ってて、かなり『未来日記』の情報に踊らされてるな、と思う。
逆に言うと、支給品のおかげで行動方針が固まった、ということなのだけど。
あの自称探偵という男の子の助言に従って、私は支給された道具にすがった。
そして契約したのが、『ある程度の未来を予知する力』。
漫画みたいだけど、私の身の上におこっていることだ。
とはいえ私の未来日記である『wacther』自体には、予知能力がない。
『wacther』は、他人の未来日記を読むことができる未来日記だった。
『それってチートじゃん!!』という京子の歓声が聞こえてきそうだ。
『他人の日記を読める日記』が出て来るからには、『未来日記』を支給された人はたくさんいるのだろう。
……などと感心している間もなく、山小屋の方に近づくにつれて2つの予知が来た。
片方の日記には、『手ぬぐいを鉄に変えて、桐山和雄という人物をす方法』が、
もう片方の日記には『鉄の槍を回避しながら、その男をす方法』が、
それぞれ、予知されていた。
もちろん、『桐山和雄』という名前には聞き覚えがあるわけで。

10 :
 

11 :
しかも『手ぬぐい』という言葉は、その桐山和雄が放送で口にしていた単語でもあるわけで。
どう見ても、『し合いに乗った手ぬぐいの人』と、『し合いに乗った人をすつもりの桐山和雄』が、し合う光景を読んでいた。
そんな2人の間に割って入って、何ができるかというと困るのだけど……でも、あかりの手がかりを見過ごすことは、それ以上にできない。
……せいぜい考えて決めたのが、こっそり近づいて状況を見守り、割って入るかは状況次第、ということ。
「あ……」
「どーしたの?」
「『手ぬぐいの人』の方の日記が予知から消えた……このエリアから、外に出ちゃったんだと思います」
ちょっと聞いたところ反則気味な『wacther』だけど、制限もかかっているらしい。
同じエリア内にいる参加者の未来日記しか、覗き見できないそうなのだ。
日記の所有者が死ぬと『DEAD END』という予知が出るそうなので、『手ぬぐいの人』は死んだのではなく逃げたのだろう。
「う〜ん、なら手ぬぐいの方が逃げて、戦いは終わったってことなのかな。」
「それで桐山さんの方はまだこの辺にいる、と……あ、山小屋が見えて来た」
「よし、じゃあ用心して、こっからはライトを消してと。
……あれ? でも、人影は複数いるみたいだよ。ほら、携帯の灯りが2つ」
なるほど、そこには確かに、3つの人影があった。
携帯を持って――そして銃器らしい形の塊も持って――立っているのが2人。
座っていて、銃を向けられているのが1人。
会話を交わしているみたいだけど、ここからは聞き取れない。
でも『膠着状態』に陥っている事はよく分かった。
……どうしよう。
迂闊に割り込んだら、どっちかの持っている銃器がこっちを向くことは想像に難くない。
何より、2人の行動が『wacther』に予知されていないことが私には不利だった。
桐山和雄からすれば、あの行動は予知するまでもないことらしい。
これじゃあ、状況を見極めて情報を聞きだすことができない。
「よし。んじゃー、あたしが確かめて来よう。あたしも、どうしてああいうことになったのかは知りたいからね」
「ええっ。そこまでしてもらうわけには……」
いくら真希波さんが楽しげでも、真希波さんだけに任せるのは遠慮したい。
あかりの安否が気になるというのは、私の都合なんだから。
私の都合で、危険な役目を、出会ったばかりの真希波さんに背負わせたりはできない。
「大丈夫だよ。あんな危ない放送をした人がすぐにさないなら、むしろ交渉の余地がありそうでしょ。それに、こっちにだって武器はあるのだよ」
真希波さんは、支給された銃器を頼もしげに掲げてみせる。
その笑顔からは、何の恐怖も気負いも見てとれなかった。
「それにさ……自分の目的に人を巻き込むのって、気おくれしない?」
一転して、真希波さんの表情が切り替わった。
温から冷に。
ニマニマした笑顔から、真剣かつ悟りきった表情に。
その独特の空気に引き込まれて、私は頷く。
「あたしもそうなんだ。だから、それって逆も然り、だよね。
他人の目的に巻き込まれて、他人に気おくれさせるのも気が引けるでしょ?
だからあたしは、『そこまでしてもらう』とかじゃなくて、自分の興味からこうするの。
そこんとこ、よろしくね」
人がウインクする姿をまぶしいと思ったのは、初めてのことかもしれない。

12 :


13 :

 ◆◆◆◆◆
落ちつけ、七原秋也。
ひとつ間違えれば、宗屋は死ぬぞ。
俺はそう肝に銘じて、桐山にかける言葉を探した。
桐山の銃口が、宗屋に向いている。
そこにいる桐山和雄は、俺の知らない桐山和雄のようだ。
第68回プログラムで俺とし合ったりしていないし、このし合いに乗っているわけでもないらしい。
けれど、おそろしく冷たい目をして、淡々と人間に銃口を向ける姿は、かつてされかけた桐山和雄という人間そのものだった。
このままだと、桐山は宗屋を撃つ。
俺がひとつ間違えても、桐山は宗屋を撃つ。どころか、俺さえも撃つ。
「待て、桐山。俺も宗屋も、お前に危害を加える意志はない。
だから宗屋を撃つ前に、俺の話を聞いてもらえるか」
この状況で、桐山を撃つというのは無謀だ。
桐山和雄の強さを、俺はよく知っている。
1対1の撃ち合いで俺が有利に立てるとは思えない。
仮に立てたとしても、桐山の性格上、間違いなく宗屋を盾にするだろう。
果たして桐山は、俺の方を向いた。
銃口は、宗屋へと向けたまま。
「話を聞こうか」
感情の欠落した透明な瞳に睨まれながら、俺は考える。
桐山の人間性について、オレが知っていることは多くない。
一度し合った仲ではあるものの、オレたちとこいつは会話らしい会話もしたことがなかった。
でも、見当ぐらいはついている。
と言っても、オレが考えたことではなくて、川田の分析をそのまま鵜呑みにした考察だけどな。
川田が言っていた。
桐山和雄には、『理由』がない。
自分が何の為に何をしたいとか、何をしたくないとか、何をしてはいけないとか、何をすべきだとか、そういう価値基準がない。
そしてオレも、それが本当のところだと思っている。
「まず前提を確認したいんだが……俺は、お前に協力する意志がある。だから、できるだけ穏便に話を進めたい。
俺が知る桐山和雄は、し合いに乗っていた。だがお前は脱出を目指している。
しかし、し合いに乗った人間はす。非協力的な人間もす。
そしてお前は、宗屋を『非協力的な人間』と見なして銃を向けた。そうだな?」
頷き、肯定する桐山。
聞いただけでは、過激な独裁者のような振舞いだ。
しかし、きっと大した理由なんてないんだろう。
コイントスの結果とか、棒を倒した方向とか、じゃんけんで負けたとか、そんな小さな気まぐれで。

14 :


15 :
「違うんだ! 佐野はぶっちゃけ、し合いに乗るような奴なんかじゃねえ! さっきは俺のミスで逃がしちまったけど、もっと上手く説得すれば、頼もしい仲間に――」
「宗屋、今は少し黙ってて欲しい。この男には、そういう話をしても無駄だから」
『佐野』という男をさずに止められる、と言ったところで、桐山相手に意味はないだろう。
桐山は、『し合いに乗った人間をす』と決めただけだ。
別に、犠牲者を減らそうだとか、し合いに乗った人間を説得できるかとか、そういう人並みの『理由』があってそうしてるわけじゃない。
だから俺は、違う角度から反論した。
「宗屋はあの男を逃がそうとして逃がしたわけじゃない。お前に非協力的な態度をとったりしてないぞ」
「しかし、その宗屋という男には、佐野という男をす意志がなかった。それは、俺のやり方に反したことになる」
桐山の主張は、痛いところをついていた。
ようするに、桐山はこう問いかけているわけだ。
宗屋は、『し合いに乗った男』の仲間なのか、と。
『し合いに乗った男』を助けるつもりなら、敵と見なすと。
どうする。
宗屋の愕然とした視線と、桐山の静かな視線を同時に的にされて、俺は冷や汗を流した。
たとえこの場で「仲間じゃない」と言ったところで、あの佐野という男と再び遭遇すれば、宗屋が今回のようなことになるのは目に見えている。
かと言って、宗屋に仲間のことは諦めろと言うわけにもいかない。
納得するような奴じゃないだろうし、もし俺が同じ立場で典子のことを諦めろと言われたとして、そんなことできるはずがない。
宗屋が『桐山に否定的な人間』であることは、隠しようがない。
ならば――
「桐山、俺に1つ『提案』があるんだが――」
「ちょっといいかな。あたしもまぜて欲しいなー」
実に無造作に、第三者が割り込んできた。
少し長めの髪を2つに縛った、眼鏡の女だった。
特に緊張した風でもなく進み出たその手の中には、小型拳銃が光っている。
桐山のマシンガンが、女の方に向く。
奴のことだから、女の接近には薄々感づいていたのかもしれない。向こうから接触をして来ない限りは宗屋の対処を優先したってとこだろう。
どっちにしても、俺たちにとっては不味いことになった。
この女の子が、大人しくし合い否定派を名乗って、桐山を刺激しなければそれでいい。
しかし、そうじゃなかった場合は――

16 :


17 :
支援

18 :
「銃口を降ろせ。指示に従わない場合は、敵対する意志があると判断する」
「それはお互い様じゃないかな。あたしはキミの放送を聞いてここに来たけど、キミが危険人物じゃないという確証をまだ得てないよ。
……例えば、キミは一度し合いに乗ったことがあるんでしょ? 月岡クンから聞いてるよ」
月岡クンから聞いている。
つまり彼女は、俺たちのクラスメイトである月岡彰と接触したらしい。
それも、俺と同じく『第六十八プログラムに参加した』月岡彰と。
「そっちがここに招待してくれたんだから、まずはそっちが信頼を得られるように証明なり弁明なりをすべきじゃないかな」
少しだけ安堵した。
どうやらこの女の子、思いのほか、『情』より『利』で物事を判断するタイプみたいだ。
そして桐山には、そういうタイプの方がよほど相性がいい。
俺は宗屋に向かって声を出さず、今のうちに近くに来いと手ぶりで合図する。
女の子と桐山の対応次第では、俺はリスクを冒してでも桐山を撃たなきゃならない。
「なるほど、お前の言うことに一理がある。しかし、『プログラムに乗った件』については、俺に弁明のしようがない。
というのも、俺はそのプログラムに参加した桐山和雄ではないからだ。
ここにいる七原の弁明を信じるならば、『プログラムに参加した桐山和雄』はおそらく存在する。しかし、それは俺ではない。
現時点では、それが時間操作によるものか、あるいは並行世界の理論を持ち出すか、いずれにせよ超常現象として説明する他はない」
「ぎにゃあ……その説明は、いくら何でも、苦しいにもほどかあるんじゃないかな〜……。
でもあたし、『並行世界』って言われると、心当たりがないこともなかったりするんだよにゃ〜」
俺も心当たりがあると言われて驚いたけど、宗屋と佐天から聞いた学園都市やら神様やらの話を思い出す。
きっとこの子もまた、2人と同じ様に『大東亜共和国のない世界』から来たんだろう。
「じゃあ尋問の方向を変えるよ。最初に呼びかけた『赤座あかり』って子がいなくなったのは本当? その子に危害を加えたりはしてないの?」
女の子は追求の矛先を変えた。
もしかすると、その赤座という子の知り合いなのかもしれない。
「その2つの質問には『そうだ』と言うしかないな。俺は手ぬぐいの男に、赤座あかりの居処を問いただした。
しかし奴は、赤座あかりを知らないと言っていた。手ぬぐいの男がし合いに乗ったと認めた以上、やつがその点においてのみ嘘をついたとは考えにくい」
「ふ〜む。それもそうだねえ。それに、同じことはキミにも言えそうだ。協力しないヤツはしにかかると宣言したのに、赤座さんには手を出してないというのも不自然だし……」
「納得してもらえたか? ならば――」
「ちょっと待って、一番気になる問題が残ってるってば。キミたち、今の今までどうして銃を向けたり――」

19 :


20 :


21 :

「全員、武器を捨てな!」
狂った怒声が、全員の危機感を駆り立てた。
その叫び声が鳴り響いたのは、メガネの女の子が出て来た灌木のさらに奥。
聞き覚えのある声に、俺は舌打ちする。
案の定、そいつは口の裂けたような笑みを浮かべて姿を現した。
そして、そいつの抱えた『モノ』を見て、全員の動きが止まる。
畜生。
『これ』は俺のミスだ。
桐山の呼びかけを聞いたのは、『あの女』から逃げて間もない時だった。
拡声器の呼びかけに、『この女』が反応する可能性だって考えておくべきだったのだ。
さっき俺たちを襲った緑髪の女が、黒い短髪の少女を連れて現れた。
左腕で首を締めて、拘束していた。
 ◆◆◆◆◆
「うぐっ……」
捕まえた女の首を左腕で締めながら、私は優越感に浸っていた。
何せ、1対6――人質にしたこいつを戦力外としても、1対5だ――という圧倒的不利の中で、場の主導権を握っているのだから。
普通に奇襲をかければ、まず失敗していただろう。
これだけ人数差があれば、1人2人を奇襲で仕留めたとしても、残りの人数から一斉に銃撃を受けてしまう。
でも、私には大きなアドバンテージがあった。
ひとつは、こっそりと首尾よく捕まえた人質。
そして、最初にした女のディパックに入っていた、拳銃と、必の支給品。
「おっと、妙な真似をするんじゃないよ」
携帯電話を取り出そうとした桐山(拡声器で呼んでくれた男)に警告して、あたしは右腕に抱えていたものを地面に置いた。
「ほら、これが何か見れば分かるでしょ。下手に攻撃したらドッカンだよ! あはははははは!!」
桐山を含めて、銃を構えようとしていた全員が動きを止める。
見た目はただの、台座つきの平べったい箱だ。
しかしそれの危険性は、誰しも映画とかで見たことがあるだろう。
「クレイモア地雷の有効加害範囲は50メートルだ。
爆発すりゃ、ここら一帯がズタズタになるよ! あたしも死ぬけど、あんたたちも道連れさ!」
空いた右手でスカートに差していた拳銃を抜き取り、威嚇として一度発砲する。
女を拘束した左腕の先には、手の中でしっかりと起爆スイッチのリモコンを握りしめる。
下手にあたしを撃てば、はずみでスイッチを押すだろう。
心が鬼になっているのに、頭はとても冴えていた。
桐山なる男が持っているのはマシンガンだ。リモコンを持った手だけを狙うような、ピンポイントな狙撃はできまい。
悔しげに歯噛みしてる長髪の男が抱えた散弾銃だって、精密狙撃に向かないところは同じだ。
一番に近くにいるメガネの女が持っているのは、そういう射撃に向いてそうな小型拳銃だけども、おそらく女本人が射撃に慣れていない。
銃口がやや不安定にぶれている。
おまけに、人質という『盾』までいる。
つまり、状況は私にとって圧倒的有利!

22 :


23 :
なんて冷静! なんて抜け目ない! なんて万能感!
これで6人せる! 悟史君にまたぐっと近づく!
「なんでだよ! なんでそんな簡単に人をせるんだよ! 死にたくないなら、みんなで力を合わせて脱出すりゃいいじゃねえか!」
声を上げたのは、さっき取り逃がした男の、サル顔の方。
その義憤に満ちた声を聞いて、私はすぐ理解した。こいつは、私とはすっかりかけ離れた人種のようだ。
「決まってるじゃないか。欲しいんだよ。神の力ってやつが。
だって私には、会いたい男がいるんだから! 会える会える、皆しにしたら会える!!」
サル顔が信じられないという顔をするのが、すごく爽快だった。
さて、どいつから撃ってやろうかな。
サル顔の男も見てて苛々するけど、先に仕留めた方がよさそうなのは、桐山っていう男かな――
「おっと、妙な真似をするんじゃないよ」
背後から、さっきの私と同じ声がした。
背筋がぞわりと寒気に襲われる。
その声には心当たりがある。
私と同じ声をした人間など、この世に1人しかいない。
――お姉……魅音?
憎むべき半身、魅音の声。
眼前の獲物たちを頭から捨て置いて、私は振り返った。
振りまわされた格好の人質が、小さく悲鳴を上げて、
誰もいなかった。
――やられた!
一度、同じ手に引っかかっていたのに!
それが私の声だったばかりに、魅音の存在を感じ取ってしまった!
偶然のイタズラに苛立つ間もなく、前方を向き直ると同時に次の攻め手は襲って来た。
――バシッ!
左手の甲に激痛が走った。
衝撃の正体は、小さくて冷たい。
まさか、桐山の持っていたコインか?
そんなチャチな玩具とは思えないぐらい、鋭い痛みが刺さった。

24 :
手がしびれる。起爆スイッチがあっけなく手のひらからこぼれ落ちた。
それが地面にぶつかるより早く、散弾銃を持った影が飛び込んでくる。
銃のバレルでしたたか殴りつけられた。
昏倒しかけたところに足払いを食らわされる。
倒れこんだのは、地雷を置いたのと逆の位置だ。長髪の計算だとしたら、抜け目ない。
気づけば長髪が、リモコンと人質の女とをその腕に抱え込んでいた。
「大丈夫か?」
「はい……あの、ごめんなさい」
もう片方の手には私の頭を照準した散弾銃がある。
私が持っていたグロック26は、少し離れた位置に転がっていた。
どれを取ってもそつのない動きだった。実戦に対する備えを積んでいることは明らかだ。
精密な動きに自信があるんだろう桐山がリモコンを排除し、その間にもう一人の方が人質を助けつつ私を取り押さえる。
何の合図もなくやってのけるとは、腹が立つぐらい見事な連携じゃないか。もしかして、昔からの知り合いだったのか?
私は射さんばかりに長髪を睨み上げながら、腐葉土の臭いを近くに嗅いでいた。
桐山が、私のグロックを拾い上げた。
「七原、そのまま撃て」
静かだけれど、有無を言わせぬ調子があった。
こいつらの関係を知らない私でも、ニュアンスが汲みとれる。
こういうことだ。
ここで敵を仕留めて見せなければ……分かっているな。
サル顔の男が、反論しかけるように口を開いた。
しかし七原なる男は、やむを得ず、という顔をした。
やられる。
畜生、畜生、畜生、畜生畜生畜生畜生畜生――
「詩ぃちゃんをさないでっ!!」
でも、七原は撃つ機会を逸した。
――ピシィッ!
糸のようなワイヤーが、頭上をしなるのが見えた。
それはひゅうんと唸り、七原の銃身に叩きつけられた。
「うおわっ」
七原はすぐさま後方に飛び、銃身を取り落とさないように抱え込んだ。
別に七原が非力だったせいじゃなくて、糸の材質とかが特殊だったんだろう。
糸をぶつけたとは思えないぐらい、鋭い音が出たのだから。

25 :


26 :
私の命を救ったワイヤーが眼の前でぷらぷらと揺れる。
その鞭の使い手が、七原のいた空間に割り込んで立ちはだかった。
「レナ、さん……」
釣り竿のような形をしたムチを持った竜宮レナが、そこにいた。
助かった、と思うより先に。
どうして、という驚きが先行した。
確かに魅音を介しての交友はあったけれど、まさか命がけで割って入ってくれるほど、親しく思ってくれていたとは。
私は、部活動メンバーの仲をほほえましく思いこそすれ、竜宮レナという個人には、そこ知れない苦手意識を持っていたけど……。
さっきまで私の獲物だった聴衆の注目を集めて、レナは説得を始めた。
そんなに簡単にそうとしないで、それこそ主催者の思うつぼだ、とか。
信用できないようなら、詩ぃちゃんが何かした時に私が止めてみせるとか、何とか。
桐山が竜宮レナに銃口を向けようとして、七原がその銃身をつかんで止めた。
ずいぶん甘ちゃんの主張だったけど、レナはある程度の勝算を持って勝負しているようだった。
まあ、レナは来たばっかりだから、桐山の怖さを知らないしね。
人数だって6対1だ。少しでも頭が回る奴なら普通は抵抗じゃなく命ごいを選ぶだろうし、レナもそう見越してるから、私に隙だらけの背中を見せられるんだろう。
そして、積極的に私をそうとしてるのは見たところ桐山だけなんだから、自分が空気を変えさえすれば、赦免は無理でも拘束に持ち込めるんじゃないか、と読んでいるのかな。
なんだかんだで、レナさんは計算する女だから。
まあ、それでも桐山なら、問答無用でレナもろとも撃つ気がするね。何かアイツだけ、纏ってる空気が違うもん。勝算は薄いよ、レナ。
でも、そういう計算を差し引いても、レナの取った行動は勇敢だった。
だってそうだろう。銃口が三つも私を向いてるのに、そこに割りこめる胆力は尋常じゃないよ。
何を考えてるか分からない、食えない女だけど、基本的にイイ奴だ。
本当に、イイ奴。
泣きたくなるぐらい、イイ奴だ。
でもね、もう私は、レナの知ってる詩音じゃないんだよ。
私、鬼になっちゃったもん。
私――人をしちゃったもん。
ここに来てからした、髪の長い女の子だけじゃないよ。
あんたの友達の――沙都子を。
しちゃった後だもん。

27 :


28 :


29 :

悟史君から『沙都子を頼む』ってお願いされたのに、沙都子をしちゃったんだよ。
だから私、もう、悟史君に会う資格が、無くなっちゃったんだよ。
だからさ、私はもう、『神様の奇跡』のおすがりするぐらいしか、ないんだよ。
何人しても後で生き返らせればいい、とは思わないけど、せめて、沙都子ぐらいはね。
罪滅ぼしとか、そんなキレイゴトじゃない。
私はただ、悟史君に会いたいだけ。
どんなことをしても会いたいだけ。
だから、レナさん。
――死んで。
 ◆◆◆◆◆
私がたどり着いた時、そこには詩ぃちゃんがいて、詩ぃちゃんはされかけていた。
「詩ぃちゃんをさないでっ!」
そう言って飛び出しちゃったけど、私はこの状況をしっかり把握してるわけじゃない。
詩ぃちゃんの顔は鬼みたいで、私の知ってる詩ぃちゃんと全然違っていたもの。
詩ぃちゃんを変える何かがここで起こったのかもしれないし、そのせいで詩ぃちゃんは、されるほど恨みを買うようなことをしちゃったのかもしれない。
だけど、まさに今されそうになってるのに見過ごすなんて、私にはできなかった。
それに、詩ぃちゃんを死なせたら、魅ぃちゃんに合わせる顔がなくなっちゃうよ。
私たちの日常――とりわけ魅ぃちゃんの日常に、欠かせない人間の一人なんだ。
それにね、桐山って人の呼びかけにも、私はあんまり賛同できなかったんだ。
俺に協力する限りは、力を合わせて脱出を目指しますよ、って。
それってつまり――ただの恐怖政治じゃないか。
そんな人に指揮を仰いで脱出するなんて、私にはできないよ。
そう思ったから、私は状況をぶち壊す為に熱弁した。
“口先の魔術師”ほどじゃないけど、弁論にはけっこう自信あるしね。
上手く場の空気が崩れ出したのを感じた。
長髪の子とサルっぽい顔の子は居たたまれなさそうに。メガネの子と短髪の子は、感心した風に。
でも桐山くんは変わらず、詩ぃちゃんに、私ごと銃口を向けたまま。
あれ、この人、何だか虚ろな眼をしてる……。
「死んで」
ねっとりした囁きは、後ろから聞こえた。

30 :


31 :

「危ない!」
黒髪の女の子が、叫ぶと同時に私の手を引いていた。
私は前方に引っ張られてたたらを踏み、その女の子にのしかかるようにして倒れこむ。
私が立っていた背中の位置を、詩ぃちゃんのナイフが空を切った。
詩ぃちゃん……!
「ちっくしょー!」
メガネの女の人が私たちの前に立ちふさがって、拳銃を乱射する。
必死だけどどこか楽しんでいる風な、間の抜けた掛け声。
銃弾が肉をえぐる音が、私にもしっかりと聞こえた。
女の子の背中の向こう側で、足からどばどばと血を流す詩ぃちゃんが見えた。
見るからに、良くないところを撃たれたと分かった。
でも、詩ぃちゃんは止まらなかった。
疾い。撃たれたことにすら、気づいてないみたいだ。
「死んでよおおおぉぉぉぉぉっ!」
やめて。
詩ぃちゃんが付きだしたナイフが、メガネをかけた女の子の、脇腹に深々と刺さっていた。
 ◆◆◆◆◆
同じミスを二度とくり返さないというリカバリーは、作業の効率化を図る上で自然なことだ。
もっとも、俺が出会った人間の中にはその『同じミスを繰り返す』ような人間も多数いた。
俺にはどうしてそんな失敗が生まれるのか、よく分からない。
ともかく今回の局面で言えば、『詩ぃちゃん』と呼ばれた女の振るうナイフに対処が遅れたことは、間違いなく桐山和雄自身のミスが招いた結果だった。
もちろん、外部的要因も多く存在する。
例えば、七原の制止を受け入れて、竜宮レナと名乗った女の主張を聞くだけは聞いてしまったこと。
あるいは、ナイフを振りかざした女を撃とうとした時、都合悪くメガネの女が射線上にいたこと。
明らかに俺たちの邪魔をした茶髪の女はともかく、メガネの女は俺に対して協力すると言っていた。
ならば、その女ごと『詩ぃちゃん』を撃つわけにはいかない。
またメガネの女が撃ち抜いた箇所が大腿の重要な筋肉に該当したことは見えていた。
よって、医学的見地から言えば痛みのあまり動けなくなるはず、という先入観もあった。
それが結果として『協力者であるメガネの女に致命傷を与える』という損失を招いてしまった。

32 :

しかし、女が致命傷を得たことで、解決された事態もあった。
『詩ぃちゃん』は、ナイフを女の体に付き刺したまま、それを盾のように掲げている。
しかし、女の救命が不可能である以上、女の命を盾にする意味はない。
俺は前進し、黒髪の女を射線からどかした。
女を庇った点が引っかかるものの、まだ『協力者』と見なしうる余地はある。
そして、『人者』と『半死体』と『非協力者』の体にマシンガンの連打を――
「おい、そりゃないだろ!!」
七原が再び銃身に飛びつき、俺の射撃を阻止した。
メガネの女の傷が致命傷だと、判断ができないのだろうか?
「問題ない。どの道、メガネの女は助から――」
俺が七原に説明しようとした時、場の空気が変わった。
正体不明の悪い気配が、直感に警鐘を鳴らす。
メガネの女の半死体に、変化が起こっていた。
獣毛にしか見えない毛髪が、女の全身を埋めていた。
「うああ……」
半死人だったはずの女が、自らナイフを外した。
勢いよく血が吹き出たが、女はそれでも立った。
今や女の姿は、人間とゴリラを混合させたような外見の異形へと変じていた。
「おおぉぉぉりゃあぁぁぁーっ!」
女は駆けだした。
死にかけている人間にしては、大きな声だった。
俺が撃とうとしていた竜宮レナと、脇にどかした黒髪短髪の女を、その両腕に抱え込む。
そのまま逃げた。
平均的な女子学生が駈けるであろう脚力よりも、ずいぶん速かった。
女の変身には、腕力と脚力、生命力を高めるような効果があるのだろうと、推測される。
ともあれ、女の行為は、俺が害しようとした人間を逃がそうとしたということだ。
それは『非協力的な行為』に該当する。
獣毛の女を害対象に変更した。
しかし、獣毛の女はすぐさま、遮蔽物の多い森の中へと姿を消してしまった。
追いつく方法も幾つか考えられたが、それをするためには『詩ぃちゃん』を一旦放置しなければならない。
それならばと、俺は女たちの捕捉を諦めた。
明確な意を持ち、一人を害した『詩ぃちゃん』の方が危険度は高い。
こうしている間にも、その『詩ぃちゃん』が、足を引きずりながら逃げようとしていた。
俺は今度こそ、マシンガンのトリガーを引いた。
「がっ……ぎゃあぁぁっ」
女はマシンガンの銃弾が連射される中で、ガクガクと痙攣した。
「お、おい、そこまで……」宗屋が悲鳴じみた制止をかけたけれど、無視した。
充分に生命活動が停止した頃合を見計らって、俺は銃撃を止めた。

33 :


34 :

女は銃弾の穴を身体じゅうにあけて死んでいる。
逃げ去った獣毛の女たちの捕捉は、おそらく不可能。
つまり、闖入者が引き起こした、一連の状況は収束した。
「これで対処は終わった……七原、話の続きをしようか」
「対処だって……? よくも、お前、そんな簡単に……」
反論したのは宗屋の方だ。しかし、理解できないので無視する。
「お前は『提案』があると言ったな。その『提案』について聞きたい」
その言葉で、七原は我に返ったらように俺と視線を合わせた。
「そうだな……俺たちの身の安全の為にも、今はその話をしなきゃならない」
七原は深呼吸をしてから、切り出す。
「お前はさっき、『非協力的な人間をす』と言ったな」
俺は肯定する。
「でも、お前は『いつすか』までは指定していなかっただろう」
今度の問いかけは意味が分からない。説明を求める。
「お前の方針は『脱出』でもあるはずだ。反抗的な人間をしつつ、協力的な人間を助ける。
『脱出』と『害』の両方が目的と言ってもいい。
しかし現状、お前は脱出への具体的なプロセスが見えてない。
俺たちは、その脱出に協力するつもりがある。宗屋だってそうだ。
お前はさっき『非協力的な人間はす』と言ったが、『あえて非協力的な人間をさない』ことで、得られる人材だって、ここにはたくさんいるはずだ」
後半の部分はよく分からない。非協力的な人間が人材として有用なのかは疑問が残る。
しかし『七原が有用である』という一点については、認めざるを得ない。
最初に『詩ぃちゃん』を無力化した戦闘での、七原の動きは非の打ちようがなかった。
実戦慣れしていることも評価に値したが、何よりも俺との連携を上手くこなした点が希少だった。
あの状況で即座に俺の意図がリモコンの奪取だと理解できる人材は、おそらく少ない。
七原が、俺という人間の考え方を、よく理解していることが証明された。
また、眼の前にいる七原は『第68プログラムで俺が死んだ』と証言した。
それすなわち、『プログラムで、俺より長く生き残った』ことを意味している。
『協力者』として、七原は得難い人材と言えた。
そして、七原を味方につける為には、宗屋の害も保留にする必要があるだろう。
また、宗屋自身の『声』に関係するらしき能力についても、一考に値するだけの戦術的価値はある。

35 :


36 :


37 :

問題点があるとすれば、俺の銃撃を阻止したことだ。
その不備は、『非協力的な人間をすぐにさない』という制約を守ればかなり解消される。
しかし、その『さない制約』こそが問題なのだ。
「しかし、俺はもう『非協力的な人間はす』と決めた」
「だからさ、俺をしたいならせばいい。でも、後でせばいいじゃないかと言ってるんだ。
俺たちと協力して、脱出方法を探す。そして脱出方法が見えてくる。俺以外にも、主催者を倒せる人材だって揃うだろう。
そうなってから俺たちをす。それでも一応『反抗的な人間を全員して、脱出した』ことにはなるんだ」
「詭弁……だな」
「詭弁だけど、拡声器であんたが提示した方針を破ったことにはならないだろ?」
一理はあった。
『害』も目的ならば『脱出』も目的だ。
俺はある程度『害』をこなした上でも『脱出』する意志があった。
しかし『害』にこだわり過ぎたあまりに『脱出』を達成できなかったとなれば、それは片手落ちになる。
七原によると、そういう事態も起こり得るらしい。俺にはどうしてそうなるのか、あまり理解できないが。
しかしその言い分では、単に七原たちが助かりたいが為に、こじつけているように聞こえる。
『提案』というには、七原と宗屋ばかりが有利ではないか。
「その条件はお前だって同じだろ? あんただってリスクが大きければ『提案』を放り出して、俺たちを好きな時にせるんだから」
なるほど、理解できた。
つまり、互いが役に立つまでは、互いを利用しようという『提案』なのか。
必要なら、隙を見せたところで互いに裏切っても構わないと言うことだ。
つまり、『提案』を呑むかどうかは、『七原を味方につけた場合、本当に脱出という目的を達成しやすくなるかどうか』という一点に帰結する。
計算をする。
解は即座に導かれる。
「分かった……そうの『提案』を呑むのも、悪くないな」
現時点で、七原とその仲間を生かしておくメリットは、この場でした場合のデメリットを上回る。
「感謝するよ。いずれし合う時まで、よろしくやろうぜ」
「ただし、今後『非協力的な人間の害を保留する』というデメリットが、『脱出に利用する』というメリットを上回れば、俺はいつでも提案を破棄する」
それで、言うべきことは終わった。
俺は続けて『詩ぃちゃん』のディパックを回収すべく、穴だらけの死体に歩み寄る。
七原は宗屋の方に歩み寄ると、何事かを耳打ちしていた。
 ◆◆◆◆◆

38 :


39 :

最初は、そんな簡単に人間が死んでいいはずねえって思った。
でも、佐天はあっけなく死んじまった。
そして、今また、一人死んだ。
あんなに狂気じみた執念を持ってたのに、あっけなく蜂の巣になった。
竜宮って女の子たちを逃がした女も、もしかしたら死んだのかもしれない。
最初に佐天が死んだ時は、怒りがあった。
七原に突っかかったりもした。
でも今、佐天をした奴が死んだのに、俺の心は静かだった。
違う、茫然としてるだけだ。
怒ることさえできなかった。
そしたら七原が、俺に近寄ってきた。
「大丈夫だ、宗屋。桐山が何かしようとしたらオレが止める。
だからお前は、佐野っていう仲間を、何とか説得して引き戻すんだ」
七原は俺に、そう耳打ちした。
俺には、2人が何を話しているのか、さっぱりだった。
ただ、2人が協力しようと言い出したのは呑みこめた。
なあ、何かしようとした桐山を止めるっていうのは、どういうことだ。
つまりすってことか。
今の俺たちじゃアイツをせないから、隙を見つけてす時まで、『仲間』でいましょうってことか?
お前ら、『仲間』を何だと思ってるんだよ。
そんなことの為に仲間の振りをするなんて、植木なら絶対に認めないだろう。
『そんな『仲間』がいてたまるか!』って、キレるだろう。
俺だって、そんな植木が正しいと思う。
でも、俺にはそれができなかった。
あの女がハチの巣にされて、残酷だと思ったよ。
佐天をした女が憎かったけど、別に死んでほしいと思ってたわけじゃないからな。
でもな、『会いたい人がいる』とか身勝手な理由で女に襲われて、
理解できない狂った女だと、恐怖して、
その女が、眼の前でまた人を刺して、
その女が、マシンガンの銃撃で、もう動かなくなって、
――俺は確かに、あの女が死んでほっとしたんだ。
俺は、あいつらのやり方をおかしいと思う。
でもな、あいつらのやり方に、助けられちまったんだ。
あいつらのやり方に、安心しちまったんだ。

40 :

間違ってるって言えるのは、それ以上に正しくて上手いやり方を、実行できる奴だけなんだ。
さっきのことだって、七原が桐山を説得しなきゃ、俺はされていたんだろうさ。
七原のやり方に助けられたのに、『間違ってる』なんて言う資格がどこにあるよ。
佐天がされた時も、あの戦いでも、俺が貢献できたことはほとんどなかった。
せいぜい、『声』を使って緑髪の女に隙を作ったぐらいだ。
だから、俺にこいつらを責める資格はねえ。
なあ、植木。
お前なら、きっと、誰も犠牲にしない方法を探すんだろうにな。
なあ、植木。
俺は……俺は、結局、口だけかよっ!
【B-6/山小屋前/一日目・黎明】
【桐山和雄@バトルロワイヤル】
[状態]:右腕に打撲
[装備]:M&K MP5SD@ひぐらしのなく頃に、コピー日記@未来日記、メダルゲームのコイン×7@とある科学の超電磁砲(上着のポケットの中) 、コンバットナイフ@現実
[道具]:基本支給品一式×3 、M&K MP5SDのマガジン(残り5個)、クレイモア地雷とリモコン@現実、グロック26(残弾10)、園崎詩音の不明支給品0〜2
基本行動方針:仲間を集め脱出する。非協力的な者やし合いに乗った者はす
1:七原と協力し、互いを利用する。
2:七原との協定に従い、脱出の手段と人材が整うまでは、非協力的な人物とも協力を敷くように努力する。
3:1を実行する上でのリスクが、脱出できなくなるリスクを上回れば、七原との協定を破り、宗屋ら非協力的な人間をす。
[備考]
基本支給品の携帯電話はiPhonです。
コピー日記が人日記の能力をコピーしました。
コピー日記は基本支給品の携帯電話とは別の携帯で支給されています。
【七原秋也@バトルロワイアル】
[状態]:健康
[装備]:スモークグレネード×4、レミントンM31RS@バトルロワイアル
[道具]:基本支給品一式
基本行動方針:し合いには乗らない。
1:桐山を利用しつつ、不穏な行動を抑制する。
2:桐山をす隙を伺う。(前回の桐山戦と同様に容赦なくす)
【宗屋ヒデヨシ@うえきの法則】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品0〜3
基本行動方針:し合いには乗らない。
1:俺は口だけか……。
2:桐山との同盟を拒絶したいが、七原に反論できる立場でもない
3:佐野と和解したい
[備考]
山小屋付近に、園崎詩音の死体が放置されています。
 ◆◆◆◆◆
まさか、エヴァじゃなくてあたしが人を捨てる時が来るとは思わなかったよ。

41 :


42 :

うん、やっぱりくじ運って大事だね。
あの凶暴なフルーツには閉口しちゃったけどさ。
おかげで、『奇美団子』っていう面白アイテムを引き当てられたし。
人間の身でビーストするなんて、希少体験ができたし。
それを使って、一矢むくいることができたし。
最初から拳銃を持ってたのも、お団子を隠す目的の方が強かったんだよね。
拳銃を両手で持ちながら、グリップに添えた方の丸めた手に、千切ったお団子を隠してたってわけ。
丸ごと持つのは無理だから、半分にちぎらないといけないんだけどね。
んで、銃撃に飛び出す直前に、呑みこんでたの。
いや〜、我ながらナイス判断だったね。
まあ、詩ぃちゃんって人は死にぞこないっぽいし、これといった反撃はできなかったけどさ。
でも、あの桐山って人はやっぱりヤバそうだったしね。
女の子2人を連れて来たのは、勢いっていうかさ。
竜宮っていう子なんか、撃たれるところだったし。
船井さんはされなさそうだったけど、それでもあの人達と一緒にいたら、色々とストレスのたまることになりそうだったしね。
……うん、でも。もう無理だ。流石に。
変身切れちゃったし。
やっぱり、お団子半分だと長くはもたないね。
寝かせて。
ばたんきゅー
あー、眠たい。体が重い。
おまけに寒い。
しかも、すっげー痛いや。
しかもしかも、エヴァの戦いの時と違って、あんま面白くないしね。
あ、船井さん。手、握ってくれるんだ。
ありがと。手だけあったかいや。
んじゃ、今のうちに伝えとくね。
桐山和雄から聞きだした、あかりっていう子の情報。
ああ、そんなに泣きながら、何度もお礼言わなくていいって。
こちとら、別にそんな自己犠牲精神にあふれた人間じゃないんだよ。
助けられる余裕があったから、助けた。
それだけのことなんだから、さ。
うん、ちょっと前のこと、思い出すなあ。
あの時の『彼』も、戦いたくないって言っててさ。
何だか、お節介しちゃったね。
ま、それが結果として誰かのプラスになるなら、悪くない、かな。

43 :


44 :

あ……何か冷たい?
そっか。もう1人の子が、泣いてるんだ。
「ごめんなさい……ごめん、なさいっ……!」
あーなるほど。
この子の友達に、あたし、刺されたもんね。
きっと、『私のせいでこのヒトが刺された』とか、そういうことを考えてるんだ。
「いいって」
別に正義感発揮したわけじゃなくてさ。
あたし、戦うのって基本的に好きだし、気分の向くまま戦ったっていうか。
それでやられちゃ世話ないけど、そこはほら、自己責任っていうかね。
「ほら、さっき言ったでしょ。私、他人の都合に巻き込まれたつもり、ないからさ……」
ま、せいぜい、がんばりなよ……。
…………………………………………ねむい、や。
【真希波・マリ・イラストリアス@エヴァンゲリオン新劇場版 死亡】
【園崎詩音@ひぐらしのなく頃に 死亡】
【B-6/山小屋前/一日目・黎明】
【船見結衣@ゆるゆり】
[状態]:精神的ショック(大)
[装備]:wacther@未来日記
[道具]:基本支給品一式、不明支給品(0〜2)
基本行動方針:友達に会いたい。
1:???
[備考]
『Wachter』と契約しました。
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:精神的ショック(大)
[装備]:裏浦島の釣り竿@幽☆遊☆白書
[道具]:基本支給品一式、不明支給品(0〜2)
基本行動方針:知り合いと一緒に脱出したい
1:???
[備考]
B−6エリアに真希波・マリの遺体(ディパックに基本支給品一式及び、
眠れる果実@うえきの法則、ワルサーP99(残弾12)、奇美団子(残り4個))が倒れています。

45 :


46 :

【WATCHER@未来日記】
船見結衣に支給。
他人の未来日記の予知を覗き見するという、特殊な効果を持つ未来日記。
その為に日記所有者同士の戦いでは大きく有利に立てるが、
反面『所有者が日記に嘘の予知を描きこむ』などの情報操作に踊らされやすい、など弱点も存在する。
このロワでは、予知の範囲が同じエリア内にいる契約済みの未来日記に限定されている。
【グロック29@現実】
佐天涙子に支給。
グロック19を小型化した超コンパクトモデル。
プラスチックの多様による軽量化、特殊なセーフティによる暴発の防止など、
グロックの特徴をそのままに、女性の手にもすっぽりおさまる小型のボディを実現。
【クレイモア地雷(リモコン式)@現実】
佐天涙子に支給。
起爆すると、内部に仕込まれた鉄球が扇状の範囲に放射される。
内部の鉄球の数は700個にも及び、重量は1.6kg。
その最大加害距離は250m、有効加害距離は50mにも及ぶ大量破壊兵器。
主にワイヤー式の地雷とリモコン作動の地雷があり、ワイヤー式の地雷は対人地雷条約による規制対象になる。
(余談だが、未来日記にはワイヤー式のクレイモア地雷が登場した)
【裏浦島の釣り竿@幽☆遊☆白書】
竜宮レナに支給。
蔵馬のローズウィップと互角に打ち合うほどの威力を持っており、(人間時の姿とはいえ)
妖怪の蔵馬の体を切り裂いて大ダメージを与えたことから、糸の切れ味もかなり強力なものと思われる。
また、釣り糸は伸縮自在でもあり、糸を闘技場中に張り巡らせて、糸の内側に結界を張ったりもした。
【奇美団子@幽☆遊☆白書】
真希波・マリ・イラストリアスに支給。
一回の戦闘で3度まで使用することができ、『魔猿の装』、『魔犬の装』『魔雉の装』へと変化する。
(段階を追うごとに身体能力も外装の防御力も向上する)
黒桃太郎には、自身のダメージを記憶する能力があった為に、奇美団子を食べた際にダメージの治癒を行うことができたが、
本ロワの参加者が食べても、あくまで身体能力を徐々に強化する程度にとどまる。
【ワルサーP99@バトルロワイアル】
真希波・マリ・イラストリアスに支給。
原作バトロワでは、沼井充に支給された。弾数は15発(初期のモデルのみ16発)。
ドイツが警察用ピストルとして採用している拳銃。
露出した撃鉄を持たないハンマーレス構造が特徴であり、
指による触感で撃発可能な状態かを確認する仕様になっている。

47 :


48 :
投下終了です。
かなりの長文に最後まで支援いただき、ありがとうございました。
加えて、期限をオーバしましたことかさねがさね申し訳ありません。
そして、桐山のマシンガンのマガジンの個数ですが、
先の書き手さんの指定が無かった為にこちらで勝手に決めてしまいました。すみません。
(もし予備マガジンゼロのつもりだったというなら、そのように修正させていただきます)
そして裏御伽チームの皆さん、支給品を大量にいただいてすみませんw

49 :
投下乙です!
詩音と真希波はここで退場かー でも二人とも頑張ってたよ
七原は上手いこと桐山を丸め込んだな
というか実は桐山って分かりやすい目標じゃなかったら案外フレキシブルな気がしてきたw

50 :
普通あっち使い切ってからこっちに投下だろ

51 :
文句言うなカス

52 :
まぁ480kb越えてれば落ちるから、別に放置でも問題はない

53 :
>>51
文句じゃなくて指摘じゃん
前スレを埋めるなり雑談なりして使い切ってから次スレ行くのは常識
なんでageる程怒ってんの?

54 :
なんか最近創発ってだけで少しでも否定?な要素がある書き込みは荒らし認定する人増えたなあ
なんつーか広い心をもとうぜ
相手をまず好意的には受け入れようともせず、先入観から拒絶すると何かと疲れるよ
締めるところだけビシッとすればさ。ここの書き手さんならきっとそうしてくれるよ
俺らはもう中学生じゃないんだし、おおらかに楽しもうぜw
長文すまん

55 :
>>53みたいに荒らしを無駄に煽るのみると本当に頭痛くなる
言い方悪いけど馬鹿な荒らしより低脳な味方の方が企画にとって癌になりやすい

56 :
>>55
お前も味方を煽るなよ

57 :
月報用のまとめおいときますね
中学生| 23話(+23)| 45/51(-6)| 88.2(-11.8)

58 :
>>53
前スレで投下はこっちのスレ使ってくれって話だったから別に問題ないと思うけど。

59 :
もう月報か

60 :
予約破棄していたレイ、リョーマ、アスカ、雅、魅音を投下します

61 :
越前リョーマと綾波レイの二人は、行く当てもなく気ままに夜道を歩いていた。
一応地図画像を見て、どこか仲間が行きそうな心当たりはないかと相談はしたものの、特に思い当たる施設も見つからず。
とりあえず地図の中心部分を目指せば他の人にも会えるだろうし、そこから情報が入ってくることもあるだろうと、ひとまず北上していた。
しかし、当然のように二人の間に会話はない。元々、二人とも口達者なほうではないのだ。
場を盛り上げるような話術もなく、それならそれで黙っていたままのほうがやりやすいという考えだけは一致する二人は、黙々と歩いていた。
歩きながら――綾波レイは、考える。自分はこれからどうするべきなのだろう、ということを。
碇シンジを優勝させるために、他の人間をみんなそうという考えは、既に無くなっていた。
リョーマを相手にした襲撃が、すどころか傷ひとつ負わせることなく完全な未遂に終わってしまったことも理由の一つではあった。
ネルフに所属し多少の戦闘訓練は受けていたとはいえ、エヴァがない自分は非力な女生徒に過ぎなかった。
自分と碇シンジを除く49人を相手にして戮を完遂するだなんて、あまりにも非現実的な目標だったということを痛感する。
だが、実際には――胸の中にあったしこりが、はっきりと形を帯びてきたことが最大の理由だった。
今にして思えば、それは越前リョーマを襲う前から、碇シンジのために人をそうと考えたあのときから胸の奥に存在していた。
それに気付かないふりをして、レイは刀を握った。もしも最初に出会ったのがリョーマではなく、レイでもせるような非力な相手だったなら、今でも気付かなかったかもしれない。
結果としてレイは襲撃に失敗し、リョーマとの会話を通じて、それに気付いた。
自分が、どうして碇シンジを最後の一人にしようとしたのか。
それは、シンジを父親と会わせるため。二人に、親子としてもっと仲良くなって欲しいから。
そうなればきっと、シンジは喜ぶと思った。シンジが喜ぶ顔を見れば、レイも嬉しくなる。
胸の奥がぽかぽかとして、心地良くなる。だからシンジには、いつも笑顔でいて欲しかった。
でも、もしもシンジが最後に一人だけ生き残ったとしても、彼は笑うだろうか。
多分――笑わないんじゃないだろうかということに、レイは気付いた。
だからきっとレイが選ぼうとしていたのは、ダメな手段だったのだと思う。
シンジが笑ってくれないなら、それは本当にレイの我侭でしかなくなってしまう。
(……わがまま?)
それは、今までは想像さえ出来なかった感情だった。
リョーマに「生きようという気持ちが薄い」と言われたように、今までのレイは能動的に何か行動するということが殆ど無かった。
エヴァンゲリオンパイロットとして与えられた指令をこなしながら過ごした無機質な日々に、レイの意思は存在していなかった。
シンジと出会ったことが、自分が変わった理由なのだろう。彼と触れ合ったことで、レイの中で変化が起きた。
最初は、エヴァのパイロットで碇司令の子供だという記号しか、重要視していなかった。
しかし、ヤシマ作戦を境に、碇シンジという一個人を強く意識するようになっていた。
一緒に食べたお味噌汁が美味しかった。それだけで、今までに感じたことがない不思議な感情で胸が満たされる。
レイは自分の変化が良いものなのか悪いものなのか分からない。でも、変わってしまった自分は、嫌いではない。
――と、ここでレイの思考は、リョーマの身振りによって停止させられた。
左手でレイの動きを制しながら、右手の人差指で口もとを指し、静かにするよう促すリョーマ。
彼の視線の先には、一つの人影があった。影が動くたびに、長髪が揺れている。
リョーマが影を見つけたのとほぼ同時に、相手もリョーマたちの存在に気付いたようだ。
そして、臆することなくリョーマたちの方へと近づいてくる。
「――なんだ、エコヒイキじゃない」
影は、レイの姿を確認すると気が抜けたような声を出した。
その正体は、エヴァンゲリオン弐号機パイロット、式波・アスカ・ラングレーだ。
リョーマがレイをかばう仕草を見て、この二人は積極的にす側には回っていないと判断したらしい。
右手に握った警棒をバッグの中に仕舞い、こちらにも戦うつもりはない、とアスカは意思表示をする。

62 :
「二人は知り合いってこと?」
「まぁ、同僚みたいなものね。で、あんたはいったいどこの誰なわけ?」
「青春学園一年、越前リョーマ。そこの綾波さんと、コイツ……ペンペンが碇シンジを探すっていうから、今はそのお手伝い中」
「……ここに連れてこられてから、碇くんと会った?」
レイの問いに、アスカは首を横に振りノーの答えを返した。
七光りには会ってない、それどころかここに来てから会ったのはあんたたちが初めてよ、と。
そして言葉を続ける。
「あんたたち、これから一体どうするわけ?」
「さっきも言ったとおり、オレはペンペンと綾波さんを届けに行くつもりだけど。ついでにあんたも送ってあげようか?」
「そうね……どうせ七光りと合流したところで状況が良くなるわけでもないだろうけど、いないよりはマシかもね。
 あたしもあんたたちについていくわ。とりあえず、あんたが知ってる情報を何でもいいから教えなさい。
 ただでさえ訳がわからないことだらけなんだから――」
アスカの提案を受け、リョーマは携帯電話に載っていた知っている人物について、簡単に説明した。
リョーマの知り合いは全員がテニス部に所属しており、全国区のプレイヤーであること。
キレると手がつけられない人物もいるが、それでも積極的に人者側になる人間はおそらくいないであろうということ。
特に親交が深いのは同じ学校の手塚国光だが、他校の生徒でも試合や合宿などを通じて多少の面識はあり、おおむね良好な関係を築いていること。
「テニスプレイヤーねぇ……戦力としては期待できないわね」
「でも、あんたの同僚っていう綾波さんはオレに傷一つつけられなかったけど?」
「……あたしをエコヒイキと一緒にしないでよね。エコヒイキと七光りは一人じゃまともに使徒を倒したことがない半人前。
 こっちは厳しい訓練を受けた正規のパイロット。あたしこそ本物のエヴァンゲリオンパイロットなんだから!」
「はいはい、分かったよ。それじゃさっさと出発しようか。その、碇シンジってやつにも興味が出てきたし」
レイには好かれ、アスカには嫌われるという正反対な評価をくだされる碇シンジという人間は、いったいどんなやつなのか。
実際にこの目で見て、確かめてみたい気がした。……おっと、そういえばペンペンにも好かれてるんだっけ?
今のところは二対一で好評価だね、と心の中で呟きながら、リョーマは二人に早く移動することを促す。
アスカは東のほうから来ていたから、目指すのはやはり地図の中央部だろうか――
二人に背を向け、フライング気味に歩き出したその瞬間、リョーマはひゅん、と何かが風を切る音が聞いた。
音の正体を知る前に、リョーマの意識は闇に飲まれる。地に倒れた身体が、だらりと手足を曲げた。
「……あんたなんかについていくわけないでしょ。この一般人」
アスカの手に握られていたのは、砂と小石が詰められた靴下。俗に言うブラックジャックだ。
ブラックジャックのダメージは、打撃と言うよりは衝撃そのものに近い。
皮膚に裂傷などは生じないが、内部へと響くエネルギーは金属バットや警棒の類で殴りつけるよりも大きい。
十分な勢いをつけて殴りつければ、非力な女性でも大柄な男性を昏倒させることが可能なそれが、リョーマの頭部に放たれたのだ。
今の一撃で生地の薄い靴下が破れてしまったため二撃目を放つことは出来なくなったが、少なくともリョーマの意識を奪うことには成功した。
邪魔者はいなくなった。アスカはレイの方へと向き直り、先ほどとは一変した冷酷な表情を浮かべる。
「――あんた、ホントにエヴァンゲリオンのパイロットだって自覚あるの?」
「……何のつもり?」
「何のつもりも何もないわよ。あたしたちはエヴァに乗って、使徒から人類を守らなきゃいけない――あたしたち以外に、人類を救える人材はいないのよ?
 あたしたちは絶対に生還しなくちゃいけない。ここにいる数十人と、残りの人類すべてじゃどっちを優先すべきかなんて明白でしょ?」
「……その人をすの?」
「ええ。こいつだけじゃない……必要なら、ここにいる全ての人間をすわ。
 ――エコヒイキ、あんたは七光りよりも見込みがありそうだから一応聞いておくけど――あたしと手を組むつもりはある?」

63 :
アスカが持ちかけたのは共同戦線だ。アスカとレイ、どちらも人類にとって生命線になるエヴァのパイロットである。
ならば二人が最優先しなければならないのは、自分たちの生還であるのは間違いない。
最終的にどちらかが死ななくてはならなくなるかもしれないが、少なくとも最終局面までは協力できるはずだ――
そんな建前を用意し、アスカはレイを手駒にすることを狙う。無論、アスカはレイと対等な協力関係を結ぶつもりなどさらさらない。
生き残るべきはもっとも優秀な人材であるアスカなのだ。レイにはアスカを守る盾、あるいは障害の露払い役を担ってもらう。
「……碇くんはどうするの」
「七光り? あんなヤツ――どっかで野垂れ死ぬしかないんじゃないの。
 一緒に行動したところで、メリットよりデメリットのほうが勝るようなヤツなんだから」
「……そんなことない。碇くんは、そんな人じゃない。あなたが碇くんのことを知らないだけ」
「何よ、客観的事実を述べただけなのにやけに突っかかるじゃない……ああ、」
そうか。そういうふうにかばうってことは――そういうことなのか。
汚らわしい、と嫌悪を覚えた。あちらでは司令に媚を売り、こちらではその息子に取り入ろうとする。
気持ちが悪い。自分の価値をそうやって切り売りして、周囲との関係を取り繕うとする女なんて、虫酸が走る。
……結局、頼れるのは自分だけか。
ブラックジャックの残骸を投げ捨て、支給品の特殊警棒を取り出す。二人とも、ここで始末すると決めた。
対するレイも、雰囲気の変化を感じ取り、日本刀を構える。おぼつかない手つきで刀を握るレイを見て、アスカは笑った。
白兵訓練もまともに受けていないような人間を相手に、後れを取ることなどあり得ない。
警棒と日本刀、リーチの差も殆ど気にならないレベルだ。
アスカは深く呼吸しながら、レイの出方を伺った。お決まりの無表情が、レイの顔から消えていた。
必死になっている顔だ。エコヒイキでもこんな顔をすることがあるのかと、アスカは内心驚く。
アスカから見たレイの印象といえば、碇司令のお人形でしかなかった。司令に言われるがままに行動するだけの、ただの人形。
知らない面がまだあったのだなと、そう思った次の瞬間、堰が切れたように、レイが動いた。
日本刀を大きく振り上げながら、アスカへ向かって突進してくる。その動きは単純で、鈍い。
横に避けながら刀身に警棒を打ち付けるだけで、レイは身体のバランスを崩し、決定的な隙を作った。
あとは左足を払い、倒れたところで上から押さえつければオーケイ。抵抗出来ない女子中学生が一人、そこに誕生。
あまりの呆気なさに、アスカは喜びよりも先に、怒りを覚えた。
仮にも相手はエヴァのパイロットの一人なのだ。自分と同列に扱われる人間が、この程度?
むしゃくしゃとした気持ちが、アスカの表情を失意に曇らせる。
「人形はやっぱり人形ね……日本だとこういうとき、てんでお話にならない、っていうんだっけ?
 あんたも七光りと同じで、エヴァに乗るには相応しくない人間だわ」
思ったままに、吐き捨てる。
日本刀を取り落とさせるために握った手を捻り、レイが痛みに顔を歪ませる様を見て、なお捻る力を強めた。
加虐趣味があるわけではないが、レイが苦しむ顔を見れば、多少は気持ちが晴れた。
このまま、壊してしまおう。壊したところで誰も悲しみはしないだろう。
仕方ないのだ。レイとアスカ、二人を天秤にかければ優先すべきはより優秀なアスカであることに間違いはない。
アスカは両手を、ゆっくりとレイの首元へと近づける。十四歳の小さい手のひらが、レイの首を包む直前に。
「あなたは……エヴァのことがわかってない」
ぽつりと、レイが呟く。レイの赤い目に、哀れみの色が混じった気がした。
――怒りが、アスカの身体を支配した。万力を締めるように、両の手に力を込める。
レイの顔から血の気が引き、青白く、そして反転して赤みが混じった紫に変わっていく。
か、とか、は、とか、単音にさえならない呻きが締める両手の下から吐き出されるのが、聴覚ではなく、触覚で感じられた。
しかし、アスカの両手は、レイを絶命させるには至らなかった。
アスカの左手に鈍い衝撃、一拍遅れて激痛が走る。
視界の端に、ぶつけられた物体――球体、まるでボールのような――が地面を跳ねたのが確認できた。
アスカが振り向くと、ブラックジャックによって昏倒させたはずの少年が、半身だけだが身を起こし、木の棒を握っている姿が目に入る。

64 :
「……すぐに綾波さんから離れろ。離れないなら、次は頭を狙うよ」
越前リョーマ――彼が放った一打が、己の左手に直撃したのだと気付いたと同時、己の不利を悟る。
一対一ならまだしも、二対一となるとさすがにアスカの分が悪い。
不意をついてリョーマを気絶させたのも、一対一の状況を作るためだったのだ。
そして、これだけ早くリョーマが目覚めたのも計算外なら、彼の持つ技術もまた、計算外だった。
先の一撃でアスカの左腕が受けたダメージは大きい。完全骨折とまではいかずとも、ヒビ程度なら入っていてもおかしくない。
もし、これが最初からアスカの頭部めがけて放たれていたならば――打ち所が悪ければ、それこそ命に関わる怪我になっていた可能性だってある。
アスカは即座に退却を図った。リョーマはまだふらついている。そうやすやすと追いかけてくることは出来ないだろう。
レイもまたしかりだ。今ならばまだ、殆どノーリスクで逃げ切ることが出来るはず。
ここで二人をすために全力を注ぐ必要はない。最後の一人を目指すならば、今はまだ安全を追うべきだ。
決断してからの行動は早かった。レイから飛び退り――悔し紛れに、脇腹を思い切り蹴ってやった――二人から走って離れていった。
 ◆
式波・アスカ・ラングレーが綾波レイと越前リョーマをそうとしていたことなど露にも知らず、園崎魅音と相沢雅の二人はアスカを保護した。
『いやぁ、やっぱりバイクとは勝手が違うねぇー!』
『だだだだからどうしてあたしの周りのやつらってこんな無計画なやつらばっかりなのy……あいたっ!?』
魅音の荒っぽい運転に舌を噛み涙目になっていた雅がアスカを見つけられたのは、偶然に近かった。
何かから逃げるように走る少女――その姿を魅音に伝えたところ、彼女の知り合いではないとのことだったが、何はともあれひとまず接触してみようという話になったのだ。
ぱっぱーとクラクションを鳴らし、車からも逃げ出そうとする少女を引き留める。
奇抜な服装に驚かれはしたが、敵意はないのだということを伝えると、少女は素直にクレスタの近くまで寄ってきてくれた。
少女――アスカが言うには、越前リョーマと綾波レイを名乗る男女二人組に襲われ、なんとか逃げ出したということらしい。
「……本当に、あんたたちはあたしを襲うつもりがないの? あの二人も善人の皮をかぶってあたしに近づいてきたのよ」
「そりゃ災難だったねぇ……大丈夫、あたしたちはアスカの味方だよ。証拠なんて見せらんないから、信じてもらうしかないんだけどさ」
もしよければ、アスカも自分たちと一緒に行動しないか――魅音の提案を、アスカは呑んだ。
 ◇
クレスタの後部座席に座り、アスカは携帯を操作する。
テープ式の爆薬と毒薬付きの特殊警棒を支給されていたアスカだったが、最後の一枠にはこの二つとは毛色の違うアイテムが残っていた。
『天使からのお知らせ』と題した紙に、とあるメールアドレスが記載されていたのだ。
続く説明文には、こう書かれている。
記載されたメールアドレスに送られたメールは、次回の放送時にランダムで選ばれた携帯電話複数台に転送される。
受信した側からは送信者が誰なのかは分からない。一台の携帯電話から送れる回数は、各放送間ごとに一回ずつである。
情報を錯綜させ、参加者同士の団結を崩すことを期待されて支給されたアイテムなのだろうと、アスカは判断した。
早速テストを兼ねて、天使メールを作成する。メールの内容は既に決まっていた。
ものの数分もかからないうちに、一通のメールが完成する。
----
【送信者】From:天使メール
【件名】好戦的人物のお知らせ
【本文】
越前リョーマ、綾波レイの二名はこのし合いに乗っています。
非戦的な振りをして近づき、隙を見せた途端に攻撃してくる模様。
遭遇された場合、二人の話には耳を貸さず迎撃、もしくは逃走することをおすすめします。
今回のお知らせは以上です。次回のメールをお待ちください。
----

65 :
【G-6/市街地/一日目 黎明】
【式波・アスカ・ラングレー@エヴァンゲリオン新劇場版】
[状態]:左腕に亀裂骨折
[装備]:青酸カリ付き特殊警棒@バトルロワイアル、『天使メール』に関するメモ@GTO、フレンダのツールナイフとテープ式導火線@とある科学の超電磁砲
[道具]:基本支給品一式
基本行動方針:エヴァンゲリオンパイロットとして、どんな手を使っても生還する。他の連中は知らない
1:魅音、雅を盾に立ち回る。
2:他の参加者は信用しない。1人でもやっていける。
[備考]
参戦時期は、第7使徒との交戦以降、海洋研究施設に社会見学に行くより以前。
【相沢雅@GTO】
[状態]: 健康、泣きはらした跡
[装備]: 浴衣(はいてない)@現地調達
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1〜3 、剃刀@現地調達、濡れた制服
基本行動方針:みんなを助けたい
1:園崎と行動。デパートで物資を調達する。
2:クラスメイトと合流。今までのことを許してもらう。
3:ま と も な 服 が ほ し い(切実)
[備考]
※23巻、登校直後からの参戦です。
【園崎魅音@ひぐらしのなく頃に】
[状態]: 健康
[装備]: 浴衣(はいてない)@現地調達、『凶』の字が大きく書かれた白装束と暗視スコープ@GTO、内山田教頭のクレスタ(六代目)@GTO
[道具]:狂言誘拐セット@GTO、不明支給品×0〜1 、濡れた私服
基本行動方針:みんなでし合いから脱出
1:物資調達の為にデパートに向かう
2:部活動メンバー、詩音と合流。
3:ま と も な 服 が ほ し い(切実)
[備考]
※『罪滅ぼし編』、少なくともゴミ山での告白以降からの参戦です。(具体的な参戦時期と竜宮レナに対する認識は、次以降の書き手さんに任せます)
【越前リョーマ@テニスの王子様】
[状態]:めまい、ふらつき
[装備]:青学ジャージ(半袖)、太い木の枝@現地調達
リアルテニスボール(ポケットに2個)@現実、ペンペン@エヴァンゲリオン新劇場版
[道具]:基本支給品一式、不明支給品0〜1、リアルテニスボール(残り8個)@現実
基本行動方針:し合いには乗らない。
1:碇シンジを見つけるまでは綾波レイと行動。ペンペンを碇シンジに返す。
2:1と並行して、部長を探す。そのおまけで跡部さん、真田さん、切原、遠山も探す。
3:ちゃんとしたラケットが欲しい。
4:碇シンジとその父親に、少し興味
【綾波レイ@エヴァンゲリオン新劇場版】
[状態]:上半身びしょ濡れ、疲労困憊
[装備]:青学レギュラージャージ(裸ジャージ)、 第壱中学校の制服(スカートのみ)
由乃の日本刀@未来日記
[道具]:基本支給品一式、 不明支給品0〜2、第壱中学校の制服(びしょ濡れ)
基本行動方針:碇君を探して、何をしてほしいのか尋ねる。
1:碇君を探す。その為に目の前の彼について行く。
※参戦時期は、少なくとも碇親子との「食事会」を計画している間。
【天使メール@GTO】
式波・アスカ・ラングレーに支給。
とあるアドレスに送ったメールをランダムで選ばれた他参加者の携帯電話に転送する。転送のタイミングは放送終了直後。
受け取った側が送信者を確認することはできない。一台の携帯電話からは各放送間ごとに一通しかメールを送ることができない。

66 :
以上で投下終了です。タイトルはwiki収録時までに決めておきます。
誤字脱字、矛盾点など見つけられましたら御指摘お願いします。

67 :
>>66
投下乙です!
一瞬二人ともオワタかとひやひやしたけど、生き残ったか…!
しかし結構洒落にならない誤報フラグが立っちまったぜ!
綾波さんはプラスの方向に進みつつある一方で、アスカのズレは悪化してるなぁ…
しかし、
>「テニスプレイヤーねぇ……戦力としては期待できないわね」
そりゃ「テニスする」と紹介されても普通はそう思うよなぁw
あれ? ある意味テニプリ勢って、自覚のない高性能ステルスなんじゃなイカ?
そしてアスカと罪滅ぼしコンビはデパートに向かうか
こりゃビリビリ組は、病院に行ってもデパートに行ってもひと波乱ありそうやでぇ
(病院には死体が二つと幽助に加え、白井黒子の偽名を使った常盤が来る可能性もあるし)

68 :
もう無理だろ

69 :
投下GJ!
アスカこえー。本格的に動き出したな……
そして相変わらずテニスプレイヤーは立派な戦闘要員だなオイwwwwwwwww

70 :
ぼーっと現在地見てたんだけどマップ中央の危険人物の寄り方すごいなw
光っちゃん、常盤、アスカのステルス美少女組が遭遇しそうだ
こいつらの腹の探り合いが見たい

71 :
                                                      )
                                                   _..:─v'::─-、/⌒ヽ
                                                 .:´.::.:⌒.::.⌒::.::. ヽ.::.:::
                                                /::.::.::人::.:リ\::ハ ::. i::.::.|
                                                |/|::.i ト、∨/八}::.:i:|::.: |
                                          (\    _jハN○   ○ノ::.从::.::ヽ
http://livedoor.blogimg.jp/apricotcom/imgs/1/c/1c6f9c1c.gif      \ヽ、  乂八" r ⌒ヽーァ| ハ::.::.::.、
                                          r'⌒゙  `ト、_ノヘ::` ゝ __,ノイ::.|  ヽ.::.::.:、
                                         く\ヽ_}>、)   }}\}く\,,ト|::.:|   '::.::.::.::.
                                           ̄¨¨`'ーーく/  ノ \7∧::|   i.::.:::.::.::.
                                                  T    凶 V}  _, |:.:::.::.::.::.
                                                  |    ∧  [_∨r`|::.:::.::.::.::
                                                  人    //ハ  Y_に|::.:::.::.::.::

72 :
お待たせしました。
予約分投下します

73 :

      \アッカリ〜ン/



「はーい! バトロワ、はっじまーるよー」

74 :
京子「さて、あかりの出番はここまでなわけだが」
「ふええっ!?」
――アッカリ〜ン!
パッ(アッカリ〜ンの擬音と共に、あかりの体が透明人間に!)
「どういうこと〜っ? だってあかり、予約された時はちゃんといたよね〜っ!?」
【歳納京子@概念】
[状態]:ナレーション
【赤座(略)@概念】
[状態]:もうすぐ出……るのか?
※上記の文章はフィクションです。本編とはあまり関係ありません。
「……つまり、『天界』という存在を受け入れなければ、話が進まないということですのね」
「そういうこったな。クロコのいう『超能力』だってオレは初耳なんだけどよ」
ホテルの最上階付近に設けられたスイートルームのベッドに腰掛けて、白井黒子は密談を行っていた。
ベッドルームの内装は、きらびやかさと落ちつきが絶妙に調和した豪華なものだったが、
常盤台中学で上流階級の生活に慣れている彼女にとっては、そこまで眼をみはるものでもない。
むしろ、ディバックの中にいた『支給品』こそが、どう考えても興味深いものだった。
「そしてテンコさんは、その『神様決定バトルロワイアル』の中で、植木さんという方の率いるチームに味方していらしたと。
つまり、少なくとも、チーム内の植木さん、佐野さん、宗屋さんは安全な人物と考えてよろしいですのね」
「おうよ。あと、マリリンも大丈夫だな。植木たちにこないだの試合で負けてからはいい奴になったぞ。
ただ、ロベルトとバロウは危険だな。ロベルトに至っては本名アノンっていう地獄人だしよ」
実に流暢に人語を喋るその生き物の名を、テンコというらしい。
地球上の生き物で例えるとすれば、猫の体に蝙蝠の翼、牛の角をミックスさせた外見が、それに近い。
ただし後足はない。黒板消しのような形をした台座から、直接に胴体が生えていて、ふよふよと黒子の目線で滞空している。
なるほど、白井黒子とて、最先端の技術を全て把握しているわけではない。
特に彼女が所属する『学園都市』の暗部は、とても表には出せないような秘密裏の生物実験を行っているとも聞く。
しかし、だからと言ってこのような珍獣を生みださねばならない理由などないはずだ。
このテンコという生き物は、間違いなく常識の通用しない世界から来たのだろう。

75 :
「しかし、あなたの話を受け入れるとしても、符に落ちないことがありますわ。
あなたの話では、『神様』とやらは天界人の神候補の中から決めるはず。
それなのに、このし合いでは私たちの中の誰かに『神の力』を授けるというではありませんの」
「そこがオレにも分からないんだよ。コースケたちはあくまで『神候補が選んだ能力者』のはずなんだ。
ましてや、もう三次選考も佳境なのに、参加者を選び直してバトルロワイアルだってのもおかしい」
しかし、現状に対して答えを持っているわけではなさそうだ。
つまり、この生き物もここに呼ばれた50人余りと同じ。
何も知らされず理不尽に巻き込まれた、被害者の一人ということ。
「そしてこれからのことですが、テンコさんは植木耕助さんの大事な『神器』を預かっている身なので、何としても合流しなければならない。それでよろしいですのね?」
「そう! そうなんだよ。コースケがレベル2になってから神器を戻してやらないと、ロベルトクラスの敵は倒せねぇんだ」
やっと意思疎通が完了したことを喜んで、黄色い生き物が万歳する。
「コースケの奴、正義の心が強いからな。『神器』が使えないのに、誰かを助けるために無茶をやってそうで心配なんだよ」
テンコは大きな白い瞳を悩ましげに細めた。
その言葉から、だいたいの想像はつく。
おそらく、自分の身を顧みず、他者を助けようとする類の人物なのだろう。
「正義、ですか……」
黒子自身も、身を挺して正義を貫く人間は嫌いではない。
……もちろん、そうなった時に自分自身が生きて帰ることは、絶対条件として。
そのような信念を通す為に風紀委員(ジャッジメント)に所属しているのだし、彼女の周囲にもそういう仲間や先輩がいるのだから。
「そういうわけだから、オレはコースケを探しに行くぞ! クロコがもしコースケに会ったら――」
「お待ちなさいな」
話し終えたとばかりに飛び立とうとしたテンコに軽く触れると、「ふぎゃ」と叫んでベッドの上に転移し、めり込んだ。
白井黒子の『空間移動能力(テレポート)』は、その手で触れさえすれば発動する。
「それではあまりに危険ですわ。あなたが1人で敵と遭遇した場合、自分の力で身を守れる保証はありますの?」
「そりゃあもちろん! …………難しいかも、な。前にドグラマンションにいた時みたいに、巨大化できなくなっちまってるし」
「ならば、私の保護下におかせていただきますわ。人探しをするなら、私のテレポートを使った方が効率的ですし」
「そうなのか? 恩に着るぞ!」
し合いに乗らない安全な人物なのだとしたら、テンコともども、保護しない理由はない。
それに、種類は異なれどもいち『能力者』として、人ゲームに乗りかねない危険な『能力者』を、野放しにするわけにはいかない。
もしその『植木チーム』とやらが、正義の為にロベルト・ハイドン達を止めるというのなら、救援ないし共闘の申し入れが必要だとも考えていた。
(基本的に白井黒子は民間人を巻き込むことを好まないが、状況が状況である以上はやむを得ない)
1人の『能力者』として、『他者を害する能力者』を看過することはできない。
風紀委員(ジャッジメント)の管轄外である学園都市の外でも、それは同じだ。
己の信念に従い正しいと感じた行動を取るべし、なのである。
 ◆◇◆◇◆

76 :

「とはいっても……テレポートを使っても、ホテルの全室を探しまわるのは骨が折れますわね」
そういうわけで、一旦エレベーターを使って降りることにした。
下から見て回ることにしたのは、一階にホテルの調理場があるはずだったからだ。
そこならば、普段使っている金属矢の代用となる刃物があるかもしれない。
「ほぉー。高いなー。数十万年閉じ込められてる間に、人間界も進歩したもんだ」
テンコが分厚いガラス窓に張り付いて、エレベーターからの夜景に見入る。
「数十万年前なら、まだジャワ原人の時代ですわよ……」
その小動物のような外見と、いかにも子どものような声で数十万歳とは。
つくづく、先入観を持って接するのはよくない。
「しかし灯りが少ないなー。近くにあるのはこの建物だけなのか?」
「おそらく、このエレベーターが山側を向いているせいでしょう。
このGPSと夜景だけでは、地名を特定するまでには至りませんけれど」
「そうなのか。しかし静かな夜だなー。今この時もし合いをしてるなんて嘘みたいだ」
「仮に、ここから見える範囲で戦闘音がしたとしても、これは防音ガラスのようですから届かないと思いますのよ」
「そっか……そういや、クロコの支給品にそういう戦闘音とかを知る道具があったんじゃねえの?」
「ああ……『日記』のことですの」
チン、と音を立てて、エレベーターが一階に到着。
電波が届く環境になったところで、黒子は携帯電話と『日記』を取りだした。
「確かに、この『正義日記』とやらを使えば……近辺の『倒すべき悪』が予知されるそうですけれど。
それでも私は、現時点でこれと『契約』するのは早急だと思いますの」
「リスクが大きすぎるからか? でもその『ボイスレコーダー』を壊されない限りは安全なんだろ」
「それだけではありませんのよ。」
黒いやや旧式のボイスレコーダーを手の中で弄ぶ。
所定の電話番号に電話をして『契約』すれば、そのレコーダーから未来予知が流れてくるらしい。
普段の黒子なら、眉つばと疑ってかかるような話だ。
予知能力(ファービジョン)の応用と考えたとしても、無能力者を能力者にするようなケースはあり得ない。
それに近いことをしたのが『幻想御手(レベルアッパー)』だが、それだって本人の持っている能力レベルを引き上げたのに過ぎない。
しかし、それはあくまでも、白井黒子の住む世界の常識なのだった。
テンコを受け入れるなら、未来日記とやらも受け入れなければならない。
そういう意味では、未来日記の性能はあまり疑っていなかった。
だから白井黒子が契約を躊躇うのは、別の理由だ。
「この説明書によれば、予知される情報は『所有者の主観に寄る』とありますわね」
「そう書いてあるな」
「そして、この『正義日記』は『為すべき善行と倒すべき悪行を予知する』と書いてあります」
「主観に異存して悪行を予知する……つまり、悪人が契約しても、悪いことを予知しないってことか?」
「その可能性も考えられますが……それほどではなくとも、契約した当人の正義感が、偏っていたり、消極的だったりすると、扱いにくくなりますわね」
「どういうことだ?」

77 :
テンコは黒子の頭の高さで滞空したまま、小首をかしげる。
黒子はあくまで真面目な顔で、言った。
「例えば、一般的に見て、『無断で女子中学生にセクハラを働く』という行為は痴漢ですし、それに反撃して相手を半しにするという行為は過剰防衛ですわね」
「そりゃあ、犯罪行為だな。っつーか、何で痴漢なんだ?
現状はし合いなんだから、他にも色々と酷いことがあるはずじゃねーのか?」
「しかし、ですわ。もしこの私が、この会場で愛しいお姉さまと再会を果たせたとしましょう」
「お姉さま……っていうのはミサカっていう姉ちゃんのことか?」
「はい、その場合、再会に感極まった私が愛情表現の一環として、
お姉さまの慎ましやかなお胸に愛撫を加えたり、押し倒してしまったり、
その反撃としてお姉さまから強力な電撃を浴びせられたりしたらくふふふふふふふふ。
……ゴホン! それらの行為を『正義日記』は予知すると思われますでしょうか?」
「…………おい、今なんつった」
「おそらく、残念ながら『正義日記』は再会を予知しないでしょう。
私の主観ではそれは犯罪行為にあらず、日頃から行われている、お姉さまのスキンシップなのですもの」
「つーか一般的にヤバいって自覚あるのに日頃からやってるのかよ!」
ビシッと音がしそうな鋭さで、テンコの突っ込みがとんだ。
したたり落ちそうなヨダレをこらえて、黒子は続ける。
「まぁ、今の例えは極端すぎたかもしれませんが。
例えば、あまり正義感の強くない臆病な人が契約した場合、戦闘行為の予知が行われにくくなったり。
逆に、正義感の強すぎる人物が契約した場合、予知に踊らされて人者との戦いを重ねて、撤退すべき局面で撤退できなかったり。
そういう、使いこなせないリスクが大きいのがこの『日記』なんですの」
最初からそう例えろよ、という突っ込みがどこからか聞こえた気がしたが、聞き流す。
「ですから、所有者としてふさわしい方に託せるか、私が契約せねばならないという状況が来るまで、『保留』にいたしましょう。
ルールによると、所有者を他人に上書きすることはできても、解約をすることはできないようですし」
「なるほど、クロコは頭がいいんだな……」
「そしてもう一つの問題ですが、『日記はおそらく複数ある』と思いますの」
「マジか……!? どうしてそう思うんだ?」
「この、ボイスレコーダーを破壊されると死ぬという説明をご覧くださいまし」
「ここか? 『未来日記の破壊は所有者の死を意味する。何故なら、未来日記の破壊は、所有者の未来を破壊することに等しいからである』……」
「この部分では、『正義日記』のことを『未来日記』と称していますの。
つまり、『未来日記』という予知アイテムが複数あり、『正義日記』はその一つだと考えられませんこと?」
さらに言えば、その別の『日記』は、ボイスレコーダーの形をしていない可能性が高い。
『日記』という名称から、基本的に文章の媒体だった方が自然だからである。

78 :
「その場合、細かい点で疑問は残りますの。
例えば、一人の所有者が複数の電話番号を手にした場合、複数の未来日記を『所有』することは可能なのか。
あるいは、例えば携帯電話が未来日記になるような仕様だった場合、複数の参加者が同じ番号に電話をかけると、全ての携帯電話が未来日記になってしまうのか。
可能ならば、一人で未来の完全予知を実現する所有者が現れるかもしれません。
し合いに乗った人間がそうなってしまうケースは何としても阻止しなければなりません。
……一応、そこを確認するためだけでも、電話をかけてみるとしますか」
黒子は、説明書に付記された番号に電話をかけた。
「あの、契約を保留として、ルール説明を詳しくお聞きしたいのですの」
『なんじゃ、契約せんのか。それならスマンが、後で電話してくれぬか。
≪只今、回線がたいへん込み合っております≫での。ワシも忙しいのじゃ』
なるほど、スピーカーの向こうからは、さかんに『トゥルルル、トゥルルル』と複数のコール音が聞こえている。
黒子の答えを待たずして、電話は切れた。
「考えてみれば、無理からぬことですわね。『未来日記』について気になるのは、私たちだけではありませんでしょうし。ここは順番待ちをいたしましょう。
そうですわね……ホテルの探索を終えて、ホームセンターに向かう道中でまたかけてみるとしますか」
「ホームセンターに行くのか?」
「ええ。私が普段使っている金属矢の、代りになる釘か何かが必要ですし。テンコさんには、行きたいところがありますの?」
「いや、オレもアテはないし、そこで構わないぞ。それにホームセンターなら佐野が手ぬぐいを探しに来るかもしれ――」
――どしん!
エレベーターを出て、一旦玄関ホールに出た2人の耳に、何かがぶつかったような衝撃音が届いた。
「敵の攻撃か?」
「いえ、爆音や戦闘音の類ではなさそうですわ」
黒子の眼付きが、瞬間的に鋭敏なものへと変わる。
ヒュン、と空気を切る音を残して、テンコごと壁の向こう側へ飛んだ。
そこには、ホテルの壁面に激突した、箱入りの『何か』がいた。
なぜ『何か』なのかというと、まるで狙ったかのようにその姿が隠れていたからだ。
奇妙なマスクを被った犬たちが、その『何か』を覆い隠していたからだ。
――ワンワンワンワンワン!
「…………どなた?」
数十頭はあろうかという犬の大群と、その群れに懐かれて埋もれている『誰か』だった。
【C−6/ホテル前/一日目・黎明】

79 :
【赤座あか(ry@ゆるゆり】
[状態]: 気絶中。\アッカリ〜ン/(犬に隠れて姿が見えない)
[装備]:わんわん日記(飼育日記)@未来日記、手ぬぐいの詰まった箱@うえきの法則、着ぐるみパジャマ(わんわん)@ゆるゆり
[道具]:基本支給品一式
基本行動方針:みんなと協力しておうちに帰る
1: よかった……ちゃんと(?)、出番あった……
2: 京子ちゃん、結衣ちゃん、ちなつちゃん、杉浦先輩と会いたい。
[備考]
数十頭の犬たちにたかられています。
犬たちは全頭揃っているかもしれませんし、あるいは山を下りる最中に何匹かはぐれてしまったかもしれません(次以降の書き手さんに任せます)
【白井黒子@とある科学の超電磁砲】
[状態]: 健康
[装備]:テンコ@うえきの法則
[道具]:基本支給品一式 、正義日記@未来日記、不明支給品0〜1(少なくとも鉄釘状の道具ではない)
基本行動方針:正義を貫き、し合いを止める
1: これ、誰ですの?
2:しばらく時間がたったら、再度ムルムルに電話をかけて未来日記の制限を確認する。
3:鉄釘を入手する為、ホームセンターに行ってみたい。(いったん、調理室のナイフ類で代用する)
4:お姉さま、初春、佐天さんとの合流。
[備考]
天界および植木たちの情報を、『テンコの参戦時期(14巻時点)の範囲で』聞きました。
あかりと桐山の呼びかけを聞き逃しました。(一度目は防音のきいたスイートルームにいたため。二度目はエレベーターの中にいたため)
【テンコ@うえきの法則】
白井黒子に支給。
植木耕助の連れている天界獣。
15巻、バロウ戦の直前から参戦。
天界獣は天界力を溜めこむ性質を持っている為、この時期のテンコは植木耕助の『神器を使う為に必要な天界力』を保管している。
(植木の近くにいれば、テンコの意思で天界力を植木に戻すことができる)
本来の天界獣に巨大化能力はないが、テンコは突然変異種で先祖返りを起こしている為に、成長するにつれて巨大になった。
(ただし、本ロワでは巨大化及び、巨大化した際のバリアを張る能力などは制限されている)
【正義日記@未来日記】
白井黒子に支給。
未来日記所有者12th、平坂黄泉の未来日記。
『未来になすべき善行と、倒すべき悪』を予知する未来日記。(ただしあくまで所有者主観)
他の未来日記と同じく、ボイスレコーダーの破壊は所有者の死亡を意味する。

80 :
投下終了です

81 :
投下乙です
未来日記のオンパレードだなー
黒子はビリビリを前にしたときの印象が強すぎるけど、本当はこれくらい頼りになる奴だよなw
しかしアッカリーンwww

82 :
投下乙です
黒子は頼りになる対主催だなー
植木のパワーアップフラグの鍵も握ってるし、黒子の働き次第でロワの行く末が決まるかも
あかり……不憫なやつ……

83 :
アッカリンをゲリラ投下しようとしてたら先越されてた……
投下乙!
この没話はやり場のない作品投下スレに投下しておくよ
興味のある方はどうぞ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1237130388/

84 :
>>83
投下乙です。
タイトルコールから地の文に至るまでのあかりのいじられっぷりに笑わせていただきました
ハガレンネタ引っ張るなーと思ったら夢落ちだったのかwwwなるほどw
今回は先に予約とってしまう形になっちゃったけど、めげずに今後とも参加してくれたら
それはとっても嬉しいなって

85 :
>>84
シッンリ〜ンネタをたまたま見てつい使いたくなって
あかりかわいいよあかり
               ::...::         .:                  ::..::::::::::::::::::...
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86 :
黒子パートはj1I31zelYA氏の話で、あかりパートを>>83の話にしたら良いんじゃないかと思った

87 :
投下話もボツネタも面白かった

88 :
ってか、登場人物全員、市中肺炎に感染した。
最初の処置は?

89 :
誤爆?

90 :
予約見て思ったんだけど佐野と真田って名前の語呂がなんか似てるな
だからどうしたって話なんだがwww

91 :
もう終了した方がいい

92 :
佐野、真田、投下します

93 :


94 :


95 :
     

96 :

山中をジグザグに逃げて、人里が見えた頃には、普段の冷静さも戻りつつあった。
(……さて、ここまで距離を離したら、もう充分やろ)
山小屋での拡声器を発端とした乱戦からいち早く逃走した男、佐野清一郎。
獣道を駈け下り、着流しに木の葉をいくつもくっつけて、山の麓のひらけた土地へとたどり着いた。
申し訳程度にぽつぽつと点在する住宅は農家なのだろう、暗闇ではよく分からないが、何かの野菜が育てられている畑が、民家を埋めるように広がっている。
その中から手ごろな一件に侵入し、一時の休憩。
二階へと上がり、窓を開けて室内に夜風を入れる。
ベランダ近くの畳にあぐらをかいて座ると、監視の意味も込めて柵の向こうの田舎道を見下ろす。
(ほな、『反省会』でも始めるとするか)
何せ、先刻の戦闘では予想外のことが起こり過ぎた。
能力を持たない一般人であるはずの桐山和雄に圧倒されたかと思えば、
乱入してきた2人組の内の一人は、佐野にたいして仲間であるかのような口をきいてきた。
――オレらで……絶対にコバセンか犬丸を神様にするって約束しただろ!?
あの時は、戦闘現場からの進退を決めかねていたこともあって聞き流していたが、
思い返せば妙に具体的なことを言われていた気がする。
(……まっ、この件については手がかりが少なすぎるし、今考えてもしゃーないやろ。
それより厄介なんは、アイツがオレの能力と限定条件を知ってたことや)
佐野清一郎は優れた戦術家だったが、同時に大ざっぱな性格でもあった。
よく言えば、柔軟。悪く言えば、出たとこ勝負。
今回の場合は、それが『あまり深く考えない』という方向に作用してしまった。
何より、し合いには乗っていないらしいサル顔の男が、弱点である『限定条件』を知っていたことの方が、佐野にとっては重大事だった。
どうやってそれを知ったのかは分からない。
だが、あの男がどうやらし合い反対派らしい以上は、他の参加者にその『能力』の情報をベラベラと喋る危険がでてくる。
(そうなると、この先、ちと厳しいかもしれんな……)
佐野清一郎の目的は、単なる戮ではない。
最後の一人になるまで、生き残ることだ。

97 :
  

98 :
それも、最強の能力者と謳われる、ロベルト・ハイドンを押しのけての生還である。
ロベルト・ハイドンは、一応は佐野の所属するロベルト十団のボスであり、親友犬丸の命を握っている能力者であり、佐野にとっても逆らい難い相手である。
しかし、佐野が身を挺してロベルトを生還させたところで、彼が犬丸の命を助けてくれるかは怪しい。
やはり、親友を確実に救い出す為には『神の力』が必要であり、佐野本人が最後の一人になるしかないのだ。
そんな強敵をも打ち倒し、その上で佐野自身は生き残らなければならない。
その為に必要なのは、何よりも情報だ。
十団を率いているロベルトにしても、その詳しい能力を佐野は知らない。
『最強の能力者』という肩書だけが、一人歩きしている現状なのだ。
(何より、桐山みたいに得体のしれん強い奴がごろごろおるとしたら……ますます、『情報』が必要になってくるな)
このし合いの場では、佐野の知る常識は通用しない。
そのことを、桐山和雄との戦いは実感させてくれた。
未来日記という反則的なアイテムが、然り。
また、一般人であるにも関わらず、佐野に恐怖を与えた桐山という男そのものも、また然り。
参加者やアイテムの情報はできるだけ多く欲しいし、逆に自分の情報を極力晒してはならない。
『能力』自体の強さより、能力を生かす『戦術』を重要視する佐野にとって、情報のアドバンテージは軽視できる問題ではなかった。
(そうなると、あのサル顔の一味はなるべく早い内に口封じせなあかんな……。
他の連中は、赤座あかりの時みたいに、味方面して近づいて、情報を引き出せるだけ引き出してからすやり方が得策か。
それから、弱い奴や1人でいる奴を手堅くして、支給品を充実させるんも有効な戦略やろな。
……畜生。我ながら、反吐が出そうになる戦い方や)
佐野清一郎は、戦術戦略を駆使した戦いが好きだ。
しかし、それは戦いを創意工夫して楽しむ為のもの。
卑怯なやり方や弱者を優先して倒す戦い方など、本来は最も毛嫌いする男だった。
だからこそ、彼は感情をす。
(何にせよ……早く他の参加者と接触する必要はあるな。
そうなると、“アレ”を出しといた方がいいやろな)
こうして、反省会終了。
灯りもつけない闇の中で、佐野はディパックの中を手さぐりした。
取り出したのは、佐野に支給された最後の道具。
少々不格好な形をした、双眼鏡だった。
双眼鏡の名を、赤外線暗視スコープという。
(陽が昇るまでは、頼りになりそうやな……)
使い方に慣れておきたいこともあり、レンズ越しにベランダの外の景色を覗きこむ。
緑色がかった視界が、佐野の前に開ける。
『人日記』には、標的と出会う居場所を予知する機能こそあるものの、索敵に特化しているというわけではない。
赤座あかりの一件では『山小屋』という居場所がはっきりしていた為に出番がなかったが、暗闇の中、近づいて来る相手を察知する上では役に立ちそうだ。
(……って、考えたそばから、道を歩いて来る奴がおるやんけ)

99 :


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